JP2008068643A - ケーブル巻回ドラム装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被駆動体を湾曲部分及び直線部分を有するガイドレールによりガイドすると共にケーブルを介して駆動する場合のケーブル長の変化を簡単な構造で吸収する。
【解決手段】スライドドアのスライダに連結されたケーブル4・5をドラム9に巻回し、ドラムの回転によりケーブルの一方を巻き取り他方を送り出してスライダを移動させる。ドラムにケーブルを巻回する螺旋溝11設け、その巻回径を、ガイドレールの直線状部分を移動する場合の巻回径として基準径となる基準径部9aと、大小径に変化する大径変化部9b及び小径変化部9cからなる大小変化径部とにより形成する。湾曲状部分を被駆動体が通過する時のケーブルの周長変化を、ドラムのケーブル巻回部分の径を変えて吸収することから、別途テンション機構を用いることなくケーブルの弛みを無くすことができ、部品点数を減少し、コンパクト化によるレイアウト性の向上を達成することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば自動車用スライドドアなどの被駆動体を自動的に開閉する際に、被駆動体にケーブルを接続し、そのケーブルに牽引力を与えるためのケーブルを巻き取るドラムを備えるケーブル巻回ドラム装置に関するものである。
従来、ケーブルで牽引駆動する形式の自動ドアが公知であり、例えば、電動モータで回転駆動されるドラムの外周面に周方向に連続する螺旋溝を設け、螺旋溝の一端側から他端側へ向けて巻回するケーブルと他端側から一端側に向けて巻回するケーブルとの各端末をドラムに結合し、ドラムの回転方向に応じて一方を巻き取りつつ他方を繰り出すようにしたものがある。そして、ガイドプーリを用いてドラムから繰り出される一対のケーブルの引き出し方向を変えて、被駆動体としての例えば自動車用スライドドアを開閉駆動するようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。
特開6−240947号公報
このようなスライドドアを自動車に搭載する場合、スライドドアを、全閉状態では車体の外面と連続する面を形成するように位置させ、開放時には車体の外側に沿ってスライドさせるようにガイドするガイドレールを用いるが、一般的にこのようなガイドレールは、車体に沿う直線状部分と全閉付近で車室内側に引き込むための湾曲部分とを有する形状に形成されている。そして、スライドドアに揺動自在に連結されたスライダがガイドレールによりガイドされ、スライダには往復動方向の夫々から上記ケーブルの端末部が結合され、ケーブルを巻き取りかつ送り出すドラムとスライダとの間で引き回されるケーブルはガイドレール内をガイドレールに沿って摺動するように配策されている。このような構造の場合において、ガイドレールの湾曲部分をスライダがガイドされる場合(図1の位置Pd、位置Px、位置Pcを通過する場合)には、スライダはガイドレールに沿って湾曲状に移動するのに対してケーブルは、ケーブルとスライダの連結部、ガイドレールの湾曲部、ガイドプーリへの巻回部の各点が頂点となるように、ガイドレール内の最短距離を引き回されるようになるため、ドラムの所定回転角度におけるスライダの移動距離とケーブルの引き回し長さとの間に差が生じる。
一方、上記従来の装置にあっては、各ケーブル別に別個のドラムを用い、ドアの全閉近傍の区間ではドア移動速度を落としてドア駆動力を高めるべく、ドラムの対応する巻き取り部分にその径を小さくした小径溝を設け、他の区間ではドア移動速度を優先するように巻き取り径の大きい大径溝を設けている。そして、スライドドアの開閉移動に伴い、大径溝と小径溝との間で駆動される時のケーブル巻き取り(繰り出し)長さ(ケーブル周長)が変化することになるが、このケーブル周長変化を吸収するための余長吸収機構(テンション機構)として、バネ偏倚された可動型のアイドラローラ(テンションローラ)を設けるなどしている。
上記したように、スライダの移動距離に対するケーブル周長変化に対しては従来装置のテンション機構を設けることにより対応可能であるが、部品点数の増加や組み付けが煩雑化するという問題がある。また、そのようなテンション機構を設けることでケーブル巻回ドラム装置が大型化し、車載装置としてのレイアウト性が悪化するという問題がある。
このような課題を解決して、被駆動体を湾曲部分及び直線部分を有するガイドレールによりガイドすると共にケーブルを介して駆動するものにおいてケーブルの引き回し長さの変化を簡単な構造で吸収することを実現するために本発明に於いては、直線状部分と当該直線状部分に連続する湾曲状部分とを有するガイドレールにより往復動自在にガイドされる被駆動体をケーブルを介して移動させるべく、前記ケーブルを前記被駆動体の往復動方向の両側に連結しかつ前記往復動方向にそれぞれ前記ガイドレールに沿うように延出し、前記ケーブルの一方の延出側が巻回される第1ドラムと、前記ケーブルの他方の延出側が巻回される第2ドラムとを設け、前記ケーブルを前記両ドラムの一方により巻き取りつつ他方から送り出すように前記両ドラムを回転駆動するようにしたケーブル巻回ドラム装置であって、前記第1ドラムの前記ケーブルが巻回される部分が、前記被駆動体が前記直線状部分を移動する区間に対応する所定の基準径からなる基準径部を有し、前記第2ドラムの前記ケーブルが巻回される部分が、前記被駆動体が前記湾曲状部分を移動する時の前記ケーブルの引き回し長さの変化分を吸収するように前記基準径に対して径が変化する大小変化径部を有するものとした。
特に、前記第1ドラムが巻き取りドラム、前記第2ドラムが送り出しドラムであって、該第2ドラムの前記ケーブルが巻回される部分が、前記被駆動体が前記湾曲状部分を移動する時の前記ケーブルの引き回し長さの変化分を吸収するように、前記第1ドラムの基準径部よりも大径の凸部と、該凸部に連続して形成されるとともに、前記基準径部よりも小径の凹部とからなると良い。また、前記第1ドラムが送り出しドラム、前記第2ドラムが巻き取りドラムであって、該第2ドラムの前記ケーブルが巻回される部分が、前記被駆動体が前記湾曲状部分を移動する時の前記ケーブルの引き回し長さの変化分を吸収するように、前記第1ドラムの基準径部よりも大径の凸部と、該凸部に連続して形成されるとともに、前記基準径部よりも小径の凹部とからなると良い。また、前記第1ドラムが送り出しドラム、前記第2ドラムが巻き取りドラムであって、該第2ドラムの前記ケーブルが巻回される部分が、前記被駆動体が前記湾曲状部分を移動する時の前記ケーブルの引き回し長さの変化分を吸収するように、前記第1ドラムの基準径部よりも小径の凹部と、該凹部に連続して形成されるとともに、前記基準径部よりも大径の凸部とからなると良い。また、前記第1ドラムが巻き取りドラム、前記第2ドラムが送り出しドラムであって、該第2ドラムの前記ケーブルが巻回される部分が、前記被駆動体が前記湾曲状部分を移動する時の前記ケーブルの引き回し長さの変化分を吸収するように、前記第1ドラムの基準径部よりも小径の凹部と、該凹部に連続して形成されるとともに、前記基準径部よりも大径の凸部とからなると良い。
特に、前記第1ドラムと前記第2ドラムとが、互いに同軸かつ一体に形成され、かつ、前記第1・第2ドラムにおける前記ケーブルが巻回される部分が連続するよう構成されていると良い。また、前記被駆動体が自動車のスライドドアに連結されたスライダであり、前記湾曲状部分が前記スライドドアの全閉側に設けられていると良い。
このように本発明によれば、ガイドレールの湾曲状部分を被駆動体が通過する時のケーブル周長変化を、ドラムのケーブル巻回部分の径を変えて吸収することから、別途、テンション機構を用いることなくケーブルの弛みを無くすことができ、部品点数を減少し、それにより装置全体としてのコンパクト化によるレイアウト性の向上を達成することができる。
特に、1つのドラムに基準径部と大小変化径部とを設けることにより、ドラムを1つとして薄型化が可能となり、また、自動車用スライドドアのケーブル牽引装置に適用すると良く、自動車用スライドドアの場合には全閉側でスライドドアをボディ内側に引き込むべくガイドレールに湾曲状部分を設けており、好適である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は本発明が適用された自動車用スライドドア駆動装置を示す全体配置図である。図にあっては、被駆動体としてのスライドドア1に揺動自在に支持されたスライダ2がガイドレール3によりガイドされて走行するようになっている。スライドドア1は図示されない自動車の車体側面に設けられたドア開口部を開閉するように支持され、ガイドレール3は、スライドドア1の高さ方向の中間部分であって図示されないドア開口部の後方側の車体に沿って設けられたセンターレールとして規定され、直線状部分3aと、ドア開口部近傍(スライドドア1の全閉側近傍)にて車体内側に向けて曲げられた湾曲状部分3bとを有するように形成されている。なお、図示はしないが、ガイドレールは車体のドア開口部の上部(アッパーレール)と下部(ロアレール)にも設けられており、スライドドア1の上部と下部にも対応するスライダを備えており、スライドドア1は計3点で車体に揺動自在に支持されるようになっている。
スライダ2には、図示例では左右1本ずつのケーブル4・5の各端末が結合されており、図示しない車体の内部に搭載されるアクチュエータ8によって、このケーブル4・5を牽引するようになっている。アクチュエータ8の近傍には、アクチュエータ8内に各ケーブルを円滑に導くための一対のガイドプーリ7が設けられるとともに、ガイドレール3の各端部が位置する車体の対応する部分には図示しない開口が設けられ、この開口近傍には各ケーブル4・5の向きを反転させるための一対のガイドプーリ6が配設されている。アクチュエータ8から引き出された各ケーブル4・5は、各ガイドプーリ7と各ガイドプーリ6により延出方向が変えられて車体の外方に引き出され、ガイドレール3に沿って配索され、スライダ2の往復動方向の夫々の側に結合されている。
アクチュエータ8は、スライダ2に連結された各ケーブル4・5の対向する端部を牽引するよう、各ケーブル4・5の端部が互いに相反する向きに巻回されるドラム9と、ドラム9を正逆回転させるための駆動源としての電動モータ10とを有して構成されている。なお、モータ10によるドラム9への駆動力伝達機構は公知の例えばウォーム減速機構であって良く、その説明は省略する。
次に、図2を参照して上記ドラム9について示す。本図示例におけるドラム9の外形は、図2に示されるように互いに同軸の第1ドラムとしての小径部分9Aと第2ドラムとしての大径部分9Bとを有するように形成されている。つまり、本図示例では第1及び第2ドラムが一体に形成されている。そのドラム9の外周面には周方向に連続する1本の螺旋溝11が形成されている。螺旋溝11は、ドラム9の小径部分9Aにあっては略同一径の基準径部9aとして形成され、ドラム9の大径部分9Bにあっては、基準径部9aと連続しかつ大径に変化して基準径部9aと同一径に戻る大径変化部9bと、大径変化部9bと連続しその基準径部と同一径に戻った部分から小径に変化する小径変化部9cとが形成されている。その径の変化は図3に示されるようになる。これら大径変化部9b及び小径変化部9cにより大小変化径部が構成されている。
なお、図2の二点鎖線で示されるように、各ケーブル4・5の端末にはハンマーヘッド形の駒部材4a・5aがそれぞれ固着されており、ドラム9の軸線方向両端部には各駒部材4a・5aを係合させるための各係合凹部12a・12bが設けられている。例えば、一方のケーブル4は図の矢印Aに示されるように基準径部9aから螺旋溝11に大径変化部9b側に向けて巻回され、他方のケーブル5は図の矢印Bに示されるように小径変化部9cから螺旋溝11に大径変化部9b側に向けて巻回される。そのように相反する側から互いに対向する向きに巻回された両ケーブル4・5は、例えば、一方のケーブル4の引き出し位置がドラム9の基準径部9aの係合凹部12a付近にあるときは、他方のケーブル5は小径変化部9c、大径変化部9b、基準径部9aの途中まで巻回されてから引き出されるとともに、他方のケーブル5の引き出し位置がドラム9の小径変化部9cの係合凹部12b付近にあるときは、一方のケーブル4は基準径部9aの大径変化部9bに変化する変化部分まで巻回されて引き出されるようになっており、つまり、両ケーブル4・5がドラム9の螺旋溝11の一部を共用可能に巻回されるようになっている。これにより、ドラム9をさらに薄型化するように構成されている。なお、両ケーブル4・5は平面視で交差してアクチュエータ8の外方に引き出されるようになっている。
螺旋溝11は、上記した点と図3に示されるように、小径部分9Aにおける基準径部9aは略同一径の基準径Ddにて形成されているのに対して、大径部分9Bにおける大径変化部9bは、基準径部9aの基準径Ddの終端に続いて漸増し、最大径Dmaxを経由して漸減し、基準径Ddに戻るよう基準径Ddと最大径Dmaxとの間で半径方向に凸状に形成され、小径変化部9cは、大径変化部9bの基準径Ddの終端に続いて漸減し、最小径Dminを経由して漸増し、基準径Ddに戻るよう基準径Ddと最小径Dminとの間で半径方向に凹状に変化するように形成されている。すなわち、大径変化部9b及び小径変化部9cにおける螺旋溝11の径にあっては、基準径部9a側の基準径Ddから連続しかつ漸増して最大径Dmaxに達した後最小径Dminまで漸減し、そして概ね基準径Ddまで戻るようにされている。
本図示例の場合、螺旋溝11に対するケーブル4・5の巻回方法は2通りある。すなわち、一方のケーブル4を小径変化部9c側から巻回し、他方のケーブル5を基準径部9aに巻回する場合には、その一方のケーブル4を大径変化部9b及び小径変化部9cから送り出しつつ他方のケーブル5を基準径部9aに巻き取る第1例と、一方のケーブル4を小径変化部9c及び大径変化部9bで巻き取りつつ、他方のケーブル5を基準径部9aから送り出す第2例とがある。
以下、代表例として第1例を図4を参照して説明する。図4では基準径部9aと大径変化部9b及び小径変化部9cとを説明上離して示しているが、上記したようにドラム9として一体のものである。図は、スライドドア1を全閉位置に向けて移動させる場合であって、図1の二点鎖線で示されるように直線状部分3aから湾曲状部分3bに移る状態である。この状態では、基準径部9aによりケーブル5を巻き取り、ケーブル4が大径変化部9bから送り出されるようになり、ケーブル5は略同一径の基準径Ddで巻き取られるのに対して、ケーブル4は大径変化部9b及び小径変化部9cの上記した径の変化に応じて送り出される。それによりドラム9の外方のケーブル4・5の周長(引き回し長さ)が変化する。
そのケーブル4・5の変化を図5に示す。図では横軸にスライダ2(スライドドア1)の位置(全閉〜全開)を示し、縦軸にケーブル4・5の全長を示している。区間E1は図1および図4に示されるように、スライダ2がスライドドア1の全閉位置Pcから小径変化部9c(<Dd)を介してガイドレール3の湾曲状部分3bの頂点部分で基準径Ddになる位置Pxに至る巻回部分であり、区間E2はスライダ2が位置Pxから大径変化部9b(>Dd)を介してガイドレール3の湾曲状部分3bが終る部分で基準径Ddとなる位置Pd1に至る巻回部分であり、区間E3はスライダ2がガイドレール3の直線状部分3aをスライドするための位置(Pd1)とスライドドア1の全開位置との間の基準径部9a(Dd)の巻回部分である。
そして上記図4の説明にあっては区間E3から区間E2移る場合であり、ガイドレール3の形状通りに移動するスライダ2に対してケーブル4・5はガイドレール3の形状の最短距離で引き回されることから、図1の二点鎖線で示されるように、スライダ2が直線状部分3aから湾曲状部分3bに入る場合(矢印Pd)にはケーブル4・5の周長が長くなる。それに対して、本発明においては、上記したようにこの区間E2で合計ケーブル周長が次第に長くなるようにケーブル4の引き出し量を増やす(合計ケーブル周長を増大する)ことで対応することができる。
また、図5より区間E2から区間E1に移る際(位置Px)、ケーブル4・5の周長が最大となり、さらに、区間E1においてはケーブル4・5の周長が短くなる。本発明においては、この区間E1で合計ケーブル周長が次第に短くなるようにケーブル4の引き出し量を減らす(合計ケーブル周長を減少させる)ことで対応することができる。なお、スライダが位置Pxに位置したときには、送り出し側のケーブル4の位置Pxは基準径Ddとされている。このように、図示例では湾曲状部分3bを通過して全閉位置に対応する位置(図1の矢印Pc)になり、図5のように合計ケーブル周長を増大させてからほぼ基準径Ddに対応する長さまで減少させるように変化させることにより、湾曲状部分3bの通過による合計ケーブル周長の変化に対応し得る。そのためのケーブル巻回径の変化は上記した通りである。
これにより、別途可動式のアイドルプーリ等のテンション機構などを設ける必要がないため、部品点数を減少できると共に装置全体をコンパクト化し得る。したがって、レイアウト性も向上し得る。
なお、第2例については、スライドドア1を全開位置に向けて移動させる場合であって、第1例と同じドラムを用いた例である。この場合、小径変化部9c及び大径変化部9bでケーブル4を巻き取り、ケーブル5は基準径部9aから送り出されるようになる。ケーブル4は大径変化部9b及び小径変化部9cの上記した径の変化に応じて巻き取られるのに対して、ケーブル5は略同一径の基準径Ddから送り出され、これによりドラム9の外方のケーブル4・5の周長(引き回し長さ)が変化する。なお、ケーブル4・5の変化は第1例のものと入れ替わるだけであるのでその詳細な説明は省略する。
なお、ドラム9に対するケーブル4・5の巻き取り及び送り出しの関係は、図4に示した第1例及び第2例に限られるものでなく、図6に示す第3例のように構成することもできる。なお、上記図示例と同様の部分には同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
この第3例にあっては、図2のドラム9において大径部分9Bにおける大径変化部9b及び小径変化部9cの配列が入れ替わり、小径部分9Aにおける基準径部9aが図において上下逆に配設したものである。この図示例もスライドドア1を全閉位置に向けて移動させる場合であり、図1の二点鎖線で示されるように、これからスライダ2が直線状部分3aから湾曲状部分3bに移る状態を示している。
この図示例の状態においては、一方のケーブル4が基準径Ddすなわち一定の送り出し率で送り出される状態であるのに対して、他方のケーブル5はその基準径部9aに所定長巻回されている(図示都合上、図では実線で示されるように略1周巻回されているが、ガイドレール3の直線状部分3aの長さに合せて数巻き巻回されている)とともに、小径変化部9cおよび大径変化部9bで巻き取る状態である。図の矢印Cに示されるようにドラムを回転することにより、区間E3を走行してきたスライダ2を区間E2、区間E1を経て全閉位置まで移動させるよう、破線で示されるように、まず、略基準径Ddの位置Pd1から小径変化部9cにより巻き取られ、位置Pxを経てその後に大変化部9bにより巻き取られて、全閉位置Pcにて基準径Ddの巻き取り径となるため、ケーブル4・5の合計周長は図5の区間E3〜E2〜E1に示されるように変化し得る。この場合の作用効果は上記と同様である。
次に、第4例については、スライドドア1を全開位置に向けて移動させる場合であって、第3例と同じドラムを用いた例である。この場合、基準径部9aでケーブル4を巻き取り、ケーブル5は大径変化部9b及び小径変化部9cから送り出されるようになり、ケーブル4は略同一径の基準径Ddに巻き取られるのに対して、ケーブル5は大径変化部9b及び小径変化部9cの上記した径の変化に応じて送り出され、これによりドラム9の外方のケーブル4・5の周長が変化する。なお、ケーブル4・5の変化は第3例のものと入れ替わるだけであるのでその詳細な説明は省略する。
なお、上記図示例では1つのドラム9に第1ドラムと第2ドラムを一体に形成したものを示したが、それぞれを別体としても良い。別体とした場合には、例えば基準径部9aを有する第1ドラムと、大径変化部9b及び小径変化部9cを有する第2ドラムとを形成し、それぞれを別々のモータにより同期させて駆動したり、または、両ドラムを並列に配設して両ドラムと1つのモータとの間をベルト掛けして駆動したりすることができる。
また、上記図示例では2本のケーブル4・5を用いた例を示したが、1本のケーブルを用いて構成することもできる。その場合には、ケーブルの中間部位をブラケットなどによりスライダ2に固定し、ケーブルの両側端部を図示例と同様にドラム9に必要な回数巻回し、各端部に設けられる駒部材を各係合凹部12a・12bに係合させる。これにより、スライダ2への結合個所が減り、組み付け工数を低減することができる。
本発明にかかるケーブル巻回ドラム装置は、可動式のアイドルプーリ等を用いたテンション機構を設けることなくケーブルの周長変化を吸収でき、自動車のスライドドア駆動装置に限られず、種々のケーブル牽引が適用される分野として有用である。
本発明が適用された自動車用スライドドア駆動装置を示す全体配置図である。 本発明に基づくドラムを示す要部破断斜視図である。 ドラムの螺旋溝の径変化を示す説明図である。 全閉時のケーブルの巻き取り及び送り出し要領を示す第1例の説明図である。 合計ケーブル周長の変化を示す図である。 第3例となる図4に対応する図である。
符号の説明
1 スライドドア
2 スライダ
3 ガイドレール、3a 直線状部分、3b 湾曲状部分
4・5 ケーブル
8 アクチュエータ
9 ドラム、9A 大径部分、9B 小径部分
9a 基準径部、9b 大径変化部、9c 小径変化部
11 螺旋溝

Claims (7)

  1. 直線状部分と当該直線状部分に連続する湾曲状部分とを有するガイドレールにより往復動自在にガイドされる被駆動体をケーブルを介して移動させるべく、前記ケーブルを前記被駆動体の往復動方向の両側に連結しかつ前記往復動方向にそれぞれ前記ガイドレールに沿うように延出し、前記ケーブルの一方の延出側が巻回される第1ドラムと、前記ケーブルの他方の延出側が巻回される第2ドラムとを設け、前記ケーブルを前記両ドラムの一方により巻き取りつつ他方から送り出すように前記両ドラムを回転駆動するようにしたケーブル巻回ドラム装置であって、
    前記第1ドラムの前記ケーブルが巻回される部分が、前記被駆動体が前記直線状部分を移動する区間に対応する所定の基準径からなる基準径部を有し、
    前記第2ドラムの前記ケーブルが巻回される部分が、前記被駆動体が前記湾曲状部分を移動する時の前記ケーブルの引き回し長さの変化分を吸収するように前記基準径に対して径が変化する大小変化径部を有することを特徴とするケーブル巻回ドラム装置。
  2. 前記第1ドラムが巻き取りドラム、前記第2ドラムが送り出しドラムであって、
    該第2ドラムの前記ケーブルが巻回される部分が、前記被駆動体が前記湾曲状部分を移動する時の前記ケーブルの引き回し長さの変化分を吸収するように、前記第1ドラムの基準径部よりも大径の凸部と、該凸部に連続して形成されるとともに、前記基準径部よりも小径の凹部とからなることを特徴とする請求項1に記載のケーブル巻回ドラム装置。
  3. 前記第1ドラムが送り出しドラム、前記第2ドラムが巻き取りドラムであって、
    該第2ドラムの前記ケーブルが巻回される部分が、前記被駆動体が前記湾曲状部分を移動する時の前記ケーブルの引き回し長さの変化分を吸収するように、前記第1ドラムの基準径部よりも大径の凸部と、該凸部に連続して形成されるとともに、前記基準径部よりも小径の凹部とからなることを特徴とする請求項1に記載のケーブル巻回ドラム装置。
  4. 前記第1ドラムが送り出しドラム、前記第2ドラムが巻き取りドラムであって、
    該第2ドラムの前記ケーブルが巻回される部分が、前記被駆動体が前記湾曲状部分を移動する時の前記ケーブルの引き回し長さの変化分を吸収するように、前記第1ドラムの基準径部よりも小径の凹部と、該凹部に連続して形成されるとともに、前記基準径部よりも大径の凸部とからなることを特徴とする請求項1に記載のケーブル巻回ドラム装置。
  5. 前記第1ドラムが巻き取りドラム、前記第2ドラムが送り出しドラムであって、
    該第2ドラムの前記ケーブルが巻回される部分が、前記被駆動体が前記湾曲状部分を移動する時の前記ケーブルの引き回し長さの変化分を吸収するように、前記第1ドラムの基準径部よりも小径の凹部と、該凹部に連続して形成されるとともに、前記基準径部よりも大径の凸部とからなることを特徴とする請求項1に記載のケーブル巻回ドラム装置。
  6. 前記第1ドラムと前記第2ドラムとが、互いに同軸かつ一体に形成され、かつ、前記第1・第2ドラムにおける前記ケーブルが巻回される部分が連続するよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のケーブル巻回ドラム装置。
  7. 前記被駆動体が自動車のスライドドアに連結されたスライダであり、
    前記湾曲状部分が前記スライドドアの全閉側に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のケーブル巻回ドラム装置。
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