JP2008063465A - 水性塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐水性、防食性に優れる塗膜を形成し得る、特に金属面への塗装に好適な水性塗料組成物を提供する。
【解決手段】ポリエポキシ化合物(a)とアミン化合物(b)との反応によって得られる末端にアミノ基を有するエポキシプレポリマー(I)と、カルボキシル基含有ジオール(c)を含む1分子中に活性水素基を2つ以上含有する化合物(d)とポリイソシアネート化合物(e)との反応により得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(II)との反応によって得られるポリウレタン樹脂(A)の水性分散体、及び架橋剤(B)を含有することを特徴とする水性塗料組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐水性、耐食性に優れる塗膜を形成し得る、特に金属面への塗装に好適な水性塗料組成物に関する。
従来、建設機械や外装用途に用いる塗料として、溶剤型エポキシ樹脂塗料や溶剤型ウレタン樹脂塗料が使用されている。しかし近年においては、塗料分野全般において、省資源、環境衛生、無公害、非危険物化等の観点から、溶剤型の塗料から水性型の塗料への転換が進められており、耐水性、耐食性の付与を目的とした塗料においても、水性型塗料への転換が強く求められている。このような中、エポキシ樹脂塗料の水性化が試みられているが、エポキシ樹脂を水性化する場合には、乳化剤を使用する、若しくは樹脂骨格中に親水性基を導入する方法が一般的であり、該方法においては溶剤型に比べて硬化膜の耐水性、耐食性、金属素材への付着性が低下する等、水性塗料用途においてはこれらの諸性能を十分満足するものが得られていないのが現状である。
かかるエポキシ樹脂の水性化に伴う耐水性、耐食性の低下を補う手法として、特許文献1では、エポキシ樹脂及び脂肪酸を必須成分として縮合させて得られる縮合物の存在下で、これらと反応し得る酸基含有単量体を含むビニル化合物の混合物をグラフト重合させ、得られたグラフト重合体中の酸基の少なくとも一部を中和した後に、水中に分散させたビニル変性エポキシエステル系樹脂の水分散体とこれを含有する水性塗料組成物が提案されている。この方法では、耐食性の向上はみられるものの、乾燥に時間を要し、また耐水性が十分とは言い難い。
また耐食性の付与を目的とした水性塗料として、特許文献2では、1,4−シクロヘキサンジメタノールをポリオール成分に使用することを特徴とした防錆用水系ポリウレタン樹脂を含有する水性塗料組成物が開示されている。しかしながらこの方法では、耐食性の向上は見られるものの、高度な耐食性を要求される分野では十分とは言い難い。
特開2003−119245号公報 特開2004−256790号公報
本発明の目的は、上記不具合を解消し、高度の耐食性、耐水性を有する塗膜を形成し得る水性塗料組成物を提供することにある。
本発明は、ポリエポキシ化合物(a)とアミン化合物(b)との反応によって得られる末端にアミノ基を有するエポキシプレポリマー(I)と、カルボキシル基含有ジオール(c)を含む1分子中に活性水素基を2つ以上含有する化合物(d)とポリイソシアネート化合物(e)との反応により得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(II)との反応によって得られるポリウレタン樹脂(A)の水性分散体、及び架橋剤(B)を含有することを特徴とする水性塗料組成物、該水性塗料組成物を塗装することを特徴とする塗膜形成方法、及び該塗膜形成方法により形成される塗装物品に関する。
本発明の水性塗料組成物によれば、特定のエポキシプレポリマーとウレタンプレポリマーとをウレア結合を介して複合樹脂としたポリウレタン樹脂の水性分散体と架橋剤を含有することによって、成膜性、付着性に優れ、高度の耐食性、耐水性を有する塗膜を形成することが可能となる。
水性塗料組成物
ポリウレタン樹脂(A)の水性分散体
本発明においてエポキシプレポリマー(I)は、末端にアミノ基を有し、ポリエポキシ化合物(a)とアミン化合物(b)との反応によって得られるものである。
ポリエポキシ化合物(a)は、1分子中に2つ以上エポキシ基を有する化合物であり、例えば、ビスフェノールAやビスフェノールFなどのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、ポリグリコール型エポキシ樹脂、これらのエポキシ樹脂をアルキルフェノール及び脂肪酸から選ばれる少なくとも1種の変性剤によって変性してなる変性エポキシ樹脂;アルキルフェノール又はアルキルフェノールノボラック型樹脂とエピクロルヒドリンとを反応させてなるエポキシ基導入アルキルフェノール又はアルキルフェノールノボラック型樹脂;二塩基酸変性エポキシ樹脂、二塩基酸及びカルボキシル基含有フェノールで変性したエポキシ樹脂などを挙げることができる。
アミン化合物(b)は、1級アミノ基を有する化合物であり、例えばプロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン等の脂肪族アミン;ベンジルアミン、アニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン等の芳香族アミン;シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂環式アミンなどを挙げることができる。
またアミン化合物(b)として、高反応性の活性水素基をポリウレタン樹脂(A)中に残す場合には、アルカノールアミンを用いることができる。該アルカノールアミンとしては、例えばモノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン等を挙げることができる。
さらにアミン化合物(b)として、形成塗膜の耐水性等向上の点から、アミノシランを用いることができる。該アミノシランは、1分子中にアミノ基及びアルコキシシリル基を含有するものであり、その具体例としては、例えばγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
上記エポキシプレポリマー(I)の製造は、特に限定されることなく従来公知の手法が採用でき、通常、50〜250℃で1〜24時間加熱することにより行われる。上記(a)及び(b)成分の使用割合は種々変えることができるが、(a)成分中のエポキシ基と(b)成分中のアミノ基との当量比が一般に1:0.5〜1:2、好ましくは1:0.5〜1:0.9になるようにするのが望ましい。
このように製造されたエポキシプレポリマー(I)は、数平均分子量が500〜10000、好ましくは1000〜8000であることが、合成時の粘度制御や形成塗膜の耐食性等の点から好適である。ここで数平均分子量は計算値であり、上記(a)成分のモル数をM、分子量をmとし、(b)成分のモル数をN、分子量をnとしたときに以下の計算式によって算出されるものである。
数平均分子量={M×m/(M−N)}+{N×n/(M−N)}
本発明においてウレタンプレポリマー(II)は、末端にイソシアネート基を有し、カルボキシル基含有ジオール(c)を含む1分子中に水酸基を2つ以上含有する化合物(d)とポリイソシアネート化合物(e)との反応により得られるものである。
カルボキシル基含有ジオール(c)としては、例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸及びこれ等を縮合したポリエステルポリオールまたはポリエーテルポリオールなどが挙げられる。これ等に12−ヒドロキシステアリン酸、パラオキシ安息香酸、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオン酸、サリチル酸等のヒドロキシカルボン酸を併用することもできる。
化合物(d)は、上記カルボキシル基含有ジオール(c)を含むものであり、さらに必要に応じて該(c)以外の1分子中に少なくとも2個以上の水酸基を有する化合物を併用できる。例えば、低分子量グリコール類、高分子量グリコール類、ポリエステルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類等を単独又は2種類以上併用できる。
低分子量グリコール類としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、オクタンジオール、トリシクロデカンジメチロール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどがあり、これ等は単独または2種以上混合して使用しても良い。
高分子量グリコール類としては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリカーボネートグリコールなどが挙げられ、ポリエステルポリオール類としては、グリコール成分とジカルボン酸成分を反応させたものが挙げられ、公知の方法で容易に製造でき、エステル化反応に限らず、エステル交換反応によっても製造できる。またε−カプロラクトン等の環状エステル化合物の開環反応によって得られるポリエステルジオール及びこれ等の共縮合ポリエステルも含むことができる。
上記化合物(d)は、形成塗膜の耐食性向上の点から、その成分の少なくとも一部としてビスフェノール骨格含有ジオール化合物(f)を含むことができる。
上記ビスフェノール骨格含有ジオール化合物(f)としては、例えばビスフェノール類のエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。ビスフェノール類としては、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどが挙げられる。
上記ビスフェノール骨格含有ジオール化合物(f)を用いる場合には、化合物(d)中における含有割合が10〜98重量%、好ましくは50〜95重量%であることが好適である。
また上記化合物(d)は、形成塗膜の乾燥性、硬化性、耐水性等向上の点から、その成分の少なくとも一部として、1分子中に活性水素基を2つ以上含有する脂肪酸エステル(g)を含むことができる。
上記脂肪酸エステル(g)は、通常、エステル結合を介して脂肪酸に由来する構造単位を有するものであり、低分子量のものから高分子量のものまで特に制限なく、本発明の水性樹脂組成物の用途等に応じて適宜選択することが可能である。
例えば脂肪酸エステル(g)として、まずグリセリンモノ脂肪酸エステルが使用できる。該グリセリンモノ脂肪酸エステルには、例えばグリセリンモノラウレート、グリセリンモノオレート、グリセリンモノステアレートなどが挙げられ、さらにグリセリンと炭素数10以上の脂肪酸とのエステル化反応、油脂とグリセリンとのエステル交換反応などにより得られるものが挙げられる。またグリシドールと脂肪酸との反応生成物であってもよい。該グリセリンモノ脂肪酸エステルは、本発明の水性塗料組成物を建築外装上塗り塗料や金属建材に塗布される下塗り塗料、その他金属面に塗られる1コート仕上げ塗料など、耐候性、防食性、耐水性、速乾性、仕上り性等が求められる用途において使用する場合、脂肪酸エステル(g)として好適に選択され得るものである。
上記脂肪酸としては、炭化水素鎖の末端にカルボキシル基が結合した構造を有しているものが挙げられ、例えば、乾性油脂肪酸、半乾性油脂肪酸、不乾性油脂肪酸を挙げることができる。乾性油脂肪酸及び半乾性油脂肪酸は、厳密に区別できるものではないが、通常、乾性油脂肪酸はヨウ素価が130以上の不飽和脂肪酸であり、半乾性油脂肪酸はヨウ素価が100以上かつ130未満の不飽和脂肪酸である。他方、不乾性油脂肪酸は、通常、ヨウ素価が100未満である脂肪酸である。
乾性油脂肪酸及び半乾性油脂肪酸としては、例えば、魚油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、亜麻仁油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、ケシ油脂肪酸、エノ油脂肪酸、麻実油脂肪酸、ブドウ核油脂肪酸、トウモロコシ油脂肪酸、トール油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、クルミ油脂肪酸、ゴム種油脂肪酸、ハイジエン酸脂肪酸等が挙げられ、また、不乾性油脂肪酸としては、例えば、ヤシ油脂肪酸、水添ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。さらに、これらの脂肪酸は、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等と併用することができる。
グリセリンと上記脂肪酸との反応は、グリセリン中の水酸基と脂肪酸中のカルボキシル基との当量比が1:0.17〜1:0.5、好ましくは1:0.23〜1:0.43の範囲内となる割合で混合し、通常、エステル化触媒の存在下に、約100〜約180℃の温度で約0.5〜約10時間加熱することにより行うのが適している。エステル化触媒としては、例えば、硫酸、硫酸アルミニウム、硫酸水素カリウム、アルキル置換ベンゼン、塩酸、硫酸メチル、リン酸等が挙げられる。一方、油脂(脂肪酸のトリグリセライド)とグリセリンとの反応は、通常、酢酸亜鉛、リサージ、ジブチル錫オキサイド、ナフテン酸カルシウムなどのエステル交換反応触媒の存在下でそれ自体既知の方法により好適に行うことができる。
また脂肪酸エステル(g)として、1分子中にエポキシ基を2つ以上含有するエポキシ樹脂と脂肪酸との反応生成物が使用できる。該エポキシ樹脂と脂肪酸との反応生成物は、2級の水酸基を有するものであり、本発明の水性塗料組成物を建築外装上塗り塗料や金属建材に塗布される下塗り塗料、その他金属面に塗られる1コート仕上げ塗料など、耐候性、防食性、耐水性、速乾性、仕上り性等が求められる用途において使用する場合、脂肪酸エステル(g)として好適に選択され得るものである。特にエポキシ樹脂としてビスフェノールAのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を用いる場合には、高防食性が求められる下塗り塗料の用途に適する。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールAやビスフェノールFなどのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、ポリグリコール型エポキシ樹脂、これらのエポキシ樹脂をアルキルフェノール及び脂肪酸から選ばれる少なくとも1種の変性剤によって変性してなる変性エポキシ樹脂;アルキルフェノール又はアルキルフェノールノボラック型樹脂とエピクロルヒドリンとを反応させてなるエポキシ基導入アルキルフェノール又はアルキルフェノールノボラック型樹脂;二塩基酸変性エポキシ樹脂、二塩基酸及びカルボキシル基含有フェノールで変性したエポキシ樹脂などを挙げることができる。エポキシ樹脂の重量平均分子量は約200〜約3,000の範囲内、好ましくは約300〜約2,000の範囲内であることが好適である。ここで重量平均分子量は、溶媒としてテトラヒドロフランを使用し、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィにより測定した重量平均分子量をポリスチレンの重量平均分子量を基準にして換算したときの値である。ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ装置には「HLC8120GPC」(東ソー株式会社製、商品名)が使用でき、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィに用いるカラムとしては、「TSKgel G−4000H×L」、「TSKgel G−3000H×L」、「TSKgel G−2500H×L」、「TSKgel G−2000H×L」(いずれも東ソー株式会社製、商品名)などを挙げることができる。
上記脂肪酸としては、前記グリセリンモノ脂肪酸エステルの説明で列記したものの中から適宜選択して使用することができる。
上記エポキシ樹脂と脂肪酸との反応は、エポキシ樹脂中のエポキシ基と脂肪酸中のカルボキシル基との当量比が1:0.6〜1:1.4、好ましくは1:0.8〜1:1.2の範囲内となる割合で混合し、例えばエポキシ基/カルボキシル基反応触媒の存在下で通常1〜10時間程度加熱反応させればよい。エポキシ基/カルボキシル基反応触媒としては、例えば、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルフォスフォニウムブロマイド、トリフェニルベンジルフォスフォニウムクロライド等の4級塩触媒;トリエチルアミン、トリブチルアミン等のアミン類等を挙げることができる。また反応温度は、120〜150℃程度が適当である。
脂肪酸エステル(g)としては、さらに1分子中にカルボキシル基を2つ以上含有する化合物と長鎖炭化水素基を含有するモノエポキシ化合物との反応生成物が使用できる。該反応生成物は、2級の水酸基を有するものであり、本発明の水性塗料組成物を金属面に塗られる1コート仕上げ塗料など、耐水性や仕上り性等が求められる用途において使用する場合、脂肪酸エステル(g)として好適に選択され得るものである。
上記の1分子中にカルボキシル基を2つ以上含有する化合物としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4−ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4´−ジカルボン酸、ヘット酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロトリメリット酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、リンゴ酸、クエン酸などの多価カルボン酸及びこれらの酸無水物が挙げられ、これらは単独で又は2種以上組合せて使用することができる。
上記の長鎖炭化水素基を含有するモノエポキシ化合物は、炭素数4以上、好ましくは炭素数6〜20の鎖状もしくは環状の炭化水素基を有するモノエポキシド化合物であり、具体例としては、例えば、ピバル酸グリシジルエステル、ヘキサン酸グリシジルエステル、シクロヘキサンカルボン酸グリシジルエステル、2−エチルヘキサン酸グリシジルエステル、イソノナン酸グリシジルエステル、デカン酸グリシジルエステル、ウンデカン酸グリシジルエステル、ラウリン酸グリシジルエステル、ミリスチン酸グリシジルエステル、パルミチン酸グリシジルエステル、ステアリン酸グリシジルエステル、カージュラE10(ジャパンエポキシレジン社製、ネオデカン酸モノグリシジルエステル)などのグリシジルエステル;ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル;スチレンオキシド、AOEX24(ダイセル化学工業製、α−オレフィンモノエポキシド混合物)などのα−オレフィンモノエポキシド等が挙げられる。また、上記炭素数4以上の炭化水素基は、例えば、水酸基などの置換基を有していてもよく、かかる置換基を有する炭化水素基を有するモノエポキシド化合物としては、具体的には、例えば、1,2−エポキシオクタノール、ヒドロキシオクチルグリシジルエーテルなどを挙げることができる。これらは単独で又は2種以上組合せて使用することができる。
上記カルボキシル基含有化合物とモノエポキシ化合物との反応は、前者中のカルボキシル基と後者中のエポキシ基との当量比が1:0.6〜1:1.4、好ましくは1:0.8〜1:1.2の範囲内となる割合で混合し、例えばエポキシ基/カルボキシル基反応触媒の存在下で通常1〜10時間程度加熱反応させればよい。エポキシ基/カルボキシル基反応触媒としては、前述の中から適宜選択して使用できる。
脂肪酸エステル(g)としては、さらに環状カーボネート化合物と脂肪酸アミンとの反応生成物が使用できる。該反応生成物は、ウレタン結合を有するので貯蔵時の加水分解性に優れ、脂肪酸エステル(g)として好適に選択され得るものである。
上記環状カーボネート化合物は、1分子当たりに少なくとも1つの環状カーボネート基を含有するものであり、通常、5員または6員環カーボネート基を含有する化合物である。5員環状カーボネートとしては、例えばグリセリンカーボネート(1,3−ジオキソラン−2−オン−4−メタノール)、1,3−ジオキソラン−2−オン−4−プロパノール、1,3−ジオキソラン−2−オン−ブタノール、1,3−ジオキソラン−2−オン−ペンタノールなどの多価アルコールと炭酸エステルとの反応物;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート;ビスフェノールA、ビスフェノールFなどのフェノール類のジグリシジルエーテルやビスフェノール型エポキシ樹脂と炭酸ガスとの反応物等が挙げられる。これらのうち、合成の容易さの点から、グリセリンカーボネートが好適に使用できる。また環状カーボネート系化合物として、形成塗膜の耐食性向上の点からはビスフェノール骨格を有するものが好適に使用できる。
脂肪酸アミンは、1分子中にアミノ基及び脂肪酸残基を含有するものであり、例えばオレイン酸、リノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、牛脂、魚油、椰子油、大豆油、オリーブ油、アマニ油、綿実油、ナタネ油およびそれら油脂に水添して得られる硬化油などから選ばれる少なくとも1種を、エチレンジアミンなどのアルキレンジアミンやポリオキシアルキレンジアミン等を用いてアミン変性して得られるものが例示できる。これらのうち特に不飽和脂肪酸に由来するものが形成塗膜の乾燥性、硬化性の点から好適に使用できる。
上記環状カーボネート系化合物と脂肪酸アミンとは、環状カーボネート系化合物中の環状カーボネート基と脂肪酸アミン中のアミノ基とのモル比が1:0.8〜1:1.2、好ましくは1:0.95〜1:1.05の範囲となるように反応させることが望ましい。この反応は、通常25〜250℃、好ましくは50〜160℃の温度で行われる。
上記脂肪酸エステル(g)を用いる場合には、化合物(d)中における含有割合が1〜95重量%、好ましくは20〜70重量%であることが硬化性、耐水性、仕上り性の点から好適である。
ポリイソシアネート化合物(e)は、1分子中にイソシアネート基を2個以上含有するものであり、その具体例としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート類;これらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;イソホロンジイソシアネート、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−(又は−2,6−)ジイソシアネート、1,3−(又は1,4−)ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート類;これらのジイソシアネ−トのビュ−レットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4´−トルイジンジイソシアネ−ト、4,4´−ジフェニルエーテルイソシアネート、(m−もしくはp−)フェニレンジイソシアネート、4,4´−ビフェニレンジイソシアネート、3,3´−ジメチル−4,4´−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)などの芳香族ジイソシアネート化合物;これらのジイソシアネ−ト化合物のビュ−レットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;トリフェニルメタン−4,4´,4´´−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4´−ジメチルジフェニルメタン−2,2´,5,5´−テトライソシアネートなどの1分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート類;これらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ポリアルキレングリコール、トリメチロ−ルプロパン、ヘキサントリオ−ルなどのポリオールの水酸基にイソシアネート基が過剰量となる比率でポリイソシアネート化合物を反応させてなるウレタン化付加物;これらのウレタン化付加物のビュ−レットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物等を挙げることができる。
上記ウレタンプレポリマー(II)の製造は、特に限定されることなく従来公知の手法が採用でき、例えば前記した(d)及び(e)成分を一度に反応させても良いし、多段的に反応させても良い。上記(d)及び(e)成分の使用割合は種々変えることができるが、全成分中のイソシアネート基と水酸基との当量比が一般に1:0.5〜1:0.9、好ましくは1:0.7〜1:0.9になるようにするのが望ましい。反応は通常40〜180℃、好ましくは60〜130℃の温度で行われる。この反応を促進させるため、通常のウレタン化反応において使用されるトリエチルアミン、N−エチルモルホリン、トリエチレンジアミン等のアミン系触媒や、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の錫系触媒などを必要に応じて用いてもよい。
このように製造されたウレタンプレポリマー(II)は、酸価10〜60mgKOH/g、好ましくは17〜56mgKOH/g、数平均分子量が1000〜6000、好ましくは1500〜5000であることが、合成時の粘度制御や形成塗膜の耐食性等の点から好適である。ここで数平均分子量は、前述のエポキシプレポリマー(I)と同様の計算式によって算出されるものである。
ポリウレタン樹脂(A)は、前記エポキシプレポリマー(I)と上記ウレタンプレポリ
マー(II)との反応によって得られる。
エポキシプレポリマー(I)とウレタンプレポリマー(II)との反応は、特に限定されることなく従来公知の手法が採用でき、通常、20〜80℃で0.1〜10時間加熱することにより行われる。両者の使用割合は種々変えることができるが、エポキシプレポリマー(I)中のアミノ基とウレタンプレポリマー(II)中のイソシアネート基との当量比が1:0.01〜1:0.9、好ましくは1:0.2〜1:0.8となるように選択することが望ましい。
上記の通り得られるポリウレタン樹脂(A)は、水性媒体へ分散される。水性媒体としては、水、または水を主として水溶性有機溶媒などの有機溶媒を溶解してなる水−有機溶媒混合溶液などを挙げることができる。水分散は、特に制限なく従来公知の方法で行うことができ、例えば上記ポリウレタン樹脂(A)に中和剤、界面活性剤などを必要に応じて添加し、水を徐々に加えながら撹拌して混合分散することができる。中和剤としては、カルボキシル基を中和できるものであれば特に制限はないが、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、ジメチルアミノエタノール、2−メチル−2−アミノプロパノール、トリエチルアミン、アンモニウムなどが挙げられる。中和剤は、ポリウレタン樹脂(A)に加えてカルボキシル基を中和しておいてもよいし、分散媒である水に加えておき分散と同時に中和してもよい。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合物等のノニオン系界面活性剤、ラウリル硫酸ソーダ、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ等のアニオン系界面活性剤が挙げられる。
上記ポリウレタン樹脂(A)は、さらに必要に応じて鎖延長剤を反応させることにより高分子量化することができる。鎖延長剤としては、例えばエチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3´−ジメチル−4,4´−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン等のジアミン;ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等のポリアミン;ヒドロキシエチルヒドラジン、ヒドロキシエチルジエチレントリアミン、2−[(2−アミノエチル)アミノ]エタノール、3−アミノプロパンジオール等のアミノ基と水酸基をもつ化合物;ヒドラジン類、酸ヒドラジド類等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上組合せて使用することができる。
上記ポリウレタン樹脂(A)は、酸価10〜30mgKOH/g、好ましくは12〜25mgKOH/g、アミン価0〜50mgKOH/g、好ましくは3〜35mgKOH/g、及び水酸基価20〜200mgKOH/g、好ましくは30〜150mgKOH/gであることが、形成塗膜の付着性、耐食性等の点から好適である。
架橋剤(B)
架橋剤(B)としては、上記ポリウレタン樹脂(A)中の架橋性官能基と反応するものであれば特に限定なく使用できる。例えば、ブロックポリイソシアネート硬化剤(b1)、水分散性ポリイソシアネート硬化剤(b2)、水分散性ブロックポリイソシアネート硬化剤(b3)、メラミン樹脂(b4)、ポリイソシアネート硬化剤(b5)、ポリエポキシ化合物(b6)、フェノール樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂等が好適に使用できる。
ブロックポリイソシアネート硬化剤(b1)は、1分子中に2個以上の遊離のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロック剤でブロックしたものであり、従来公知のブロックイソシアネート硬化剤であれば特に限定なく使用できる。
上記のポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート類;これらの脂肪族ポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−(又は−2,6−)ジイソシアネート、1,3−(若しくは1,4−)ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート類;これらの脂環族ジイソシアネ−トのビュ−レットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、(m−又はp−)フェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)などの芳香族ジイソシアネート化合物;及びこれらのポリイソシアネートのビュー
レットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;水添MDI、及び水添MDIの誘導体;トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートなどの1分子中に3個以上のイソシアネ−ト基を有するポリイソシアネート類;これらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ポリアルキレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなどのポリオールの水酸基にイソシアネート基が過剰量となる比率でポリイソシアネート化合物を反応させてなるウレタン化付加物;これらのウレタン化付加物のビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物等が挙げられる。
また、ブロック剤は、これらポリイソシアネート化合物中の遊離のイソシアネート基を封鎖するものであり、例えば、100℃以上、好ましくは130℃以上に加熱すると、ブロック剤が解離して遊離のイソシアネート基が再生し、水酸基と容易に反応することができるようになる。かかるブロック剤として、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、ニトロフェノール、エチルフェノール、ヒドロキシジフェニル、ブチルフェノール、イソプロピルフェノール、ノニルフェノール、オクチルフェノール、ヒドロキシ安息香酸メチルなどのフェノール系;ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラクタムなどのラクタム系;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ラウリルアルコールなどの脂肪族アルコール系;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メトキシメタノールなどのエーテル系;ベンジルアルコール;グリコール酸;グリコール酸メチル、グリコール酸エチル、グリコール酸ブチルなどのグリコール酸エステル系;乳酸、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどの乳酸エステル系;メチロール尿素、メチロールメラミン、ジアセトンアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどのアルコール系;ホルムアミドオキシム、アセトアミドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサンオキシムなどのオキシム系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジn−ブチル、メチルマロン酸ジエチル、マロン酸ベンジルメチル、マロン酸ジフェニルなどのマロン酸ジアルキルエステル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸n−プロピル、アセト酢酸ベンジル、アセト酢酸フェニルなどのアセト酢酸エステル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系;ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトベンゾチアゾール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノールなどのメルカプタン系;アセトアニリド、アセトアニシジド、アセトトルイド、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸アミド、ステアリン酸アミド、ベンズアミドなどの酸アミド系;コハク酸イミド、フタル酸イミド、マレイン酸イミドなどのイミド系;ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、キシリジン、N−フェニルキシリジン、カルバゾール、アニリン、ナフチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、ブチルフェニルアミンなどのアミン系;イミダゾール、2−エチルイミダゾールなどのイミダゾール系;3,5−ジメチルピラゾールなどのピラゾール系;尿素、チオ尿素、エチレン尿素、エチレンチオ尿素、ジフェニル尿素などの尿素系;N−フェニルカルバミン酸フェニルなどのカルバミン酸エステル系;エチレンイミン、プロピレンイミンなどのイミン系;重亜硫酸ソーダ、重亜硫酸カリなどの亜硫酸塩系などのブロック剤が挙げられる。
水分散性ポリイソシアネート硬化剤(b2)は、従来公知の水分散性ポリイソシアネート硬化剤であれば特に限定なく使用できる。例えば、ポリイソシアネート化合物とアルコキシポリアルキレングリコールとの反応により得られる水分散性ポリイソシアネート硬化剤が挙げられる。ポリイソシアネート化合物としては、ブロックポリイソシアネート硬化剤(b1)において例示したポリイソシアネート化合物と同様のものを用いることができる。アルコキシポリアルキレングリコ−ルとしては、一般式RO−(RO)n−H(ここでRはアルキル基、Rはアルキレン基、nは2〜100)で示されるものであり、例えばメトキシポリメチレングリコ−ル、メトキシポリエチレングリコ−ル、エトキシポリエチレングリコ−ル、エトキシポリブチレングリコ−ルなどが挙げられ、数平均分子量が100〜4,000、好ましくは400〜2,000の範囲を有するものが使用できる。反応後の残存イソシアネ−ト含量が20〜30重量%となるように反応せしめてなる水分散性ポリイソシアネ−トが好適であり、具体的には、上記ポリイソシアネ−ト化合物とアルコキシポリアルキレングリコ−ルとを、イソシアネ−ト基/水酸基の当量比が3〜30好ましくは10〜25程度となるよう反応させるのが適当である。また、水分散性ポリイソシアネート硬化剤の他の一例として例えば、ポリイソシアネート化合物とヒドロキシモノカルボン酸類とを反応させた後カルボキシル基を中和して得られる水分散性ポリイソシアネート硬化剤が挙げられる。ポリイソシアネート化合物としては、(b1)において例示したポリイソシアネート化合物と同様のものを用いることができ、ヒドロキシモノカルボン酸類としては、例えば、2−ヒドロキシ酢酸、3−ヒドロキシプロパン酸、12−ヒドロキシ−9−オクタデカン酸(リシノレイン酸)、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパン酸(ヒドロキシピバリン酸)、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)等が挙げられる。反応はイソシアネート基に対して反応性でない溶媒中、例えば、アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル類;N−メチルピロリドン(NMP)のような溶媒中で行なうことができる。
水分散性ブロックポリイソシアネート硬化剤(b3)は、従来公知の水分散性ブロックポリイソシアネート硬化剤であれば特に限定なく使用できる。例えば、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロック剤及びヒドロキシモノカルボン酸類でブロックし、ヒドロキシモノカルボン酸類により導入されたカルボキシル基を中和したもの、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基を前述のブロック剤及びポリアミンスルホン酸等のイオン性界面活性剤で反応させたもの、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基を前述のブロック剤及び片末端がアルコキシ基で封鎖されたポリオキシエチレングリコール等で反応させたもの等が挙げられる。
上記ポリイソシアネート化合物としては、ブロックポリイソシアネート硬化剤(b1)において例示したものと同様のポリイソシアネート化合物を用いることができるが、なかでも特に、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)の誘導体、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)の誘導体、水添MDI及び水添MDIの誘導体が好適である。
ブロック剤としては、ブロックポリイソシアネート硬化剤(b1)において例示したブロック剤と同様のものを用いることができる。
メラミン樹脂(b4)としては、具体的には、ジ−、トリー、テトラ−、ペンタ−、ヘキサ−メチロールメラミン及びそれらのアルキルエーテル化物(アルキルとしては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2−エチルヘキシルアルコール等が挙げられる)及びそれらの縮合物などを挙げることができ、市販品として、例えば、サイテックインダストリー社製のサイメル254やサイメル325などのサイメルシリーズ;三井化学社製のユーバン20SBなどのユーバンシリーズなどが使用できる。
また、メラミン樹脂(b4)を架橋剤として使用する場合は、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸などのスルホン酸、およびこれらのアミンとの塩を触媒として使用できる。
ポリイソシアネート硬化剤(b5)は、ブロックポリイソシアネート硬化剤(b1)において例示したものと同様のポリイソシアネート化合物が使用できる。
ポリエポキシ化合物(b6)は、前記ポリエポキシ化合物(a)と同様のポリエポキシ化合物が使用できる。
架橋剤(B)の含有量は、特に制限されるものではないが、好ましくはポリウレタン樹脂(A):架橋剤(B)=50:50〜98:2、さらに好ましくは60:40〜90:10(固形分重量比)の範囲である。
本発明の水性塗料組成物は、上記ポリウレタン樹脂(A)の水性分散体及び架橋剤(B)含有するものであり、さらに必要に応じて他の水溶性もしくは水分散性の樹脂を含有することができる。他の水溶性もしくは水分散性の樹脂としては、アクリル樹脂、アルキド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。
また、本発明の水性塗料組成物は、防錆剤を含有することができる。防錆剤として例えば、クロム酸塩[例えば、クロム酸亜鉛、クロム酸カルシウム、クロム酸ストロンチウム、クロム酸バリウム、クロム酸亜鉛カリウム、四塩基性クロム酸亜鉛など]、リン酸塩[例えば、リン酸亜鉛、リン・ケイ酸亜鉛、リン酸アルミニウム亜鉛、リン酸カルシウム亜鉛、リン酸カルシウム、ピロリン酸アルミニウム、ピロリン酸カルシウム、トリポリリン酸二水素アルミニウム、メタリン酸アルミニウム、メタリン酸カルシウム、リンモリブデン酸亜鉛、リンモリブデン酸アルミニウムなど]、亜硝酸塩[例えば、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸ストロンチウム、亜硝酸バリウム、亜硝酸アンモニウムなど]、フィチン酸塩[例えば、フィチン酸亜鉛、フィチン酸ナトリウム、フィチン酸カリウム、フィチン酸カルシウムなど]、タンニン酸塩[例えば、タンニン酸ナトリウム、タンニン酸カリウムなど]、ポリアミン化合物[例えば、N−(2−ヒドロキシエチル) エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、プロピレンジアミン四酢酸(PDTA)、イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸(DTPMP)、及びこれらのアルカリ金属塩];モノアルキルアミンやポリアミン、第四級アンモニウムイオンなどをトリポリリン酸二水素アルミニウムなどの層状リン酸塩にインターカレートしてなる層間化合物;MIO、シアナミド鉛、メタバナジン酸アンモン、ジルコフッ化アンモン、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アルミニウム、メタホウ酸バリウム、有機ニトロ化合物亜鉛塩などが挙げられる。防錆剤の添加量は、水性塗料組成物の固形分重量を基準として、1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%の範囲である。
本発明の水性塗料組成物は、さらに必要に応じて、顔料分散剤、界面活性剤、フラッシュラスト抑止剤、湿潤剤、消泡剤、可塑剤、造膜助剤、有機溶剤、増粘剤、防腐剤、防かび剤、pH調整剤、硬化触媒、金属ドライヤー、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、表面調整剤などの添加剤を適宜選択し組合せて含有することができる。
本発明の水性塗料組成物は、クリヤー塗料として又はエナメル塗料として使用することができる。エナメル塗料として使用する場合には、顔料分として、塗料分野で既知の着色顔料、光輝性顔料、体質顔料等が配合できる。
塗膜形成方法
本発明の水性塗料組成物は被塗物に、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電塗装、ハケ塗装、ローラー塗装、リシンガン、万能ガン等により塗布することができる。塗装膜厚は、乾燥膜厚で1〜100μm、好ましくは5〜50μmの範囲が適当である。乾燥条件は、特に限定されるものではないが、好ましくは乾燥温度20〜220℃、乾燥時間1〜120分の範囲である。
本発明の水性塗料組成物が適用できる被塗面としては、特に制限されるものではなく、例えば、鉄、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛ならびにこれらの金属を含む合金、及びこれらの金属によるめっき鋼板;コンクリート、モルタル、スレート板、木材、石材等の無機基材;プラスチック等の有機基材などの基材面及びこれらの表面処理面などが挙げられ、特に金属面及びその表面処理面が好適である。これらの被塗面に、本発明の水性塗料組成物を下塗り塗料として塗布でき、必要に応じて、さらに既知の上塗り塗料を塗布できる。
また本発明の水性塗料組成物は、予め加工を施した上記被塗物に塗装をする塗膜形成方法、及び塗装した後上記被塗物に加工を施す塗膜形成方法のいずれにも適用できる。
塗装物品
本発明の塗装物品としては、上記塗膜形成方法により形成される塗装物品であれば特に制限されるものではなく、例えば、電気製品(電子レンジ、トースター、冷蔵庫、洗濯機など)の内外装、エアーコンディショナーの室内機、室外機、吹き出口およびダクト、空気清浄機、暖房機などのエアーコンディショナーの内外装、反射板などの照明器具、家具、機械部品、事務機器(机、本棚、ロッカー、書類棚など)の内外装、自動車(ホイール、ドアミラー、モール、ドアのノブ、ナンバープレート、ハンドル、インスツルメンタルパネルなど)、建設機械(ブルドーザ、油圧ショベル、クレーン、コンクリートポンプ車、ダンプトラックなど)、あるいは厨房器具類(レンジフード、流し台、調理台、ガスレンジ、換気扇など)の塗装用として、間仕切り、バスユニット、シャッター、ブラインド、カーテンレールなどの屋内塗装用として、外装用としては外壁、手摺り、門扉、シャッターなどの一般住宅外装、ビル外装など、窯業系サイジング材、発泡コンクリートパネル、コンクリートパネル、カーテンウォール、塩ビ鋼板やシートなどの建築用外装材、などが挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。尚、「%」は、別記しない限り「重量%」を示す。
合成例1
エポキシプレポリマー(I−1)の作成
温度計、攪拌装置、還流冷却管を備えた4つ口フラスコを窒素置換させ、その中でエポキシ当量450g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂(180g)を、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(49.6g)に溶解し、これに2−アミノエタノール(18.3g)を加え、85℃で3時間保持し、アミノ基含有量(注1)が1.5〜1.55mmol/g程度となるまで反応させた。その後、メチルエチルケトン(148.7g)を加え、エポキシプレポリマー(I−1)溶液を得た。得られたエポキシプレポリマー(I−1)溶液の固形分濃度は50%、プレポリマーの数平均分子量は1983であった。
(注1)アミノ基含有量:下記測定方法にて追跡した。
三角フラスコに試料(g)をはかりとり、これに40mlのメチルエチルケトンを加えて溶解する。溶解しにくい場合は50℃まで加熱して溶解する。次に、全量ピペットでCTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロミド)溶液10mlを加えて均一にする。続いて、スクリーン指示薬0.2mlを正確に加えて、N/10過塩素酸−酢酸溶液で滴定し、最後の一滴で桃色が約30秒間続いたとき終点とする。アミノ基含有量は下記計算値から算出する。尚、CTAB溶液はCTAB20gに酢酸200mlを加えて溶解しさらにメチルエチルケトン200mlを加えて均一溶液に調整し、スクリーン指示薬は氷酢酸100mlにアルファズリン0.3gを溶解した溶液に、チモールブルー1.5gをメタノール500mlに溶解した溶液を混合して調整した。
計算式:E=(A-B)×0.1×F/S×0.01×W
ここでE:アミノ基含有量(mmol/g)
A:本試験のN/10過塩素酸-酢酸溶液の使用量(ml)
B:空試験のN/10過塩素酸-酢酸溶液の使用量(ml)
F:N/10過塩素酸-酢酸溶液のファクター
S:試料の加熱残分(%)
W:試料の量
ウレタンプレポリマー(II−1)の作成
温度計、攪拌装置、還流冷却管を備えた4つ口フラスコを窒素置換させ、その中で「ビスオール3PN」(注2)(212.3g)、「ビスオール6PN」(注3)(305.9g)、ジメチロールプロピオン酸(61.1g)をN−メチルピロリドン(154.2g)に溶解し、ヘキサメチレンジイソシアネート(191.7g)を30分かけて滴下し、60℃で1.5時間反応を行った。その後80℃に昇温し2時間反応を行って、イソホロンジイソシアネート(168.7g)を加え更に80℃で3時間、NCO価(注4)が25〜37程度となるまで反応させた。その後、メチルエチルケトン(418g)を加え、ウレタンプレポリマー(II−1)溶液を得た。得られたウレタンプレポリマー(II−1)溶液の固形分濃度は62.2%、プレポリマーの数平均分子量は2473、酸価は27.2mgKOH/gであった。
(注2)ビスオール3PN:東邦化学工業株式会社製、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(プロピレンオキサイド変性量=3モル)
(注3)ビスオール6PN:東邦化学工業株式会社製、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(プロピレンオキサイド変性量=6モル)
(注4)NCO価:ウレタンプレポリマー1g中に含まれるイソシアネート基量(mg)で、下記測定方法にて追跡した。
三角フラスコに試料(g)を正しくはかりとり、ジオキサン10mlを加え、溶解した試料を50℃に加熱し、正しくはかりとったN/5ジブチルアミン−ジオキサン溶液10mlを加え、2分間かき混ぜて試料とジブチルアミンを反応させる。次に、ブロムフェノールブルー-エチルアルコール溶液を2〜3滴加えて、N/10塩酸溶液で滴定し、青色から黄緑色に変化したときを終点とする。
計算式N={0.1×42×(A-B)×f}/0.01×S×W}
ここでN:NCO価(試料1g中に含まれるNCOのmg数)
A:空試験のN/5ジブチルアミン-ジオキサン溶液を中和するのに使用したN/10塩酸溶液の量(ml)
B:試料の滴定に使用したN/10塩酸溶液の量(ml)
f:N/10塩酸溶液のファクター
S:試料の加熱残分(%)
W:試料の量(g)
42:NCOの分子量
ポリウレタン樹脂水性分散体(III−1)の作成
上記と同様の装置を用い、62.6%ウレタンプレポリマー(II−1)溶液(1511g)を、攪拌状態で50℃に保持し、その中に50%エポキシプレポリマー(I−1)溶液(753.6g)を加え、1時間攪拌した。次いで40℃に冷却し、トリエチルアミン(36.8g)で中和し、脱イオン水(2392.6g)を加えて、分散した。その中に、脱イオン水(91.3g)で希釈したジエチレントリアミン(9.1g)を30分かけて滴下し、50℃で2時間保持した。その後、60℃でメチルエチルケトンを減圧留去することで、ポリウレタン樹脂の水性分散体(III−1)を得た。この水性分散体の固形分濃度は35.0%、ポリウレタン樹脂の酸価は19.4mgKOH/g、アミン価は8.1mgKOH/g、水酸基価は59.1mgKOH/gである。
合成例2
エポキシプレポリマー(I−2)の作成
温度計、攪拌装置、還流冷却管を備えた4つ口フラスコを窒素置換させ、その中でエポキシ当量450g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂(180.0g)を、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(82.1g)に溶解し、これに3−アミノプロピルトリエトキシシラン(66.4g)を加え、85℃で3時間保持し、アミノ基含有量(注1)が1.21〜1.22mmol/g程度となるまで反応させた。その後、メチルエチルケトン(164.3g)を加え、エポキシプレポリマー(I−2)溶液を得た。得られたエポキシプレポリマー(I−2)溶液の固形分濃度は50%、プレポリマーの数平均分子量は2464、であった。
ウレタンプレポリマー(II−2)の作成
温度計、攪拌装置、還流冷却管を備えた4つ口フラスコを窒素置換させ、その中で「ビスオール3PN」(注2)(323.2g)、「ビスオール6PN」(注3)(465.8g)、ジメチロールプロピオン酸(104.5g)をN−メチルピロリドン(239.2g)に溶解し、ヘキサメチレンジイソシアネート(302.8g)を30分かけて滴下し、60℃で1.5時間反応を行った。その後80℃に昇温し2時間反応を行って、イソホロンジイソシアネート(266.4g)を加え更に80℃で3時間、NCO価(注4)が25〜37程度となるまで反応させた。その後、メチルエチルケトン(660g)を加え、ウレタンプレポリマー(II−2)溶液を得た。得られたウレタンプレポリマー(II−2)溶液の固形分濃度は61.9%、プレポリマーの数平均分子量は2438、酸価は29.9mgKOH/gであった。
ポリウレタン樹脂水性分散体(III−2)の作成
上記と同様の装置を用い、61.9%ウレタンプレポリマー(II−2)溶液(236.2g)を、攪拌状態で50℃に保持し、その中に50%エポキシプレポリマー(I−2)溶液(147.9g)を加え、1時間攪拌した。次いで40℃に冷却し、トリエチルアミン(6.3g)で中和し、脱イオン水(408.2g)を加えて、分散した。その中に、脱イオン水(14.4g)で希釈したジエチレントリアミン(1.44g)を30分かけて滴下し、50℃で2時間保持した。その後、60℃でメチルエチルケトンを減圧留去することで、ポリウレタン樹脂の水性分散体(III−2)を得た。この水性分散体の固形分濃度は35.0%、ポリウレタン樹脂の酸価は19.9mgKOH/g、アミン価は7.6mgKOH/g、水酸基価は66.1mgKOH/gであった。
合成例3
ポリウレタン樹脂水性分散体(III−3)の作成
温度計、攪拌装置、還流冷却管を備えた4つ口フラスコを窒素置換させ、その中で「ビスオール3PN」(注2)(446.9g)、「ビスオール6PN」(注3)(161g)、ジメチロールプロピオン酸(59.0g)をN−メチルピロリドン(133.6g)に溶解し、ヘキサメチレンジイソシアネート(241.9g)を30分かけて滴下し、60℃で1.5時間反応を行った。その後80℃に昇温し2時間反応を行って、イソホロンジイソシアネート(177.6g)を加え更に80℃で3時間、NCO価(注4)が25〜37程度となるまで反応させた。その後、メチルエチルケトン(332.4g)を加えた。ジメチルエタノールアミン(39.2g)で中和し、脱イオン水(2315.9g)を加えて、分散した。その中に、脱イオン水(285.6g)で希釈したヒドロキシエチルアミノエチルアミン(28.6g)を30分かけて滴下し、50℃で2時間保持した。その後、60℃でメチルエチルケトンを減圧留去することで、ポリウレタン樹脂の水性分散体(III−3)を得た。この水性分散体の固形分濃度は28.6%であった。
実施例1〜6、比較例1〜3
表1の配合に従い主剤をペイントシェーカーにて90分分散を行った後、架橋剤と混合・攪拌し、各水性塗料組成物を得た。各水性塗料組成物を下記性能試験に供した。結果を表1にあわせて示す。
Figure 2008063465
(注5)ZP−BS−M:SOCIETE NOUVELLE DES COULEURS ZINCIQUES社製、リン酸亜鉛
(注6)サイメル325:サイテックインダストリー社製、メチル化メラミン樹脂、固形分80%
(注7)水分散性ポリイソシアネート硬化剤:数平均分子量550のメトキシポリエチレングリコール55gと「タケネートD170HN」(三井化学ポリウレタン株式会社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリマー)504gを70℃の条件下でNCO価(注4)が218mg/gになるまで反応させ、固形分100%の水分散性ポリイソシアネートを得た。
(注8)ブロックポリイソシアネート硬化剤:デュラネートTPA−100(旭化成製、イソシアヌレート構造含有ポリイソシアネート、数平均分子量600、イソシアネート含有量23.1%)605g、および酢酸エチル120gを入れ100℃に加温し、窒素気流下でオキソコールC13(協和油化社製、トリデカノールの構造異性体)80gを加え100℃で2時間保持した。その後、マロン酸ジエチル345g、酢酸エチル60gを加えて60℃に保持した後、窒素気流下でナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液を7.0g加え、60℃で12時間保持した。この反応生成物の605gに2−エチルヘキサノール488gを加え、90℃に昇温した。これを減圧条件下で系の温度を90〜110℃に保ちながら約1.5時間かけて溶剤を留出除去し、固形分100%のブロックポリイソシアネートを得た。
評価試験方法
(1)耐水性試験:各組成物をリン酸亜鉛処理鋼板にアプリケーターにて乾燥膜厚が25μmとなるように塗装し、表1中に記載の乾燥条件で乾燥・加熱して、各試験板を作成した。得られた試験板を20℃の恒温水槽に7日間浸漬後、塗膜状態を目視で観察した。
◎:異常なし
○:若干フクレ、変色があるが、良好な状態
△:フクレ、変色があり、実用困難
×:フクレ、変色が著しい
(2)防食性試験:耐水性試験(1)と同様にして各試験板を作成し、得られた試験板に、素地に達するようにナイフでクロスカット傷を入れ、これをJIS Z−2371に準じて720時間耐塩水噴霧試験を行い、(i)カット部の錆び・フクレ、及び(ii)一般部のブリスターについて以下の基準で評価した。
(i)カット部の錆び・フクレ
◎:錆、フクレの最大幅がカット部より1mm未満(片側)
○:錆、フクレの最大幅がカット部より1mm以上、2mm未満(片側)
△:錆フクレの最大幅がカット部より2mm以上、3mm未満(片側)
×:錆、フクレの最大幅がカット部より3mm以上(片側)
(ii)一般部のブリスター
JIS K5600−8−2に準拠して評価
(3)溶剤抽出残分:各組成物をガラス板にアプリケーターにて乾燥膜厚で25μmになるように塗装し、表1中に記載の乾燥条件で乾燥・加熱させた後、ガラス板から乾燥膜を剥離して4×4cmの大きさにカットし、試験片とした。得られた試験片を、アセトン中で還流条件下6時間浸漬した。その後、105℃×60分乾燥し、抽出後の塗膜を得た。抽出前後の塗膜重量から溶剤抽出残分を下記の通り算出した。
溶剤抽出残分(%)=(抽出した後の膜の重量/抽出前の膜の重量)×100(%)
実施例7,8、比較例4,5
本発明の水性塗料組成物からなる塗膜の上に上塗塗料を塗装して複層塗膜を形成させ、下記性能試験に供した。塗膜の作成条件及び性能試験結果を表2示す。
Figure 2008063465
(注9)マジクロンTB−516:関西ペイント株式会社製、アクリル樹脂・アミノ樹脂系有機溶剤型塗料
(注10)ネオアミラック6000:関西ペイント株式会社製、アルキド樹脂・アミノ樹脂系有機溶剤型塗料
複層塗膜の評価試験方法
(4)耐水性試験:各水性塗料組成物をリン酸亜鉛処理鋼板にアプリケーターにて乾燥膜厚が25μmとなるように塗装し、表2中に記載の乾燥条件で乾燥・加熱して下塗塗膜を作成した。その塗膜上に表2記載の上塗塗料を乾燥膜厚が20μmとなるように塗装し表2中に記載の乾燥条件で乾燥・加熱して上塗塗膜を作成し、試験板を得た。得られた試験板を20℃の恒温水槽に7日間浸漬後、塗膜状態を目視で観察した。
◎:異常なし
○:若干フクレ、変色があるが、良好な状態
△:フクレ、変色があり、実用困難
×:フクレ、変色が著しい
(5)防食性試験:耐水性試験(4)と同様にして各試験板を作成し、得られた試験板に、素地に達するようにナイフでクロスカット傷を入れ、これをJIS Z−2371に準じて720時間耐塩水噴霧試験を行い、(i)カット部の錆び・フクレ、及び(ii)一般部のブリスターについて以下の基準で評価した。
(i)カット部の錆び・フクレ
◎:錆、フクレの最大幅がカット部より1mm未満(片側)
○:錆、フクレの最大幅がカット部より1mm以上、2mm未満(片側)
△:錆フクレの最大幅がカット部より2mm以上、3mm未満(片側)
×:錆、フクレの最大幅がカット部より3mm以上(片側)
(ii)一般部のブリスター
JIS K5600−8−2に準拠して評価

Claims (13)

  1. ポリエポキシ化合物(a)とアミン化合物(b)との反応によって得られる末端にアミノ基を有するエポキシプレポリマー(I)と、カルボキシル基含有ジオール(c)を含む1分子中に水酸基を2つ以上含有する化合物(d)とポリイソシアネート化合物(e)との反応により得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(II)との反応によって得られるポリウレタン樹脂(A)の水性分散体、及び架橋剤(B)を含有することを特徴とする水性塗料組成物。
  2. アミン化合物(b)が、アルカノールアミンである請求項1記載の水性塗料組成物。
  3. アミン化合物(b)が、アミノシランである請求項1記載の水性塗料組成物。
  4. エポキシプレポリマー(I)が、ポリエポキシ化合物(a)中のエポキシ基とアミン化合物(b)中のアミノ基との当量比が1:0.5〜1:2となるように反応させて得られる請求項1記載の水性塗料組成物。
  5. エポキシプレポリマー(I)が、数平均分子量500〜10000の範囲内である請求項1記載の水性塗料組成物。
  6. ウレタンプレポリマー(II)が、全成分中のイソシアネート基と水酸基との当量比が1:0.5〜1:0.9となるように反応させて得られる請求項1記載の水性塗料組成物。
  7. ウレタンプレポリマー(II)が、数平均分子量1000〜6000の範囲内である請求項1記載の水性塗料組成物。
  8. ポリウレタン樹脂(A)が、エポキシプレポリマー(I)中のアミノ基とウレタンプレポリマー(II)中のイソシアネート基との当量比が1:0.01〜1:0.9となるように反応させて得られる請求項1記載の水性塗料組成物。
  9. ポリウレタン樹脂(A)が、酸価10〜30mgKOH/g、アミン価0〜50mgKOH/g、及び水酸基価20〜200mgKOH/gである請求項1記載の水性塗料組成物。
  10. 架橋剤(B)が、ブロックポリイソシアネート硬化剤、水分散性ポリイソシアネート硬化剤及びメラミン樹脂から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の水性塗料組成物。
  11. さらに防錆剤を含有する請求項1ないし10のいずれか1項に記載の水性塗料組成物。
  12. 被塗面に、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の水性塗料組成物を塗装することを特徴とする塗膜形成方法。
  13. 請求項12に記載の方法により形成される塗装物品。
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