JP2008056620A - 回収ε−カプロラクタムの精製法 - Google Patents

回収ε−カプロラクタムの精製法 Download PDF

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Abstract

【課題】回収ε−カプロラクタムを塩基性添加物の存在下で2回以上単蒸留を繰り返すことにより、ナイロン6の原料として使用できる、着色の改善された、高純度の回収ε−カプロラクタムを工業的に有利に得る方法を提供することである。
【解決手段】回収ε−カプロラクタムを、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸水素塩から選ばれる少なくとも1つの塩基性添加物を添加することにより、塩基性添加物の存在下で2回以上単蒸留を繰り返すことを特徴とする回収ε−カプロラクタムの精製法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ナイロン6の解重合やナイロン6重合工程で生成する重合抽出水に含まれるε−カプロラクタムオリゴマーの解重合で得られる回収ε−カプロラクタムの精製法に関するものである。さらに詳しくは、回収ε−カプロラクタムを単蒸留により精製し回収ε−カプロラクタムの純度や着色を改善する方法に関するものである。
ナイロン6の解重合やナイロン6重合工程で生成する重合抽出水に含まれるε−カプロラクタムオリゴマーの解重合で得られる回収ε−カプロラクタムの精製法は古くから知られている。例えば、特許文献1には回収ε−カプロラクタムを酸性下で蒸留した後にアルカリ性下で蒸留を行う方法が提案されている。特許文献2には回収ε−カプロラクタムをアルカリ存在下で精留する方法が提案されている。特許文献3には粗ラクタム水溶液に高分子凝集剤を添加して不純物を凝集物として除去する方法が提案されている。また、他素材を含むナイロン6組成物の解重合で得られる回収ε−カプロラクタムを精製する方法として、特許文献4にはナイロン6を主成分とする熱可塑性物質を解重合して得た回収ε−カプロラクタムを晶析する方法が提案されている。特許文献5には、ナイロン6を解重合し、アルキルフェノール性化合物でε−カプロラクタムを抽出して回収する方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1記載の方法は回収ε−カプロラクタムをpH2から6の酸性下とpH10から14のアルカリ性下で2回蒸留する方法ではあるが、得られる回収ε−カプロラクタムの品質は満足できるものではなかった。特許文献2記載の方法は、回収ε−カプロラクタムをアルカリ存在下で蒸留する方法ではあるが、精留を行うために精留設備のコストがかさみ経済的に不利である。また特許文献3記載の方法はナイロン6を解重合して回収ε−カプロラクタムを得る方法であるが、高分子凝集剤の添加により生成する凝集物を除去する必要があり、煩雑である。特許文献4記載の方法はナイロン6を主成分とする熱可塑性物質を解重合してケミカルリサイクルする方法であるが、回収ε−カプロラクタムに不純物が多く含有されるために炭化水素、塩素系炭化水素、アルコール等の有機溶媒で再結晶精製が必要となり、煩雑である。特許文献5記載の方法もナイロン6を含む混合物を解重合してケミカルリサイクルする方法であるが、回収ε−カプロラクタムに不純物が多く含有されるためにフェノール性化合物でε−カプロラクタムを抽出して精製する必要がある等、煩雑である。
これら文献に記載された技術を回収ε−カプロラクタムの精製に適用すると、種々の問題を起こす可能性があることが本発明者らの検討により判明した。すなわち回収ε−カプロラクタムを酸性条件下で蒸留しても品質の改善は十分ではなく、また精留や、凝集物除去処理、晶析、抽出等により精製を行うと、設備のコストがかさんだり、工程が煩雑である。そのため上記文献の技術はいずれも実用的なケミカルリサイクルという観点では満足できるものではなかった。
特公昭59− 43945号公報 特公昭60− 21582号公報 特開昭48− 92387号公報 特開平08−048666号公報 特表平11−508913号公報
そこで本発明は、回収ε−カプロラクタムを精製するに際し、簡単な操作で経済的に有利に、着色の改善された高純度の回収ε−カプロラクタムを得ることを課題とする。

本発明者は、課題を解決するために鋭意検討した結果、回収ε−カプロラクタムを塩基性添加物の存在下で2回以上単蒸留を繰り返すことにより、経済的に有利に、着色の改善された高純度の回収ε−カプロラクタムを得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、回収ε−カプロラクタムを塩基性添加物の存在下で2回以上単蒸留を繰り返すことを特徴とする回収ε−カプロラクタムの精製法である。回収ε−カプロラクタムを塩基性添加物の存在下で2回以上単蒸留することにより、塩基性添加物が存在にしなかった時と比較して顕著な着色や純度改善の効果が見られ、煩雑な精製を行わずに、工業的に有利にナイロン6原料として使用できる着色の改善された高純度のε−カプロラクタムを得ることができることを見出した。
本発明によれば、回収ε−カプロラクタムを精製するに際し、煩雑な精製を行わずにより経済的に有利に、着色の改善された高純度の回収ε−カプロラクタムを得ることができる。また、着色の改善された高純度のε−カプロラクタムが得られるため、煩雑な精製を行わずに工業的に有利に例えばナイロン6原料として必要な品質が得られる。
本発明は、回収ε−カプロラクタムを塩基性添加物の存在下で2回以上単蒸留を繰り返して精製することを特徴とする回収ε−カプロラクタムの精製法である。
<回収ε−カプロラクタム>
本発明において使用される回収ε−カプロラクタムとしては、ナイロン6の解重合で得られるε−カプロラクタムや、ナイロン6重合工程で生成する重合抽出水に含まれるε−カプロラクタムオリゴマーの解重合で得られるε−カプロラクタムなどを挙げることができる。ナイロン6やε−カプロラクタムオリゴマーはそれのみで解重合してもよいいし、一緒に解重合することもできる。
<ナイロン6>
本発明において、使用されるナイロン6としては、特に制限はないが、単一組成であること、すなわちホモポリマーであることが好ましいが本発明の効果を損なわない程度、例えば全単量体中50モル%以下、好ましくは10モル%以下、更に好ましくは5モル%以下であれば他の共重合成分が共重合されていても構わない。解重合触媒としてリン酸等の酸性触媒を使用して解重合する場合、触媒が共重合成分のジアミアン成分等により失活する場合があるが、ジアミン成分により失活する触媒量相当の触媒を追加することにより、解重合反応を問題無く行うことができる。また、これらのナイロン6には、重合度調節剤、末端基調整剤などが付加されていても良い。共重合成分としては、ヘキサンメチレンジアミン、1,4−ジアミノブタン、p−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミンなどのジアミン成分、またアジピン酸、セバシン酸、コハク酸、テレフタル酸、イソフタル酸などのジカルボン酸成分、あるいはラウロラクタムなどのアミノカルボン酸成分などを挙げることができる。重合度調節剤、末端基調整剤としては、たとえば酢酸、安息香酸などを挙げることができる。
また、本発明で用いるナイロン6としては、ナイロン6を含む、好ましくはそれを50質量%以上含むナイロン6製品、ナイロン6製品製造過程で発生する産業廃棄物、あるいはナイロン6製品使用済み廃棄物などを挙げることができる。たとえば、工業用、衣料用、屋内外用の構造物、あるいはこれらの屑などを挙げることができる。これらのナイロン6は単独で解重合の原料としても良いし、これらを組み合わせて原料としても良い。
<ε−カプロラクタムの回収方法>
<解重合>
ε−カプロラクタムの回収方法の1つとしてナイロン6の解重合が挙げられる。本発明で行う解重合法は、いかなる方法でも良い。通常、ナイロン6は加熱により解重合され、触媒を用いても良く、水の不存在下でも(乾式)、存在下でも良い(湿式)。
解重合圧力は、減圧、常圧、加圧のいずれであっても良い。解重合温度は、通常、100〜400℃であり、好ましくは、200〜350℃、さらに好ましくは、220〜300℃である。温度が低いと、ナイロン6が溶融しないうえ、解重合速度が遅くなる。温度が高いと、不必要なナイロン6の分解が起こり、回収ε−カプロラクタムの純度低下をもたらす。
触媒を用いる場合は、通常、酸、あるいは塩基触媒などを用いる。酸触媒としては、リン酸、ホウ酸、硫酸、有機酸、有機スルホン酸、固体酸、およびこれらの塩、また塩基触媒としては、アルカリ水酸化物、アルカリ塩、アルカリ土類水酸化物、アルカリ土類塩、有機塩基、固体塩基などが挙げられる。好ましくは、リン酸、ホウ酸、有機酸、アルカリ水酸化物、アルカリ塩などが挙げられる。さらに好ましくは、リン酸、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどが挙げられる。
触媒の使用量は、通常、ナイロン6成分に対して、0.01から50質量%である。好ましくは、0.1から20質量%、さらに好ましくは、0.5から10質量%である。触媒使用量は少ないと、反応速度が遅くなり、多いと、副反応が多くなるうえ、触媒コストがかさみ経済的に不利になる。
湿式解重合の水使用量は、ナイロン6成分に対して、0.1から50質量倍である。好ましくは、0.5から20質量倍、さらに好ましくは、1から10質量倍である。水の使用量は、少ないと、反応速度が遅くなり、多いと、回収ε−カプロラクタム水溶液の濃度が低くなり、ε−カプロラクタムの取得上、不利になる。
乾式解重合を行う場合、生成したε−カプロラクタムを反応装置から蒸留により留出させ、回収ε−カプロラクタムを得る。解重合反応が終了してから、蒸留によりε−カプロラクタムを取り出しても良いし、反応の進行とともに、連続的に取り出しても良い。
湿式解重合を行う場合は、生成したε−カプロラクタムを反応装置から水とともに留出させ、回収ε−カプロラクタム水溶液を得る。解重合反応が終了してから、蒸留によりε−カプロラクタム水溶液を取り出しても良いし、反応の進行とともに、連続的に取り出しても良い。好ましくは、反応装置へ連続的に、水を供給し、かつ、生成するε−カプロラクタム水溶液を反応装置から連続的に取り出す。さらに好ましくは、常圧で、反応装置へ連続的に水蒸気を供給し、かつ生成するε−カプロラクタム水溶液を反応装置から連続的に取り出す。
<ナイロン6重合工程で生成する重合抽出水からのε−カプロラクタムの回収>
ε−カプロラクタムの回収方法として、ナイロン6重合工程で生成するε−カプロラクタムやε−カプロラクタムオリゴマーの抽出された重合抽出水に含まれるε−カプロラクタムオリゴマーの解重合によりε−カプロラクタムを回収する方法が挙げられる。ナイロン6重合工程で生成する重合抽出水に含まれるε−カプロラクタムオリゴマーは蒸留等の操作により重合抽出水よりε−カプロラクタムを除去した後に残渣として残り、これを前記解重合に供することによりε−カプロラクタムが得られる。
<塩基性添加物の存在下でのε−カプロラクタムの単蒸留>
本発明においては、回収ε−カプロラクタムを塩基性添加物の存在下で2回以上単蒸留することが重要である。回収ε−カプロラクタムには、回収過程で蓄積する不純物が含まれるが、塩基性添加物の存在下での単蒸留を2回以上行うことにより、効果的に除去できる。単蒸留の回数は、通常2回から10回であり、好ましくは2回から6回、更に好ましくは2回から4回である。回数が増えると、得られる回収ε−カプロラクタムの品質は向上するが、収率も低下し、経済的に不利である。
本発明において、回収ε−カプロラクタムのpHは、回収ε−カプロラクタム10gを水で100mlに希釈して測定し、pHが7よりも大きい場合はアルカリ性、pHが7未満の場合は酸性、pH7の場合を中性であるとする。
塩基性添加物としては、無機塩基、有機塩基などが挙げられる。好ましくは、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸水素塩であり、これらの中から選ばれる少なくとも1つの塩基性添加物を添加する。さらに好ましくは、アルカリ金属水酸化物であり、なかでも水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムであることが好ましく、特に水酸化ナトリウムであることが好ましい。塩基性添加物は固体で添加しても良いし、溶液の形態で添加しても良い。回収ε−カプロラクタムに添加する塩基性添加物の量は、回収ε−カプロラクタムがアルカリ性または中性である場合は回収ε−カプロラクタムに対して、通常、0.01から20質量%である。好ましくは、0.05から5質量%である。さらに好ましくは、0.1から2質量%である。回収ε−カプロラクタムのpHが7未満で酸性の場合は、回収ε−カプロラクタムを中和させる量より、通常、回収ε−カプロラクタムに対して、0.01から20質量%、好ましくは0.05から5質量%、さらに好ましくは、0.1から2質量%過剰に添加する。添加量が少ないと品質改善効果が不十分であり、多いと不必要な分解が起こる上、薬品コストがかさみ経済的に不利である。塩基性添加物は回収ε−カプロラクタムに予め添加して蒸留缶に仕込んでも良いし、連続的に塩基性添加物と回収ε−カプロラクタムを蒸留缶に仕込んでも良い。
回収ε−カプロラクタムの単蒸留操作は、回収ε−カプロラクタムに含まれる水分を留去させた後、塩基性添加物を添加し、バッチ方式、あるいは連続方式で行う。蒸留における減圧度としては、0.01から27kPa、好ましくは0.07から13kPa、更に好ましくは0.13から6.6kPaである。減圧度が高いと蒸留操作上の問題が多くなり、減圧度が低いと蒸留温度が高くなり、ε−カプロラクタムが劣化する。回収ε−カプロラクタムの蒸留缶内温度は蒸留する減圧度により決定されるが、通常、60から300℃であり、好ましくは、90から280℃であり、さらに好ましくは、120から230℃である。温度が低いと、蒸留操作上の問題が多くなり、温度が高いと、ε−カプロラクタムが劣化し、留出ε−カプロラクタムの収率低下をもたらす。
本発明においては上記のとおり、回収ε−カプロラクタムを塩基性添加物の存在下で2回以上単蒸留することにより、煩雑な精製を行わずに着色と回収ε−カプロラクタムの純度を改善することができ、工業的に有利にナイロン6の原料として使用できる着色の改善された高純度のε−カプロラクタムを得ることができる。
以下に本発明の実施例を示すが、これらに限定されるものではない。
本発明において、ε−カプロラクタムの純度分析は液体クロマトグラフィー(HPLC)で実施した。即ち、HPLCカラムとして逆相カラム(ODS120T 5μm、4.6mmID、250mm)、を装着した液体クロマトグラフィーで分析し、ε−カプロラクタム純度はピーク面積でHPLC純度として表した。また、着色の程度の目安として分光光度計を用いて、ε−カプロラクタム50質量%水溶液について、10mm長の石英セルを用いて、波長390nmにおける水を基準にした透過率を測定し、色調として表した。一般的に色調(透過率)が高い程、着色の程度が低い。
<解重合>
ナイロン6製品200gと、解重合触媒である75質量%のリン酸水溶液8.0gを解重合装置に仕込み、窒素雰囲気下で260℃まで加熱した。過熱水蒸気を導入速度約250g/時間で解重合装置への吹き込みを始め、反応を開始した。解重合装置から連続的に留出するε−カプロラクタム・水蒸気を冷却して、ε−カプロラクタム水溶液を回収しながら、6時間解重合反応を実施した。6時間の解重合反応の結果、1662gの留出液が得られた。得られた留出液中のε−カプロラクタムの濃度は10.7質量%であり、解重合装置に仕込んだナイロン6を基準として回収率91%でε−カプロラクタムが得られた。留出液をエバポレーターで濃縮したところ、得られた回収ε−カプロラクタムはHPLC純度79.11%、GC純度99.1%、色調24%であった。
<1回目の単蒸留>
得られたε−カプロラクタム水溶液をエバポレーターで濃縮した後、100℃のオイルバス中で減圧度3.3kPaで脱水した。脱水後のε−カプロラクタム153gに20質量%水酸化ナトリウム水溶液6.3g(脱水後のε−カプロラクタム中和分として2.5g、塩基性添加物として脱水後のε−カプロラクタムに対して0.5質量%で3.8g)を添加して、再度脱水を行った後に、160℃のオイルバス中で減圧度0.67kPaで1回目の単蒸留を行った。得られたε−カプロラクタムはHPLC純度97.67%、色調65%、液性はアルカリ性であった。
実施例1
1回目の単蒸留で得られたε−カプロラクタムに対して水酸化ナトリウム0.25質量%を添加し、その他の条件は1回目の単蒸留と同様の条件で2回目の単蒸留を行ったところ、単蒸留収率97.6%であり、得られたε−カプロラクタムのHPLC純度99.43%、色調90%、液性はアルカリ性であった。
実施例2
2回目の単蒸留における水酸化ナトリウムの添加量を0.5質量%にした以外は、実施例1と同様に精製操作を行ったところ、単蒸留収率96.6%であり、HPLC純度99.52%、色調93%であった。
実施例3
実施例1の2回目の単蒸留で得られたε−カプロラクタムに対して水酸化ナトリウム0.25質量%を添加し、その他の条件は1回目の単蒸留と同様の条件で3回目の単蒸留を行ったところ、単蒸留収率96.9%であり、HPLC純度99.66%、色調96%であった。
比較例1
2回目の単蒸留において水酸化ナトリウムを添加しない以外は、実施例1と同様に精製操作を行った。2回目の単蒸留の結果、単蒸留収率98.6%、HPLC純度98.09%、色調83%であり、水酸化ナトリウムを添加した実施例1、実施例2と比較してHPLC純度の改善幅に大きな違いが見られた。
比較例2
比較例1の2回目の単蒸留で得られたε−カプロラクタムに対して水酸化ナトリウムを添加せずに、その他の条件は1回目の単蒸留と同様の条件で3回目の単蒸留を行った。3回目の単蒸留の結果、単蒸留収率99.2%、HPLC純度98.52%、色調88%であり、水酸化ナトリウムを添加しない条件で単蒸留を繰り返してもHPLC純度の大きな改善は見られない。
本発明によれば、回収ε−カプロラクタムから、工業的に有利な方法でナイロン6原料のε−カプロラクタムを得ることができる。

Claims (3)

  1. 回収ε−カプロラクタムの単蒸留を、塩基性添加物の存在下で、2回以上繰り返すことを特徴とする回収ε−カプロラクタムの精製法。
  2. 塩基性添加物の添加量が、回収ε−カプロラクタムがアルカリ性または中性である場合は回収ε−カプロラクタムに対して、0.01から20質量%、回収ε−カプロラクタムが酸性の場合は回収ε−カプロラクタムを中和させる量より、回収ε−カプロラクタムに対して、0.01から20質量%過剰、であることを特徴とする請求項1に記載の回収ε−カプロラクタムの精製法。
  3. 塩基性添加物がアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸水素塩から選ばれる少なくとも1つの塩基性添加物であることを特徴とする請求項1または2に記載の回収ε−カプロラクタムの精製法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114591240A (zh) * 2021-12-22 2022-06-07 浙江恒逸锦纶有限公司 一种锦纶6低聚物解聚残渣处理工艺

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