JP2008057008A - メカニカルデスケーリング用鋼線材 - Google Patents

メカニカルデスケーリング用鋼線材 Download PDF

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Abstract

【課題】熱延線材により発生して残留する圧縮応力に起因するスケールの剥離性能を改善すること、すなわち熱延線材の冷却中や保管・搬送時のスケールの確実な密着性ならびにメカニカルデスケーリング時におけるスケールの剥離性にすぐれたメカニカルデスケーリング用鋼線材の提供。
【解決手段】C:0.05〜1.2重量%(以下、単に%とする。)およびSi:0.01〜1.5%を含有し、P:0.02%以下、S:0.02%以下、N:0.005%以下に制御された鋼線材であって、熱延時に形成されたスケールの地鉄側に接してFeSiO(フアイアライト)層が形成されており、かつ熱延時に形成されてスケール内に残留する圧縮応力が200MPa以下に調整されていることを特徴とするメカニカルデスケーリング用鋼線材。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱間圧延により製造される鋼線材であって、その表面に形成された酸化物のスケールが、熱間圧延後の冷却中あるいはその後の保管や搬送中において剥離することがなく、鋼線材の2次加工である伸線等に先行するメカニカルデスケーリング処理時には容易に除去されるスケールを備えたメカニカルデスケーリング用鋼線材に関する。
熱間圧延により製造された鋼線材は、ビレットの加熱時ないし圧延時に形成された表面上の酸化物のスケールを、伸線等の2次加工前に除去する必要があり、このためのデスケーリングは、酸洗法からメカニカルデスケーリング法にすでに移行しつつある。したがって、この種の鋼線材の製造にあたっては、高品質に加えてメカニカルデスケーリング性の向上をはかることが当業界の共通の課題とされている。すなわち、このメカニカルデスケーリング性とは、熱間圧延後の冷却中や鋼線材の保管・搬送時には容易にスケールが剥離しないようなスケールの密着性およびメカニカルデスケーリング時には容易に除去できる相反的な剥離性の双方を同時に満足することを意味する。このようなメカニカルデスケーリング性の改善技術については、すでにいくつかの提案がなされている。
下記特許文献1は、軟鋼線材のメカニカルデスケーリング性を支配する要因は、スケールの組織、密度、構造・内部亀裂さらには厚さにあるとして、スケールを構成するFeOやFeの組成および層厚みを制御してメカニカルデスケーリング性をよくしようとする。また、下記特許文献2も高炭素鋼線を対象として、スケール中のFeOの量およびスケールの厚さを調整している。しかし、曲げ歪みやブラッシングを利用するメカニカルデスケーリングでは、スケール層を厚くすればするほど、スケールが十分に除去できないばかりか、線材の圧延歩留まりをそれだけ低下させることにもなる。そして、均一性と安定性に欠けるこのようなメカニカルデスケーリングでは、取り残された0.1mm以下の微細なスケール粉が伸線工程において潤滑不良の原因となり、線材の疵発生や伸線ダイスの寿命低下等を招く。
下記特許文献3は、メカニカルデスケーリング用鋼線材の伸線性ならびにスケールの剥離性を向上させるには、線材の表面とスケールとの界面状態における凹凸が少ない方がよいとして、界面の粗さの上限値を規制するものである。すなわち、スケールの剥離は、この界面における割れの伝播によるものであることから、界面の凹凸を小さくしてスケールの食い込みによるアンカー効果を期待しようとするが、界面粗度を目標値に安定的に制御することも、したがってスケールの安定的除去も、実操業上容易なことではない。
その他、下記特許文献4は、線材におけるスケールの密着性と剥離性との均衡を追求するために、スケール自体の内部に面積率が制御された空孔を保持させようとする方法であるが、これも安定した実操業が困難である。下記特許文献5もこれと同様の難点を残している。
このように、熱間圧延されるべき鋼線材に対するメカニカルデスケーリング性の安定性および確実性をともに満足することのできる実用的な方法は、いまなお十分に満足できるものは開発されていない。しかも、現状では、熱延線材の冷却中に発生して温存される圧縮応力が、線材の冷却中や保管・搬送時にスケールの自然剥離を誘発し、メカニカルデスケーリング処理を待つことなくその剥離個所に発錆する不測の事態が真剣に考慮されていない。そして、この錆の残存は、当然のことながら伸線加工用ダイス寿命を低下させることになる。
特開平4−293721号公報 特開平11−172332号公報 特開平8−295992号公報 特開平10−324923号公報 特開2006−28619号公報
本発明は、前記特許文献に開示されているメカニカルデスケーリングを対象とする鋼線材のスケール性能の欠点を克服し、さらには熱延線材により発生して残留する圧縮応力に起因するスケールの剥離性能を改善すること、すなわち熱延線材の冷却中や保管・搬送時のスケールの確実な密着性ならびにメカニカルデスケーリング時におけるスケールの剥離性にすぐれたメカニカルデスケーリング用鋼線材の提供を課題とする。
このような課題を解決するために完成された本発明の特徴とする要旨は、下記するようなメカニカルデスケーリング用鋼線材である。
(1)C:0.05〜1.2%、Si:0.01〜0.50%およびMn:0.1〜1.5%を含有し、P:0.02%以下、S:0.02%以下およびN:0.005%以下に制御された鋼線材であって、熱延時に形成されたスケールの地鉄側に接してFeSiO(フアイアライト)層が形成されており、かつ熱延時に発生してスケール内に残留する圧縮応力が200MPa以下に調整されたメカニカルデスケーリング用鋼線材(請求項1)。
(2)C:0.05〜1.2%、Si:0.01〜0.50%およびMn:0.1〜1.5%を含有し、P:0.02%以下、S:0.02%以下N:0.005%以下に制御された鋼線材であって、熱延時に形成されたスケールの地鉄側に接して厚さが0.01〜1.0μmのFeSiO(フアイアライト)層が形成されており、このフアイアライトの占める面積が、その断面において、電子顕微鏡による倍率15000倍の観察のもとで、10μmの長さに対して60%以上としたメカニカルデスケーリング用鋼線材(請求項2)。
(3)C:0.05〜1.2%、Si:0.01〜0.50%およびMn:0.1〜1.5%を含有し、P:0.02%以下、S:0.02%以下N:0.005%以下に制御された鋼線材であって、熱延時に形成されたスケールの地鉄側に接して厚さが0.01〜1.0μmのフアイアライト層が形成されており、このフアイアライトの占める面積が、その断面において、電子顕微鏡による倍率15000倍の観察のもとで、10μmの長さに対して60%以上であり、かつ熱延時に発生してスケール内に残留する圧縮応力が200MPa以下メとしたカニカルデスケーリング用鋼線材(請求項3)。
(4)Cr:0.3%以下および/またはNi:0.3%以下を含有する上記(1)〜(3)のいずれかに記載のメカニカルデスケーリング用鋼線材(請求項4)。
(5)Cu:0.2%以下を含有する上記(1)〜(4)のいずれかに記載のメカニカルデスケーリング用鋼線材(請求項5)。
(6)Nb、V、Ti、HfおよびZrの1種もしくは2種以上を合計0.1%以下含有する上記(1)〜(5)のいずれかに記載のメカニカルデスケーリング用鋼線材(請求項6)。
(7)Al:0.1%を含有する上記(1)〜(6)のいずれかに記載のメカニカルデスケーリング用鋼線材(請求項7)。
(8)B:0.0001〜0.005%を含有する上記(1)〜(7)のいずれかに記載のメカニカルデスケーリング用鋼線材(請求項8)。
(9)Ca:.01%以下およびMg:0.01%以下を含有する上記(1)〜(8)のいずれかに記載のメカニカルデスケーリング用鋼線材(請求項9)。
本発明は、熱延線材における地鉄とスケールとの界面に、一定の特性を具有するFeSiO(フアイアライト)層を均一に生成させたことが特徴であって、この層は、線材の冷却中に発生するスケールの残留圧縮応力を低減させる効果があり、そのため熱延線材の冷却中や保管・搬送時におけるスケールの自然剥離を防止し、メカニカルデスケーリング時におけるスケールの剥離のみを容易にすることができる。したがって、スケールの取り残しによる線材表面疵や潤滑不良が防止でき、線材の2次加工においても安定した伸線状態が確保できる。しかも、スケールの厚さが薄くともその剥離性を向上させることができるので、スケールロスを少なくして歩留まりを向上する一方、スケールの剥離性がよいために所要設備もより簡便化でき、2次加工用ダイスの高寿命化も期待できる。
本発明は、C:0.05〜1.2%、Si:0.01〜0.50%およびMn:0.1〜1.5%を含有し、P:0.02%以下、S:0.02%以下そしてN:0.005%以下に制御された鋼線材を対象としている。この鋼線材は、基本鋼種として、軟鋼から硬鋼、さらには合金鋼に至るまで、最終製品の特性および品質等に応じて選択すればよく、この観点から、上記基本成分の処方を下記するように規制する。
Cは鋼の機械的性質を決定する主要元素であって、鋼線材としての必要強度を確保するために、0.05%以上必要とし、また線材製造時の熱間加工性の低下を避けるために1.2%を上限とする。
Siは、鋼の脱酸材として必要であるが、さらには本発明の特徴とするスケール構成上の必須成分フアイアライトFeSiOの量を左右するので、この理由からもその量が規定される。すなわち、鋼線材を熱間圧延して製造するとき、その冷却過程において、地鉄とスケールとの熱膨張率の差にともなってスケールの内部に圧縮応力が生じ、これは冷却途中や線材コイルの保管・搬送中にスケールが自然剥離する原因となる。このような事態がおこると、その跡に鉄錆を誘発して好ましくない。ところが、地鉄とスケールとの界面に上記のフアイアライト層を薄くかつ均一に形成させておくと、この層が上記した熱膨張率差に起因する圧縮応力を都合よく緩和することが発見された。
図1に本発明におけるスケールの層構成を模式的に示したが、最表面からFe、Fe、FeOおよびFeSiOの4層であるのに対し、従来、スケールは、Fe、FeおよびFeOの3層構成を前提として、主にFeO比率が、メカニカルデスケーリング時のスケールの物性値として管理されている。これは、FeOがFeおよびFeに比して少ないために、より多くのFeOを存在させることでスケールの剥離性をよくしようとする意図である。ところが、FeO比率を高くするためには、通常、高温下で二次スケールを生成させる必要があり、その分スケールが厚くなってスケールロスを増加する不利益がある。実際、FeOの比率を高くすると同時に層厚を薄くする相反性を同時に両立させるのはきわめて困難であった。
本発明では、スケールを構成する4層のうちフアイアライト層の機械的強度が他の酸化物成分に比較してもっとも小さいとの知見にもとづいて、この層を薄く均一に形成し、この層をメカニカルデスケーリング時に優先的に破壊させることに成功したのである。そして、この層は、図1から明らかなように、地鉄に接しているために、その破壊は同時に層全体に進展し、比較的大きい箔状となって地鉄から容易に剥離して効率よく除去される。その結果、線材の表面には、0.1mm以下のスケール微粉さえほとんど残留することがないので、後続の伸線工程において、スケールの微粉に起因する潤滑不良により、線材の表面に疵がついたり、ダイスの寿命を低下させるような不都合から開放される。しかも、フアイアライト層によるこのような作用は、スケール層中のFeO比率を意識的に増加させないで、その層が薄いままでも期待できるので、地鉄分の歩留まり低下が阻止できる。
以上の理由により、本発明の鋼線材中のSiは、単に鋼の脱酸材として必要とするのみではなく、スケール中に所定厚さのフアイアライト層を生成するためにも不可欠であり、下限を0.01%とした。しかし、Siは0.5%以上になると、フアイアライトが過剰に生成し、逆にメカニカルデスケーリング性を著しく劣化するので、0.01〜0.50%に限定した。
このようにして、Si量を制御することによって、地鉄の表面に厚さが0.01〜1.0μmのフアイアライト薄層が均一に生成することができる。さらに、本発明では、このフアイアライト薄層自体の生成量については、つぎのようにして定量化することに成功した。すなわち、鋼線材の断面において、電子顕微鏡による倍率15000倍の観察のもとで、地鉄とスケールとの界面部に、フアイアライト層の占める面積が、観察断面における10μmの長さに対して60%以上となるようにしたことである。
そして、フアイアライト層の厚さが0.01μm未満であると、スケールに対する応力緩和作用が十分に発揮されず、また1.0μmを超えると、地鉄とスケールとの密着性が過大となり、メカニカルデスケーリングが至難となる。また、上記条件のもとでのフアイアライトの占める面積比が60%未満では、応力緩和作用が不足してスケールが自然剥離するおそれがある。
このようにしてスケール中の最深部にフアイアライト層を形成させることにより、スケール内に不可避的に残留する圧縮応力は200MPa以下に抑制され、線材の冷却中ないし保管・搬送時にスケールの自然剥離ならびにそれにともなう発錆も確実に防止できる。
その他の鋼成分元素の量規制は以下の理由による。
Mnは、鋼の焼入れ性を確保し、強度を増すために0.1以上を必要とするが、1.5%をこえると、線材の熱延後の冷却過程でMnが偏析し、伸線加工性に有害なマルテンサイト等の過冷組織が発生しやすくなる。
Pは、鋼の靭性・延性を劣化させるとともに、伸線加工工程等における断線の原因ともなるので0.02%以下とし、好ましくは0.01%以下、さらに好ましくは0.005%以下がよい。
SもPと同様に、鋼の靭性・延性を劣化させるとともに、伸線や後続の撚り線加工等における断線の原因ともなるので、0.02%以下とし、好ましくは0.01%以下、さらに好ましくは0.005%以下がよい。
選択添加元素としてCrやNiは、いずれも鋼の焼入れ性を高めて強度を向上するが、過剰になるとマルテンサイトが発生しやすくなり、またスケールの剥離を加速するので、添加するにしてもそれぞれ0.3%以下とする。
Cuは、スケールの剥離を促進する効果があるが、0.2%を超えて添加すると、スケールの剥離が異常増大して剥離面に薄い密着スケールを再生したり、コイルの保管中に発錆する危険がある。
Nb、V、Ti、HfおよびZrは、その1種もしくは2種以上を、それぞれ0.003%以上添加することにより、これらの微細な炭窒化物を析出して鋼の高強度化に寄与するが、合計で0.1%の過剰添加は、鋼の延性を劣化させる。
AlあるいはMgは脱酸剤であるが、過剰になるとそれらの酸化物系介在物が多発して断線が頻発するので、添加するにしてもAl:0.1%以下、 Mg:0.01%以下とする。
Caは鋼材の耐食性をよくするが、0.01%を超えて過剰になると加工性を低下させる。
Bは鋼中に遊離Bとして存在して第2層フェライトの生成を抑制するが、とくに縦割れの抑制を必要とする高強度線材を目的とする場合、0.0001%以上添加して有効である。ただし、Bは鋼の延性を劣化させないために0.005%を上限とする。
つぎに、本発明は、既述したように、熱間圧延時にスケール中の薄層を均一に形成させるために、次のようにして、熱間圧延時にスケールの調質方法を取り入れた。
まず、熱間圧延に先立って鋼ビレットを加熱炉内で加熱するとき、1200℃未満の温度で、30分以上120分未満の加熱を行う。鋼材成分としてSiを含有するため、加熱時にはビレット表面にフアイアライトを生成するが、1200℃を超えると溶融したファイアライトを介したFe拡散が激しくなってスケールの成長が急激に成長するため、スケールロスの観点から好ましくない。加熱温度の下限は圧延負荷限界から決定される。また、液層化したファイアライトは、加熱炉から取り出した直後の高圧水デスケーリングによって除去しやすいため、その融点である1173℃直上の温度で加熱を行えば、スケールを急成長させることなくファイアライトを効率的に除去できるため、より好ましい。
つぎに、ビレットを常法にしたがって熱間圧延して線材に加工するが、この圧延中にもフアイアライトが発生することがあるので、この場合は、仕上げ圧延を終えるまでに1回以上のデスケーリングを実施してこのフアイアライトを完全に除去するのが望ましい。この場合のデスケーリングは、通常の高圧水デスケーリング法によればよい。
このようにして、不可避的に形成されるフアイアライトをすべて除去したクリーンな熱延線材は、つぎに、その巻き取り直後に、750〜1000℃の温度域で露点30〜80℃の高露点雰囲気において再酸化処理に付すことにより、地鉄側に新たにフアイアライトの薄層が均一に生成する。なお、高露点雰囲気での再酸化処理によりフアイアライト薄層が均一に生成する理由は、必ずしも明らかではないが、上記高露点雰囲気下での水蒸気がスケール層内を介してスケールと地鉄との界面に直接作用し、一様にSi酸化物と反応してフアイアライトつまりFeSiOの均一生成をもたらすものと推定される。
なお、上記再酸化処理の酸化時間は、通常の線速で線材が通過するときの数秒程度で十分なことを確認している。
再酸化処理後を終えた線材は、1℃/sec以上、好ましくは5℃/sec以上の冷却速度で冷却する。この条件であれば、冷却が遅すぎてスケールロスを増すことなしに、スケール量の適正な冷却が実施できる。
このようにして、熱延時のスケールを調質することにより、適切なフアイアライトが生成し、これがスケールの圧縮応力を有効に緩和し、線材冷却中にスケールが自然剥離することは確実に防止できるので、スケールの自然剥離後に不可避的に発生する3次スケールにより、線材のメカニカルデスケーリング性をいたずらに阻害するようなことが防止できる。
(実施例)この実施例では、比較例とともに、表1に示した10種の鋼組成のビレットを共通使用することとし、実施例と比較例とで、線材製造時におけるスケールの調質条件を変えることとした。すなわち、表1の各鋼組成のそれぞれのビレットに対して、表2に示した本発明相当の調質条件と、その規制範囲外の比較例の調質条件とを組み合わせ、これらのビレットを圧延ならびにスケールの調質をおこなうことにより、得られるスケール特性の違いおよび適否を調査し、表3の結果を得た。
まず、本発明の実施例を説明する。
表1の各ビレットを加熱炉で表2a〜cの各温度に加熱するが、これらは加熱により生成したFeSiOを溶融化させつつ急激なスケール成長を抑制することを目的としたFeSiOの融点(1173℃)近傍の加熱条件を含め、1200℃未満の加熱温度に設定した。加熱されたビレットは直ちに、高圧水によるデスケーリングを行なって、FeSiOを十分に剥離除去したのち圧延した。この段階的圧延の過程でFeSiOが再度発生する場合は、仕上げ圧延までに必要回数のデスケーリングを実施することにした。このようにして圧延を終えたクリーンな線材は、750〜1000℃の温度範囲で巻き取った直後に、表2のa〜cに示す高露点の湿潤雰囲気中で再酸化処理してFeSiOの薄層を均一に形成した。
Figure 2008057008
Figure 2008057008
なお、比較例は、表2に示すように、再酸化処理時の露点が高すぎる場合(d)、露点が低すぎる場合(e)およびビレット加熱炉内の加熱温度を高くした場合(f)の3通りとした。
(f)は、ビレット加熱温度が高いために、加熱炉で発生したFeSiOが溶融化し、これを介したFe拡散が激しいためにスケールが急激に成長する。すると、その後のデスケーリングによっても十分にスケールが取りきれず、圧延中に押し込まれて界面が凹凸化して、均一にFeSiOが発生できない場合である。
(g)は巻取り温度が高すぎて、スケールが過剰に生成して、冷却途中にスケールが剥離してしまう場合である。
これらの異なる鋼種と調質条件との組み合わせにより製造された多種の鋼線材について表3に示す各スケール特性を測定した。
Figure 2008057008
まず、FeSiOの生成状態は、線材コイルの先端、中央および後端から、断面観察用の試料を各1個ずつ採取し、それぞれ4箇所ずつを電子顕微鏡により15000倍の視野で撮影し、各測定値の平均値を求めた(表3の「FeSiO厚」)。なお、FeSiOの生成長さは、鋼表面の長さ10μmあたりのFeSiO層の長さを測定し、その平均値を算出した(表3の「FeSiO生成長さ」)。
つぎに、スケールの残留応力はX線回折法(sin2φ法)により測定した。この方法は、被測定部にX線を照射して回折線のピーク位置を求めるが、残留応力が存在する場合、X線の入射角(φ)を変えると回折線のピーク位置が変化する。そこで、この変化した回折線のピーク位置を縦軸、X線の入射角のsin2φを横軸にとり、最小2乗法により直線回帰してその傾きを得、得られた傾きにヤング率およびポアソン比から求めた応力定数を乗じ、下式(1)により応力値を求めた(表3の「スケールの残留応力」)。
σ=−E/2(1+ν)・cotθ・π/180・M
=K・M ・・・・・(1)
σ:応力値(MPa)
E:ヤング率(MPa)
ν:ポアソン比
2θ:無歪の回折角(°)
K:応力定数(MPa)
M:回帰直線2θ−sin2θの傾き
なお、スケール組成のうち、地鉄側に存在するFeO(ウスタイト)の回折ピーク[FeO(311)面]を選択して測定を行った。また、X線残留応力測定は次の条件による。
・使用装置:理学電機社製PSPC微小部X線応力測定装置
・特性X線 : Cr−Kα
・管電圧、管電流 : 40kV、30mA
・X線ビーム径 : φ1.0mm
・測定方法 : 傾斜法
・測定角(2θ) : 123.6°
・φ角 : 0、14、19、24、28、31、35、38、42、45°
・X線照射時間 : 300sec/φ
また、FeO(ウスタイト)の解析条件はつぎのとおりである。
・回折面 : FeO(311)
・回折角(2θ) : 123.6°
・応力定数 : ‐467.92MPa/deg
・ヤング率 : 130000MPa
・ポアソン比 : 0.3
熱間圧延を終えた線材のスケールの剥離状態すなわちスケールの密着性を調査するために、各線材コイルの先端、中央部ならびに後端からそれぞれ250mm長さのサンプルを3本ずつ採取し、コイルの外周側と内周側に相当する部分の表面の外観をデジタルカメラで撮影した。そして、スケールが剥離している部分の面積率(%)を画像解析処理ソフトにより算出してその平均値を算出した(表3の「スケールの剥離率」)。本法により得られるスケールの剥離率は少ないほど、熱延線材の冷却中や、保管搬送時のスケールの密着性が良好である。
さらに、各線材のメカニカルデスケーリング性を調べる目的でスケールの剥離性および残留量を測定した。各線材を長さ250mmに切断し、これにチャック間距離200mmとして、クロスヘッドの変異が12mm(4%)まで引っ張り荷重を与えた。そして、チャックから取り外した各サンプル表面のスケールを衝風力により機械的に除去したのち、200mmの長さに切断し、つぎに各サンプルを重量測定(W1)してから、塩酸中に浸漬して残存スケールを完全に剥離し、再度サンプルを重量測定(W2)した。下式2は残留スケールの量を計算にて求めたものである(表3の「スケール残留量」)。本法により得られるスケール残留量は、0.05wt%以下であるものを、メカニカルデスケーリング性が良好と判定した。
残留スケール(重量%)=(W1−W2)/W1×100・・・・・(2)
表3からつぎのような考察ができる。
まず、本発明の実施例(鋼種A〜J×調質条件a〜cに該当するもの;1、2、5、7、9、10、13、16、18、19、22、24〜27)は、電子顕微鏡により一定の条件下で計測されたFeSiOの厚さが0.01〜1.0μmおよびFeSiOの生成長さが鋼表面長さの10μmに占める比率が60%以上であって、ともに本発明の規制条件を充足している。スケール中のFeSiOがこのような特性を備えていることで、線材の巻き取り後の冷却速度の大小にかかわらず、スケールの残留応力が200MPa以下に抑制され、熱間圧延上がり線材のスケール剥離率およびメカニカルデスケール後のスケール残留量ともに低減させることができる。なお、スケール残留量の合格ラインは、実際の製品に要求される品質として、0.05%以下とした。
これに対し、比較例(鋼種C、D、F、H×調質条件dに該当するもの;8、11、17、23)は、線材の再酸化処理時の露点が高すぎてFeSiOが本発明の場合よりも厚さが大となっており、熱間圧延上がり線材のスケール剥離率は低いものの、メカニカルデスケール性が悪化して不合格となっている。
また、比較例(鋼種A、D、G、J×調質条件fに該当するもの;3、12、21、29)は、ビレット加熱炉での加熱温度が高い場合であり、加熱炉で発生したFeSiOが溶融化し、これを介したFe拡散が激しいためにスケールが急激に成長する。すると、その後のデスケーリングによっても十分にスケールが取りきれず、圧延中に押し込まれて界面が凹凸化する。
したがって、巻取り後に水蒸気酸化処理すると、Siが高い鋼種(G:21、J:29)においては、加熱炉で発生したFeSiOの取れ残りと合わせて非常に厚いFeSiOが形成される。FeSiOが本発明の場合よりも厚さが大となっており、熱間圧延上がり線材のスケール剥離率は低いものの、メカニカルデスケール性が悪化して不合格となっている。
一方、低Siの鋼種(A:3、D:12)でも、界面凹凸の影響でメカニカルデスケーリング性が劣化する。Fe2SiO4が均一に生成せず、FeSiOの生成長さが小さいために、残留応力が大きく、熱間圧延上がりのスケール剥離率が大きい。冷却時にスケールの剥離面に新たな薄いマグネタイトスケールが発生して、MD性が悪い。
さらに、比較例(鋼種B、E、G、J×調質条件eに該当するもの;6、14、20、28)は、逆に再酸化処理時の露点が低くなりすぎたために、FeSiOが十分に生成せず、冷却中に発生する圧縮応力の影響を受けてスケールが剥離し、熱間圧延上がり線材のスケール剥離率が高くなり、メカニカルデスケール性が悪化して不合格となっている。冷却時にスケールの剥離面に新たな薄いマグネタイトスケールが発生し、MD性が悪い。
さらに、比較例(鋼種A、E×調質条件gに該当するもの;4、15)は、巻取り温度が高いためにスケールが成長しすぎて、冷却途中でスケールが剥離し、その剥離面に、剥離性の悪いマグネタイトスケールが発生してMD性が悪化した例である。
以上の実施例および比較例から明らかなように、同種の鋼組成であっても、熱間圧延によりメカニカルデスケール用鋼線材を製造する段階で、必然的に生成するスケールを、本発明が規制する一定の条件下で調質することによって、メカニカルデスケーリングに最適の特性を具有するものに転化できることが理解できる。
本発明デスケーリング用鋼線材のスケール層の断面構成を模式的に表わした図である。

Claims (9)

  1. C:0.05〜1.2重量%(以下、単に%とする。)、Si:0.01〜0.50%およびMn:0.1〜1.5%を含有し、P:0.02%以下、S:0.02%以下およびN:0.005%以下に制御された鋼線材であって、熱延時に形成されたスケールの地鉄側に接してFeSiO(フアイアライト)層が形成されており、かつ熱延時に発生してスケール内に残留する圧縮応力が200MPa以下に調整されていることを特徴とするメカニカルデスケーリング用鋼線材。
  2. C:0.05〜1.2%、Si:0.01〜0.50%およびMn:0.1〜1.5%を含有し、P:0.02%以下、S:0.02%以下N:0.005%以下に制御された鋼線材であって、熱延時に形成されたスケールの地鉄側に接して厚さが0.01〜1.0μmのFeSiO(フアイアライト)層が形成されており、このフアイアライトの占める面積が、その断面において、電子顕微鏡による倍率15000倍の観察のもとで、10μmの長さに対して60%以上であることを特徴とするメカニカルデスケーリング用鋼線材。
  3. C:0.05〜1.2%、Si:0.01〜0.50%およびMn:0.1〜1.5%を含有し、P:0.02%以下、S:0.02%以下N:0.005%以下に制御された鋼線材であって、熱延時に形成されたスケールの地鉄側に接して厚さが0.01〜1.0μmのフアイアライト層が形成されており、このフアイアライトの占める面積が、その断面において、電子顕微鏡による倍率15000倍の観察のもとで、10μmの長さに対して60%以上であり、かつ熱延時に発生してスケール内に残留する圧縮応力が200MPa以下であることを特徴とするメカニカルデスケーリング用鋼線材。
  4. Cr:0.3%以下および/またはNi:0.3%以下を含有することを特徴とする請求項1、2または3に記載のメカニカルデスケーリング用鋼線材。
  5. Cu:0.2%以下を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のメカニカルデスケーリング用鋼線材。
  6. Nb、V、Ti、HfおよびZrの1種もしくは2種以上を合計0.1%以下含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のメカニカルデスケーリング用鋼線材。
  7. Al:0.1%以下を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のメカニカルデスケーリング用鋼線材。
  8. B:0.0001〜0.005%を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のメカニカルデスケーリング用鋼線材。
  9. Ca:0.01%以下およびMg:0.01%以下を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のメカニカルデスケーリング用鋼線材。
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