以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
[パチンコ遊技機1の概略構成]
まず、パチンコ遊技機1の概略構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1の一例の概略正面図である。図1に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2と所定の間隔を隔てて遊技盤2の表面側(図1の紙面手前側)に平行に配置された透明なガラス板(図示なし)を支持する部材であり、遊技盤2に対して蝶番(図示なし)を介して開閉可能に構成されると共に、遊技盤2に対して着脱可能に構成されている。
枠部材3に支持されたガラス板と遊技盤2との間には、遊技球が移動する遊技領域20が形成されている。遊技者がハンドル31を握ってレバー32を時計回りに回転させると、ハンドル31の回転角度に応じた打球力で発射装置(図示なし)から遊技球が発射される。遊技盤2には、発射装置から発射された遊技球を遊技領域20へ案内するガイド部材(図示なし)が設けられており、遊技球は、このガイド部材によって遊技領域20の上部位置へ案内される。遊技球は、遊技領域20に配置された遊技クギや風車等(図示なし)に接触することでその移動方向を変化させながら、遊技盤2の表面に沿って落下する。
遊技領域20には、入賞や抽選に関する役物として、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、普通入賞口24、及びゲート25が設けられている。また、遊技領域20における大入賞口23の下方には、後述する第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、及び普通入賞口24のいずれにも入らなかった遊技球を遊技領域20の外へ排出する排出口26が設けられている。
第1始動口21及び第2始動口22は、後述する液晶表示器5の下方に設けられている。第1始動口21及び第2始動口22は、第1始動口21を第2始動口22の上側として所定の間隔を隔てて上下に並んで配置されている。パチンコ遊技機1では、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞することで、大当たり抽選が実行される。なお、以下の説明では、第1始動口21への遊技球の入賞を契機として実行される大当たり抽選を第1特別図柄抽選と呼び、第2始動口22への遊技球の入賞を契機として実行される大当たり抽選を第2特別図柄抽選と呼び、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選を総称して特別図柄抽選と呼ぶものとする。
第1始動口21と第2始動口22との間には、チューリップの花を模した一対の羽根部材を有する電動チューリップ27が配置されている。電動チューリップ27は、一対の羽根部材が閉じた閉姿勢(図1参照)と、一対の羽根部材が開いた開姿勢(図示なし)との間で姿勢変化可能に構成されており、電動ソレノイド(図示なし)が作動することによって姿勢変化する。
電動チューリップ27の一対の羽根部材が閉姿勢の状態では、第1始動口21を構成する部材及び電動チューリップ27によって第2始動口22への遊技球の進入経路が塞がれており、遊技球が第2始動口22へ入ることはない。これに対して、遊技球がゲート25を通過すると、普通図柄抽選(電動チューリップ27の開閉抽選)が実行され、この普通図柄抽選に当選すると、電動チューリップ27の一対の羽根部材が規定時間だけ開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、普通図柄抽選に当選することで、第2始動口22への進入経路が開放されて、遊技球が第2始動口22に入賞可能となる。つまり、第2特別図柄抽選の実行が可能な状態となる。なお、電動チューリップ27の動作に関する規定時間及び規定回数は、パチンコ遊技機1の遊技状態に応じて変更されることがある。
普通入賞口24は、ゲート25の下方に配置されている。普通入賞口24に遊技球が入賞した場合、抽選は実行されないが、第1始動口21や第2始動口22に遊技球が入賞した場合よりも多い賞球が払い出される。
大入賞口23は、第2始動口22の下方に配置されている。大入賞口23は、特別図柄抽選の結果に応じて開放される。大入賞口23の開口部には、大入賞口23を開閉するプレートが設けられている。特別図柄抽選に当選していない状態では、このプレートが遊技盤2の表面と同一平面を形成する姿勢となっているために、大入賞口23に遊技球が入らない。これに対して、特別図柄抽選に当選すると、プレートの下端側を軸としてプレートの上端側が遊技盤2の表面側へ傾倒して、大入賞口23が開放され、遊技球が入賞可能となる。
ここで、賞球の払い出しについて説明する。第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、及び普通入賞口24に遊技球が入って入賞すると、入賞した場所に応じた個数の賞球(遊技球)が払い出される。例えば、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が1個入賞すると4個の賞球が払い出され、大入賞口23に遊技球が1個入賞すると13個の賞球が払い出され、普通入賞口24に遊技球が1個入賞すると10個の賞球が払い出される。なお、遊技球がゲート25を通過しても賞球が払い出されることはない。
遊技盤2の中央部には、演出のための各種の画像を表示する液晶表示器5及びEL表示器6が設けられている。液晶表示器5及びEL表示器6については、本発明の主要な構成であるため後に詳述する。
液晶表示器5と近接する位置には、各種の演出に用いられる盤ランプ8及び可動役物7が設けられている。盤ランプ8は、遊技者による遊技の進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。可動役物7は、遊技盤2に対して可動に構成されており、例えば内蔵された発光素子を発光させながら回動することによって各種の演出を行う。なお、本実施形態では、遊技盤2に対して可動に構成された装飾役物が可動役物7のみである場合について説明するが、更に他の可動役物が設けられていてもよい。
図2は、パチンコ遊技機1の一部を示す概略平面図である。図1及び図2に示すように、枠部材3には、上記ハンドル31及びレバー32の他に、停止ボタン33、取り出しボタン34、スピーカ35、枠ランプ36、演出ボタン37、演出キー38、及び皿39が設けられている。
皿39は、枠部材3からパチンコ遊技機1の正面側へ突出するように設けられており、上述の発射装置へ供給される遊技球を一時的に溜めるものである。この皿39には、上述のように払い出された賞球が排出される。遊技者がハンドル31を握ってレバー32を時計回りに回転させると、皿39に溜められた遊技球が発射装置へ供給されて、遊技領域20へ所定の時間間隔で発射される。この発射は、遊技者が停止ボタン33を押下することによって一時的に停止される。
取り出しボタン34は、皿39と近接する位置に設けられている。遊技者が取り出しボタン34を操作すると、皿39の下面の一部が開口されて、皿39に溜まった遊技球が皿39の下方に配置された箱(図示なし)へ落下する。
スピーカ35は、楽曲や音声、効果音等を出力して音による演出を行う。枠ランプ36は、点灯又は点滅のパターンの変更、発光色の変更、光の照射方向の変更等の光による各種の演出を行う。
演出ボタン37及び演出キー38は、それぞれ、遊技者が演出等に関する操作入力を行うために設けられている。演出ボタン37は、皿39の横に設けられており、演出キー38は、中央キーと中央キーの周辺に配列された複数(ここでは4つ)の周辺キーとを有しており、演出ボタン37に隣接して配置されている。後述するが、遊技者が周辺キーのいずれかを押下することによって、EL表示器6を遊技盤2に対して移動させることができる。つまり、遊技者が演出キー38の周辺キーを操作することによって、EL表示器6の移動する方向(上下左右方向)を指示することができる。また、遊技者が演出キー38の周辺キーを操作することによって、例えば、液晶表示器5に表示された複数の選択肢の中からいずれかを選択指示することができる。このように、演出キー38は、遊技者が操作情報を入力するための入力手段として機能する。
図3は、図1における表示器4の拡大図である。表示器4は、特別図柄抽選や普通図柄抽選の結果や保留数に関する情報を表示する。図3に示すように、表示器4は、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、第1特別図柄保留表示器43、第2特別図柄保留表示器44、普通図柄表示器45、普通図柄保留表示器46、及び遊技状態表示器47を備えている。
第1特別図柄表示器41は、第1始動口21への遊技球の入賞を契機として特別図柄を変動表示してから第1特別図柄抽選の結果を示す特別図柄を停止表示する。第1特別図柄保留表示器43は、第1特別図柄抽選の保留数を表示する。第2特別図柄表示器42は、第2始動口22への遊技球の入賞を契機として特別図柄を変動表示してから第2特別図柄抽選の結果を示す特別図柄を停止表示する。第2特別図柄保留表示器44は、第2特別図柄抽選の保留数を表示する。普通図柄表示器45は、遊技球がゲート25を通過したことを契機として普通図柄を変動表示してから普通図柄抽選の結果を示す普通図柄を停止表示する。普通図柄保留表示器46は、普通図柄抽選の保留数を表示する。遊技状態表示器47は、パチンコ遊技機1の電源投入時点における遊技状態(通常遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態等)を表示する。
以上ではパチンコ遊技機1の概略構成について説明したが、上述したパチンコ遊技機1の構成は単なる一例であって、遊技盤2の盤面構成(入賞や抽選に関する役物の配置)等は、適宜変更されてもよい。例えば本発明がいわゆる右打ちが必要なパチンコ遊技機に適用される場合には、大入賞口23やゲート25等を液晶表示器5に対して右側の遊技領域20に配置するといった変更が行われる。
[パチンコ遊技機1が行う特徴的な表示]
ところで、液晶表示器5は遊技者が視認し易い位置に固定されているので、長時間遊技を続けた場合に遊技者の視点が固定され易く、遊技が単調になるおそれがある。そこで、本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、自動的に或いは遊技者による演出キー38の操作に基づいてEL表示器6を移動させ、液晶表示器5の液晶画面50(図1参照)に表示されたオブジェクト(典型的にはアイコン)がEL表示器6のEL画面60を通して視認可能となったときに、遊技に関連する演出や情報を示す画像をEL画面60に表示する。このことによって、パチンコ遊技機1は、遊技者の視点が固定されにくい効果的な演出及び情報の提供を行うことができる。
例えば図4(A)に示すように、液晶画面50に表示された所定のアイコン80(以下、情報アイコン80という)をEL画面60を通して遊技者が視認可能な位置にEL表示器6が移動したときに、パチンコ遊技機1の現在の遊技状態を通知する表示がEL画面60になされる。図4(A)では、時短遊技状態であることが、「時短中です」という表示によって通知されている。なお、時短遊技状態とは、特別図柄抽選の実行間隔等が短縮される遊技状態である。このことによって、遊技に不慣れな遊技者であっても、液晶画面50だけでは表現できない特別な態様で、現在の遊技状態を明確に把握できる。
また、例えば図4(B)に示すように、液晶画面50に表示された情報アイコン80をEL画面60を通して遊技者が視認可能な位置にEL表示器6が移動したときに、パチンコ遊技機1の現在の遊技状態が潜伏遊技状態であることを期待させる、「潜伏状態かも??」という表示がなされる。なお、潜伏遊技状態とは、特別図柄抽選の当選確率が上昇しているがそのことを遊技者に明確には通知しない遊技状態である。このことによって、液晶画面50だけでは表現できない特別な態様で、現在の遊技状態に関する情報を、演出として遊技者に提供できる。
また、例えば図4(C)に示すように、大当たり遊技中において、液晶画面50に表示された情報アイコン80をEL画面60を通して遊技者が視認可能な位置にEL表示器6が移動したときに、通常当たりから確変当たりに昇格した旨の演出表示「確変昇格!!」がEL画面60になされる。なお、通常当たりとは、大当たり遊技終了後に特別図柄抽選の当選確率が上昇しない(例えば2/601のまま)大当たりであり、確変当たりとは、大当たり遊技終了後に特別図柄抽選の当選確率が上昇する(例えば20/601に上昇する)大当たりである。また、例えば図4(D)に示すように、大当たり遊技中において、液晶画面50に表示された情報アイコン80をEL画面60を通して遊技者が視認可能な位置にEL表示器6が移動したときに、通常当たりから確変当たりに昇格することを期待させる演出表示「確変昇格かも??」がEL画面60になされる。このことによって、液晶画面50だけでは表現できない特別な態様で、通常当たりから確変当たりに昇格した旨の通知や昇格を期待させる演出を遊技者に提供できる。ここで、昇格とは、大当たりが、遊技者にとってより利益のある大当たりに演出上変化すること、又は変化する演出をいう。
また、例えば図4(E)に示すように、大当たり遊技中において、液晶画面50に表示された情報アイコン80をEL画面60を通して遊技者が視認可能な位置にEL表示器6が移動したときに、2R当たりから15R当たりに昇格した旨の演出表示「ラウンド継続!!」がEL画面60になされる。なお、2R当たりとは、大入賞口23が開放する期間であるラウンドが2個含まれる大当たりであり、15R当たりとは、このラウンドが15個含まれる大当たりである。また、例えば図4(F)に示すように、大当たり遊技中において、液晶画面50に表示された情報アイコン80をEL画面60を通して遊技者が視認可能な位置にEL表示器6が移動したときに、2R当たりから15R当たりに昇格することを期待させる演出表示「ラウンド継続かも??」がEL画面60になされる。このことによって、液晶画面50だけでは表現できない特別な態様で、2R当たりから15R当たりに昇格した旨やそれを期待させる演出を遊技者に提供できる。
以下では、このような効果的な表示演出を実現させるためのパチンコ遊技機1の構成及び動作について説明する。
[液晶表示器5の構成]
液晶表示器5は、遊技盤2を支持するパチンコ遊技機1の筐体に固定されている。このため、液晶表示器5は、遊技盤2に対して固定されている。液晶表示器5としては、例えば垂直方向11の画素数が「600」で、水平方向12の画素数が「800」という画面解像度(垂直画素数×水平画素数)の液晶画面50を有する液晶ディスプレイが使用される。液晶表示器5は、後述する画像音響制御部140(図11参照)から出力される画像を液晶画面50に表示する。液晶画面50には、例えば、特別図柄抽選の結果を報知するための装飾図柄、予告演出を行うキャラクタやアイテム、特別図柄抽選が保留されていることを示す保留表示画像、情報アイコン80等のオブジェクトが表示される。
図5は、液晶画面50の概略構成を示す図である。図5に示すように、液晶画面50は、多数の画素ユニット51を有している。画素ユニット51は、垂直方向11に600個、水平方向12に800個並んで配置されているが、説明の便宜上、図5(A)では、実際よりも少なく画素ユニット51が表記されている。
画素ユニット51は、カラー液晶素子52及び光センサ56を有している。カラー液晶素子52は、光の3原色のそれぞれの色を表示するR(Red)色液晶素子53、G(Green)色液晶素子54、及びB(Blue)色液晶素子55から構成されている。光センサ56は、液晶画面50の前方から入射する光を検知する受光素子であり、R色液晶素子53、G色液晶素子54、及びB色液晶素子55と隣接して配置されている(図5(B)参照)。このように、光センサ56は、各カラー液晶素子52のそれぞれに近接配置されている。
光センサ56が光を受光すると、受光した光の輝度に応じた電気信号が生成される。液晶画面50が有する各光センサ56は、後述する演出制御部130(図11参照)に接続されており、各光センサ56で生成された電気信号は演出制御部130に出力される。演出制御部130は、各光センサ56から出力される電気信号に基づいて、EL表示器6のEL画面60の位置を検出する。具体的には、後述するEL表示器6のフレーム61(図7参照)は、液晶表示器5の液晶画面50と対向する面が黒色であり、このことによって、液晶画面50において、フレーム61によって覆われた領域に位置する光センサ56からは、フレーム61によって覆われていない領域に位置する光センサ56から出力される電気信号とは異なるレベルの電気信号が出力される。図6には、液晶表示器5の液晶画面50に対してEL表示器6のEL画面60が左下方に位置したときにフレーム61によって覆われた領域16(ハッチングされた領域)が示されている。演出制御部130は、各光センサ56から出力される電気信号のレベルの違いに基づいてフレーム61の位置を検出ことによって、EL画面60の位置を検出できる。
図5(B)に示すように、画素ユニット51には、画素ユニット51と隣接する他の画素ユニットとを区画する外壁57、及び画素ユニット51を構成するカラー液晶素子52と光センサ56とを区画する内壁58が設けられている。外壁57は、カラー液晶素子52及び光センサ56の外側を囲み、且つ画素ユニット51の基部から液晶画面50の前方へ向けて突出するように形成されている。内壁58は、カラー液晶素子52と光センサ56との間に画素ユニット51の基部から液晶画面50の前方へ向けて突出するように形成されている。この外壁57及び内壁58が設けられていることによって、光センサ56に対して近接するカラー液晶素子52から光が直接入射することが防止される。このことによって、液晶画面50の前方から入射する光は各光センサ56で正確に検知されて、EL表示器6の位置が精度良く検出される。
[EL表示器6の構成]
EL表示器6は、液晶表示器5の前面側に液晶画面50と所定の間隔を隔てて配置されており、後述する駆動機構10を介して伝達される第1ステッピングモータ29及び第2ステッピングモータ30の駆動力を受けて液晶画面50の表面に沿って上下左右に移動可能である。本実施形態におけるEL表示器6は、透明なEL画面60に画像を単色表示する透明ELディスプレイである。EL画面60は、樹脂製のフレーム61に形成された開口部に嵌め込まれることによってフレーム61に固定されている。EL画面60としては、例えば垂直方向11の画素数が「240」で、水平方向12の画素数が「320」という画面解像度を有するものが使用される。したがって、液晶表示器5及びEL表示器6は、EL画面60よりも液晶画面50の方が画面解像度が大きくなるように構成されている。
EL表示器6として透過型のELディスプレイが使用されるので、EL画面60に画像が表示された状態であっても、遊技者はEL表示器6の裏面側に位置するオブジェクト(液晶画面50に表示されたアイコンやキャラクタといったオブジェクト、可動役物7等)をEL画面60を通して視認できる。なお、EL表示器6のフレーム61の裏面(液晶画面50と対向する面)は、上述のように、黒色である。
[駆動機構10の構成及び動作]
次に、図7〜図10を用いて、EL表示器6を移動させる駆動機構10について説明する。図7は、駆動機構10の構成を示す斜視図であり、液晶画面50に表示されたオブジェクトをEL画面60を通して視認可能な位置にEL表示器6が移動した状態を示している。図8は、駆動機構10の構成を示す斜視図であり、可動役物7の一部をEL画面60を通して視認可能な位置にEL表示器6が移動した状態を示している。図9は、駆動機構10の分解斜視図である。図10は、EL表示器6の拡大斜視図である。
駆動機構10は、EL表示器6を液晶表示器5の液晶画面50に沿って上下左右に移動させるものである。本実施形態において、駆動機構10は、第1ステッピングモータ29(図11参照)の駆動力をEL表示器6に伝達して、EL表示器6を液晶画面50に沿って垂直方向11(図1参照)に移動させる昇降駆動機構200と、第2ステッピングモータ30(図11参照)の駆動力をEL表示器6に伝達して、EL表示器6を液晶画面50に沿って水平方向12(図1参照)に移動させるスライド駆動機構220とから構成されている。
昇降駆動機構200は、大別して、第1支持部材201、ガイド部材202、ガイド部材203、第1回転軸204、第2回転軸205、第1駆動ベルト206、及び第2駆動ベルト207を備えている。
第1支持部材201は、水平方向12を長手方向とする薄い板状部材である。この第1支持部材201は、図1に示すように、液晶表示器5の液晶画面50の手前に配置されるため、液晶画面50に表示された画像の視認性の低下を最低限に抑えるために、透明な樹脂で形成されている。EL表示器6のフレーム61には、水平方向12に貫通する挿通孔62(図9及び図10参照)が形成されており、第1支持部材201は、挿通孔62に挿通されることによってフレーム61を水平方向12へ移動可能に支持する。
図10に示すように、第1支持部材201は、その一端側に連結部材194が固定されると共に、その他端側に連結部材197が固定されている。連結部材194は、ガイド部材202(図9参照)が挿通される円筒状の挿通孔195と、第1駆動ベルト206(図9参照)を挟持する挟持片196とを有している。ガイド部材202は、断面外形が円形の棒状部材であり、その長手方向が垂直方向11と一致するようにパチンコ遊技機1の筐体に固定されている。ガイド部材202の外径寸法は、挿通孔195の内径寸法よりも若干小さく設定されており、連結部材194は、挿通孔195にガイド部材202が挿通されることによって、垂直方向11へ移動可能にガイド部材202によって支持される。
連結部材197は、連結部材194と同形状の部材であって、ガイド部材203(図9参照)が挿通される挿通孔198と、第2駆動ベルト207(図9参照)を挟持する挟持片199とを有している。ガイド部材203は、ガイド部材202と同形状の部材であって、ガイド部材202と所定の間隔を隔てて対向するようにパチンコ遊技機1の筐体に固定されている。連結部材197は、挿通孔198にガイド部材203が挿通されることによって、垂直方向11へ移動可能にガイド部材203によって支持される。
このように連結部材194及び連結部材197がガイド部材202及びガイド部材203に支持されているので、第1支持部材201は、垂直方向11へスライド可能である。
ガイド部材202,203の上側に第1回転軸204が設けられると共に、ガイド部材202,203の下側に第2回転軸205が設けられている(図7及び図8参照)。第1回転軸204及び第2回転軸205は、それぞれ軸方向が水平方向12と一致するように、軸受け(図示なし)に回転可能に支持されている。図9に示すように、第1回転軸204は、その一端側にギヤ212及びプーリ208が固定されると共に、その他端にプーリ209が固定されている。第2回転軸205は、その一端にプーリ210が固定されると共に、その他端にプーリ211が固定されている。
プーリ208とプーリ210との間には、内側に歯(ギヤ形状)が形成された無端環状の第1駆動ベルト206が張り渡されている。プーリ209とプーリ211との間には、第1駆動ベルト206と同じ構成の第2駆動ベルト207が張り渡されている。
第1回転軸204のギヤ212(図7参照)には、第1ステッピングモータ29(図11参照)の駆動力が入力される。これにより、ギヤ212が固定された第1回転軸204が回転する。プーリ208〜211の外周には、第1駆動ベルト206及び第2駆動ベルト207の歯(ギヤ形状)と噛合する歯(ギヤ形状)が形成されており、第1回転軸204の回転力がプーリ208,209を介して第1駆動ベルト206及び第2駆動ベルト207に伝達される。その結果、第1駆動ベルト206及び第2駆動ベルト207が同期して周運動すると共に、第1回転軸204及び第2回転軸205が同期回転する。この第1駆動ベルト206及び第2駆動ベルト207には、第1支持部材201の両端に固定された連結部材194,197が挟持片196,199によって固定されているので、第1ステッピングモータ29の駆動力が第1支持部材201にも伝達されて、第1支持部材201に支持されたEL表示器6が垂直方向11へ移動する。なお、第1ステッピングモータ29の回転方向を正回転又は逆回転に切り換えることで、垂直方向11におけるEL表示器6の移動方向を切り換えることができる。
一方、スライド駆動機構220は、大別して、第2支持部材221、ガイド部材222、ガイド部材223、第1回転軸224、第2回転軸225、第1駆動ベルト226、及び第2駆動ベルト227を備えている。
第2支持部材221は、垂直方向11を長手方向とする薄い板状部材である。この第2支持部材221は、第1支持部材201と同様に、透明な樹脂で形成されている。EL表示器6のフレーム61には、垂直方向11に貫通する挿通孔63(図9及び図10参照)が形成されており、第2支持部材221は、挿通孔63に挿通されることによってフレーム61を垂直方向11へ移動可能に支持する。
図10に示すように、第2支持部材221は、その一端側に連結部材214が固定されると共に、その他端側に連結部材217が固定されている。連結部材214は、ガイド部材222(図9参照)が挿通される円筒状の挿通孔215と、第2駆動ベルト227(図9参照)を挟持する挟持片216とを有している。ガイド部材222は、断面外形が円形の棒状部材であり、その長手方向が水平方向12と一致するように、パチンコ遊技機1の筐体に固定されている。ガイド部材222の外径寸法は、挿通孔215の内径寸法よりも若干小さく設定されており、連結部材214は、挿通孔215にガイド部材222が挿通されることによって、水平方向12へ移動可能にガイド部材222によって支持される。
連結部材217は、連結部材214と同形状の部材であって、ガイド部材223(図9参照)が挿通される挿通孔218と、第1駆動ベルト226(図9参照)を挟持する挟持片219とを有している。ガイド部材223は、ガイド部材222と同形状の部材であって、ガイド部材222と所定の間隔を隔てて対向するようにパチンコ遊技機1の筐体に固定されている。連結部材217は、挿通孔218にガイド部材223が挿通されることによって、水平方向12へ移動可能にガイド部材223によって支持される。
このように連結部材214及び連結部材217がガイド部材222及びガイド部材223に支持されているので、第2支持部材221は、水平方向12へスライド可能である。
水平方向12におけるガイド部材222,223の外側に、第1回転軸224及び第2回転軸225が設けられている(図7及び図8参照)。第1回転軸224及び第2回転軸225は、それぞれ軸方向が垂直方向11と一致するように、軸受け(図示なし)に回転可能に支持されている。図9に示すように、第1回転軸224は、その一端側にギヤ232及びプーリ228が固定されると共に、その他端にプーリ229が固定されている。第2回転軸225は、その一端にプーリ230が固定されると共に、その他端にプーリ231が固定されている。
プーリ228とプーリ230との間には、内側に歯(ギヤ形状)が形成された無端環状の第1駆動ベルト226が張り渡されている。プーリ229とプーリ231との間には、第1駆動ベルト226と同じ構成の第2駆動ベルト227が張り渡されている。
第1回転軸224のギヤ232(図7参照)には、第2ステッピングモータ30(図11参照)の駆動力が入力される。これにより、ギヤ232が固定された第1回転軸224が回転する。プーリ228〜231の外周には、第1駆動ベルト226及び第2駆動ベルト227の歯(ギヤ形状)と噛合する歯(ギヤ形状)が形成されており、第1回転軸224の回転力がプーリ228,229を介して第1駆動ベルト226及び第2駆動ベルト227に伝達される。その結果、第1駆動ベルト226及び第2駆動ベルト227が同期して周運動すると共に、第1回転軸224及び第2回転軸225が同期回転する。この第1駆動ベルト226及び第2駆動ベルト227には、第2支持部材221の両端に固定された連結部材214,217が挟持片216,219によって固定されているので、第2ステッピングモータ30の駆動力が第2支持部材221にも伝達されて、第2支持部材221に支持されたEL表示器6が水平方向12へ移動する。なお、第2ステッピングモータ30の回転方向を正回転又は逆回転に切り換えることで、水平方向12におけるEL表示器6の移動方向を切り換えることができる。
このように、EL表示器6は、昇降駆動機構200によって垂直方向11へ移動し、スライド駆動機構220によって水平方向12へ移動する。なお、本実施形態では、演出キー38から入力される操作情報に応じてEL表示器6が移動するので、遊技者は、所望の位置へEL表示器6を移動させることができる。なお、第1支持部材201及び第2支持部材221を除く駆動機構10の各構成部材は、液晶表示器5等が設けられた領域と遊技領域20とを区画する化粧カバー14(図1参照)によって覆われているために、図1には現れていない。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
遊技盤2の裏面側(図1の紙面奥側)には、賞球として払い出される遊技球を溜めておく球タンク(図示なし)の他に、パチンコ遊技機1の動作を制御する制御装置(図示なし)が設けられている。この制御装置は、メイン基板及びサブ基板を有している。メイン基板は、内部抽選や当選の判定等を行う遊技制御部100(図11参照)として機能するメイン制御基板、賞球の払い出しを制御する払出制御部120として機能する払出制御基板等から構成されている。このメイン基板は、メイン基板が改変された場合にその痕跡が残るように、透明部材で構成されたケース内に密閉状態で配置されている。一方のサブ基板は、演出を統括的に制御する演出制御部130として機能する演出制御基板、画像や音による演出を制御する画像音響制御部140として機能する画像音響制御基板、及び各種のランプ(枠ランプ36や盤ランプ8)や可動役物7による演出を制御するランプ制御部150として機能するランプ制御基板等から構成されている。
以下、図11を参照して、パチンコ遊技機1の制御装置の構成について説明する。図11は、パチンコ遊技機1の制御装置の構成の一例を示すブロック図である。図11に示すように、パチンコ遊技機1の制御装置は、遊技制御部100、払出制御部120、演出制御部130、画像音響制御部140、及びランプ制御部150を備えている。
[遊技制御部100の構成及び主な機能]
遊技制御部100は、CPU101、ROM102、及びRAM103を備えている。CPU101は、ROM102に記憶されたプログラムに基づいて、内部抽選や当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。ROM102には、上記プログラムの他に、第1特別図柄抽選の最大保留数Umax1、第2特別図柄抽選の最大保留数Umax2等が記憶されている。RAM103は、CPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
遊技制御部100は、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を実行し、この特別図柄抽選で当選したか否か、及び当選した場合当選した当たりの種類等を示す判定結果データを演出制御部130へ送信する。また、遊技制御部100は、特別図柄抽選に応じて決定した当選確率の変動設定(例えば2/601から20/601への変動設定)を示すデータ、特別図柄変動時間の短縮設定を示すデータ、普通図柄抽選に応じて決定した普通図柄変動時間の短縮設定を示すデータ等のパチンコ遊技機の遊技状態を示す情報(遊技状態情報)を演出制御部130へ送信する。
遊技制御部100は、電動チューリップ27の羽根部材が開姿勢となる開時間、羽根部材が開閉する回数、及び羽根部材が閉じてから次に開くまでの時間間隔を制御する。また、遊技制御部100は、遊技球が第1始動口21又は第2始動口22へ入賞したことによる特別図柄抽選の保留数、及び遊技球がゲート25を通過したことによる普通図柄抽選の保留数を管理する。
遊技制御部100は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口23の開閉動作を制御する。例えば、所定条件(例えば、大入賞口23が開いてから30秒が経過、又は大入賞口23への10個の遊技球の入賞)を満たすまで、大入賞口23のプレートが突出傾倒して大入賞口23の開状態を維持するラウンドを所定回数(例えば2回又は15回)繰り返す。
遊技制御部100は、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、及び普通入賞口24に遊技球が入賞すると、入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御部120に指示する。払出制御部120が遊技制御部100の指示に応じて賞球の払い出しを行った場合、払い出された賞球の個数に関する情報が払出制御部120から遊技制御部100へ送られる。遊技制御部100は、払出制御部120から取得したこの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。
これらの機能を実現するために、遊技制御部100には、第1始動口スイッチ(SW)111、第2始動口スイッチ(SW)112、電動チューリップ開閉部113、ゲートスイッチ(SW)114、大入賞口スイッチ(SW)115、大入賞口開閉部116、及び普通入賞口スイッチ(SW)117が接続されている。
第1始動口スイッチ111は、第1始動口21に遊技球が入賞したことを検出し、その検出信号を遊技制御部100へ送る。第2始動口スイッチ112は、第2始動口22に遊技球が入賞したことを検出し、その検出信号を遊技制御部100へ送る。電動チューリップ開閉部113は、例えば電動ソレノイドから成り、遊技制御部100からの制御信号に応じて、電動チューリップ27の一対の羽根部材を姿勢変化させる。ゲートスイッチ114は、ゲート25を遊技球が通過したことを検出し、その検出信号を遊技制御部100へ送る。大入賞口スイッチ115は、大入賞口23に遊技球が入賞したことを検出し、その検出信号を遊技制御部100へ送る。大入賞口開閉部116は、例えば電動ソレノイドから成り、遊技制御部100からの制御信号に応じて、大入賞口23を開閉させる。普通入賞口スイッチ117は、普通入賞口24に遊技球が入賞したことを検出し、その検出信号を遊技制御部100へ送る。
また、遊技制御部100には、表示器4(図3参照)が接続されている。遊技制御部100は、第1特別図柄抽選の結果を第1特別図柄表示器41に表示させ、第1特別図柄抽選実行の保留数を第1特別図柄保留表示器43に表示させる。遊技制御部100は、第2特別図柄抽選の結果を第2特別図柄表示器42に表示させ、第2特別図柄抽選実行の保留数を第2特別図柄保留表示器44に表示させる。遊技制御部100は、普通図柄抽選の結果を普通図柄表示器45に表示させ、普通図柄抽選実行の保留数を普通図柄保留表示器46に表示させる。遊技制御部100は、パチンコ遊技機1の電源投入時に、遊技状態表示器47にパチンコ遊技機1の遊技状態を表示させる。
[払出制御部120の構成及び主な機能]
払出制御部120は、CPU121、ROM122、及びRAM123を備えている。CPU121は、ROM122に記憶されたプログラムに基づいて、賞球の払い出しを制御する際の演算処理を行う。RAM123は、CPU121が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
払出制御部120は、遊技制御部100からの指示に基づいて、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球が皿39へ払い出されるように払出モータ125を制御する。ここで、払出モータ125は、遊技盤2の裏面側に配置された球タンクから遊技球を送り出すモータである。
払出制御部120には、払出モータ125の他に、払出球検出部126、球有り検出部127、及び満タン検出部128が接続されている。払出球検出部126は、払出モータ125により球タンクから皿39へ払い出された賞球の数を検出する。球有り検出部127は、球タンクにおける遊技球の有無を検出する。満タン検出部128は、皿39が遊技球で満タンになったことを検出する。払出制御部120は、払出球検出部126、球有り検出部127、及び満タン検出部128の検出結果に応じて所定の処理を実行する。
[演出制御部130の構成及び主な機能]
演出制御部130は、CPU131、ROM132、RAM133、及びRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。CPU131は、ROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時(時刻)を計測する。
演出制御部130は、遊技制御部100から送られる特別図柄抽選の結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン37又は演出キー38からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。更に、演出制御部130は、特別図柄抽選の当選確率の変動設定を示すデータ、特別図柄抽選の変動時間の短縮設定を示すデータ等の遊技状態情報を遊技制御部100から受信した場合には、これらの遊技状態情報に応じて演出内容を設定する。演出制御部130は、このようにして設定した演出内容の演出実行を指示するコマンドを画像音響制御部140及びランプ制御部150へ送信する。
演出制御部130には、液晶表示器5が備える光センサ56が接続されている。演出制御部130のCPU131は、各光センサ56から入力される電気信号に基づいて、EL表示器6のEL画面60の位置を検出する。
[ランプ制御部150の構成及び主な機能]
ランプ制御部150は、CPU151、ROM152、及びRAM153を備えている。CPU151は、盤ランプ8や枠ランプ36の発光、及び可動役物7の動作を制御する際の演算処理を行う。ROM152には、CPU151によって実行されるプログラムや各種データ等が記憶されている。RAM153は、CPU151が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
ランプ制御部150のCPU151は、ROM152に記憶されている発光パターンデータの中から、演出制御部130から送信されたコマンドに対応する発光パターンデータを読み出して、盤ランプ8、枠ランプ36、及び可動役物7の発光を制御する。また、CPU151は、演出制御部130から送信されたコマンドにEL表示器6の移動が可能な状態になったことを示す情報が含まれている場合に、遊技者に対して演出キー38の操作を促すために、演出キー38に内蔵されているボタンランプ40の発光を制御する。また、CPU151は、ROM152に記憶されている動作パターンデータの中から、演出制御部130から送信されたコマンドに対応する動作パターンデータを読み出して、可動役物7を動作させるモータ(図示なし)の回転を制御する。
ランプ制御部150は、演出制御部130から送信されたコマンドに演出キー38の操作情報が含まれていた場合、その操作情報に基づいて、第1ステッピングモータ29及び第2ステッピングモータ30の回転を制御する。第1ステッピングモータ29は、その回転軸が昇降駆動機構200のギヤ212(図7参照)と噛合するように配置されており、第1ステッピングモータ29の駆動力がギヤ212に入力されることによって、EL表示器6が垂直方向11へ移動する。一方、第2ステッピングモータ30は、その回転軸がスライド駆動機構220のギヤ232(図7参照)と噛合するように配置されており、第2ステッピングモータ30の駆動力がギヤ232に入力されることによって、EL表示器6が水平方向12へ移動する。
[画像音響制御部140の構成及び主な機能]
図12は、画像音響制御部140の構成を例示するブロック図である。画像音響制御部140は、図12に示すように、各種演出の実行を指示するための制御信号を生成するCPU141と、CPU141によって生成された制御信号に応じた演出を表現する画像を生成するVDP(Video Display Processor)142と、CPU141によって生成された制御信号に応じた演出を実現するための音響データを生成する音響DSP(Digital Signal Processor)143とを備えている。
CPU141には、制御用ROM144、及びRAM145が接続されている。制御用ROM144には、CPU141によって実行されるプログラムや各種データ等が記憶されている。RAM145は、CPU141が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。CPU141は、演出制御部130から受信したコマンドに基づいて、VDP142及び音響DSP143の動作を制御するための制御信号を生成して、その制御信号をVDP142及び音響DSP143に出力する。
音響DSP143には、音響用ROM146、及びSDRAM147が接続されている。音響用ROM146には、スピーカ35から出力させる楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データが記憶されている。SDRAM147は、音響DSP143によるデータ処理等の作業領域として使用される。
音響DSP143は、CPU141によって生成された制御信号に対応する音響データを音響用ROM146からSDRAM147に読み出し、その音響データに対して必要なデータ処理を行う。そして、液晶画面50やEL画面60による画像表示と同期させて、又は画像表示とは非同期に、データ処理後の音響データを増幅器(図示なし)を介してスピーカ35に出力する。
VDP142は、CPU141から入力された制御信号に基づいて画像を描画して、液晶表示器5及びEL表示器6に出力する表示制御手段として機能する。VDP142は、CPU I/F1421、デコーダ1422、ROM I/F1423、描画エンジン1424、VRAM_RS1425、VRAM_FB1426、及び出力回路1427を備えている。本実施形態では、描画エンジン1424が本発明の描画手段として機能し、出力回路1427が本発明の出力手段として機能する。
VDP142には、内部バス1428及び内部バス1429が設けられている。CPU I/F1421、デコーダ1422、ROM I/F1423、描画エンジン1424、及びVRAM_RS1425は、内部バス1428を介して通信可能に接続されている。また、描画エンジン1424、VRAM_FB1426、及び出力回路1427は、内部バス1429を介して通信可能に接続されている。
CPU I/F1421は、VDP142とCPU141とを通信可能に接続するインターフェースである。CPU141によって生成された制御信号は、CPU I/F1421を介してVDP142に入力される。ROM I/F1423は、画像用ROM148から画像データを読み出すためのインターフェースである。
画像用ROM148には、液晶表示器5及びEL表示器6に表示される演出画像を構成する素材となる素材データが記憶されている。具体的には、3つの数字からなる装飾図柄や大当たり期待度の大きさに応じた演出を行うためのキャラクタ等に関する画像データ、アイコンに関する画像データ、液晶表示器5に背景画面として表示される背景画像に関する画像データ、「激アツ」、「確変昇格!!」等の文字に関する画像データといった素材データが記憶されている。なお、これらの素材データによって、いわゆるスプライト機能が実現される。
VRAM_RS1425は、画像用ROM148から読み出された素材データを一時的に記憶する記憶領域又は描画エンジン1424が実行する描画処理などの作業領域として使用されるメモリである。なお、例えばMPEG2(Moving Picture Experts Group phase 2)方式で符号化された画像データが画像用ROM148から読み出される場合には、デコーダ1422によって復号された画像データが素材データとしてVRAM_RS1425に格納される。VRAM_RS1425に格納された素材データは、描画エンジン1424が行う描画処理に使用される。このため、描画処理で頻繁に使用される素材データをVRAM_RS1425にバッファリングしておくことによって、描画エンジン1424による描画処理を効率良く実行することができる。
描画エンジン1424は、CPU141からの制御信号に基づいて、液晶表示器5の液晶画面50及びEL表示器6のEL画面60に表示すべき画像をVRAM_FB1426に描画する。具体的には、CPU141からの制御信号、及びVRAM_RS1425に格納された素材データに基づいて、各ピクセルの色を計算し、計算した色の値をVRAM_FB1426に書き込むレンダリング処理を行う。VRAM_FB1426に描画された画像は、1フレーム分の画像に対応する複数の画素データから構成されており、各画素データは、R(Red)、G(Green)、B(Blue)を示す色情報と、画素の透過度を示すアルファ値とを含んでいる。出力回路1427は、VRAM_FB1426に描画された画像を所定の表示タイミングで液晶表示器5及びEL表示器6に出力して、液晶画面50及びEL画面60に画像を表示させる。なお、液晶表示器5のみを使用する場合には、描画エンジン1424は、液晶画面50に表示するための画像のみをVRAM_FB1426に描画して、出力回路1427がその画像を液晶表示器5に出力する。
図13は、VRAM_FB1426の構成について説明するための図である。図13に示すように、VRAM_FB1426は、描画エンジン1424によって描画される1フレーム分の画像をそれぞれ記憶する第1フレームバッファ1426A及び第2フレームバッファ1426Bを備えるダブルバッファ方式のメモリである。描画エンジン1424は、第1フレームバッファ1426A内の画像を液晶表示器5及びEL表示器6に出力している間には、次のフレームの画像を第2フレームバッファ1426Bに描画する。一方、第2フレームバッファ1426B内の画像を液晶表示器5及びEL表示器6に出力している間には、次のフレームの画像を第1フレームバッファ1426Aに描画する。このように、描画エンジン1424は、一方のフレームバッファから画像を出力している間に他方のフレームバッファに描画処理を行うことで、高いフレームレートで描画処理を行うことができる。
ここで、第1フレームバッファ1426A及び第2フレームバッファ1426Bは、本実施形態においては、いずれも垂直方向11に720ドット、水平方向12に960ドットの画素データを格納可能なメモリ領域を有している(図16(A)参照)。これに対して、液晶表示器5の液晶画面50に表示される画像(以下、メイン画像という)は、垂直方向11に600ドット、水平方向12に800ドットの画素データから構成されている(図16(A)参照)。このため、EL表示器6のEL画面60には画像を表示せずに液晶表示器5の液晶画面50にのみ画像を表示する場合には、何ら問題なく描画処理を行うことができる。しかしながら、EL表示器6のEL画面60に表示される画像(以下、サブ画像という)が垂直方向11に240ドット、水平方向12に320ドットの画素データから構成されており(図16(C)参照)、メイン画像及びサブ画像を並べて描画した場合に垂直方向11又は水平方向12の画素数が第1フレームバッファ1426Aに格納可能な画素データの画素数を超える。このため、そのままでは、第1フレームバッファ1426Aにメイン画像及びサブ画像を一緒に描画することは不可能である。これは、第2フレームバッファ1426Bについても同様である。そこで、本実施形態に係るVDP142は、第1フレームバッファ1426Aにメイン画像を描画した後にできる空き領域(図16(B)参照)にサブ画像を複数の領域に分割した状態で描画することによって、第1フレームバッファ1426A(又は第2フレームバッファ1426B)にメイン画像及びサブ画像を一緒に描画することを可能にしている。以下、このような描画処理を実現するためのパチンコ遊技機1の動作について詳細に説明する。なお、以下の説明では、第1フレームバッファ1426Aを使用して描画処理が行われる場合を例に説明するが、第2フレームバッファ1426Bを使用して描画処理を行う場合にも同様の処理が行われる。
[分割画像サイズ及び分割数の設定]
第1フレームバッファ1426A及び第2フレームバッファ1426Bには、メイン画像が描画された場合に、描画処理に使用されていない空き領域が生じる(図15(D)参照)。サブ画像は、この空き領域に描画されるが、この空き領域にそのまま描画できない場合には複数の領域に分割された分割画像としてこの空き領域に描画される。サブ画像を分割画像として描画する処理は、予め設定された分割画像サイズSS及び分割数SNに基づいて行われる。
以下、図14〜図16を参照して、分割画像サイズSS及び分割数SNを設定する処理について説明する。ここで、図14は、画像音響制御部140のCPU141によって実行される設定処理の一例を示すフローチャートである。図15は、メイン画像サイズ、サブ画像サイズ、フレームバッファサイズ、及び空き領域のサイズについて説明するための図である。図16は、画像音響制御部140のCPU141によって実行される設定処理について説明するための図である。なお、図14以降のフローチャートに基づいて説明する画像音響制御部140で行われる処理は、制御用ROM144に記憶されているプログラムに基づいてCPU141自身又はCPU141が発行する命令に従って行われる。
例えばパチンコ遊技機1の電源が投入されたときや、液晶表示器5を用いた1画面表示から液晶表示器5及びEL表示器6を用いた2画面表示に切り替えられるとき等に、分割画像サイズSS及び分割数SNの設定処理を指示する設定指示コマンドが演出制御部130から画像音響制御部140へ送信される。これに対して、図14のステップS1において、画像音響制御部140のCPU141は、設定指示コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS1での判定がYESの場合、処理はステップS2に移る。一方、ステップS1での判定がNOの場合、ステップS1の処理が繰返されて待機状態となる。
ステップS2において、CPU141は、メイン画像サイズ、サブ画像サイズ、及びフレームバッファ(FB)サイズを取得する。具体的には、CPU141は、VDP142から第1フレームバッファ1426A及び第2フレームバッファ1426Bのフレームバッファサイズを取得してRAM145に格納すると共に、液晶画面50の画面解像度及びEL画面60の画面解像度をメイン画像サイズ及びサブ画像サイズとしてVDP142を介して液晶表示器5及びEL表示器6から取得してRAM145に格納する。その後、処理はステップS3に移る。ここで、フレームバッファサイズは、図15(A)に示すように、第1フレームバッファ1426A(或いは第2フレームバッファ1426B)に格納可能な画素データの垂直方向11の画素数L1及び水平方向12の画素数C1を示す情報であり、本実施形態では720×960(垂直画素数L1×水平画素数C1)である(図16(A)参照)。メイン画像サイズは、図15(B)に示すように、メイン画像を構成する画素データの垂直方向11の画素数L2及び水平方向12の画素数C2を示す情報であり、液晶画面50の画面解像度と等しく、本実施形態では600×800(垂直画素数L2×水平画素数C2)である(図16(A)参照)。サブ画像サイズは、図15(C)に示すように、サブ画像を構成する画素データの垂直方向11の画素数L3及び水平方向12の画素数C3を示す情報であり、EL画面60の画面解像度と等しく、本実施形態では240×320(垂直画素数L3×水平画素数C3)である(図16(C)参照)。
ステップS3において、CPU141は、取得したメイン画像サイズ、及びフレームバッファサイズに基づいて、第1フレームバッファ1426Aにメイン画像を描画した後に生じる空き領域のサイズを算出する。具体的には、CPU141は、以下の演算式を用いて、空き領域に描画可能な画素データの最低垂直画素数L4(図15(D)参照)、及び最低水平画素数C4(図15(D)参照)を算出する。
最低垂直画素数L4=垂直画素数L1−垂直画素数L2
最低水平画素数C4=水平画素数C1−水平画素数C2
本実施形態では、図16に示すように、垂直画素数L1が「720」であり、垂直画素数L2が「600」であるため、最低垂直画素数L4として「120」が算出され、水平画素数C1が「960」であり、水平画素数C2が「800」であるため、最低水平画素数C4として「160」が算出される(図16(B)参照)。その後、処理はステップS4に移る。
ステップS4において、CPU141は、以下の演算式を用いて、サブ画像を構成する画素データの総数ST、及び空き領域に描画可能な画素データの総数VTを算出し、総数STが総数VTよりも小さいか否かを判定する。
総数ST=垂直画素数L3×水平画素数C3
総数VT=垂直画素数L4×水平画素数C1+水平画素数C4×(垂直画素数L1−垂直画素数L4)
ここで、垂直画素数L3は、サブ画像を構成する画素データの垂直方向11の画素数であり、水平画素数C3は、サブ画像を構成する画素データの水平方向12の画素数である。総数STが総数VTよりも小さければ、サブ画像をそのまま或いは分割して第1フレームバッファ1426Aに描画することができると判断できる。一方、総数STが総数VTよりも大きければ、サブ画像を分割したとしてもそのままの解像度では第1フレームバッファ1426Aに描画することはできないと判断できる。ステップS4での判定がYESの場合、処理はステップS5に移る。一方、ステップS4での判定がNOの場合、処理はステップ9に移る。
ステップS5において、CPU141は、サブ画像を空き領域に描画するためにサブ画像を分割する必要があるか否かを判定する。具体的には、CPU141は、サブ画像を構成する画素データの垂直画素数L3(図15(C)参照)が空き領域の最低垂直画素数L4(図15(D)参照)よりも小さいか、又はサブ画像を構成する画素データの水平画素数C3(図15(C)参照)が空き領域の最低水平画素数C4(図15(D)参照)よりも小さいかの少なくとも一方の条件を満たしているか否かを判定する。ここで、垂直画素数L3が最低垂直画素数L4よりも小さい場合、又は水平画素数C3が最低水平画素数C4よりも小さい場合は、サブ画像を分割することなく空き領域に描画することが可能であると判定できる。一方、垂直画素数L3が最低垂直画素数L4よりも大きく且つ水平画素数C3が最低水平画素数C4よりも大きい場合は、サブ画像を空き領域にそのまま描画できないので、サブ画像を分割して描画する必要があると判定できる。このように、CPU141は、空き領域のサイズ、及びサブ画像サイズに基づいて、サブ画像の分割の必要性を判定する。ステップS5での判定がYESの場合、処理はステップS7に移る。一方、ステップS5での判定がNOの場合、処理はステップS6に移る。
ステップS6において、CPU141は、分割数SNを「0」に設定する。ここで、分割数SNは、空き領域に描画される分割画像の数を示す情報である。言い換えれば、分割数SNは、サブ画像を構成する分割画像の数を示す情報である。ステップS6で設定された分割数SNは、設定情報としてRAM145に格納される。この設定情報は、VDP142へ出力される制御信号に含められて、VDP142へと送られる。後に詳述するが、分割数SNが「0」に設定された場合、空き領域には分割画像が描画されず、サブ画像がそのまま描画されることになる。
一方、ステップS7において、CPU141は、空き領域サイズ及びサブ画像サイズに基づいて、分割画像サイズSS及び分割数SNを算出する。ここで、分割画像サイズSSは、サブ画像が分割数SNで示される個数の分割画像に分割された場合に、1個の分割画像のサイズ(垂直画素数、及び水平画素数)を示す情報である。ステップS7では、以下の演算式を用いて、分割画像サイズSS(分割画像の垂直画素数SSLと分割画像の水平画素数SSC)及び分割数SNを算出する。
分割画像の垂直画素数SSL=最低垂直画素数L4
分割画像の水平画素数SSC=最低水平画素数C4
分割数SN=(垂直画素数L3/最低垂直画素数L4)×(水平画素数C3/最低水平画素数C4)
図16(B)及び(C)に示すように、本実施形態では、最低垂直画素数L4として「120」が算出され、最低水平画素数C4として「160」が算出される。このため、ここでの分割画像サイズSSは、120×160(垂直画素数SSL×水平画素数SSC)となる。また、分割数SNは、(240/120)×(320/160)により「4」となる。その後、処理はステップS8に移る。
ステップS8において、CPU141は、ステップS7で算出した分割画像サイズSS及び分割数SNを設定情報としてRAM145に格納する。この設定情報は、VDP142へ出力される制御信号に含められて、VDP142へと送られる。なお、ステップS8の設定処理に代えてステップS6の設定処理が行われた場合には、サブ画像を分割する必要がないので分割画像サイズSSは算出されず、設定情報として、分割数SNが「0」であることを示す情報のみがVDP142へ送られる。
ここで、分割画像サイズSS及び分割数SNを変化させた場合の分割画像サイズSSと空き領域サイズとの関係について、図16(C)に基づいて説明する。垂直画素数L3が「240」であり水平画素数C3が「320」であるサブ画像に対して、仮に分割数SNが「0」に設定された場合(ステップS6の処理が行われた場合)、図16(B)及び図16(C)から明らかなように、垂直画素数L3が最低垂直画素数L4を超え且つ水平画素数C3が最低水平画素数C4を超えているので、第1フレームバッファ1426Aの空き領域にサブ画像をそのまま描画することはできない。
また、仮に分割数SNが「2」に設定された場合、サブ画像を垂直画素数が「240」で水平画素数が「160」である2個の分割画像として空き領域に描画する第1の方法と、サブ画像を垂直画素数が「120」で水平画素数が「320」である2個の分割画像として空き領域に描画する第2の方法とが考えられる(図16(C)の真ん中の図を参照)。しかしながら、第1の方法でサブ画像を描画することを考えた場合、空き領域内の垂直方向11に延びる領域(図16(B)参照)に2個の分割画像を描画することは可能であるが、空き領域内の水平方向12に延びる領域に分割画像を描画することはできない。なぜなら、分割画像の垂直画素数「240」が、空き領域の最低垂直画素数L4(=120)を超えているからである。また、第2の方法でサブ画像を描画することを考えた場合、空き領域内の横方向に延びる領域(図16(B)参照)に2個の分割画像を描画することは可能であるが、空き領域内の垂直方向11に延びる領域に2個の分割画像を描画することはできない。なぜなら、分割画像の水平画素数「320」が、空き領域の最低水平画素数C4(=160)を超えているからである。このように、本実施形態で例示したサブ画像を分割画像として空き領域に描画する際に分割数SNを「2」に設定すると、分割画像を描画する位置によっては、分割画像を空き領域に描画できないケースが生じ得る。
これに対して、上述のように分割数SNが「4」に設定された場合、図16(B)及び図16(C)の右側の図から明らかなように、垂直画素数SSLが空き領域の最低垂直画素数L4と同じ「120」に設定され、且つ水平画素数SSCが空き領域の最低水平画素数C4と同じ「160」に設定される。そして、この分割画像サイズSSの分割画像が空き領域に4個描画されることになる。この場合、各分割画像は、空き領域内の垂直方向11に延びる領域と水平方向12に延びる領域とのいずれにも描画可能である。したがって、分割数SNが「2」に設定された場合とは異なり、分割画像を描画する位置によって空き領域に分割画像を描画できないケースが生じることはない。このように、分割数SN及び分割画像サイズSSは、分割画像をどのような配列で空き領域に描画したとしても確実に空き領域に収まるように、適切な値に設定される。
一方、ステップS4において総数STが総数VTよりも大きいと判定された場合(ステップS4でNO)、たとえサブ画像を分割したとしても、サブ画像を構成する全ての画素データを空き領域に描画することは不可能である。このため、CPU141は、総数STが総数VTよりも大きいと判定した場合(ステップS4でNO)、CPU141は、ステップS9において縮小倍率を算出して、その後、ステップS10において、算出された縮小倍率を設定情報としてRAM145に格納する。そして、ステップS7,S8へ処理が進められて、分割画像サイズSS及び分割数SNが設定される。
ここで、縮小倍率の設定方法について説明する。例えばステップS9で縮小倍率が「0.5」に設定された場合、垂直画素数L3が「240」であり水平画素数C3が「320」であるサブ画像(図16(C)の左側の図を参照)が、垂直画素数L3が「120」(=240×0.5)であり水平画素数C3が「160」(=320×0.5)であるサブ画像として、ステップS7,S8の処理が行われる。この場合、描画処理に際して、VRAM_RS1425上で垂直方向11及び水平方向12の画素数を1/2にしたサブ画像が生成されて、そのサブ画像が、分割画像サイズSS及び分割数SNに基づく分割画像として第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画されることになる。そして、これらの分割画像は、垂直方向11及び水平方向12の画素数を2倍にするスケーリング処理(拡大処理)が描画エンジン1424によって行われてからEL表示器6へ出力される。これにより、分割したとしても空き領域に描画できないサブ画像を空き領域に描画することが可能になる。したがって、空き領域サイズに対して画面解像度が大きい画像表示器を備えるパチンコ遊技機において、従来の描画処理ではその画像表示器に画像を表示することができないという問題を、分割画像サイズSS及び分割数SNに加えて縮小倍率を設定することで解決できる。
なお、縮小倍率は、例えば縮小後のサブ画像の総画素数(=垂直画素数×水平画素数)が、空き領域に描画可能な画素データの総数VT以下(好ましくは総数VTより所定数以上小さい値)となるように設定すればよい。これにより、サブ画像を分割画像として空き領域に描画することが可能となる。ただし、縮小倍率を小さくし過ぎると、スケーリング処理の結果としてEL表示器6に表示される画像の画質が低下するおそれがあるので、縮小倍率は、縮小後のサブ画像の総画素数が総数VTを超えない範囲で、できるだけ大きな値に設定することが好ましい。
以上に説明した図14のフローチャートに基づく設定処理が行われることにより、第1フレームバッファ1426Aへのメイン画像及びサブ画像の描画に際してサブ画像の縮小が必要か否かを示す情報、縮小が必要な場合には縮小倍率、サブ画像の分割が必要か否かを示す情報、分割が必要な場合には分割画像サイズSS及び分割数SN(分割数SN=0の場合は分割数SNのみ)が、設定情報としてRAM145に格納される。後述する描画エンジン1424による2画面表示のための描画処理は、この設定情報に基づいて実行される。
CPU141は、液晶表示器5のみを用いた1画面表示を実行する際には、上記設定処理によってRAM145に格納した設定情報を含まない制御信号をVDP142へ出力する。これにより、VRAM_FB1426にメイン画像のみが描画されて、液晶表示器5のみを用いた1画面表示が行われる。一方、液晶表示器5及びEL表示器6を用いた2画面表示を実行する際には、CPU141は、設定情報を含む制御信号をVDP142へ出力する。これにより、VRAM_FB1426にメイン画像及びサブ画像が描画されて、液晶表示器5及びEL表示器6を用いた2画面表示が行われる。このように、CPU141が設定情報を含まない制御信号と設定情報を含む制御信号とを切り換えて出力することにより、VDP142が描画処理を適切に行うことができる。また、上記設定処理が行われることにより、例えばEL表示器6のリユースによってEL画面60の画面解像度、すなわちサブ画像サイズが変化した場合でも、第1フレームバッファ1426A又は第2フレームバッファ1426Bの空き領域へのサブ画像の描画を適切に行うことができる。
[遊技制御部100の主要動作]
次に、遊技制御部100の主要動作について説明する。図17は、遊技制御部100によって行われる主要動作の一例を示すフローチャートである。遊技制御部100は、電源投入時や電源遮断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図17に示す一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図17以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御部100の処理は、ROM102に記憶されているプログラムに基づいてCPU101自身又はCPU101が発行する命令に従って行われる。
まず、ステップS11の乱数更新処理において、遊技制御部100は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数等の各種の乱数の更新を行う。ここで、大当たり乱数は、特別図柄抽選の当選(大当たり)又は落選(ハズレ)を決定するための乱数である。図柄乱数は、特別図柄抽選に当選した場合に、当たりの種類(長当たり、短当たり、特別図柄抽選の当選確率が上昇(確変)するか否か、時短遊技状態に移行するか否か)を決定するための乱数である。リーチ乱数は、特別図柄抽選に落選した場合に、リーチ有りの演出を行うか或いはリーチ無しの演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の変動パターン(変動時間)を決定するための乱数である。普通図柄乱数は、普通図柄抽選(電動チューリップ27の開閉抽選)の当選又は落選を決定するための乱数である。大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数等は、ステップS11の処理が行われる毎に「1」加算される。そして、各抽選が行われた時点の乱数値が、ステップS12の始動口スイッチ(SW)処理やステップS13のゲートスイッチ(SW)処理で取得され、ステップS14の特別図柄処理やステップS15の普通図柄処理で使用される。なお、このステップS11の処理を行うカウンタには典型的にはループカウンタが使用され、各乱数値は最大値に達した後に再び「0」に戻る。
次に、ステップS12の始動口スイッチ(SW)処理において、遊技制御部100は、第1始動口スイッチ111及び第2始動口スイッチ112の状態を監視し、いずれかのスイッチから検出信号が出力された場合に、第1特別図柄抽選の保留数U1や第2特別図柄抽選の保留数U2に関する処理や乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得する処理等を実行する。この始動口スイッチ処理の詳細については、図18に基づいて後に詳述する。
次に、ステップS13のゲートスイッチ(SW)処理において、遊技制御部100は、ゲートスイッチ114の状態を監視し、遊技球がゲート25を通過してゲートスイッチ114から検出信号が出力された場合に、普通図柄抽選の保留数が上限値未満であるか否かを判断する。そして、遊技制御部100は、保留数が上限値未満であると判断した場合に、ステップS15の普通図柄処理に使用される普通図柄乱数を取得する。
次に、ステップS14の特別図柄処理において、遊技制御部100は、特別図柄抽選を実行し、表示器4に特別図柄を変動表示してから特別図柄抽選の結果を示す特別図柄を停止表示すると共に、演出制御部130に特別図柄抽選の結果に基づいた演出を指示するための処理等を実行する。この特別図柄処理については、図20〜図22に基づいて後に詳述する。
次に、ステップS15の普通図柄処理において、遊技制御部100は、ステップS13のゲートスイッチ処理で取得された普通図柄乱数が所定の当選値と一致するか否かを判定する。そして、遊技制御部100は、表示器4に、普通図柄を変動表示させた後にこの判定結果を示す普通図柄を停止表示させる。
次に、ステップS16の大入賞口処理において、遊技制御部100は、特別図柄抽選に当選した場合に、大入賞口開閉部116を介して大入賞口23の開閉を制御する。この大入賞口処理については、図23及び図24に基づいて後に詳述する。
次に、ステップS17の電動チューリップ処理において、遊技制御部100は、ステップS15の普通図柄処理で普通図柄乱数が所定の当選値と一致すると判定された場合に、電動チューリップ開閉部113を介して電動チューリップ27の一対の羽根部材を作動させる。電動チューリップ27が作動することによって第2始動口22へ遊技球が入賞可能な状態となり、第2始動口22に遊技球が入賞することで第2特別図柄抽選が実行されることとなる。
次に、ステップS18の賞球処理において、遊技制御部100は、既に説明したように、遊技球の入賞個数の管理及び入賞に応じた賞球の払い出しを制御する。
次に、ステップS19の出力処理において、遊技制御部100は、ステップS14の特別図柄処理等でRAM103にセットされた各種コマンドや演出に必要な情報を演出制御部130へ送る。また、遊技制御部100は、ステップS18の賞球処理でRAM103にセットされた賞球の払い出しを指示するコマンドを払出制御部120へ送る。
[遊技制御部100による始動口スイッチ処理]
図18は、図17のステップS12における始動口スイッチ処理の一例の詳細フローチャートである。以下に、図18を用いて、図17のステップS12における始動口スイッチ処理について説明する。
まず、ステップS121おいて、遊技制御部100のCPU101は、第1始動口スイッチ111からの検出信号の有無に基づいて、第1始動口21に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ111が「ON」になったか否かを判定する。ステップS121での判定がYESの場合、処理はステップS122に移る。一方、ステップS121での判定がNOの場合、処理はステップS125に移る。
ステップS122において、CPU101は、第1特別図柄抽選の最大保留数Umax1をROM102から読み出し、RAM103に記憶されている第1特別図柄抽選の保留数U1が最大保留数Umax1未満であるか否かを判定する。ステップS122での判定がYESの場合、処理はステップS123に移る。一方、ステップS122での判定がNOの場合、処理はステップS125に移る。
ステップS123において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1の値を「1」加算して更新する。その後、処理はステップS124に移る。
ステップS124において、CPU101は、第1特別図柄抽選等を行うための乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、ステップS123の処理で更新した保留数U1の値と関連付けてRAM103に格納する。その後、処理はステップS125に移る。
ステップS125において、CPU101は、第2始動口スイッチ112からの検出信号の有無に基づいて、第2始動口22に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ112が「ON」になったか否かを判定する。ステップS125での判定がYESの場合、処理はステップS126に移る。一方、ステップS125での判定がNOの場合、処理は、図17のステップS13(ゲートスイッチ処理)に移る。
ステップS126において、CPU101は、第2特別図柄抽選の最大保留数Umax2をROM102から読み出し、RAM103に記憶されている第2特別図柄抽選の保留数U2が最大保留数Umax2未満であるか否かを判定する。ステップS126での判定がYESの場合、処理はステップS127に移る。一方、ステップS126での判定がNOの場合、処理は、図17のステップS13(ゲートスイッチ処理)に移る。
ステップS127において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U2の値を「1」加算して更新する。その後、処理はステップS128に移る。
ステップS128において、CPU101は、CPU101は、第2特別図柄抽選等を行うための乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、ステップS127の処理で更新した保留数U2の値と関連付けてRAM103に格納する。その後、処理は、図17のステップS13(ゲートスイッチ処理)に移る。
[乱数による判定方法]
次に、後述するステップS147(図20参照)の大当たり判定処理での乱数による判定方法について説明する。図19は、大当たり判定処理に使用される乱数の構成例を示す図である。図19(A)は、大当たり乱数の一例を示している。図19(B)は、第1始動口21入賞又は第2始動口22入賞による大当たり時の図柄乱数の一例を示し、図19(C)は、リーチ乱数の一例を示している。
図19(A)に示すように、大当たり乱数は、パチンコ遊技機1が特別図柄抽選の当選確率が比較的低い低確率状態である場合とこの当選確率が比較的高い高確率状態である場合とのそれぞれについて、別個に設定されている。大当たり乱数の取り得る範囲は、いずれの遊技状態においても「0」〜「600」である。すなわち、乱数判定テーブルとして、低確率状態での大当たり乱数の判定に用いられる低確率時乱数判定テーブルと、高確率状態での大当たり乱数の判定に用いられる高確率時乱数判定テーブルとが用意されている。
低確率状態に関して、大当たり当選値が2個(「7」と「317」)設定されているので、低確率状態での大当たり当選確率は2/601であり、低確率状態のときに取得された大当たり乱数が「7」又は「317」である場合に大当たりと判定される。
高確率状態に関して、大当たり当選値が20個(「7」,「37」,「67」,・・・,「517」,「547」,「577」)設定されており、高確率状態での大当たり当選確率は20/601である。高確率状態で取得された大当たり乱数がこれら20個の当選値のいずれかと一致した場合に、大当たりと判定される。
ここで、大当たりに関して、本実施形態では、低確率状態に対する大当たり当選値が2個設定されているのに対して、高確率状態に対する大当たり当選値が20個設定されている。このため、高確率状態で第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞して特別図柄抽選が行われて大当たりとなる確率は、低確率状態で第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞して特別図柄抽選が行われて大当たりとなる確率の10倍となっている。
第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の結果が大当たりであった場合、以下のような図柄乱数に関する判定処理が行われる。図19(B)に示すように、第1始動口21入賞又は第2始動口22入賞による大当たりの種類として、本実施形態では、時短付き確変長当たり、時短付き通常長当たり、時短付き確変短当たり、時短無し確変出球無し短当たりの4種類が用意されている。
時短付き確変長当たりは、大入賞口23が開放されるラウンドの数が比較的多く(本実施形態では15回)、この大当たり終了後に特別図柄抽選の当選確率が高確率に変動(本実施形態では2/601から20/601に変動)すると共に特別図柄抽選の実行間隔が短縮(時短)される大当たりである。以下、時短付き確変長当たりを、15R確変当たりと呼ぶ。なお、15R確変当たりによって、遊技者は多量(例えば1500個前後)の賞球を獲得できる。時短付き通常長当たりは、大入賞口23が開放されるラウンドの数が比較的多く(本実施形態では15回)、この大当たり終了後に特別図柄抽選の当選確率が低確率になる(本実施形態では2/601)と共に特別図柄抽選の実行間隔が所定回数まで(本実施形態では100回まで)短縮(時短)される大当たりである。以下、時短付き通常長当たりを、15R通常当たりと呼ぶ。なお、15R通常当たりによって、遊技者は多量(例えば1500個前後)の賞球を獲得できる。時短付き確変短当たりは、大入賞口23が開放されるラウンドの数が比較的少なく(本実施形態では2回)、この大当たり終了後に特別図柄抽選の当選確率が高確率に変動(本実施形態では2/601から20/601に変動)すると共に特別図柄抽選の実行間隔が短縮(時短)される大当たりである。以下、時短付き確変短当たりを、2R確変当たりと呼ぶ。なお、2R確変当たりによって、遊技者は小量(例えば200個前後)の賞球を獲得できる。時短無し確変出球無し短当たりは、大入賞口23が開放されるラウンドの数が比較的少なく(本実施形態では2回)、大入賞口23が開放される期間(ラウンドの期間)が極端に短く(例えば、0.1秒間)、この大当たり終了後に特別図柄抽選の当選確率が高確率に変動(本実施形態では2/601から20/601に変動)するが特別図柄抽選の実行間隔は短縮(時短)されない大当たりである。ここで、遊技者は、時短無し確変出球無し短当たり終了後において、特別図柄抽選の当選確率が高確率に変動したことを演出からは認識できない。以下、時短無し確変出球無し短当たりを、潜伏確変当たりと呼ぶ。なお、潜伏確変当たりでは、遊技球が大入賞口23に入ることは殆どないので、遊技者は賞球(出球)を原則として獲得できない。
第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞した際に取得される図柄乱数の取り得る範囲は、「0」〜「250」である。15R確変当たりに関して、「0」〜「100」の101個の当選値が割り当てられているので、101/251の確率で15R確変当たりとなる。また、15R通常当たりに関して、「101」〜「150」の50個の当選値が割り当てられているので、50/251の確率で15R通常当たりとなる。また、2R確変当たり、潜伏確変当たりに関しては、「151」〜「200」,「201」〜「250」の当選値がそれぞれ割り当てられているので、いずれの当たりについてもその確率は50/251である。
特別図柄抽選の結果がハズレであった場合、以下のようなリーチ乱数に関する判定処理が行われる。図19(C)に示すように、リーチ乱数の取り得る範囲は「0」〜「250」である。リーチ有りに関しては、「0」〜「24」の25個のリーチ乱数が割り当てられているので、25/251の確率でリーチとなる。また、リーチ無しに関しては、「25」〜「250」の226個のリーチ乱数が割り当てられているので、226/251の確率でリーチ無しとなる。さらに説明すると、特別図柄抽選の結果がハズレ(図19(A)に示すいずれの当選値にも該当しない)と判定された場合にのみ、リーチ乱数の判定が行われる。なお、大当たりに当選した場合には、リーチ演出が必ず行われる。
[遊技制御部100による特別図柄処理]
図20は、図17のステップS14における特別図柄処理の一例の詳細フローチャートである。以下、図20を参照して、図17のステップS14における特別図柄処理の詳細について説明する。
まず、ステップS141において、遊技制御部100のCPU101は、RAM103に記憶されている情報に基づいて、パチンコ遊技機1の現在の状態が大当たり中であるか否かを判定する。ステップS141での判定がYESの場合、処理は、図17のステップS15(普通図柄処理)に移る。一方、ステップS141での判定がNOの場合、処理はステップS142に移る。
ステップS142において、CPU101は、表示器4による特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する。ステップS142での判定がYESの場合、処理はステップS151に移る。一方、ステップS142での判定がNOの場合、処理はステップS143に移る。
ステップS143において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U2が「1」以上であるか否かを判定する。つまり、実行すべき第2特別図柄抽選があるか否かを判定する。ステップS143での判定がYESの場合、処理はステップS144に移る。一方、ステップS143での判定がNOの場合、処理はステップS145に移る。
ステップS144において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U2を「1」減算した値に書き換える。その後、処理はステップS147に移る。
ステップS145において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1が「1」以上であるか否かを判定する。つまり、実行すべき第1特別図柄抽選があるか否かを判定する。ステップS145での判定がYESの場合、処理はステップS146に移る。一方、ステップS145での判定がNOの場合、処理は、図17のステップS15(普通図柄処理)に移る。
ステップS146において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1を「1」減算した値に書き換える。その後、処理はステップS147に移る。
ステップS147において、CPU101は、図21を用いて後述する大当たり判定処理を実行する。
[遊技制御部100による特別図柄処理における大当たり判定処理]
図21は、図20のステップS147の大当たり判定処理の一例の詳細フローチャートである。以下に、図21を用いて、図20のステップS147の大当たり判定処理の詳細について説明する。
まず、ステップS1471において、CPU101は、特別図柄抽選の結果が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、CPU101は、図20のステップS144の処理に続いてステップS1471の処理を実行する場合、第2始動口22への遊技球の入賞を契機として図18のステップS128の処理で取得された大当たり乱数をRAM103から読み出し、この大当たり乱数がROM102に記憶されている大当たりの当選値(図19(A)参照)と一致するか否かに基づいて、第2特別図柄抽選の結果が大当たりであるか否かを判定する。一方、図20のステップS146の処理に続いてステップS1471の処理を実行する場合、CPU101は、第1始動口21への遊技球の入賞を契機として図18のステップS124の処理で取得された大当たり乱数をRAM103から読み出し、この大当たり乱数がROM102に記憶されている大当たりの当選値(図19(A)参照)と一致するか否かに基づいて、第1特別図柄抽選の結果が大当たりであるか否かを判定する。ステップS1471での判定がYESの場合、処理はステップS1472に移る。一方、ステップS1471での判定がNOの場合、処理はステップS1473に移る。
ステップS1473において、CPU101は、特別図柄抽選にハズレたことを表すハズレ図柄を、設定情報における特別図柄の停止図柄としてRAM103にセットする。その後、処理は図20のステップS148(変動パターン選択処理)に移る。
ステップS1472において、CPU101は、大当たりの種類が確変ありの大当たりであるか否かを判定する。具体的には、CPU101は、図20のステップS144の処理に続いてステップS1472の処理を実行する場合、第2始動口22への遊技球の入賞を契機として図18のステップS128の処理で取得された図柄乱数をRAM103から読み出す。そして、この図柄乱数がROM102に記憶されている確変ありの大当たり(つまり、15R確変当たり、2R確変当たり、潜伏確変当たり;図19(B)参照)に割当てられた図柄乱数と一致する場合は、今回の大当たりが確変ありの大当たりであると判定する。一方、この図柄乱数がROM102に記憶されている通常の大当たり(つまり、15R通常当たり;図19(B)参照)に割当てられた図柄乱数と一致する場合は、今回の大当たりが確変なしの通常大当たりであると判定する。また、CPU101は、図20のステップS146の処理に続いてステップS1472の処理を実行する場合、第1始動口21への遊技球の入賞を契機として図18のステップS124の処理で取得された図柄乱数をRAM103から読み出す。そして、この図柄乱数がROM102に記憶されている確変ありの大当たり(つまり、15R確変当たり、2R確変当たり、潜伏確変当たり;図19(B)参照)に割り当てられた図柄乱数と一致する場合は、今回の大当たりが確変ありの大当たりであると判定する。一方、この図柄乱数がROM102に記憶されている通常の大当たり(つまり、15R通常当たり;図19(B)参照)に割り当てられた図柄乱数と一致する場合は、今回の大当たりが確変なしの通常大当たりであると判定する。ステップS1472での判定がYESの場合、処理はステップS1475に移る。一方、ステップS1472での判定がNOの場合、処理はステップS1474に移る。
ステップS1474において、CPU101は、15R通常当たりしたことを表す15R通常当たり図柄を、設定情報における特別図柄の停止図柄としてRAM103にセットする。その後、処理は図20のステップS148(変動パターン選択処理)に移る。
ステップS1475において、CPU101は、大当たりの種類が2R当たりであるか否かを判定する。具体的には、ステップS1472と同様に、CPU101は、第1始動口21又は第2始動口22への遊技球の入賞を契機として図18のステップS124又はS128の処理で取得された図柄乱数をRAM103から読み出す。そして、この図柄乱数がROM102に記憶されている2R当たり(つまり、2R確変当たり、潜伏確変当たり;図19(B)参照)に割当てられた図柄乱数と一致する場合は、今回の大当たりが2R当たりであると判定する。一方、この図柄乱数がROM102に記憶されている他の大当たり(つまり、15R確変当たり;図19(B)参照)に割当てられた図柄乱数と一致する場合は、今回の大当たりが15R確変当たりであると判定する。ステップS1475での判定がYESの場合、処理はステップS1477に移る。一方、ステップS1475での判定がNOの場合、処理はステップS1476に移る。
ステップS1476において、CPU101は、15R確変当たりしたことを表す15R確変当たり図柄を、設定情報における特別図柄の停止図柄としてRAM103にセットする。その後、処理は図20のステップS148(変動パターン選択処理)に移る。
ステップS1477において、CPU101は、大当たりの種類が潜伏確変当たりであるか否かを判定する。具体的には、ステップS1472と同様に、CPU101は、第1始動口21又は第2始動口22への遊技球の入賞を契機として図18のステップS124又はS128の処理で取得された図柄乱数をRAM103から読み出す。そして、この図柄乱数がROM102に記憶されている潜伏確変当たり(図19(B)参照)に割当てられた図柄乱数と一致する場合は、今回の大当たりが潜伏確変当たりあると判定する。一方、この図柄乱数がROM102に記憶されている他の大当たり(つまり、2R確変当たり;図19(B)参照)に割当てられた図柄乱数と一致する場合は、今回の大当たりが2R確変当たりであると判定する。ステップS1477での判定がYESの場合、処理はステップS1479に移る。一方、ステップS1477での判定がNOの場合、処理はステップS1478に移る。
ステップS1478において、CPU101は、2R確変当たりしたことを表す2R確変当たり図柄を、設定情報における特別図柄の停止図柄としてRAM103にセットする。その後、処理は図20のステップS148(変動パターン選択処理)に移る。
ステップS1479において、CPU101は、潜伏確変当たりしたことを表す潜伏確変当たり図柄を、設定情報における特別図柄の停止図柄としてRAM103にセットする。その後、処理は図20のステップS148(変動パターン選択処理)に移る。
以上に説明したように、図20のステップS147の大当たり判定処理において、CPU101は、大当たりしたか否か、及び大当たりした場合はその大当たりの種類を判定し、判定結果に応じた図柄を、設定情報における特別図柄の停止図柄としてRAM103にセットする。
ステップS148において、CPU101は、変動パターン選択処理を実行する。具体的には、CPU101は、ステップS147の処理で当たり図柄をセットした場合、大当たり用の変動パターンテーブルをROM102から読み出してRAM103にセットする。一方、CPU101は、ステップS147の処理でハズレ図柄をセットした場合、ROM102に記憶されているリーチ乱数(図19(C)参照)をRAM103に読み出す。そして、ステップS147の大当たり判定処理で使用した大当たり乱数と同時に取得されたリーチ乱数が、ROM102から読み出したリーチ乱数のいずれかと一致するかに基づいて、遊技者に対して大当たりを期待させるためのリーチ演出を行うか否かを決定する。そして、CPU101は、リーチ演出を行う(リーチ有りの演出を行う)と判定した場合にはリーチ有りハズレ用の変動パターンテーブルをROM102から読み出してRAM103にセットし、リーチ演出を行わない(リーチ無しの演出を行う)と判定した場合にはリーチ無しハズレ用の変動パターンテーブルをROM102から読み出してRAM103にセットする。ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間10秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の乱数値とを対応付けたテーブルである。その後、CPU101は、セットした変動パターンテーブルを参照して、ステップS147の大当たり判定処理に使用した大当たり乱数と同時に取得された変動パターン乱数に対応する変動パターンを選択することによって、特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する。このようにして決定された特別図柄の変動パターンは、設定情報としてRAM103にセットされる。その後、処理はステップS149に移る。
ステップS149において、CPU101は、ステップS147の大当たり判定処理でセットした図柄の設定情報、及びステップS148の変動パターン選択処理でセットした変動パターンの設定情報を含む変動演出開始コマンドを生成してRAM103にセットする。この変動演出開始コマンドは、CPU101がステップS19(図17参照)の出力処理を実行することによって演出制御部130へ送信される。これにより、液晶表示器5等による装飾図柄の変動を伴う演出表示が開始されることになる。なお、変動演出開始コマンドには、上記した図柄や変動パターンの他に、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す遊技状態情報(通常遊技状態、大当たり遊技状態、時短遊技状態、時短付確変遊技状態、時短無し確変遊技状態(潜伏確変遊技状態)を示す情報)等も含まれる。その後、処理はステップS150に移る。
ステップS150において、CPU101は、RAM103にセットされた設定情報に基づいて、表示器4の第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42における特別図柄の変動表示を開始する。なお、ステップS150の処理で開始される特別図柄の変動表示は、ステップS144の処理に続いて行われる場合には第2特別図柄表示器42を用いて行われ、ステップS146の処理に続いて行われる場合には第1特別図柄表示器41を用いて行われる。その後、処理はステップS151に移る。
ステップS151において、CPU101は、ステップS150の処理によって特別図柄の変動表示が開始されてから、ステップS148の変動パターン選択処理で設定された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判定する。ステップS151での判定がYESの場合、処理はステップS152に移る。一方、ステップS151での判定がNOの場合、処理は、図17のステップS15(普通図柄処理)に移る。
ステップS152において、CPU101は、変動演出停止コマンドをRAM103にセットする。この変動演出停止コマンドは、CPU101がステップS19(図17参照)における出力処理を実行することによって演出制御部130へ送信される。これにより、装飾図柄の変動を伴う演出表示が終了して、特別図柄抽選の結果を示す装飾図柄が液晶表示器5に停止表示されることになる。その後、処理はステップS153に移る。
ステップS153において、CPU101は、ステップS150の処理で開始した表示器4による特別図柄の変動表示を終了する。これにより、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄抽選の結果を示す特別図柄が停止表示される。その後、処理はステップS154に移る。
ステップS154において、CPU101は、図22を用いて後述する停止中処理を実行する。
[遊技制御部100による特別図柄処理における停止中処理]
図22は、図20のステップS154の停止中処理の一例の詳細フローチャートである。以下に、図22を用いて、図20のステップS154の停止中処理の詳細について説明する。
まず、ステップS1541において、CPU101は、今回の大当たり判定処理(図20のステップS147)で大当たりしたか否かを判定する。ステップS1541での判定がYESの場合、処理はステップS1542に移る。一方、ステップS1541での判定がNOの場合、処理はステップS1551に移る。
ステップS1542において、CPU101は、今回の大当たり判定処理(図20のステップS147)で判定された大当たりが、確率ありの大当たりであるか否か(つまり、15R確変当たり、2R確変当たり、又は潜伏確変当たりのいずれかであるか否か;図19(B)参照)を判定する。ステップS1542での判定がYESの場合、処理はステップS1545に移る。一方、ステップS1542での判定がNOの場合、今回の大当たり判定処理で判定された大当たりは15R通常当たりであるので(図19(B)参照)、処理はステップS1543に移る。
ステップS1543において、CPU101は、RAM103に格納された時短フラグをONに設定する。ここで、時短フラグは、パチンコ遊技機1の遊技状態を決める遊技状態情報の1つであり、それがONに設定されている期間はパチンコ遊技機1が特別図柄抽選等の実行間隔が短縮されるフラグである。その後、処理はステップS1544に移る。
ステップS1544において、CPU101は、時短フラグがONの状態において実行される特別図柄抽選の回数J(以下、時短抽選回数Jという)を、例えば100に設定してRAM103に格納する。その後、処理はステップS1549に移る。
ステップS1545において、CPU101は、RAM103に格納された確変フラグをONに設定する。ここで、確変フラグは、パチンコ遊技機1の遊技状態を決める遊技状態情報の1つであり、それがONに設定されている期間は特別図柄抽選の当選確率が高確率になる(図19(A)参照)フラグである。その後、処理はステップS1546に移る。
ステップS1546において、CPU101は、今回の大当たり判定処理(図20のステップS147)で判定された大当たりが、時短ありの大当たりであるか否か(つまり、15R確変当たり又は2R確変当たりのいずれかであるか否か;図19(B)参照)を判定する。ステップS1546での判定がYESの場合、今回の大当たり判定処理で判定された大当たりは15R確変当たり又は2R確変たりであり(図19(B)参照)、処理はステップS1547に移る。一方、ステップS1546での判定がNOの場合、今回の大当たり判定処理で判定された大当たりは潜伏確変当たりであり(図19(B)参照)、処理はステップS1549に移る。
ステップS1547において、CPU101は、RAM103に格納された時短フラグをONに設定する。その後、処理はステップS1548に移る。
ステップS1548において、CPU101は、時短抽選回数Jを、例えば10000に設定してRAM103に格納する。その後、処理はステップS1549に移る。
ステップS1549において、CPU101は、演出制御部130に対して大当たり演出の開始を指示する情報及び開始する大当たりの種類(15R確変当たり、15R通常当たり、2R確変当たり又は潜伏確変当たり)を示す情報を含むオープニングコマンドをRAM103にセットする。具体的には、CPU101は、15R確変当たりした場合には15R確変当たり演出の開始を指示する情報を含むオープニングコマンドをRAM103にセットし、15R通常当たりした場合には15R通常当たり演出の開始を指示する情報を含むオープニングコマンドをRAM103にセットし、2R確変当たりした場合には2R確変当たり演出の開始を指示する情報を含むオープニングコマンドをRAM103にセットし、潜伏確変当たりした場合には潜伏確変当たり演出(遊技者には潜伏確変当たりしたことが分かり難い演出)の開始を指示する情報を含むオープニングコマンドをRAM103にセットする。その後、処理はステップS1550に移る。なお、ステップS1549でセットされたオープニングコマンドは、図17のステップS19の出力処理によって演出制御部130へ送信される。
ステップS1550において、CPU101は、RAM103に格納された大当たりフラグをONに設定する。ここで、大当たりフラグは、パチンコ遊技機1の遊技状態を決める遊技状態情報の1つであり、それがONに設定されている期間は大当たり遊技が実行される大当たり遊技状態となるフラグである。その後、処理は、図17のステップS15(普通図柄処理)に移る。
ここで、パチンコ遊技機1の遊技状態と上記した各フラグとの関係について説明する。大当たりフラグがNOの期間(つまり、大当たり遊技中)は、他のフラグの状態に関わらず、パチンコ遊技機1の遊技状態は、大当たり遊技の実行中の状態である大当たり遊技状態である。時短フラグがONであって確変フラグ及び大当たりフラグがOFFの期間(つまり、15R通常当たりの大当たり遊技後の所定期間)は、パチンコ遊技機1の遊技状態は、特別図柄抽選等の実行間隔が短縮される時短遊技状態である。時短フラグ及び確変フラグがONであって大当たりフラグがOFFの期間(つまり、15R確変当たり又は2R各変当たりの大当たり遊技後)は、パチンコ遊技機1の遊技状態は、特別図柄抽選等の実行間隔が短縮され特別図柄抽選の当選確率が上昇する時短付確変遊技状態である。確変フラグがONであって時短フラグ及び大当たりフラグがOFFの期間(つまり、潜伏確変当たり後)は、パチンコ遊技機1の遊技状態は、特別図柄抽選等の実行間隔は短縮されず、特別図柄抽選の当選確率が上昇する潜伏確変遊技状態である。なお、時短フラグ、確変フラグ及び大当たりフラグが全てOFFの期間は、パチンコ遊技機1の遊技状態は通常遊技状態である。
一方、ステップS1551において、CPU101は、ステップS1544又はS1548で設定された時短抽選回数Jの値が現在「0」であるか否かを判定する。ステップS1551での判定がYESの場合、処理は図17のステップS15(普通図柄処理)に移る。一方、ステップS1551での判定がNOの場合、処理はステップS1552に移る。
ステップS1552において、CPU101は、時短抽選回数Jを、1減算した値に書き換える。その後、処理はステップS1553に移る。
ステップS1553において、CPU101は、ステップS1551と同様に、時短抽選回数Jの値が現在「0」であるか否かを判定する。ステップS1553での判定がYESの場合、処理はステップS1554に移る。一方、ステップS1553での判定がNOの場合、図17のステップS15(普通図柄処理)に移る。
ステップS1554において、CPU101は、RAM103に格納されたパチンコ遊技機1の遊技状態情報を、通常遊技状態に設定する。具体的には、CPU101は、時短フラグ及び確変フラグをいずれもOFFにする。なお、ステップS1554の処理が行われる際には、大当たりフラグは常にOFFである。その後、処理は、図17のステップS15(普通図柄処理)に移る。
以上に説明したように、図20のステップS154の停止中処理において、CPU101は、大当たり判定処理で大当たりしたか否か、及び大当たりした場合はその大当たりの種類を判定し、この判定結果等に応じて遊技状態情報を設定する。
[遊技制御部100による大入賞口処理]
図23及び図24は、図17のステップS16における大入賞口処理の一例の詳細フローチャートである。以下に、図17のステップS16における大入賞口処理について、図23及び図24を用いて説明する。
まず、ステップS161において、CPU101は、RAM103に格納されている情報に基づいて、パチンコ遊技機1の現在の状態が大当たり中であるか否かを判定する。ステップS161での判定がYESの場合、処理はステップS162に移る。一方、ステップS161での判定がNOの場合、処理は図17のステップS17(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS162において、CPU101は、RAM103に格納されている情報に基づいて、パチンコ遊技機1の現在の状態が大当たりのオープニング中であるか否かを判定する。ステップS162での判定がYESの場合、処理はステップS163に移る。一方、ステップS162での判定がNOの場合、処理はステップS168に移る。
ステップS163において、CPU101は、図22のステップS1549の処理でセットされたオープニングコマンドが演出制御部130に送信された時点から所定の設定オープニング時間が経過したか否かを判定する。つまり、CPU101は、大当たりのオープニングが終了したか否かを判定する。ステップS163での判定がYESの場合、処理はステップS164に移る。一方、ステップS163での判定がNOの場合、オープニングは終了していないので、処理は図17のステップS17(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS164において、CPU101は、大当たりの全ラウンド数Rmaxと大当たりの大入賞口23の動作パターンとを設定し、その設定情報をRAM103にセットする。具体的には、CPU101は、15R確変当たり及び15R通常当たりの場合、大当たりに含まれるラウンドの数量「15」と大当たり中の大入賞口23の動作パターンを設定し、その設定情報をRAM103にセットする。同様に、CPU101は、2R確変当たり及び潜伏確変当たりの場合、大当たりに含まれるラウンドの数量「2」と大当たり中の大入賞口23の動作パターンを設定し、その設定情報をRAM103にセットする。なお、潜伏確変当たりの場合は、各ラウンドにおいて大入賞口23は極短時間(本実施形態では0.1秒間)開放されるだけである。ステップS164の処理によって、大当たりの全ラウンド数Rmax、大当たり中のラウンドとラウンドとの間のインターバル時間、大当たり終了後にエンディング演出等を行う時間である設定エンディング時間等が設定される。その後、処理はステップS165に移る。
ステップS165において、CPU101は、RAM103に格納されている大入賞口23への遊技球の入賞数Cを「0」にリセットする。その後、処理はステップS166に移る。
ステップS166において、CPU101は、RAM103に格納されている大当たりのラウンド数Rを、1加算した値に書き換える。その後、処理はステップS167に移る。
ステップS167において、CPU101は、大入賞口開閉部116を制御して大入賞口23の開放制御を開始する。この処理によって、大当たり遊技において、ラウンドが開始されて大入賞口23の開放が開始される。その後、処理はステップS173に移る。
一方、ステップS168において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、パチンコ遊技機1の現在の状態が大当たりのインターバル中であるか否かを判定する。ステップS168での判定がYESの場合、処理はステップS169に移る。一方、ステップS168での判定がNOの場合、処理はステップS170に移る。
ステップS169において、CPU101は、大当たり中の前回のラウンド終了時に大入賞口23が閉塞された時点から、ステップS164の処理で設定された大当たり中の設定インターバル時間が経過したか否かを判定する。ステップS169での判定がYESの場合、大当たり中の次のラウンドを開始するタイミングになっているので、処理は既に説明したステップS165に移る。一方、ステップS709での判定がNOの場合、大当たり中の次のラウンドを開始するタイミングになっていないので、処理は図17のステップS17(電動チューリップ処理)に移る。
一方、ステップS170において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、パチンコ遊技機1の現在の状態が大当たりのエンディング演出の実行中であるか否かを判定する。ステップS170での判定がYESの場合、処理は図24のステップS179に移る。一方、ステップS170での判定がNOの場合、処理はステップS171に移る。
ステップS171において、CPU101は、パチンコ遊技機1の現在の状態が大当たりのラウンド中であると判断して、大入賞口スイッチ115からの検出信号の有無に基づいて、大入賞口スイッチ115がONになったか否かを判定する。ステップS171での判定がYESの場合、処理はステップS172に移る。一方、ステップS171での判定がNOの場合、処理はステップS173に移る。
ステップS172において、CPU101は、大入賞口23への遊技球の入賞を検出したと判断して、RAM103に格納されている遊技球の入賞数Cを、1加算した値に書き換える。その後、処理はステップS173に移る。CPU101は、ステップS172の処理を大入賞口スイッチ115がONになる毎に実行することで、1つのラウンド中に大入賞口23に入賞した遊技球の総数(入賞数C)をRAM103に累積記憶させる。
ステップS173において、CPU101は、ステップS167の処理で大入賞口23の開放制御が開始された時点から規定の開放制御時間が経過したか否かを判定する。具体的には、CPU101は、15R確変当たり、15R通常当たり又は2R確変当たりの場合、大入賞口23を30秒間開放させる開放制御時間が経過したか否かを判定し、潜伏確変当たりの場合、大入賞口23を0.1秒間開放させる開放制御時間が経過したか否かを判定する。ステップS173での判定がYESの場合、処理はステップS175に移る。一方、ステップS173での判定がNOの場合、処理はステップS174に移る。
ステップS174において、CPU101は、今回のラウンドにおける遊技球の入賞数Cが、大入賞口23が閉塞されるタイミングを規定する上限遊技球数Cmax(本実施形態では10個)となったか否かを判定する。ステップS174での判定がYESの場合、処理はステップS175に移る。一方、ステップS174での判定がNOの場合、処理は図17のステップS17(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS175において、CPU101は、大入賞口開閉部116を制御して、ステップS167で開始した大入賞口23の開放制御を終了する。このように、15R確変当たり、15R通常当たり又は2R確変当たりの場合、大当たり中の各ラウンドにおいて、CPU101は、大入賞口23を開放してから30秒が経過するまでに大入賞口スイッチ115によって検出された遊技球の総数(入賞数C)が10個(Cmax)に達したこと、又は大入賞口23を開放してから10個の遊技球が入賞することなく30秒が経過したことを条件として大入賞口23を閉塞する。また、潜伏確変当たりの場合、大当たり中の各ラウンドにおいて、CPU101は、大入賞口23を開放してから0.1秒が経過するまでに大入賞口スイッチ115によって検出された遊技球の総数(入賞数C)が10個(Cmax)に達したこと、又は大入賞口23を開放してから10個の遊技球が入賞することなく0.1秒が経過したことを条件として大入賞口23を閉塞する。その後、処理はステップS176に移る。
ステップS176において、CPU101は、RAM103に格納されている現在のラウンド数Rが、ステップS164の処理で設定された大当たり中の最大ラウンド数Rmaxに達したか否かを判定する。ステップS176での判定がYESの場合、処理は図24のステップS177に移る。一方、ステップS176での判定がNOの場合、処理は図17のステップS17(電動チューリップ処理)に移る。
図24のステップS177において、CPU101は、RAM103に格納されているラウンド数Rを「0」にリセットする。その後、処理はステップS178に移る。
ステップS178において、CPU101は、演出制御部130に対してエンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドをRAM103にセットする。この処理でセットされたエンディングコマンドは、図17のステップS19の出力処理によって演出制御部130へ送信される。その後、処理はステップS179に移る。
ステップS179において、CPU101は、ステップS178でエンディングコマンドをRAM103にセットした時点から図23のステップS164の処理で設定された設定エンディング時間が経過したか否かを判定する。ステップS179での判定がYESの場合、処理はステップS180に移る。一方、ステップS179での判定がNOの場合、処理は図17のステップS17(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS7180において、CPU101は、RAM103に格納されている大当たりフラグをOFFにすることによって大当たりを終了する。その後、処理は図17のステップS17(電動チューリップ処理)に移る。
以上に説明したように、図17のステップS16の大入賞口処理において、CPU101は、大当たり中である場合、大当たりの種類等に応じた大入賞口23の開閉制御を実行する。
[演出制御部130による演出制御処理]
演出制御部130のCPU131は、装飾図柄の変動を伴う演出の内容を決定するための変動演出乱数や、大当たり遊技中に大当たりの種類が昇格する演出を行うか否か等を決定するための昇格演出乱数等の各種乱数を更新する乱数更新処理を繰り返し実行する。そして、演出制御部130は、電源投入時や電源遮断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、乱数更新処理を繰り返しつつ、図25〜図30に示す一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
以下、図25〜図30を用いて、演出制御部130によって行われる演出制御処理について説明する。ここで、図25〜図27は、演出制御部130によって行われる演出制御処理の一例を示す詳細フローチャートである。図28〜図30は、液晶画面50及びEL画面60による2画面表示について説明するための図である。なお、図25以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御部130で行われる処理は、ROM132に記憶されているプログラムに基づいてCPU131自身又はCPU131が発行する命令に従って行われる。
まず、ステップS101において、演出制御部130のCPU131は、液晶表示器5による装飾図柄の変動表示を伴う演出が実行中であるか否かを、画像音響制御部140から取得した情報に基づいて判定する。ステップS101での判定がYESの場合、処理はステップS106に移る。一方、ステップS101での判定がNOの場合、処理はステップS102に移る。
ステップS102において、CPU131は、図20のステップS149でセットされた変動演出開始コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS102での判定がYESの場合、処理はステップS103に移る。一方、ステップS102での判定がNOの場合、処理はステップS108に移る。
ステップS103において、CPU131は、ステップS102で受信した変動演出開始コマンドを解析して、変動演出開始コマンドに含まれている設定情報をRAM133に格納する。その後、処理はステップS104に移る。
ステップS104において、CPU131は、解析した変動演出開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、装飾図柄の変動表示を伴う演出のパターン(変動演出パターン)を決定する。具体的には、CPU131は、設定情報に含まれる、特別図柄抽選で大当たりしたか否かを示す情報、大当たりした場合大当たりの種類を示す情報、ハズレた場合リーチ演出を行うか否かを示す情報、特別図柄の変動パターン(つまり演出時間)を示す情報によって定まる条件を満たす変動演出パターンを、ROM132に予め記憶された多数の変動演出パターンから選択する。なお、この条件を複数の変動演出パターンが満たす場合、抽選によって1つの変動演出パターンが決定される。その後、処理はステップS105に移る。
ステップS105において、CPU131は、ステップS104で決定した変動演出パターンの演出を開始する。具体的には、CPU131は、決定した変動演出パターンの演出の開始を指示する演出開始コマンドを画像音響制御部140及びランプ制御部150へ送信する。これに対して、画像音響制御部140のCPU141は、受信した演出開始コマンドに応じた装飾図柄の変動を伴う演出の実行を指示する制御信号をVDP142へ出力し、VDP142の描画エンジン1424は、この制御信号によって指示された演出表示を実行するのに必要な素材データを画像用ROM148から読み出してVRAM_RS1425に格納し、その素材データを基にVRAM_FB1426にメイン画像を描画して出力回路1427を介して液晶表示器5へ出力する。これにより、液晶画面50上で装飾図柄の変動を伴う演出表示、つまり液晶画面50による1画面表示が開始される。また、ランプ制御部150のCPU151は、受信した演出開始コマンドに応じた動作パターン及び発光パターンで可動役物7、盤ランプ8、及び枠ランプ36を作動させる。これにより、液晶画面50上で行われる演出表示と連動した音と光による演出が行われる。その後、処理はステップS108に移る。
一方、ステップS106において、CPU131は、図20のステップS152の処理でセットされた変動演出停止コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS106での判定がYESの場合、処理はステップS107に移る。一方、ステップS106での判定がNOの場合、処理はステップS108に移る。
ステップS107において、CPU131は、ステップS105の処理で開始した変動演出を終了する。このことによって、装飾図柄の変動を伴う演出が終了して特別図柄抽選の結果を報知する装飾図柄の停止図柄が液晶表示器5によって表示され、スピーカ35や盤ランプ8等による演出が終了する。その後、処理はステップS108に移る。
ステップS108において、CPU131は、パチンコ遊技機1の遊技状態が変化した時点から所定時間までの期間中であるか否かを判定する。具体的には、CPU131は、ステップS103で解析した変動演出開始コマンドに含まれる設定情報に含まれる遊技状態情報とRTC134の時刻情報とを用いて、パチンコ遊技機1の遊技状態が変化した時点から所定時間までの期間中であるか否かを判定する。例えば、CPU131は、遊技状態情報に基づいて、通常遊技状態から大当たり遊技状態に変化した時点からその10秒後までの期間中であるか否かを判定する。また、例えば、CPU131は、遊技状態情報に基づいて、大当たり遊技状態から時短付確変遊技状態に変化した時点からその10秒後までの期間中であるか否かを判定する。ステップS108での判定がYESの場合、処理はステップS109に移る。一方、ステップS108での判定がNOの場合、処理はステップS115に移る。
ステップS115において、CPU131は、液晶画面50によって実行されている1画面表示又はステップS130による2画面表示を画像音響制御部140に継続させる。具体的には、CPU131は、液晶画面50によって1画面表示が実行されている場合その1画面表示を画像音響制御部140に継続させ、液晶画面50及びEL画面60によって後述する図26のステップS130の処理による2画面表示(昇格に関する表示)が実行されている場合その2画面表示を画像音響制御部140に継続させる。その後、処理は図26のステップS116に移る。
一方、ステップS109において、CPU131は、ボタンランプ40(図11参照)の発光を指示する所定のコマンドをランプ制御部150へ送信して、演出キー38に内蔵されたボタンランプ40を発光させる(図28(A)参照)。このことによって、遊技者に対して、演出キー38の操作によってEL表示器6の移動が可能な状態になったことが報知される。その後、処理はステップS110に移る。
ステップS110において、CPU131は、演出キー38から出力される操作情報の有無に基づいて、遊技者によって演出キー38が操作されたか否かを判定する。ステップS110での判定がYESの場合、処理はステップS111に移る。一方、ステップS110での判定がNOの場合、処理はステップS115に移る。
ステップS111において、CPU131は、演出キー38から出力された操作情報に基づいて、EL表示器6を移動させる。具体的には、CPU131は、第1ステッピングモータ29及び第2ステッピングモータ30の駆動を指示するコマンドをランプ制御部150へ送信する。このコマンドには、演出キー38から出力された操作情報が含まれており、CPU151は、この操作情報に基づいて第1ステッピングモータ29及び第2ステッピングモータ30の駆動を制御する。これにより、駆動機構10(図7参照)が駆動して、演出キー38の操作に応じた位置へEL表示器6が移動する(図28(B)参照)。このように、CPU151は、CPU131によって演出キー38からの操作情報の入力が受け付けられた場合に、その操作情報に基づいてEL表示器6を移動させる。
ステップS112において、CPU131は、RAM133に記憶されているEL画面60の位置情報を更新する。具体的には、CPU131は、液晶画面50に設けられた各光センサ56による検知結果(各光センサ56から出力される電気信号の変化)に基づいてEL表示器6の最新の位置を検出して、その検出結果に基づいてEL画面60の位置情報を書き換える。その後、処理はステップS113に移る。
ステップS113において、CPU131は、EL画面60の位置が、EL表示器6の背面側(図1の紙面奥側)に位置する液晶画面50上の情報アイコン80をEL画面60を通して視認可能な位置であるか否かを判定する。例えば、CPU131は、液晶画面50上の情報アイコン80の重心座標を画像音響制御部140から取得する。そして、CPU131は、RAM133に記憶されているEL画面60の位置情報に対応する位置に配置されたEL画面60の領域を設定し、取得した重心座標がこの領域に含まれるか否かを判定する。ステップS113での判定がYESの場合、処理はステップS114に移る。一方、ステップS113での判定がNOの場合、処理はステップS115に移る。
ステップS114において、CPU131は、液晶画面50及びEL画面60による2画面表示を実行すると共にEL画面60に遊技状態に関する情報を表示させる指示を、画像音響制御部140に対して行う。具体的には、CPU131は、ステップS103で解析した変動演出開始コマンドに含まれる設定情報に含まれる遊技状態情報に基づいて、パチンコ遊技機1の遊技状態に関する情報を遊技者に通知する文字をサブ画像としてEL画面60に表示する2画面表示の実行を指示するコマンドを画像音響制御部140へ送信する。例えば、CPU131は、パチンコ遊技機1が通常遊技状態である場合、通常遊技状態であることを遊技者に通知する文字「通常遊技状態です」をサブ画像としてEL画面60に表示する2画面表示の実行を指示するコマンドを画像音響制御部140へ送信する。また、例えば、CPU131は、パチンコ遊技機1が時短遊技状態である場合、時短遊技状態であることを遊技者に通知する文字「時短中です」をサブ画像としてEL画面60に表示する2画面表示(図4(A)及び図28(C)参照)の実行を指示するコマンドを画像音響制御部140へ送信する。また、例えば、CPU131は、パチンコ遊技機1が潜伏確変遊技状態である場合、潜伏確変遊技状態であることを遊技者に期待させる文字「潜伏状態かも??」をサブ画像としてEL画面60に表示する2画面表示(図4(B)参照)の実行を指示するコマンドを画像音響制御部140へ送信する。その後、処理は、図26のステップS116に移る。なお、演出制御部130から画像音響制御部140へ送信されるコマンドにはEL画面60に表示させる画像を特定する情報(以下、表示画像情報という:ここでは、遊技状態に関する情報)が含まれており、画像音響制御部140のCPU141は、表示画像情報及び図14の設定処理によって生成された設定情報を含む制御信号をVDP142へ出力する。これにより、メイン画像が液晶画面50に表示されると共に、表示画像情報に応じた画像がサブ画像としてEL画面60に表示される。この液晶画面50及びEL画面60を用いた2画面表示を可能にするVDP142の描画処理については後に詳述する。
ステップS116において、CPU131は、図22のS1549でセットされたオープニングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS116での判定がYESの場合、処理はステップS117に移る。一方、ステップS116での判定がNOの場合、処理はステップS119に移る。
ステップS117において、CPU131は、図27を用いて以下に説明する昇格演出抽選及び大当たり演出パターン決定処理を行う。
図27は、図26のステップS117の昇格演出抽選及び大当たり演出パターン決定処理の一例の詳細フローチャートである。以下に、図27を用いて、昇格演出抽選及び大当たり演出パターン決定処理の一例について説明する。
まず、ステップS1171において、CPU131は、ステップS103で解析した変動演出開始コマンドに含まれる設定情報に基づいて、図20のステップS147の大当たり判定処理において当選した今回の大当たりが潜伏確変当たりであるか否かを判定する。ステップS1171での判定がYESの場合、処理はステップS1172に移る。一方、ステップS1171での判定がNOの場合、処理はステップS1173に移る。
ステップS1172において、CPU131は、潜伏確変当たりの演出パターンを、今回実行する大当たり演出のパターンとしてRAM133にセットする。なお、潜伏確変当たりの大当たり演出は、例えばリーチ演出に似せた演出であって、遊技者が潜伏確変当たりの演出であることを認識しない内容の演出である。その後、処理は図26のステップS118に移る。
ステップS1173において、CPU131は、ステップS103で解析した変動演出開始コマンドに含まれる設定情報に基づいて、図20のステップS147の大当たり判定処理において当選した今回の大当たりが15R確変当たりであるか否かを判定する。ステップS1173での判定がYESの場合、処理はステップS1174に移る。一方、ステップS1173での判定がNOの場合、処理はステップS1180に移る。
ステップS1174において、CPU131は、昇格の有無、昇格が有る場合その昇格の種類、昇格が有る場合昇格通知表示又は昇格期待表示のいずれを実行するかを決定する抽選を行う。具体的には、CPU131は、潜伏確変当たりを除くいずれかの大当たりから15R確変当たりに昇格させる大当たり演出を実行するか否かについて抽選する。そして、15R確変当たりに昇格させる大当たり演出を実行すると決定した場合、CPU131は、2R確変当たりから15R確変当たりに昇格させるのか、それとも、15R通常当たりから15R確変当たりに昇格させるのかを抽選する。また、15R確変当たりに昇格させると決定した場合、CPU131は、昇格を遊技者に通知する表示(図4(C)及び(E)を参照)をEL画面60に表示させるのか、それとも、昇格を遊技者に期待させる表示(図4(D)及び(F)を参照)をEL画面60に表示させるのかを抽選する。その後、処理はステップS1175に移る。
ステップS1175において、CPU131は、ステップS1174の処理で昇格有りと決定されたか否かを判定する。ステップS1175での判定がYESの場合、処理はステップS1177に移る。一方、ステップS1175での判定がNOの場合、処理はステップS1176に移る。
ステップS1176において、CPU131は、昇格演出の無い15R確変当たりの演出パターンを、今回実行する大当たり演出のパターンとしてRAM133にセットする。その後、処理は図26のステップS118に移る。
ステップS1177において、CPU131は、ステップS1174の処理で決定された昇格の種類が、2R確変当たりから15R確変当たりに昇格する種類であるか否かを判定する。ステップS1177での判定がYESの場合、処理はステップS1178に移る。一方、ステップS1177での判定がNOの場合、処理はステップS1179に移る。
ステップS1178において、CPU131は、2R確変当たりから15R確変当たりに昇格する演出パターンを、今回実行する大当たり演出のパターンとしてRAM133にセットする。その後、処理は図26のステップS118に移る。
ステップS1179において、CPU131は、15R通常当たりから15R確変当たりに昇格する演出パターンを、今回実行する大当たり演出のパターンとしてRAM133にセットする。その後、処理は図26のステップS118に移る。
一方、ステップS1180において、CPU131は、昇格期待表示を実行するか否かを決定する抽選を行う。具体的には、CPU131は、昇格を遊技者に期待させる表示(図4(D)及び(F)を参照)をEL画面60に表示させるのか否かを抽選する。その後、処理はステップS1181に移る。
ステップS1181において、CPU131は、図25のステップS103で解析した変動演出開始コマンドに含まれる設定情報に基づいて、図20のステップS147の大当たり判定処理において当選した今回の大当たりが15R通常当たりであるか否かを判定する。ステップS1181での判定がYESの場合、処理はステップS1182に移る。一方、ステップS1181での判定がNOの場合、処理はステップS1183に移る。
ステップS1182において、CPU131は、昇格演出の無い15R通常当たりの演出パターンを、今回実行する大当たり演出のパターンとしてRAM133にセットする。その後、処理は図26のステップS118に移る。
ステップS1183において、CPU131は、昇格演出の無い2R確変当たりの演出パターンを、今回実行する大当たり演出のパターンとしてRAM133にセットする。その後、処理は図26のステップS118に移る。
以上に説明したように、図26のステップS117の昇格演出抽選及び大当たり演出パターン決定処理において、CPU131は、EL画面60に昇格に関する表示(図4(C)〜(F)参照)を行うか否か等を決定し、また、昇格演出の有無等を抽選してその抽選結果に基づいた演出パターンを大当たり演出パターンとして設定する。
次に、図26のステップS118において、CPU131は、ステップS117で設定した大当たり演出パターンの大当たり演出を開始する。具体的には、CPU131は、ステップS117で設定した大当たり演出パターンの大当たり演出の開始を指示する大当たり演出開始コマンドをセットして画像音響制御部140及びランプ制御部150へ送信する。これに対して、画像音響制御部140のCPU141は、受信した大当たり演出開始コマンドに応じた大当たり演出の実行を指示する制御信号をVDP142へ出力し、VDP142の描画エンジン1424は、この制御信号によって指示された表示演出を実行するのに必要な素材データを画像用ROM148から読み出してVRAM_RS1425に格納し、その素材データを基にVRAM_FB1426にメイン画像を描画して出力回路1427を介して液晶表示器5へ出力する。これにより、液晶画面50上で大当たり演出、つまり液晶画面50による1画面表示が開始される。また、ランプ制御部150のCPU151は、受信した大当たり演出開始コマンドに応じた動作パターン及び発光パターンで可動役物7、盤ランプ8、及び枠ランプ36を作動させる。これにより、液晶画面50上で行われる大当たり演出表示と連動した音と光による演出が行われる。その後、処理はステップS119に移る。
ステップS119において、CPU131は、ステップS103によってRAM133に格納されている情報(遊技状態情報)に基づいて、パチンコ遊技機1の現在の状態が大当たり中であるか否かを判定する。ステップS119での判定がYESの場合、処理はステップSS120に移る。一方、ステップS119での判定がNOの場合、処理はステップS131に移る。
ステップS131において、CPU131は、1画面表示又は図25のステップS114による2画面表示を画像音響制御部140に継続させる。具体的には、CPU131は、液晶画面50によって1画面表示が実行されている場合その1画面表示を画像音響制御部140に継続させ、液晶画面50及びEL画面60によって図25のステップS114の処理による2画面表示(遊技状態に関する表示)が実行されている場合その2画面表示を画像音響制御部140に継続させる。その、処理はステップS132に移る。
一方、ステップS120において、CPU131は、図27のステップS1174の処理で、2R確変当たりから15R確変当たりに昇格(つまり15R昇格)する演出を実行すると決定されたか否かを判定する。ステップS120での判定がYESの場合、処理はステップS124に移る。一方、ステップS120での判定がNOの場合、処理はステップS121に移る。
ステップS121において、CPU131は、図27のステップS1174の処理で、15R通常当たりから15R確変当たりに昇格(つまり確変昇格)する演出を実行すると決定されたか否かを判定する。ステップS121での判定がYESの場合、処理はステップS123に移る。一方、ステップS121での判定がNOの場合、処理はステップS131に移る。
ステップS123において、CPU131は、RAM133に記憶されている情報に基づいて、大当たり遊技の所定ラウンド(本実施形態では7ラウンド)の実行中であるか否かを判定する。ここで、図23のステップS167の処理において、遊技制御部100は、演出制御部130に対して、大入賞口23の開放制御を開始したことを通知するコマンドを送信している。そして、演出制御部130は、このコマンドをカウントすることよって、大当たり遊技の所定ラウンドの実行中であるか否かを判定できる。ステップS123での判定がYESの場合、処理はステップS127に移る。一方、ステップS123での判定がNOの場合、処理はステップS131に移る。
ステップS123に続くステップS127において、CPU131は、情報アイコン80及びEL表示器6の位置情報に基づいて、EL表示器6を移動させる。具体的には、CPU131は、第1ステッピングモータ29及び第2ステッピングモータ30の駆動を指示するコマンドをランプ制御部150へ送信する。このコマンドには、CPU131によって算出された情報アイコン80の位置にEL表示器6を移動させるための操作情報が含まれている。CPU151は、この操作情報に基づいて第1ステッピングモータ29及び第2ステッピングモータ30の駆動を制御する。これにより、駆動機構10(図7参照)が駆動して、情報アイコン80の位置に向けてEL表示器6が自動的に移動する(図28(B)参照)。このように、ステップS123の処理に続いてステップS127の処理が行われた場合、CPU151は、CPU131によって算出された情報アイコン80の位置にEL表示器6を移動させるための制御情報に基づいてEL表示器6を移動させる。その後、処理はステップS128に移る。なお、後に説明するが、ステップS126の処理に続いてステップS127の処理が行われる場合、CPU151は、演出キー38から出力された操作情報に基づいてEL表示器6を移動させる。
ステップS128において、CPU131は、ステップS112と同様に、RAM133に記憶されているEL画面60の位置情報を更新する。その後、処理はステップS129に移る。
ステップS129において、CPU131は、ステップS113と同様に、EL画面60の位置が、EL表示器6の背面側(図1の紙面奥側)に位置する液晶画面50上の情報アイコン80をEL画面60を通して視認可能な位置であるか否かを判定する。ステップS129での判定がYESの場合、処理はステップS130に移る。一方、ステップS129での判定がNOの場合、処理はステップS131に移る。
ステップS130において、CPU131は、液晶画面50及びEL画面60による2画面表示を実行すると共にEL画面60に昇格に関する情報を表示させる指示を、画像音響制御部140に対して行う。具体的には、ステップS123の処理に続いてステップS130の処理を行う場合において、図27のステップS1174で昇格通知表示を実行すると決定された場合、CPU131は、大当たりが確変の有るものに昇格することを遊技者に通知する文字「確変昇格!!」をサブ画像としてEL画面60に表示する2画面表示(図4(C)及び図29(C)参照)の実行を指示するコマンドを画像音響制御部140へ送信する。また、ステップS123の処理に続いてステップS130の処理を行う場合において、図27のステップS1174で昇格期待表示を実行すると決定された場合、CPU131は、大当たりが確変の有るものに昇格することを遊技者に期待させる文字「確変昇格かも??」をサブ画像としてEL画面60に表示する2画面表示(図4(D))の実行を指示するコマンドを画像音響制御部140へ送信する。その後、処理は、ステップS132に移る。なお、後に説明するが、ステップS126の処理に続いてステップS130の処理を行う場合、CPU131は、大当たりが15ラウンドのものに昇格することを遊技者に通知する(又は期待させる)文字「ラウンド継続!!」(又は「ラウンド継続かも??」)をサブ画像としてEL画面60に表示する2画面表示(図4(E)及び(F)参照)の実行を指示するコマンドを画像音響制御部140へ送信する。なお、演出制御部130から画像音響制御部140へ送信されるコマンドにはEL画面60に表示させる画像を特定する表示画像情報(ここでは、昇格に関する情報)が含まれており、画像音響制御部140のCPU141は、表示画像情報及び図14の設定処理によって生成された設定情報を含む制御信号をVDP142へ出力する。これにより、メイン画像が液晶画面50に表示されると共に、表示画像情報に応じた画像がサブ画像としてEL画面60に表示される。この液晶画面50及びEL画面60を用いた2画面表示を可能にするVDP142の描画処理については後に詳述する。
一方、ステップS124において、CPU131は、RAM133に記憶されている情報に基づいて、大当たり遊技の所定ラウンド(本実施形態では2ラウンド)の実行中であるか否かを判定する。ステップS124での判定がYESの場合、処理はステップS125に移る。一方、ステップS123での判定がNOの場合、処理はステップS131に移る。
ステップS125において、CPU131は、ステップS109と同様に、ボタンランプ40(図11参照)の発光を指示する所定のコマンドをランプ制御部150へ送信して、演出キー38に内蔵されたボタンランプ40を発光させる(図30(A)参照)。このことによって、遊技者に対して演出キー38の操作によってEL表示器6の移動が可能な状態になったことが報知される。その後、処理はステップS126に移る。
ステップS126において、CPU131は、ステップS110と同様に、演出キー38から出力される操作情報の有無に基づいて、遊技者によって演出キー38が操作されたか否かを判定する。ステップS126での判定がYESの場合、処理はステップS127に移る。一方、ステップS126での判定がNOの場合、処理はステップS131に移る。
ステップS126に続くステップS127において、CPU131は、演出キー38から出力された操作情報に基づいて、EL表示器6を移動させる。具体的には、CPU131は、第1ステッピングモータ29及び第2ステッピングモータ30の駆動を指示するコマンドをランプ制御部150へ送信する。このコマンドには、演出キー38から出力された操作情報が含まれており、CPU151は、この操作情報に基づいて第1ステッピングモータ29及び第2ステッピングモータ30の駆動を制御する。これにより、駆動機構10(図7参照)が駆動して、演出キー38の操作に応じた位置へEL表示器6が移動する(図30参照)。このように、CPU151は、CPU131によって演出キー38からの操作情報の入力が受け付けられた場合に、その操作情報に基づいてEL表示器6を移動させる。その後、ステップS128及びステップS129の処理が実行される。
ステップS130において、CPU131は、液晶画面50及びEL画面60による2画面表示を実行すると共にEL画面60に昇格に関する情報を表示させる指示を、画像音響制御部140に対して行う。具体的には、ステップS126の処理に続いてステップS130の処理を行う場合において、図27のステップS1174で昇格通知表示を実行すると決定された場合、CPU131は、大当たりが15ラウンドのものに昇格することを遊技者に通知する文字「ラウンド継続!!」をサブ画像としてEL画面60に表示する2画面表示(図4(E)及び図30(C)参照)の実行を指示するコマンドを画像音響制御部140へ送信する。また、ステップS126の処理に続いてステップS130の処理を行う場合において、図27のステップS1174で昇格期待表示を実行すると決定された場合、CPU131は、大当たりが15ラウンドのものに昇格することを遊技者に期待させる文字「ラウンド継続かも??」をサブ画像としてEL画面60に表示する2画面表示(図4(F))の実行を指示するコマンドを画像音響制御部140へ送信する。その後、処理は、ステップS132に移る。
ステップS132において、CPU131は、図24のステップS178でセットされたエンディングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS132での判定がYESの場合、処理はステップS133に移る。一方、ステップS132での判定がNOの場合、処理は図25のステップS101に戻る。
ステップS133において、CPU131は、大当たり遊技の終了を遊技者に通知等するためのエンディング演出を実行する。具体的には、CPU131は、エンディング演出の実行を指示する大当たり演出終了コマンドをセットして画像音響制御部140及びランプ制御部150へ送信する。なお、潜伏確変当たりのエンディング演出は、例えばリーチ演出に似せた演出であって、遊技者が潜伏確変当たりのエンディング演出であることを認識しない内容の演出である。
以上に説明したように、演出制御部130は、画像音響制御部140及びランプ制御部150を制御して、装飾図柄変動を伴う演出を実行し、遊技状態が変化した場合は遊技者の操作入力に応じてEL表示器6を移動させて遊技状態に関する表示をEL表示器6に表示させ、大当たり演出を実行し、所定ラウンドにおいて自動で又は遊技者の操作入力に応じてEL表示器6を移動させて昇格に関する表示をEL表示器6に表示させる。
[画像音響制御部140によるコマンド実行処理]
次に、図31及び図32を用いて、画像音響制御部140によって行われるコマンド実行処理について説明する。図31は、画像音響制御部140によって行われるコマンド実行処理の一例を示すフローチャートである。図32は、液晶画面50による1画面表示が行われる際のVDP142による描画処理について説明するための図である。なお、図31以降のフローチャートに基づいて説明する画像音響制御部140で行われる処理は、制御用ROM144(図12参照)に記憶されているプログラムに基づいてCPU141自身又はCPU141が発行する命令に従って行われる。
まず、ステップS301において、画像音響制御部140のCPU141は、図25のステップS105の処理で演出制御部130から送信された演出開始コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS301での判定がYESの場合、処理はステップS302に移る。一方、ステップS301での判定がNOの場合、処理はステップS303に移る。
ステップS302において、CPU141は、演出開始コマンドに含まれている情報に基づいて、演出制御部130のCPU131が決定した変動演出(装飾図柄変動を伴う演出)を実現するための制御信号をVDP142及び音響DSP143へ出力して、液晶表示器5やスピーカ35による遊技演出を開始する。その後、処理はステップS303に移る。
ステップS303において、CPU141は、図25のステップS107の処理で演出制御部130から送信された演出終了コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS303での判定がYESの場合、処理はステップS304に移る。一方、ステップS303での判定がNOの場合、処理はステップS305に移る。
ステップS304において、CPU141は、ステップS302で開始した変動演出(装飾図柄変動を伴う演出)を終了する。その後、処理はステップS305に移る。
ステップS305において、CPU141は、図26のステップS118の処理で演出制御部130から送信された大当たり演出開始コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS305での判定がYESの場合、処理はステップS306に移る。一方、ステップS305での判定がNOの場合、処理はステップS307に移る。
ステップS306において、CPU141は、大当たり演出開始コマンドに含まれている情報に基づいて、演出制御部130のCPU131が決定した大当たり演出を実現するための制御信号をVDP142及び音響DSP143へ出力して、液晶表示器5やスピーカ35による演出を開始する。その後、処理はステップS307に移る。
ステップS307において、CPU141は、図26のステップS133の処理で演出制御部130から送信されたエンディング演出実行コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS307での判定がYESの場合、処理はステップS308に移る。一方、ステップS307での判定がNOの場合、処理はステップS309に移る。
ステップS308において、CPU141は、大当たりのエンディング演出を実現するための制御信号をVDP142及び音響DSP143へ出力して、液晶表示器5やスピーカ35によるエンディング演出を実行する。その後、処理はステップS309に移る。
ステップS309において、CPU141は、図25のステップS114、図25のステップS115、図26のステップS130、又は図26のステップS131による指示のいずれの指示が入力されるかに応じて、液晶画面50及びEL画面60の両方を用いた2画面表示を行うか否かを判定する。ステップS309での判定がYESの場合、処理はステップS311に移る。一方、ステップS309での判定がNOの場合、処理はステップS310に移る。
ステップS310において、CPU141は、メイン画像のみを描画して液晶表示器5へ出力する1画面表示をVDP142に指示するために、図14の設定処理によって生成された設定情報を含まない制御信号をVDP142へ出力する。これに応じて、VDP142の描画エンジン1424は、図32に例示するように、例えば、装飾図柄及びキャラクタを示す第1画像と、装飾図柄等の背景を示す背景画像としての第2画像と、文字画像としての第3画像とを画像用ROM148からVRAM_RS1425に読み出して、これらの画像を合成した画像であるメイン画像を第1フレームバッファ1426A(又は第2フレームバッファ1426B)に描画し、出力回路1427は、第1フレームバッファ1426A(又は第2フレームバッファ1426B)からメイン画像を読み出して液晶表示器5へ出力する。その後、処理はステップS301に戻る。
一方、ステップS311において、CPU141は、メイン画像及びサブ画像を描画して液晶表示器5及びEL表示器6へ出力する2画面表示をVDP142に指示するために、図25のステップS114又は図26のステップS130で生成された表示画像情報、及び図14の設定処理によって生成された設定情報を含む制御信号をVDP142へ出力する。これにより、変動演出画像や大当たり演出画像が液晶画面50に表示されると共に、遊技状態や昇格に関連する表示がEL画面60に表示される。
[2画面表示のための描画処理]
1画面表示のためにVDP142によって行われる描画処理は、図32を用いて上述した通りである。以下では、図33〜図36を用いて、2画面表示のためにVDP142によって行われる描画処理について詳細に説明する。ここで、図33は、2画面表示のためにVDP142によって行われる描画処理の一例を示すフローチャートである。図34は、分割数SNが「0」に設定されている場合にVDP142によって行われる描画処理について説明するための図である。図35は、分割数SNが「4」に設定されている場合にVDP142によって行われる描画処理について説明するための図である。図36は、出力回路1427による分割画像の出力処理について説明するための図である。なお、図33以降のフローチャートに基づいて説明するVDP142で行われる描画処理は、制御用ROM144に記憶されているプログラムに基づいてCPU141が生成する制御信号に基づいて行われる。また、以下の説明では、第1フレームバッファ1426A及び第2フレームバッファ1426Bのうち、第1フレームバッファ1426Aを使用して描画処理が行われる場合を例に説明するが、第2フレームバッファ1426Bを使用した描画処理も第1フレームバッファ1426Aを使用した描画処理と同様に行われる。
CPU141から設定情報を含む制御信号がVDP142に入力されると、まず、図33のステップS401において、描画エンジン1424は、メイン画像及びサブ画像の描画処理に使用するフレームバッファを選択する。具体的には、描画エンジン1424は、第1フレームバッファ1426A及び第2フレームバッファ1426Bのうち、液晶表示器5とEL表示器6へ画像を出力しているフレームバッファを特定して、画像を出力していない方のフレームバッファを今回のフレームの描画処理に使用するフレームバッファとして選択する。その後、処理はステップS402に移る。
ステップS402において、描画エンジン1424は、ステップS401で第1フレームバッファ1426Aが選択された場合、液晶表示器5に表示されるメイン画像を第1フレームバッファ1426Aに描画し、ステップS401で第1フレームバッファ1426Bが選択された場合、液晶表示器5に表示されるメイン画像を第1フレームバッファ1426Bに描画する。以下では、ステップS402において、液晶表示器5に表示されるメイン画像が第1フレームバッファ1426Aに描画された場合について説明を行う。この処理によって、例えば、装飾図柄及びキャラクタを示す第1画像と、装飾図柄等の背景を示す背景画像としての第2画像と、文字画像としての第3画像とを画像用ROM148からVRAM_RS1425に読み出して、これらの画像を合成した画像であるメイン画像を第1フレームバッファ1426Aに描画する(図32参照)。その後、処理はステップS403に移る。
ステップS403において、描画エンジン1424は、演出制御部130から送信された表示画像情報に基づいて、サブ画像としてEL画面60に表示すべきサブ画像を決定して生成する。具体的には、画像用ROM148には、現在の遊技状態を通知又は示唆する表示内容(図4(A)及び(B)参照)、及び大当たりの昇格を通知又は示唆する表示内容(図4(C)〜(F)参照)を示すサブ画像情報が記憶されており、描画エンジン1424は、演出制御部130から送信された表示画像情報に対応するサブ画像を画像用ROM148からVRAM_RS1425に読み出す。その後、処理はステップS405に移る。
ステップS405において、描画エンジン1424は、CPU141から出力された制御信号に図14のステップS10の処理によって設定された縮小倍率を示す情報が設定情報として含まれているか否かに基づいて、縮小倍率が設定されているか否かを判定する。ステップS405での判定がYESの場合、処理はステップS406に移る。一方、ステップS405での判定がNOの場合、処理はステップS407に移る。
ステップS406において、描画エンジン1424は、制御信号から抽出した縮小倍率を示す情報に基づいて、ステップS403の処理で生成されたサブ画像に対して縮小処理を行う。例えば縮小倍率が「0.5」に設定されている場合、描画エンジン1424は、垂直画素数L3が例えば「480」で水平画素数C3が「640」のサブ画像から垂直画素数L3が「240」(=480×0.5)で水平画素数C3が「320」(=640×0.5)のサブ画像を生成する。その結果、分割したとしても空き領域に描画できなかったサブ画像の描画が可能となる。その後、処理はステップS407に移る。
ステップS407において、描画エンジン1424は、CPU141から出力された制御信号に含まれている分割数SNが「0」であるか否かを判定する。ステップS407での判定がYESの場合、VRAM_RS1425内のサブ画像を分割することなく第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画することができるので、処理はステップS408に移る。一方、ステップS407での判定がNOの場合、VRAM_RS1425内のサブ画像を分割して第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画する必要があるので、処理はステップS413に移る。
ステップS408において、描画エンジン1424は、サブ画像を分割せず空き領域に描画する。その後、処理はステップS409に移る。図34には、サブ画像が分割されることなく第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画される例が示されている。図34に例示するように、垂直画素数L2が「600」で水平画素数C2が「800」のメイン画像に対して上述した例とは異なり垂直画素数L1が「840」で水平画素数C1が「1120」であるフレームバッファが用意されている場合、そのフレームバッファの空き領域の最低垂直画素数L4は「240」(=840−600)で、最低水平画素数C4は「320」(=1120−800)である。このような空き領域に垂直画素数L3が「240」であり水平画素数C3が「320」であるサブ画像を描画する場合、サブ画像の垂直画素数L3が最低垂直画素数L4と等しく、且つ水平画素数C3が最低水平画素数L4と等しいので、サブ画像の分割は不要である。このような場合に分割数SNが「0」に設定され、描画エンジン1424は、サブ画像を分割することなく第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画する。
ステップS409において、描画エンジン1424は、第2フレームバッファ1426Bに格納されている前のフレームの画像を表示する処理が完了して、ステップS402及びS408の処理で第1フレームバッファ1426Aに描画した次のフレームの画像を表示するタイミングになったか否かを判定する。ステップS409での判定がYESの場合、処理はステップ410に移る。一方、ステップS409での判定がNOの場合、ステップS409の処理が繰返されて待機状態となる。
ステップS410において、出力回路1427は、図34に示すように、メイン画像を第1フレームバッファ1426Aから読み出して液晶表示器5へ出力する。その後、処理はステップS411に移る。
ステップS411において、出力回路1427は、図34に示すように、サブ画像を第1フレームバッファ1426Aから読み出してEL表示器6へ出力する。その後、処理はステップS401に戻り、次のフレームに対してステップS401以降の処理が行われる。
一方、ステップS413において、描画エンジン1424は、ステップS403の処理でVRAM_RS1425に生成したサブ画像、又はステップS406の処理で縮小したサブ画像を、分割画像として第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画する。図35には、分割数SNが「4」であり、垂直画素数L3が「240」で水平画素数C3が「320」であるサブ画像が4個の分割画像(図16(C)参照)に対して分割画像サイズSSが120×160(垂直画素数×水平画素数)に設定されている場合に(図16(C)の右側の図を参照)、第1フレームバッファ1426Aにメイン画像を描画した場合に生じた空き領域に対して、サブ画像が4個の分割画像として描画される様子が示されている。サブ画像の分割が必要であるとCPU141によって予め判定されている場合、描画エンジン1424は、図35に例示するように、サブ画像を複数の領域に分割して得られる分割画像(ここでは4個の分割画像)として第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画する。このように、描画エンジン1424は、CPU141によって分割が必要であると判定されて分割画像サイズSS及び分割数SNが予め設定されている場合、その設定に基づいてサブ画像を分割画像として第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画する。その後、処理はステップS414に移る。
ステップS414において、描画エンジン1424は、ステップS402及びS413の処理で第1フレームバッファ1426Aに描画した次のフレームの画像を表示するタイミングになったか否かを判定する。ステップS414での判定がYESの場合、処理はステップS415に移る。一方、ステップS414での判定がNOの場合、ステップS414の処理が繰返されて待機状態となる。
ステップS415において、出力回路1427は、図35に示すように、メイン画像を第1フレームバッファ1426Aから読み出して液晶表示器5に出力する。その後、処理はステップS416に移る。
ステップS416において、描画エンジン1424は、ステップS405と同様に、CPU141からの制御信号に縮小倍率を示す情報が含まれているか否かに基づいて、縮小倍率が設定されているか否かを判定する。ステップS416での判定がYESの場合、処理はステップS418に移る。一方、ステップS416での判定がNOの場合、処理はステップS417に移る。
ステップS417において、出力回路1427は、分割画像を第1フレームバッファ1426Aから読み出して、サブ画像としてEL表示器6に出力する。その後、処理はステップS401に戻り、次のフレームに対してステップS401以降の処理が行われる。
ところで、メイン画像は、液晶画面50を構成する画素(カラー液晶素子52)と同じ配列で第1フレームバッファ1426Aに格納されている。このため、メイン画像を構成する各画素データに関しては、そのままの順番で液晶表示器5に出力すればよい。また、サブ画像が縮小や分割されることなく第1フレームバッファ1426Aに描画された場合(図34参照)、このサブ画像は、EL画面60を構成する画素と同じ配列で第1フレームバッファ1426Aに格納されている。このため、このサブ画像を構成する各画素データに関しては、そのままの順番でEL表示器6に出力すればよい。
これに対して、サブ画像が分割画像として第1フレームバッファ1426Aに描画された場合(図35参照)、このサブ画像は、EL画面60を構成する画素とは異なる配列で第1フレームバッファ1426Aに格納されている。そこで、サブ画像がEL画面60に正しく表示されるように、出力回路1427は、サブ画像を構成する各画素データが本来出力されるべき所定の順序で出力されるように、分割画像を構成する各画素データを読み出す。例えば図35に例示された配列で4個の分割画像が第1フレームバッファ1426Aに格納されている場合、出力回路1427は、図36に示すように、サブ画像の左上方の領域と同じ表示内容を示す第1分割画像に対して、水平方向12に1ライン分の画素データを読み出して出力する処理と、サブ画像の右上方の領域と同じ表示内容を示す第2分割画像に対して、水平方向12に1ライン分の画素データを読み出して出力する処理とを交互に繰り返す。これにより、サブ画像の上半分に対応する画素データが出力されたことになる。続いて、サブ画像の左下方の領域と同じ表示内容を示す第3分割画像に対して、水平方向12に1ライン分の画素データを読み出して出力する処理と、サブ画像の右下方の領域と同じ表示内容を示す第4分割画像に対して、水平方向12に1ライン分の画素データを読み出して出力する処理とを交互に繰り返す。これにより、分割画像の下半分に対応する画素データが出力されたことになる。
このように、出力回路1427は、サブ画像が分割画像として描画された場合であってもそのサブ画像が正しくEL画面60に表示されるように、分割画像の読み出しを行う。
一方、ステップS418において、描画エンジン1424は、分割画像を拡大してから、サブ画像としてEL表示器6に出力する。具体的には、縮小倍率の逆数を拡大倍率として第1フレームバッファ1426A内の各分割画像に対して拡大処理を行い、拡大処理された分割画像を出力回路1427に出力させる。その結果、EL画面60の画面解像度と同じ画素数のサブ画像が出力される。例えば縮小倍率が「0.5」に設定されている場合、描画エンジン1424は、拡大倍率2倍(=1/0.5)に設定する。そして、第1フレームバッファ1426Aに格納されている各分割画像をVRAM_RS上で2倍に拡大して、拡大処理した各分割画像を、サブ画像として出力回路1427に出力させる。その後、処理はステップS401に戻り、次のフレームに対してステップS401以降の処理が行われる。
[本実施形態の作用効果]
以上に説明したように、本実施形態によれば、EL表示器6が移動可能に構成され、EL表示器6が液晶画面50に表示された情報アイコン80をEL画面60を通して視認可能な位置へ移動したときに、パチンコ遊技機1の遊技状態や大当たりの昇格に関する表示内容を示すサブ画像がEL画面60に表示される。例えば、遊技に不慣れな遊技者が遊技状態を知りたい場合、EL表示器6を情報アイコン80上に移動させることによって「時短中です」というEL画面60による表示が行われ、遊技者は時短遊技状態であることを明確に知ることができる。また例えば、遊技者が潜伏確変遊技状態ではないかと思った場合、EL表示器6を情報アイコン80上に移動させることによって「潜伏状態かも??」というEL画面60による表示が行われ、遊技者は潜伏確変遊技状態であることを期待して高揚する。また例えば、大当たり遊技中において、EL表示器6が情報アイコン80上に自動的に移動して「確変昇格!!」や「確変昇格かも??」というEL画面60による表示が行われ、遊技者は通常の大当たりが確変の大当たりに昇格することを知って(又は期待して)高揚する。また例えば、大当たり遊技中において、遊技者がEL表示器6を情報アイコン80上に移動させることによって「ラウンド継続!!」や「ラウンド継続かも??」というEL画面60による表示が行われ、遊技者は2R大当たりが15R大当たりに昇格することを知って(又は期待して)高揚する。このように、それぞれ別の画像表示器に表示された画像を重ねて表示する2画面表示によって興趣性が高い効果的な情報提示や表示演出を行うことができ、遊技者による遊技が単調になるのを効果的に防止することができる。
また、本実施形態によれば、サブ画像が第1フレームバッファ1426A又は第2フレームバッファ1426Bの空き領域に収まるように分割された状態で描画される。このため、必要以上に容量が大きいフレームバッファを設けることなく、液晶画面50に表示されるメイン画像、及びEL画面60に表示されるサブ画像を1個の描画手段(本実施形態では描画エンジン1424)によって1個のフレームバッファ(第1フレームバッファ1426A又は第2フレームバッファ1426B)に描画することができる。したがって、液晶表示器5及びEL表示器6を備えることによる製造コストの上昇を最低限に抑えることができる。
また、特別図柄等を表示する液晶表示器5とは別の画像表示器(例えばEL表示器6)を追加した遊技機を製造する場合、EL表示器6の画面解像度(=サブ画像の垂直画素数×水平画素数)は、どのような画面解像度のEL表示器6が追加されるかによって大きく異なる。本実施形態によれば、サブ画像が第1フレームバッファ1426A又は第2フレームバッファ1426Bの空き領域に収まるように分割画像サイズSS及び分割数SNが算出されて、その算出結果に基づいてサブ画像が分割画像として描画される。このため、液晶画面50又はEL画面60の画面解像度が変化したとしても、第1フレームバッファ1426A又は第2フレームバッファ1426Bへの描画処理を適切に行うことができる。
また、本実施形態によれば、メイン画像を描画した後の第1フレームバッファ1426A(又は第2フレームバッファ1426B)の空き領域にサブ画像を分割しなければ描画できない場合にのみサブ画像が分割画像として描画され、分割が不要な場合にはサブ画像が空き領域にそのまま描画される(図30参照)。このため、第1フレームバッファ1426A又は第2フレームバッファ1426Bの空き領域に対するサブ画像のサイズに応じた適切な描画処理を行うことができる。
[変形例]
図37は、駆動機構10の変形例について説明するための図である。上記した実施形態においては、昇降駆動機構200及びスライド駆動機構220からなる駆動機構10によってEL表示器6が移動する場合について説明した。しかし、EL表示器6は、他の駆動機構によって移動するものであってもよい。例えば、図37(A)に例示するように、基台601に対して軸605を介して回動可能に連結されたアーム602と、アーム602に対して軸606を介して回動可能に連結されたアーム603と、アーム603に対して軸607を介して回動可能に連結されると共にEL表示器6が固定されたアーム604とを備える駆動機構を用いてもよい。
また、図37(B)に例示するように、アーム701の先端に固定された透明ELディスプレイ700が軸702を中心に回動することによって透明ELディスプレイ700が移動する駆動機構を用いてもよい。この場合、駆動機構10に比べて駆動機構の構成が簡素であるため、パチンコ遊技機1の製造コストを更に低減させることができる。
また、上記した実施形態では、CPU141が分割画像サイズSS及び分割数SNを算出する算出手段として機能する場合について説明したが、パチンコ遊技機1は、必ずしも算出手段を備えている必要はない。例えば、分割画像サイズSS及び分割数SNは、設定処理によって算出される代わりに例えば予め制御用ROM144に記憶されていてもよい。
また、上記した実施形態では、パチンコ遊技機1がサブ画像の分割が必要か否かを判定する分割判定手段(上記実施形態ではCPU141)を備えている場合について説明したが、例えば分割が必要であることが明らかである場合等には、分割が必要か否かの判定処理を行うことなくサブ画像を分割画像として描画するようにしてもよい。すなわち、本発明の遊技機は、必ずしも分割判定手段を備えている必要はない。
また、上記した実施形態では、1個の描画エンジン1424がメイン画像及びサブ画像の両方の描画処理を行う場合について説明したが、メイン画像の描画処理を行う描画エンジンとは別の描画エンジンによってサブ画像の描画処理を行うようにしてもよい。
また、上記した実施形態では、光センサ56の検知結果に基づいてEL画面60の位置を検出する場合について説明したが、これに代えて、第1ステッピングモータ29、及び第2ステッピングモータ30のステップ数に基づいて、EL画面60の位置を検出するようにしてもよい。また、液晶表示器5のバックライトからEL表示器6へ向けて可視光及び紫外光を出射させると共に、EL表示器6のフレーム61からの反射光のうち、紫外光のみを光センサ56側へ透過させるUV透過フィルタを備える構成を採用して、光センサ56による紫外光の受光結果に基づいてEL表示器6の位置検出を行ってもよい。この場合、不可視光を用いてセンシングが行われるので、ホール照明等の可視光による外乱の影響を低減して、EL表示器6の位置検出の精度を向上させることができる。
また、第1ステッピングモータ29及び第2ステッピングモータ30のステップ数に基づいてEL画面60の位置を検出する場合、上記した実施形態のように液晶画面50に表示される情報アイコン80上にEL画面60が位置した場合に遊技状態や昇格に関する情報をEL画面60に表示させるのではなく、遊技盤2に配置された所定の役物(例えば可動役物7:図8参照)上にEL画面60が位置した場合に遊技状態や昇格に関する情報をEL画面60に表示させてもよい。
また、上記した実施形態では、遊技状態に関するEL画面60の表示は遊技者による指示操作によって行われ、確変昇格に関するEL画面60の表示は自動で行われ、15R昇格に関するEL画面60の表示は遊技者による指示操作によって行われた。しかし、これらのEL画面60による表示は、全て自動で行われてもよいし、全て遊技者による指示操作によって行われてもよい。また、これらのEL画面60による表示のいずれが、自動で行われてもよいし、遊技者による指示操作によって行われてもよい。
また、上記した実施形態では、情報アイコン80上にEL画面60が位置した場合に、遊技状態又は昇格に関する情報がEL画面60に表示された。しかし、情報アイコン80の代わりに遊技状態アイコンと昇格アイコンとを液晶画面50に表示させ、遊技状態アイコン上にEL画面60が位置した場合に遊技状態に関する情報がEL画面60に表示され、昇格アイコン上にEL画面60が位置した場合に昇格に関する情報がEL画面60に表示されてもよい。
また、上記した実施形態では、情報アイコン80上にEL画面60が位置した場合に、遊技状態又は昇格に関する情報がEL画面60に表示された。しかし、液晶画面50に表示された所定のオブジェクト上にEL画面60が位置した場合に、遊技状態又は昇格に関する情報がEL画面60に表示されてもよい。例えば、液晶画面50に表示された移動する所定のキャラクタやアイテム上にEL画面60が位置した場合に、遊技状態又は昇格に関する情報がEL画面60に表示されてもよい。
また、上述したパチンコ遊技機1に設けられている各構成要素の形状、数、および設置位置等は、単なる一例に過ぎず他の形状、数、および設置位置であっても、本発明の範囲を逸脱しなければ本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述した処理で用いられている数値等は、単なる一例に過ぎず他の数値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
以上、本発明を実施形態を用いて詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義も含めて)が優先する。