JP2008063420A - ポリ乳酸およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】体内や環境に対して悪影響を及ぼす可能性が少なく、熱安定性、耐加水分解性に優れ、残存ラクチド量が少ないポリ乳酸およびその製造方法を提供する。
【解決手段】下記式(1)
Figure 2008063420

で表される乳酸単位から実質的になり、重量平均分子量が5万〜50万であり、乳酸単位に対して0.005〜2モル%のチタン化合物を含有するポリ乳酸。
【選択図】なし

Description

本発明は、繊維、フィルム、成形材料等として有用なポリ乳酸、その製造方法および該ポリ乳酸からなる成形品に関する。
近年、バイオマス由来ポリマーは環境保全および原油高騰の観点から、注目を集めている。ポリ乳酸はこれらバイオマス由来ポリマーの中で、融点が高いことから、特に注目されている。しかしながら、ポリ乳酸はスズ触媒により合成されており、体内や環境に対して悪影響を及ぼす可能性があり、スズ以外の触媒の使用が望まれている。また、スズ触媒で製造されたポリ乳酸は成形加工において著しく分子量が低下し、充分な強度を持つ成形品が得られないという欠点がある。その原因は加水分解、解重合、環状オリゴマー化、並びに分子内および分子間エステル交換によるもので、このような反応にポリ乳酸中に残存するスズ化合物が関与していることが知られている。
この解決策として幾つかの方法が提案されている。例えば、ポリ乳酸を水に対して不混和性の有機溶媒に溶解し、次いで無機酸、水溶性有機酸または水溶性錯化剤を含む水性相または水と接触させ、該有機相を分離した後、ポリ乳酸を公知の方法で単離することで触媒を除去する方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、ポリ乳酸を親水性有機溶媒の存在下、酸性物質と接触させることにより触媒を除去する方法が提案されている(特許文献2参照)。
また、ポリ乳酸にホウ素化合物を添加し、触媒を失活させることで熱安定性を改善する方法が提案されている(特許文献3参照)。
しかし、特許文献1および2の方法は、多量の溶媒と労力、設備を必要とするためコスト面で不利となり、またポリ乳酸中に浸透した溶媒の完全な除去が難しい等のため、品質面での問題点も多い。また、特許文献3の方法は、重合生成物であるポリマーチップに微量の添加剤を均一に分散させることは非常に難しく、この分散に溶媒を使用した場合はその除去に関して問題が生じることは特許文献1および2の方法と同様である。
すなわち、重合生成物に後処理を加えずにそのまま次の成形加工に用いることが工業的には理想であるが、スズ触媒を用いたラクチド溶融開環重合でこれを達成するのは困難である。
特開昭63−145327号公報 特開平7−102053号公報 特開平7−62213号公報
本発明の目的は、熱安定性に優れたポリ乳酸を提供することにある。また本発明の目的は、残存ラクチド量が少なく、成形加工時の揮発成分による周辺環境を汚染する恐れの少ないポリ乳酸を提供することにある。さらに本発明は、耐加水分解性に優れたポリ乳酸を提供することにある。また本発明は、該ポリ乳酸の製造方法および該ポリ乳酸からなる成形品を提供することにある。また本発明は、該ポリ乳酸からなる成形品を包含する。
本発明者らは、チタン化合物を用いてラクチドを溶融開環重合すると、熱安定性および耐加水分解性に優れ、残存ラクチド量が少ないポリ乳酸が得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち本発明は、下記式(1)
Figure 2008063420
で表される乳酸単位から実質的になり、重量平均分子量が5万〜50万であり、乳酸単位に対して0.005〜2モル%のチタン化合物を含有するポリ乳酸である。
また本発明は、ラクチドを溶融開環重合してポリ乳酸を製造するに際し、触媒としてラクチドに対して0.01〜4モル%のチタン化合物を用いることを特徴とするポリ乳酸の製造方法である。
本発明のポリ乳酸は、スズ化合物ではなくチタン化合物を含有するので、生体や環境に対して悪影響を及ぼす可能性が少ない。本発明のポリ乳酸は、熱安定性、耐加水分解性に優れ、残存ラクチド量が少ない。本発明のポリ乳酸は、残存ラクチド量が少ないので、成形加工時に揮発の発生が少なく、周辺環境を汚染する恐れが少ない。本発明の製造方法によれば、該ポリ乳酸を容易に製造することができる。
〈ポリ乳酸〉
ポリ乳酸は、下記式(1)
Figure 2008063420
で表される乳酸単位から実質的になる。即ちポリ乳酸は、L−乳酸単位、D−乳酸単位またはこれらの双方から実質的になる。ポリ乳酸は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、さらに好ましくは98〜100モル%の式(1)で表される乳酸単位からなる。従ってポリ乳酸は、ポリ−L−乳酸、ポリ−D−乳酸およびポリ−D/L−乳酸を包含する。
ポリ−L−乳酸は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、さらに好ましくは98〜100モル%のL−乳酸単位から構成される。他の単位としては、D−乳酸単位、乳酸以外の共重合成分単位が挙げられる。D−乳酸単位、乳酸以外の共重合成分単位は、好ましくは0〜10モル%、より好ましくは0〜5モル%、さらに好ましくは0〜2モル%である。
ポリ−D−乳酸は、90〜100モル%、好ましくは95〜100モル%、さらに好ましくは98〜100モル%のD−乳酸単位から構成される。他の単位としては、L−乳酸単位、乳酸以外の共重合成分単位が挙げられる。L−乳酸単位、乳酸以外の共重合成分単位は、0〜10モル%、好ましくは0〜5モル%、さらに好ましくは0〜2モル%である。
共重合成分単位は、2個以上のエステル結合形成可能な官能基を持つジカルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等由来の単位およびこれら種々の構成成分からなる各種ポリエステル、各種ポリエーテル、各種ポリカーボネート等由来の単位が例示される。
ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられる。多価アルコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセリン、ソルビタン、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の脂肪族多価アルコール等あるいはビスフェノールにエチレンオキシドが付加させたものなどの芳香族多価アルコール等が挙げられる。ヒドロキシカルボン酸として、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸等が挙げられる。ラクトンとしては、グリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトン等が挙げられる。
ポリ乳酸の重量平均分子量は、好ましくは5万〜50万、より好ましくは8万〜30万、さらに好ましくは9万〜20万である。
チタン化合物は下記式(2)
Ti(OR) (2)
(但し、4個のRは各々独立に、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基および炭素数6〜20の芳香族炭化水素基から選ばれ、少なくとも一つのRは炭素数6〜20の芳香族炭化水素基である。)
で表される化合物であることが好ましい。
脂肪族炭化水素基として、炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。アルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられる。
芳香族炭化水素基として、炭素数6〜20のアリール基が挙げられる。アリール基として、フェニル基、ナフタレン−イル基が挙げられる。アリール基は置換基を有していてもよい。置換基として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基などの炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。また、アリール基は、炭素−炭素結合、エーテル結合を介して他のアリール基と結合していてもよい。
チタン化合物の少なくとも一つのRは炭素数6〜20の芳香族炭化水素基である。すべてのRが、脂肪族炭化水素基であると、着色しやすく、また、分子量増加も非常に遅い。
チタン化合物として、チタンジイソプロポキシドジフェノキシド、チタンテトラフェノキシド、チタンイソプロポキシトリフェノキシド、チタントリイソプロポキシフェノキシド等が挙げられる。
チタン化合物の含有量は、ポリ乳酸の乳酸単位に対して0.005〜2.0モル%、好ましくは0.005〜1.0モル%、より好ましくは0.005〜0.5モル%である。即ち、ポリ乳酸の乳酸単位100モルに対して0.005〜2.0モル、好ましくは0.005〜1.0モル、より好ましくは0.005〜0.5モルである。
〈ポリ乳酸の製造方法〉
本発明のポリ乳酸の製造方法は、ラクチドを溶融開環重合してポリ乳酸を製造するに際し、触媒としてラクチドに対して0.01〜4.0モル%のチタン化合物を用いることを特徴とする。
本発明に用いられるラクチドは乳酸をオリゴマー化した後、解重合することによって得られる乳酸の環状二量体である。乳酸にはL−乳酸とD−乳酸が存在し、それに伴ってラクチドにもL−ラクチド、D−ラクチド、D/L−ラクチド、ラセミラクチドが存在する。本発明に用いられるラクチドの光学純度は特に限定されるものではないが、得られる高分子量ポリ乳酸の融点はポリ乳酸の光学純度によって決定され、高純度のものほど高融点のポリ乳酸が得られるため、より耐熱性の高いポリ乳酸を望むならば高光学純度のラクチドを用いることが好ましい。ポリ乳酸の光学純度は、好ましくは80〜100%、より好ましくは90〜100%の範囲である。
L−ラクチドの純度は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、さらに好ましくは98〜100モル%である。他の成分としては、D−ラクチド、乳酸以外の共重合成分が挙げられる。D−ラクチド、乳酸以外の共重合成分は、好ましくは0〜10モル%、より好ましくは0〜5モル%、さらに好ましくは0〜2モル%である。
D−ラクチドの純度は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、さらに好ましくは98〜100モル%である。他の成分としては、L−ラクチド、乳酸以外の共重合成分が挙げられる。L−ラクチド、乳酸以外の共重合成分は、0〜10モル%、好ましくは0〜5モル%、さらに好ましくは0〜2モル%である。
ポリ−D/L−ラクチドは、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、さらに好ましくは98〜100モル%のL−ラクチドおよびD−ラクチドから構成される。他の成分としては、乳酸以外の共重合成分が挙げられる。乳酸以外の共重合成分は、0〜10モル%、好ましくは0〜5モル%、さらに好ましくは0〜2モル%である。
共重合成分として、2個以上のエステル結合形成可能な官能基を持つジカルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等が挙げられる。これらの具体例は、ポリ乳酸の項で説明した通りである。
触媒として用いる好ましいチタン化合物は、ポリ乳酸の項で説明した通りである。チタン化合物は、ラクチドに対して0.01〜4モル%、好ましくは0.01〜2.0モル%、より好ましくは0.01〜1.0モル%用いる。即ち、ラクチド100モルに対して0.01〜4モル、好ましくは0.01〜2.0モル、より好ましくは0.01〜1.0モル用いる。0.01モル%未満では得られるポリ乳酸の分子量が充分ではなく、使用量が増えると得られるポリ乳酸の分子量は大きくなるが4モル%を超えるとかえって分子量が低下する。また、チタン触媒の使用量増加に伴って得られたポリ乳酸は着色する傾向にあるので、4モル%より多く使用することは着色の点からも不利である。
溶融開環重合は、L−またはD−ラクチドをチタン化合物の存在下で加熱することにより行うことができる。
重合温度は、ラクチドの光学純度に応じて170〜200℃で行うことができる。170℃より低温では重合に長時間を要するとともに、得られるポリ乳酸の融点よりも低温であるため攪拌が不能となり好ましくない。また、200℃より高温ではラクチドとポリ乳酸の平衡がラクチド側に偏りすぎるため重合度が上がりにくくなり、またラクチドの生成量が増大するためポリ乳酸の収率が低下する。
重合開始剤としてアルコールを用いてもよい。かかるアルコールとしては、ポリ乳酸の重合を阻害せず不揮発性であることが好ましく、例えばデカノール、ドデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノールなどを好適に用いることができる。
重合反応は、従来公知の反応容器で実施可能であり、例えばヘリカルリボン翼等、高粘度用攪拌翼を備えた縦型反応容器を単独、または並列して使用することができる。
本発明の製造方法は、ポリ乳酸中の残存ラクチドを低減させる手段として、重合をある程度まで進行させプレポリマーを得る第一工程と、プレポリマーから減圧によってラクチドを除去する第二工程とに分けて行なうことが望ましい。即ち、本発明の製造方法は、(i)重合系中の残存ラクチド量が15〜3重量%となるまで重合反応を進行させプレポリマーを製造する第一工程、並びに(ii)プレポリマーを溶融状態で減圧下におきラクチドを低減させる第二工程からなることが好ましい。
(第一工程)
重合温度は、好ましくは170〜200℃で行うことができる。圧力は、好ましくは0.1〜20mmHgで行うことができる。ただし、反応系は無水雰囲気下であることが望ましく、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で重合させることが望ましい。
第一工程の終点は、プレポリマー中の残存ラクチド量が15〜3%重量%に達した時点である。残存ラクチド量が15重量%より多い時点で第一工程を終了させると、残ったラクチドは第二工程にて除かれるわけであるからポリマー収率は85%より小さくなり不経済である。
第一工程に要する時間は通常は30〜600分であるが、使用した触媒の量、重合温度などによって異なるため、系中の残存ラクチド量をチェックしてその時間を適宜選択すればよい。
重合装置として、攪拌装置と加熱機構を備えたバッチ式反応容器、あるいはエクストルーダータイプの連続式反応装置等を挙げることができる。第一工程で得られるプレポリマーを第二工程に移行させる方法は得に限定されるものではないが、その間もプレポリマーは無水雰囲気下にあることが好ましい。従って、例えば不活性ガスでシールされたバッチ式反応容器中で第一工程を行なった場合には、プレポリマーを反応容器外に取り出さず、そのまま系を減圧にして第二工程を行なうのが望ましい。また、連続反応装置で第一工程を行なった場合には、その取り出し口から第二工程へ無水雰囲気下で直接移送するか、あるいは取り出した後、無水雰囲気下で貯蔵し、しかる後、第二工程に移すという方法、または、連続反応装置の後半部分に減圧脱揮装置を兼ね備えた反応装置にて行うことができる。
(第二工程)
第二工程は、第一工程で得られたプレポリマー中の残存ラクチドを低減させる工程であり、その終点とするところは残存ラクチド量が1重量%以下となった時点が好適に選ばれる。さらに好ましくは0.5重量%以下である。第二工程の温度条件は得られるポリ乳酸の融点以上であることが必須である。光学純度によりポリ乳酸の融点が異なるため、処理温度は特に限定されるものではないが、160〜200℃が好ましい。200℃より高温にするとポリ乳酸の解重合速度が上昇し、いくら減圧によってラクチドを除いてもラクチドが再生産することにより終点に達しないことがある。また減圧の条件は特に限定されるものではないが、減圧度は低ければ低いほど終点に達するまでの時間が短縮されるため、好ましくは20mmHg以下、より好ましくは10mmHg以下である。
〈成形品〉
本発明の成形品は、本発明のポリ乳酸からなる成形品である。成形品の例としては射出、押し出し等の各種成形品、フィルム、シ−トまたは未延伸もしくは延伸配向された繊維、さらには繊維からの繊維構造物(編物、織物、不織布、紙、紐、テ−プ、ロ−プ、網など)、さらには合成皮革の様なフィルムやシートと繊維との複合物が挙げられる。
これら成形品の用途としては、防虫、保温、防霜、遮光、防草用フィルム、シ−ト、繊維構造物等の農業用用途、乗り物の内装や電気製品等の工業用用途、法面緑化保護用シ−トや繊維構造物等の土木用用途、床や壁材等の建築用途、使い捨て器具、使い捨て衣料、靴や鞄等も含めた日用生活用品、玩具やゲーム機等を含めた遊具、生理用品等を含めた衛生医療用途、漁網、釣り糸、各種養殖用ロ−プ、網などの漁業用用途等が挙げられるがこれらに限定されない。
以下実施例によって本発明を更に具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
1.評価法
(1)重量平均分子量(Mw)の測定
重量平均分子量(Mw)は、ショーデックス製GPC−11を使用し、ポリ乳酸樹脂組成物50mgを5mlのクロロホルムに溶解させ、40℃のクロロホルムにて展開した。重量平均分子量(Mw)、はポリスチレン換算値として算出した。
(2)残存ラクチド量
ポリ乳酸中の残存ラクチド量は、重クロロホルム中、日本電子製核磁気共鳴装置JNM−EX270スペクトルメーターを使用し、ポリ乳酸由来の四重線ピーク面積比(5.10〜5.20ppm)に対するラクチド由来の四重線ピーク面積比(4.98〜5.05ppm)として算出した。
(3)熱安定性
得られたポリ乳酸を溶融処理し、その前後の重量平均分子量(Mw)を求め下記式にて熱安定性を算出した。溶融処理は、ポリ乳酸約3gを試験管中窒素下で180℃、1時間加熱することにより行った。
熱安定性(%)=溶融処理後のMw/溶融処理前のMw×100
(製造例1)
窒素気流下にて、50mLフラスコに、フェノール(0.79g)を入れ、ジエチルエーテル20mLにて溶解した。その後、チタンテトライソプロポキシド1.2mLを加え、3時間攪拌した。得られた沈殿をろ過し、室温にて減圧乾燥し、チタンジイソプロポキシドジフェノキシドを得た。
(製造例2)
窒素気流下にて、50mLフラスコに、フェノール(1.58g)を入れ、ジエチルエーテル20mLにて溶解した。その後、チタンテトライソプロポキシド1.2mLを加え、3時間攪拌した。得られた沈殿をろ過し、室温にて減圧乾燥し、チタンテトラフェノキシドを得た。
(実施例1)
第一工程
L−ラクチド(武蔵野化学製)48.75g、D−ラクチド1.25gと製造例1で合成したチタン触媒0.1gを、攪拌装置、窒素導入管を備えた反応容器に投入し、窒素置換の後、窒素気流下で175℃に加熱し溶融開環重合させた。触媒量は、原料のラクチドに対して0.08モル%に相当する。60分後、分子量の上昇が飽和し、残存ラクチド量が5重量%となった。
第二工程
次に、系を3mmHgまで減圧し、3mmHg、175℃で30分間攪拌した。得られたポリ乳酸のMwは15万であった。残存ラクチド量は0.8重量%であり、残存ラクチド量が非常に少ないポリ乳酸であった。熱安定性は95%であった。
(実施例2)
第一工程
L−ラクチド(武蔵野化学製)48.75g、D−ラクチド1.25gと製造例2で合成したチタン触媒0.05gを、攪拌装置、窒素導入管を備えた反応容器に投入し、窒素置換の後、窒素気流下で175℃に加熱し溶融開環重合させた。触媒量は、原料のラクチドに対して0.04モル%に相当する。60分後、分子量の上昇が飽和し、残存ラクチド量が5重量%となった。
第二工程
次に、系を3mmHgまで減圧し、3mmHg、175℃で30分間攪拌した。得られたポリ乳酸のMwは9万であった。残存ラクチド量は1.2重量%であり、残存ラクチド量が非常に少ないポリ乳酸であった。熱安定性は92%であった。
(比較例1)
L−ラクチド(株式会社武蔵野化学研究所)3000gをフラスコに加え、系内を窒素置換した後、ステアリルアルコール4.07g、触媒としてオクチル酸スズ0.225gを加え、190℃、2時間、重合を行い、ポリ乳酸を得た。得られたポリ乳酸のMwは17万であった。融点(Tm)は176℃であった。結晶化点(Tc)は138℃であった。熱安定性は80%であった。
本発明のポリ乳酸は、衣料用、日用生活用、医薬品材料用、医療材料用、並びに農業、漁業、工業、建築土木等の産業資材用に利用できる。

Claims (7)

  1. 下記式(1)
    Figure 2008063420
    で表される乳酸単位から実質的になり、重量平均分子量が5万〜50万であり、乳酸単位に対して0.005〜2モル%のチタン化合物を含有するポリ乳酸。
  2. チタン化合物が下記式(2)
    Ti(OR) (2)
    (但し、4個のRは各々独立に、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基および炭素数6〜20の芳香族炭化水素基から選ばれ、少なくとも一つのRは炭素数6〜20の芳香族炭化水素基である。)
    で表される請求項1記載のポリ乳酸。
  3. ラクチドを溶融開環重合してポリ乳酸を製造するに際し、触媒としてラクチドに対して0.01〜4モル%のチタン化合物を用いることを特徴とするポリ乳酸の製造方法。
  4. チタン化合物が下記式(2)
    Ti(OR) (2)
    (但し、4個のRは各々独立に、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基および炭素数6〜20の芳香族炭化水素基から選ばれ、少なくとも一つのRは炭素数6〜20の芳香族炭化水素基である。)
    で表される請求項3記載の製造方法。
  5. (i)重合系中の残存ラクチド量が15〜3重量%となるまで重合反応を進行させプレポリマーを製造する第一工程、並びに
    (ii)プレポリマーを溶融状態で減圧下におきラクチドを低減させる第二工程、
    からなる請求項3記載の製造方法。
  6. 第二工程の減圧度が20mmHg以下である請求項5記載の製造方法。
  7. 請求項1または2記載のポリ乳酸からなる成形品。
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