JPH08233795A - クロマトグラフ用データ処理装置 - Google Patents
クロマトグラフ用データ処理装置Info
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- G06F17/10—Complex mathematical operations
-
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Abstract
スラインの適切な補正方法を提案する。 【構成】本データ処理装置は中央処理器1、周辺機器接
続器2、A/D変換器3、信号データ記憶器4、制御命
令記憶器5、入力機器6、出力機器7、結果データ記憶
器8、処理パラメータ記憶器9、クロマトグラフ用検出
器10で構成する。クロマトグラフ用検出器10からの
アナログ信号は、A/D変換器3を経てデジタル信号に
変換され、周辺機器接続器2を経て、中央処理器1に入
る。制御命令記憶器5の中の命令により、所定の形式の
信号データに変換され、信号データ記憶器4に記憶され
る。 【効果】ノイズ等局所的な信号の変化の影響を受けにく
く、自然で滑らかな曲線的ベースラインを柔軟性の入力
により設定可能とした。
Description
処理装置に係り、特にベースラインの補正方法に関す
る。
ると、不分離ピークのベースライン補正には(1)N法
(2)θ法(3)単純にベース部分を直線により接続する方
法(無補正法)がある。
ークを1本のピークとしてまとめ、直線によりベース部
分か谷部分を直線により接続する方法である(図3
a)。ベース部分とは、信号の変化量を指標としてピー
ク領域でないと判断された部分である。
る場合に、意図的に傾きを緩めようとする方法である
(図3b)。
スラインが直線的であると推定される場合に有効である
(図3c)。この他にも個々のクロマトグラムのピーク
形状に従い、前方水平法(図3d),後方水平法(図3
e),ショールダーピークの特殊処理法(図1f)等を
意図的に選択し、ベースライン補正する場合もある。
補正法には一長一短があり、個々の場合に応じて選択さ
れてきた。これはベースラインを一意的に決定するのが
難しいためである。一意性を持つ方法もいくつか提案さ
れている(特開昭62−32360号,特開昭63−88443号,特
開平6−94696号等)が、未だ一般的な方法にはなってい
ない。
に存在するベース部分や谷部分に基づき、ベースライン
を補正するものである。
ムは一般に局所的な信号の変動に鋭敏過ぎる傾向にあ
る。例えば、ノイズの大小により、谷部分が検知される
場合とされない場合が発生する。ピークの始点,終点、
つまりベース部分の端点検知もノイズにより妨害され
る。結局、このようなベースラインの補正もノイズの影
響を受け易く、信号の若干の違いにより全く異なるベー
スラインになる場合がある。
検知するセンシティビティやスロープ等のパラメータが
不適切であると、ベースラインが大きく変動することが
ある。
推定される場合には、水平な直線をベース部分にあては
めれば妥当なベースラインが得られる。しかし水平であ
るとは限らない場合に、ベース部分や谷部分を直線によ
り折線グラフのようにベースラインを連続する方法は、
必ずしも妥当なものではない。
し、クロマトグラムの局部的なノイズに影響されること
なく安定したベースラインを形成し、またクロマトグラ
フの局部的な変動に捕らわれないベースライン補正を行
うクロマトグラフ用データ処理装置を提供することを目
的とする。
れるクロマトグラフ用検出器の出力値を、検出し、該検
出結果に基づいてクロマトグラムを形成し、該クロマト
グラム形状に基づいて前記ベースラインを決定するベー
スライン決定手段を有するクロマトグラフ用データ処理
装置において、前記ベースラインを補正するに際して、
ベースラインを形成する形成点と該形成点に隣接する形
成点との出力値方向の偏差が大きい程、多く偏差を縮小
するようにする。
前記偏差を大とするのに伴って偏差に比する偏差の変化
量は小となり、前記偏差を小とするのに伴って偏差に比
する偏差の変化量は大となるように調節している。
トグラム形状に基づいて決定されたベースラインから、
測定対象のクロマトグラムが出現する時間領域前後のベ
ースラインを結んだ直線状のベースラインまでとする。
に適用するための選択手段を設けた。
定されるベースラインの決定手段は、前記測定対象試料
のクロマトグラムが出現する時間領域間にあって、前記
クロマトグラムが出現する時間領域の始点と終点を結ん
だ直線,始点と前記クロマトグラムの谷部を結んだ直
線、或いは終点と前記クロマトグラムの谷部を結んだ直
線から、前記クロマトグラムまでの同一時間軸上での距
離に基づいてベースラインを決定し、前記距離が大きい
ほど、前記距離に対する前記直線から前記ベースライン
までの同一時間軸上での距離を小さくするようにベース
ラインの形成点を配置している。
態様として前記距離が0乃至一定長さに有る時間領域で
は前記ベースラインをクロマトグラムと同一線としてい
る。
域の信号変化に比してかなり緩やかな変化をし、その変
化幅はせまいものである。
場合、その各点の中でも隣接している2点は夫々が緩や
かに束縛し合っていると考えられる。つまり局所的に突
出した形状のベースラインというのは有り得ないもので
あって、局所的に突出したベースラインが描かれた場
合、その部分はベースラインの描画手段が適当ではなか
ったか或いはクロマトグラフ装置の何処かに発生したノ
イズによる影響が考えられる。
スラインを上記したように多点構成された1本の線と考
えると、各点のうち隣接した2点の出力値方向の偏差が
大きい所程、その間隔を縮めるよう補正すれば、上記し
たような条件に適合したベースラインが描ける。
節する際にあって、ある時間領域において隣接した2点
の偏差を大きくする場合は、偏差の大きさに比して偏差
の変化量を縮めて行き、小さくする場合は、偏差の大き
さに比して偏差の変化量を拡げて行けば、緩やかなライ
ンを維持しつつベースラインの調整が可能となる。
ロマトグラムで表される信号値の小さな領域に強く引き
寄せられる。
ノイズの要因となる他成分による信号値が出にくいこ
と、またあくまでもノイズ分でしかないから、差程大き
な出力値が出ないこと等が要因と考えられる。
基準となるベースライン(測定対象のクロマトグラムが
出現する時間領域前後のベースラインを結んだ直線状の
ベースライン)までの時間軸方向の距離が長い程、前記
距離に対する前記直線から前記ベースラインまでの同一
時間軸上での距離を小さくするようにベースラインの形
成点を配置することによって、上記特性に対応したベー
スラインの記載が可能となる。
ースラインの補正手段を併用すれば、描画手段で記載し
たベースラインの突出した部分をベースラインの補正手
段で補正出来るので、上記2つのベースライン特性を加
味したベースラインの補正が可能となる。
説明する。図4はこの発明が実施されるクロマトグラフ
用データ処理装置のブロック図である。同図において、
1は中央処理器、2は周辺機器接続器、3はA/D変換
器、4は信号データ記憶器、5は制御命令記憶器、6は
入力機器、7は出力機器、8は結果データ記憶器、9は
処理パラメータ記憶器、10はクロマトグラフ用検出器
である。
グ信号は、A/D変換器3を経てデジタル信号に変換さ
れ、周辺機器接続器2を経て、中央処理器1に入る。制
御命令記憶器5の中の命令により、所定の形式の信号デ
ータに変換され、信号データ記憶器4に記憶される。
インの形成手段とその形成したクロマトグラムのベース
ラインの補正手段の1実施例について説明する。
ンが持つ2つの特徴に基づいてベースラインを形成,補
正している。この特徴とは、ベースラインはクロマトグ
ラムで表される信号値の小さな領域に強く引き寄せられ
ること、連続する点によって形成されているベースライ
ンはその各点が隣り同士緩やかに束縛されていること、
の2つである。
成する連続する点と、その同一時間軸方向にある基準ベ
ースライン(本実施例では測定対象試料のピークが現れ
る時間領域前後のベースラインを結んだ線)の形成点と
の距離が大きいほど、前記距離に対する前記直線とベー
スラインの形成点と長さの比率を、小さくすることで満
足している。
軸上の前記基準ベースラインが近い程、強く基準ベース
ラインを引き寄せており、この観点から見ると同一時間
軸上においてクロマトグラムと基準ベースライン間に引
力や磁力が働いていると定義づけることが出来る。何故
なら距離が遠い場合は弱い力しか働かず、距離が近い場
合は強い力が働くからである。
連続する点の中で、隣同士の点の時間軸方向の距離が離
れているほど、その距離を多く縮小することで満足して
いる。
めると、ばねの特性が考えられる。何故ならばねは伸ば
すほど強い力が働くことによる。
て、ベースラインを形成することについて考えて見る。
的な物理学的イメージを示した図である。ベースライン
として2次元の弾性体(スプライン)や塑性体(自在定規)
などを導入することもできるが、ここでは簡単化ために
1次元の弾性体の力学、特に力のつりあいを問題にした
静力学の範疇で考えることにする。
を持つ点が固定されている。ベースラインには、そのプ
ラスの電荷に対応するようにマイナスの電荷を持つ質点
が並んでいる。ここでは同じx座標にあるプラスとマイ
ナスの電荷間にのみクローン力が働くものとする。但
し、マイナス電荷の質点は自由には動けず隣同志がばね
で連結されている。2個,3個隣の質点にもある重み付
けをしてばねで連結するモデルも可能である。またばね
の弾力は縦方向(y方向)のみに働くものとする。つま
り図1の白丸についている軸は上下運動するだけで、回
転運動することはない。
方から水平に持ち上げる。最初に接触した点を軸にこの
直線を回転し、次に接触する点を求める。この時左右い
ずれにも回転し、軸から遠い方の接触点を採用する。こ
こで引力を働かせ、ベースラインが湾曲することを許
す。湾曲することに逆らうように働くばねの弾力よりも
大きく引力の働く点では信号データとベースラインが接
触する。
力のつりあいの式である。
他は定数である。ここで実測信号値Yjとベースライン
yjが等しいところ、つまり接触点はつりあいの式から
除き、式の数をn個とする。このままn個のつりあいの
式からn個の変数を求めることもできるが、以下に示す
ような(数2)のyi 等の1次式に近似して解くほうが
効率的である。
丸である。図1では点の数は少なく表現しているが、実
際はすべてのサンプリング点を用いて計算する。ベース
ラインをこのようなモデルにより補正すれば、ベースラ
インは過剰に湾曲化することなく、適度に信号の低値部
分に接触・接近したものが得られる。つまり、ベースラ
インの柔軟性をばね定数等の材料力学的パラメータで特
徴付けることにより、局所的に急激な変化を起こさない
ようにすることができる。また信号データとベースライ
ンをクーロン力等の距離依存性のある引力で引き寄せる
ことにより、ベースラインを信号データの低値領域に特
に強く近づけることができる。
ンを補正する場合には、ばね定数的パラメータとして柔
軟性の強弱の指標を入力することや、引力の距離依存性
(逆二乗型,指数関数型,階段型等)を指定することに
なる。
インの特徴に基づいたベースライン形成,補正を行って
いるが、上記2つの特徴のうち片方のみの特徴を加味し
たベースラインの形成或いは補正を行うことも可能であ
る。
形成手段でベースラインを形成し、本願発明によるばね
定数的パラメータとして柔軟性の強弱の指標を入力する
こと、本願発明のクロマトグラムと基準ベースラインと
の距離に依存したベースラインの形成手段を適用して得
られたベースラインの中の突出した部分を平滑化するな
ども可能である。
イン補正には、様々な概念を含むことが出来るが、その
選択手段について、ベースラインの補正工程に沿って順
を追って説明する。
号を取り込む前に入力機器6から処理パラメータ記憶器
9に入力しておく(図15)。一旦取り込んだ信号デー
タに対し再度ベースライン補正する場合も以下の入力操
作は同様である(図16)。引力のタイプは別の画面か
ら選択する(図6,図17)。引力定数のパラメータは
本来設定すべきであるが、ベースラインの柔軟性と相対
的な関係にあるため、入力が省略できる。信号データと
ベースラインの間の距離(μV)に関するパラメータは
入力する必要がある。この特徴的距離r0 は、直接数値
(μV)で入力するか、またはピーク高さやノイズの定
数倍等で自動的に設定することもできる。
一般的に存在する相互作用であり、以下に示すような
(数3)の形をしている。指数関数型は以下の(数4)
で表され、距離が離れると逆二乗型よりも急激に引力が
減衰する。
要がある。階段型は図7のような引力のプロファイルで
表され、信号データとベースラインがある距離r0 より
近づいたときに引力が働くものである。これは距離(μ
V)を判定するだけで引力の有無が決まるため、計算処
理が省力化できる利点がある。関数型からは任意の数式
が入力でき、以下に示すような(数5)等距離が離れれ
ば離れるほど弱くなる関数であれば使用可能である。
ようにCRT出力機器7を用いてキーボード入力機器6
から設定する。カーソルキーによりFLEXIBILITY 棒グラ
フを見ながら硬軟を調整することができる(図18)。
またはCRT上で硬軟の強度をピックすることもでき
る。信号を取り込んだ後もカーソルキーにより設定を変
更し、適切なベースラインを選択することができる。こ
こではややかためのベースラインにしているため、直線
的なものが得られている。
性はばね定数やヤング率に対応する。実際には0から1
00までの相対的な弾力性強度を入力する。0にすると
ばねは弾力をなくしひものようになり、ベースラインは
信号データの波形とまったく同じになる。100ないし
無限大に設定すると、ベースラインは硬直性の高い剛体
の棒のようになり、信号ラインに少ないときは2点で接
触する直線になる。
ICITY を数値入力する。ここではやわらかめのベースラ
インであるため、より曲線的なものとなっている。CO
PYキーによりプリンター出力機器7へクロマトグラム
と計算結果を印刷できる。
に、ベースラインの歪エネルギーを最小にする自在定規
的な補正や、全体的に曲率を最小にするスプライン(棒
たわみ定規)的な補正なども採用可能である。
ライン・エンベロープの方法が考えられる。柔軟性のあ
るベースラインの上下に距離r0 のエンベロープ(包絡
帯)を設け、このエンベロープ内に信号データがあれ
ば、ベースラインをそのデータ・ラインに付けてしま
う。図12のように信号ラインの下にエンベロープがあ
り、下方よりベースラインを接着すると考えても同じで
ある。これを次々と繰り返しベースラインの形を決め
る。この方法も階段型同様に、距離r0(μV)に関する
パラメータを入力する必要がある(図19)。これは図
7の階段型でf0 が無限大の特別な場合とみなすことが
できる。あるいは、信号の変化量の小さな区間をベース
部分とみなし、そこに下方から柔軟性のあるベースライ
ンを付けたときに決定する形をベースラインとしている
のとほぼ同じである。さらに弾力性を0にすると、ベー
スラインはひも状になり、データ・ラインに付いていな
い部分は直線になり、従来からある無補正法のようにな
る。
のベースライン形成手段として、図29に示すような手
段が考えられる。
ラムの下方から直線を当て、P点,Q点の2点を接触さ
せる。そして(b)のP点の拡大図上に点線のエンベロ
ープラインを示し、クロマトグラム上のR1,R2或い
はL1に対応した時間軸上の点r1,r2或いはl1を
(c)(d)の順で、クロマトグラム上のR1,R2或
いはL1に接着して行き、r3のようにエンベロープラ
インから外れた点が現れたところで接着をやめる。以上
の行程をQ点についても同様に適用し、且つQ点とP点
間のベースラインをクロマトグラムと接着している点の
ベースラインのベクトルに応じて曲線的に変形すること
で滑らかな形状のベースラインを描画することが出来
る。
いベースライン補正法の利点を、図8のグリコヘモグロ
ビンのクロマトグラムを例に説明する。従来、s−A1
cとA0の谷部分にベースラインが接するように補正す
るためには、N法で前方の6ピークをまとめなければな
らなかった。しかし実試料では、A1a1とA1a2の
間の谷が現れなかったり、Fピークが消失したり、l−
A1cとs−A1cの間の谷が明確でなかったりして、
必ずしも6ピークであるとは限らない。このため信号デ
ータを取り込んだあとで、オフライン後処理で改めてピ
ークを数えN値を設定し直さなければならなかった。本
法では柔軟性を適正な値にしておくだけで、ピークの数
に関わりなくいつも同様のベースラインが得られる。
軟性を変更したい場合、図9aのようにタイムプログラ
ムにより設定する(図20)。時刻0.0 分ではベース
ラインの柔軟性を70,時刻2.5 分では90のように
入力すると、この区間でリニアグラジエント的に柔軟性
を変化することができる。またCRT上でクロマトグラ
ムを見ながら、タイムプログラムの始点,FLEXIBILITY
の強度の順にピックし設定することも可能である。
用入力項目で、柔軟性を区間入力することもできる。か
ため(HARD)を時間0.0から2.5分まで、ややか
ため(MEDIUM HARD)を時間2.5から7.0分までのよう
に設定する。この場合ステップワイズ切り換えである
が、2.5 分の切り換え点で不自然な曲線にならないよ
う、局所的にグラジェント切り換えする必要がある。こ
のことからわかるように、柔軟性の指定はクロマトグラ
ム全体で一つの値が望ましい。
による設定が可能である(図21)。本発明の別の一実施
例として、ベース部分を検知し、そのベース部分を滑ら
かな曲線で結ぶ方法について説明する(図22)。ノイ
ズ,センシティビィティや、スロープ等のパラメータを
用いて信号変化量の小さな区間をベース部分として探索
する。こうして得られたベース部分をグラフにしたのが
図10である。
部分検知の従来方法の替わりに、柔軟性のあるベースラ
インと信号データ・ラインの間に働く引力の関係から決
まるベース部分を用いてもよい。前述の実施例で信号デ
ータ・ラインとベースラインが接触している部分をベー
ス部分とみなす(図5)。接しない部分を切取り、ベー
ス部分を残し、次の接続処理に進む。
と同様に、柔軟性のあるベースラインを下方からベース
部分に付け、ベース部分を接続することができる。この
場合ベース部分を探索する専用の処理のあることが、先
のベースライン・エンベロープ法床となる。ここでベー
スラインの硬直性が高過ぎると、不自然に湾曲したベー
スラインになる。弾力性を低く設定すると、より直線的
にベース部分を接続することになり、滑らかさが得られ
ないなどの難しさがある。
効である。一般的なスプライン法では、3次多項式を用
いてデータ点を滑らかに接続するが、この場合は複数点
からなるベース部分の接続であるため、多少処理が異な
る。まずベース部分を1次から3次式のいずれかで回帰
する。好ましくは2次式を用いる。回帰がうまく行かな
い場合は、ベース部分の接続する側の数点を用いて2次
式に回帰する。そしてベース部分の接続する側の端点で
0次と1次微分係数が等しくなるように、補間する3次
多項式を決定する。
c,dの4つの未知数がある。左側のベース部分の回帰
式yl(x)(数6)と、補間3次多項式y(x)(数7)
が端点Lで0次と1次微分係数を等しくし、右側につい
ても同様の条件(数8)を要請すると、4本の式が得ら
れるため、すべての未知数が決定できる。なお、この時
の接続条件は左側回帰式,右側回帰式夫々以下に示すよ
うに(数9)のようになる。
り、ベース部分の接続ができる。
クの場合を説明する。これも考え方としては、スプライ
ン補間法である。図11に示すように、ショールダーピ
ークの左右の回帰式を滑らかに補間式で接続し、親ピー
クとショールダーピークを分離することができる。この
場合ショールダーピークの始点は谷部分であり、終点は
便宜上、谷部分から親ピークの裾の部分へ接線を引いた
時の接点である。
スライン補正する方法を説明する。CRT上でクロマト
グラムを見ながら、ベースラインのありそうなところを
ピックする(図26)。このピックされた点をスプライ
ン補間する方法も考えられるが、ピック点に依存され過
ぎる。ここでも柔軟性のあるベースラインを用いる方法
が有効である(図27)。この場合はデータ・ラインの
下方にベースラインとの引力を働かせ、また、ピック点
とベースラインの間にも上下方向自由に引力が働くよう
にする。但しベースラインとピック点はあまり離れない
方が良いため、この間に働く引力は離れれば離れるほど
強くなるタイプを選択する。例えば、r2 かrの絶対値
に比例する引力が適している。この場合には、引力定数
の入力が必要である。ここで2種類の引力と柔軟性を考
慮し、つりあいの式を解き、最適なFLEXIBILITY を決定
する。このようにして操作者のイメージするベースライ
ンが得られる。この方法はアウトライン的な曲線を入力
しても、同様に補正することができる。
のベースラインを3種類重ね描きし、表示した例を示し
ている(図23,図24)。このマニュアル・ピック法
は図13のようにCRTに表示された各種ベースライン
から適切なものを選択できる。さらに、予め推定される
ベースラインの通過点をピックすることにより、最適な
FLEXIBILITY が計算できる(図28)。
と、次に定量計算処理へ進む。ピークサイズには高さか
面積が用いられる。ピーク高さに基づき計算する場合
は、ピーク極大点の信号値Yiからベースラインyiを差
し引いた値を高さとする(図3)。
ピーク領域のすべての点のYi−yiを求めてから台形
公式かシンプソンの公式により面積計算する。
しばしば必要になる。図14のように各柔軟性における
定量値の変動係数や相対標準偏差を表で出力し、定量値
の再現性を確認することができる。この場合、中くらい
(MEDIUM)の柔軟性を選択すればよい再現性が得
られることがわかる。
なく、各種定量法を比較する表も有効である。例えば、
ピーク面積とピーク高さに基づく定量方法のいずれが良
いのか、あるいは従来のベースライン補正法と本発明の
方法を比較することができる。
際して、ベースラインはクロマトグラムで表される信号
値の小さな領域に強く引き寄せられること、連続する点
によって形成されているベースラインはその各点が隣り
同士緩やかに束縛されているというベースラインの2つ
の特徴に沿ったベースラインを形成することが可能とな
るので、より自然で、且つノイズなどの影響に左右され
ないベースラインが、誰でも簡単に描画出来、操作者が
特別な操作をせずとも、簡単に常に安定したベースライ
ンの提供が可能となる。
柔軟性という指標を導入することにより、従来の折線グ
ラフ的な便宜的ベースラインではなく、より自然で滑ら
かな曲線のベースラインを得ることができる。
間の谷等、信号の微分的特徴点に基づきベースラインが
補正されていたが、本発明では特にこの種の特徴点の変
動に影響されないベースラインが得られるため、局所的
な変化やノイズに強い方法になっている。
き、常時安定した定量計算が可能となった。
成を示す図。
定フローチャート。
定フローチャート。
1。
2。
3。
4。
5。
6。
明図。
図。
憶器、6…入力機器、7…出力機器、10…クロマトグ
ラフ用検出器。
Claims (18)
- 【請求項1】時間の経過に従って得られるクロマトグラ
フ用検出器の出力値を検出し、該検出結果に基づいてク
ロマトグラムを形成し、該クロマトグラム形状に基づい
て前記ベースラインを決定するクロマトグラフ用データ
処理装置であって、前記ベースラインを形成する各形成
点と、該形成点に隣接した形成点の前記出力値方向の偏
差が大きい程、該偏差距離を多く縮小するベースライン
補正手段を備えたことを特徴とするクロマトグラフ用デ
ータ処理装置。 - 【請求項2】前記ベースライン補正手段が、前記偏差距
離に対する、偏差距離の縮小量を変化させる手段を備え
たことを特徴とする請求項1に記載のクロマトグラフ用
データ処理装置。 - 【請求項3】前記ベースライン補正手段が、前記測定対
象試料のピークが現れる時間領域内の時間領域の範囲を
設定する設定手段を備えたことを特徴とする請求項1ま
たは2に記載のクロマトグラフ用データ処理装置。 - 【請求項4】時間の経過に従って得られる測定対象試料
のクロマトグラフ用検出器の出力値を検出し、該検出結
果に基づいてクロマトグラムを形成し、該クロマトグラ
ム形状に基づいて前記ベースラインを決定するクロマト
グラフ用データ処理装置であって、前記ベースラインを
形成する各形成点と、該形成点に隣接した形成点の前記
出力値方向の偏差の調節手段を有し、該調節手段は、前
記偏差を大とするのに伴って偏差に比する調節量は小と
なり、前記偏差を小とするのに伴って偏差に比する調節
量は大となるように偏差を調節することを特徴とするク
ロマトグラフ用データ処理装置。 - 【請求項5】前記調節手段は、前記偏差を大きさに伴っ
て変化する、偏差に比する調節量を変化させる手段を備
えたことを特徴とする請求項4に記載のクロマトグラフ
用データ処理装置。 - 【請求項6】時間の経過に従って得られる測定対象試料
のクロマトグラフ用検出器の出力値を検出し、該検出結
果に基づいてクロマトグラムを形成し、該クロマトグラ
ム形状に基づいて前記ベースラインを決定するクロマト
グラフ用データ処理装置であって、前記測定対象試料の
ピークが出現する時間領域間にあって、前記ベースライ
ンを形成する各形成点と、該形成点に隣接した形成点の
前記出力値方向の偏差の調節手段を有し、該調節手段
は、前記クロマトグラム形状に基づいて決定されたライ
ンから、前記時間領域前後のベースラインを結んだライ
ンまでの範囲内で偏差の調節を行うことを特徴とするク
ロマトグラフ用データ処理装置。 - 【請求項7】前記調節手段は、前記測定対象試料のピー
クが現れる時間領域内の時間領域の範囲を設定する設定
手段を備えたことを特徴とする請求項4乃至6に記載の
クロマトグラフ用データ処理装置。 - 【請求項8】時間の経過に従って得られる測定対象試料
のクロマトグラフ用検出器の出力値を検出し、該検出結
果に基づいてクロマトグラムを形成するクロマトグラフ
用データ処理装置であって、前記測定対象試料の出力値
方向の大きさに基づいてベースラインを決定する手段を
備え、該手段は前記出力値が大きいほど、前記クロマト
グラムから時間軸方向に向かって遠方にベースラインの
形成点を配置することを特徴とするクロマトグラフ用デ
ータ処理装置。 - 【請求項9】前記測定対象試料の出力値方向の大きさ
は、前記測定対象のピークが出現する前後の時間領域の
ベースラインを結んだ直線を基準にして求められること
を特徴とする請求項8に記載のクロマトグラフ用データ
処理装置。 - 【請求項10】前記ベースラインを決定する手段は、前
記クロマトグラムから前記ベースラインまでの距離を調
節する調節手段を備えたことを特徴とする請求項8また
は9に記載のクロマトグラフ用データ処理装置。 - 【請求項11】前記ベースラインを決定する手段の、前
記測定対象試料のピークが現れる時間領域内の時間領域
の範囲を設定する設定手段を備えたことを特徴とする請
求項8乃至10に記載のクロマトグラフ用データ処理装
置。 - 【請求項12】時間の経過に従って得られる測定対象試
料のクロマトグラフ用検出器の出力値を、検出し、該検
出結果に基づいてクロマトグラムを形成するクロマトグ
ラフ用データ処理装置であって、前記測定対象試料のピ
ークが出現する時間領域間にあって、前記ピークが出現
する時間領域の始点,終点或いは前記クロマトグラムの
谷部を結んだ直線から、前記クロマトグラムまでの同一
時間軸上での距離に基づいてベースラインを決定する手
段を備え、該手段は前記距離が0乃至一定長さである時
間領域では前記ベースラインをクロマトグラムと同一線
とすることを特徴とするクロマトグラフ用データ処理装
置。 - 【請求項13】時間の経過に従って得られるクロマトグ
ラフ用検出器の出力値を、ある一定時間毎に検出し、ク
ロマトグラムを形成するクロマトグラフ用データ処理装
置において、測定対象のピークが出現する前の時間領域
中の第1のベースラインと、出現した後の時間領域中の
第2のベースライン間にあるピーク部のベースラインの
形成手段であって、前記一定時間毎の出力値を示す各測
定点と、前記第1のベースラインと第2のベースライン
を結んだ直線上にあって、前記各測定点と時間軸方向の
位置が一致する各対応点間の距離が、大きい程、前記距
離に対する、前記各対応点と前記ピーク部のベースライ
ンを形成する形成点との同一時間軸上の長さの比率が小
さくなるように構成すると共に、前記形成点と、該形成
点に隣接した形成点の前記出力値方向の距離が離れる
程、多く距離を近づけるように各ベースラインの形成点
を配置するベースライン形成手段を備えたことを特徴と
するクロマトグラフ用データ処理装置。 - 【請求項14】時間の経過に従って得られるクロマトグ
ラフ用検出器の出力値を検出し、該検出結果に基づいて
クロマトグラムを形成し、該クロマトグラム形状に基づ
いて前記ベースラインを決定するクロマトグラフ用デー
タ処理装置であって、前記ベースラインを形成する各形
成点と、該形成点に隣接した形成点の前記出力値方向の
偏差が大きい程、該偏差距離を多く縮小したベースライ
ンを表示する表示手段を備えたことを特徴とするクロマ
トグラフ用データ処理装置。 - 【請求項15】前記表示手段が、前記偏差距離に対す
る、偏差距離の縮小量を変化させる手段を備えたことを
特徴とする請求項14に記載のクロマトグラフ用データ
処理装置。 - 【請求項16】前記表示手段が、前記測定対象試料のピ
ークが現れる時間領域内の時間領域の範囲を設定する設
定手段を備えたことを特徴とする請求項14または15
に記載のクロマトグラフ用データ処理装置。 - 【請求項17】時間の経過に従って得られる測定対象試
料のクロマトグラフ用検出器の出力値を検出し、該検出
結果に基づいてクロマトグラムを形成するクロマトグラ
フ用データ処理装置であって、前記測定対象試料のベー
スラインを決定する手段を備え、該手段は前記出力値が
大きいほど、前記クロマトグラムから時間軸方向に向か
って遠方にベースラインの形成点を表示する表示手段を
備えたことを特徴とするクロマトグラフ用データ処理装
置。 - 【請求項18】前記表示手段が、前記ベースライン形成
点を表示する位置の変更の度合を選択する選択手段を備
えたことを特徴とする請求項17に記載のクロマトグラ
フ用データ処理装置。
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