JP2008069270A - 帯電防止性光硬化型樹脂組成物、及び、それを用いた帯電防止膜及び物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】4級アンモニウム塩基を有する繰り返し単位からなるセグメント(a1)とオルガノポリシロキサンを有するセグメント(a2)とを少なくとも含有するブロック共重合体(A)、及び2個以上のエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物(B)を含む、帯電防止性光硬化型樹脂組成物である。
【選択図】なし
Description
本発明によれば、4級アンモニウム塩基を有する繰り返し単位からなるセグメント(a1)とオルガノポリシロキサンを有するセグメント(a2)とを少なくとも含有するブロック共重合体(A)、及び2個以上のエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物(B)が用いられていることにより、優れた透明性と耐擦傷性及び高度な帯電防止性を兼ね備えた帯電防止膜を形成可能な帯電防止性光硬化型樹脂組成物を得ることができる。
本発明に係る帯電防止性光硬化型樹脂組成物においては、前記ブロック共重合体(A)が当該樹脂組成物の全固形分中に0.05〜20重量%含有されていることが、優れた透明性と耐擦傷性及び高度な帯電防止性を兼ね備えた帯電防止膜を実現する点から好ましい。
本発明に係る帯電防止膜においては、前記帯電防止性光硬化型樹脂組成物の硬化膜において、前記ブロック共重合体(A)が当該硬化膜表面に偏在していることが、優れた透明性と耐擦傷性及び高度な帯電防止性を兼ね備える点から好ましい。
また、本発明に係る帯電防止膜においては、JIS K7136:2000に準じたヘイズ値が1.8%以下であることが、透明性の点から好ましい。
本発明に係る物品においては、前記帯電防止性光硬化型樹脂組成物の硬化膜において、前記共重合体(A)が当該硬化膜表面に偏在していることが、優れた透明性と耐擦傷性及び高度な帯電防止性を兼ね備える点から好ましい。
また本発明に係る物品においては、前記帯電防止性光硬化型樹脂組成物を塗工処理した物品のJIS K7136:2000に準じたヘイズ値(%)と、前記帯電防止性光硬化型樹脂組成物を塗工処理する前の物品のヘイズ値(%)との差が0.3以下であることが、元来の物品の色や透明性を損なわない点から好ましい。
本発明の帯電防止膜は、優れた透明性と耐擦傷性及び高度な帯電防止性を兼ね備えるという効果を奏する。
本発明の物品は、元来の物品の色や透明性を損なうことなく、耐擦傷性と帯電防止性を有するという効果を奏する。
本発明は、帯電防止性光硬化型樹脂組成物と、それを用いた帯電防止膜、及び物品に関するものである。以下、帯電防止性光硬化型樹脂組成物と、それを用いた帯電防止膜及び物品について順に説明する。
まず、本発明の帯電防止性光硬化型樹脂組成物について説明する。本発明の帯電防止性光硬化型樹脂組成物は、4級アンモニウム塩基を有する繰り返し単位からなるセグメント(a1)とオルガノポリシロキサンを有するセグメント(a2)とを少なくとも含有するブロック共重合体(A)、及び2個以上のエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物(B)を含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、4級アンモニウム塩基を有する繰り返し単位からなるセグメント(a1)とオルガノポリシロキサンを有するセグメント(a2)とを少なくとも含有するブロック共重合体(A)、及び2個以上のエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物(B)が組み合わせて用いられていることにより、優れた透明性と耐擦傷性及び高度な帯電防止性を兼ね備えた帯電防止膜を形成可能な帯電防止性光硬化型樹脂組成物を得ることができる。
この点、本発明によれば、4級アンモニウム塩基を有する重合体が4級アンモニウム塩基を有する繰り返し単位からなるセグメント(a1)とオルガノポリシロキサンを有するセグメント(a2)とを少なくとも含有するブロック共重合体(A)であることにより、優れた透明性と耐擦傷性及び高度な帯電防止性を兼ね備えた帯電防止膜を形成可能な帯電防止性光硬化型樹脂組成物を得ることができる。
すなわち、従来、帯電防止性を付与する4級アンモニウム塩基を有する重合体を多量に添加しないと充分な帯電防止性能が得られなかったのは、帯電防止性を付与する4級アンモニウム塩基を有する重合体は、通常、光硬化性材料の硬化膜に均一に分散されてしまうことに起因するものと考えられる。
それに対し、本発明に用いられる4級アンモニウム塩基を有する重合体は、4級アンモニウム塩基を有する繰り返し単位からなるセグメント(a1)とオルガノポリシロキサンを有するセグメント(a2)とを少なくとも含有するブロック共重合体(A)であるため、オルガノポリシロキサンを有するセグメント(a2)の作用により硬化膜表面に偏在することが可能になる。更に、4級アンモニウム塩基を有する繰り返し単位からなるセグメント(a1)の作用により、4級アンモニウム塩基を有する繰り返し単位をランダムに含有する共重合体に比べて、より高度な帯電防止性能を実現する。
本発明においては、セグメントとしての4級アンモニウム塩基を有する重合体が、硬化膜の表面に偏在することが可能で且つより効率的に高い帯電防止性能を発揮する性質を有する結果、帯電防止性を付与する4級アンモニウム塩基を有する重合体を少量添加するだけで、高度な帯電防止性を実現する。このように、本発明においては特定のブロック共重合体を少量しか添加しなくても良いため、得られた硬化膜の透明性や耐擦傷性等の膜強度を犠牲にすることなく、優れた透明性と耐擦傷性及び高度な帯電防止性を兼ね備えることが実現可能になると考えられる。
以下、このような本発明の帯電防止性光硬化型樹脂組成物の各構成について順に詳細に説明する。
本発明に用いられるブロック共重合体(A)は、少なくとも4級アンモニウム塩基を有する繰り返し単位からなるセグメント(a1)とオルガノポリシロキサンを有するセグメント(a2)とを少なくとも含有するブロック共重合体(A)であり、帯電防止性付与剤として機能する成分である。
4級アンモニウム塩基の構造を次に挙げるが、本発明はこれに限られるものではない。
オルガノポリシロキサンを有するセグメント(a2)は、1分子中に1個以上のラジカル重合性基又はラジカル重合反応開始基を有するオルガノポリシロキサン化合物を用いて形成される。ここでラジカル重合性基としては、例えば(メタ)アクリロイル基、スチリル基等が挙げられるが、特に(メタ)アクリロイル基が好ましい。ラジカル重合反応開始基としては、例えば下記一般式(2)、(3)で表されるものが挙げられる。また、オルガノポリシロキサンは下記一般式(4)で表されるものが好ましい。
本発明に用いられる重合性化合物(B)は、2個以上のエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物(B)であり、塗膜の耐擦傷性、耐溶剤性、強度等の膜の耐久性や透明性を実現する成分である。
重合性化合物(B)は、1種又は2種以上混合して用いられる。また、本発明に用いられる重合性化合物(B)は、当該樹脂組成物の全固形分中に80〜99.95重量%、中でも90〜99.9重量%含有されていることが、透明性や耐擦傷性等の膜物性を実現する点から好ましい。なお、本発明に係る組成物に、上記共重合体(A)及び当該重合性化合物(B)以外の他の成分を含有する場合には、重合性化合物(B)は、バランス量(100重量%から差し引いた残量)となっても良い。
本発明に係る帯電防止性光硬化型樹脂組成物には、更に光重合開始剤が含有されることが好ましい。光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、α−メチルベンゾイン、α−フェニルベンゾイン、アントラキノン、メチルアントラキノン、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ2−フェニルアセトン、ベンジルジアセチルアセトフェノン、ベンゾフェノン、p−クロロベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、ジフェニルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、α−クロロメチルナフタレン、アントラセン、ヘキサクロロブタジエン、ペンタクロロブタジエン、ミヒラーズケトン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等が挙げられる。光重合開始剤としては、最新UV硬化技術(P.159,発行人;高薄一弘,発行所;(株)技術情報協会,1991年発行)にも種々の例が記載されており、これらの光重合開始剤も本発明に用いることができる。
上記の光重合開始剤は、一種であっても二種以上の混合物であってもよく、その使用量は通常、当該樹脂組成物の全固形分中に0.1〜10重量%である。
本発明に係る帯電防止性光硬化型樹脂組成物には、本発明の効果が損なわれない範囲内で、更に他の成分が含まれていても良い。他の成分としては、例えば、必要に応じて、架橋剤、紫外線遮蔽剤、紫外線吸収剤、表面調整剤(レベリング剤)などを用いることができる。
本発明に係る帯電防止性光硬化型樹脂組成物には、塗布性を付与するために通常、溶剤が含有される。
溶剤としては、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチルセロソルブ等のグリコールエーテル系溶剤、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、水などが挙げられる。
溶剤の使用量は、本発明の樹脂組成物の全固形分100重量部に対して、通常、100〜1000重量部で用いられる。
本発明に係る帯電防止性光硬化型樹脂組成物によれば、膜厚が0.1〜15μmの時に、静電荷が帯電するがすぐ減衰する範囲1.0×1012Ω/□〜1.0×1010Ω/□や、より好ましくは帯電しない範囲1.0×1010Ω/□以下となる塗膜を形成し得るが耐擦傷性を持たせるためには1μm以上の膜厚とすることが好ましい。
次に、本発明に係る帯電防止膜について説明する。
本発明に係る帯電防止膜は、前記本発明に係る帯電防止性光硬化型樹脂組成物の硬化膜からなるものである。
本発明に係る帯電防止膜においては、4級アンモニウム塩基を有する繰り返し単位からなるセグメント(a1)とオルガノポリシロキサンを有するセグメント(a2)とを少なくとも含有するブロック共重合体(A)が、オルガノポリシロキサンを有するセグメント(a2)の作用により硬化膜表面に偏在し、更に、4級アンモニウム塩基を有する繰り返し単位からなるセグメント(a1)の作用により、4級アンモニウム塩基を有する繰り返し単位をランダムに含有する共重合体に比べて、より高度な帯電防止性能を実現する。
なお、光硬化工程は、複数回に分けて行われても良く、その光硬化工程の間に、加熱等の前記ブロック共重合体(A)の表面偏在促進工程が行われても良い。但し、光硬化を電子線照射により行う場合には、瞬時に硬化反応が進行するため、前記ブロック共重合体(A)の表面偏在が充分に行われた後に行うようにすることが好ましい。
乾燥後の膜厚は、特に限定されないが、通常1〜15μmである。
次に、本発明に係る物品について説明する。
本発明に係る物品は、前記本発明に係る帯電防止性光硬化型樹脂組成物を塗工処理したものであることを特徴とする。
本発明に係る物品は、前記本発明に係る帯電防止性光硬化型樹脂組成物を塗工処理されているため、前記本発明に係る帯電防止性光硬化型樹脂組成物の硬化膜からなる帯電防止膜を備える。当該前記帯電防止性光硬化型樹脂組成物の硬化膜においては、上述のように、前記共重合体(A)が当該硬化膜表面に偏在していることが特徴的である。
<合成例1:ブロック共重合体(A)の合成>
反応容器にテトラヒドロフラン35g、sec−ブチルリチウム6.7mg、1,1−ジフェニルエチレンの付加物28.7mg、及び塩化リチウム21.5mgを入れ、−78℃に冷却した。そこへメチルメタクリレート0.81gを添加し、10分反応させた後、ジメチルアミノエチルメタクリレート1.06gを添加して1時間反応させた。次に片末端にメタクリレート基を有するポリジメチルシロキサン(信越化学製「X−24−8201」)0.35gを添加し反応させた。メタノールで重合を停止した後、ヘキサンに再沈殿することにより、ブロック共重合体A’を得た。
NMR法により算出したブロック共重合体Aにおけるポリメチルメタクリレートの割合は32重量%、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート4級化物の割合は54重量%、ポリジメチルシロキサンの割合は14重量%であった。
(マクロイニシエーターの合成)
撹拌機、還流冷却管を取り付けた反応容器に、片末端にヒドロキシル基を有するポリジメチルシロキサン(信越化学製「X−22−170BX」)10g、テトラヒドロフラン10g、トリエチルアミン746μLを入れ、窒素気流下、反応容器を氷冷した。そこに2−ブロモイソブチリルブロミド661μLを滴下して加え1時間撹拌した後、室温で4時間撹拌した。析出した白色固体をろ過した後、テトラヒドロフランを減圧除去した。残留物をクロロホルムに溶解させ、飽和炭化水素ナトリウム水溶液で2回、純水で2回洗浄した後、クロロホルム層を硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。クロロホルムを減圧除去した後、メタノールを加えて撹拌した。静置して相分離した上澄みを捨て、残ったオイルを真空乾燥させてポリジメチルシロキサンマクロイニシエーター8gを得た。
ブロック共重合体B’を合成例1と同様にヨードメタンと反応させた後、アニオン交換をしてブロック共重合体Bを得た。
反応容器へ合成例2と同様に合成したポリジメチルシロキサンマクロイニシエーター1g、ジメチルアミノエチルメタクリレート4.7g、キシレン5.2g、4,4’−ジノニル−2,2’−ビピリジル221mgを入れ、反応容器内をアルゴン雰囲気とした。そこへ塩化第一銅26.7mgを加え90℃で18時間撹拌した。冷却後、テトラヒドロフランに溶解してアルミナカラムを通した後、メタノールに再沈殿してポリジメチルシロキサン−ポリジメチルアミノエチルメタクリレートブロック共重合体を得た。
ブロック共重合体C’を合成例1と同様にヨードメタンと反応させた後、アニオン交換をしてブロック共重合体Cを得た。
撹拌機、還流冷却管を取り付けた反応容器に、メチルメタクリレート2.5g、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート4級化物(共栄社化学社製「ライトエステルDQ-100」)3.3g、イソプロピルアルコール10g、メチルエチルケトン5gを入れ溶解させた。窒素気流下、アゾビスイソブチロニトリル50mgを加え80℃で5時間撹拌した。この溶液をヘキサンに再沈殿することにより、ランダム共重合体Dを得た。
撹拌機、還流冷却管を取り付けた反応容器に、メチルメタクリレート1g、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート4級化物(共栄社化学社製「ライトエステルDQ-100」)3.3g、片末端メタクリレートポリジメチルシロキサン(信越化学製「X−24−8201」)1.5g、イソプロピルアルコール10g、メチルエチルケトン5g、2−メトキシエタノール5gを入れ溶解させた。窒素気流下、アゾビスイソブチロニトリル50mgを加え80℃で5時間撹拌した。この溶液をヘキサンに再沈殿することにより、ランダム共重合体Eを得た。
(1)帯電防止性光硬化型樹脂組成物の調製
合成例1〜3で得られたブロック共重合体A〜Cをメチルエチルケトン/メタノール(1:1重量比)混合溶媒に固形分が10質量%になるように溶解した。
比較合成例1〜2で得られたランダム共重合体D,Eをメチルエチルケトン/メタノール(1:1重量比)混合溶媒に固形分が10質量%になるように溶解した。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)を、それぞれメチルエチルケトン/メタノール/イソプロピルアルコール(1:1:2重量比)混合溶媒に固形分が30質量%になるように溶解した。
これらの溶液を表1に示す固形分の割合になるように混合し、実施例1〜6及び比較例1〜5の樹脂組成物を調製した。
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ製「ルミラーU34」)上に、乾燥後の膜厚が4μmとなるように(1)で調製した各帯電防止性光硬化型樹脂組成物をバーコーターで塗布、100℃で1分間乾燥した後、高圧水銀灯で積算照射線量200mJ/cm2になるように紫外線照射して硬化させ、帯電防止膜を作製した。当該帯電防止膜付フィルムについて、下記のように表面抵抗率、塗膜の透明性、耐擦傷性について評価した。これらの結果を下記の表1に示す。
(1)表面抵抗率
表面抵抗率(Ω/□)の測定は、高抵抗率計(Hiresta Model HT−210、三菱油化 (株)製)を用い、印加電圧100V、10秒にて帯電防止膜の最表面の表面抵抗率を測定した。
JIS K 7136:2000「プラスチック ― 透明材料のヘーズの求め方」に準じて、濁度計(日本電色工業(株)製、「NDH2000」)を用いてヘイズ値を測定した。
各帯電防止膜の表面について、#0000のスチールウールを用い、荷重500g/cm2で10往復した時の傷の有無を目視により確認した。評価基準は以下の通りとした。
○:全く傷が認められないもの
×:傷が認められるもの
各帯電防止膜の表面について、XPS(Kratos社製、ESCA−3400)を用いて窒素原子(N)及びケイ素原子(Si)を測定した。表2に測定結果を示す。
表1の結果から、本発明に係る実施例1〜6の帯電防止膜は、高度な帯電防止性能を有すると共に、透明性が高く、耐擦傷性に優れることが明らかになった。 これに対し、4級アンモニウム塩基を有するがオルガノポリシロキサンを有しないランダム共重合体を、実施例と同様に少量しか用いなかった比較例1〜2の帯電防止膜では、表面抵抗率が1.0×1013Ω/□を超えてしまい、帯電防止性は殆ど有しなかった。また、比較例1では、透明性についても劣っていた。更に、4級アンモニウム塩基とオルガノポリシロキサンを共に有するランダム共重合体を、実施例と同様に少量用いた比較例3〜4の帯電防止膜では、帯電防止性は有するものの、その性能は実施例に比べて劣るものであった。一方、4級アンモニウム塩基を有するがオルガノポリシロキサンを有しないランダム共重合体を従来通り多く用いた比較例5の帯電防止膜は、表面抵抗率は実施例と同様の109オーダーとなったが、白濁して透明性が劣化し、更に耐擦傷性も悪かった。
Claims (10)
- 4級アンモニウム塩基を有する繰り返し単位からなるセグメント(a1)とオルガノポリシロキサンを有するセグメント(a2)とを少なくとも含有するブロック共重合体(A)、及び2個以上のエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物(B)を含む、帯電防止性光硬化型樹脂組成物。
- 前記ブロック共重合体(A)が、N,N−ジアルキルアミノ基を実質的に含有しない、請求項1に記載の帯電防止性光硬化型樹脂組成物。
- 前記ブロック共重合体(A)が当該樹脂組成物の全固形分中に0.05〜20重量%含有されている、請求項1又は2に記載の帯電防止性光硬化型樹脂組成物。
- 前記ブロック共重合体(A)が、4級アンモニウム塩基を有する繰り返し単位からなるセグメント(a1)を20〜80重量%、オルガノポリシロキサンを有するセグメント(a2)を1〜70重量%、炭化水素基を有する繰り返し単位からなるセグメント(a3)を1〜70重量%含有する、請求項1乃至3のいずれかに記載の帯電防止性光硬化型樹脂組成物。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の帯電防止性光硬化型樹脂組成物の硬化膜からなる帯電防止膜。
- 前記帯電防止性光硬化型樹脂組成物の硬化膜において、前記ブロック共重合体(A)が当該硬化膜表面に偏在している、請求項5に記載の帯電防止膜。
- JIS K7136:2000に準じたヘイズ値が1.8%以下である、請求項5又は6に記載の帯電防止膜。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の帯電防止性光硬化型樹脂組成物を塗工処理した物品。
- 前記帯電防止性光硬化型樹脂組成物の硬化膜において、前記共重合体(A)が当該硬化膜表面に偏在している、請求項8に記載の物品。
- 前記帯電防止性光硬化型樹脂組成物を塗工処理した物品のJIS K7136:2000に準じたヘイズ値(%)と、前記帯電防止性光硬化型樹脂組成物を塗工処理する前の物品のヘイズ値(%)との差が0.3以下である、請求項8又は9に記載の物品。
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