JPH10310421A - 硝子洗浄に使用した希薄塩酸廃液の処理方法 - Google Patents

硝子洗浄に使用した希薄塩酸廃液の処理方法

Info

Publication number
JPH10310421A
JPH10310421A JP12620697A JP12620697A JPH10310421A JP H10310421 A JPH10310421 A JP H10310421A JP 12620697 A JP12620697 A JP 12620697A JP 12620697 A JP12620697 A JP 12620697A JP H10310421 A JPH10310421 A JP H10310421A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mother liquor
hydrochloric acid
waste liquid
glass cleaning
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP12620697A
Other languages
English (en)
Inventor
Yosuke Katsura
洋介 桂
Nobuo Takahashi
信雄 高橋
Yasuya Mikami
八州家 三上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nittetsu Mining Co Ltd
Original Assignee
Nittetsu Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nittetsu Mining Co Ltd filed Critical Nittetsu Mining Co Ltd
Priority to JP12620697A priority Critical patent/JPH10310421A/ja
Publication of JPH10310421A publication Critical patent/JPH10310421A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
  • Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)
  • Removal Of Specific Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 硝子製品の洗浄に使用して、硝子製品中の硼
素、アルミニウム等によって汚染された硼酸、アルミニ
ウム等を含有する塩酸廃液から汚染物質を個別に分離取
得する廃液処理技術を提供する。 【解決手段】 硝子洗浄に使用した結果硝子製品中の成
分が溶出して汚染された希薄塩酸廃液を蒸発濃縮し、濃
縮後廃液を冷却して硼酸を晶析・分離する。硼酸分離後
母液を希釈して濃度調整し、濃度調整後硫酸を混合して
石膏を析出・分離する。石膏分離後母液を蒸発濃縮し、
蒸発蒸気を凝縮して塩酸を回収するとともに濃縮液は希
釈して液体硫酸アルミニウムとせしめるか、冷却して結
晶硫酸アルミニウムとして取得する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、硝子機器製造分野あ
るいは硝子繊維製造分野において、硝子製品の洗浄に使
用した際に、硝子製品中の成分が溶出し、その結果、硼
素、アルミニウムあるいはカルシウム等によって汚染さ
れた希薄塩酸洗浄剤から汚染物質を個別に分離取得する
廃液処理技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】硝子機器製造分野や硝子繊維製造分野に
おいては、硝子製品の洗浄に大量の液体洗浄剤が使用さ
れている。この洗浄剤は、塩酸を主成分とするものであ
り、これに含まれる塩酸の濃度は、通常5〜15重量%
程度である。この洗浄剤が使用される高純度硝子又は高
純度硝子繊維では、原料として長石及び硼砂等が使用さ
れており、使用後の洗浄剤中には、これら成分の一部が
溶解され、硼酸、カルシウム、アルミニウム等が洗浄剤
中に溶出し、その結果洗浄剤はこれら成分によって汚染
されることになる。これら原料成分が溶解され、洗浄剤
中に同伴される際には、金属成分の場合は塩化物という
形態になっており、硼砂中の硼素は硼酸となる。この汚
染された洗浄剤を硝子製品製造工場から入手し、その組
成を分析したところ表1のような結果がでた。
【0003】
【表1】
【0004】従来この廃液は、苛性ソーダ等で中和処理
しており、スラッジ形成後固体のスラッジと中和水とが
固液分離されていた。スラッジには複数の金属成分が含
有されており、そのままでは有価物として利用すること
は困難であり、一方中和水中には、固体のスラッジ中に
取り込まれなかった硼酸が残存しており、このままでは
硝子製品の洗浄に再利用することは不可能であった。そ
の結果、この両者は、有価物とはいえず最終的には廃棄
されることを余儀なくされていた。その際中和排水は希
釈して、河川あるいは海洋に排出されることになるが、
この中和排水中に含まれる硼酸は毒物であり、この排水
を河川あるいは海洋に排出することは、水質汚染を引き
起こすことになり望ましいことではなく、また中和排水
中に含まれる塩化ナトリウムは、田畑等の塩害にもなり
かねない。他方スラッジも、これを投棄処理すると、そ
の中には各種の金属成分が含有されており環境汚染を引
き起こすことになる。
【0005】そこで、本発明者は、スラッジおよび中和
排水中に含まれる各成分を個別に回収することが先の問
題点を解決することになるとの認識の下に研究を進め、
今回その技術の開発に成功したものである。その際にま
ず最初に手掛けたことは、この汚染された洗浄剤を硝子
製品製造工場から入手し、その組成を分析したことであ
り、その結果前記したとおり表1のような分析結果を得
ている。この表から主たる汚染物質が、硼素、カルシウ
ム及びアルミニウムであることがわかる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本願発明者は、今回、
硝子洗浄に使用して汚染された希薄塩酸廃液中の各成分
を有効成分として個別に回収する手段を見出したもので
あり、この発見により、本発明は有毒成分を含有する排
液の排出もなく、また投棄処理するスラッジの産出もな
い酸含有廃液の処理方法を提供するものである。すなわ
ち本願発明では、従来中和の際にスラッジ中に複数の金
属成分が同伴されていたものをこの金属成分を個別に析
出させる手段を見出し、本発明を完成したものである。
【0007】その具体的手段は、硫酸アルミニウムを液
体として得る場合と、結晶として得る場合とでは異なる
ところがあり、その結果この発明には2態様がある。第
1の態様は、硝子洗浄に使用した希薄塩酸廃液を蒸発濃
縮する工程、濃縮された廃液を冷却して硼酸を晶析・分
離する工程、硼酸分離後の母液を希釈する濃度調整工
程、濃度調整後の母液に硫酸を混合して石膏を形成せし
めて分離する工程、石膏分離後の母液を蒸発濃縮する工
程、濃縮された母液を希釈して液体硫酸アルミニウムを
形成する工程からなる。
【0008】第2の態様は、硝子洗浄に使用した希薄塩
酸廃液を蒸発濃縮する工程、濃縮された廃液を冷却して
硼酸を晶析・分離する工程、硼酸分離後の母液を希釈す
る濃度調整工程、濃度調整後の母液に硫酸を混合して石
膏を形成せしめて分離する工程、石膏分離後の母液を蒸
発濃縮する工程及び濃縮された母液を冷却して結晶硫酸
アルミニウムを晶析・分離してそれを取得する工程から
なり、第2の態様においては、濃度調整後の母液に硫酸
を混合して石膏を形成せしめて分離する工程と石膏分離
後の母液を蒸発濃縮する工程との間に必要に応じて母液
に硫酸を混合する工程を介在させることができ、この工
程を介在させた方がより好ましいものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本願発明をまず第1の態様に基づ
いて具体的に説明する。その第1の態様のプロセスを図
示すると図1のとおりであり、本発明で処理対象とする
希薄塩酸廃液は、硝子機器製造分野あるいは硝子繊維製
造分野等において硝子製品の洗浄に使用した結果硝子成
分の溶出によって汚染された希薄塩酸を主成分とする洗
浄剤である。その際における処理可能な塩酸濃度は20
重量%以下であり、好ましくは5〜15重量%程度であ
る。
【0010】またこの発明では、塩酸を主成分とする洗
浄剤を使用する硝子製品製造分野あるいは硝子製品の組
成、すなわち塩酸廃液を排出する硝子製品製造分野ある
いは硝子製品の組成は特に限定されないものの、この発
明の廃液処理は、高純度硝子又高純度硝子繊維製造分野
で排出される塩酸廃液の処理に特に適している。本願発
明が処理の対象とする塩酸廃液は、硝子製品洗浄後の塩
酸廃液中に硝子製品から溶出した硼酸、カルシウム、ア
ルミニウムが含まれていればよいのであり、そのような
廃液は、硝子原料に長石及び硼砂等を使用していれば生
ずるのである。
【0011】硝子洗浄に使用した希薄塩酸廃液を蒸発濃
縮する工程では、硼酸が飽和状態になるまで濃縮するの
が望ましいが、それに限られるものではなく、次の晶析
工程において、硼酸が結晶化し、実用上差し支えない程
度の量が取得できる程度の濃度であれば足りるものであ
り、具体的には、濃縮倍率が1.1〜5.0倍程度でよ
いが、好ましくは2.5〜3.0倍の濃縮がよい。また
蒸発濃縮は減圧下で実施するのがよく、圧力は300T
orr以下がよい。その際の温度及び圧力は、好ましく
は圧力200Torr以下、温度85℃以下がよい。よ
り好ましくは圧力100Torr以下、温度70℃以下
がよい。
【0012】蒸発の際には塩化水素含有水蒸気が発生す
るのでこれを凝縮して塩酸を生成する。その際の塩酸濃
度及び回収率は、蒸発条件及び蒸発時間によって異なる
が、濃度2.5重量%、回収率10%以上とせしめるこ
とは可能である。使用する蒸発装置は、液体の蒸発濃縮
用のものであれば、いずれのタイプも使用可能である
が、加熱管と気液分離器が分離しているタイプの装置が
よい。またコンデンサーは塩酸を製品として回収するこ
とからサーフェスコンデンサーを使用するのがよい。
【0013】濃縮された廃液を冷却して硼酸を晶析・分
離する工程における冷却は、結晶を析出せしめるための
ものであるから蒸発温度より60℃ほど低下せしめる。
具体的な冷却温度は通常10℃以下とせしめるが、好ま
しくは0℃以下にするのがよい。したがって、冷却は、
井戸水、海水あるいは河川水等の自然水による水冷とう
いうわけにはいかず、冷凍機を使用することになる。こ
の晶析に使用する晶析装置は、いずれのタイプも使用可
能である。そして、この工程における分離は、生成した
硼酸結晶を分離するものであって、使用する分離装置は
いずれの固液分離機も使用可能であり、特に限定される
ものではないが、好ましくは遠心分離機がよい。この際
の硼酸の回収率は、濃縮倍率2倍、晶析温度0℃とせし
めることにより、65%以上とすることができる。
【0014】硼酸分離後の母液を希釈する濃度調整工程
は、アルミニウム成分とカルシウム成分とを個別に取得
するために最も大事な工程であり、ここで濃度調整しな
いと次の工程の石膏生成工程において、アルミニウムが
石膏と同時に硫酸アルミニウムとして共析することにな
る。ここにおける希釈は、希釈倍率で1.5〜3.0倍
程度の範囲で可能であるが、好ましくは1.7〜2.5
倍がよく、より好ましくは2.0倍前後がよい。使用す
る希釈液は、水よりも希塩酸がよく、希薄塩酸廃液を蒸
発濃縮する工程で回収された塩酸でも使用可能であり、
コスト面からして、これを使用するのがよい。
【0015】濃度調整後の母液に硫酸を混合して石膏を
形成せしめて分離する工程における硫酸は、母液中に溶
存する総陽イオンモル数に対して0.5〜1.5でよ
く、好ましくは1.0〜1.4であり、より好ましくは
1.2前後がよい。この工程における晶析では、熟成を
行うのがよく、そのために晶析時間、すなわち硫酸混合
後放置する時間は、少なくとも1時間、好ましくは4時
間以上がよい。晶析温度は、少なくとも40℃以下、好
ましくは30℃以下がよい。晶析に使用する装置はいず
れのタイプのものでもよい。生成した石膏の分離には各
種の固液分離装置が使用できるが、遠心分離機が好まし
い。この際石膏は90%以上の回収率で回収できる。
【0016】この発明の第2の態様においては、石膏分
離後の母液(分離液)を蒸発濃縮する工程の前に、硫酸
を再度混合するのが好ましい。その際の硫酸混合量は、
濃度調整後の母液に硫酸を混合して石膏を形成せしめて
分離する工程における硫酸の混合量との合計量で母液中
に溶存する総陽イオン量に対して1.2〜2.2であ
り、好ましくは1.4〜2.0がよく、より好ましくは
1.6前後がよい。すなわち、この第2の態様において
は、濃度調整後の母液に硫酸を混合して石膏結晶を析出
分離する際の硫酸は、その混合量を最大限1.2程度と
し、残部を石膏分離後の母液に混合した後に、その母液
を蒸発濃縮するのが好ましい。このようにすることによ
り、石膏結晶析出時に硫酸アルミニウムが共析すること
を回避できるとともに硫酸アルミニウム結晶を効率的に
析出せしめることができる。
【0017】石膏分離後の母液を蒸発濃縮する工程で
は、塩化水素含有水蒸気を蒸発させて母液の濃縮を行う
とともに蒸発した蒸気を凝縮して塩酸の回収を行うのが
好ましい。その際蒸発濃縮は減圧下で行うのがよく、圧
力は、300Torr以下がよく、好ましくは圧力20
0Torr以下、温度100℃以下、より好ましくは圧
力100Torr前後、温度90℃前後がよい。濃縮は
濃縮倍率3.0〜7.0倍程度まで行うのがよいが、よ
り好ましくは4.5〜5.5倍にするのがよい。またこ
の際の回収で得られる塩酸は、濃度は15重量%以上、
回収率70%以上とすることができる。
【0018】石膏分離後の母液を蒸発濃縮する工程に続
く工程は、第1の態様では濃縮された母液を希釈して液
体硫酸アルミニウムを形成する工程であり、この工程が
第2の態様との相違点である。この工程では、濃縮され
た母液を水により希釈するのであり、その際の希釈は、
溶液中の酸化アルミニウム濃度が6重量%以上になるよ
うな希釈率で行う。希釈された液は液体硫酸アルミニウ
ムということなる。
【0019】この発明の第2の態様では、第1の態様の
最終工程を変更して、液体硫酸アルミニウムではなく、
結晶硫酸アルミニウムを得るものであり、それは以下の
とおりである。すなわちこの態様では、第1態様であ
る、濃縮された母液を希釈して液体硫酸アルミニウムを
形成する工程に代え、結晶硫酸アルミニウムの晶析工程
を採用する。この晶析工程は、冷却により行われる。冷
却温度は30〜50℃にするのが好ましく、より好まし
くは40℃前後にするのがよい。より好ましい冷却の手
順は、冷却後直ちに晶析・分離するのではなく、冷却後
一旦5〜15℃程度昇温させた後、再び温度を低下させ
て10〜20℃にするのがよい。冷却速度は2〜10℃
/hがよく、好ましくは3〜5℃/hがよい。この態様
の全プロセスを図示すると図2のとおりである。
【0020】
【実施例1】この実施例を実行するに当たり、まず硝子
繊維製造工場で硝子繊維の洗浄に使用して汚染された希
薄塩酸廃液を主成分とする洗浄剤について組成を分析し
たところ、その結果は表2のとおりであった。この洗浄
剤廃液8.06kgを圧力100Torr前後、温度7
0℃前後に維持して減圧下で蒸発濃縮を行い、濃縮倍率
2.4倍の硼酸の飽和溶液を得た。この際に蒸発した塩
化水素含有水蒸気を凝縮して、濃度2.84%の塩酸
4.37kgを得た。濃縮後の溶液を0℃に冷却して結
晶を析出せしめ、その後遠心分離機により分離し、硼酸
の結晶1.19kgを得た。塩酸及び硼酸の回収率は、
それぞれ12.9%及び74.9%であった。硼酸分離
後の母液3.57kgを先の蒸発濃縮の際に副生した希
薄塩酸1.92kgを利用して希釈し、濃度調整液5.
49kgを得た。
【0021】
【表2】
【0022】この濃度調整液に濃度98重量%の濃硫酸
1.09kgを添加した。この際の温度は58℃であ
り、使用した硫酸は母液中に溶存する総陽イオンモル数
に対して1.2であった。添加後温度25℃に冷却し、
結晶の熟成を行うために5時間放置した。放置後生成し
た石膏の結晶を遠心分離機により、分離して1.32k
g取得した。石膏分離後の母液は、圧力100Torr
前後、温度80℃前後に維持して減圧蒸発を行った。こ
の際蒸発した蒸気を凝縮して濃度16.2重量%の塩酸
3.60kg取得したが、その回収率は73.6%であ
った。それと同時に得られた濃縮液には水道水1.10
kgを添加して濃度16.8重量%の液体硫酸アルミニ
ウム2.88kgを得た。
【0023】
【実施例2】この実施例では実施例1と同じ組成の廃液
を使用した。この洗浄剤廃液8.06kgを圧力100
Torr前後、温度70℃前後に維持して減圧蒸発濃縮
を行い、濃縮倍率2.4倍の硼酸の飽和溶液を得た。こ
の際に蒸発した塩化水素含有水蒸気は凝縮して、濃度
2.81%の塩酸4.29kgを得た。濃縮後の溶液を
0℃に冷却して結晶を析出せしめ、その後遠心分離機に
より分離し、硼酸の結晶1.18kgを得た。塩酸及び
硼酸の回収率は、それぞれ12.9%及び74.9%で
あった。硼酸分離後の母液3.65kgに先の蒸発濃縮
の際に副生した希薄塩酸1.91kgを利用して希釈
し、濃度調整液5.56kgを得た。
【0024】この濃度調整液に濃度98重量%の濃硫酸
1.09kgを添加した。この際の温度は61℃であ
り、使用した硫酸は母液中に溶存する総陽イオンモル数
に対して1.2であった。添加後温度25℃に冷却し、
結晶の熟成を行うために4.5時間放置した。放置後生
成した石膏の結晶を遠心分離機により、分離して1.3
2kg取得した。石膏分離後の母液に硫酸をさらに0.
10kgを添加した後、圧力100Torr前後、温度
80℃前後に維持して減圧蒸発を行った。この際に蒸発
した蒸気を凝縮して濃度16.2重量%の塩酸3.72
kg取得したが、その回収率は76.9%であった。そ
れと同時に得られた濃縮液は5℃/hで40℃まで冷却
した。この冷却液を1時間かけて50℃まで昇温させた
後、再度5℃/hで15℃まで冷却した。冷却後生成し
た結晶硫酸アルミニウムを遠心分離機により分離して
0.91kgを取得した。
【0025】
【発明の効果】本願の発明では、硝子製品洗浄後の汚染
された希薄塩酸洗浄液から汚染物質である硼素、カルシ
ウム、アルミニウムをそれぞれ硼酸、石膏及び硫酸アル
ミニウムとして回収し、また洗浄剤中の主成分である塩
酸も回収している。その結果塩酸は洗浄剤として再利用
でき、また硫酸アルミニウムは凝集剤等として有効に利
用でき、石膏は建築材あるいはセメント原料としていず
れも有効に利用できる。その結果従来法のように廃棄処
理による環境汚染あるいは水質汚染を引き起こす恐れも
なく、極めて有効な廃液処理技術である。
【0026】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の態様のフロー図であり、希薄
塩酸廃液を蒸発濃縮する工程から最終工程の液体硫酸ア
ルミニウムを取得するまでのプロセスを示す。
【図2】この発明の第2の態様のフロー図であり、希薄
塩酸廃液を蒸発濃縮する工程から最終工程の結晶硫酸ア
ルミニウムを取得するまでのプロセスを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01D 9/02 625 B01D 9/02 625F B08B 3/14 B08B 3/14 C01F 7/74 C01F 7/74 11/46 11/46 Z C02F 1/58 C02F 1/58 H J K

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硝子洗浄に使用した希薄塩酸廃液を蒸発
    濃縮する工程、濃縮された廃液を冷却して硼酸を晶析・
    分離する工程、硼酸分離後の母液を希釈する濃度調整工
    程、濃度調整後の母液に硫酸を混合して石膏を形成せし
    めて分離する工程、石膏分離後の母液を蒸発濃縮する工
    程、濃縮された母液を希釈して液体硫酸アルミニウムを
    形成する工程からなる硝子洗浄に使用した希薄塩酸廃液
    の処理方法。
  2. 【請求項2】 硝子洗浄に使用した希薄塩酸廃液を蒸発
    濃縮する工程、濃縮された廃液を冷却して硼酸を晶析・
    分離する工程、硼酸分離後の母液を希釈する濃度調整工
    程、濃度調整後の母液に硫酸を混合して石膏を形成せし
    めて分離する工程、石膏分離後の母液を蒸発濃縮する工
    程及び濃縮された母液を冷却して結晶硫酸アルミニウム
    を晶析・分離してそれを取得する工程からなる硝子洗浄
    に使用した希薄塩酸廃液の処理方法。
  3. 【請求項3】 硝子洗浄に使用した希薄塩酸廃液を蒸発
    濃縮する工程において、蒸発濃縮を圧力100Torr
    以下、温度70℃以下の減圧下で行う請求項1又は2記
    載の硝子洗浄に使用した希薄塩酸廃液の処理方法。
  4. 【請求項4】 濃縮された廃液を冷却して硼酸を晶析・
    分離する工程において、晶析を温度0℃以下で行う請求
    項1ないし3のいずれか1に記載の硝子洗浄に使用した
    希薄塩酸廃液の処理方法。
  5. 【請求項5】 硼酸分離後の母液を希釈する濃度調整工
    程において、希釈液を希薄塩酸廃液を蒸発濃縮する工程
    で回収された塩酸とし、希釈倍率を1.7〜2.5倍と
    せしめる請求項1ないし4のいずれか1に記載の硝子洗
    浄に使用した希薄塩酸廃液の処理方法。
  6. 【請求項6】 濃度調整後の母液に硫酸を混合して石膏
    を形成せしめて分離する工程において、混合する硫酸の
    量を母液中に溶存する総陽イオンモル数に対して1.0
    〜1.4とし、晶析時間を4時間以上、晶析温度を30
    ℃以下とする請求項1ないし5のいずれか1に記載の硝
    子洗浄に使用した希薄塩酸廃液の処理方法。
  7. 【請求項7】 濃度調整後の母液に硫酸を混合して石膏
    を形成せしめて分離する工程と石膏分離後の母液を蒸発
    濃縮する工程との間に、母液に硫酸を混合する工程を設
    けた請求項2ないし6のいずれか1に記載の硝子洗浄に
    使用した希薄塩酸廃液の処理方法。
  8. 【請求項8】 石膏分離後の母液を蒸発濃縮する工程に
    おいて、圧力が100Torr以下の減圧下で、濃縮倍
    率が4.5〜5.5になるまで蒸発濃縮を行うとともに
    蒸発した蒸気を凝縮して塩酸を回収する請求項1ないし
    7のいずれか1に記載の硝子洗浄に使用した希薄塩酸廃
    液の処理方法。
  9. 【請求項9】 濃縮された母液を希釈して液体硫酸アル
    ミニウムを形成する工程において、希釈率を溶液中の酸
    化アルミニウム濃度が6重量%以上になるように希釈せ
    しめる請求項1、8、又は3ないし6のいずれか1に記
    載の硝子洗浄に使用した希薄塩酸廃液の処理方法。
  10. 【請求項10】 濃縮された母液を冷却して結晶硫酸ア
    ルミニウムを晶析・分離してそれを取得する工程におい
    て、晶析を温度40℃前後に低下させた後、一旦温度を
    15℃前後上昇させ、再び温度を低下させて15℃前後
    にし、かつその際の冷却速度を3〜5℃/hとせしめる
    請求項2、又は3ないし8のいずれか1に記載の硝子洗
    浄に使用した希薄塩酸廃液の処理方法。
JP12620697A 1997-05-01 1997-05-01 硝子洗浄に使用した希薄塩酸廃液の処理方法 Withdrawn JPH10310421A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12620697A JPH10310421A (ja) 1997-05-01 1997-05-01 硝子洗浄に使用した希薄塩酸廃液の処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12620697A JPH10310421A (ja) 1997-05-01 1997-05-01 硝子洗浄に使用した希薄塩酸廃液の処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10310421A true JPH10310421A (ja) 1998-11-24

Family

ID=14929346

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12620697A Withdrawn JPH10310421A (ja) 1997-05-01 1997-05-01 硝子洗浄に使用した希薄塩酸廃液の処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10310421A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000046157A1 (fr) * 1999-02-05 2000-08-10 Stella Chemifa Kabushiki Kaisha Procede de fixation de fluor et de phosphore dans des eaux usees contenant un compose derive de l'acide fluorophosphorique, aux fins d'elimination de ceux-ci
SG86468A1 (en) * 2000-05-12 2002-02-19 Yoshino Gypsum Co Production process of high-purity gypsum
JP2012056803A (ja) * 2010-09-09 2012-03-22 Sasakura Engineering Co Ltd ホウ素の回収方法
WO2012114976A1 (ja) * 2011-02-22 2012-08-30 旭硝子株式会社 ホウ酸の回収方法および回収装置
CN115571893A (zh) * 2022-05-11 2023-01-06 陕西华特新材料股份有限公司 低浓度盐酸废液中提取回收硼酸的方法
CN117358674A (zh) * 2023-11-07 2024-01-09 湖北美辰环保股份有限公司 一种磷石膏复合酸洗设备及工艺

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000046157A1 (fr) * 1999-02-05 2000-08-10 Stella Chemifa Kabushiki Kaisha Procede de fixation de fluor et de phosphore dans des eaux usees contenant un compose derive de l'acide fluorophosphorique, aux fins d'elimination de ceux-ci
US6666973B1 (en) 1999-02-05 2003-12-23 Stella Chemifa Kabushiki Kaisha Method for fixing fluorine and phosphorus in waste water containing fluorophosphoric acid-derived compound to remove them
KR100670633B1 (ko) * 1999-02-05 2007-01-17 스텔라 케미파 코포레이션 플루오로린산 화합물을 포함하는 폐수의 불소 및 인의고정, 제거방법
SG86468A1 (en) * 2000-05-12 2002-02-19 Yoshino Gypsum Co Production process of high-purity gypsum
JP2012056803A (ja) * 2010-09-09 2012-03-22 Sasakura Engineering Co Ltd ホウ素の回収方法
WO2012114976A1 (ja) * 2011-02-22 2012-08-30 旭硝子株式会社 ホウ酸の回収方法および回収装置
JP5800436B2 (ja) * 2011-02-22 2015-10-28 旭硝子株式会社 ホウ酸の回収方法および回収装置
CN115571893A (zh) * 2022-05-11 2023-01-06 陕西华特新材料股份有限公司 低浓度盐酸废液中提取回收硼酸的方法
CN117358674A (zh) * 2023-11-07 2024-01-09 湖北美辰环保股份有限公司 一种磷石膏复合酸洗设备及工艺
CN117358674B (zh) * 2023-11-07 2024-04-19 湖北美辰环保股份有限公司 一种磷石膏复合酸洗设备及工艺

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108975586B (zh) 钽铌湿法冶炼中含氟、含氨氮废水的回收处理方法
US7922876B2 (en) Method for processing an etching mixture which is formed during the production of highly pure silicon
US4382916A (en) Method of preparing hydrochloric acid and high purity ferrous sulfate hydrate crystals from hydrochloric acid waste pickle liquor
JP2019528230A (ja) 硫酸リチウムおよび硫酸を含む水性組成物を処理する方法
CN108793200B (zh) 一种钠钾硫氯四元体系分离硫酸钾的方法
JP3085549B2 (ja) 塩化銅廃液からの塩酸及び硫酸銅の回収方法
JP2006061754A (ja) フッ素含有廃水の処理方法およびフッ素含有廃水の処理設備
JPH10310421A (ja) 硝子洗浄に使用した希薄塩酸廃液の処理方法
JP4781374B2 (ja) 無機塩含有廃液の処理方法および装置
US2753242A (en) Process for the separation of sodium sulfate from an intermixture of crystals of sodium sulfate and sodium chloride
JP4588045B2 (ja) 廃液の処理方法
JP3861191B2 (ja) 廃水回収再利用方法
JP5079631B2 (ja) 廃液の減量方法及び廃液の処理方法
RU2258036C1 (ru) Способ комплексной переработки фосфогипса
CN108946767B (zh) 一种钠钾硫氯四元体系分离硫酸钾的方法
GB2100749A (en) Treating molasses
KR20210120839A (ko) 편광판 제조 폐액의 처리 방법
US3383324A (en) Process for recovering acid values from mixed waste acid used for pickling
JP3273901B2 (ja) 鉄及び亜鉛を溶存する塩酸廃液の処理方法
JP3961615B2 (ja) アルミニウムによって汚染された硝酸廃液の処理方法
CN219585937U (zh) 一种boe废液的资源化处理系统
EP0959043B1 (de) Verfahren zur Aufbereitung einer mit Sulfat befrachteten Kochsalzlösung, insbesondere einer Anolytsole
JPH01153517A (ja) 含アルミニウム廃塩酸の処理方法
JP2973384B2 (ja) 水酸化アルミニウムの精製法及びアルミニウム材の表面処理方法
JP4228049B2 (ja) アルミ加工工場におけるアルカリ性廃液のリサイクル方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20040406

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20070718

A977 Report on retrieval

Effective date: 20070723

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007