上記課題を解決するために、請求項1記載の遊技機用ドラム式表示装置は、複数の図柄が外周部に配置された外側ドラムと、外側ドラムを介して視認可能な複数の図柄または背景が外周部に配置され、外側ドラムの内側に重なるように配置される内側ドラムと、各ドラムの回転を制御するドラム制御手段と、を備え、前記ドラム制御手段は、外側ドラムと内側ドラムを停止している状態から同時に同じ方向へ同じ回転速度で回転させ、同時に停止させることで、遊技者から内側ドラムの存在を認識し辛くするとともに、外側ドラムと内側ドラムを停止している状態から外側ドラムを回転させる前あるいは後に内側ドラムを回転させる、または外側ドラムと内側ドラムが同じ回転速度で回転している状態から外側ドラムを停止させる前あるいは後に内側ドラムを停止させることで、遊技者から内側ドラムの存在を認識し易くすることを特徴とする。請求項1記載の遊技機用ドラム式表示装置によれば、1列に複数のドラムを重ね、外側の1つあるいは2つのドラムに配置された図柄により1つの図柄列を構成するとともに、内側ドラムにも図柄を配置する。通常は外側ドラムが回転開始・回転停止するタイミングに合わせて内側ドラムも回転開始・回転停止するため、遊技者からその内側ドラムの図柄を認職することはできないが、所定の演出表示が選択されたときは、外側ドラムの回転開始・回転停止タイミングと内側ドラムの回転開始・回転停止タイミングとをずらすことで、外側ドラムの図柄は停止しているのにその後ろを内側ドラムの図柄が通過したり、あるいは外側ドラムの図柄が回転を開始した後に内側ドラムの図柄が回転中の外側ドラムの図柄列を通して見えたり、など内側ドラムの存在を遊技者に意識させうる演出を行うことができる。なお、特許文献1には、このような演出手法は記載されていない。
何れにせよ、回転開始・回転停止のタイミングが外側ドラムと内側ドラムとでずれるというイレギュラーなドラム動作によって、大当たりになることに対する遊技者の期待感を高めることができる。外側ドラムの図柄によって隠れた内側ドラムの図柄の動作による予告演出であって、遊技者からははっきり見えないけど動いている、止まっていることはわかる、という微妙な演出により、遊技者に対し新しい興趣を提供することができる。
請求項2記載の遊技機用ドラム式表示装置は、請求項1に記載の遊技機用ドラム式表示装置において、前記外側ドラムは、複数の図柄が配置された不透明部分と図柄の配置されていない透明部分とを備える第1ドラムと、複数の図柄が配置された不透明部分と図柄の配置されていない透明部分とを備え、第1ドラムの内側に重なるように配置される第2ドラムとで構成され、第1ドラムの図柄と第1ドラムの透明部分を通して見える第2ドラムの図柄とを組み合わせて外側ドラムとしての図柄列を形成しており、前記ドラム制御手段は、第1ドラムの透明部分と不透明部分との境目を遊技者から見える位置で一旦停止するとともに、第1ドラムと第2ドラムとを逆方向に所定角度だけ回転させて停止することで、第1ドラムの透明部分と第2ドラムの透明部分とを通して内側ドラムの図柄を遊技者から見えるようにすることを特徴とする。請求項2記載の遊技機用ドラム式表示装置によれば、外側ドラムを2重構造にし、外側の第1ドラムおよび第2ドラムの図柄を並べて変動表示することで1つの図柄列を形成し、通常は外側の第1ドラムおよび第2ドラムと内側ドラムとを連動して回転開始・回転停止するようにし、所定の演出表示が選択されたときは外側の第1ドラムおよび第2ドラムと内側ドラムとの回転開始・回転停止タイミングをずらすことで予告演出を行い、その後に外側の第1ドラムと第2ドラムとの相対位置をずらすことで内側ドラムを遊技者から見えるようにすることができる。
例えば、回転停止の時差演出が選択され、さらに発展するドラム演出が選択されている場合は、第1ドラムおよび第2ドラムが停止して暫くしてから内側ドラムも停止し、その後に第1ドラムの透明部分および第2ドラムの透明部分が表示窓の位置になるよう回転すると同時に内側ドラムが回転を開始し、大当たりに当選していれば内側ドラムのV図柄を並べて停止し、ハズレであれば内側ドラムのV図柄をばらけて停止するという演出も可能である。
請求項3記載の遊技機用ドラム式表示装置は、請求項1または2に記載の遊技機用ドラム式表示装置において、前記外側ドラムの内側に前記内側ドラムを重ねたドラムユニットを、そのドラムユニットの側面を向かい合わせるように複数配置し、前記ドラム制御手段は、全ての外側ドラムと全ての内側ドラムを同時に同じ方向に同じ回転速度で回転させ、同時に停止させる制御が可能であるとともに、全ての外側ドラムと一部の内側ドラムを同時に回転させてから残りの内側ドラムを回転させる制御、一部の内側ドラムを回転させてから全ての外側ドラムと残りの内側ドラムを同時に回転させる制御、全ての外側ドラムと一部の内側ドラムを同時に停止させてから残りの内側ドラムを停止させる制御、または一部の内側ドラムを停止させてから全ての外側ドラムと残りの内側ドラムを同時に停止させる制御が可能であることを特徴する。請求項3記載の遊技機用ドラム式表示装置によれば、各種の回転開始・回転停止タイミングの時差演出を行うことができ、遊技者に新たな興趣を与えることができる。
例えば、全てのドラムが回転している状態から内側ドラムが先に回転を停止し、暫くして第1ドラムおよび第2ドラムも回転を停止し、その後に第1ドラムの透明部分および第2ドラムの透明部分が表示窓の位置になるように第1ドラムおよび第2ドラムが回転すると同時に内側ドラムも再度回転を開始する演出も可能である。
図1は、本発明の実施例1に係る遊技機用ドラム式表示装置10を配設する遊技機1を示す正面模式図である。この遊技機1は、所定条件の成立に応じて内部抽選を実施し、その抽選結果に基づいて遊技機用ドラム式表示装置10に表示された図柄配列に応じて遊技者に特典を付与する遊技機、具体的にはパチンコ遊技機であり、台枠に取り付けられた透明ガラス板でなる前面扉2と、台枠の内側に配置されて前面扉2によって覆われる遊技盤3と、遊技盤3の左右の斜め下方に配設された左右一対のスピーカ4a,4bと、遊技盤3の下方に設けられた玉供給皿5と、玉供給皿5の右方(図1で見て)に設けられた、玉の発射装置110(図9参照)を操作する発射ハンドル6とを含んで構成されている。なお、図1中、符号103は、装飾ランプ類(図9参照)を示す。
遊技盤3は、遊技盤3のほぼ中央位置に配設された遊技機用ドラム式表示装置10と、遊技機用ドラム式表示装置10の左方(図1で見て)に設けられた通過ゲート11と、遊技機用ドラム式表示装置10の下方に設けられた、いわゆる電動チューリップ(以下、電チューと略記する)である始動入賞装置13と、始動入賞装置13の下方に設けられた大入賞装置14と、大入賞装置14の下方に設けられた玉排出口15とを含んで構成されている。なお、図中、符号12は、遊技盤3に植設された釘の一部を示す。
遊技機用ドラム式表示装置10は、3列3段の図柄表示が可能となっており、図柄を使ったリーチ演出などを行い、特図(特別図柄)の抽選結果により決定された3桁のアラビア数字等のキャラクタでなる特図を表示する。遊技機用ドラム式表示装置10の左図柄,中図柄および右図柄のそれぞれの図柄が図柄変動開始と同時に縦にスクロールし、所定時間経過後に停止表示する。各列の図柄は、表示窓10aの上段,中段,下段の何れかに停止するようになっている。有効ラインは上段,中段,下段,左斜め,右斜めの併せて5ラインである。何れかの有効ラインに同じ数字が3つ並ぶと大当たりになる。偶数数字が並ぶと非確変大当たりであり、奇数数字が並ぶと確変大当たりである。
図2は、遊技機用ドラム式表示装置10の斜視図を示す。遊技機用ドラム式表示装置10は、左図柄を表示する左ドラムユニット20Lと、中図柄を表示する中ドラムユニット20Cと、右図柄を表示する右ドラムユニット20Rとが、ドラムステー21により回転軸方向に連設されて構成されている。なお、図2中の破線は、遊技機用ドラム式表示装置10の表示窓10aを示す。
図3は、左,中,右の各ドラムユニット20L,20C,20R(以下、適宜、符号20で代表する)の正面断面図である。ドラムユニット20は、図4に示す外ドラム(本発明の外側ドラムおよび第1ドラムに相当)40L,40C,40R(以下、適宜、符号40で代表する)と、図5に示す中ドラム(本発明の外側ドラムおよび第2ドラムに相当)50L,50C,50R(以下、適宜、符号50で代表する)と、図6に示す内ドラム(本発明の内側ドラムに相当、第3ドラムともいう)60L,60C,60R(以下、適宜、符号60で代表する)とが、図7に示すように同軸的に組み合わされて構成されている。外ドラム40,中ドラム50および内ドラム60が組み合わせられたドラムユニット20は、ドラムステー21に固着されたギアボックス22L,22C,22R(以下、適宜、符号22で代表する)を介して、外ドラム用ステッピングモータ(以下、外ドラム用モータという)44L,44C,44R(以下、適宜、符号44で代表する),中ドラム用ステッピングモータ(以下、中ドラム用モータという)54L,54C,54R(以下、適宜、符号54で代表する),内ドラム用ステッピングモータ(以下、内ドラム用モータという)64L,64C,64R(以下、適宜、符号64で代表する)に連結されており、外ドラム40,中ドラム50,および内ドラム60が互いに独立して回転できるように懸架されている。また、これにより、左ドラムユニット20L,中ドラムユニット20Cおよび右ドラムユニット20Rも、互いに独立して回転できるように懸架されている。
図4を参照すると、外ドラム40は、ボス41aと、ボス41aから放射方向に延出された複数本(図示は4本)のアーム41bと、アーム41bの先端部をつなぐようにリング状に形成されたリム41cと、リム41cから回転軸方向に延出された透明な外周筒部41と、外周筒部41の半周部に貼着された図柄シート(以下、外図柄シートという)42とから構成されている。外図柄シート42は、外ドラム40の不透明部分となっており、外周筒部41の外図柄シート42が貼着されていない半周部は透明部分43となっている。透明部分43を通して内部のドラムや図柄が明瞭に見えるようになっている一方、外図柄シート42の下地は光を若干通す程度に着色(透光性のある白色)されているため、外図柄シート42を通してその内側のドラムや図柄をかすかに透視することができる。なお、本実施例1では、外周筒部41と外図柄シート42とを別体のものとしたが、両者を予め一体的に形成するようにしてもよい。
図5を参照すると、中ドラム50は、ボス51aと、ボス51aから放射方向に延出された複数本(図示は4本)のアーム51bと、アーム51bの先端部をつなぐようにリング状に形成されたリム51cと、リム51cから回転軸方向に延出された透明な外周筒部51と、外周筒部51の半周部に貼着された図柄シート(以下、中図柄シートという)52とから構成されている。中図柄シート52は、中ドラム50の不透明部分となっており、外周筒部51の中図柄シート52が貼着されていない半周部は透明部分53となっている。透明部分53を通して内部のドラムや図柄が明瞭に見えるようになっている一方、中図柄シート52の下地は光を若干通す程度に着色(透光性のある白色)されているため、中図柄シート52を通してその内側のドラムや図柄をかすかに透視することができる。なお、本実施例1では、外周筒部51と中図柄シート52とを別体のものとしたが、両者を予め一体的に形成するようにしてもよい。
中ドラム50の外径は、外ドラム40の内径よりも小さくなるように設定されており、中ドラム50は、外ドラム40の内側に同軸的に配置可能になっている(図3参照)。通常は、外ドラム40の透明部分43と中ドラム50の中図柄シート52とが重なるような位置関係で保持されており、外ドラム40の外図柄シート42の図柄と、外ドラム40の透明部分42を通して見える中ドラム50の中図柄シート52の図柄とにより1周分の図柄列が形成されている。よって、特別な演出を行うとき以外は、外ドラム40と中ドラム50とは一体となって回転開始・回転停止動作するように駆動制御される。外ドラム40の外図柄シート42の図柄と中ドラム50の中図柄シート52の図柄とによって1周分の図柄列を構成しているので、1つのドラムで図柄列を構成している遊技機用ドラム式表示装置では実施することができない効果のある演出を行うことができる。
図6を参照すると、内ドラム60は、ボス61aと、ボス61aから放射方向に延出された複数本(図示は4本)のアーム61bと、アーム61bの先端部をつなぐようにリング状に形成された透明な外周筒部61と、外周筒部61の全周部に貼着された図柄シート(以下、内図柄シートという)62とから構成されている。内図柄シート62の下地は、透明な外周筒部61の内側に配置された表示用バックライト70(図9参照)の光を通す程度に着色されている。なお、本実施例1では、外周筒部61と内図柄シート62とを別体のものとしたが、両者を予め一体的に形成するようにしてもよい。
内ドラム60の外径は、中ドラム50の内径よりも小さくなるように設定されており、内ドラム60は、中ドラム50の内側に同軸的に配置可能になっている(図3参照)。通常は、外ドラム40の透明部分43と中ドラム50の中図柄シート52とが重なるような位置関係で保持されている結果、遊技者は内ドラム60を明瞭に見ることはできない(外図柄シート42や中図柄シート52を通してかすかに視認することはできる)。しかし、継続開放演出処理(図13参照)や停止後開放演出処理(図14参照)が行われると、重なった外ドラム40の透明部分43と中ドラム50の透明部分53とを通して内ドラム60の内図柄シート62の図柄を遊技者が明瞭に見ることができるようになる。
図7は、外ドラム40,中ドラム50,および内ドラム60を同軸的に組み合わせて構成したドラムユニット20を示す斜視図である。通常は、外ドラム40の外図柄シート42に配置された図柄と、中ドラム50の中図柄シート52に配置された図柄とで1周分の図柄列を構成し、外ドラム40の透明部分43を通して、中ドラム50の中図柄シート52の図柄が明瞭に見えるようになっている。しかし、所定の演出が選択されたときは、外図柄シート42と中図柄シート52との繋ぎ目(外図柄シート42と透明部分43との境目、本発明の境目に相当)が表示窓10aを介して遊技者から目視可能となる位置で一旦停止し、その後に遊技者から見て外図柄シート42と中図柄シート52との繋ぎ目より上側の図柄が上方に、下側の図柄が下方に移動するように外ドラム40および中ドラム50が回転され、外ドラム40の透明部分43および中ドラム50の透明部分53を通して外ドラム40および中ドラム50の中にある内ドラム60の内図柄シート62に配置された図柄が表示窓10aを介して遊技者から明瞭に見ることができるようになる。
図3に戻って、外ドラム40は、ボス41aがギアボックス22から同軸的に延出された内回転軸44aに軸着され、ギアボックス22を介して、ユニットステー21に固定された外ドラム用モータ44の出力軸に連結されている。中ドラム50は、ボス51aがギアボックス22から同軸的に延出された中回転軸54aに軸着され、ギアボックス22を介して、ユニットステー21に固定された中ドラム用モータ54の出力軸に連結されている。内ドラム60は、ギアボックス22から同軸的に延出された外回転軸64aに軸着され、ギアボックス22を介して、ユニットステー21に固定された内ドラム用モータ64の出力軸に連結されている。
図8を参照すると、左,中,右の外図柄シート42L,42C,42Rには、上から「1234」,「1234」,「8765」のキャラクタでなる図柄が順番に描かれている。また、左,中,右の中図柄シート52L,52C,52Rには、上から「5678」,「5678」,「4321」のキャラクタでなる図柄が順番に描かれている。さらに、左,中,右の内図柄シート62L,62C,62Rには、上から「V_VV_V__」,「V__VV_V_」,「V_VV_V__」のキャラクタでなる図柄が順番に描かれている。
図1に戻って、通過ゲート11は、賞球がないゲートであり、通過ゲート11に玉を通過させると、例えば127/128の確率で普通図柄(普図)の抽選が行われ、当選したならば、電チューである始動入賞装置13が可動羽根の開閉動作を行う。
始動入賞装置13は、開口部に一対の可動羽根を有する、いわゆる電チューと呼ばれる可変入賞装置でなる。始動入賞装置13は、通過ゲート11ヘの玉の通過が検知されて、例えば127/128の確率で普図の抽選が行われ、当選したならば、可動羽根を開放する。可動羽根の1回の開放時間は、通常時は、例えば0.5秒間、確変時および時短時は、例えば1.8秒×3回である。なお、図1中に図示した釘12の位置からも分かるように、可動羽根の開閉の如何にかかわらず、始動入賞装置13への玉の入賞が可能になっている。遊技領域に発射された玉が始動入賞装置13へ入賞すると、内部抽選が実行され、その抽選結果が遊技機用ドラム式表示装置10によって遊技者に表示される。
大入賞装置14は、いわゆるアタッカーと呼ばれる可変入賞装置であり、開口部と蓋部材とから構成され、蓋部材が移動することにより開口部の閉鎖状態と開放状態とを呈する。
図9(a)を参照すると、遊技機1は、主回路120が搭載された主制御基板100と、スピーカ4a,4bを含むアンプ/スピーカ102,装飾ランプ類103およびドラム制御基板104を制御する副制御回路(図示せず)が搭載された副制御基板101と、ドラム用モータ44,54,64(44L,44C,44R,54L,54C,54R,64L,64C,64R),基準位置検出センサ45,55,65(45L,45C,45R,55L,55C,55R,65L,65C,65R)および表示用バックライト70(70L,70C,70R)を駆動制御するドラム制御回路(図示せず、本発明のドラム制御手段に相当)が搭載されたドラム制御基板104と、払出装置108を制御する払出制御回路(図示せず)が搭載された払出制御基板107と、発射装置110を制御する発射制御回路(図示せず)が搭載された発射制御基板109と、通過ゲート11に併設されたゲート通過検出器111と、始動入賞装置13に併設された始動入賞検出器113と、大入賞装置14に併設された大入賞検出器114と、電チューである始動入賞装置13の可動羽根を開閉する電チューソレノイド115と、大入賞装置14を開閉する大入賞ソレノイド116と、各基板に所定電圧を供給する電源回路部117とを含んで構成されている。
主制御基板100に搭載された主回路120は、CPU(Central Processing Unit)121,プログラム格納用のROM(Read Only Memory)122,ワークエリアや各種カウンタ等が割り当てられるRAM(Random Access Memory)123,入出力インタフェースであるI/O(Input/Output)124等を備える。
なお、その他の各制御回路も、個別にCPUやメモリを備える構成が一般的であるが、図9では省略している。
副制御基板101に搭載された副制御回路は、主回路120より入力される音声制御信号に応じてスピーカ4a,4bを含むアンプ/スピーカ102より音声を出力させる。また、副制御基板101は、主回路120より入力されるランプ制御信号に応じて装飾ランプ類103の点灯/消灯を制御する。さらに、副制御回路は、主回路120より入力される図柄変動信号をドラム制御回路に出力する。
図9(b)を参照すると、ドラム制御基板104に搭載されたドラム制御回路は、主回路120より入力される図柄変動信号(表示制御信号)に応じて、遊技機用ドラム式表示装置10の左ドラムユニット20L,中ドラムユニット20C,右ドラムユニット20Rを制御するための処理を実行する。詳しくは、ドラム制御回路は、遊技機用ドラム式表示装置10の左外ドラム用モータ44L,左中ドラム用モータ54L,左内ドラム用モータ64L,中外ドラム用モータ44C,中中ドラム用モータ54C,中内ドラム用モータ64C,右外ドラム用モータ44R,右中ドラム用モータ54R,右内ドラム用モータ64Rを駆動制御する。本実施例1では全部で9つのドラムを回転動作させるために9つのステッピングモータが備えられており、各ドラムはステッピングモータと1対1で接続され制御されている。各ドラムには回転基準位置が設けられており、各ドラムが1回転するうちに対応する基準位置検出センサ45L,45C,45R,55L,55C,55R,65L,65C,65Rがこの回転基準位置を検出し、検出信号をドラム制御回路に送信しているので、ドラム制御回路は、その検出信号を受信してから回転したステップ数に基づいて現在の各ドラムの回転位置を特定している。また、ドラム制御回路は、各ドラムの各図柄シートおよび透明部分の位置と回転基準位置からのステップ数との関係を全て把握しているので、主回路120から入力される図柄変動信号に応じて各ドラム用モータ44,54,64を駆動制御し、所望の変動表示および停止表示を行うことができるようになっている。ドラム制御回路は、副制御回路を経由した主回路120からの回転指示に基づいて、全てのドラムが停止した状態から同時に全てのドラムの回転を開始する。また、ドラム制御回路は、副制御回路を経由した主回路120からの停止指示に従って、左,右,中の順に各ドラムユニット20L,20C,20Rの回転を停止する。基本的には、各ドラムユニット20L,20C,20Rにおいて、3重ドラムが回転開始・回転停止するタイミングは同時である。また、ドラム制御回路は、表示用バックライト70L,70C,70RのON/OFFを制御する。
払出制御基板107に搭載された払出制御回路は、主回路120より入力される賞球払出信号に応じて払出装置108を制御する。これにより、遊技者に対して所定数の賞球が払い出される。また、払出制御回路は、主回路120より入力される発射制御信号を発射制御回路に出力する。
発射制御基板109に搭載された発射制御回路は、遊技者が発射ハンドル6を操作することに応じて主回路120から払出制御回路を介して入力される発射制御信号に基づいて、発射装置110を作動させる。発射ハンドル6の操作量に応じて、玉の打出し強さ(玉の飛距離)を調節することが可能となっている。
図10は、遊技機用ドラム式表示装置10におけるドラム動作処理(図柄変動処理)を示すフローチャートである。ドラム動作処理では、回転開始処理S102を行い、継続開放演出が選択されていれば継続開放演出処理S108を行う。継続開放演出が選択されていなければ、回転停止処理S105を行い、停止後開放演出が選択されていれば、停止後開放演出処理S109を行い、再変動演出が選択されていれば、再変動処理S110を行う。
図11は、遊技機用ドラム式表示装置10における回転開始処理を示すフローチャートである。回転開始処理では、開始時差演出が選択されていなければ、全ドラムの回転を開始し、開始時差演出が選択されていれば、外ドラム40および中ドラム50または内ドラム60の回転を先に開始し、所定時間経過後に内ドラム60または外ドラム40および中ドラム50の回転を開始する。
図12は、遊技機用ドラム式表示装置10における回転停止処理を示すフローチャートである。回転停止処理では、停止時差演出が選択されていなければ、全ドラムの回転を停止し、停止時差演出が選択されていれば、外ドラム40および中ドラム50または内ドラム60の回転を先に停止し、所定時間経過後に内ドラム60または外ドラム40および中ドラム50の回転を停止する。なお、各列のドラムの停止タイミングは、左→右→中の順に異なる。
図13は、遊技機用ドラム式表示装置10における継続開放演出処理を示すフローチャートである。継続開放演出処理では、外ドラム40の透明部分43を表示窓10aの位置で回転停止し、中ドラム50の透明部分53を表示窓10aの位置で回転停止し、所定時間経過後に内ドラム60の回転を停止する。なお、各列のドラムの停止タイミングは、左→右→中の順に異なる。
図14は、遊技機用ドラム式表示装置10における停止後開放演出処理を示すフローチャートである。停止後開放演出処理では、外ドラム40の回転を開始して外ドラム40の透明部分43を表示窓10aの位置で回転停止し、中ドラム50の回転を開始して中ドラム50の透明部分53を表示窓10aの位置で回転停止し、所定時間経過後に内ドラム60の回転を停止する。なお、各列のドラムの停止タイミングは、左→右→中の順に異なる。
図15は、遊技機用ドラム式表示装置10における再変動処理を示すフローチャートである。再変動処理では、全ドラムの回転を開始し、所定時間経過後に、再変動後開放演出が選択されていれば、継続開放演出処理S605を行い、再変動後開放演出が選択されていなければ、全ドラムの回転を停止する。なお、各列のドラムの停止タイミングは、左→右→中の順に異なる。
図16(a),(b)は、通常回転時の図柄表示を示す遷移図である。通常回転の場合には、図16(a)に示すような全ドラムの停止中の状態では、表示用バックライト70L,70C,70Rに照射されて内ドラム60L,60C,60Rの図柄シート62L,62C,62Rの図柄の影がうっすらと見えており、この状態から、図16(b)に示すように、全ドラムの回転を開始する。
図17(c)〜(e)は、内ドラム60L,60C,60Rが遅れて回転する場合の図柄表示を示す遷移図である。内ドラム60L,60C,60Rが遅れて回転する場合には、図17(c)に示すような全ドラムの停止中の状態から、図17(d)に示すように、外ドラム40L,40C,40Rおよび中ドラム50L,50C,50Rの回転を開始する一方、内ドラム60L,60C,60Rを停止中のままとする。この後、図17(e)に示すように、内ドラム60L,60C,60Rも回転を開始して、全ドラムが回転中となる。
図18(f)〜(h)は、内ドラム60L,60C,60Rが先に回転する場合の図柄表示を示す遷移図である。内ドラム60L,60C,60Rが先に回転を開始するときには、図18(f)に示す全ドラムの停止中の状態から、図18(g)に示すように、内ドラム60L,60C,60Rの回転を開始する一方、外ドラム40L,40C,40Rおよび中ドラム50L,50C,50Rを停止中のままとする。この後、図18(h)に示すように、外ドラム40L,40C,40Rおよび中ドラム50L,50C,50Rも回転を開始し、全ドラムが回転中となる。
図19(i),(j)は、通常停止時の図柄表示を示す遷移図である。通常停止の場合には、図19(i)に示すような全ドラムの回転中の状態から、図19(j)に示すように全ドラムを停止する。
図20(k)〜(m)は、内ドラム60L,60C,60Rが先に停止する場合の図柄表示を示す遷移図である。内ドラム60L,60C,60Rが先に停止する場合には、図20(k)に示す全ドラムの回転中の状態から、図20(l)に示すように、内ドラム60L,60C,60Rを停止する一方、外ドラム40L,40C,40Rおよび中ドラム50L,50C,50Rは回転中のままとする。この後、図20(m)に示すように、外ドラム40L,40C,40Rおよび中ドラム50L,50C,50Rも停止し、全ドラムが停止した状態になる。
図21(n)〜(p)は、内ドラム60L,60C,60Rが遅れて停止する場合の図柄表示を示す遷移図である。内ドラム60L,60C,60Rが遅れて停止する場合には、図21(n)に示す全ドラムの回転中の状態から、図21(o)に示すように、外ドラム40L,40C,40Rおよび中ドラム50L,50C,50Rを停止する一方、内ドラム60L,60C,60Rは回転中のままとする。この後、図21(p)に示すように、内ドラム60L,60C,60Rも停止し、全ドラムが停止した状態になる。
図22(q)〜(v)は、内ドラム60L,60C,60Rが遅れて回転し、その後に内ドラム60L,60C,60Rが出現する場合の図柄表示を示す遷移図である。内ドラム60L,60C,60Rが遅れて回転し、その後に内ドラム60L,60C,60Rを出現する場合には、図22(q)に示す全ドラムが停止中の状態から、図22(r)に示すように、外ドラム40L,40C,40Rおよび中ドラム50L,50C,50Rの回転を開始する一方、内ドラム60L,60C,60Rは停止中のままとする。続いて、図22(s)に示すように、内ドラム60L,60C,60Rも回転を開始して、全ドラムが回転中の状態となる。次に、図22(t)に示すように、外ドラム40L,40C,40Rを表示窓10a側が透明部分43L,43C,43Rとなるように停止する一方、中ドラム50L,50C,50Rおよび内ドラム60L,60C,60Rを回転中のままとする。続いて、図22(u)に示すように、中ドラム50L,50C,50Rを表示窓10a側が透明部分53L,53C,53Rとなるように停止する一方、内ドラム60L,60C,60Rを回転中のままとする。最後に、図22(v)に示すように、内ドラム60L,60C,60Rを最終停止図柄で停止する。
図23ないし図28は、ドラムユニット20L,20C,20Rの図柄変動動作を説明する遷移図である。特に、表示窓10aの図柄表示および右ドラムユニット20Rの回転動作を示す。
次に、このように構成された実施例1に係る遊技機用ドラム式表示装置10の動作を、遊技機1の動作とともに、図1ないし図28を参照しながら説明する。
遊技機1への電源投入後、玉供給皿5に準備された玉は、発射ハンドル6を含んで構成される発射装置110によって遊技盤3に向けて発射される。遊技盤3に達した玉は、遊技盤3の盤面上を流下する。
遊技盤3の盤面上を流下する玉が通過ゲート11を通過すると、これをゲート通過検出器111が検出して、通過検出信号が主回路120に送信される。
主回路120は、ゲート通過検出器111からの通過検出信号により通過ゲート11の玉の通過を検知しており、通過ゲート11を玉が通過したことが検知されると、普図用乱数カウンタ(図示せず)から値を抽出し、RAM123上の普図用保留記憶領域(図示せず)に普図の抽選結果を記憶して保留する。次に、主回路120は、RAM123上の普図用保留記憶領域に普図の抽選結果の保留があるかどうかを判定し、普図用保留記憶領域に普図の抽選結果の保留があれば、電チューである始動入賞装置13が開放中であるかどうかを判定する。電チューである始動入賞装置13が開放中でなければ、主回路120は、RAM123上の普図用保留記憶領域に保留されている最古の普図の抽選結果を読み出す。続いて、主回路120は、読み出した普図の抽選結果を所定の普図用判定値と照合して当たり/ハズレの判定を行う。なお、普図の当たり確率は、例えば127/128である。判定結果が当たりであれば、主回路120は、電チューソレノイド115を励磁することにより、電チューである始動入賞装置13を開放する。普図当選時の始動入賞装置13の開放時間は、通常時には、例えば0.5秒、確変時および時短時には、例えば1.8秒×3回である。次に、主回路120は、確変中または時短中であるかどうかを判定し、確変中または時短中であれば、例えば1.8秒経過するのを待機した後、電チューソレノイド115を非励磁とすることにより、電チューである始動入賞装置13を閉鎖し、この開閉動作をさらに2回繰り返す。一方、確変中または時短中でなければ、主回路120は、例えば0.5秒が経過するのを待機した後、電チューである始動入賞装置13を閉鎖する。
電チュー(可動羽根)の開閉の如何にかかわらず、始動入賞装置13に玉が入賞すると、始動入賞検出器113が、これを検出して、入賞検出信号を主回路120に送信する。
主回路120は、始動入賞検出器113からの入賞検出信号により始動入賞装置13での玉の通過を検知しており、始動入賞装置13での玉の通過が検知されると、特図用乱数カウンタ(図示せず)より値を抽出して特図の内部抽選を行い、RAM123上の特図用保留記憶領域(図示せず)に特図の抽選結果を記憶して保留する。なお、特図の当たり確率は、通常時には例えば1/400、確変中には例えば1/40とすることができる。次に、主回路120は、払出制御回路を介して払出装置108に所定数の賞球の払出を指示する。続いて、主回路120は、RAM123上の特図用保留記憶領域に特図の抽選結果の保留があるかどうかを判定し、特図用保留記憶領域に特図の抽選結果の保留があれば、遊技機用ドラム式表示装置10において先の特図の変動表示中であるかどうかを判定する。先の特図の変動表示中でなければ、主回路120は、大当たりフラグがONであるかどうかに基づいて大当たり中であるかどうかを判定する。大当たり中でなければ、主回路120は、RAM123上の特図用保留記憶領域から最古の特図の抽選結果を読み出す。次に、主回路120は、読み出された特図の抽選結果を、通常時であるか確変時であるかに応じて所定の通常時用判定値または確変時用判定値と照合して当たり/ハズレの判定を行い、当たり/ハズレの判定結果に基づいて特図の変動時間,動作パターン,停止図柄等を決定する。特に、所定の確率で回転時差演出(回転開始時差演出および回転停止時差演出),継続開放演出,停止後開放演出,再変動演出等の選択を行う。特図の変動時間は、特図の保留数が多いほど短い時間を選択し、確変中および時短中は、通常よりもさらに短い時間を選択することができる。次に、主回路120は、遊技機用ドラム式表示装置10における特図の図柄変動,ならびに特図の変動タイマ(図示せず)のカウントを開始する図柄変動信号を副制御回路を経由してドラム制御回路に送信する。
ドラム動作処理では、ドラム制御回路は、主回路120からの図柄変動信号に基づいて図柄変動開始かどうかを判定しており(図10のS101)、図柄変動開始でなければ(図10のS101:NO)、ドラム動作処理を終了する。図柄変動開始であれば(図10のS101:YES)、ドラム制御回路は、回転開始処理(図11参照)を呼び出す(図10のS102)。
回転開始処理では、ドラム制御回路は、開始時差演出が選択されているかどうかを判定し(図11のS201)、開始時差演出が選択されていなければ(図11のS201:NO)、通常回転であるので、全ドラムの回転を開始する(図11のS209)。詳しくは、図16(a)に示すような全ドラムの停止中の状態では、表示用バックライト70L,70C,70Rに照射されて内ドラム60L,60C,60Rの図柄シート62L,62C,62Rの図柄の影がうっすらと見えており、この状態から、図16(b)に示すように、全ドラムの回転を開始する。
開始時差演出が選択されていれば(図11のS201:YES)、ドラム制御回路は、外ドラム40L,40C,40Rおよび中ドラム50L,50C,50Rを先に回転させるかどうかを判定し(図11のS202)、外ドラム40L,40C,40Rおよび中ドラム50L,50C,50Rを先に回転させるのであれば(図11のS202:YES)、外ドラム40L,40C,40Rおよび中ドラム50L,50C,50Rの回転を開始する(図11のS203)。詳しくは、図17(c)に示すような全ドラムの停止中の状態から、図17(d)に示すように、外ドラム40L,40C,40Rおよび中ドラム50L,50C,50Rの回転を開始する一方、内ドラム60L,60C,60Rを停止中のままとする。この状態では、表示用バックライト70L,70C,70Rに照射されて内ドラム60L,60C,60Rの図柄シート62L,62C,62Rの図柄の影がうっすらと見えている。この後、ドラム制御回路は、所定時間が経過するのを待機した後(図11のS204:NO)、所定時間が経過すると(図11のS204:YES)、図17(e)に示すように、内ドラム60L,60C,60Rの回転を開始し(図11のS203)、呼び出し元のドラム動作処理に制御を戻す(リターンする)。この結果、全ドラムが回転中となる。
外ドラム40L,40C,40Rおよび中ドラム50L,50C,50Rを先に回転させるのでなければ(図11のS202:NO)、ドラム制御回路は、内ドラム60L,60C,60Rの回転を開始する(図11のS206)。詳しくは、図18(f)に示す全ドラムの停止中の状態から、図18(g)に示すように、内ドラム60L,60C,60Rの回転を開始する一方、外ドラム40L,40C,40Rおよび中ドラム50L,50C,50Rは停止中のままとする。この状態では、表示用バックライト70L,70C,70Rに照射されて内ドラム60L,60C,60Rの図柄シート62L,62C,62Rの図柄の影が上から下へと移動するのがうっすらと見えている。この後、ドラム制御回路は、所定時間が経過するのを待機した後(図11のS207:NO)、所定時間が経過すると(図11のS207:YES)、図18(h)に示すように、外ドラム40L,40C,40Rおよび中ドラム50L,50C,50Rの回転を開始し(図11のS208)、呼び出し元のドラム動作処理に制御を戻す(リターンする)。この結果、全ドラムが回転中となる。
回転開始処理からドラム動作処理に制御が戻ると、ドラム制御回路は、所定時間が経過するのを待機した後(図10のS103:NO)、所定時間が経過すると(図10のS103:YES)、継続開放演出が選択されているかどうかを判定する(図10のS104)。継続開放演出が選択されていなければ(図10のS104:NO)、ドラム制御回路は、回転停止処理(図12参照)を呼び出す。
回転停止処理では、ドラム制御回路は、停止時差演出が選択されているかどうかを判定し(図12のS301)、停止時差演出が選択されていなければ(図12のS301:NO)、通常停止であるので、全ドラムの回転を停止して(図12のS309)、呼び出し元のドラム動作処理に制御を戻す(リターンする)。詳しくは、図19(i)に示すような全ドラムの回転中の状態から、図19(j)に示すように全ドラムを停止する。この状態では、表示用バックライト70L,70C,70Rに照射されて内ドラム60L,60C,60Rの図柄シート62L,62C,62Rの図柄の影がうっすらと見えている。
停止時差演出が選択されていれば(図12のS301:YES)、ドラム制御回路は、外ドラム40L,40C,40Rおよび中ドラム50L,50C,50Rを先に停止させるかどうかを判定し(図12のS302)、外ドラム40L,40C,40Rおよび中ドラム50L,50C,50Rを先に停止させるのであれば(図12のS302:YES)、外ドラム40L,40C,40Rおよび中ドラム50L,50C,50Rの回転を停止する(図12のS303)。詳しくは、図21(n)に示す全ドラムの回転中の状態から、図21(o)に示すように、外ドラム40L,40C,40Rおよび中ドラム50L,50C,50Rを停止する一方、内ドラム60L,60C,60Rを回転中のままとする。この後、ドラム制御回路は、所定時間が経過するのを待機した後(図12のS304:NO)、所定時間が経過すると(図12のS304:YES)、内ドラム60L,60C,60Rの回転を停止し(図12のS303)、呼び出し元のドラム動作処理に制御を戻す(リターンする)。この結果、図21(p)に示すように、全ドラムが停止した状態になる。この状態では、表示用バックライト70L,70C,70Rに照射されて内ドラム60L,60C,60Rの図柄シート62L,62C,62Rの図柄の影がうっすらと見えている。
外ドラム40L,40C,40Rおよび中ドラム50L,50C,50Rを先に停止させるのでなければ(図12のS302:NO)、ドラム制御回路は、内ドラム60L,60C,60Rの回転を停止する(図12のS306)。詳しくは、図20(k)に示す全ドラムの回転中の状態から、図20(l)に示すように、内ドラム60L,60C,60Rを停止する一方、外ドラム40L,40C,40Rおよび中ドラム50L,50C,50Rは回転中のままとする。この状態では、表示用バックライト70L,70C,70Rに照射されて内ドラム60L,60C,60Rの図柄シート62L,62C,62Rの図柄の影がうっすらと見えている。この後、ドラム制御回路は、所定時間が経過するのを待機した後(図12のS307:NO)、所定時間が経過すると(図12のS307:YES)、外ドラム40L,40C,40Rおよび中ドラム50L,50C,50Rの回転を停止し(図12のS308)、呼び出し元のドラム動作処理に制御を戻す(リターンする)。この結果、図20(m)に示すように、全ドラムが停止した状態になる。この状態では、表示用バックライト70L,70C,70Rに照射されて内ドラム60L,60C,60Rの図柄シート62L,62C,62Rの図柄の影がうっすらと見えている。
回転停止処理からドラム動作処理に制御が戻ると、ドラム制御回路は、停止後開放演出が選択されているかどうかを判定し(図10のS106)、停止後開放演出が選択されていなければ(図10のS106:NO)、再変動演出が選択されているかどうかを判定する(図10のS107)。再変動演出が選択されていなければ(図10のS107:NO)、ドラム制御回路は、ドラム動作処理を終了する。
ドラム動作処理において継続開放演出が選択されていれば(図10のS104:YES)、ドラム制御回路は、継続開放演出処理(図13参照)を呼び出す。
継続開放演出処理では、ドラム制御回路は、図22(t)に示すように、外ドラム40L,40C,40Rの透明部分43L,43C,43Rを表示窓10aの位置で回転停止する(図13のS401)。次に、ドラム制御回路は、図22(u)に示すように、中ドラム50L,50C,50Rの透明部分53L,53C,53Rを表示窓10aの位置で回転停止する(図13のS402)。続いて、ドラム制御回路は、所定時間が経過するのを待機した後(図13のS403:NO)、所定時間が経過すると(図13のS403:YES)、図22(v)に示すように、内ドラム60L,60C,60Rの回転を停止し(図13のS404)、呼び出し元のドラム動作処理に制御を戻す(リターンする)。ただし、各列のドラムの停止タイミングは異なる(左,右,中の順)。この状態では、表示窓10aの位置に外ドラム40L,40C,40Rの透明部分43L,43C,43Rおよび中ドラム50L,50C,50Rの透明部分53L,53C,53Rが対応しているので、内ドラム60L,60C,60Rの内図柄シート62L,62C,62Rの図柄を遊技者から明瞭に見ることができる。図22(v)では、2本の有効ラインにV図柄が揃っているので、確変大当たりとなっている。
継続開放演出処理からドラム動作処理に制御が戻ると、ドラム制御回路は、ドラム動作処理を終了する。
また、ドラム動作処理において停止後開放演出S109が選択されていれば(図10のS106:YES)、ドラム制御回路は、停止後開放演出処理(図14参照)を呼び出す。
停止後開放演出処理では、ドラム制御回路は、外ドラム40L,40C,40Rの回転を開始し、外ドラム40L,40C,40Rの透明部分43L,43C,43Rを表示窓10aの位置で回転停止する(図14のS501)。次に、ドラム制御回路は、中ドラム50L,50C,50Rの回転を開始し、中ドラム50L,50C,50Rの透明部分53L,53C,53Rを表示窓10aの位置で回転停止する(図13のS502)。続いて、ドラム制御回路は、所定時間が経過するのを待機した後(図14のS503:NO)、所定時間が経過すると(図14のS503:YES)、内ドラム60L,60C,60Rの回転を停止して(図14のS504)、呼び出し元のドラム動作処理に制御を戻す(リターンする)。ただし、各列のドラムの停止タイミングは、左,右,中の順に異なる。
停止後開放演出処理からドラム動作処理に制御が戻ると、ドラム制御回路は、ドラム動作処理を終了する。
さらに、ドラム動作処理において再変動演出が選択されていれば(図10のS107:YES)、ドラム制御回路は、再変動処理(図15参照)を呼び出す。
再変動処理では、ドラム制御回路は、全ドラムの回転を開始し(図15のS601)、所定時間が経過するのを待機する(図15のS602:NO)。所定時間が経過すると(図15のS602:YES)、ドラム制御回路は、再変動後開放演出が選択されているかどうかを判定し(図15のS603)、再変動後開放演出が選択されていなければ(図15のS603:NO)、全ドラムの回転を停止して(図15のS604)、呼び出し元のドラム動作処理に制御を戻す(リターンする)。ただし、各列のドラムの停止タイミングは異なる(左,右,中の順)。再変動後開放演出が選択されていれば(図15のS603:YES)、ドラム制御回路は、継続開放演出処理(図13参照)を呼び出す。継続開放演出処理についてはすでに述べたので、説明を省略する。継続開放演出処理から制御が戻ると、ドラム制御回路は、呼び出し元のドラム動作処理に制御を戻す(リターンする)。
再変動処理からドラム動作処理に制御が戻ると、ドラム制御回路は、ドラム動作処理を終了する。
ここで、内ドラム60L,60C,60Rが遅れて回転し、その後に内ドラム60L,60C,60Rが出現する場合の右ドラムユニット20Rの回転動作について、図22ないし図28を参照しながら、より具体的に説明する。
図22(q)および図23に示す全てのドラムが停止している状態では、外ドラム40L,40C,40Rの図柄シート42L,42C,42Rおよび中ドラム50L,50C,50Rの図柄シート52L,52C,52Rが貼られている部分を通して内ドラム60L,60C,60Rの図柄シート62L,62C,62Rの図柄を直接見ることはできないが、ドラム内部に設けられた表示用バックライト70に照らされて、内ドラム60L,60C,60Rの図柄シート62L,62C,62Rの図柄の影が表示窓10aから見える外ドラム40L,40C,40Rの図柄シート42L,42C,42Rおよび中ドラム50L,50C,50Rの図柄シート52L,52C,52Rに写っており、遊技者からもうっすらと内ドラム60L,60C,60Rの図柄シート62L,62C,62Rの図柄が写っていることを認識することができる。図22(q)および図23では、表示窓10aの右列に「5,4」が見えているとともに、「5」の背後にV図柄の影がうっすらと見えている。
内ドラム60L,60C,60Rの図柄シート62L,62C,62Rの図柄と外ドラム40L,40C,40Rの外図柄シート42L,42C,42Rおよび中ドラム50L,50C,50Rの中図柄シート52L,52C,52Rの図柄とが重なっているとき、遊技者が内ドラム60L,60C,60Rの図柄シート62L,62C,62Rの図柄を認識することは難しいが、図22(r)および図24に示すように、外ドラム40L,40C,40Rと中ドラム50L,50C,50Rとが同じ回転速度で回転を開始する一方、内ドラム60L,60C,60Rが停止したままになると、遊技者は、図柄シート62L,62C,62Rの図柄がうっすらと写っているので、内ドラム60L,60C,60Rが停止していることを認識できる。図22(r)および図24では、表示窓10aの右列上段に、V図柄の影がうっすらと見えている。
次に、図22(s)および図25に示すように、内ドラム60L,60C,60Rも回転開始すると、全てのドラムが同じ回転速度で回転する。
暫く全てのドラムを回転させた後、図22(t)および図26に示すように、透明部分43L,43C,43Rが表示窓10aに位置するところで、外ドラム40L,40C,40Rの回転を停止する一方、中ドラム50L,50C,50Rおよび内ドラム60L,60C,60Rの回転を継続する。
次に、図22(u)および図27に示すように、透明部分53L,53C,53Rが表示窓10aに位置するところで、中ドラム50L,50C,50Rの回転を停止する一方、内ドラム60L,60C,60Rの回転を継続する。外ドラム40L,40C,40Rおよび中ドラム50L,50C,50Rが停止していて内ドラム60L,60C,60Rが回転しているとき、遊技者は、内ドラム60L,60C,60Rの図柄シート62L,62C,62Rの図柄が回転していることを認識することができる程度に見えている。
その後、図22(v)および図28に示すように、内ドラム60L,60C,60Rを左、右、中の順で停止し、抽選結果を表示する。図22(v)および図28では、2本の有効ラインにV図柄が揃っているので、確変大当たりとなっている。
なお、ドラム動作処理では、一旦見えなくなった外図柄シート42L,42C,42Rや中図柄シート52L,52C,52Rを再び出現させるような演出で遊技者を煽ることもできる。また、外ドラム40L,40C,40Rを停止しておくことで、内図柄シート62L,62C,62Rと中図柄シート52L,52C,52Rとを組み合わせた図柄列で表示することもできる。
ドラム制御回路によるドラム動作処理が終了すると、主回路120は、確変図柄または非確変図柄での停止であるかどうかを判定する。確変図柄または非確変図柄での停止であれば、主回路120は、大当たりフラグをONし、非確変図柄での停止であるかどうかを判定する。非確変図柄での停止でなければ、主回路120は、確変フラグをONにする。
次に、主回路120は、大当たりフラグがONであるかどうかを判定し、大当たりフラグがONであれば、1回の大当たりで大入賞装置14を最大ラウンド数15まで開放させるために、ラウンド数が最大ラウンド数15でないかどうかを判定する。ラウンド数が最大ラウンド数15でなければ、主回路120は、ラウンド数に1を加算し、大入賞ソレノイド115を励磁することにより大入賞装置14を開放する。これにより、大入賞装置14が開放して、玉の入賞が可能になる。なお、1入賞あたりの賞球の払出は、15個である。大入賞装置14へ1ラウンドの入賞可能玉数10の玉が入賞するか、大入賞装置14が開放してから1ラウンドの最大開放時間25秒が経過するかの何れかが満たされると、主回路120は、大入賞ソレノイド115を非励磁とすることにより、大入賞装置14を閉鎖する。これにより、大入賞装置14が閉鎖して、玉の入賞ができなくなる。この後、大当たりフラグがまだONであるため、主回路120は、大入賞装置14の開閉を繰り返す。そして、ラウンド数が最大ラウンド数15になると、主回路120は、ラウンド数を初期値0にリセットして、大当たりフラグをOFFにする。
大当たり処理の終了後、確変図柄での大当たりであったときは、その大当たりの終了後は確変状態(通常よりも大当たりの当選確率が高い状態)になり、この確変状態は次の大当たりに当選するまで継続する。また、非確変図柄の大当たりであったときは、その大当たりの終了後は時短状態(普図の変動時間が短くなり、電チューである始動入賞装置13の開放時間が長くなる状態)になり、特図の図柄変動が100回終了するまで継続する。(100回以内に内部抽選で当選したときは、その時点で終了する。)
実施例1によれば、所定条件の成立に伴って内部抽選を実行し、その抽選結果の表示あるいはその抽選結果に基づく演出表示を行う遊技機用ドラム式表示装置10において、1列に外ドラム40および中ドラム50と内ドラム60とを重ね、外側の外ドラム40および中ドラム50に配置された図柄により1つの図柄列を構成するとともに、内ドラム60にも図柄を配置する。通常は外ドラム40および中ドラム50が回転開始・回転停止するタイミングに合わせて内ドラム60も回転開始・回転停止するため、遊技者から内ドラム60の図柄を認職することはできないが、所定の演出表示が選択されたときは、外ドラム40および中ドラム50の回転開始・回転停止タイミングと内ドラム60の回転開始・回転停止タイミングとをずらすことで、外ドラム40および中ドラム50の図柄は停止しているのにその後ろを内ドラム60の図柄が通過したり、あるいは外ドラム40および中ドラム50の図柄が回転を開始した後に内ドラム60の図柄が回転中の外ドラム40および中ドラム50の図柄列を通して見えたり等、内ドラム60の存在を遊技者に意識させうる演出を行うことができる。
また、実施例1によれば、外側のドラムを外ドラム40および中ドラム50の2重構造にし、外ドラム40および中ドラム50の図柄を並べて変動表示することで1つの図柄列を形成し、通常は外ドラム40および中ドラム50と内ドラム60とを連動して回転開始・回転停止するようにし、所定の演出表示が選択されたときは外ドラム40および中ドラム50と内ドラム60との回転開始・回転停止タイミングをずらすことで予告演出を行い、その後に外ドラム40および中ドラム50との相対位置をずらすことで内ドラム60を遊技者から見えるようにする演出を行うことができる。
さらに、実施例1によれば、通常は外ドラム40および中ドラム50と内ドラム60とは同時に回転を開始するとともに、同時に回転を停止するので、遊技者からは内ドラム60の図柄シート62の図柄を認識することはほとんどできないが、回転を開始するタイミングや停止するタイミングをずらすことで、一方が回転して一方が停止している状況になると、外ドラム40および中ドラム50は回転しているのに内ドラム60は停止している、あるいは外ドラム40および中ドラム50は停止しているのに内ドラム60は回転している、ということを認識することができるようになる。このため、回転時差演出が選択された図柄変動では、外ドラム40および中ドラム50が回転を開始するタイミングと内ドラム60が回転を開始するタイミングとがずれたり、外ドラム40および中ドラム50が回転を停止するタイミングと内ドラム60が回転を停止するタイミングとがずれたりする回転時差演出が選択されると、リーチや大当たりになる可能性が高くなり、遊技者の期待感を高めることができる。
さらにまた、実施例1によれば、回転開始の時差演出が選択され、さらに発展する内ドラム60の演出が選択されている場合は、外ドラム40および中ドラム50と内ドラム60との回転開始タイミングがずれ、その後一緒に暫く回転した後、外ドラム40の透明部分43が表示窓10aから見える位置で外ドラム40が停止し、続けて中ドラム50の透明部分53が表示窓10aから見える位置で中ドラム50も停止し、遊技者は、表示窓10aを通して回転する内ドラム60を見ることができるようになる。ここで大当たりに当選している場合は、内ドラム60が左、右と停止してリーチになり、その後に中が停止してV図柄が並び大当たりとなるという演出を行うことができる。また、回転開始の時差演出が選択されても、発展しないでそのまま外ドラム40の外図柄シート42および中ドラム50の中図柄シート52の図柄によりハズレ目が表示されて終了するという演出も可能である。
ところで、上記実施例1に係る遊技機用ドラム式表示装置10に関しては、以下のような変形例を考えることができる。
実施例1では、3列のドラムユニットを全て3重構造にしたが、1列または2列のドラムユニットを3重構造にするだけでも、遊技者には十分な興趣を与えることができる。
また、実施例1では、3重ドラムを採用したが、外ドラムおよび中ドラムを1ドラムで構成することで、外側ドラムと内側ドラムの回転開始・回転停止のタイミングをずらす演出を行うことは可能である。
例えば、外側ドラムを透明素材で形成して図柄を配置し、内側ドラムには外側ドラムと重ねたときに外側ドラムの図柄の背後に隠れるような図柄を配置しておく。通常は外側ドラムと内側ドラムを同時に回転、停止し、内側ドラムの図柄が遊技者から見えないようにしておくことで、遊技者からドラムが2重構造であることを認識し辛くしておき、所定の演出が抽選されたときだけ回転開始・回転停止タイミングを外側ドラムと内側ドラムとでずらして、内側ドラムの図柄が短時間だけ遊技者から見えるようにすることで、遊技者からドラムが2重構造であることを認識し易くなり、それまでの一体感が崩れたことによる違和感を与えることができるので、遊技者の興趣を十分高めることができる。
また、この場合、内側ドラムに図柄を配置するのではなく、外側ドラムと組み合わせて認識できるような背景色や背景画を配置しておいてもよい。この手法であっても、通常は遊技者にドラムが2重構造であることを認識し辛くするとともに、たまに回転や停止のタイミングをずらしてやることで外側ドラムの図柄と内側ドラムの背景との組み合わせが崩れてドラムが2重構造であることを認識し易くなり、図柄と背景の一体感を崩して遊技者に違和感を与えることができる。
さらに、実施例1では、回転時差演出を行ったあとの発展演出として内ドラム60を遊技者から目視可能にして内ドラム60の図柄シート62の図柄による変動動作を行ったが、一旦停止した後に外側ドラム(外ドラム40+中ドラム50)による再変動動作を行うようにしてもよい。回転時差演出を行った後の演出は、他にも従来技術と組み合わせることで様々な手法を採用できる。
さらにまた、実施例1では、外図柄と内図柄を4つずつにしたが、外図柄シートと内図柄シートの長さを変えてもよい。2つの図柄シートを組み合わせて1つの図柄列が構成でき、内ドラムが見えるだけの透明部分があればよい。
また、実施例1では、3つのドラムユニットにおいて常に同時に回転時差演出を行ったが、一部のドラムユニットだけで回転時差演出を行うようにしてもよい。例えば、全ての外側ドラムと全ての内側ドラムが同時に回転するパターン、全ての外側ドラムと2つの内側ドラムが同時に回転し、1つの内側ドラムが遅れて回転するパターン、2つの内側ドラムが停止してから全ての外側ドラムと1つの内側ドラムが回転するパターンなど、様々な回転時差演出が可能になり、回転を開始、停止するタイミングがずれたドラムユニットの数によって、その抽選結果が大当たりであることの期待度を変えることができ、遊技者の興趣をさらに高めることが可能になる。
以上、本発明の各実施例を説明したが、これらはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
例えば、実施例1および2では、遊技機1をパチンコ遊技機としたが、本発明の遊技機用ドラム式表示装置10は、スロットマシンのドラムとして使用してもよい。