JP2008058511A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面に担持されたトナーを、転写体に対して、下方から転写するための潜像担持体と、当該潜像担持体の表面をクリーニングするための回転部材を備えたクリーニング装置と、を有する画像形成装置及びそれを用いた画像形成方法であって、回転部材の外周部に形成された弾性体層の抵抗を1×102〜1×107Ωの範囲内の値とする。
【選択図】図1
Description
すなわち、電子写真感光体の表面を、帯電手段により所定電位に帯電し、そこに露光手段によってLED光源から光を照射することにより、露光部における電位が光減衰して、原稿画像に対応した静電潜像を形成する。次いで、かかる静電潜像を、現像手段によって現像することにより、電子写真感光体表面にトナー像を形成する。最後に、トナー像は、電子写真感光体と転写手段とを接触、あるいは近接させて、中間転写体や、紙に対して転写される。
一方、このような画像形成方法においては、転写後における電子写真感光体の表面において、残留トナーと呼ばれる画像形成に関与しないトナーが残留しやすいという問題が見られた。また、電子写真感光体として、アモルファスシリコン感光体を用いた場合には、帯電手段に起因して、電子写真感光体表面に対して、放電生成物等の異物が付着しやすいという問題が見られた。
より具体的には、特許文献1は、研磨剤入りのトナーと、感光体としてアモルファスシリコンドラムを用い、トナーを現像手段により現像し、転写した後にアモルファスシリコンドラム表面を摺擦ローラにより研磨するとともにクリーニングする画像形成方法において、摺擦ローラ表面に研磨剤を捕捉する弾性層を備え、該弾性層にトナー中の研磨剤が捕捉され、捕捉された研磨剤によってドラム表面を研磨・クリーニングする画像形成方法である。
したがって、かかるリーク電流によって、電子写真感光体の表面が損傷し、形成画像においては、黒点発生となって表れるといった問題が生じていた。
特に、潜像担持体の表面に担持されたトナーを、転写体に対して下方から転写する方法(以下、下方転写方式と称する場合がある。)を採用した場合、クリーニング装置内に貯留されたトナーと、研磨ローラ及び電子写真感光体と、が常に摩擦しながら接触することとなるため、かかるトナーにおける過度の帯電が、より顕著に生じる傾向があった。
さらには、かかる下方転写方式を採用した場合には、クリーニングブレード近郊のトナーと、電子写真感光体の表面との間に、上述した突然の放電の原因となるエアギャップが生じやすいという現象が見られた。したがって、クリーニングブレード近郊のトナーに蓄積された電荷に起因して、リーク電流がより生じやすくなって、黒点発生がさらに多くなりやすいという問題が見られた。
すなわち、本発明は、下方転写方式を採用した場合であっても、クリーニング装置内のトナーにおける過度の帯電及びエアギャップの発生を抑制し、クリーニング装置からのリーク電流に起因した黒点発生等を、効果的に抑制できる画像形成装置及びそれを用いた画像形成方法を提供することを目的とする。
すなわち、下方転写方式を採用した場合であっても、回転部材の外周部に形成された弾性体の抵抗を所定の範囲内の値とすることによって、クリーニング装置内のトナーが過度に帯電することを、効果的に抑制することができる。
また、潜像担持体表面に残留しているトナー粒子及び添加剤を、効率的にクリーニング装置内に回収することができることから、クリーニング装置内のトナーにおけるトナー粒子及び添加剤等の組成の調節が容易となる。その結果、クリーニング装置内において、トナーと潜像担持体との間にエアギャップが発生することを有効に防止して、クリーニング装置内のトナーと、潜像担持体の表面と、の間における突然の放電を防止することができる。
したがって、下方転写方式を採用した場合であっても、回転部材の外周部に形成された弾性体の抵抗を所定の範囲内の値とすることによって、クリーニング装置と潜像担持体間におけるリーク電流、及びかかるリーク電流に起因した形成画像における黒点の発生を効果的に抑制することができる。
X2/X1≧1.2 (1)
このように構成することにより、クリーニング装置内のクリーニングブレード付近のトナーと、潜像担持体と、の間に生じるエアギャップの発生を、より効果的に抑制することができる。
したがって、クリーニングブレード付近のトナーが過度に帯電することを防止して、リーク電流の発生を抑制し、ひいては、リーク電流に起因した黒点の発生を、効果的に抑制することができる。
より具体的には、画像形成装置の電源スイッチを入れた状態で、X1及びX2の値を直接的に測定したり、蛍光X線強度の代替特性を測定し、それによって間接的に満足することを確認することができる。
また、画像形成装置の運転中の任意時間において、トナーを採取し、X1及びX2の値を直接的に測定したり、蛍光X線強度の代替特性を測定し、X1及びX2の値を間接的に測定したりして、それによって関係式(1)を満足することが確認できれば良い。そして、画像形成装置の運転中の任意時間とは、例えば、画像形成装置の電源スイッチを入れて10〜60秒経過した後や、あるいはA4紙を10枚〜100,000枚印刷するまでの任意の時間である。
但し、蛍光X線強度の基準測定時としては、A4紙を100枚印刷した時点で、クリーニング装置内のトナーを採取し、蛍光X線測定装置によって、X2の値を直接的に測定し、使用前のトナーにおける酸化チタンの蛍光X線強度(X1)と比較して、関係式(1)を満足することを確認することが好ましい。
このように構成することにより、回転部材における弾性体層の抵抗を、所定の範囲内に調節することが容易となるばかりか、その硬度や摩擦係数等の特性を調節して、効率的にクリーニング装置内のトナーを、回転部材表面に対して担持させることができる。
このように構成することにより、回転部材表面に対して、より効率的にクリーニング装置内のトナーを担持させることができる。
このように構成することにより、回転部材表面に対して、効率的にクリーニング装置内のトナーを担持させることができるとともに、潜像担持体表面を有効に研磨することができる。
このように構成することにより、クリーニング装置内のトナーに蓄積した電荷を、回転部材を介して効果的に逃がすことができる。したがって、クリーニング装置内のトナーが、過度に帯電することを抑制することができる。
このように構成することにより、クリーニング装置内のトナーが、過度に帯電することを、より有効に防止することができる。
このように構成することにより、下方転写方式を採用しているにも関わらず、クリーニング装置内において、回転部材等に対して十分にトナーを担持させることができる。
すなわち、このような画像形成方法であれば、クリーニング装置内のトナーにおける過度の帯電及びエアギャップの発生が防止されて、クリーニング装置内のトナーから、潜像担持体の表面へのリーク電流の発生及びそれに起因した黒点発生を、効果的に抑制することができる。
また、本発明の別の態様は、潜像担持体の表面に担持されたトナーを、転写体に対して、下方から転写する工程と、潜像担持体の表面をクリーニングするための回転部材を備えたクリーニング装置によって、潜像担持体の表面をクリーニングする工程と、を含む画像形成方法であって、回転部材の外周部に形成された弾性体層の抵抗を1×102〜1×107Ωの範囲内の値とすることを特徴とする画像形成方法である。
以下、本発明の画像形成装置や画像形成方法について、適宜図面を参照しながら、具体的に説明する。
図1は、画像形成装置1の垂直断面における正面図である。この画像形成装置1は、中間転写方式を採用し、トナー像を用紙に転写するカラー印刷タイプの画像形成装置である。また、この画像形成装置1は、潜像担持体としての電子写真感光体(以下、感光体ドラムと称する場合がある。)22B、22Y、22C、22Mの表面に担持されたトナーを、転写体としての中間転写ベルト8に対して、下方から転写する方式(以下、下方転写方式と称する場合がある。)を採用することを特徴とする。
このように、下方転写方式を採用することによって、高画質を維持できると共に、使用頻度の高いブラックの画像形成部を2次転写位置に最も近く配置できるため、それによって、ファーストコピータイムが短縮できる。
それに対して、本発明としての画像形成装置であれば、クリーニング装置内のトナーが過度に帯電することを効果的に抑制することができるとともに、かかるトナーと潜像担持体との間にエアギャップが発生することを有効に防止することができる。
したがって、本発明としての画像形成装置であれば、クリーニング装置内のトナーと潜像担持体間におけるリーク電流、及びかかるリーク電流に起因した形成画像における黒点の発生を効果的に抑制することができる。
以下、本発明としての画像形成装置を、各構成要件ごとに、具体的に説明する。
また、本体2の内部であって、用紙カセット3の左方には、用紙搬送部4が備えられている。かかる用紙カセット3から送り出された用紙Pは、用紙搬送部4により本体2の側面に沿って垂直上方に搬送され、二次転写部40に到達する。
次いで、原稿送り部5では、1枚ずつ分離して原稿が送り出され、原稿画像読み取り部6によってその画像データが読み取られる。そして、この画像データの情報は、用紙カセット3の上方に配置された露光装置であるレーザ照射部7に送られる。次いで、レーザ照射部7により、画像データに基づいて制御されたレーザ光Rが、画像形成部20に向かって照射される。
また、レーザ照射部7の上方には、合計4台の画像形成部20が、さらにそれら各画像形成部20の上方には、中間転写体を無端ベルトの形で用いた中間転写ベルト8が備えられている。かかる中間転写ベルト8は、複数のローラに巻き掛けられて支持され、図示しない駆動装置により図1において時計方向に回転する。
これらの画像形成部20に対して、トナーを補うため、画像形成部20M、20C、20Y、20Bに対応するトナー供給容器21M、21C、21Y、21Bが、中間転写ベルト8の上方に設けられ、図示しない搬送手段によりトナーが、各画像形成部20に補給される。
なお、以下の説明において、特に限定する必要がある場合を除き、トナーの色を示す「M」「C」「Y」「B」の識別記号は省略するものとする。
かかる一次転写ローラ31は、図1において上下方向に移動可能であって、必要に応じて、中間転写ベルト8に圧接、離間することができる。そして、この一次転写ローラ31が、中間転写ベルト8に圧接するに従って、中間転写ベルト8が、上方から画像形成部20に圧接することにより、画像形成部20で形成されたトナー像が、中間転写ベルト8の表面に転写される。次いで、中間転写ベルト8の回転とともに、所定のタイミングで各画像形成部20のトナー像が、中間転写ベルト8に転写される。
したがって、中間転写ベルト8の表面にはマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの4色のトナー像が重ね合わされたカラートナー像が形成されることになる。
また、定着部10の上方には、分岐部11が備えられている。そして、定着部10から排出された用紙Pは、両面印刷を行わない場合、分岐部11から画像形成装置1の胴内に設けられた胴内用紙排出トレイ12に排出されるように構成してある。
次いで、図2を参照しながら、画像形成部20について、さらに詳細に説明する。また、上述したマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの4色のトナーを使用するそれぞれの画像形成部20(20M、20C、20Y、20B)は、構造が共通するため、トナー色を限定せずに説明する。
ここで、図2に示すように、画像形成部20には、その中心に潜像担持体である感光体ドラム22が備えられている。かかる感光体ドラム22の近傍には、その回転方向に沿って、順に、帯電装置50、現像装置60、除電装置70、及びクリーニング装置80が、それぞれ配置されている。また、一次転写部30は、感光体ドラム22の回転方向に沿って、現像装置60と、除電装置70との間に設けられている。
以下、本発明の画像形成装置1における画像形成部20を、潜像担持体(感光体ドラム)22、帯電装置、現像装置、除電装置及びクリーニング装置に分けて、それぞれ具体的に説明する。
潜像担持体としての感光体ドラム22は、有機化合物である電荷発生剤、電荷輸送剤等を含有したポリカーボネート樹脂等からなる感光層を備えた有機感光体や、無機光導電性材料であるa−Si系やa−Se系の感光層を備えた無機感光体を用いることが好ましい。
この理由は、潜像担持体が有機感光体であれば、製造が容易であって、経済的となるためである。但し、有機感光体の耐久性は、無機感光体と比較して劣ることから、本発明の画像形成装置においては、無機感光体を用いることがより好ましい。
すなわち、無機感光体であれば、その感光層が適度な硬度を備えることから、後述するクリーニング工程における研磨効果が、有効に発揮されるためである。したがって、a−Si系材料等の感光層を備えた無機感光体であれば、一定の高品質な画像形成を、長期にわたって維持することができる。
したがって、以下の説明は、無機感光体を例にとって行うものとする。
感光体ドラム22の基本的構成としては、図3(a)に示すように、基体22c上に、少なくとも光導電層22bと、表面保護層22aと、が順次積層された構成であることが好ましい。
この理由は、かかる表面保護層22aを設けることによって、表面研磨量を抑えることができる一方で、高温高湿環境下であっても、画像流れの発生を抑制することができ、光導電層22bの機能を有効に発揮することができるためである。
また、図3(b)に示すように、感光体ドラム22において、基体22c上に、a−Si系材料からなる電荷注入阻止層22dを設け、その電荷注入阻止層22dを介して、光導電層22bと、表面保護層22aと、が順次積層された構成であることが好ましい。
感光体ドラム22における基体22cとしては、アルミニウム、ステンレス、亜鉛、銅、鉄、チタン、ニッケル、クロム、タンタル、スズ、金、銀等の金属材料や、それらの合金材料等の導電部材が好適に使用できる。また、樹脂、ガラス、セラミック等の絶縁体の表面に対して、上述した金属や、ITO、SnO2等の透明導電性材料による導電性膜を蒸着等により形成した基体の使用も可能である。
これらのうち、特に、アルミニウム合金が好適である。この理由は、後述する光導電層や電荷注入阻止層の材料物質として、a−Si系材料を用いた場合に、これらの層との密着性を向上させることができるばかりか、軽量化や低コスト化にも寄与することができるためである。
また、感光体ドラム22における光導電層22bとしては、a−Si系材料、もしくはSe−Te材料、As2Se3材料等のa−Se系材料を好適に用いることができる。
また、特に、a−Si材料もしくはa−Si材料に対して、C、O、N等の元素を加えて構成された材料であれば、光導電性、高速応答性、繰り返し安定性、耐熱性及び耐久性等に優れ、諸特性のバランスに優れた感光体ドラムを得ることができる。
かかるa−Si系材料の具体例としては、a−Si、a−SiC、a−SiN、a−SiO、a−SiGe、a−SiCN、a−SiNO、a−SiCO及びa−SiCNO等が挙げられる。
また、これらのa−Si系材料を用いて、例えば、グロー放電分解法またはECR法を用いたプラズマCVD法、光CVD法、触媒CVD法及び反応性蒸着法等によって、光導電層を形成することができる。
さらに、このような光導電層の形成にあたり、ダングリングボンド終端用に、水素または、フッ素や塩素等のハロゲン元素を、全体量に対して、1〜40原子%の範囲内で含有させることが好ましい。
この理由は、これらの元素の含有量を調節することで、光導電層における暗導電率や光導電率等の電気的特性及び光学的バンドギャップ等を、適宜調整することができるためである。
なお、光導電層の膜厚は、使用する光導電性材料や所望の電子写真特性により適宜調節することが好ましいが、a−Si系材料を用いた場合には、5〜100μmの範囲内の値とすることが好ましく、10〜80μmの範囲内の値とすることがより好ましい。
また、感光体ドラム22における表面層22aとしては、a−SiC及びa−SiN等を用いることができる。
この理由は、かかる材料物質であれば、感光体ドラムに対して照射された光を過度に吸収することなく、光導電層へと透過させることができるためである。
また、かかる材料物質であれば、1×1011〜1×1012Ω・cmの範囲内の比抵抗を有するため、画像形成における静電潜像を十分に保持することができるためである。
さらには、かかる材料物質であれば、高い硬度を有するため、回転部材等による摺擦等に対して、十分な耐部材性を有するためである。
以下、材料物質としてa−SiCを用いた場合を例にとって、より具体的に説明する。
また、表面層におけるSiとCとの組成比は、Si含有ガスとC含有ガスとの混合比を変化させることによって、制御することができる。
また、光導電層に対して、まず、a−SiCをa−Si1-xCx:Hと表した場合におけるxの値が0〜0.8の範囲内の値である比較的Si比率の高い第1のa−SiC層を積層することが好ましい。次いで、かかる第1の層上に、a−SiCをa−Si1-xCx:Hと表した場合におけるxの値が0.95〜1.0の範囲内の値である比較的C比率の高い第2のa−SiC層を積層することが好ましい。
この理由は、表面層の表面側においてC比率を高めることによって、高温高湿環境下において画像流れが発生することを防止することができるためである。
すなわち、表面層の表面側においてC比率を高めることによって、コロナ放電によって発生するオゾン等による層表面における酸化を効果的に防止することができるため、吸湿性が過度に高まることを抑制し、高温高湿環境下において画像流れが発生することを効果的に防止することができるためである。
この理由は、第1のa−SiC層の膜厚をかかる範囲内の値とすることにより、耐圧性、膜強度及び残留電位への影響等を、良好な状態に保持することができるためである。
したがって、第1のa−SiC層の膜厚を0.2〜1μmの範囲内の値とすることがより好ましく、0.3〜0.8μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、上述した第2のa−SiC層の膜厚は、0.01〜2μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、第2のa−SiC層の膜厚をかかる範囲内の値とすることにより、耐圧性、膜強度、耐摩耗性及び残留電位への影響等を、良好な状態に保持することができるためである。
したがって、第2のa−SiC層の膜厚を0.02〜1μmの範囲内の値とすることがより好ましく、0.05〜0.8μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、a−SiCからなる表面層を形成する方法としては、光導電層の形成と同様に、プラズマCVD法等を採用することが好ましい。
また、感光体ドラム22における電荷注入阻止層22dは、基体22cからのキャリア(電子)の注入を阻止するために設けられる層である。かかる電荷注入阻止層の構成材料としては、a−Siに対して、ドーパントとしてホウ素、窒素、及び酸素等を添加した複合材料を用いることができる。
また、かかる電荷注入阻止層の膜厚を、2〜7μmの範囲内の値とすることが好ましく、3〜6μmの範囲内の値とすることがより好ましい。
なお、かかる電荷注入阻止層の形成方法としては、上述した光導電層及び表面層の形成と同様に、プラズマCVD法等を採用することが好ましい。
また、帯電装置の種類として、スコロトロン等の非接触型の帯電手段を用いることも好ましいが、図2に示すように、帯電ローラ52を用いることがより好ましい。
この理由は、このような帯電ローラ52であれば、非接触帯電方式において生じやすいオゾン等の放電生成物を効果的に抑制することができるためである。
また、帯電ローラ52は、芯金と、その外側に設けられた導電層と、さらにその外側に設けられた抵抗層と、を備えた構成であることが好ましい。そして、帯電ローラ52の表面をさらにクリーニングするために、ハウジング51内において、帯電ローラ52の表面で回転接触するクリーニングブラシ53をさらに備えることも好ましい。
なお、帯電ローラ52の表面に対する接触力を常に一定に保持するために、図示しないものの、クリーニングブラシ53と、ハウジング51との間に、圧力調整部材を設けることがより好ましい。
また、図2に示すように、現像装置60においては、感光体ドラム22の近傍に、感光体非接触型の現像ローラ61として、設けられていることが好ましい。
このように構成した場合、現像ローラ61に対して、感光体ドラム22の帯電極性と同極性のバイアスを印加することによって、現像剤であるトナーが帯電するとともに、感光体ドラム22の表面の静電潜像に飛翔し、静電潜像が現像される。
なお、現像ローラ61は、感光体ドラムに対して接触型のものであってもよい。
この導電性弾性層33は、カーボン等の導電性材料を分散させたポリウレタンゴム等で形成されている。また、一次転写ローラ31は、アーム34を介して図示しないフレームに支持されている。また、アーム34はその軸部34aを中心として回転可能であって、この回転動作により一次転写ローラ31が上下に移動する。
したがって、一次転写ローラ31は、駆動装置を有することなく、中間転写ベルト8に接触することによって、中間転写ベルト8の回転に伴って回転することができる。
また、図2に示すように、除電装置70は、感光体ドラム22の回転方向に沿って、一次転写部30のさらに下流側に配置される。
かかる除電装置70は、LED(発光ダイオード)71と、反射板72とで構成されていることが好ましい。なお、LED71は、クリーニング装置80のハウジング81の上面に取り付けられている。
また、LED71の代わりに、EL(エレクトロルミネッセンス)光源、蛍光灯等を用いることも好ましい。この場合、反射板72は、LED71の上方に、LED71をカバーするように設けることが好ましい。
次いで、図4を参照して、クリーニング装置80について、さらに詳細に説明する。
かかるクリーニング装置80は、感光体ドラム22の回転方向に沿って、一次転写部30、除電装置70のさらに下流側に配置されており、クリーニングブレード83と、回転部材82と、トナー受け部材84と、ハウジング81と、から基本的に構成されている。
そして、かかるクリーニング装置80は、さらに、スイープロール85aや、回収ローラ85等を備えている。
クリーニング装置80は、クリーニングブレード83を有している。この理由は、かかるクリーニングブレードによって、感光体ドラムの表面における残留トナーを効率的に掻きとることができるためである。
また、図4に示すように、クリーニングブレード83は、後述する回転部材82の感光体ドラム22の回転方向下流側であって、ハウジング81内における回転部材82に対して、上下方向下側に配置されていることが好ましい。なお、クリーニングブレード83は、付勢手段83a、83bによって、感光体ドラム22に対して、所定の力で押接されるように構成されている。
また、クリーニングブレード83は、ウレタンゴム、シリコーンゴム、SBR、天然ゴム、アクリルゴム、その他樹脂材料で構成された板状の部材であって、感光体ドラム22とほぼ同じ軸線方向長さを有している。
なお、クリーニングブレードの構成材料に関して、カーボンブラックや酸化チタン等をさらに所定量含むことにより、耐久性を向上させたり、導電性を付与したりすることができる。
また、図4に示すように、クリーニング装置80が、感光体ドラム22の表面をクリーニングするための回転部材82を備えることを特徴とする。
この理由は、かかる回転部材82を備えることにより、トナーにおける外添剤としての酸化チタン等によって、感光体ドラム22の表面を効果的に研磨することができるためである。したがって、感光体ドラム22の表面に付着した異物の除去や、摩擦係数及び表面粗さといった感光体ドラム22の表面特性を、良好な状態に保持することができる。
さらに、かかる回転部材82が、接地されていることが好ましい。
この理由は、本発明の画像形成装置のように、下方転写方式を採用した画像形成装置であっても、回転部材の外周部に形成された弾性体層の抵抗を所定の範囲内の値とし、また、かかる回転部材が接地されていることによって、クリーニング装置と潜像担持体間におけるリーク電流、及びかかるリーク電流に起因した形成画像における黒点の発生を効果的に抑制することができるためである。
より具体的には、下方転写方式を採用した画像形成装置においては、その構造上の問題に起因して、回転部材に対してトナーを担持させることが困難となる。この理由は、クリーニングブレードによって感光体ドラム表面から掻き取られた残留トナーは、重力の作用によってそのまま移動(落下)しようとするためである。
そこで、下方転写方式を採用した画像形成装置におけるクリーニング装置は、一般に、回転部材に対して残留トナーを効果的に担持すべく、クリーニング装置内の回転部材近傍に、残留トナーが貯留されるように構成されている(例えば、後述するトナー受け部材等が、具体例として挙げられる)。
しかしながら、かかる構成のクリーニング装置では、クリーニング装置内に貯留されたトナーと、回転ローラ及び感光体ドラムと、が常に摩擦しながら接触することとなるため、かかるトナーが過度に帯電するといった問題が見られた。そして、かかるトナーに蓄積された電荷が、突然放電して、リーク電流となり、感光体ドラム表面に向かって流れる結果、感光体ドラムの表面が損傷し、形成画像において黒点が発生するといった問題が見られた。
一方、本発明の画像形成装置であれば、回転部材の外周部に形成された弾性体層の抵抗を所定の範囲内に規定していることから、クリーニング装置内のトナーに蓄積した電荷を、回転部材を介して効果的に逃がすことができる。したがって、クリーニング装置内のトナーが、過度に帯電することを抑制することができる。
すなわち、下方転写方式を採用した画像形成装置におけるクリーニング装置は、上述したように、クリーニング装置内にトナーを貯留して、回転部材に対してトナーを効率的に担持させる構成を有するものが一般的である。
しかしながら、かかる構成のクリーニング装置では、クリーニング装置内に貯留されたトナーと感光体ドラムとの間にエアギャップが生じる場合があり、かかるエアギャップによって、トナーに電荷が蓄積しやすくなるばかりか、突然の放電が発生しやすくなるといった問題が見られた。そして、かかる突然の放電によって、感光体ドラム表面が損傷し、形成画像において黒点が発生するといった問題が見られた。
一方、本発明の画像形成装置であれば、回転部材の外周部に形成された弾性体層の抵抗を所定の範囲内に規定していることから、感光体ドラム表面に残留しているトナー、特に酸化チタン等の添加剤を効率的にクリーニング装置内に回収することができる。より具体的には、本発明における回転部材であれば、帯電している残留トナーにおける電荷を逃がすことによって、残留トナーと感光体ドラムとの間での静電気力を弱めることができる。その結果、感光体ドラム表面に残留しているトナーを効率的にクリーニング装置内に回収することができる。したがって、かかる酸化チタン等の外添剤によってエアギャップを埋めることができることから、クリーニング装置内のトナーに対して過度に電荷が蓄積することや、突然の放電の発生を有効に抑制することができる。
このように、回転部材の外周部に形成された弾性体層の抵抗を所定の範囲内の値とすることによって、クリーニング装置と潜像担持体間におけるリーク電流、及びかかるリーク電流に起因した形成画像における黒点の発生を効果的に抑制することができる。
なお、回転部材の外周部に形成された弾性体層の抵抗が1×102Ω未満の値となると、かかる回転部材を介して、潜像担持体とクリーニング装置間における電荷の移動が生じやすくなるため、潜像担持体における帯電特性に悪影響を及ぼす場合がある。一方、回転部材の外周部に形成された弾性体層の抵抗が1×107Ωを超えた値となると、クリーニング装置と潜像担持体間におけるリーク電流、及びかかるリーク電流に起因した形成画像における黒点の発生を効果的に抑制することが困難となる場合がある。
したがって、回転部材の外周部に形成された弾性体層の抵抗を5×102〜5×106Ωの範囲内の値とすることがより好ましく、1×103〜1×106Ωの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、上述した弾性体層の抵抗の測定方法は、後の実施例において詳述する。
図5においては、横軸にトナー供給時間(分)、縦軸に、加速試験を実施した場合の黒点発生数(個数)を、それぞれ採った特性曲線A〜Dを示している。
なお、加速試験の条件としては、トナーの全体量に対して1.5重量%となるように、外添剤としての酸化チタンを含有させたトナーを使用するとともに、膜厚が15μmであるa−Si感光層を備えた感光体を使用し、一次転写バイアスをオフ状態とした。したがって、現像されたトナーが、全てクリーニング装置内に回収されるように構成し、その状態で、A4紙を通紙することなく、白黒比6%(A4原稿相当)を23枚/分の速度で印字動作して、加速試験とした。
また、かかる加速試験の結果には、実際の画像形成条件における黒点の発生と相関があることが、別途確認されている。
特性曲線A:EPDMを主構成材料とし、抵抗が1.5×108Ωである弾性体層を備えた回転部材
特性曲線B:EPDMを主構成材料とし、抵抗が1.3×106Ωである弾性体層を備えた回転部材
特性曲線C:EPDMを主構成材料とし、抵抗が1.4×104Ωである弾性体層を備えた回転部材
特性曲線D:EPDMを主構成材料とし、抵抗が1.3×103Ωである弾性体層を備えた回転部材
そして、かかる特性曲線A〜Dから理解されるように、回転部材の外周部に形成された弾性体層における抵抗(Ω)が大きな値である程、黒点が発生しやすくなっている。
より具体的には、弾性体層における抵抗(Ω)が1×107Ωを超えている特性曲線Aは、トナー供給時間(分)が5分を超えたあたりから、黒点の発生が始まっている。一方で、弾性体層における抵抗(Ω)が1×107Ω未満である特性曲線B〜Dは、トナー供給時間(分)が8分を超えたあたりまで、黒点の発生を抑制できていることがわかる。
また、特性曲線の傾きに着目すると、弾性体層における抵抗(Ω)が大きい程、大きな傾きとなっていることがわかる。なお、実際の画像形成条件との関係では、かかる加速試験において黒点が発生し始める時間の差よりも、上述した特性曲線の傾きの差の方が、黒点の発生具合に対して大きな相関を有している。したがって、特性曲線Aの傾きと特性曲線Bの傾きとの差が、実際の画像形成条件においては、黒点の発生具合に非常に大きな違いとなってあらわれることとなる。
まず、図6(a)に示すように、繰り返し画像形成を行った場合のクリーニング装置内においては、トナーが充填されている上、感光体ドラムや回転部材の回転にともなって、トナーが流動しているため、トナー同士や、トナーと回転部材、クリーニングブレード等との摩擦が常に生じている状態となる。したがって、繰り返し画像形成を行った場合には、クリーニング装置内のトナーは、自ずと帯電した状態となる。
そして、トナー層(L1)において蓄えられた電荷は、かかるエアギャップ(L2)によって絶縁された状態となり、感光体ドラムへと徐放される機会を失うため、トナー層(L1)は、過度に帯電した状態となりやすい。
その結果、トナー層(L1)における帯電量が一定レベルを超えると、エアギャップ(L2)において放電がおこる。
したがって、このようにして、クリーニング装置内のトナーから感光体ドラムへのリーク電流の発生がおこる。
また、かかるリーク電流によって、感光体ドラムが損傷するため、かかる損傷部分が、形成画像における黒点となって観察されることとなる。
すなわち、実験的に、図4に示すクリーニング装置80内に備えられたトナー受け部材84の奥行き方向における手前半分に対して、PETシール(PET:50μm、粘着剤層:50μm)を貼付けた。その結果、かかるPETシールによって、トナー受け部材84と、その上方に配置されている回転部材82との間に形成されている隙間は、トナー受け部材の奥行き方向における手前側半分については、完全に塞がれた状態になっている。
一方、トナー受け部材84の奥行き方向における向う側半分については、上述した隙間が、そのままの状態で残されている。
このとき、クリーニング装置内におけるPETシールが貼付された側では、トナーを排出することができないため、トナーが高密度に充填された状態になっている。その上、回転部材82や感光体ドラム22が回転しているため、かかる部分のトナーは、摩擦によって過度に帯電した状態となっている。
一方、クリーニング装置80内におけるPETシールが貼付されていない側では、トナーが、回転部材82の回転方向に沿って排出されるため、PETシールが貼付された側ほどには、トナーの過剰な帯電は生じていない。
一方、PETシールが貼付されていない側に位置する感光体ドラムの部分(奥行き方向における奥側半分)によって形成された画像には、黒点が全く発生していない。
したがって、これらの結果から、クリーニング装置内のトナーにおける過剰な帯電と、形成画像における黒点の発生と、の間に密接な関係があることが理解される。
そして、リーク電流を測定するに際して、図4に示すクリーニング装置80のトナー受け部材84中に、トナーを予め充填するとともに、新品のa−Si製の感光体ドラム22を画像形成装置1に搭載した。
なお、その他の測定条件としては、ドラム軸と、モータとはPETフィルムを用いて電気絶縁するとともに、回転部材及びトナー受け部材については、アース接地した。また、帯電工程、転写工程、および現像工程については実施せず、省略した。
その結果、図7(b)に示すように、感光体ドラムに対して、ピーク(P)を有する波形を有し、かつピーク(P)の値が、約300μAのリーク電流が、瞬間的に流れることが判明した。また、このようなリーク電流が流れた場合、a−Si製の感光体ドラムの表面が損傷し、その部分に対応して黒点が発生することが、別途確認された。
したがって、これらの結果から、クリーニング装置内のトナーにおいて過剰に蓄積された電荷が、クリーニング装置−感光体ドラム間におけるリーク電流の原因となっており、それが感光体ドラムの表面損傷、ひいては黒点発生の要因になっていることが判明した。
図8においては、横軸に、エアギャップの大きさ(μm)、縦軸に、トナー層−感光体ドラム間における電位差(V)をそれぞれ採った特性曲線A〜Cを示している。そして、特性曲線A〜Cは、トナー層におけるトナー帯電量を4μC/gとし、かつ、それぞれのトナー層の厚さを1mm、2.3mm、5mmとした場合に対応した特性曲線である。
かかる特性曲線A〜Cからも明らかなように、トナー層−感光体ドラム間における電位差(V)と、エアギャップの大きさ(μm)及びトナー層厚(mm)とは、ほぼ比例関係にある。
また、例えば、特性曲線Bにおいて、エアギャップの大きさが3μmであるときのトナー層−感光体ドラム間における電位差は、2,000V以上の値となっていることがわかる。このことは、エアギャップの大きさが3μmであって、かつ、トナー層の厚さ2.3mmの条件下におけるトナー層−感光体ドラム間における電位差は、2,000V以上の値となることを示している。
そして、かかるエアギャップの大きさやトナー層の厚さは、平均的な条件と推定されることから、実際の画像形成条件下においても、トナー層−感光体ドラム間における電位差としては、2,000V以上の値になり得ることを示している。そして、かかる条件下においては、放電がおこり、非常に大きな電流が感光体ドラムにリークする結果、その表面が損傷することが理解される。
すなわち、トナー層(L1´)の厚さが比較的薄いばかりか、その堆積層の間にすきまが生じていることが判明している。そして、何より、酸化チタン等の外添剤が、トナー層(L1´)と、感光体ドラムとの間に存在して、エアギャップの発生が効果的に抑制されることが判明している。なお、かかる効果は、感光体ドラム表面に残留しているトナー、特に酸化チタン等の外添剤を効率的にクリーニング装置内に回収できることに起因するものである。
したがって、かかる酸化チタン等の外添剤における比抵抗を好適な範囲内に調節することによって、トナー層(L1´)において蓄積した電荷を、感光体ドラムへと徐放することができるため、上述したようなリーク電流による感光体ドラムの損傷を効果的に抑制することができるのである。
図9においては、横軸に、酸化チタンの含有率(重量%)を採って示してあり、縦軸に、トナー層−感光体ドラム間における電位差(V)を、それぞれ採って示してあり、それに対応した特性曲線A〜Cを表している。
そして、特性曲線A〜Cは、トナー層におけるトナー帯電量を4μC/g、トナー層の厚さを2.3mm、エアギャップの大きさを3μmとし、かつ、それぞれの酸化チタン含有率を、下記仮想設定とした場合の特性曲線である。
特性曲線A:トナー層にのみ酸化チタンを含有させた場合の含有率(重量%)
特性曲線B:エアギャップにのみ酸化チタンを含有させた場合の含有率(重量%)
特性曲線C:トナー層とエアギャップの両方に対して酸化チタンを含有させた場合の含有率(重量%)
なお、特性曲線Dは、トナー層と感光体ドラムとの間で火花放電が生じる電位差を示しており、かかる特性曲線Dよりも上方の領域においては、火花放電が生じ、黒点が発生する可能性があることを示す。
一方、特性曲線Bからわかるように、エアギャップにおける酸化チタンの含有率(重量%)のみを増加させた場合には、それにともなって、トナー層−感光体ドラム間における電位差(V)が、減少している。より具体的には、エアギャップにおける酸化チタンの含有率(重量%)を0.04重量%へと増加させた場合には、電位差(V)は約2,000Vから約550Vへと急激に減少していることがわかる。そして、さらにエアギャップにおける酸化チタンの含有率(重量%)を増加させると、電位差(V)は、その度合いを弱めながらも、減少を続けることがわかる。
また、特性曲線Cが特性曲線Bと、ほぼ重なって描かれていることからも明らかなように、トナー層とエアギャップの両方における酸化チタンの含有率(重量%)を変化させた場合には、エアギャップにおける酸化チタンの含有率(重量%)のみが、電位差(V)に対して影響することが理解される。
よって、図9に表す特性曲線A〜Cからは、エアギャップにおける酸化チタンの含有率(重量%)を増加させることによって、トナー層−感光体ドラム間における電位差(V)を減少させることができることがわかる。
この理由は、弾性体層における主構成材料を、これらのゴム系材料とすることによって、回転部材における弾性体層の抵抗を、所定の範囲内に調節することが容易となるばかりか、その硬度や摩擦係数等の特性を調節して、クリーニング装置内のトナーを、効率的に回転部材表面に対して担持させることができるためである。
なお、かかる回転部材における弾性体層の抵抗を調節する方法としては、上述した主構成材料に対して、例えば、導電化剤として、カーボンブラック、金属粒子、アルカリ金属塩及び過塩素酸塩等を添加する方法が挙げられる。
この理由は、回転部材における弾性体層を、所定の平均セル径を有する樹脂発泡体とすることによって、回転部材表面に対して、より効率的にクリーニング装置内のトナーを担持させることができるためである。
すなわち、平均セル径が100μm未満の値となると、発泡セルが目詰まりしやすくなって、効率的にクリーニング装置内のトナーを担持することが困難となる場合があるためである。一方、平均セル径が300μmを超えた値となると、発泡セルの影響が大きくなるため、弾性体層自体の抵抗や硬度を好適な範囲に調節することが困難となる場合があるためである。
したがって、回転部材の弾性体層としての樹脂発泡体における平均セル径を、120〜280μmの範囲内の値とすることがより好ましく、140〜260μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、回転部材における弾性体層のアスカーC硬度をかかる範囲内の値とすることによって、回転部材表面に対して、効率的にクリーニング装置内のトナーを担持させることができるとともに、潜像担持体表面を有効に研磨することができるためである。
すなわち、アスカーC硬度が30度未満の値となると、回転部材に担持された酸化チタン等の研磨剤による研磨効果が十分に発揮できない場合があるためである。一方、アスカーC硬度が65度を超えた値となると、回転部材と感光体ドラムとの接触部におけるニップ幅が、十分に確保できない場合があるためである。
したがって、回転部材における弾性体層のアスカーC硬度を40〜60度の範囲内の値とすることがより好ましく、45〜55度の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、回転部材の大きさとしては、その直径を10〜30mmの範囲内の値とすることが好ましい。そして、回転部材82の有効研磨面積を大きくするために、感光体ドラム22とほぼ同じ軸線方向長さを有していることが好ましい。
また、回転部材82は、モータ等で構成される駆動手段によって、回転することが好ましい。また、感光体ドラム22の表面の研磨を効率良く実施するためには、回転部材82を所定の周速度で回転させることが好ましい。
すなわち、回転部材82を、図4中の矢印Bに示すように、感光体ドラム22との接触箇所における表面が、感光体ドラム22の表面と同じ方向(図4中の矢印A)に移動する向きに回転させることが好ましい。そして、回転部材82の周速度を、感光体ドラム22の周速度の1〜2倍の範囲内の値とすることが好ましい。
また、図4に示すように、クリーニング装置80が、感光体ドラム22から掻きとられたトナーを貯留するためのトナー受け部材84を有することが好ましい。そして、図10に示すように、かかるトナー受け部材84が、上述した回転部材82の周面に沿った樋状部材であることが好ましい。
この理由は、このようなトナー受け部材84を有することによって、図4に示すような、下方転写方式を採用した本発明としての画像形成装置であっても、回転部材82等に対して十分に外添剤としての酸化チタン等を担持させることができるためである。
また、このようなトナー受け部材84であれば、図4中の矢印Cに示すように、トナーを、スイープロール85aを介して、スムーズにトナー回収部85へと搬送することができるためである。
すなわち、回転部材82と、クリーニングブレード83とによって、感光体ドラム22の表面から除去されたトナーは、トナー受け部材84が無ければ、回転部材82や、クリーニングブレード83の下方に、重力の作用によって、そのまま移動(落下)しようとする。
また、圧力の作用で回転部材82に付着しなかったトナーについても、トナー受け部材84の、回転部材82の回転方向の下流側端部で、重力の作用により、回転部材82に担持することができる。
そして、回転部材82は、その表面に付着した外添剤を含有するトナーにより、感光体ドラム22の表面を研磨することができる。
また、上述したように、外添剤を効率的に回転部材82に担持させることができる一方で、かかる回転部材82の回転を利用して、トナーを安定的に、その回転方向に搬送することができる。
この理由は、このように構成することにより、かかるトナー受け部材84に対して、適度にトナーが充填された状態を維持することができるためである。
したがって、回転部材82に対して、トナーをより効率的に担持させることができるとともに、かかるトナーを、よりスムーズにトナー回収部85へと搬送することができるためである。
また、トナー受け部材84は、回転部材82の軸線方向長さとほぼ同じ長さを有していることが好ましい。そして、このトナー受け部材84は、その回転部材82の回転方向の下流側端部の箇所を残して、ハウジング81内において、回転部材82、及びクリーニングブレード83が配置された空間と、回収ローラ85が設けられた空間とを仕切り、かつ、感光体ドラム22から除去したトナーを回転部材82の周面近傍の隙間に貯留するような形で設けられていることが好ましい。
また、トナー受け部材84と、クリーニングブレード83との間には、それらの隙間を埋めるために、スポンジ(図示せず)が充填されていることが好ましい。また、トナー受け部材84の用紙幅方向の両端部には、ハウジング81との間に、図示しないスポンジ等のシール部材が設けられており、この箇所からトナー受け部材84に貯留したトナーが漏れないように構成してある。
図4に示すスイープローラ85aは、矢印Cが示すように、回転部材82と、クリーニングブレード83とによって、感光体ドラム22の表面から除去されたトナーが、スムーズにトナー回収部85へと搬送するための搬送部材である。
すなわち、スイープローラ85aは、ハウジング81内部に、トナーが滞留することを防止し、かつ、均一になるように攪拌する球状回転部材である。
なお、スイープローラ85aとしては、樹脂製や金属製、あるいはセラミック製であっても良いが、公知のものと同様の構成とすることができる。
また、図4に示すように、回収ローラ85を、ハウジング81内において、回転部材82の下方に設けることが好ましい。
この理由は、回収ローラ85によって、クリーニングに使用されたハウジング81内の廃トナーをハウジング81の外へ、すなわち廃トナー回収容器へ、効率的に排出することができるためである。
なお、かかる回収ローラ85は、ハウジング81の内部から画像形成部20の外部に設けられた廃トナー回収容器(図示せず)まで延びている。
また、使用されるトナーとしては、磁性あるいは非磁性の一成分系トナーや、磁性キャリアと非磁性トナーとを混合してなる二成分系トナーを使用することができる。
また、磁性トナーの平均粒径は特に制限されるものではないが、例えば、5〜12μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる磁性トナーの平均粒径が5μm未満の値となると、磁性トナーの帯電特性や流動特性が低下し、さらには、外添粒子の遊離率が高まる場合があるためであり、一方、かかる磁性トナーの平均粒径が12μmを超えると、トナーの流動性が低下する場合があるためである。
したがって、磁性トナーの平均粒径を、6〜11μmの範囲内の値とすることがより好ましく、7〜10μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
トナー粒子において使用される結着樹脂としては、特に制限されるものではないが、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。
また、トナーにおいて、定着性やオフセット性の効果を求めることから、ワックス類を添加することが好ましい。
このようなワックス類の種類としては、特に制限されるものではないが、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フッ素樹脂系ワックス、フィッシャートロプッシュワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、モンタンワックス、ライスワックス等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
また、トナーにおいて、帯電レベルや帯電立ち上がり特性(短時間で、一定の電荷レベルに帯電するかの指標)が著しく向上し、耐久性や安定性に優れた特性等が得られる観点から、電荷制御剤を添加することが好ましい。
このような電荷制御剤の種類としては、特に制限されるものではないが、例えば、ニグロシン、第四級アンモニウム塩化合物、樹脂にアミン系化合物を結合させた樹脂タイプの電荷制御剤等の正帯電性を示す電荷制御剤を使用することが好ましい。
また、磁性粉またはキャリアとしては、公知のものを使用することができる。
例えば、フェライト、マグネタイト、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性を示す金属もしくは合金、またはこれらの強磁性元素を含む化合物、あるいは、強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことによって強磁性を示すようになる合金等を挙げることができる。
(5)−1 酸化チタン
また、トナーにおいて、外添剤として、酸化チタンを用いることが好ましい。
この理由は、外添剤として、酸化チタンを用いることによって、回転部材による感光体ドラムの研磨を、より効果的に行うことができる。したがって、繰り返し画像形成した場合であっても、感光体ドラムの表面を、良好な状態に保持することができるためである。
また、クリーニング装置内において、かかる外添剤としての酸化チタンと、トナー粒子と、の存在比率を調節することによって、エアギャップの発生を効果的に抑制することができるためである。より具体的には、使用前のトナーと、クリーニング装置内のトナーと、における酸化チタンの蛍光X線強度比を、所定の範囲とすることによって、エアギャップの発生を効果的に抑制し、クリーニング装置からのリーク電流に起因する黒点の発生を、効果的に抑制することができるためである。
この理由は、かかる酸化チタンの平均粒径が0.01μm未満になると、均一に研磨効果を発揮することが困難となって、チャージアップが生じたり、高温高湿時において像流れが発生したりして、画像欠陥となる場合があるためである。一方、かかる酸化チタンの平均粒径が0.50μmを超えると、トナーにおける帯電量のばらつきが大きくなり、画像濃度低下、耐久性の低下を引き起こす場合があるためである。
したがって、酸化チタンの平均粒径を0.02〜0.4μmの範囲内の値とすることがより好ましく、0.05〜0.3μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、酸化チタンの平均粒径は、電子顕微鏡及び画像解析装置を組合せて測定することができる。すなわち、30,000倍〜100,000倍の倍率を適宜用い、電子顕微鏡JSMー880(日本電子データム社製)を用いて、50個の粒子の長径および短径をそれぞれ測定して、画像解析装置により、それらの平均を求めて算出した。
この理由は、かかる低比抵抗の酸化チタンを介して、クリーニング装置内のトナーが、その蓄積された電荷を効果的に徐放することができ、その結果、クリーニング装置内のトナーが、過度に帯電することを、より有効に防止することができるためである。
したがって、クリーニング装置内のトナーから、感光体ドラムへのリーク電流の発生を抑制して、かかるリーク電流に起因する黒点の発生を、効果的に抑制することができるためである。
図11においては、横軸にトナー供給時間(分)、縦軸に、加速試験を実施した場合の、黒点発生数(個数)を、それぞれ採った特性曲線A及びBを示している。なお、加速試験の条件としては、使用するトナーにおける外添剤としての酸化チタンの比抵抗を、以下に記載するように、それぞれ変えたほかは、図5の説明において記載した内容と同様の条件で行った。なお、クリーニング装置における回転部材の弾性体層としては、EPDMを主材料とし、抵抗が1.35×106Ωである弾性体層を用いた。
また、かかる加速試験の結果には、実際の画像形成条件における黒点の発生と相関があることが、別途確認されている。
そして、特性曲線Aにおいては、トナー供給時間(分)が8分を経過したあたりから、黒点が発生し始めるとともに、その後,急激に黒点発生数(個)が増加し続け、トナー供給時間(分)が15分を経過する頃には、黒点発生数(個)が300個近くまで増加している。
一方、特性曲線Bにおいては、トナー供給時間(分)が8分を経過したあたりから、黒点が発生し始めるものの、その後トナー供給時間(分)が13分を経過する頃まで、ほとんど増加しないままである。そして、トナー供給時間(分)が13分を経過した頃から、ほぼ一定割合で黒点発生数(個)が増加して始めるが、トナー供給時間(分)が20分を経過する頃でも、黒点発生数(個)は120個程度で抑えられている。
したがって、加速試験において、外添剤としての酸化チタンの比抵抗を1×100〜1×102Ω・cmの範囲内の値とすることによって、黒点発生数を効果的に抑制することができることがわかる。
すなわち、酸化チタンの比抵抗を変化させることによって、酸化チタンの帯電特性を変化させることができることから、転写工程において、トナー粒子とともに転写体に対して転写される酸化チタンの割合を調節することができる。その結果、クリーニング装置で回収されるトナーにおける酸化チタンの含有量の調節が可能となる。
図12においては、トナーにおける外添剤として、中比抵抗の酸化チタンを用いた場合のクリーニング装置内のトナーにおける蛍光X線分析装置による元素分析の結果を示している。
また、図13においては、トナーにおける外添剤として、低比抵抗の酸化チタンを用いた場合のクリーニング装置内のトナーにおける蛍光X線分析装置による元素分析の結果を示している。
かかる二つの元素分析結果から、トナーにおける外添剤として、低比抵抗の酸化チタンを用いた場合の方が、中比抵抗の酸化チタンを用いた場合と比較して、クリーニング装置内のトナーにおける酸化チタンの含有量が増加することが理解される。
したがって、酸化チタンの比抵抗を変えることで、クリーニング装置内のトナーにおける酸化チタンの含有量を調節することができることがわかる。
なお、蛍光X線分析装置を用いた測定方法については、実施例1で詳細に説明し、さらに、蛍光X線強度に関する関係式(1)の内容については、後のトナー特性の項において具体的に説明する。
この理由は、かかる酸化チタンの添加量を0.1〜5重量部の範囲内の値とすることによって、クリーニング装置内のトナーにおける酸化チタンの含有量を調節することが容易となる一方で、感光体ドラムに対する研磨効果を有効に発揮することができるためである。
すなわち、かかる添加量が0.1重量部未満の値となると、クリーニング装置内における酸化チタンの含有量が増加しにくくなって、クリーニング装置内のトナーにおける酸化チタンの含有量を、例えば、後述する関係式(1)を満足するような好適な状態に調節することが困難となったり、研磨効果を有効に発揮したりすることが困難になって、高温高湿条件下での画質が著しく低下する場合があるためである。一方、かかる添加量が5重量部を超えると、トナーの流動性が悪化する場合があるためである。
したがって、酸化チタンの添加量を、トナー粒子100重量部に対して、1〜2重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、1.2〜1.6重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、トナー粒子に対する外添剤として、シリカ粒子(以下、凝集シリカ粒子と称する場合がある。)を外添処理することが好ましい。
また、このようなシリカ粒子において、粒径5μm以下の割合が、全体量に対して、15重量%以下の値であるとともに、粒径50μm以上の割合が、3重量%以下の値である粒度分布を有することが好ましい。
この理由は、粒径5μm以下のシリカ粒子の割合が15重量%を超えると、当該シリカ粒子が、感光体粒子に付着しやすくなって、再凝集するとともに、比較的粒径が大きいシリカ粒子の周囲に集まって、層むらの発生原因になりやすいためである。一方、粒径50μm以上のシリカ粒子の割合が3重量%を超えると、比較的粒径が小さいシリカ粒子を周囲に集めて、大凝集シリカ粒子を形成して、やはり層むらの発生原因になりやすいためである。
したがって、このようなシリカ粒子のより好ましい粒度分布としては、粒径5μm以下の割合を、全体量に対して、10重量%以下の値とするとともに、粒径50μm以上の割合を2重量%以下の値とすることである。
なお、かかるシリカ粒子の粒度分布は、堀場製作所(株)製のレーザ回折式粒度測定器LAー500を用いて測定することができる。
この理由は、かかる外添剤の添加量が0.5重量部未満では、トナーの流動性を向上させる効果を、十分に発揮することが困難となる場合があるためである。一方、かかる外添剤の添加量が15.0重量部を超えると、クリーニング装置内のトナーにおけるシリカの含有量が過度に大きくなるため、後述する関係式(2)を満足することが困難となる場合があるためである。
したがって、外添剤の添加量を、トナー粒子100重量部に対して、0.7〜10.0重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、0.9〜5.0重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(6)−1 蛍光X線強度比1
本発明としての画像形成装置においては、使用前のトナーにおける酸化チタンの蛍光X線強度をX1とし、クリーニング装置内のトナーにおける酸化チタンの蛍光X線強度をX2とした場合に、当該X1及びX2が、下記関係式(1)を満足することが好ましい。
X2/X1≧1.2 (1)
この理由は、使用前のトナーと、クリーニング装置内のトナーと、における酸化チタンの蛍光X線強度比を、かかる範囲内の値とすることによって、クリーニング装置内のトナーが、過度に帯電することを防止することができるためである。
したがって、クリーニング装置内のトナーから、感光体ドラムへのリーク電流の発生を抑制して、かかるリーク電流に起因する黒点の発生を、効果的に抑制することができるためである。
一方、クリーニング装置内のトナーにおける酸化チタンの含有量が、過剰に大きくなると、トナーの流動性が悪化したり、過剰な研磨効果によって、感光体ドラムにおける帯電特性が局部的に著しく上昇したりする場合がある。
したがって、上述したX1及びX2が、下記関係式(1´)を満足することがより好ましく、下記関係式(1´´)を満足することがさらに好ましい。
1.5≦X2/X1≦5 (1´)
1.8≦X2/X1≦4 (1´´)
図14においては、横軸に、X2/X1の比率(−)、縦軸に、加速試験を実施した場合の黒点発生数(個数)を採って示してある。なお、加速試験の条件としては、上述した通りである。
それに対して、X2/X1の比率が小さくなるほど、加速試験における黒点発生数(個数)が減少し、具体的に、X2/X1の比率が1.2以下になると、加速試験における黒点発生数(個数)が著しく減少している。
そして、X2/X1の比率がさらに小さくなり、それにつれて、加速試験における黒点発生数(個数)がさらに減少し、X2/X1の比率が2を超えたあたりから、この加速試験においては、実質的に発生しなくなっている。
したがって、加速試験はもちろんのこと、実際の画像形成装置においても、X2/X1の比率を所定以上の値とすることによって、黒点発生数を効果的に抑制することができることが推定される。
また、外添剤として、上述した酸化チタンに加えて、シリカをさらに含むとともに、クリーニング装置内にいおけるシリカの蛍光X線強度をX3とした場合に、上述したX2(クリーニング装置内のトナーにおける酸化チタンの蛍光X線強度)及びX3が、下記関係式(2)を満足することが好ましい。
X3/X2≦20 (2)
この理由は、外添剤としてシリカを用いることで、トナーの流動性が向上する結果、トナーの流動性及び研磨性のバランスを良好に保持しつつ、クリーニング装置内のトナーが、過度に帯電することを、有効に防止することができるためである。
一方、クリーニング装置内のトナーにおけるシリカの含有量が、過剰に少なくなると、トナーの流動性を向上させることが困難となる場合がある。
したがって、上述したX2及びX3が、下記関係式(2´)を満足することがより好ましく、下記関係式(2´´)を満足することがさらに好ましい。
3≦X3/X2≦15 (2´)
5≦X3/X2≦10 (2´´)
(1)回転部材の製造
容器中において、エチレン−プロピレン−ジエンゴム100重量部に対して、導電性カーボンブラック30〜80重量部、パラフィンオイル30〜80重量部、発泡剤としてのアゾジカーボジアミド5〜15重量部、を加えて混練した。次いで、得られた混合物を、押し出し成型によってチューブ状に成型した後、マイクロ波加硫装置装置(UHF)を用いて発泡加硫し、表1に示す特徴を備えた4種類の弾性体層A〜Dを、それぞれ得た。
次いで、得られた弾性体層をあらかじめ接着剤を塗布した鉄製の芯金(直径:11mm、長さ320mm)に対して圧入し、さらに接着加硫を行った。次いで、弾性体層表面を研磨処理して、その膜厚を1.5mmとし、最終的な回転部材を得た。
なお、弾性体層における抵抗、アスカーC硬度及び平均セル径の測定は、それぞれ以下に示すようにして実施した。
また、形成した弾性体層における抵抗を測定した。
すなわち、金属平板に対して、得られた回転部材を1kgf(9.8N)の力で圧接させた。次いで、金属平板と、回転部材の芯金を電極として、500Vの電圧を印加して、このとき流れた電流値を測定し、かかる測定値から弾性体層における抵抗値を算出した。
また、形成した弾性体層におけるアスカーC硬度を測定した。
すなわち、アスカーゴム硬度計C型(高分子計器(株)製)を用いて測定した。
また、形成した弾性体層において、発泡セルの平均セル径を測定した。
まず、平均セル径の定義を説明すると、平均セル径とは、全てのセルにおけるセル径を、真円に相当する径に換算したものの平均値である。また、かかるセル径の換算方法を具体的に説明すると、例えば、楕円形のセルの場合、その楕円形における長径と、短径と、の平均値を、真円に相当する径とする。
なお、換算前のセル径は、弾性体層における断面を顕微鏡を用いて観察し、測定した。
1.トナーの作成
(1)トナー粒子の作成
まず、バインダー樹脂として、複数のポリエステル樹脂を用いるとともに、それに磁性粉等を混合した後、溶融混練した。
すなわち、ポリエステル樹脂(アルコール成分:ビスフェノールAプロピオンオキサイド付加物、酸成分:テレフタル酸、Tg:60℃、軟化点:150℃、酸価:7.0、ゲル分率:30%)を100重量部、電荷制御成分としてCCA(商品名:ボントロンNo.1、オリエント化学製)3重量部、電荷制御樹脂(4級アンモニウム塩添加スチレン−アクリル共重合体;藤倉化成製FCA196)3重量部、ワックス成分としてエステルワックス(商品名:WEP・5、日本油脂製)3重量部をヘンシェルミキサーにて混合した。
次いで、2軸押し出し機(シリンダ設定温度:100℃)でさらに混練した後、フェザーミルにより粗粉砕した。その後、ターボミルで微粉砕を行い、気流式分級機で分級して平均粒子径が8.0μmのトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100重量部に対して、シリカ粒子(商品名:RA200HS、日本アエロジル社製)0.8重量部と、酸化チタン(商品名:EC300、チタン工業社製)1.0重量部をヘンシェルミキサーにて混合し、トナーを得た。なお、酸化チタンの比抵抗は、30Ω・cmであった。
(1)使用前のトナーにおける酸化チタンの蛍光X線強度
得られたトナーにおける酸化チタンの蛍光X線強度(X1)を、蛍光X線測定装置によって測定した。
すなわち、かかるトナー粒子5gを試料プレス成型機(BRE−32:MAEKAWA TESTING MACHINE社製))にて、20MPaの加圧力を3秒間付与し、円形形状のペレット(直径40mm、厚さ5mm)とした後、リガク社製の蛍光X線測定装置RIX200を用いて、トナー中に含まれるTi等に帰属する蛍光X線ピーク強度(kcps)を測定した(電圧:50kV、電流:30mA、X線管球:Rh)。得られた結果を表1に示す。
また、クリーニング装置内のトナーにおける酸化チタンの蛍光X線強度(X2)を、蛍光X線測定装置によって測定した。
すなわち、得られたトナー及び上述した弾性体層Aを備えた回転部材を搭載した京セラミタ(株)製、KM−C3232を用いて、A4紙にて、所定画像を1,000枚連続して、下記条件下で形成した後、かかる画像形成装置のクリーニング装置からトナーを取り出した。そして、かかるトナーを用いたほかは、上述した使用前のトナーにおける蛍光X線強度の測定と同様にして、蛍光X線測定装置によって測定した。得られた結果を表1に示す。
なお、蛍光X線強度を測定するに際しての画像形成条件等は以下のとおりである。
(画像形成条件)
環境: 23℃50%RH
原稿: 各色に対して6%原稿
感光体: アモルファスシリコン感光体(膜厚15μm)
ドラム周速:150mm/s
印字速度: 32枚/分
表面電位: 270V
(帯電条件)
ACバイアス:1.2kVpp
DCバイアス:350V
(クリーニングブレード条件)
ブレード硬度:70°(JIS−A基準)
材質: ウレタン
厚さ: 2.2mm
突出長さ: 11mm
線圧: 22g/cm
圧接角: 25°
(回転部材)
弾性体層: 弾性体層A
ドラムとの周速差:1.2倍(ドラムに対してトレール方向に回転)
また、クリーニング装置内のトナーにおけるシリカの蛍光X線強度(X3)を、蛍光X線測定装置によって測定した。
すなわち、上述したクリーニング装置内のトナーにおける酸化チタンの蛍光X線強度の測定と同様にして、蛍光X線測定装置によって測定した。得られた結果を表1に示す。
また、得られたX1〜X3から、蛍光X線強度比としての(X2/X1)及び(X3/X2)の値をそれぞれ算出した。得られた結果を表1に示す。
(1)黒点発生数の評価
また、得られた画像形成装置を用いて、画像形成を行い、黒点発生数の評価を行った。
すなわち、A4紙にて、所定画像を1,000枚連続して、上述した条件下で形成した後、白紙画像(A4紙)を形成し、かかる白紙画像における黒点の発生数を計測し、下記基準に沿って評価した。得られた結果を表1に示す。
◎:黒点発生数が20個/A4紙未満の値である
○:黒点発生数が20〜50個/A4紙未満の値である
△:黒点発生数が50〜100個/A4紙未満の値である
×:黒点発生数が100個/A4紙以上の値である
また、実施例2においては、トナーを製造する際に、外添剤としての酸化チタンの含有量を、トナー粒子100重量部に対して0.8重量部としたほかは、実施例1と同様にトナーを製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
また、実施例3においては、トナーを製造する際に、外添剤としてのシリカの含有量を、トナー粒子100重量部に対して1.5重量部としたほかは、実施例1と同様にトナーを製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
また、実施例4においては、トナーを製造する際に、外添剤として、比抵抗が10Ω・cmである酸化チタン(商品名:EC100、チタン工業社製)を用いたほかは、実施例1と同様にトナーを製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
また、実施例5においては、トナーを製造する際に、外添剤としての酸化チタンの含有量を、トナー粒子100重量部に対して1.2重量部としたほかは、実施例4と同様にトナーを製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
また、実施例6〜10においては、回転部材における弾性体層として、弾性体層Bを用いたほかは、それぞれ実施例1〜5と同様にトナーを製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
また、実施例11〜12においては、回転部材における弾性体として、弾性体層Cを用いたほかは、それぞれ実施例1〜5と同様にトナーを製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
また、比較例1〜3においては、回転部材における弾性体として、弾性体層Dを用いたほかは、それぞれ実施例1、4及び5と同様にトナーを製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
したがって、本発明の画像形成装置及びそれを用いた画像形成方法は、複写機やプリンタ等各種画像形成装置における画像特性の向上に著しく寄与することが期待される。
2:本体
3:用紙カセット
4:用紙搬送部
5:原稿送り部
6:原稿画像読み取り部
7:レーザ照射部
8:中間転写ベルト
20(20M、20C、20Y、20B):画像形成部
22:潜像担持体(感光体ドラム、電子写真感光体)
30:一次転写部
40:二次転写部
50:帯電装置
60:現像装置
70:除電装置
80:クリーニング装置
81:ハウジング
82:回転部材
83:クリーニングブレード
84:トナー受け部材
85a:スイープロール
85:回収ローラ
90:トナー粒子
91:酸化チタン粒子
100:リーク電流検知システム
Claims (9)
- 表面に担持されたトナーを、転写体に対して、下方から転写するための潜像担持体と、
当該潜像担持体の表面をクリーニングするための回転部材を備えたクリーニング装置と、を有する画像形成装置であって、
前記回転部材の外周部に形成された弾性体層の抵抗を1×102〜1×107Ωの範囲内の値とすることを特徴とする画像形成装置。 - 前記トナーが、外添剤として酸化チタンを含むとともに、使用前のトナーにおける酸化チタンの蛍光X線強度をX1とし、前記クリーニング装置内のトナーにおける酸化チタンの蛍光X線強度をX2とした場合に、当該X1及びX2が、下記関係式(1)を満足することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
X2/X1≧1.2 (1) - 前記回転部材における弾性体層の主構成材料をエチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、及びニトリルゴムからなる群から選択される少なくとも一種とすることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記回転部材における弾性体層を樹脂発泡体とするとともに、当該樹脂発泡体における平均セル径を100〜300μmの範囲内の値とすることを特徴とする1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記回転部材における弾性体層のアスカーC硬度を30〜65度の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記回転部材が、接地されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記酸化チタンの比抵抗を1×100〜1×102Ω・cmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項2〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記クリーニング装置が、前記潜像担持体から掻きとられたトナーを貯留するためのトナー受け部材を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 潜像担持体の表面に担持されたトナーを、転写体に対して、下方から転写する工程と、前記潜像担持体の表面をクリーニングするための回転部材を備えたクリーニング装置によって、前記潜像担持体の表面をクリーニングする工程と、を含む画像形成方法であって、
前記回転部材の外周部に形成された弾性体層の抵抗を1×102〜1×107Ωの範囲内の値とすることを特徴とする画像形成方法。
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