JP4345088B2 - Dmsoの回収方法 - Google Patents

Dmsoの回収方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4345088B2
JP4345088B2 JP2005334080A JP2005334080A JP4345088B2 JP 4345088 B2 JP4345088 B2 JP 4345088B2 JP 2005334080 A JP2005334080 A JP 2005334080A JP 2005334080 A JP2005334080 A JP 2005334080A JP 4345088 B2 JP4345088 B2 JP 4345088B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dmso
mixed solution
distillation
organic acid
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2005334080A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006096763A (ja
Inventor
紀昭 横井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Fine Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Toray Fine Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Fine Chemicals Co Ltd filed Critical Toray Fine Chemicals Co Ltd
Priority to JP2005334080A priority Critical patent/JP4345088B2/ja
Publication of JP2006096763A publication Critical patent/JP2006096763A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4345088B2 publication Critical patent/JP4345088B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

本発明は、ジメチルスルホキシド(DMSO)の回収方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、DMSO使用後の廃液のような他の成分を含有するDMSO混合液から、安価で効率よく高品位のDMSOを分離回収する方法に関するものである。
DMSOは、医農薬中間体の合成溶剤、電子部品の特殊洗浄剤として工業的に広く使われている。このように使用されたDMSO廃液において、通常のDMSO廃液の場合は、一般的な減圧蒸留精製でDMSOの回収が可能である。しかし、DMSO廃液は多くの不純物を含んでおり、特に特殊なアミン類、有機酸塩類や多量のアルカリ金属水酸化物を含有する廃液の場合は、通常の蒸留精製では高品位のDMSOを回収することはできず、一般的には産業廃棄物として処分されている。
従来、例えば、工場廃液として生じるDMSOとモノエタノールアミン(MEA)の混合物を晶析装置で冷却し、複数回の晶析工程にかけて、DMSO含有率の高い処理生成品を得ることが、提案されている(特許文献1参照)。具体的には、DMSOとMEAを含み、DMSOの含有率がMEAの含有率よりも高い混合物からDMSOを分離する方法であって、この混合物を冷却してDMSO含有率の高い固体を析出させ、その固体を液体相から分離回収する方法である。そして、この方法によれば95%以上の高いDMSO含有率のものを得ることができるとしているが、少量のMEAが残存して高品位のDMSOとはならず、用途が限定される。
また、含水DMSO混合液中に有機酸塩類が含まれていると、蒸留でその含水DMSO混合液中の低沸の水分が留去されたとき、その中に含まれていた有機酸塩類が析出してくる。かかる有機酸塩類は、DMSO中では膨潤したゼリー状になり、その量が多いと蒸留缶内が泡立ち、蒸留操作に支障をきたすことになる。
更に、アルカリ金属水酸化物を含有するDMSO混合液の場合も、蒸留で低沸の水分が留去されると、その中に含まれていたアルカリ金属水酸化物が析出してくる。このアルカリ金属水酸化物の量が多いと、析出したアルカリ金属水酸化物がブロック塊状となり、やはり蒸留操作に支障をきたす。
特開平7−118223号公報
本発明は、このような有機酸塩類、アルカリ金属水酸化物等の不純物を含有するDMSO廃液等の混合液を、簡単な処理、調整で蒸留可能とし、高品位のDMSOを回収する方法を提供するものである。
本発明者は、上述の事項を考慮し、特に不純物を含むDMSO廃液のようなDMSO混合物の水素イオン指数(pH)と蒸留との関係に注目し、pHを変化させることにより上記課題を解決し得ることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、下記のようなDMSOの回収方法を提供するものである。
(1)有機酸塩類を含有するDMSO混合液をpH=4〜6で蒸留し、有機酸成分を留去するDMSOの回収方法。
(2)上記(1)の有機酸成分を留去した缶残物をpH=7〜11で再蒸留するDMSOの回収方法。
(3)アルカリ金属水酸化物を含有するDMSO混合液をpH=7〜9に中和してから蒸留するDMSOの回収方法。
(4)アルカリ金属水酸化物を含有するDMSO混合液を酸で部分中和してから蒸留精製する上記(3)のDMSOの回収方法。
(5)DMSO混合液として、DMSO廃液を使う上記(1)〜(4)のDMSOの回収方法。
医農薬中間体の合成溶剤、電子部品の特殊洗浄剤として工業的に広く使われているDMSOは、工場等で使用後、通常は廃棄されるが、イオウ化合物のため廃棄に際しての処理費が高価でコスト的に問題である。また、DMSO混合液をそのまま蒸留して高品位のDMSOを回収しようとしても、含有される不純物により効率的な回収が行なえない。これに対して、本発明によれば、DMSO混合液から安価で効率よく高品位のDMSOを回収できる。
工場廃液としてのDMSO混合液は、含まれる成分にもよるが、その状態としてアルカリ性を呈していることが多い。本発明では、蒸留条件として、アルカリ性を呈しているかかるDMSO混合液の水素イオン指数をより小さい値の状態に調整する、換言すれば酸性側にふることに特徴がある。本発明の実施において酸性側にふるとは、アルカリ性の状態のDMSO混合液を中性もしくは酸性の状態に調整することはもちろん、同じアルカリ性の状態のまま、そのアルカリ性を単に弱めることも含まれる。
本発明においては、このようにして得られた留出物/缶残物である、いわゆる粗DMSO液を、再度、蒸留精製することが、好ましい態様として含まれる。この場合、かかる液の水素イオン指数の調整は、先の蒸留時の水素イオン指数が大きくなる状態にして、つまり今度はアルカリ性側によせてから、蒸留精製することで実施できる。
本発明において水素イオン指数は、含水DMSO混合液の場合はpHメーター等通常の手法で測定することができる。また、非含水DMSO混合液の場合は、中性水5容量に試料(非含水DMSO混合液)1容量を混合した液を作り、同様にpHメーターで測定することができる。
本発明におけるDMSO混合液には、含水、非含水の状態のものがあり、DMSOに、他の成分や不純物が含まれている。かかるDMSO混合液の代表例は工場からの廃液で、例えば数100ppm〜数10%のアミン類、数%(対DMSO)の有機酸塩類、更には5〜10%程度(対DMSO)のアルカリ金属水酸化物等が含まれている。
このように、DMSO廃液等には種々の不純物が含まれている。
有機酸塩類を含有するDMSO混合液について説明する。有機酸塩類としては、前述のように、酢酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム等があり、この場合、DMSO混合液の水素イオン指数は、通常pH=約7〜約12であり、本発明ではこれを酸性側寄りに一旦調整する。酸性にするには前記のように硫酸、リン酸等の鉱酸が好ましく使われる。
蒸留に供するDMSO混合液の酸性の程度を、pH=4〜6になるように調整する。次に、酸性に調整したDMSO混合液を、減圧蒸留して有機酸および水分を留去する。減圧蒸留の圧力は、500torr以下、より好ましくは100torr以下で、缶温は100℃以下、より好ましくは90℃以下である。蒸留装置としては、充填塔なしの蒸留装置が好ましく使われる。
このようにして有機酸成分および水分を留去後、得られた缶残物に、今度はアルカリを加え、pH=7〜11、より好ましくはpH=7〜9に調整する。使用するアルカリとしては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物または炭酸塩があるが、水酸化ナトリウムが特に好ましく使われる。
本発明においては、pH調整後、再度減圧蒸留して粗DMSO液から高品位のDMSOを回収する。この場合の減圧蒸留の圧力は、200torr以下、より好ましくは40torr以下で、缶温は150℃以下、より好ましくは110℃以下である。ここでの蒸留装置としては、充填塔付蒸留装置が使われる。
本発明の更に他の態様は、アルカリ金属水酸化物を含有するDMSO混合液からのDMSO回収である。含有されるアルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等があり、DMSO混合液の水素イオン指数は通常、pH=約11〜約14程度である。DMSO混合液の部分中和には、既述の鉱酸等が使われる。
本発明において、部分中和の程度はDMSO混合液のpH7〜9とする。部分中和後、減圧蒸留して、高品位のDMSOを回収する。この場合の減圧蒸留の圧力は、200torr以下、より好ましくは40torr以下で、缶温は150℃以下、より好ましくは110℃以下である。ここでの蒸留装置としては、充填塔付蒸留装置が使われる。
本発明で対象となるDMSO混合液は、上記説明した不純物および他の成分を1以上複数含有し得る。混合液に含まれる成分や状態によって、水素イオン指数の最適化を図り、同様に実施できる。
以下、実施例を示し本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
また、以下の実施例において、カラーインデックス(CI)およびアルカリ着色度は、次のようにして測定したものである。
・カラーインデックス(CI):分光光度計の波長425、550,および650nmにおける吸光度を100m/mセルで測定し、次のように吸光度の平均値から色指数を1000m/mセル時の値に換算表示する。
CI=各波長の吸光度の和÷3×10・アルカリ着色度(%):試料(DMSO混合液)20mlにアルカリ液(N/10水酸化ナトリウム溶液1ml)を添加し、分光光度計の波長345nmにおける透過率を10m/m石英セルで測定する(アルカリ着色度(%)=透過率)。
(実施例1)
酢酸アンモニウム2.2%、水分80%を含有するpH=8.8のDMSO混合液1500gに、97%硫酸を20.4g添加しpH=5.0とした。これをロータリーエバポレーターで、バス温75℃、50torrの減圧下で水分を998g留去した。缶残留物に20%NaOH水溶液を80.8g添加して、pH=8.9とした後、高さ50cmの充填塔付蒸留装置で缶温60〜90℃、40torrの減圧下で蒸留し水分を留去した。水分留去に伴い缶内に結晶が析出したが、スラリー状で攪拌可能であった。その後缶温を上げ、缶温100℃、35torrの減圧下で蒸留したところ、pH=7.0、CI=0.03、アルカリ着色度=98の高品位のDMSOを得た。
(比較例1)
酢酸アンモニウム2.2%、水分80%を含有するpH=8.8のDMSO混合液1500gを、高さ50cmの充填塔付の蒸留装置で缶温60〜90℃、40torrの減圧下で蒸留し水分を留去した。水分留去に伴い缶内にゼリー状物質が析出し缶内が泡立ち管内物が充填塔まで吹き上げ、蒸留不可能となった。
(実施例2)
KOH5%、水分45%を含有するpH=13.6のDMSO混合液1500gに、97%硫酸を65g添加しpH=8.3とした。これを高さ50cmの充填塔付の蒸留装置で缶温60〜90℃、40torrの減圧下で蒸留して水分を留去した。水分留去に伴い缶内に結晶が析出したが、スラリー状で攪拌可能であった。その後、缶温を上げ、缶温100℃、35torrの減圧下で蒸留したところ、pH=7.0、CI=0.02、アルカリ着色度=95の高品位のDMSOを得た。
(比較例2)
KOH5%、水分45%を含有するpH=13.6のDMSO混合液1500gを高さ50cmの充填塔付の蒸留装置で缶温60〜90℃、40torrの減圧下で蒸留して水分を留去した。水分留去に伴い缶内に結晶が析出し塊状に固まり、攪拌不可能となった。

Claims (5)

  1. 有機酸塩類を含有するDMSO混合液をpH=4〜6で蒸留し、有機酸成分を留去することを特徴とするDMSOの回収方法。
  2. 請求項1の有機酸成分を留去した缶残物をpH=7〜11で再蒸留することを特徴とするDMSOの回収方法。
  3. アルカリ金属水酸化物を含有するDMSO混合液をpH=7〜9に中和してから蒸留することを特徴とするDMSOの回収方法。
  4. 酸で部分中和してから蒸留精製することを特徴とする請求項3記載のDMSOの回収方法。
  5. DMSO混合液が、DMSO廃液であることを特徴とする請求項1〜4記載のDMSOの回収方法。
JP2005334080A 2005-11-18 2005-11-18 Dmsoの回収方法 Expired - Lifetime JP4345088B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005334080A JP4345088B2 (ja) 2005-11-18 2005-11-18 Dmsoの回収方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005334080A JP4345088B2 (ja) 2005-11-18 2005-11-18 Dmsoの回収方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18105595A Division JP3785601B2 (ja) 1995-06-23 1995-06-23 Dmsoの回収方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006096763A JP2006096763A (ja) 2006-04-13
JP4345088B2 true JP4345088B2 (ja) 2009-10-14

Family

ID=36236901

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005334080A Expired - Lifetime JP4345088B2 (ja) 2005-11-18 2005-11-18 Dmsoの回収方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4345088B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2993166A4 (en) * 2013-04-30 2016-12-07 Toray Finechemicals Co Ltd PROCESS FOR PURIFYING DIMETHYL SULFOXIDE
CN105272843B (zh) * 2015-11-18 2017-04-12 盐城师范学院 一种从化工生产废渣中回收二甲基亚砜与醋酸钠的方法
EP3722279B1 (en) * 2015-12-09 2024-08-14 Toray Fine Chemicals Co., Ltd. Method for purifying dimethyl sulfoxide

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006096763A (ja) 2006-04-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101188596B1 (ko) 요오딕사놀의 제조
JP2007099690A (ja) N−メチル−2−ピロリドンの精製方法。
JP4345088B2 (ja) Dmsoの回収方法
JP3785601B2 (ja) Dmsoの回収方法
EP1373141A1 (en) Methods of making cesium salts and other alkali metal salts
NO340888B1 (no) Framgangsmåte for framstilling av ioheksol
WO2017098900A1 (ja) ジメチルスルホキシドの精製方法
JP5734429B2 (ja) ジシクロヘキシルジスルフィドの製造方法
JP5756999B2 (ja) ビス(ペルフルオロアルカンスルホン)イミド塩の製造方法
JP4588045B2 (ja) 廃液の処理方法
JP5466821B2 (ja) 芳香族ビスアニリンの製造方法
EP0234065B1 (fr) Procédé de traitement de jus sucré aqueux en vue de séparer et sélectionner les saccharides à fonction cétonique
JP2008056620A (ja) 回収ε−カプロラクタムの精製法
JP4554193B2 (ja) ヒドロキシルアミン安定剤の製造方法及び精製方法
US20160237172A1 (en) Acylation Process
US6165426A (en) Method of purifying liquid products by removing soluble antimony compounds therefrom
JP5811671B2 (ja) フルオロアルカンスルホン酸の製造方法
JPH06298713A (ja) N−(α−ヒドロキシエチル)ホルムアミド及びN−(α−アルコキシエチル)ホルムアミドの製造方法
JP4851431B2 (ja) 廃液の処理方法
JP5374050B2 (ja) ヨウ素の製造方法
FR2760016A1 (fr) Procede de fabrication industrielle de diosmine a partir de l'hesperidine
CN118047493A (zh) 一种噻唑锌废水处理工艺
JP2004292384A (ja) アルキレン誘導体の製造方法
JP2008081500A (ja) 回収ε−カプロラクタムの精製法
JPH02275834A (ja) 高純度アルコキシメチルベンズアルデヒドの製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090407

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090518

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090630

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090703

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120724

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120724

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130724

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130724

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140724

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term