JP2008058156A - クロマトグラフ分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】不分離ピークに対する定量計算処理結果にばらつきが少ないクロマトグラフ分析装置を提供する。
【解決手段】本発明のクロマトグラフ分析装置によると、予め設定したベースライン設定条件を用いて不分離ピークに対して自動的にベースライン設定処理を行う。
【選択図】図3

Description

本発明はクロマトグラフ分析装置に関し、特に、クロマトグラフデータの波形処理機能を有するクロマトグラフ装置に関する。
クロマトグラフ分析装置によって得られるクロマトグラフデータは、横軸が時間、縦軸が信号強度の波形データである。時間と成分の関係は予め既知である。従って、波形データの山のピークの横軸上の位置は、その成分の種類又は名を示す。一方、波形データの山の面積は、その成分の含有物質量を示す。山のピーク位置から成分を特定する処理を定性処理と称する。山の面積を計算して成分の含有物質量を特定する処理を定量計算処理と称する。
波形データの山には、所謂、不分離ピークが現れることがある。不分離ピークは、2つの山が互いに僅かにずれているとき、1つの山として表れたものである。不分離ピークから、成分を特定し、成分の含有物質量を計算するためには、不分離ピークに含まれる2つの山を特定する必要がある。
定量計算処理は、コンピュータの波形処理によって実行される。定量計算処理では、山の面積を特定するために、ベースラインを設定する必要がある。一般に、不分離ピークに対して正確なベースラインを設定するのは困難である。
ユーザは、コンピュータによって設定された不分離ピークに対するベースラインに満足することができない場合がある。そのような場合には、ユーザ自身が、コンピュータが設定したベースラインをマニュアルで補正する。これをマニュアルベースライン補正処理と称する。
特開2003−161725号公報
マニュアルベースライン補正処理では、不分離ピークに対してユーザがマニュアルでベースラインを設定する。ベースラインの設定は、ユーザの経験と知識に頼っていた。従って、マニュアルベースライン補正処理を行った不分離ピークに対する定量計算処理の結果の精度はばらつきが大きかった。
クロマトグラフデータは、オンラインにて収集処理される場合がある。このような場合には、定量計算処理をリアルタイムで実行する。しかしながら、マニュアルベースライン補正処理をリアルタイムにて行うことは困難である。
本発明の目的は、不分離ピークに対する定量計算処理結果にばらつきが少ない、又は、より正確なクロマトグラフ分析装置を提供することにある。
本発明は、波形処理機能を有するクロマトグラフ装置に関する。本発明のクロマトグラフ分析装置によると、予め設定したベースライン設定条件を用いて不分離ピークに対して自動的にベースライン設定処理を行う。
本発明のクロマトグラフ分析装置によると、不分離ピークに対する定量計算処理結果にばらつきが少ない、又は、より正確である。
図1に本発明のクロマトグラフ分析装置の構成例を示す。本例のクロマトグラフ分析装置は、溶離液送液機構101、反応液送液機構102、試料導入部103、分離機構104、T字ジョイント105、反応装置106、及び、可視検出器107を有し、これらは流路によって接続されている。クロマトグラフ分析装置は更にデータ処理装置108、記憶装置109、表示装置110及び入力装置111を備える。データ処理装置108はコンピュータ装置を含むものであってよい。記憶装置109にはピーク形状ライブラリ及びサンプル波形ライブラリが設けられている。
溶離液送液機構101は、複数の溶離液槽101aとポンプ101bを有し、溶離液槽101aのうちの1つをポンプ101bに接続するための電磁弁が設けられている。電磁弁は、ポンプ101b内に設けられてよいが、溶離液槽101aとポンプ101bの間に設けられてもよい。データ処理装置108からの信号によって、又は、ポンプ101bへの直接入力により、電磁弁を切り替える。
反応液送液機構102は、複数の反応液槽102aと洗浄液槽102bとポンプ102cを有し、反応液槽102aと洗浄液槽102bのうちの1つをポンプ102cに接続するための電磁弁が設けられている。電磁弁は、ポンプ102c内に設けられてよいが、反応液槽102a及び洗浄液槽102bとポンプ102cの間に設けられてよい。データ処理装置108からの信号によって、又は、ポンプ102cへの直接入力により、電磁弁を切り替える。
分離機構104は複数のガードカラム104aと分離カラム104bを有する。ガードカラム104aのうちの1つを分離カラム104bに接続するためのカラムスイッチングバルブが設けられている。
溶離液槽101aからの溶離液は、ポンプ101bによって送液され、試料導入部103に送られる。試料導入部103から分離機構104へ試料液及び溶離液が送られる。試料液及び溶離液は、ガードカラム104aを通過し、分離カラム104bにて所定の試料が分離され、T字ジョイント105に送られる。
反応液槽102aからの反応液はポンプ102cによって送液され、T字ジョイント105に送られる。T字ジョイント105にて、試料と反応液が混合され、混合液が生成される。混合液は、反応装置106に送られる。反応装置106にて、試料は反応液と反応し、呈色する。呈色した試料は、可視検出器107により検出される。可視検出器107からの検出信号はデータ処理装置108に送られる。データ処理装置108は入力した信号を処理してクロマトグラムおよびデータを生成する。クロマトグラムおよびデータは、記憶装置109に保存され、表示装置110に表示される。
図2を参照して従来のクロマトグラフ分析装置による分析処理の基本的な流れを説明する。ステップS201にて、ユーザは、クロマトグラフ分析装置を構成する各ユニットの接続確認を行い、問題がなければ分析処理が開始できるように各ユニットのウォームアップを実施する。ステップS202にて、ユーザは、入力装置111を介して分析処理に用いる分析条件を作成する。分析条件は、各ユニット用の設定パラメータ、定性処理条件、定量計算処理条件、波形処理条件等を含む。定性処理条件は、試料の成分の特定方法に関する条件である。例えば、横軸上に各成分を特定するための範囲を設定する。定量計算処理条件は、含有物質量の計算方法に関する条件である。即ち、波形データの山の面積の計算方法の条件である。波形処理条件は、定量計算処理に必要な波形処理の条件である。
ステップS203にて、ユーザは、入力装置111を介してサンプル条件を作成する。サンプル条件は、試料に関する情報、分析サイクル条件等を含む。例えば、標準試料の個数、測定対象の試料の個数、標準試料と測定対象の試料の投入の順番である。
ステップS204にて、クロマトグラフ分析装置によって標準試料及び測定対象の試料を測定する。測定対象の試料はサンプルテーブル上にて予め指定された試料である。ステップS205にて、データ処理装置108は、測定データを解析する。解析結果を分析条件と共に記憶装置109に記録し、保存する。
ステップS206にて、サンプルテーブルにて指定された全ての測定対象の試料の解析結果が得られたか否かを判定する。全ての試料の解析結果が得られていない場合には、ステップS204に戻り、試料を測定する。全ての試料の解析結果が得られている場合には、ステップS207に進む。
ステップS207にて、ユーザは、表示装置110に表示された解析結果を検討し、再解析が必要であるか否かを判定する。再解析が必要でないと判定した場合にはステップS211に進む。再解析が必要であると判断した場合には、ステップS208に進む。
ステップS208にて、再解析を行う。ここでは不分離ピークに対してユーザはマニュアルベースライン補正処理を行う。
ステップS209にて、解析結果を検討し、更に再解析が必要であるか否かを判定する。再解析が必要であると判定した場合にはステップS208に戻る。再解析が必要でないと判定した場合には、ステップS210にて、再解析結果をベースライン設定条件と共に記憶装置109に記録し、保存する。ステップS211にて、別の分析処理を実施する必要があるか否かを判定する。別の分析処理を実施する必要があれば、ステップS202に戻り、再度分析処理を行う。別の分析処理を実施する必要がない場合にはこの処理を終了する。
図3Aを参照して本発明のクロマトグラフ分析装置において、ベースライン設定処理に使用するベースライン設定条件の登録処理を説明する。ステップS301にて、ユーザは、入力装置111を介してベースライン設定条件を作成する。ベースライン設定条件は、サンプル波形と不分離ピークの分離方法を含む。サンプル波形は、クロマトグラフデータに出現すると予想される不分離ピークのテンプレートである。不分離ピークの分離方法は、サンプル波形から2つの波形を分離する方法である。
ステップS302にて、本発明のクロマトグラフ分析装置のデータ処理装置は、ベースライン設定条件に対して、分離指定整合性判定のチェック処理を行う。分離指定整合性判定のチェック処理では、ベースライン設定条件を用いた計算を行い、その結果が発散するか収束するかを判定する。発散する場合には、不整合であると判定し、収束する場合には、整合であると判定する。
ベースライン設定条件が不整合である場合には、分離指定整合性判定のチェック処理の結果がエラーと判定される。この場合、ステップS303にて、ベースライン設定条件の再指定要求が成される。
ベースライン設定条件が整合である場合には、分離指定整合性判定のチェック処理の結果が正常であると判定される。ステップS304にて、ベースライン設定条件に対する分離指定整合性判定のチェックが完了したか否かを判定する。完了していない場合には、ステップS302に戻る。完了した場合には、ステップS305にて、ベースライン設定条件を記憶装置内に保存し、ピーク形状ライブラリに登録する。
本例によると、ピーク形状ライブラリに登録されているベースライン設定条件を用いてベースライン設定処理を実行する。従って、自動的に、且つ、リアルタイムにてベースライン設定処理を実行することができる。
図3Bを参照して本発明のクロマトグラフ分析装置による分析処理の基本的な流れを説明する。ステップS311にて、ユーザは、分析条件、波形処理条件及びベースライン設定条件をピーク形状ライブラリにて指定する。ステップS312にて、ユーザは、波形処理用タイムテーブル情報設定画面にて波形処理用タイムテーブルを作成する。即ち、ベースライン設定処理を行う対象となる波形処理区間を指定する。波形処理用タイムテーブル情報設定画面の例は図16を参照して説明する。
ステップS313にて、本発明のクロマトグラフ分析装置のデータ処理装置は、ステップS311にて指定された分析条件及び波形処理条件に基づいて、ステップS312にて作成された波形処理用タイムテーブルに従って、定量計算処理を行う。
ステップS314にて、データ処理装置は、指定された波形処理区間にて、不分離ピークが検出されたか否かを判定する。不分離ピークが検出された場合には、ステップS315に進む。不分離ピークが検出されない場合には、ステップS316に進む。
ステップS315にて、データ処理装置は、ベースライン設定条件に従ってベースライン設定処理を行う。先ず、検出された不分離ピークとサンプル波形を比較し、両者が近似していると判定される複数のサンプル波形、又は両者が最も近いと判定されるサンプル波形を選定する。次に、指定された分離方法を用いて、サンプル波形を2つのピークに分離する。2つのピークの各々に対して山の面積の計算を行う。
ステップS316にて、データ処理装置は、通常の波形処理により定量計算処理を行う。最後に、ステップS317にて、定量計算処理の結果を記録し、保存する。
図2の従来のクロマトグラフ分析装置では、ステップS205におけるデータ処理装置108による解析と、ステップS208におけるユーザによるマニュアルベースライン補正処理の2つの処理を行う。しかしながら、本発明のクロマトグラフ分析装置では、ステップS315におけるデータ処理装置108によるベースライン設定処理を行い、ユーザによるマニュアルベースライン補正処理は不要である。従って、本発明のクロマトグラフ分析装置では、クロマトグラフデータがオンラインで供給された場合でも、リアルタイムにて、クロマトグラフデータの定量計算処理を行うことができる。更に、本発明のクロマトグラフ分析装置では、不分離ピークに対してユーザが指定したベースライン設定条件によってベースライン設定処理を行うから、ユーザの好みを定量計算処理の結果に反映することができる。
図4は、本発明のクロマトグラフ分析装置によって提供されるサンプル波形の例を説明する。サンプル波形401は、代表的なリーディング形状及びテーリング形状を有する複数の曲線形状を含む。サンプル波形401には登録コード402が付されて、サンプル波形ライブラリ403に保存される。サンプル波形ライブラリ403には、標準で提供されているサンプル波形とユーザがマニュアルで作成して登録したサンプル波形が保存されている。
図5及び図6を参照して、ユーザがサンプル波形をマニュアルで作成する方法を説明する。ユーザは、サンプル波形ライブラリ403に保存されているサンプル波形を修正してもよいが、自分でサンプル波形を描画してもよい。
図5は、表示装置に表示されたサンプル波形の編集画面の例を示す。この編集画面は、サンプル波形登録コードフィールド501、波形処理設定ボタン502、曲線描画ボタン503、頂点座標編集ボタン504、読込みボタン505、保存ボタン506、キャンセルボタン507及びグラフ領域508を有する。グラフ領域508には、作成中の又は作成し終わったサンプル波形が表示される。
ユーザは、ここで作成するサンプル波形のコードをサンプル波形登録コードフィールド501に記入する。波形処理設定ボタン502をクリックすると、図7の波形処理設定画面が表示される。曲線描画ボタン503をクリックすると、グラフ領域508に所望の不分離ピーク波形を表わすサンプル波形を描画することができる。頂点座標編集ボタン504をクリックすると、図6に示す画面が表示され、グラフ領域508に表示されたサンプル波形曲線の頂点が表示される。読込みボタン505をクリックすると、サンプル波形ライブラリ403に保存されているサンプル波形を読み出して、グラフ領域508に表示することができる。保存ボタン506をクリックすると、グラフ領域508に表示されたサンプル波形にサンプル波形登録コード501が付加されてサンプル波形ライブラリ403に保存される。キャンセルボタン507をクリックすることにより前処理を元に戻すことができる。
ユーザは、サンプル波形の作成処理を終了したとき、又は、サンプル波形の作成処理を行わないとき、波形処理設定ボタン502をクリックする。それによって、図7の波形処理設定画面が表示される。
図6は、表示装置に表示されたサンプル波形の頂点表示画面の例を示す。上述のように、図5のサンプル波形の編集画面の頂点座標編集ボタン504をクリックすると、本例のサンプル波形の頂点表示画面が表示される。このサンプル波形の頂点表示画面は、サンプル波形登録コードフィールド601、頂点座標編集ボタン602、確定ボタン603、キャンセルボタン604、及びグラフ領域605を有する。グラフ領域605には、サンプル波形曲線に頂点(丸印)が付されて表示される。頂点はコンピュータソフトウエアによって曲線上に付される。頂点座標編集ボタン602をクリックすることによって、グラフ領域605に表示された曲線の頂点をユーザが編集することができる。例えば、ユーザが、頂点を示す丸印をドラッグすることにより移動させることができる。
尚、グラフ領域605に、頂点が付されていない曲線が表示されている場合には、頂点座標編集ボタン602をクリックすることによって、グラフ領域605に表示された曲線に頂点を付すことができる。頂点位置の補正が終了したら、確定ボタン603をクリックする。それによって、図5に示すサンプル波形の編集画面に戻る。
図7から図15を参照して、ベースライン設定処理に用いるベースライン設定条件を設定する方法を説明する。上述のように、ベースライン設定条件は、サンプル波形と不分離ピークの分離方法を含む。サンプル波形は、クロマトグラフデータに出現すると予想される不分離ピークのテンプレートである。不分離ピークの分離方法は、サンプル波形から2つの波形を分離する方法である。以下に2つの設定方法を説明する。第1設定方法では、既存の自動分離方法を利用する。既存の自動分離方法には、EMG(Exponentially Modified Gaussian)モデルフィッティング、スプライン関数近似、正規分布近似等がある。第2設定方法では、ユーザが指定したベースラインを用いてユーザが指定した分離方法を用いる。ユーザが指定する分離方法には、垂直線法、前方水平線法、後方水平線法等がある。
図7は、表示装置に表示された波形処理設定画面の例を示す。上述のように、図5の波形処理設定ボタン502をクリックすると、本例の波形処理設定画面が表示される。波形処理設定画面は、サンプル波形登録コードフィールド701、第1設定ボタン702、第2設定ボタン703、キャンセルボタン704、及びグラフ領域705を有する。グラフ領域705には、波形処理の対象であるサンプル波形が表示される。第1設定ボタン702をクリックすると、図8に示す第1設定処理画面が表示される。第2設定ボタン703をクリックすると、図12に示す第2設定処理画面が表示される。
図8は、表示装置に表示された第1設定処理画面の例を示す。上述のように、図7の波形処理設定画面の第1設定ボタン702をクリックすると本例の第1設定処理画面が表示される。本例の第1設定処理画面は、分離波形パラメータ設定フィールド801、分離方法指定フィールド802、設定ボタン803、読み込みボタン804、キャンセルボタン805及びグラフ領域806を有する。グラフ領域806には、第1設定処理の対象であるサンプル波形が表示される。
分離波形パラメータ設定フィールド801には、第1設定処理に共通で使用される分離波形のパラメータが表示されている。このパラメータには、分離波形の頂点の時間を表わすリテンションタイム、ベースライン開始時間、ベースライン終了時間、及び、サンプリングピリオドを含む。ユーザは、分離波形のパラメータを所望の値に設定することにより、不分離ピーク波形に含まれる2つの波形形状を設定することができる。分離方法指定フィールド802には、サンプル波形に対する分離方法が表示されている。ユーザは、不分離ピークから2つの波形に分離するための分離方法として所望の分離方法を選択することができる。分離方法には、EMGモデルフィッティング、スプライン関数近似、正規分布近似等を含む。これらの分離方法は既知であり、ここでは詳細に説明しない。例えば、EMGモデルフィッティングの詳細については、特開2003−161725号公報を参照されたい。
ユーザは、分離波形パラメータ設定フィールド801にて所望のパラメータを設定し、分離方法指定フィールド802に所望の分離方法を指定すると、設定ボタン803をクリックする。ここでは、分離方法としてEMGモデルフィッティングを指定した場合を説明する。設定ボタン803をクリックすると、図9のEMGモデルフィッティングのパラメータを設定する画面が表示される。
読み込みボタン804をクリックすると、第1設定処理によって設定された分離波形パラメータ及び分離方法をサンプル波形と共に読み出すことができる。キャンセルボタン805をクリックすると、前処理をキャンセルすることができる。
図9は、表示装置に表示されたEMGモデルフィッティングパラメータ設定画面の例を示す。上述のように、図8の第1設定処理画面の分離方法指定フィールド802にてEMGモデルフィッティングを指定し、設定ボタン803をクリックすると、本例のEMGモデルフィッティングパラメータ設定画面が表示される。本例のEMGモデルフィッティングパラメータ設定画面は、分離波形パラメータ設定フィールド901、固有パラメータ設定フィールド902、実行ボタン903、及び、キャンセルボタン904を有する。
分離波形パラメータ設定フィールド901には、第1設定処理に共通で使用される分離波形のパラメータ及び分離方法が表示されている。このパラメータ及び分離方法は、図8の第1設定処理画面の分離波形パラメータ設定フィールド801にて設定されたパラメータ及び分離方法指定フィールド802にて指定された分離方法が表示される。ユーザは、分離波形パラメータ設定フィールド901より、第1設定処理に共通で使用される分離波形のパラメータ及び分離方法を確認することができる。
固有パラメータ設定フィールド902にて、ユーザは、EMGモデルフィッティングによる分離処理に固有のパラメータを設定する。このようなパラメータとして、ピーク形状指定、重み付け係数等がある。ユーザは、固有パラメータ設定フィールド902にパラメータを設定し、実行ボタン903をクリックすると、分離処理が実行される。
図10は、表示装置に表示された分離処理結果表示画面の例を示す。ここでは、EMGモデルフィッティングを用いて分離処理を行ったものとする。上述のように、図9のEMGモデルフィッティングパラメータ設定画面分離処理結果表示画面の実行ボタン903をクリックすると、本例の分離処理結果表示画面が表示される。本例の分離処理結果表示画面は、グラフ領域1001、フィッティング結果表示フィールド1002、分離波形パラメータ表示フィールド1003、保存ボタン1004及びキャンセルボタン1005を有する。グラフ領域1001の上端には、図8の第1設定処理画面の分離方法指定フィールド802にて指定された分離方法が表示される。グラフ領域1001の中央には、サンプル波形と分離された2つの波形が表示される。フィッティング結果表示フィールド1002には、反復計算回数、分離された2つのピークの定数等が表示される。分離波形パラメータ表示フィールド1003には、図8の第1設定処理画面の分離波形パラメータ設定フィールド801及び図9のEMGモデルフィッティングパラメータ設定画面の固有パラメータ設定フィールド902にて設定されたパラメータが表示される。保存ボタン1004をクリックすることにより、この画面に表示された分離方法及び分離処理結果がピーク形状ライブラリに保存される。
図11は、表示装置に表示された分離処理結果表示画面の例を示す。ビューア機能を用いて、ピーク形状ライブラリに保存されている分離処理結果の例を表示させることができる。本例の分離処理結果表示画面は、グラフ領域1101、フィッティング結果表示フィールド1102、分離波形パラメータ表示フィールド1103、保存ボタン1104、再編集ボタン1105、次へボタン1106、戻るボタン1107及び終了ボタン1108を有する。
ここでは、図10の分離処理結果表示画面と異なる点を説明する。グラフ領域1001の上端には、ピーク形状ライブラリの登録コードであるピーク形状登録コードが表示される。
再編集ボタン1105をクリックすることにより、第1設定処理によって作成された分離方法の再編集を行うことができる。保存ボタン1104をクリックすることにより、再編集した結果をピーク形状ライブラリに保存することができる。次へボタン1106をクリックすることにより、ピーク形状ライブラリに保存されている次の分離方法が表示される。戻るボタン1107をクリックすることにより、ピーク形状ライブラリに保存されている前の分離方法が表示される。終了ボタン1108をクリックすることにより、この分離処理結果表示画面の表示を終了させることができる。
図12は、表示装置に表示された第2設定処理画面の例を示す。上述のように、図7の波形処理設定画面の第2設定ボタン703をクリックすると、本例の第2設定処理画面が表示される。本例の第2設定処理画面は、分離波形描画ボタン1201、ベースライン描画ボタン1202、確定ボタン1203、分離波形パラメータフィールド1204、読み込みボタン1205、保存ボタン1206、キャンセルボタン1207及びグラフ領域1208を有する。グラフ領域1208には分離方法を設定する対象のサンプル波形が表示される。
分離波形パラメータ設定フィールド1204には、第2設定処理に共通で使用される分離波形のパラメータが表示されている。このパラメータには、分離波形の頂点の時間を表わすリテンションタイム、ベースライン開始時間、ベースライン終了時間、及び、サンプリングピリオドを含む。ユーザは、分離波形のパラメータを所望の値に設定することにより、不分離ピーク波形を2つの波形に分割することができる。
ユーザは、分離波形パラメータ設定フィールド1204にて所定の分離波形パラメータを設定し、分離波形描画ボタン1201をクリックすると、図13の分離波形描画画面が表示される。ベースライン描画ボタン1202をクリックすると、図14のベースライン描画画面が表示される。
読み込みボタン1205をクリックすると、第2設定処理により作成された分離方法を読み出すことができる。保存ボタン1206をクリックすると、この画面の情報が保存される。キャンセルボタン1207をクリックすると、前処理をキャンセルすることができる。
図13は、表示装置に表示された分離波形描画画面の例を示す。上述のように、図12の第2設定処理画面の分離波形描画ボタン1201をクリックすると、本例の分離波形描画画面が表示される。本例の分離波形描画画面は、分離波形描画ボタン1301、頂点座標編集ボタン1302、確定ボタン1303、キャンセルボタン1304、分離波形パラメータ表示フィールド1305、読み込みボタン1306、保存ボタン1307、キャンセルボタン1308及びグラフ領域1309を有する。初期画面では、グラフ領域1309には分離方法を設定する対象のサンプル波形が表示される。分離波形パラメータ表示フィールド1305には、図12の第2設定処理画面の分離波形パラメータ設定フィールド1204にて設定されたパラメータが表示される。
グラフ領域1309には、分離波形パラメータ表示フィールド1305にて表示されたリテンションタイム、ベースライン開始時間、ベースライン終了時間、及び、サンプリングピリオドを示す標識が表示される。分離波形描画ボタン1301をクリックすることによって、ユーザは、サンプル波形に含まれる2つの波形を描画することができる。ユーザは、グラフ領域1309に表示された標識を利用して、2つの波形を容易に描画することができる。頂点座標編集ボタン1302をクリックすることにより、頂点座標の編集を行うことができる。頂点座標の編集については、図6を参照して説明した。確定ボタン1303をクリックすることによって、描画された2つの分離波形が確定する。保存1307をクリックすることにより、こうして第2設定処理により作成された分離波形が分離方法としてピーク形状ライブラリに保存される。読込みボタン1306をクリックすることにより、ピーク形状ライブラリに保存されている分離方法として分離波形を読み出すことができる。
図14は、表示装置に表示されたベースライン描画画面の例を示す。上述のように、図12の第2設定処理画面のベースライン描画ボタン1202をクリックすると、本例のベースライン描画画面が表示される。本例のベースライン描画画面は、ベースライン描画ボタン1401、確定ボタン1402、キャンセルボタン1403、分離波形パラメータ表示フィールド1404、読み込みボタン1405、保存ボタン1406、キャンセルボタン1407及びグラフ領域1408を有する。
グラフ領域1408には、図12の第2設定処理画面のグラフ領域1208に表示されたサンプル波形が表示される。分離波形パラメータ表示フィールド1404には、図12の第2設定処理画面の分離波形パラメータ設定フィールド1204にて設定されたパラメータが表示される。
ベースライン描画ボタン1401をクリックすることによって、サンプル波形の分割方法を指定するフィールドが表示される。ユーザは、垂直分割、リーディング分割、テーリング分割等のリストから分割方法を選択することができる。ユーザは、選択した分割方法を従って、サンプル波形に対してベースラインを描画することができる。例えば、垂直線法、前方水平線法、後方水平線法等によってベースラインを描画する。図14の例は、ユーザが、分割方法として垂直分割を選択し、垂直線法によってベースラインを描画する場合を示す。
確定ボタン1402をクリックすることによって、描画されたベースラインが確定する。保存1406をクリックすることにより、こうして第2設定処理により作成されたベースラインが分離方法としてピーク形状ライブラリに保存される。読込みボタン1405をクリックすることにより、ピーク形状ライブラリに保存されている第2設定処理により作成された分離方法としてベースラインを読み出すことができる。
図15は、表示装置に表示されたベースライン表示画面を表示した状態を示す。ビューア機能を用いて、ピーク形状ライブラリに保存されているベースラインの例を表示させることができる。本例のベースライン表示画面は、ピーク形状登録コードフィールド1501、分離方法指定フィールド1502、分離波形パラメータ表示フィールド1503、保存ボタン1504、再編集ボタン1505、次へボタン1506、戻るボタン1507、終了ボタン1508、及び、グラフ領域1509を有する。グラフ領域1509にサンプル波形が表示される。
図15の例では、分離方法指定フィールド1502にベースライン描画が表示されている。グラフ領域1509には、サンプル波形が垂直分割によって分割されていることが示されている。これは、ユーザが、垂直分割法によってベースラインを描画することにより、サンプル波形を2つに分離したことを示す。
再編集ボタン1505をクリックすることにより、ベースラインの再編集を行うことができる。保存ボタン1504をクリックすることにより、再編集した結果をピーク形状ライブラリに保存することができる。次へボタン1506をクリックすることにより、ピーク形状ライブラリに保存されている次のベースラインが表示される。戻るボタン1507をクリックすることにより、ピーク形状ライブラリに保存されている前のベースラインが表示される。終了ボタン1508をクリックすることにより、このベースライン表示画面を終了させることができる。
図16は、表示装置に表示された波形処理用タイムテーブル情報設定画面の例を示す。本例の波形処理用タイムテーブル情報設定画面は、波形処理用タイムテーブル1601、及び、ピーク形状ライブラリ名称指定フィールド1602を有する。ユーザは、波形処理用タイムテーブル1601にて、ベースライン描画法のスケジュールを設定する。このとき、ベースライン設定処理を行う対象となる波形処理区間を設定する。波形処理用タイムテーブル1601は、左から順に、経過時間、機能、数値、及び、オンオフの項目を含む。機能には、波形処理用ベースライン描画法が指定されている。
図示の例では、ベースラインN法が用いられる。経過時間が1.0分にて、前方水平線法がオンとなり、経過時間が3.0分にて、前方水平線法がオフとなる。従って、経過時間が1.0分から3.0分までの2分間に、前方水平線法によってベースラインが描かれる。経過時間が3.5分にて、ベースライン設定がオンとなり、経過時間が4.5分にて、ベースライン設定がオフとなる。従って、経過時間が3.5分から4.5分までの1分間に、クロマトグラフデータに対して、自動的にベースライン設定処理を行う。経過時間が5.0分にて、後方水平線法がオンとなり、経過時間が5.5分にて、後方水平線法がオフとなる。従って、経過時間が5.0分から5.5分までの0.5分間に、後方水平線法によってベースラインが描かれる。
本例の波形処理タイムテーブルによると、複数区間において、互いに異なる波形処理用ベースライン描画法を指定することができる。
ユーザは、ピーク形状ライブラリ名称指定フィールド1602にて、ベースライン設定に使用される分離方法をピーク形状ライブラリにて指定することができる。
図17は表示装置に表示されたクロマトグラフデータ表示画面の例を示す。本例のクロマトグラフデータ表示画面には、クロマトグラフデータの波形に、波形処理用タイムテーブルの有効範囲情報が表示されている。図16の波形処理用タイムテーブル1601の例が表示されている。
本例によると、再解析処理を行う場合に、この表示画面を見ながら、波形処理タイムテーブルの設定を行うことができる。即ち、クロマトグラフデータに含まれる不分離ピーク波形を見ながら、波形処理タイムテーブルにてベースライン設定処理を設定することができる。
クロマトグラフデータに対して、ユーザが作成したベースライン設定条件による波形処理が実施された場合は、レポート内の定量計算結果にベースライン設定処理が行われていることを示すベースラインコード、ピーク形状ライブラリ名称、及び、ピーク形状ライブラリ内のピーク形状登録コードを併せて出力する。これにより、ユーザはベースライン設定条件による波形処理が実施されたことを容易に確認できる。
以上本発明の例を説明したが本発明は上述の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲にて様々な変更が可能であることは当業者に容易に理解されよう。
本発明によるクロマトグラフ分析装置の構成を示す図である。 従来のクロマトグラフ分析装置による基本的な分析処理の流れを示す図である。 本発明によるクロマトグラフ分析装置による分析処理において、自動的にベースライン設定処理を行うためのユーザの操作を説明する図である。 本発明によるクロマトグラフ分析装置に登録された不分離ピーク波形のサンプル波形のデータ構造を示す図である。 本発明によるクロマトグラフ分析装置の表示装置に表示された、サンプル波形の編集画面の例を示す図である。 本発明によるクロマトグラフ分析装置の表示装置に表示された、サンプル波形の頂点表示画面の例を示す図である。 本発明によるクロマトグラフ分析装置の表示装置に表示された、分離方法設定処理画面の例を示す図である。 本発明によるクロマトグラフ分析装置の表示装置に表示された、第1設定処理画面の例を示す図である。 本発明によるクロマトグラフ分析装置の表示装置に表示された、EMGモデルフィッティングパラメータ設定画面を示す図である。 本発明によるクロマトグラフ分析装置の表示装置に表示された、分離処理結果表示画面の例を示す図である。 本発明によるクロマトグラフ分析装置の表示装置に表示された、ビューア機能による分離処理結果表示画面を示す図である。 本発明によるクロマトグラフ分析装置の表示装置に表示された、第2設定処理画面の例を示す図である。 本発明によるクロマトグラフ分析装置の表示装置に表示された、分離波形描画画面の例を示す図である。 本発明によるクロマトグラフ分析装置の表示装置に表示された、ベースライン描画画面の例を示す図である。 本発明によるクロマトグラフ分析装置の表示装置に表示された、ビューア機能によるベースライン表示画面の例を示す図である。 本発明によるクロマトグラフ分析装置の表示装置に表示された、波形処理用タイムテーブル情報設定画面の例を示す図である。 本発明によるクロマトグラフ分析装置の表示装置に表示された、クロマトグラフデータ表示画面の例を示す図である。
符号の説明
101…溶離液送液機構、101a…溶離液槽、101b…ポンプ、102…反応液送液機構、102a…反応液槽、102b…洗浄液槽、102c…ポンプ、103…試料導入部、104…分離機構、105…T字ジョイント、106…反応装置、107…可視検出器、108…データ処理装置、109…記憶装置、110…表示装置、111…入力装置

Claims (22)

  1. 試料に含まれる成分を分離するクロマトグラフユニットと、該クロマトグラフユニットから得られるクロマトグラフデータより定性処理によって試料に含まれる成分を特定し定量計算処理によって上記試料に含まれる成分の質量、物質量等を定量するデータ処理装置と、を有し、
    上記データ処理装置は、上記クロマトグラフデータに現れる不分離ピークに対して予め設定されたベースライン設定条件に従ってベースライン設定処理を行い、該ベースライン設定処理された波形に対して定量計算処理を行うことを特徴とするクロマトグラフ分析装置。
  2. 請求項1に記載のクロマトグラフ分析装置において、上記ベースライン設定条件は、クロマトグラフデータに出現すると予想される不分離ピークの波形を表わすサンプル波形と該サンプル波形を2つの波形に分離する分離方法を含み、上記ベースライン設定処理は、上記クロマトグラフデータに現れた不分離ピークに近似した複数のサンプル波形を選択し、該選択したサンプル波形を上記分離方法によって2つの波形に分離し、該2つの波形の各々に対して定量計算処理を行うことを特徴とするクロマトグラフ分析装置。
  3. 請求項2に記載のクロマトグラフ分析装置において、上記ベースライン設定処理は、上記クロマトグラフデータに現れた不分離ピークに最も近似したサンプル波形を選択し、該選択したサンプル波形を上記分離方法によって2つの波形に分離し、該2つの波形の各々に対して定量計算処理を行うことを特徴とするクロマトグラフ分析装置。
  4. 請求項2に記載のクロマトグラフ分析装置において、上記サンプル波形は、予め標準にて装備されているサンプル波形とユーザがマニュアルで作成したサンプル波形を含むことを特徴とするクロマトグラフ分析装置。
  5. 請求項2に記載のクロマトグラフ分析装置において、上記分離方法は、既存の自動的な分離方法を含むことを特徴とするクロマトグラフ分析装置。
  6. 請求項5に記載のクロマトグラフ分析装置において、上記既存の自動的な分離方法には、EMGモデルフィッティング、スプライン関数近似、又は、正規分布近似を含むことを特徴とするクロマトグラフ分析装置。
  7. 請求項5に記載のクロマトグラフ分析装置において、上記既存の自動的な分離方法には、共通のパラメータが設定されていることを特徴とするクロマトグラフ分析装置。
  8. 請求項2に記載のクロマトグラフ分析装置において、上記分離方法は、ユーザが描画したベースラインを用いてユーザが選択した分割方法によって分離する方法を含むことを特徴とするクロマトグラフ分析装置。
  9. 請求項8に記載のクロマトグラフ分析装置において、上記ユーザが選択した分割方法は、垂直線法、前方水平線法、又は、後方水平線法を含むことを特徴とするクロマトグラフ分析装置。
  10. 請求項8に記載のクロマトグラフ分析装置において、上記ユーザが選択した分割方法には、共通のパラメータが設定されていることを特徴とするクロマトグラフ分析装置。
  11. 請求項1に記載のクロマトグラフ分析装置において、上記データ処理装置は、予め設定された波形処理用タイムテーブルにて指定された上記クロマトグラフデータの波形処理区間に不分離ピークが現れるか否かを判定することを特徴とするクロマトグラフ分析装置。
  12. 請求項1に記載のクロマトグラフ分析装置において、上記データ処理装置は、ユーザが選択した不分離ピーク又はユーザが選択した波形処理区間に不分離ピークが現れるか否かを判定することを特徴とするクロマトグラフ分析装置。
  13. 試料に含まれる成分を分離するクロマトグラフユニットと、該クロマトグラフユニットから得られるクロマトグラフデータより定性処理によって試料に含まれる成分を特定し定量計算処理によって上記試料に含まれる成分の質量、物質量等を定量するデータ処理装置と、上記クロマトグラフデータを表示する表示装置と、クロマトグラフデータの波形処理におけるベースライン描画法のスケジュールである波形処理用タイムテーブルとクロマトグラフデータに現れる不分離ピークに対する波形処理条件であるベースライン設定条件を保存する記憶装置と、を有し、
    上記データ処理装置は、上記波形処理用タイムテーブルにて指定された上記クロマトグラフデータの波形処理区間にて上記ベースライン設定条件に従って上記クロマトグラフデータに現れる不分離ピークに対してベースライン設定処理を行うことを特徴とするクロマトグラフ分析装置。
  14. 請求項13に記載のクロマトグラフ分析装置において、上記ベースライン設定条件は、クロマトグラフデータに出現すると予想される不分離ピークの波形を表わすサンプル波形と該サンプル波形を2つの波形に分離する分離方法を含み、上記ベースライン設定処理は、上記クロマトグラフデータに現れた不分離ピークに最も近似したサンプル波形を選択し、該選択したサンプル波形を上記分離方法によって2つの波形に分離し、該2つの波形の各々に対して定量計算処理を行うことを特徴とするクロマトグラフ分析装置。
  15. 請求項14に記載のクロマトグラフ分析装置において、上記記憶装置は、上記サンプル波形を保存するサンプル波形ライブラリを有し、該サンプル波形ライブラリには標準で装備されたサンプル波形とユーザがマニュアルで作成したサンプル波形が保存されていることを特徴とするクロマトグラフ分析装置。
  16. 請求項14に記載のクロマトグラフ分析装置において、上記表示装置は、ユーザがサンプル波形を編集するためのサンプル波形編集画面を表示し、該サンプル波形編集画面は、サンプル波形が表示されるグラフ領域を有し、ユーザは上記グラフ領域に表示されたサンプル波形の編集を行い、編集後のサンプル波形をサンプル波形登録が付加されてサンプル波形ライブラリに保存することを特徴とするクロマトグラフ分析装置。
  17. 請求項14に記載のクロマトグラフ分析装置において、上記表示装置は、上記分離方法として既存の分離方法を設定するための第1設定処理画面を表示し、該第1設定処理画面は、上記既存の分離方法を指定するための分離方法指定フィールドと上記既存の分離方法に共通のパラメータを設定するための分離波形パラメータ設定フィールドとを有することを特徴とするクロマトグラフ分析装置。
  18. 請求項14に記載のクロマトグラフ分析装置において、上記表示装置は、上記分離方法としてユーザが指定する分離方法を設定するための第2設定処理画面を表示し、該第2設定処理画面は、分割方法を指定するための分割方法指定フィールドとベースライン描画方法を指定するためのベースライン描画法指定フィールドと上記分割方法に共通のパラメータを設定するための分離波形パラメータ設定フィールドとを有することを特徴とするクロマトグラフ分析装置。
  19. クロマトグラフデータを入力することと、
    ベースライン設定条件及び波形処理用タイムテーブルを入力することと、
    上記波形処理用タイムテーブルにて指定された波形処理区間にて、上記クロマトグラフデータより不分離ピークの有無を検出することと、
    上記不分離ピークが検出された場合には、上記ベースライン設定条件に従って上記不分離ピークに対してベースライン設定処理を行うことと、
    上記ベースライン設定処理によって分離された波形データに対して定量計算処理を行うことと、
    を含むクロマトグラフ分析方法。
  20. 請求項19記載のクロマトグラフ分析方法において、上記ベースライン設定条件は、クロマトグラフデータに出現すると予想される不分離ピークの波形を表わすサンプル波形と、該サンプル波形より2つの波形に分離する分離方法を含むことを特徴とするクロマトグラフ分析方法。
  21. 請求項19記載のクロマトグラフ分析方法において、上記ベースライン設定処理は、検出された不分離ピークとサンプル波形を比較し、両者が最も近いと判定されるサンプル波形を選定することと、
    指定された分離方法を用いて、サンプル波形を2つのピークに分離する分離ステップと、
    2つの波形の各々に対して定量計算処理を行い、質量、物質量等を定量することと、
    を含むことを特徴とするクロマトグラフ分析方法。
  22. 請求項19記載のクロマトグラフ分析方法において、上記不分離ピークが検出されない場合には、通常の波形処理により定量計算処理を行うことを特徴とするクロマトグラフ分析方法。
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