JP4588045B2 - 廃液の処理方法 - Google Patents

廃液の処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4588045B2
JP4588045B2 JP2007120387A JP2007120387A JP4588045B2 JP 4588045 B2 JP4588045 B2 JP 4588045B2 JP 2007120387 A JP2007120387 A JP 2007120387A JP 2007120387 A JP2007120387 A JP 2007120387A JP 4588045 B2 JP4588045 B2 JP 4588045B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waste liquid
sodium sulfate
inorganic salt
liquid
waste
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007120387A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008272687A (ja
Inventor
博之 伊藤
節己 吉野
Original Assignee
株式会社ダイセキ
三宝化学工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ダイセキ, 三宝化学工業株式会社 filed Critical 株式会社ダイセキ
Priority to JP2007120387A priority Critical patent/JP4588045B2/ja
Publication of JP2008272687A publication Critical patent/JP2008272687A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4588045B2 publication Critical patent/JP4588045B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P40/00Technologies relating to the processing of minerals
    • Y02P40/10Production of cement, e.g. improving or optimising the production methods; Cement grinding

Description

本発明は廃液の処理方法に関する。更に詳しくは、廃液を濃縮し、含有される無機塩の一部を晶析させ、次いで、固液分離して、無機塩が含有される固形状分を除去し、処理すべき廃液を減量させる廃液の減量工程を備える廃液の処理方法に関する。
工場等で発生する廃液は、処理場まで、車両により運搬するにしても、パイプライン等により搬送するにしてもコストがかかり、更に処理費用も処理量に応じて発生するため可能な限り減量することが好ましい。この処理すべき廃液を減量するため、従来、廃液の濃縮がなされているが(例えば、特許文献1参照。)、濃縮は無機塩が析出するまでが限度であり、必ずしも十分に処理すべき廃液を減量することはできなかった。また、無機塩が析出するまで濃縮した場合、有用な無機塩を回収し、再利用するときに、この無機塩により多くの有害物及び不純物等が混入し、商品価値の高い再利用品とすることができなかった。更に、従来、回収し、再利用する価値のある無機塩である場合、この無機塩を効率よく回収するため、回収に適した特定の廃液が用いられるのが一般的であり、廃液の種類によらず効率よく、高い品質で有用な無機塩を回収し、且つ処理すべき廃液の総量を減量させることができる技術が必要とされている。
特開平9−327688号公報
本発明は、上記の従来の状況に鑑みてなされたものであり、廃液を濃縮し、含有される無機塩の一部を晶析させ、固液分離して、無機塩が含有される固形状分を除去し、処理を必要とする廃液を減量させる廃液の減量工程を備え、回収された無機塩及び/又は無機塩の含有量が減少した廃液に含有される無機塩のうち商品価値のある特定の成分を精製し、又は加工し、製品として再利用する廃液の処理方法を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
1.無機塩を含有する廃液(但し、無電界ニッケルめっき老化液を除く。)を濃縮して濃縮廃液とし、該濃縮廃液から該無機塩の一部を晶析させ、次いで、固形状分と液状分とに分離する第1工程と、
上記液状分を再濃縮し、その後、無機塩の一部を晶析させ、更に固形状分と液状分とに分離する第2工程と、を備え、
上記無機塩を100質量%とした場合に、上記第1工程における上記固形状分に含有される該無機塩は60〜90質量%であり、
上記無機塩が硫酸ナトリウムであり、該硫酸ナトリウムが、硫酸を含有する廃液を水酸化ナトリウムにより中和した廃液、又は水酸化ナトリウムを含有する廃液を硫酸により中和した廃液に含有されるものであり、
上記第1工程及び上記第2工程における固形状分から0〜30℃で硫酸ナトリウム十水和物を晶析させ廃液の減量工程を備える廃液の処理方法であって、
上記硫酸ナトリウム十水和物を用いて40〜90℃で硫酸ナトリウム無水物を生成させ、該硫酸ナトリウム無水物を再利用し、
硫酸イオンを含有する上記第2工程において再濃縮された上記液状分を上記減量工程がなされる場所から他場所に運搬し、その後、該液状分にカルシウム化合物を添加して汚泥を生成させ、次いで、該汚泥を脱水して脱水物とし、該脱水物をセメント原料として用いることを特徴とする廃液の処理方法。
2.3〜20℃で上記硫酸ナトリウム十水和物を晶析させ、その後、60〜80℃で上記硫酸ナトリウム無水物を生成させる上記1.に記載の廃液の処理方法。
本発明の廃液の処理方法における減量工程によれば、濃縮廃液から無機塩の一部を晶析させ、その後、固形状分と液状分とが分離される第1工程と、この液状分が再濃縮され、その後、無機塩の一部を晶析させ、更に固形状分と液状分とが分離される第2工程とを備えるため、処理を必要とする廃液を効率よく減量させることができる。また、処理すべき廃液が十分に減量されるため、専用の車両等により運送するとき、又は配管等により移送するときの搬送費を低減させることができる。更に、固形状分及び/又は液状分から有用な無機塩等を回収する場合、全量を固形分として回収するときと比べて高品質の商品価値の高い再利用品とすることができる。また、高濃度の無機塩を含有する廃液を河川等に放流することは環境保全上望ましくなく、更に、活性汚泥処理等の生物処理においても、高濃度の無機塩を含有する廃液は処理を困難にする要因となり、無機塩の濃度には自ずと上限があるが、本願発明では、廃液における無機塩の含有量が十分に低減されて廃液の処理が容易となり、且つ処理すべき廃液量も低減され、廃液処理が容易となる。このように、本願発明の廃液の処理方法は極めて有用な技術である。
また、無機塩を100質量%とした場合に、第1工程における固形状分に含有される無機塩が60〜90質量%であるため、廃液の減量が効率よくなされ、処理すべき廃液を十分に減量させることができ、且つ有用な無機塩を回収し、再利用する場合、有害物及び不純物等の混入が少ない品質の高い再利用品とすることができる。
更に、無機塩が、硫酸ナトリウムであるため、廃液の中和等により多量に生成するこの無機塩を含有する廃液を効率よく減量させることができ、硫酸ナトリウムが、硫酸を含有する廃液を水酸化ナトリウムにより中和した廃液、又は水酸化ナトリウムを含有する廃液を硫酸により中和した廃液に含有されるものであるため、酸洗、脱硫等により多量に発生するこれらの廃液を効率よく減量させることができる。
また、固形状分に含有される無機塩を精製し、及び/又は加工し、再利用する場合、有害物等の多くが液状分に含有されているため、より純度及び商品価値の高い再利用品とすることができる。
本発明の廃液の処理方法によれば、上記の廃液の減量工程を備え、硫酸ナトリウム十水和物を用いて硫酸ナトリウム無水物を生成させるため、廃液の種類を特定することなく、硫酸ナトリウム十水和物及び無水物を同一の廃液から容易に回収することができ、且つ高品質で商品価値の高い無水物として回収することができ、廃液を効率よく処理することができ、特に有害物及び不純物等の混入が少ない品質の高い再利用品を回収することができる
また、液状分が硫酸イオンを含有し、この液状分を減量工程がなされる場所から他場所に運搬し、その後、液状分にカルシウム化合物を添加して汚泥を生成させ、その後、汚泥を脱水して脱水物とし、脱水物をセメント原料として用いるため廃液に含有される無機塩を容易に減量させることができるとともに、回収したものをセメント原料として有効に活用することができ、廃液に含有される成分のうちの無用な不純物等を除くほとんど全ての成分を回収し、有効に再利用することができる。更に、廃液が十分に減量されているため、運搬コストを低減させることができ、無機塩をセメント原料として回収することと併せて廃液処理のコストを大きく削減させることができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の廃液の処理方法は、無機塩を含有する廃液を濃縮して濃縮廃液とし、濃縮廃液から無機塩の一部を晶析させ、次いで、固形状分と液状分とに分離する第1工程と、この液状分を再濃縮し、その後、無機塩の一部を晶析させ、更に固形状分と液状分とに分離する第2工程と、備える廃液の減量工程を具備する
上記「廃液」は無機塩を含有し、無電界ニッケルめっき老化液を除く廃液であればどのような廃液であってもよい。
上記「無機塩」は硫酸ナトリウムであり、この無機塩は酸洗、脱硫等の操作にともなって発生するアルカリ性又は酸性の廃液を酸又はアルカリにより中和するときなどに生成し、多くの廃液に含有されている。
上記「濃縮」では、廃液を無機塩の飽和濃度以下の濃度範囲で濃縮してもよく、飽和濃度を越えて濃縮し、直接無機塩を晶析させてもよい。廃液は、含有される無機塩(無機塩は廃液に溶解しているが、本明細書では、これを無機塩が廃液に含有されているという。)の飽和濃度以下の濃度範囲で濃縮され、又は飽和濃度を越えて濃縮され、上記「濃縮廃液」とされる。廃液をどの程度濃縮するかは特に限定されないが、濃縮の程度が低すぎると廃液を十分に減量させることができないため好ましくない。一方、濃縮の程度が高くなるほど、分離後の固形状分に有害物等が混入し易くなる。特に、固形状分から硫酸ナトリウム等の有用な無機塩を回収し、再利用する場合は、回収された無機塩に含有される有害物及び不純物等を除くため、より十分に精製等をする必要が生じる。
上記「晶析」では、濃縮廃液に含有されていた無機塩の一部を晶析させる。晶析の方法は特に限定されず、濃縮廃液の温度を低下させる等の方法が挙げられる。晶析させる無機塩の、無機塩の全量に対する質量割合は晶析時の温度等によって調整することができる。この質量割合は、無機塩の全量を100質量%とした場合に、第1工程における固形状分に含有される無機塩が、60〜90質量%であり、70〜80質量%となる質量割合であることが好ましい。固形状分に含有される無機塩が全量の60〜90質量%であれば、この無機塩を回収することにより、残部の処理すべき廃液を十分に減量させることができる。また、無機塩が有用なものであり、これを回収する場合に、有害物等の混入の少ないより商品価値の高い再利用品とすることができる。
尚、廃液を濃縮せず、温度を低下させる等の方法により無機塩の一部を晶析させることもできる。このようにして晶析させ、その後、廃液を濃縮する場合と同様にして、固形状分と液状分とに分離し、固形状分を除去することによって廃液を減量させることもできる。
濃縮廃液の上記「分離」の方法は特に限定されず、例えば、遠心分離及び沈降分離等の各種の方法が挙げられる。この分離によって濃縮廃液は上記「固形状分」と上記「液状分」とに分離される。濃縮廃液には相当量の液状分(水分)が残存しているため、分離後の固形状分には水分が付着、含有されており、無機塩が有用なものであるときは、洗浄、精製及び乾燥等の処理を施して回収することができる。また、有害物等が固形状分に混入し難いため、回収される無機塩の品質を高めることができる。一方、無機塩が無用なものであるときは、廃棄物として処分することになる。
第1工程における分離後の液状分を更に濃縮する。これにより処理すべき廃液をより減量させることができる。この再濃縮も、液状分を無機塩の飽和濃度以下の濃度範囲で実施してもよく、飽和濃度を越えて濃縮し、無機塩を晶析させてもよい。また、液状分を再濃縮し、その後、一度目の濃縮の後工程と同様にして無機塩を晶析させ、更に固形状分と液状分とに分離させる。これにより、処理すべき廃液をより減量させることができる。更に、この固形状分からは、一度目の濃縮のときと同様にして有用な無機塩を回収することができ、無用な無機塩は同様に廃棄物として処分することになる。このように、液状分の濃縮と無機塩の回収を繰り返すことにより、処理すべき廃液を更に減量させることができる。
無機塩硫酸ナトリウムであ、この硫酸ナトリウムは、硫酸を含有する廃液を水酸化ナトリウムにより中和した廃液、又は水酸化ナトリウムを含有する廃液を硫酸により中和した廃液等に含有され、この廃液は酸洗等にともなって産業界では多量に発生する廃液の一種である。この硫酸ナトリウムは、ガラス、パルプ等の製造、洗剤のビルダー、及び染料の希釈剤等の用途があり、無水物は吸湿性があるため、有機溶媒の乾燥剤等としても用いられる。このように硫酸ナトリウムは廃液に含有される無機塩のうちでは有用なものであり、再利用の対象となる無機塩である。
廃液からの硫酸ナトリウムの回収は、これまで十水和物及び無水物の各々の回収に適した廃液を用いてなされており、それぞれ特定の廃液が用いられてきたが、本発明の廃液の処理方法における廃液の減量工程では、無機塩として硫酸ナトリウムが含有される同一の廃液から十水和物及び無水物を回収することができる。即ち、濃縮廃液から硫酸ナトリウム十水和物を晶析させ、その後、この十水和物を用いて硫酸ナトリウム無水物を生成させる。硫酸ナトリウムは32.4℃以下の温度では十水和物が安定であり、32.4℃を越えると無水物が安定である。従って、32.4℃以下の温度範囲で濃縮廃液から硫酸ナトリウムを晶析させると十水和物が得られ、その後、32.4℃を越える温度範囲に昇温させて回収操作をすることにより容易に硫酸ナトリウム無水物として回収することができる。また、硫酸ナトリウムを十水和物として晶析させるときの温度は32.4℃以下であればよいが、0〜30℃、特に0〜25℃、更に3〜20℃とすることができる。更に、無水物として回収するときの温度は32.4℃を越えてお、40〜90℃であり、50〜85℃、特に60〜80℃とすることができる。
更に、十水和物は晶析の際に多量の水をともなうため(NaSOの分子量は134であり、水和する水の式量は180である。)、濃縮廃液から硫酸ナトリウム十水和物を晶析させるときに、硫酸ナトリウムの分離とともに多量の水が固形状分に移行する。これによって、処理すべき廃液を極めて効率よく減量させることができる。且つ冷却により溶解度の差を利用して回収するため、液状分に含有される有害物等の不純物の濃縮が少なく、固形状分に付着して持ち出される不純物も少なくなる。このようにして回収された硫酸ナトリウム十水和物であるため、この十水和物を用いて硫酸ナトリウム無水物を生成させることにより、廃液の種類によらず、より高純度の硫酸ナトリウム無水物を得ることができる。また、不純物量の少ない硫酸ナトリウム十水和物を加熱濃縮して無水物を回収する際に蒸発する水分は純度が高く、純水製造原料としての利用も可能となる。
本発明の廃液の処理方法は、無機塩を含有する廃液の処理方法であって、廃液の減量工程を備える。
この廃液の処理方法では、濃縮廃液から無機塩を晶析させ、その後、分離し、得られる固形状分及び液状分のいずれからも、精製及び/又は加工等により有用な無機塩を回収することができる。
尚、この廃液の処理方法における無機塩、濃縮、濃縮廃液、晶析、固形状分、液状分及び分離の各々については、前記の廃液の減量工程におけるそれぞれに関する記載をそのまま適用することができる。
濃縮廃液からは、前記のようにして、硫酸ナトリウムを十水和物又は無水物の形態で回収し、再利用することができる。
また、硫酸イオンを含有する液状分にカルシウム化合物を添加して汚泥を生成させ、その後、この汚泥を脱水して脱水物とし、この脱水物、即ち、硫酸カルシウムを回収し、セメント原料として再利用することができる。カルシウム化合物としては、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、石灰乳等を用いることができ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。前記のように、硫酸ナトリウム等の硫酸イオンが含有される廃液は多量に発生しており、従って、多くの廃液から分離された液状分に硫酸イオンが含有されている。本発明の廃液の処理方法では、この液状分から硫酸カルシウムを回収することにより、硫酸ナトリウムが回収された後の液状分に残存する硫酸イオンも有効に活用することができ、廃液に含有される有用な硫酸ナトリウムのほとんど全てを回収し、有効に再利用することができる。尚、カルシウム化合物として石灰乳等の水溶液を用いたときは、必ずしも廃液の減量につながらないこともあるが、用いるカルシウム化合物の種類によっては、液状分から硫酸カルシウムを回収し、セメント原料として再利用することにより、処理すべき廃液の減量とともに、処理すべき固形状分を減量することもでき、処理量の総量を減量することもできる。
上記の硫酸カルシウムの回収は、特定の設備、操作等を必要とするため、酸洗、脱硫等をする工場内等では実施されず、通常、廃液処理を専業とする事業所等で実施される。そのため、減量された廃液の減量工程を実施した場所、即ち、廃液が発生した事業所等から廃液処理を専業とする事業所等の他場所に専用の車両等により運搬し、その後、カルシウム化合物の添加、汚泥の脱水、及び硫酸カルシウムの回収がなされ、この硫酸カルシウムがセメント原料として再利用される。このように、廃液(液状分)を運搬する必要があるため、処理すべき廃液を減量することは、回収し、再利用される硫酸カルシウムのコストの観点でも極めて有利である。
以上、詳述したように、本発明の廃液の処理方法では、処理すべき廃液が十分に減量され、専用の車両等により運送するときの、搬送費用を大きく低減させることができ、且つ廃液に含有される硫酸ナトリウムの多くを効率よく回収し、高品質の商品価値の高い再利用品とすることができ、総体的にみて極めて有用なリサイクルシステムであるといえる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
本実施例で使用した試料廃液は、100g当たり、硫酸ナトリウムを17.0g、炭酸ナトリウム2.0g、塩化ナトリウムを1.0g、フッ化ナトリウム1.0g及びリン酸第二鉄を1.0g含有しており、比重が1.15(15℃)の廃液である。
例1
試料廃液を濃縮して濃縮廃液とし、その後、濃縮廃液を15℃に冷却し、硫酸ナトリウム十水和物を析出させた。析出した結晶を遠心分離により液状分と分離して回収し、表面を水により洗浄した。結晶を回収した後の液状分と洗浄水とを混合し、その後、この混合液を濃縮廃液と同比重まで濃縮し、減量化させた。次いで、濃縮液を5℃に冷却し、上記の工程を繰り返した。これにより処理すべき廃液を十分に減量させることができた。
例2
試料廃液を減圧下70℃で濃縮して硫酸ナトリウム無水物を析出させた。析出した結晶を遠心分離により液状分と分離して回収し、表面を70℃の温水により洗浄した。結晶を回収した後の液状分と洗浄水とを混合し、その後、この混合液を濃縮廃液と同比重まで濃縮し、減量化させた。次いで、濃縮、減量化させた液を用いて上記の工程を繰り返した。これにより処理すべき廃液を十分に減量させることができた。
例3
例1で回収した硫酸ナトリウム十水和物100質量部に対して50質量部の水を添加して再溶解させ、その後、水溶液を加温して70℃に昇温させ、次いで、濃縮して硫酸ナトリウム無水物の結晶を析出させた。その後、析出した結晶を回収し、表面を70℃の温水により洗浄した。次いで、結晶を回収した後の液状分と洗浄水とを混合し、再び濃縮し、減量させた。
以上、実例1〜3の各々における廃液の減量率を算出し、回収した硫酸ナトリウムの組成を蛍光X線により分析した。結果は表1のとおりである。
Figure 0004588045
表1の結果によれば、実例1〜3のいずれの場合も、多くのSO及びNaOが検出され、Cl、F等の有害物及び微量不純物等は極く僅かであり、品質の高い硫酸ナトリウム十水和物又は無水物が回収されていることが分かる。特に、硫酸ナトリウム十水和物を回収し、その後、この十水和物を用いて硫酸ナトリウム無水物を生成させた実例3では、より高純度の硫酸ナトリウムを得ることができた。

Claims (2)

  1. 無機塩を含有する廃液(但し、無電界ニッケルめっき老化液を除く。)を濃縮して濃縮廃液とし、該濃縮廃液から該無機塩の一部を晶析させ、次いで、固形状分と液状分とに分離する第1工程と、
    上記液状分を再濃縮し、その後、無機塩の一部を晶析させ、更に固形状分と液状分とに分離する第2工程と、を備え、
    上記無機塩を100質量%とした場合に、上記第1工程における上記固形状分に含有される該無機塩は60〜90質量%であり、
    上記無機塩が硫酸ナトリウムであり、該硫酸ナトリウムが、硫酸を含有する廃液を水酸化ナトリウムにより中和した廃液、又は水酸化ナトリウムを含有する廃液を硫酸により中和した廃液に含有されるものであり、
    上記第1工程及び上記第2工程における固形状分から0〜30℃で硫酸ナトリウム十水和物を晶析させ廃液の減量工程を備える廃液の処理方法であって、
    上記硫酸ナトリウム十水和物を用いて40〜90℃で硫酸ナトリウム無水物を生成させ、該硫酸ナトリウム無水物を再利用し、
    硫酸イオンを含有する上記第2工程において再濃縮された上記液状分を上記減量工程がなされる場所から他場所に運搬し、その後、該液状分にカルシウム化合物を添加して汚泥を生成させ、次いで、該汚泥を脱水して脱水物とし、該脱水物をセメント原料として用いることを特徴とする廃液の処理方法。
  2. 3〜20℃で上記硫酸ナトリウム十水和物を晶析させ、その後、60〜80℃で上記硫酸ナトリウム無水物を生成させる請求項1に記載の廃液の処理方法。
JP2007120387A 2007-04-28 2007-04-28 廃液の処理方法 Active JP4588045B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007120387A JP4588045B2 (ja) 2007-04-28 2007-04-28 廃液の処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007120387A JP4588045B2 (ja) 2007-04-28 2007-04-28 廃液の処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008272687A JP2008272687A (ja) 2008-11-13
JP4588045B2 true JP4588045B2 (ja) 2010-11-24

Family

ID=40051347

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007120387A Active JP4588045B2 (ja) 2007-04-28 2007-04-28 廃液の処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4588045B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4851431B2 (ja) * 2007-12-10 2012-01-11 株式会社ダイセキ 廃液の処理方法
CN104118961B (zh) * 2013-04-26 2016-12-28 玉米产品开发股份有限公司 从生物处理后的废水中去除硫酸钠
CN114804396B (zh) * 2021-01-28 2023-04-07 无锡中天固废处置有限公司 一种高盐分碱液池废水处置工艺

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5673620A (en) * 1979-11-19 1981-06-18 Tokuyama Soda Co Ltd Separation of sodium sulfate and sodium chloride from mixed solution of sodium chloride and sodium sulfate
JPH07267616A (ja) * 1994-03-28 1995-10-17 Nippon Chem Ind Co Ltd 無電解ニッケルめっき老化液の処理方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5673620A (en) * 1979-11-19 1981-06-18 Tokuyama Soda Co Ltd Separation of sodium sulfate and sodium chloride from mixed solution of sodium chloride and sodium sulfate
JPH07267616A (ja) * 1994-03-28 1995-10-17 Nippon Chem Ind Co Ltd 無電解ニッケルめっき老化液の処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008272687A (ja) 2008-11-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2017133511A1 (zh) 脱硫废水零排放处理的装置及方法
KR20210010576A (ko) 수산화 리튬을 회수하기 위한 방법
CN107720782A (zh) 一种从高盐废水分盐制取硫酸钾的工艺及所用系统
BRPI1009523B1 (pt) Method for the purification of lithium bicarbonate.
CN107207284A (zh) 用于从废水选择性回收硫酸盐和氯化物盐的方法
US9156716B2 (en) Method for purification of spent sulfuric acid from titanium dioxide rutile industry
HU184178B (en) Process for producing pure alum esrth with recovering aluminium ores with hydrochloric acid and removing impurities with sulfuric acid
JP7422776B2 (ja) 水酸化リチウムの回収
JP2006061754A (ja) フッ素含有廃水の処理方法およびフッ素含有廃水の処理設備
JP4588045B2 (ja) 廃液の処理方法
MXPA05000475A (es) Proceso y dispositivo para el reciclaje de banos de decapado de metales.
CA3035969C (en) Method for producing potassium sulfate from potassium chloride and sulfuric acid
CN104557517A (zh) 一种废柠檬酸钠母液综合处理工艺
JP5079631B2 (ja) 廃液の減量方法及び廃液の処理方法
CN107792832B (zh) 一种酸性含氟废水中氟资源的回收方法
CN107777691B (zh) 一种酸性含氟废水中氟资源的回收方法
JP7115123B2 (ja) リチウムの精製方法
CN108751229B (zh) 一种二环己基二硫化物母液的回收方法
JPH10310421A (ja) 硝子洗浄に使用した希薄塩酸廃液の処理方法
JP4866448B2 (ja) 無機塩含有廃液の処理方法および装置
JP4851431B2 (ja) 廃液の処理方法
RU2164220C1 (ru) Способ переработки сульфатных ванадийсодержащих сточных вод
EP2855355B1 (en) Crystallisation assisted membrane separation process
JP4129799B2 (ja) 濃厚かん水中のナトリウムとカリウムの分離方法
KR830000529B1 (ko) 순수 알루미나의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100518

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100720

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100817

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100907

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4588045

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130917

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250