JP2010185003A - ポリ乳酸の製法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
人体、環境にやさしい重合触媒を用いて、簡便かつ効率的に、ラクチドから開環重合によりポリ乳酸を製造する。
【課題解決手段】
ラクチドの開環重合反応において、下記一般式(1)で表されるアルキル亜鉛化合物
RnZnX2−n・・・一般式(1)
(式中、nは1〜2の整数であって、Rは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を、Xはハロゲン原子、または水素原子を、Znは亜鉛原子を示す。)
を開環重合触媒として用いることを特徴とするポリ乳酸の製法。
【選択図】なし
人体、環境にやさしい重合触媒を用いて、簡便かつ効率的に、ラクチドから開環重合によりポリ乳酸を製造する。
【課題解決手段】
ラクチドの開環重合反応において、下記一般式(1)で表されるアルキル亜鉛化合物
RnZnX2−n・・・一般式(1)
(式中、nは1〜2の整数であって、Rは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を、Xはハロゲン原子、または水素原子を、Znは亜鉛原子を示す。)
を開環重合触媒として用いることを特徴とするポリ乳酸の製法。
【選択図】なし
Description
本発明は、ポリ乳酸の製法に関する。
ポリ乳酸、ポリグリコール酸に代表される脂肪族ポリエステルは、優れた生分解性と生体適合性を示すことから、手術用縫合糸、注射薬用マイクロカプセル、骨片接合部材などの医薬、医療用分野で利用されている。その中でも、ポリ乳酸は穀物や廃棄物を発酵させて得られる乳酸を原料とするため、従来の化石由来の合成ポリマーに替わる地球環境にやさしいグリーンプラスチックとして最も注目されており、研究が盛んに行われている。
ポリ乳酸の合成方法としては、乳酸を重縮合させる方法、またはラクチドを開環重合させる方法が広く知られている。前者の方法は平衡反応であり、反応に際し生成する副生成物である水を高温、減圧などの条件下で徹底的に除去しなければ実用的な高分子量のポリマーが得られない。一方、後者の方法は、副生成物を生じないため高分子量のポリ乳酸の合成方法として有効である。
開環重合によってポリ乳酸を工業的に製造するために有効な重合触媒としては、オクチル酸スズ、アルミニウムプロポキサイド、乳酸亜鉛が広く知られている(非特許文献1)。
オクチル酸スズは市販されており、種々の有機溶媒に可溶かつ空気中で安定であるなど取り扱いが容易である。また、触媒活性は非常に高く、一般的な溶融重合条件下(反応温度120−200℃)において数分で重合が完了し、10万から100万の分子量のポリ乳酸を与える。
しかしながら、オクチル酸スズは、FDA(Food and drug administration:アメリカ食品薬品局)に食品添加物として認められてはいるものの、得られたポリマーを医療用途などへ応用することを考慮すると、多くのスズ化合物に見られる毒性が懸念される。
また、得られたポリ乳酸中に残存するオクチル酸スズが、溶融成形(高温)時に、生成したポリ乳酸の解重合やエステル交換反応を引き起こすことが知られており、ポリ乳酸の熱安定性を低下させる要因となる。
一方で、アルミニウムイソプロポキサイドは、オクチル酸スズ同様に、入手、取り扱いが容易であるうえ、オクチル酸スズにおいて懸念されているような人体への影響(毒性)や溶融成形時の解重合の恐れがない。
しかしながら、その触媒活性はオクチル酸スズに比べて明らかに低く(一般的な溶融重合条件下、反応温度120−200℃、反応時間数日)、得られるポリマーの分子量も10万以下と低いため実用的な使用は困難である。
乳酸亜鉛もまたアルミニウムイソプロポキサイド同様、毒性や溶融成形時の解重合の問題は無いが、特許文献1や非特許文献2に記載されているように、触媒活性がオクチル酸スズに比べて劣る。
そのためオクチル酸スズ同等の高い触媒活性を示し、かつ人体や環境にやさしい重合触媒が望まれている。
Chemical Reviews,2004,Vol.104,No.12,6147−6176
Macromol.Chem.Phys,1997,Vol.198,1753−1766
以上のような事情を鑑み、本発明の課題は、環境および人体にやさしいグリーンな開環重合触媒でありながら、非常に高い触媒活性を有するポリ乳酸製造用重合触媒を用いて、ポリ乳酸を短時間で高収率に製造し、毒性が少なく安全でかつ熱安定性に優れるポリ乳酸組成物を提供しようとするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、アルキル亜鉛化合物を重合触媒を用いることにより、ラクチドの開環重合反応において、少ない触媒量で短時間に重合反応が進行することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、以下のポリ乳酸の製法を提供する。
項1 ラクチドの開環重合反応において、下記一般式(1)で表されるアルキル亜鉛化合物
RnZnX2−n・・・一般式(1)
(式中、nは1〜2の整数であって、Rは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を、Xはハロゲン原子、または水素原子を、Znは亜鉛原子を示す。)
を開環重合触媒として用いることを特徴とするポリ乳酸の製法。
項2 アルキル亜鉛化合物が、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛、ジノルマルブチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ジノルマルヘキシル亜鉛、ジノルマルオクチル亜鉛、エチル亜鉛クロライド、またはイソブチル亜鉛ハイドライドである項1に記載の製法。
項3 項1または2のいずれかに記載のポリ乳酸の製法によって得られるポリ乳酸を含有するポリ乳酸組成物。
項1 ラクチドの開環重合反応において、下記一般式(1)で表されるアルキル亜鉛化合物
RnZnX2−n・・・一般式(1)
(式中、nは1〜2の整数であって、Rは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を、Xはハロゲン原子、または水素原子を、Znは亜鉛原子を示す。)
を開環重合触媒として用いることを特徴とするポリ乳酸の製法。
項2 アルキル亜鉛化合物が、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛、ジノルマルブチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ジノルマルヘキシル亜鉛、ジノルマルオクチル亜鉛、エチル亜鉛クロライド、またはイソブチル亜鉛ハイドライドである項1に記載の製法。
項3 項1または2のいずれかに記載のポリ乳酸の製法によって得られるポリ乳酸を含有するポリ乳酸組成物。
本発明のポリ乳酸の製法を用いることにより、少ない触媒量で短時間に重合反応が進行し、高い生産効率で安全性、熱安定性にも優れる高分子量のポリ乳酸が製造できる。
以下、本発明の構成につき詳細に説明する。
本発明において使用されるアルキル亜鉛化合物は、
RnZnX2−n・・・一般式(1)
(式中、nは1〜2の整数であって、Rは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を、Xはハロゲン原子、または水素原子を、Znは亜鉛原子を示す。)
で表される化合物である。
RnZnX2−n・・・一般式(1)
(式中、nは1〜2の整数であって、Rは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を、Xはハロゲン原子、または水素原子を、Znは亜鉛原子を示す。)
で表される化合物である。
上記式(1)中のRで表されるアルキル基は、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖のアルキル基がより好ましい。また、式(1)中のRで表されるアルキル基は互いに異なっていても、同一であっても良い。式(1)中のXはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などハロゲン原子、または水素原子を表す。
アルキル亜鉛化合物として、公知のアルキル亜鉛化合物を制限無く使用できる。このようなアルキル亜鉛化合物として、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛、ジノルマルブチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ジノルマルヘキシル亜鉛、ジノルマルオクチル亜鉛、エチル亜鉛クロライド、イソブチル亜鉛ハイドライドなどが好ましく。中でもジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛、ジノルマルブチル亜鉛がより好ましい。これらは1種類を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明で重合に使用することのできるラクチドは、L−ラクチド、D−ラクチド、meso−ラクチド、rac−ラクチドなどが挙げられる。反応には、これらを単独で、又は2種以上を混合して用いても良い。また、ラクチドは合成乳酸又は発酵より得られた乳酸を反応させることで得られるラクチドのいずれを反応に用いてもよい。ラクチドは、常温、常圧では固体状態であるが、90℃以上に加熱すると一部または全体が溶融状態となる。開環重合反応時のラクチドの状態に特に限定はないが、反応の均一性の観点から、溶融状態あるいは溶液状態であることが好ましい。溶融状態での重合は、溶液状態での重合に比べて反応速度が速い。一方、溶液状態での重合は低温での重合が可能となるため、熱的に不安定な触媒や添加物の存在下に重合を行うことが可能である。
触媒の使用量は、通常ラクチド使用量に対してアルキル亜鉛化合物が、0.00001〜1.0モル%の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは0.00005〜0.5モル%の範囲内である。上記範囲であれば、効率よく開環重合反応が進行する。反応温度は、特に限定されるものではないが、重合の均一性の点で、ラクチドが溶融状態となる100℃〜200℃の範囲内が好ましく、140〜200℃の範囲がより好ましい。反応時間は、通常1〜120分とすればよい。
開環重合反応は、無溶媒で行ってもよく、反応溶媒を使用しても良い。反応溶媒は、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタンなどの脂肪族飽和炭化水素類、メチレンクロリド、クロロホルムなどの含ハロゲン炭化水素類、アセトン、1,4−ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホオキシドなどの公知の有機溶媒を制限なく使用できる。溶媒は1種類を単独で又は2種以上を混合して使用できる。有機溶媒を使用する場合の有機溶媒の使用量は、ラクチドの100重量部に対して、有機溶媒100〜1000重量部の範囲内にあることが好ましい。
各成分の混合順序は特に限定されず、例えば、原料・溶媒・触媒を反応器中に添加し、反応を行ってもよい。但し、溶融重合においては反応の均一性の観点から、原料を反応器中に添加し、加熱し原料が溶融状態になった時点で、触媒を添加することが好ましい。
本発明に記載の開環重合反応によって得られるポリ乳酸の重量平均分子量は、5万〜50万である。得られるポリ乳酸は、白色ないし淡黄色の重合体である。
本発明の製法で得られたポリ乳酸は、用途に応じて適宜必要な添加剤を加えて、ポリ乳酸組成物として用いてもよい。具体的には、ポリ乳酸組成物は本発明の製法で得られたポリ乳酸とともに、可塑剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、滑剤、離形剤、各種フィラー、帯電防止剤、難燃剤、発泡剤、充填剤、抗菌・抗かび剤、核形成剤、染料、顔料を含む着色剤を所望に応じて含有することができる。
本発明の製法によって得られたポリ乳酸を用いて、射出成形品、押出成形品、真空・圧空成形品、ブロー成形品、フィルム、シート不織布、繊維、布、他の材料との複合体、農業用資材、漁業用資材、土木・建築用資材、文具、医療用品またはその他の成形品を得ることができ、成形は常法により行うことができる
実施例
本発明を実施するための具体的な形態を以下に実施例を挙げて説明する。但し、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
本発明を実施するための具体的な形態を以下に実施例を挙げて説明する。但し、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
L−ラクチド10.0g(69.4mmol)、回転子をシュレンク菅に入れ、1時間真空乾燥、窒素置換を行った後、窒素雰囲気下で140℃に加熱し、L−ラクチドの溶融したことを確認し、1Mジエチル亜鉛/ヘキサン溶液34μL(34μmol)を加え、重合反応を140℃で10分間行った。シュレンク菅底に重合体が生成した。
L−ラクチド10.0g(69.4mmol)、回転子をシュレンク菅に入れ、1時間真空乾燥、窒素置換を行った後、窒素雰囲気下で140℃に加熱し、L−ラクチドの溶融したことを確認し、1Mジエチル亜鉛/ヘキサン溶液34μL(34μmol)を加え、重合反応を140℃で10分間行った。シュレンク菅底に重合体が生成した。
[実施例2]
1Mジメチル亜鉛/ヘプタン溶液34μL(34μmol)を用いた点を除いて、実施例1と同様の手順で重合反応を行った。シュレンク菅底に重合体が生成した。
1Mジメチル亜鉛/ヘプタン溶液34μL(34μmol)を用いた点を除いて、実施例1と同様の手順で重合反応を行った。シュレンク菅底に重合体が生成した。
[実施例3]
1Mジイソプロピル亜鉛/トルエン溶液34μL(34μmol)を用いた点を除いて、実施例1と同様の手順で重合反応を行った。シュレンク菅底に重合体が生成した。
1Mジイソプロピル亜鉛/トルエン溶液34μL(34μmol)を用いた点を除いて、実施例1と同様の手順で重合反応を行った。シュレンク菅底に重合体が生成した。
[実施例4]
1Mジノルマルブチル亜鉛/ヘプタン溶液34μL(34μmol)を用いた点を除いて、実施例1と同様の手順で重合反応を行った。シュレンク菅底に重合体が生成した。
1Mジノルマルブチル亜鉛/ヘプタン溶液34μL(34μmol)を用いた点を除いて、実施例1と同様の手順で重合反応を行った。シュレンク菅底に重合体が生成した。
[比較例1]
L−ラクチド10.0g(69.4mmol)、ジンクアセチルアセトネート9mg(34μmol)、回転子をシュレンク菅に入れ、1時間真空乾燥、窒素置換を行った後、窒素雰囲気下で140℃に加熱し、L−ラクチドの溶融したことを確認し、重合反応を1時間行った。シュレンク菅底に白色固体が析出した。
L−ラクチド10.0g(69.4mmol)、ジンクアセチルアセトネート9mg(34μmol)、回転子をシュレンク菅に入れ、1時間真空乾燥、窒素置換を行った後、窒素雰囲気下で140℃に加熱し、L−ラクチドの溶融したことを確認し、重合反応を1時間行った。シュレンク菅底に白色固体が析出した。
[比較例2]
ジンクアセチルアセトネートに替えて、酢酸亜鉛6mg(34μmol)を用いて6時間反応を行った点を除いて、比較例1と同様の手順で重合反応を行った。シュレンク菅底に重合体が生成した。
ジンクアセチルアセトネートに替えて、酢酸亜鉛6mg(34μmol)を用いて6時間反応を行った点を除いて、比較例1と同様の手順で重合反応を行った。シュレンク菅底に重合体が生成した。
[比較例3]
[触媒調製]
ジムロート冷却菅を装着した300mL3つ口フラスコに酸化亜鉛(20 mmol:1.62g)、エチル L−ラクテート(80 mmol:9.46 g)、水(80 mL)を加え、3時間還流させた。得られた溶液を体積がおよそ半分になるまで濃縮した後、氷浴で冷やすことで、ジンクL−ラクテートを沈殿させた。得られた沈殿物を水(25 mL)で2度再結晶し精製し、五酸化二リンの存在下、110℃で減圧乾燥させ、ジンクL−ラクテート1.64g(収率34%)を得た。
[重合反応]
ジンクアセチルアセトネートに替えて、上記方法にて調製したジンクL−ラクテート8mg(34μmol)を用いた点を除いて、比較例1と同様の手順で重合反応を行った。シュレンク菅底に重合体が生成した。
[触媒調製]
ジムロート冷却菅を装着した300mL3つ口フラスコに酸化亜鉛(20 mmol:1.62g)、エチル L−ラクテート(80 mmol:9.46 g)、水(80 mL)を加え、3時間還流させた。得られた溶液を体積がおよそ半分になるまで濃縮した後、氷浴で冷やすことで、ジンクL−ラクテートを沈殿させた。得られた沈殿物を水(25 mL)で2度再結晶し精製し、五酸化二リンの存在下、110℃で減圧乾燥させ、ジンクL−ラクテート1.64g(収率34%)を得た。
[重合反応]
ジンクアセチルアセトネートに替えて、上記方法にて調製したジンクL−ラクテート8mg(34μmol)を用いた点を除いて、比較例1と同様の手順で重合反応を行った。シュレンク菅底に重合体が生成した。
[重合体の評価]
得られた重合体は放冷した後、クロロホルム100mLに溶解させ、メタノール1Lを用いて沈殿させ回収を行い、60℃で3時間真空乾燥し、重量を測定して収量(収率)を求めた。また、得られた重合体は、テトラヒドロフランに溶解し、島津ゲルパーミエーションクロマトグラフィーシステムを用いて、標準ポリスチレン換算で重量平均分子量を算出した。これらの評価結果を表1に示す。
得られた重合体は放冷した後、クロロホルム100mLに溶解させ、メタノール1Lを用いて沈殿させ回収を行い、60℃で3時間真空乾燥し、重量を測定して収量(収率)を求めた。また、得られた重合体は、テトラヒドロフランに溶解し、島津ゲルパーミエーションクロマトグラフィーシステムを用いて、標準ポリスチレン換算で重量平均分子量を算出した。これらの評価結果を表1に示す。
表1の実施例から明らかなように、アルキル亜鉛を重合触媒に用いることで短時間(10分間)に重合反応は完結し、高い収率で乳酸ポリマーを得ることができた。また、得られた重合体の分子量は約20万程度と実用に適した高分子量体であった。これに対し、比較例1〜3では重合速度が遅いため反応を1〜6時間行っても重合は完結しなかった。
本発明の製法を用いれば、衣料用、日用生活用、医薬品材料用、医療材料用、および農業、漁業、建築、土木などの産業資材用などに有効なポリ乳酸を効率よく、かつ容易に製造することが出来るので、産業界、および環境問題の解決に寄与するところが非常に大きい。
Claims (3)
- ラクチドの開環重合反応において、下記一般式(1)で表されるアルキル亜鉛化合物
RnZnX2−n・・・一般式(1)
(式中、nは1〜2の整数であって、Rは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を、Xはハロゲン原子、または水素原子を、Znは亜鉛原子を示す。)
を開環重合触媒として用いることを特徴とするポリ乳酸の製法。 - アルキル亜鉛化合物が、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛、ジノルマルブチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ジノルマルヘキシル亜鉛、ジノルマルオクチル亜鉛、エチル亜鉛クロライド、またはイソブチル亜鉛ハイドライドである請求項1に記載の製法。
- 請求項1または2のいずれかに記載のポリ乳酸の製法によって得られるポリ乳酸を含有してなるポリ乳酸組成物。
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-
2009
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