JP2008057220A - 防水シート構造及びその施工方法 - Google Patents
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Abstract
【効果】本発明によれば、防水シートを凹凸のある一次覆工コンクリート面にも歪みなく確実な接合強度で取り付けることができ、かつ施工効率にも優れた防水シート構造を提供することができる。
【選択図】図4
Description
そして、このような防水シートを配設するにあたっては、例えば実開平7−35597号公報(特許文献1)や特開平8−135393号公報(特許文献2)のように、透水性シートを、可撓性や移動可能な機能を有する熱溶着ディスクに連設された耳片や帯状プレートを介してトンネルの一次覆工コンクリート面に釘でアンカーリングし展張した後、不透水性シートを該熱溶着ディスクに押し当てて、近赤外線ウェルダーや高周波ウェルダーなどの溶着機により、熱溶着ディスクと不透水性シートとを溶着・接合する方法がとられている。
このような問題を解決するために、熱溶着ディスクの数を増やして透水性シートを展張する手段が取られていたが、施工効率が悪く満足に足るものではなかった。
即ち、防水シートを凹凸のある一次覆工コンクリート面に歪みなく確実な接合強度で、かつ施工効率良く配設することができなかった。
請求項1:
透水性シートと不透水性シートを含む防水シート構造であって、該透水性シートが不織布又は織布からなっており、該不透水性シートが一面の長手方向に弾性フック部、茎部、基材部からなる帯状の面ファスナーを複数接合・具備しており、該面ファスナーの弾性フック部が該不織布又は織布の繊維及び/又は繊維間隙を弾性拡張させて進入し、該面ファスナーの弾性フック下部における該繊維及び/又は繊維間隙の弾性収縮によって係合係止し、透水性シートと不透水性シートとが一体化されてなること特徴とする防水シート構造。
請求項2:
上記面ファスナーの基材部と上記不透水性シートとが、ホットメルト系接着剤により接合されてなることを特徴とする請求項1記載の防水シート構造。
請求項3:
上記面ファスナーの基材部が上記不透水性シートと熱融着可能な熱可塑性樹脂を含み、該基材部と該不透水性シートとが、該熱可塑性樹脂により接合されてなることを特徴とする請求項1記載の防水シート構造。
請求項4:
上記面ファスナーが茸形であり、該面ファスナーの、該弾性フック部の直径,高さをそれぞれDe,He、茎部の直径,高さをそれぞれDs,Hs、該弾性フック部・茎部の基材部に対する植毛密度をBw、上記透水性シートをなす不織布又は織布の平均空隙直径,高さをそれぞれDt,Htとした時、下記式を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の防水シート構造。
0.50 ≦ De/Dt ≦ 2.67
0.13 ≦ Ds/De ≦ 0.75
0.37 ≦ Hs/Ht ≦ 1.28
250000 ≦ Bw ≦ 700000 (単位:本/m2)
150 ≦ He ≦ 450 (単位:μm)
請求項5:
請求項1乃至4のいずれか1項記載の防水シート構造を適用し、トンネル地山、一次覆工コンクリート側に不織布又は織布からなる透水性シートを取り付け、該透水性シートに、弾性フック部、茎部、基材部からなる帯状の面ファスナーを一面の長手方向に複数接合・具備した不透水性シートの該弾性フック側を対向させて押圧することにより、該面ファスナーの弾性フック部が該不織布又は織布の繊維及び/又は繊維間隙を弾性拡張させて進入し、該面ファスナーの弾性フック下部における該繊維及び/又は繊維間隙の弾性収縮によって係合係止され、該透水性シートと該不透水性シートとが一体化されることを特徴とする防水シートの施工方法。
まず本発明の防水シート構造について説明する。
本発明の防水シート構造の一構成例を説明するために、図1は面ファスナー4を、接合層5を介して具備した一不透水性シート6の一部を拡大して示した概略縦断面図であり、図2は図1の縮小平面図であり、図3は不織布又は織布からなる一透水性シート2の一部を拡大して示した概略縦断面図であり、図4は面ファスナー4を具備した一不透水性シート6と不織布又は織布からなる一透水性シート2とが一体化された様子の一部を拡大して示した概略縦断面図であり、図5は面ファスナー4を具備した2つの一不透水性シート6,6が不織布又は織布からなる一透水性シート2に一体化され、かつ相互に隣接する該不透水性シート6,6の端部同士6a,6aを重ね合わせて溶着・接合した様子の一部を拡大して示した概略縦断面図である。
この場合、不織布又は織布からなる透水性シート2は、弾性を有する繊維群で構成されているため、面ファスナー4の弾性フック部4aの該透水性シート2の繊維間隙への進入によって、逐次該繊維間隙及び/又は該繊維群が弾性拡張され、該繊維間隙直径が該弾性フック部4aの直径まで押し広げられた後、該弾性フック部4aの該繊維間隙通過に従い、逐次面ファスナー4の茎部4bの直径まで該繊維群及び/又は該繊維間隙が弾性収縮し、該面ファスナーと不織布又は織布が係合係止されるものである。
De/Dtの値が大きくなれば係合し難くなり、逆に該値が小さくなれば係合し易くなる。Ds/Deの値が大きくなれば係合強度が小さくなり、逆に該値が小さくなれば係合強度が大きくなる。Hs/Htの値が大きくなれば係合強度が大きくなり、逆に該値が小さくなれば係合強度が小さくなる。Bw,Heは、De/Dt,Ds/De,Hs/Htのそれぞれの特性を係合性に対しては負の係数として、係合強度に対しては正の係数として作用する。
従って、上述の数値から、トンネル施工に用いられる透水性シート2に対する面ファスナー4は、係合性、係合強度の面から特に次の関係を満たすことが好ましい。
0.50 ≦ De/Dt ≦ 2.67
0.13 ≦ Ds/De ≦ 0.75
0.37 ≦ Hs/Ht ≦ 1.28
250000 ≦ Bw ≦ 700000 (単位:本/m2)
150 ≦ He ≦ 450 (単位:μm)
また、後述するように、この面ファスナー4の基材部4cは不透水性シート6に熱融着可能な熱可塑性樹脂の繊維で形成される布地としても良い。
即ち、材質はポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン(ポリエチレン,ポリプロピレン等)樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂等から選ばれるいずれかの合成樹脂、中でもポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体の合成樹脂が好適に用いられ、寸法も通例用いられる幅1600〜2500mm程度、長さ13〜30m程度、厚さ0.8〜3.0mm程度のものを用いることができる。
この場合の面ファスナー4の付設間隔(Y1=Y2=・・・=Yn)は400〜1000mmが好ましく、より好ましくは500〜900mmとすることができる。該付設間隔が400mm未満では面ファスナー4が過剰付設となり、思った程の不透水性シート6と透水性シート2との接合力が得られず、逆に1000mmを超えると不透水性シート6と透水性シート2との全体の接合力が不足するおそれがある。
また、不透水性シート6の幅方向(Y方向)、両端に接合・具備させる面ファスナー4は、不透水性シート6の両端から75〜400mm内部に入った位置(図2中の距離Y0に相当)が好ましく、より好ましくは150〜300mm内部に入った位置とするのが良い。
75mm以下であると、複数の面ファスナー4を接合・具備した不透水性シート6を透水性シート2に展張していく際、隣接する該不透水性シート6,6の端部6a,6a同士を重ね合わせて溶接・接合する‘重ねあわせしろ’(図5,6o)が不足し、400mm以上であると、隣接する該不透水性シート6,6の端部6a,6a同士の位置決めが困難となるためである。
以上の観点から、幅1600〜2500mm程度の不透水性シート6の一面の長手方向に、幅20〜50mm程度の帯状の面ファスナー4を2〜5本、より好ましくは3〜4本付設させることができる。
その係合性と係合強度は、例えば上記トンネル施工用透水性シート2(不織布又は織布)と上記茸形面ファスナー4をそれぞれ200mm(l)×50mm(w)の試験片に切り出し、該透水性シート2(不織布又は織布)に該面ファスナー4の弾性フック部4a側を対向させて重ね合わせ、100mm(l)×50mm(w)を係合させるに際し、78.4N(8kgf)の加重のローラで2回押圧しただけで、容易に係合するもので、しかも相互に未接合の部分の透水性シート2(不織布又は織布)及び面ファスナー4を引張試験機のチャックに挟み50mmの間隔からクロスヘッドスピード300mm/minの速度でTピール試験した際、約196N(20kgf)もの係合強度に達する強固で確実なものである。
本発明の防水シート構造に係る施工方法の一例を説明するために、図6は一次覆工コンクリート1に不織布又は織布からなる一透水性シート2を展張した様子を示した概略縦断面図であり、図7は図6の状態に面ファスナー4を具備した一不透水性シート6を不織布又は織布からなる一透水性シート2に上記面ファスナー4の弾性フック部4a側を対向させて押圧し、一体化した様子を示した概略縦断面図であり、図8は図7の状態に二次覆工コンクリート7を打設した様子を示した概略縦断面図である。
また、その他の構成についても本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更して差支えない。
2 透水性シート
3 固定部材
4 面ファスナー
4a 弾性フック部
4b 茎部
4c 基材部
5 接合層
6 不透水性シート
6a 不透水性シート端部
7 二次覆工コンクリート
Claims (5)
- 透水性シートと不透水性シートを含む防水シート構造であって、該透水性シートが不織布又は織布からなっており、該不透水性シートが一面の長手方向に弾性フック部、茎部、基材部からなる帯状の面ファスナーを複数接合・具備しており、該面ファスナーの弾性フック部が該不織布又は織布の繊維及び/又は繊維間隙を弾性拡張させて進入し、該面ファスナーの弾性フック下部における該繊維及び/又は繊維間隙の弾性収縮によって係合係止され、透水性シートと不透水性シートとが一体化されてなること特徴とする防水シート構造。
- 上記面ファスナーの基材部と上記不透水性シートとが、ホットメルト系接着剤により接合されてなることを特徴とする請求項1記載の防水シート構造。
- 上記面ファスナーの基材部が上記不透水性シートと熱融着可能な熱可塑性樹脂を含み、該基材部と該不透水性シートとが、該熱可塑性樹脂により接合されてなることを特徴とする請求項1記載の防水シート構造。
- 上記面ファスナーが茸形であり、該面ファスナーの、該弾性フック部の直径,高さをそれぞれDe,He、茎部の直径,高さをそれぞれDs,Hs、該弾性フック部・茎部の基材部に対する植毛密度をBw、上記透水性シートをなす不織布又は織布の平均空隙直径,高さをそれぞれDt,Htとした時、下記式を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の防水シート構造。
0.50 ≦ De/Dt ≦ 2.67
0.13 ≦ Ds/De ≦ 0.75
0.37 ≦ Hs/Ht ≦ 1.28
250000 ≦ Bw ≦ 700000 (単位:本/m2)
150 ≦ He ≦ 450 (単位:μm) - 請求項1乃至4のいずれか1項記載の防水シート構造を適用し、トンネル地山、一次覆工コンクリート側に不織布又は織布からなる透水性シートを取り付け、該透水性シートに、弾性フック部、茎部、基材部からなる帯状の面ファスナーを一面の長手方向に複数接合・具備した不透水性シートの該弾性フック側を対向させて押圧することにより、該面ファスナーの弾性フック部が該不織布又は織布の繊維及び/又は繊維間隙を弾性拡張させて進入し、該面ファスナーの弾性フック下部における該繊維及び/又は繊維間隙の弾性収縮によって係合係止され、該透水性シートと該不透水性シートとが一体化されることを特徴とする防水シートの施工方法。
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- 2006-08-31 JP JP2006235402A patent/JP4207068B2/ja active Active
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