JP2008071533A - アルカリ電池用ニッケル電極の製造方法およびアルカリ電池用ニッケル電極 - Google Patents

アルカリ電池用ニッケル電極の製造方法およびアルカリ電池用ニッケル電極 Download PDF

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Abstract

【課題】所望の厚みと容量を備えると共に、充放電に伴う電池性能の劣化を抑制することができるアルカリ電池用ニッケル電極およびその製造方法を提供する
【解決手段】不織布の繊維表面にニッケルを被覆した電極基板に活物質を充填した後、加圧成形し、さらに80℃以上130℃以下で5分以上60分以下の熱処理を施して電極とする。前記加圧成形は、加圧成形後の電極の厚みをtとしたとき、2.3t以下の厚みの電極基板を用いて行う。活物質を充填後の電極基板を圧縮する割合を規定することにより、電極基板の厚さを、十分な量の活物質を充填可能な厚さとすることができると共に、充填した活物質が電極基板から剥離し難くできる。また、加圧成形後に所定の熱処理を施すことにより、ニッケル電極を圧縮された状態で固化させることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルカリ二次電池に使用するアルカリ電池用ニッケル電極およびその製造方法に関する。特に、ニッケル−水素電池やニッケル−カドミウム電池に使用するアルカリ電池用ニッケル電極およびその製造方法に関する。
従来、携帯用、移動用、産業用などに用いる二次電池として、鉛蓄電池やリチウムイオン電池とともにアルカリ二次電池が広く使用されている。
アルカリ二次電池は、信頼性が高く、長寿命であり、リチウムイオン電池より安価で小型軽量化が可能などの特徴があるため、幅広い分野で使用されている。特に、最近では省エネルギー化や環境保全を推進する立場から自動車メーカによりハイブリッド車などに実用範囲が広がっており、海外でも広く注目されている。この電源として、現在のところニッケル−水素電池が主に採用されている。
ところで、ポータブル機器から産業用大型設備までの各種装置の電源として多用されているアルカリ電池には、ほとんどの場合、正極としてニッケル電極が使用される。ニッケル電極の構造としては、他の電池用電極と同様に集電機能を担う集電体に、電池反応を起こさせるための正極活物質を担持させた構造が採用されている。この場合、集電体として、従来のポケット式に代えてニッケル粉末を焼結した焼結ニッケル板が発明されたことでアルカリ二次電池の実用化が進んだ。
その後、ニッケル電極の低廉化と高容量化が図られた。低廉化の技術としては、三次元構造を持つ焼結体の代わりにパンチングメタルのような二次元構造を用いることが提案された。具体的には、パンチングメタルの空孔に活物質ペースト(活物質を含むペースト状のもの)を充填することでニッケル電極を作製する技術であるが、このようなニッケル電極は種々の問題点を有するため実用の段階に到っていない。
一方、ニッケル電極の高容量化は、焼結体の代わりに、やはり三次元構造の発泡状ニッケルを採用することにより可能になった。発泡状ニッケルは、通常、ウレタン樹脂の発泡状シートにニッケルメッキを施し、ウレタン樹脂を焼却後に還元性雰囲気下で焼鈍して、ニッケル骨格の強度を向上させる方法によって製造される。そして、この発泡状ニッケルに活物質ペーストを充填し、加圧することで、ニッケル電極が得られる。発泡状ニッケルの多孔度は、焼結体の80%程度に対して、92〜96%で非常に大きく、したがって単位体積当りに充填できる活物質を多くすることができるので、高容量化を実現できる。
発泡状ニッケルは、開発当初、損傷が生じ易いという問題点があった。例えば、円筒状の電池容器にシート状のニッケル電極を捲回して収納するとき、発泡状ニッケルに亀裂が入るなどの問題点があった。しかし、現在では、この問題点も解決されて、ポータブル機器はもちろん、高出力と高い信頼性を要求されるハイブリッド車においても発泡状ニッケル集電体を用いた円筒状及び角形のニッケル−水素電池が実用化されている。このように、ニッケル−水素電池用のニッケル電極として、一部の機器で焼結体が用いられているものもあるが、主流は発泡状ニッケルの電極基板(集電体)に活物質を担持させたものに代わってきている。
現在、発泡状ニッケルは、電池用電極の集電体として、高容量はもちろん高出力用にも適した特性を持つレベルに達している。残る問題点としては、ニッケル電極の価格の大半を占めるニッケル量を減らして、ニッケル電極の低廉化を図ることである。
発泡状ニッケルは、開発当初、ニッケルの目付け重量として500〜600g/m2を採用していた。現在では350〜400g/m2程度の目付け重量であっても実用に耐えるものが開発されている。しかし、ニッケル量をさらに減らすと、ニッケル電極の強度が低下するので、発泡状ニッケルを製造することはできても、その後のニッケル電極の製造工程や電池の作製時に破損を生じる可能性が極めて高い。
一方、不織布を芯材として、その表面にニッケルをメッキして形成した多孔性の電極基板を集電体として用いたニッケル電極を製造することが提案されている。不織布を芯材としたニッケル電極では、ニッケルの量を減らしても所定の強度を維持することができ、また、発泡状ニッケルと比較して製造が容易であるという利点を有している。このような電極基板に活物質を担持させて形成する電極として、例えば、特許文献1に記載の電極が挙げられる。
特許文献1には、樹脂製の不織布の表面にニッケルをメッキして形成した集電体(多孔性の電極基板)が開示されている。また、この電極基板にペースト状の活物質合剤を充填した後に、加圧成形したアルカリ電池用電極が開示されている。
特開昭61-208756号公報
しかし、近年では、製造コストが安いだけでなく、より小型で、容量が大きく、繰り返しの充放電により電池性能が劣化し難い電池が求められており、上記の特許文献1に記載のような不織布にニッケルメッキを施した電極では、これらの要請に応えることができない場合があった。例えば、特許文献1の電極を用いて製造した電池では、充放電に伴う電池容量の低下が著しかった。これは、充放電に伴って電極基板が膨潤して圧縮前の厚さに戻り、電極基板から活物質が剥離し易いためである。
そこで、本発明の主目的は、所望の容量を備えると共に、充放電に伴う電池性能の劣化を抑制することができるアルカリ電池用ニッケル電極の製造方法およびアルカリ電池用ニッケル電極が提供することにある。
本発明者らは、所望の容量を有すると共に、電池性能の劣化を抑制することができるアルカリ電池用ニッケル電極について種々検討した結果、以下の知見を得た
まず、発泡状ニッケルについてニッケル電極の圧縮の割合を規定することを検討した。発泡状ニッケルを作製する際に芯材となる発泡状ウレタンはその取扱い上、厚さは1200〜1300μm程度が限界であり、それ以下にするとその後のメッキなどの工程でウレタンが破損してしまう。従って、ニッケルメッキ後の厚さもほぼ同じ1200〜1300μmが限界で、それ以下の厚さの発泡状ニッケルは電極基板として用いられていない。上記のような厚さの発泡状ニッケルを用いて、例えば加圧後500μmのニッケル電極を製造すると、発泡状ニッケルで構成される電極基板中のニッケル骨格は1/2.4〜1/2.6に圧縮される。このような圧縮の割合の電極基板では、充放電の繰返しにより活物質が膨潤すると、電極基板が元の厚さに戻ろうとする力が大きく、活物質の膨潤を抑える力が弱いため、電極は膨れ易いことが判った。このように、電極基板を圧縮する割合が非常に重要であることが明らかとなった。
次に、発泡状ニッケルと異なり、厚さを自由に作製できる不織布を用いた電極基板に着目し、種々検討した。その結果、電極基板の初期の厚さを調節して、圧縮の割合を適切な範囲に規定することにより電池の容量維持率を向上できることを見出した。
さらに、充放電に伴って電極基板が元の厚さに戻ろうとする力を小さくすることを検討した結果、電極基板を圧縮後に熱処理を施すことにより、さらに充放電に伴う電池容量の低下を抑制することができるとの知見を得た。
上記知見に基づき本発明を規定する。
本発明アルカリ電池用ニッケル電極の製造方法は、不織布の繊維表面にニッケルを被覆した電極基板に活物質合剤を充填した後、加圧成形して電極とするアルカリ電池用ニッケル電極の製造方法である。そして、前記加圧成形は、加圧成形後の電極の厚みをtとしたとき、2.3t以下の厚みの電極基板を用い、加圧成形後に80℃以上130℃以下で5分以上60分以下の熱処理を行なうことを特徴とする。
また、本発明のアルカリ電池用ニッケル電極は、不織布の繊維表面にニッケルを被覆した電極基板に活物質合剤を充填した後、加圧成形して電極とするアルカリ電池用ニッケル電極であり、加圧成形後の電極の厚みをtとしたとき、2.3t以下の厚みの電極基板を加圧成形する。この加圧成形の後に80℃以上130℃以下で5分以上60分以下の熱処理を行なって得たことを特徴とする。
活物質合剤を充填した後に電極基板を圧縮(加圧成形)する割合を規定することにより、電極基板に十分な量の活物質合剤を充填することができ、且つ、電極基板の空孔に定着した活物質を剥離し難くすることができる。
すでに述べたように、電極基板を圧縮して形成したニッケル電極は、電池の充放電に伴って圧縮前の厚さに戻ろうとする。これは、充放電に伴って活物質が体積変化を起こし、その結果、電極全体が膨潤するからである。例えば、活物質として水酸化ニッケルを使用した場合、充放電反応に伴って、活物質が水酸化ニッケルとオキシ水酸化ニッケルとの間で変化を繰り返す。このとき、電極基板の圧縮率が高いと膨潤した活物質により電極基板が圧縮前の厚さに戻り易く、膨潤した活物質が電極基板から剥離し易くなる。活物質が電極基板から剥離した場合、集電体である電極基板と活物質との接触の度合いが低下して電池の放電容量が低下する。また、電極が膨潤すると、電解液が電極内部に集中すると共に、相対的にセパレータが圧縮される。そのため、セパレータにおける電解液量が減少して電池の内部抵抗が増加し、電池の放電容量が低下する。このような理由のため、電極基板の厚さがニッケル電極の2.3倍超である場合、電極基板が元の厚さに戻ろうとする力が大きく、電極基板が活物質の膨潤を押える力が弱いため、電極基板からの活物質の剥離が多く、電池の放電容量の低下が顕著になる。本発明のニッケル電極は、電極基板の厚さを2.3t以下とすることで、電極基板の戻り代が比較的小さく、活物質の膨潤を抑制することができるので、繰り返しの充放電により電池容量の低下が起こり難い。より好ましい電極基板の厚さは、1.8t以下である。
電極基板は、圧縮成形(加圧成形)することを前提としているので、t超2.3t以下の厚さであれば良い。しかし、圧縮前の電極基板の厚さがニッケル電極の厚さに近いほど、空孔に充填できる活物質の量が減少するので、容量の小さな電池となる。また、このような電極基板では、作製する電池に要求される容量を確保するための活物質の量が多い場合、空孔に充填し切れなかった活物質は電極基板の表面に付着する。電極基板の表面に付着した活物質は、電池の充放電に伴い膨潤したときに、電極基板の網目構造により膨潤を押えることができないため電極基板から剥離し易くなる。そのため、この電極を用いて作製した電池の容量が低くなり、その寿命も短くなる。上記のことを考慮して、電池の容量を十分に確保すると共に、長寿命の電池とするために、電極基板の厚さは、1.3t以上であることが好ましい。より好ましい電極基板の厚さは、1.4t以上である。
また、上述した電極基板の圧縮は、充填する活物質の量を考慮に入れて、極端な伸び(例えば、10%を超える伸び)を抑え、電極基板の三次元網目構造が破壊されない限度で行なうことが好ましい。例えば、厚さ900μmの電極基板に活物質を少なめに充填する場合、電極基板を600μmにまで圧縮するよりも、500μmまで圧縮する方が、電極基板に充填された活物質が確りと押し固められて、活物質同士や活物質と電極基板との密着性が高くなる。このように充填する活物質の量に応じて圧縮の割合を調節することにより、充放電に伴う活物質の剥離を効果的に抑制することができる。
活物質を充填した電極基板の加圧成形には、プレスや圧延などを利用することができる。特に、ローラプレス機は、迅速且つ簡便に電極基板を加圧成形できるので、ニッケル電極の量産性を向上させることができる。また、ローラプレス機は、長尺の電極基板を均一に加圧成形できる利点も有する。
また、加圧成形後に、80℃以上130℃以下で5分以上60分以下の熱処理を施すことにより、電極を膨潤し難くすることができる。これは、熱処理により、電極基板内部の繊維がいったん軟化し、その後圧縮された状態で固化するためである。熱処理温度が80℃以下であると繊維の軟化の程度が小さく、繊維が圧縮された状態で固化し難い。130℃以上にすると一部繊維が溶けてしまい、溶融繊維が活物質を包み込んで抵抗になってしまう。上記の温度範囲内の熱処理時間が5分間未満では繊維が十分に軟化しないため、やはり繊維が圧縮された状態で固化し難い。また、上記のいずれの温度範囲であっても60分前後で繊維が十分軟化するため、60分超の熱処理を施すことは、電極基板の生産性を低下させる。なお、上述した熱処理の温度と時間は、次述する電極基板に好適に利用できる不織布の材料によって適宜選択するようにすれば良い。
電極基板の芯材である不織布は、電極基板の強度を保持することができる材料で構成する。その材料として耐アルカリ性、耐酸化性、価格などを考慮し、ポリオレフィン系樹脂、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン、これらの重合体や混合物、あるいは、ポリプロピレンの骨格にポリエチレンを被覆した芯鞘構造のものなどが好適に利用できる。これらポリオレフィン系樹脂は、電極基板の強度を向上させて電極基板を膨張し難くし、集電体である電極基板と活物質ペーストとの接触不良を生じ難くさせる。また、電極基板に可撓性を付与して、加圧成形時に電極基板に亀裂などを生じ難くさせる。なお、ポリアミドのような窒素を含む官能基を持つ高分子を芯材とした電極基板をニッケル−水素電池に使用した場合、電池の自己放電が大きくなる。また、水酸基を持つポリビニルアルコールや酢酸基を有するポリ酢酸ビニルのような高分子は、耐アルカリ性、耐酸化性が良くない。
電極に使用する不織布の目付け重量は特に限定されない。しかし、不織布を嵩高にして空隙体積を大きくすると、充填できる活物質の量を増やせるので、従来の発泡状ニッケルと同様の高容量の電池を得ることができる。また、後工程で加圧成形時の強度を確保するために、不織布の目付け重量は20〜100g/m2の範囲内が好ましい。上述の目付け重量に基づいて作製した不織布では、体積に占める空孔の割合(空孔率)を、発泡状ニッケルと同程度とすることができる。好ましくは、目付け重量を調節して不織布の空孔率を85〜98%とする。より好ましい不織布の空孔率は、90〜96%である。ここで、不織布の表面にニッケルをメッキした場合であっても、メッキするニッケルの厚さは非常に薄いため、上記の空孔率はほぼ変化しない。
不織布は、気相下で形成する乾式法や繊維を水中に分散させて漉き取る湿式法などにより製造することができる。湿式法により得られた不織布は、乾式法により得られた不織布と比較して、その目付け重量および厚みにばらつきが小さく、均一な集電体を確保することができる。また、不織布は、不織布の繊維同士を絡み合わせる交絡処理や、繊維同士の接触点を融着させる熱処理を行なって強度を向上させた後に使用しても良い。その他、不織布に、不織布とニッケルとの密着性を向上させるための親水化処理を行なっても良い。
不織布の表面に被覆するニッケル量は、集電体として十分な性能を発揮することができる量であれば良い。好ましくは、被覆するニッケル量は、50〜220g/m2程度である。このニッケル量は、実用化されている発泡状ニッケルの目付け重量350〜400g/m2よりも大幅に少なくできるために、ニッケル電極を低廉化することができる。ニッケル量が50g/m2未満にすると、ニッケル電極の強度が問題になる。
ニッケルを不織布に被覆する方法は、公知の好ましい方法を選択すれば良い。例えば、ニッケルを被覆する方法は、無電解メッキでも良いし、電解メッキでも良いし、スパッタリングなどの気相法でもかまわない。また、上記の方法を組み合わせて不織布にニッケルを被覆してもかまわない。好ましくは、無電解メッキまたはスパッタリングにより不織布の表面に導電性を付与した後、電解メッキを施す。電解メッキはメッキ浴を用いて行なえば良く、このメッキ浴として、ワット浴、塩化浴、スルファミン酸浴などが好適に利用可能である。これらのメッキ浴にpH緩衝剤や界面活性剤などを添加しても良い。
本発明のニッケル電極をニッケル−水素電池に使用する場合、電極基板に担持させる活物質として、水酸化ニッケルが挙げられる。この活物質を電極基板に担持させるには、活物質を主剤とするペースト状活物質合剤を調整し、電極基板に加圧充填すると良い。加圧充填することで、電極基板の内部に活物質を均等に分布させることができる。また、活物質合剤の充填後に、電極基体を乾燥させることで、電極基体に活物質を定着させることができる。
ニッケル−水素電池の活物質合剤には、水酸化ニッケルの他に、水酸化ニッケルの導電性を補う導電助剤や、集電体である電極基板と活物質との接着性を向上させる結着剤などを含むことが好ましい。導電助剤としては、黒鉛やコバルト、コバルト化合物などが好適に利用可能である。特に、表面にコバルト酸化物を被覆した球状の水酸化ニッケルを活物質として使用すると、電極基板のニッケル量を減らした場合でも放電容量の低下を抑制することができる。一方、結着剤としては、カルボキシメチルセルロースなどが利用できる。
電極基板を加圧成形してニッケル電極とするときの電極の厚さは、電極の用途により適宜選択すれば良い。例えば、ハイブリッド自動車や電動工具などに用いられる高出力用途の電池では、使用するニッケル電極の厚さは350〜550μm程度、デジタルカメラなどに用いられる高容量用途の電池では、使用するニッケル電極の厚さは550〜700μm程度である。また、これらの用途に使用する電池として要求される容量密度は、高出力用途であれば、300〜550mAh/cc程度、高容量用途であれば、550〜750mAh/cc程度である。
以上、説明した本発明のニッケル電極を用いてアルカリ電池を製造する際に、この電極をそのまま使用しても良いし、折りたたんで使用しても良い。さらに、ニッケル電極に補強用のエキスパンドメタルやパンチングメタルを沿わせて電池を製造してもかまわない。
本発明アルカリ電池用ニッケル電極の製造方法によれば、電極の厚みが薄くても容量が高く、繰り返しの充放電にも容量維持率が低下し難いアルカリ電池用ニッケル電極を得ることができる。
また、本発明のアルカリ電池用ニッケル電極を利用すれば、電極の厚みが薄くても容量が高く、繰り返しの充放電にも容量維持率が低下し難いので、高性能なアルカリ電池を製造することができる。
<実施例1>
本例では、不織布の芯材にニッケルを被覆して電極基板とした。ここで、電極基板の厚さを変化させると共に、電極基板を圧縮する割合を変化させて複数の電池用電極を作製した。この電極基板に充填する活物質は、ニッケル−水素電池用正極活物質であり、製造した電極は、ニッケル−水素電池用のニッケル電極である。
ニッケル−水素電池のニッケル電極の作製に当たって、まず初めに、1200、1000、900、800、700、600μmの厚さを有する不織布を用意した。不織布は、ポリエチレン繊維とポリプロピレン繊維とが8:2の比率となるように湿式法により作製した。この不織布の多孔度は90%、孔径は15〜200μm、平均繊径は15μm、目付け重量は65g/m2、幅は600mmであった。
次に、公知のスパッタリング装置により、各不織布の表面に導電性の層を形成して、電解メッキを行なえるようにした。スパッタリングは、電極基板とニッケル片とを真空容器内に配置して、不活性ガスを導入しながら直流高電圧を印加して、イオン化した不活性ガスをニッケルに衝突させることによりニッケルを不織布上に形成する方法である。スパッタリングにより不織布に被覆したニッケルの量は、8g/m2であった。
導電性を付与した不織布にニッケルをメッキした。ニッケルメッキは、硫酸ニッケル330g/L、塩化ニッケル50g/L、硼酸40g/Lを主成分として含むワット浴により行なった。具体的には、キャリアーに巻き付けた前述の導電性を付与した不織布をワット浴中に送り込み、被覆するニッケルの量が平均で200g/m2となるようにニッケルをメッキした。導電性を付与した不織布の対極としては、ニッケル片を入れたチタンバスケットを使用した。不織布にメッキしたニッケルの厚さは、約3μmと非常に薄いため、電極基板の厚さは、ニッケルを被覆する前の厚さとほとんど変わらない。
各電極基板に活物質ペーストを圧入法により充填した。但し、厚さ1200μmと1000μmの電極基板については、次工程において電極基板の空孔に活物質ペーストを均一に充填させるために、ローラプレス機で厚さ900μmに調厚した。なお、調厚は基板の表面平滑性を向上させ、活物質ペーストの充填量の面内ばらつきを抑えるために行った。電極基板に充填する活物質ペーストは、コバルト被覆水酸化ニッケル粉末70重量部、オキシコバルト酸化物5重量部を混合し、0.5%カルボキシメチルセルロース水溶液を加えてペースト状としたものを使用した。コバルト被覆水酸化ニッケル粉末の表面には、水酸化ニッケル粉末の全重量に対して5.5%相当のオキシ水酸化コバルトが公知の方法により被覆されている。活物質ペーストの充填は、600μmの電極基板においてのみ充填がやや困難であり、活物質ペーストが電極基板表面に付着した状態で残った。
ペーストの充填後、直ちに電極基板の表面を平滑化して90℃で乾燥した。乾燥後、エンボス加工した径30cmのローラを有するローラプレス機により、活物質を保持した電極基板を、厚さ450μmとなるように圧縮(加圧成形)した。
この実施例では、加圧成形した電極基板をそれぞれ110℃で20分間熱処理し、ニッケル電極a〜fを得た。表1にニッケル電極a〜fの加圧成形前の厚さ(電極基板の厚さ)、加圧成形後の厚さ(ニッケル電極の厚さ)、および圧縮率(加圧成形前の厚さ/加圧成形後の厚さ)を示す。
Figure 2008071533
表1のニッケル電極を幅32mm、長さ280mmの帯状となるように裁断し、正極とし、これら正極電極a〜fを使用して電池A〜Fを作製した。電池は、正極、セパレータ、負極を重ねて巻物のように巻回し、SubCサイズの電槽(円筒状容器:φ23mm×43mm)に収納して電解液を満たすことで製造した。正極と負極を巻回するときは、電槽の長手方向にずらした状態とし、電槽上部に配置した円板状の集電板に帯状の正極の長辺端部を多点溶接し、電槽下部に配置した円板状の集電板に帯状の負極の長辺端部を多点溶接した、いわゆるタブレス方式とした。
電池A〜Fの負極には、公知の水素吸蔵合金を使用した。負極は、鉄板にニッケルをメッキして製造されたパンチングメタルにペースト状の水素吸蔵合金を塗着し、表面を平滑にした後、ローラプレスで加圧成形することで製造した。ペースト状の水素吸蔵合金は、Al、Mn、Coを含むMmNi系の5元系水素吸蔵合金(MmはCe、La、Pr、Ndを主成分とする希土類の混合物)を1%のカルボキシメチルセルロース水溶液に加えることで得た。負極の寸法は、幅32mm、長さ280mm、厚さ380μmである。また、正極の容量に対する負極の容量であるN/Pは、1.5である。なお、負極の容量が正極の容量よりも大きいのは、過充電時に電池内で発生する気体酸素を負極で吸収するためである。
また、電池A〜Fのセパレータには、親水性処理を施し電解液に対して親和性をもたせたポリプロピレン製不織布を用いた。セパレータの厚さは、130μm、その幅は32mm、長さは280mmとした。また、電解液は、30%苛性カリ溶液に水酸化リチウムを20g/Lとなるように溶解して得た。
作製した各電池の公称容量は、水酸化ニッケルの単位重量中りの放電容量289mA/gに基づいて計算した結果、2.35〜2.38mAhの範囲であり、差はほとんど無かった。
作製した各電池A〜Fを以下に示す工程により化成した。
1. 0.2C(Cは充放電係数)の定電流で公称容量の130%充電、0.2Cで終止電圧0.95Vの放電を1回
2. 0.3Cの定電流で公称容量の120%充電、0.3Cで終止電圧0.95Vの放電を1回
3. 0.5Cの定電流で公称容量の120%充電、0.5Cで終止電圧0.90Vの放電を1回
上記のようにして作製した電池A〜Fの常温での電池の性能を調べた。電池の性能は、充放電サイクルに伴う容量維持率により評価した。具体的には、電池A〜Fをそれぞれ25℃の雰囲気中に置き、定電流1CでCC−ΔV方式(ΔV=−5mV)で充電し、次いで定電流1Cで終端電圧0.9Vまで放電する操作を1サイクルとして、このサイクルを繰り返した。なお、CC−ΔV方式とは、一定電流値で充電していき、電圧がピーク位置からΔV下がったときに充電を終了する充電方法である。そして、250、500、750、1000、1250サイクルにおける各電池の容量維持率を調べた。容量維持率は、化成後1サイクル目の放電容量を100としたときの、各サイクルにおける放電容量の比率(%)である。その結果を、表2に示す。
Figure 2008071533
表2の結果から明らかなように、いずれの電池も1250サイクルの充放電を行なった後でも84%以上の放電容量を維持しており、長寿命であることがわかった。より詳細に各電池の性能を比較すると、750サイクルの充放電に対して、電池A〜Fの放電容量に大きな差はなく、全ての電池が95%以上の放電容量を維持していた。一方、1000サイクルでは、電池B〜E(圧縮率1.56〜2.22)が電池A(圧縮率2.67)よりも容量の低下が少ないことが明らかになった。さらに、1250サイクルでは、電池C〜D(圧縮率1.56〜2.00)が、他の電池(圧縮率1.33、2.22、2.67)よりも容量の低下が少なく、長寿命の電池であることが明らかになった。即ち、不織布を骨格とした電極基板に活物質を充填して加圧したニッケル電極において、圧縮率を調節することにより、電池の寿命を大幅に向上させることができることが明らかになった。
ところで、高温下においてニッケル電極は、充電による過剰な酸化、充放電による膨潤が常温よりも顕著になることが知られている。そこで、上述の条件よりも更に過酷な条件として、高温環境下での、電池A〜Fの電池性能を評価した。試験の条件は、電池周囲の温度を25℃から45℃に変更した以外は、上述の25℃での試験と同様の充放電条件で充放電を繰り返した。なお、高温環境下では、ニッケル電極の充電効率が若干低下するため、各電池の1サイクル目の放電容量は、公称容量の98%であった。従って、この容量を100として各電池の容量維持率を評価した。その結果を表3に示す。
Figure 2008071533
表3から明らかなように、300サイクルでは、電池B〜Eが91%以上の放電容量を維持しているのに対して、電池AとFは容量が88%以下であった。さらに、充放電を繰返すにしたがって、電池B〜Eの容量維持率と電池A,Fの容量維持率との差は顕著となった。以上のことから、25℃の条件下と異なり、45℃の条件下では、いずれの電池も充放電サイクルの経過に伴い放電容量の低下の度合いが大きい。しかし、これらの電池の中でも電池B〜Eは、その他の電池よりも放電容量の低下が抑制されており、長寿命であることが明らかとなった。
なお、表3には示していないが、比較として汎用の発泡状ニッケルを正極として使用した電池を作製し、上述の条件で充放電特性を試験した。正極は、ニッケルの目付け重量が420g/m2、厚さが1250μm、多孔度が93%のニッケル集電体を900μmに調厚して活物質ペーストを充填し、加圧成形して厚さ450μmのニッケル電極としたものである。この発泡状ニッケルの電極を使用した電池は、電池Aとほぼ同様の寿命特性を示し、本願のニッケル電極を使用した電池B〜Eよりも電池性能が劣ることが判った。
以上、実施例1から明らかなように、所望のニッケル電極の厚さに対して、約1.5〜2.3倍程度の不織布を骨格とする電極基板を使用した電池が、長寿命であることがわかった。一方、約2.7倍以上、1.3倍以下の不織布を骨格とした場合、電池の寿命が劣ることが明らかとなった。また、電池Aの電極aの伸びは、10%超であり、電極b〜fの伸びは10%以下であった。電極の伸びは、圧縮後の長さと、圧縮前の長さを測定し、以下の式により求めた。
伸び={(圧縮後の長さ−圧縮前の長さ)/圧縮前の長さ}×100
<実施例2>
本実施例では、実施例1の電池よりも更に高出力の電池を作製した。一般に、高出力用の電池は、使用する電極の厚さを薄くし、単位面積あたりの活物質の量を減らすことで製造する。そこで、実施例2では、ニッケル電極(正極)の厚さを平均で380μmとしたニッケル電極i〜viを作製した。
ニッケル電極i〜viは、実施例1と同様に、厚さの異なる電極基板に活物質ペーストを充填させて、厚さ380μmとなるように圧縮することで作製した。なお、電極iと電極iiは、活物質ペーストの充填性を均一にする目的で、ペーストの充填前に電極iiiの加圧成形前の厚さと同程度の厚さに調圧した。表4にニッケル電極i〜viの加圧成形前の厚さ、加圧成形後の厚さ、および圧縮率を示す。
Figure 2008071533
表4に示すニッケル電極を幅32mm、長さ315mmとなるように裁断して正極とした。この正極に対して、実施例1と同様のMmNi系の5元系水素吸蔵合金を用いて負極を作製した。本例の負極の寸法は、幅32mm、長さ315mm、厚さ380μmであり、容量比N/Pは1.4である。また、セパレータおよび電解液も実施例1と同様のものを使用した。これら正極(i〜vi)、セパレータ、負極を重ねた状態で巻回し、SubCサイズの容器に収納してタブレス方式の電池I〜VIを作製した。各電池の公称容量は2.20〜2.22mAhの範囲であり、各電池間でほとんど差はなかった。
作製した各電池I〜VIを以下に示す工程により化成した。
1. 0.2Cの定電流で公称容量の130%充電、0.2Cで終止電圧0.95Vの放電を1回
2. 0.5Cの定電流で公称容量の120%充電、0.5Cで終止電圧0.90Vの放電を1回
上記のようにして作製した電池I〜VIの45℃での電池の性能を調べた。電池の性能は、充放電サイクルに伴う容量維持率により評価した。評価の方法は実施例1と同様である。なお、高温環境下では、ニッケル電極の充電効率が若干低下するため、各電池の1サイクル目の放電容量は、公称容量の98%であった。従って、この容量を100として各電池の容量維持率を評価した。その結果を、表5に示す。
Figure 2008071533
表5から明らかなように、250サイクルの時点で電池II〜V(圧縮率1.58〜2.37)は92%以上の放電容量を維持しているのに対して、電池I(圧縮率2.63)およびVI(圧縮率1.32)は放電容量が89%以下に低下した。また、サイクル数の増加に伴い、電池II〜Vの容量と電池I、VIとの容量との差が顕著となった。さらに、800サイクルでは、電池III〜V(圧縮率1.58〜2.11)の容量が85%以上を維持しているのに対して、電池I、II(圧縮率2.37)、VIの容量は80%未満であった。以上のことから、電極の厚さを薄くした高出力用途の電池において、所定の範囲の圧縮率を有するニッケル電極を使用することで、非常に優れた寿命特性を有する電池を作製できることが明らかになった。さらに、電池I,IIの電極i,iiの伸びは、10%超であり、それ以外の電極の伸びは10%以下であった。
また、表5には示していないが、この実施例でも発泡状ニッケルを正極とした電池の性能を調べた。発泡状ニッケルの加圧成形前の厚さは1250μm、圧縮率は3.29であった。これを用いた電池は、電池Iよりもさらに容量低下が著しかった。
<実施例3>
本実施例では、実施例1の電池よりも高容量の電池を作製した。高容量の電池は、使用する電極の厚さを厚くし、活物質の充填量を増やすことで製造する。そこで、実施例3では、ニッケル電極(正極)厚さを平均で530μmとしたニッケル電極g〜lを作製した。
ニッケル電極g〜lは、実施例1と同様に、厚さの異なる電極基板に活物質ペーストを充填させて、厚さ530μmとなるように圧縮することで作製した。なお、電極gと電極hは、活物質ペーストの充填性を均一にする目的で、ペーストの充填前に電極lと同程度の厚さに調圧した。表6にニッケル電極g〜lの加圧成形前の厚さ、加圧成形後の厚さ、および圧縮率を示す。
Figure 2008071533
表6に示すニッケル電極(正極)を幅32mm、長さ230mmとなるように裁断した。この正極に対して、実施例1と同様の5元系水素吸蔵合金を用いて負極を作製した。負極の寸法は、幅32mm、長さ230mm、厚さ380μmである。本例のN/Pは1.4である。また、セパレータおよび電解液も実施例1と同様のものを使用した。これら正極(g〜l)、セパレータ、負極を重ねた状態で巻回し、SubCサイズの容器に収納してタブレス方式の電池G〜Lを作製した。各電池の公称容量は2.82〜2.84mAhの範囲であり、各電池間でほとんど差はなかった。
作製した各電池G〜Lを以下に示す工程により化成した。
1. 0.1Cの定電流で公称容量の130%充電、0.2Cで終止電圧0.95Vの放電を1回
2. 0.2Cの定電流で公称容量の130%充電、0.2Cで終止電圧0.95Vの放電を1回
3. 0.5Cの定電流で公称容量の120%充電、0.5Cで終止電圧0.90Vの放電を1回
上記のようにして作製した電池G〜Lの45℃での電池の性能を調べた。電池の性能は、充放電サイクルに伴う容量維持率により評価した。評価の方法は実施例1と同様である。なお、高温環境下のため、各電池の1サイクル目の放電容量は、公称容量の97%であった。従って、この容量を100として各電池の容量維持率を評価した。その結果を、表7に示す。
Figure 2008071533
表7から明らかなように、200サイクルでは、電池H〜K(圧縮率1.42〜2.17)は容量90%以上を維持しているのに対して、電池G(圧縮率2.36)および電池L(圧縮率1.23)は容量が87%以下であった。さらに、充放電サイクルの増加に伴い、電池H〜Kの容量と、電池G、Lの容量との差は顕著になった。以上のことから、電池の厚さを厚くした高容量用途の電池において、所定の範囲の圧縮率を有するニッケル電極を使用することにより、非常に優れた寿命特性を有する電池を作製できることが明らかになった。さらに、電池Gの電極gの伸びは、10%超であり、それ以外の電極の伸びは10%以下であった。
また、表7には示していないが、この実施例でも発泡状ニッケルを正極とした電池の性能を調べた。発泡状ニッケルの加圧成形前の厚さは1250μm、圧縮率は電池Gと同じであった。これを用いた電池は、電池Gとほぼ同じ容量維持率であった。
なお、本発明は上述の実施例に何ら限定されることはない。即ち、上述した実施例に記載のニッケル電極の構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、不織布に被覆するニッケルの量を50〜150g/m2程度としたニッケル電極で電池を作製した場合であっても、従来のニッケル電極を使用した電池よりも高い寿命特性が期待できる。
本発明アルカリ電池用ニッケル電極およびその製造方法は、充放電の繰り返しに伴って、電池性能が劣化しにくい電池の製造に好適に利用可能である。

Claims (14)

  1. 不織布の繊維表面にニッケルを被覆した電極基板に活物質合剤を充填した後、加圧成形して電極とするアルカリ電池用ニッケル電極の製造方法であって、
    前記加圧成形は、加圧成形後の電極の厚みをtとしたとき、2.3t以下の厚みの電極基板を用いて行い、
    加圧成形後に、80℃以上130℃以下で5分以上60分以下の熱処理を行なうことを特徴とするアルカリ電池用ニッケル電極の製造方法。
  2. 前記加圧成形は、1.4t〜1.8tの厚みの電極基板を用いて行なうことを特徴とする請求項1に記載のアルカリ電池用ニッケル電極の製造方法。
  3. 不織布として、ポリオレフィン系樹脂を使用したことを特徴とする請求項1に記載のアルカリ電池用ニッケル電極の製造方法。
  4. 不織布の表面に導電性を付与した後、電極基板に被覆されるニッケル量が50〜220g/m2となるように、電解メッキを行なうことを特徴とする請求項1に記載のアルカリ電池用ニッケル電極の製造方法。
  5. 不織布の表面への導電性の付与は、スパッタリング法または無電解メッキのいずれかにより行なうことを特徴とする請求項4に記載のアルカリ電池用ニッケル電極の製造方法。
  6. 前記加圧成形は、ローラプレス機で行なうことを特徴とする請求項1に記載のアルカリ電池用ニッケル電極の製造方法。
  7. 活物質合剤は、活物質として水酸化ニッケルを含有し、
    さらに、コバルトあるいはコバルト化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載のアルカリ電池用ニッケル電極の製造方法。
  8. 活物質合剤は、表面にコバルト酸化物を被覆した球状の水酸化ニッケルを活物質として含有することを特徴とする請求項1に記載のアルカリ電池用ニッケル電極の製造方法。
  9. 不織布の繊維表面にニッケルを被覆した電極基板に活物質合剤を充填した後、加圧成形して電極とするアルカリ電池用ニッケル電極であって、
    加圧成形後の電極の厚みをtとしたとき、2.3t以下の厚みの電極基板を加圧成形し、この加圧成形の後に80℃以上130℃以下で5分以上60分以下の熱処理を行なって得たことを特徴とするアルカリ電池用ニッケル電極。
  10. 電極基板の厚さが1.4t〜1.8tであることを特徴とする請求項9記載のアルカリ電池ニッケル電極。
  11. 不織布がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項9に記載のアルカリ電池用ニッケル電極。
  12. 不織布表面に被覆されるニッケル量が50〜220g/m2であることを特徴とする請求項9に記載のアルカリ電池用ニッケル電極。
  13. 活物質合剤は、活物質として水酸化ニッケルを含有し、さらに、コバルトあるいはコバルト化合物を含有することを特徴とする請求項9に記載のアルカリ電池用ニッケル電極。
  14. 活物質合剤は、表面にコバルト酸化物を被覆した球状の水酸化ニッケルを含有することを特徴とする請求項9に記載のアルカリ電池用ニッケル電極。
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