JP5369859B2 - 車両用シート - Google Patents

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Description

本発明は、車両用シートに関する。詳しくは、着座部の前部に足載せとして機能するオットマンが設けられた車両用シートに関する。
従来、車両用シートにおいて、シート本体を後傾させて安楽姿勢に切り換える操作に合わせて、オットマンが前方に起こし上げられて、足載せとして機能する状態に切り換えられるようになっているものがある。ここで、下記特許文献1には、シート本体がフロア上に設置されたスライドレール上をスライドできるように構成されており、シート本体を前方側へスライドさせる動きによって、シート本体が後傾して安楽姿勢に切り換えられると共に、シートクッションの前部にリンク連結されたオットマンが前方側に起こし上げられるようになっている技術が開示されている。
特開平8−266370号公報
しかし、上記開示の従来技術では、安楽姿勢に切り換えられるために前方移動したシート本体の更に前方側にオットマンが起こし上げられる構成となっており、シート前方側に多くの空きスペースが必要な構成となっている。
本発明は、上記した問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、シート本体を後傾させて安楽姿勢に切り換える動作によってオットマンがシート前方側に展開動作するように構成されたものにおいて、かかる動作に必要なシート前方側の空きスペース量を少なく抑えられるようにすることにある。
上記課題を解決するために、本発明の車両用シートは次の手段をとる。
先ず、第1の発明は、着座部の前部に足載せとして機能するオットマンが設けられた車両用シートである。着座部は、フロア上に設置されたスライドレールと連結されており、背凭れ部と一体的となって車両前後方向にスライドすることのできる構成とされている。スライドレールは、着座部を後方側にスライドさせることにより、着座部を背凭れ部と一体的に後傾させて安楽姿勢の状態に切り換えられるよう、後部が下方に曲がった形状とされている。オットマンは、着座部とフロアとにリンク連結されている。オットマンは、着座部をフロアに対して後方側にスライドさせる後傾動作により前方側に起こし上げられるようにリンク運動して、着座部の前部に畳まれた収納位置から足載せとして機能する使用位置まで展開移動する。
この第1の発明によれば、オットマンは、着座部や背凭れ部が後方スライドして安楽姿勢に切り換えられる動きに連動して、着座部の前方側に起こし上げられて足載せとして機能する状態へと切り換えられる。このように、シート本体を構成する着座部や背凭れ部が後方側にスライド移動する一方で、オットマンが前方側に展開移動する構成となっていることにより、かかる動作に必要なシート前方側の空きスペース量を少なく抑えることができる。
次に、第2の発明は、上述した第1の発明において、オットマンの着座部及びフロアに対するリンク連結構造は、オットマンと着座部の前部とが第1のリンクによってリンク連結され、オットマンとフロアに固定された支持部材とが第2のリンクによってリンク連結され、着座部が後方スライドする動きに伴って、各リンクがオットマンを前方側に起こし上げるように回転運動するリンク連結構造となっている。
この第2の発明によれば、オットマンを第1のリンクと第2のリンクとによって着座部の前部とフロアとにそれぞれリンク連結したことにより、着座部の後方スライドに伴ってオットマンを前方側に起こし上げるようにリンク運動させることができる。このように、オットマンを着座部の後方スライドに伴って前方側に展開動作させるリンク構造を単純な構成によって具現化することができる。
次に、第3の発明は、上述した第1又は第2の発明において、スライドレールの後部の下方に曲がった形状は、下方に滑らかに湾曲した形状である。
この第3の発明によれば、スライドレールの後部の下方に曲がった形状が下方に滑らかに湾曲した形状とされていることにより、着座部の後方スライドに伴って、着座部の姿勢を緩やかに後傾させていくことができる。また、着座部がスライド時にスライドレールの曲がり部に突っ掛かりにくくなるため、着座部のスライド移動を円滑に行うことができる。
実施例1の車両用シートの構成を表した側面図である。 シート本体を安楽姿勢に切り換えた状態を表した側面図である。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
始めに、実施例1の車両用シートの構成について、図1〜図2を用いて説明する。本実施例の車両用シートは、図1に示されるように、車両の運転座席後ろの2列目の座席用シートとして構成されており、シート本体1が、背凭れ部となるシートバック2と、着座部となるシートクッション3とを有して構成されている。このシート本体1は、シートクッション3の下部骨格を成すロアフレーム3Bが、フロアF上に固定設置された左右一対のスライドレール5にスライド可能に連結された構成となっている。
上記したシートバック2は、その骨格を成すバックフレーム2Aの左右両サイドの下端部が、それぞれ回転留め可能な回転軸装置として機能するリクライニング装置4を介して、シートクッション3の骨格を成すクッションフレーム3Aの左右両サイドの後端部と連結されている。ここで、各リクライニング装置4は、常時は附勢によってシートバック2の背凭れ角度を固定した(回転留めした)ロックの作動状態に保持されている。
そして、各リクライニング装置4は、これらに連結された操作レバー4Rの引き上げ操作に伴って、それらのロック状態が一斉に解除操作されて、シートバック2の背凭れ角度の調整操作を行うことのできる状態に切り換えられる。そして、シートバック2の背凭れ角度を所望の角度位置に調整し、操作レバー4Rの解除操作をやめることにより、各リクライニング装置4が再び附勢によってロックした作動状態に戻されて、シートバック2がその調整された背凭れ角度位置に固定される。
また、上記したロアフレーム3Bは、シートクッション3のクッションフレーム3Aに一体的に結合されており、その前端側と後端側の下端部に、スライドレール5にスライド可能に装着されるスライダBa,Bbが組み付けられている。これにより、上記構成のシート本体1は、シートバック2とシートクッション3とを一体的とした状態で、スライドレール5のレール形状に沿って、車両前後方向にスライドすることのできる構成とされている。
ところで、上記したシート本体1は、常時は、ロアフレーム3Bに設けられたロック体3Cのロック爪Caが、附勢によってスライドレール5の底面部に形成されたロック孔(図示省略)内に押し込まれた状態に保持されることによって、スライドレール5に対するスライド移動がロックされた状態に保持されている。そして、このスライドロック状態は、シート本体1に着座した乗員がシートクッション3の側部箇所に設けられた図示しない解除レバーを操作することにより、ロック体3Cに連結された操作アーム3Dが操作されてロック爪Caがロック孔から外し出されて解除されるようになっている。
ここで、上記した各スライドレール5は、それらの前端部と後端部とが、支持ブラケット5A,5BによってそれぞれフロアF上に一体的に固定されて設けられている。これらスライドレール5は、それらの前端部から中央部近傍の領域にかけては、レール形状が前後方向に水平に真っ直ぐに延びる形状とされているが、その後部5Cは下方に滑らかに湾曲した形状に形成されている。これにより、シート本体1は、図1に示されるように、各スライダBa,Bbが、スライドレール5のレール形状が水平に延びているレール領域に位置している時には、車両走行時等の通常時の着座乗員の着座姿勢を支えることのできる通常の着座姿勢の状態に保持されるようになっている。
しかし、シート本体1は、図2に示されるように、上述したロック体3Cによるスライドロック状態を解除して、各スライダBa,Bbをスライドレール5のレール形状に沿って車両後方側にスライドさせることにより、全体が図1で示した通常の着座姿勢よりも後傾した安楽姿勢の状態に切り換えられるようになっている。詳しくは、シート本体1は、後端側のスライダBbがスライドレール5の後部5Cの下方に湾曲した領域までスライドすることにより、後部が沈み込む格好で後傾姿勢に切り換えられるようになっている。
ところで、図1に戻って、上述したシートクッション3の前部には、着座乗員の足載せとして機能するオットマン6が配設されている。このオットマン6は、左右一対の第1のリンク7と第2のリンク8とによって、シートクッション3の前部とスライドレール5の前部とに、それぞれ回転可能にリンク連結されている。詳しくは、第1のリンク7は、その図示右側の一端が、連結軸7Aによって、それぞれクッションフレーム3Aの前端部に一体的に結合固定されて設けられた左右一対の連結アーム3Eに回転可能に軸連結されている。
そして、第1のリンク7の図示左側の他端は、連結軸7Bによって、それぞれオットマン6の左右両サイドの上方部に回転可能に軸連結されている。また、第2のリンク8は、その図示右側の一端が、連結軸8Aによって、それぞれスライドレール5の前端部に一体的に結合固定されて設けられた左右一対の支持アーム5D(本発明の支持部材に相当する。)に回転可能に軸連結されている。そして、第2のリンク8の図示左側の他端は、連結軸8Bによって、それぞれオットマン6の左右両サイドの下方部に回転可能に軸連結されている。
これにより、オットマン6は、シート本体1とスライドレール5との間でリンク連結された構成となっており、図1と図2とを対比して分かるように、シート本体1がスライドレール5に対してスライドする動きに伴って、この動きに連動して両リンク7,8がリンク運動してその回転姿勢が変えられるようになっている。具体的には、オットマン6は、図1に示されるように、シート本体1がスライドレール5の前方寄りのスライド領域に位置した通常の着座姿勢状態に保持されている時には、シートクッション3の前部に畳み込まれた収納位置の姿勢状態に保持されている。
そして、オットマン6は、図2に示されるように、シート本体1が後方側にスライドして後傾した安楽姿勢となる動きに伴って、各リンク7,8のリンク運動を受けてシートクッション3の前方側に起こし上げられて、足載せとして機能することのできる使用位置に向けて展開移動していくようになっている。詳しくは、オットマン6は、シート本体1の後方スライドに伴う後傾移動の進行に伴って、その起こし上げ量が漸次増大していくようになっており、シート本体1の後傾した姿勢に対して足載せとして好適に適合することのできる姿勢を維持できるようになっている。
これにより、着座乗員がより安楽した姿勢でシート本体1に着座することができるようになっている。また、シート本体1を後方スライドによって通常の着座姿勢から安楽姿勢に切り換える操作に加えて、上記したシートバック2の背凭れ角度を調整する操作を行うことにより、着座乗員の着座姿勢をより安楽な姿勢に切り換えることができ好適である。
このように、本実施例の車両用シートによれば、オットマン6は、シート本体1が後方スライドして安楽姿勢に切り換えられる動きに連動して、シートクッション3の前方側に起こし上げられて足載せとして機能する状態へと切り換えられる。このように、シート本体1が後方側にスライド移動する一方で、オットマン6が前方側に展開移動する構成となっていることにより、かかる動作に必要なシート前方側の空きスペース量を少なく抑えることができる。
また、オットマン6を第1のリンク7と第2のリンク8とによってシートクッション3の前部とフロアF(スライドレール5)とにそれぞれリンク連結したことにより、シート本体1の後方スライドに伴ってオットマン6を前方側に起こし上げるようにリンク運動させることができる。このように、オットマン6をシート本体1の後方スライドに伴って前方側に展開動作させるリンク構造を単純な構成によって具現化することができる。
また、スライドレール5の後部5Cの下方に曲がった形状が下方に滑らかに湾曲した形状とされていることにより、シート本体1の後方スライドに伴って、シート本体1の姿勢を緩やかに後傾させていくことができる。また、シート本体1がスライド時にスライドレール5の曲がり部に突っ掛かりにくくなるため、シート本体1のスライド移動を円滑に行うことができる。
以上、本発明の実施形態を一つの実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施できるものである。例えば、スライドレールの後部が下方に曲げられる形態は、湾曲するもの以外にも、一段又は多段に折り曲げられるものであってもよい。また、オットマンを着座部(シートクッション)やフロアにリンク連結する連結構造は、着座部の後方スライドに伴ってオットマンを前方側に起こし上げられるリンク連結構造となっていれば良く、特別なリンク構造に限定されるものではない。
1 シート本体
2 シートバック(背凭れ部)
2A バックフレーム
3 シートクッション(着座部)
3A クッションフレーム
3B ロアフレーム
Ba,Bb スライダ
3C ロック体
Ca ロック爪
3D 操作アーム
3E 連結アーム
4 リクライニング装置
4R 操作レバー
5 スライドレール
5A,5B 支持ブラケット
5C 後部
5D 支持アーム(支持部材)
6 オットマン
7 第1のリンク
7A,7B 連結軸
8 第2のリンク
8A,8B 連結軸
F フロア

Claims (2)

  1. 着座部の前部に足載せとして機能するオットマンが設けられた車両用シートであって、
    前記着座部はフロア上に設置されたスライドレールと前後2箇所の位置でスライド可能な状態に連結されて背凭れ部と一体的となって車両前後方向にスライドすることのできる構成とされ、該スライドレールは前記着座部を後方側にスライドさせることにより該着座部を前記背凭れ部と一体的に後傾させて安楽姿勢の状態に切り換えられるよう後部が下方滑らかに湾曲した形状とされ、前記オットマンは前記着座部とフロアとにリンク連結されて該着座部をフロアに対して後方側にスライドさせる後傾動作により前方側に起こし上げられるようにリンク運動して前記着座部の前部に畳まれた収納位置から足載せとして機能する使用位置まで展開移動することを特徴とする車両用シート。
  2. 請求項1に記載の車両用シートであって、
    前記オットマンの前記着座部及びフロアに対するリンク連結構造は、前記オットマンと前記着座部の前部とが第1のリンクによってリンク連結され、前記オットマンとフロアに固定された支持部材とが第2のリンクによってリンク連結され、前記着座部が後方スライドする動きに伴って前記各リンクが前記オットマンを前方側に起こし上げるように回転運動するリンク連結構造となっていることを特徴とする車両用シート。
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