JP4129799B2 - 濃厚かん水中のナトリウムとカリウムの分離方法 - Google Patents

濃厚かん水中のナトリウムとカリウムの分離方法 Download PDF

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本発明は、濃厚かん水中のナトリウムとカリウムの分離方法に関する。
海水を電気透析濃縮して得た濃厚かん水中にはナトリウムのほか、少量のカリウムが含まれる。また、近年、塩分含有水の淡水域への放流に伴う環境影響、例えば農業用水の塩分影響などを回避するため、廃水処理として脱塩が求められるようになってきている。各種事業場廃水やその処理水あるいはその処理汚泥の処分先である廃棄物埋立地の浸出水やその処理水中には海水のように一定の割合ではないがナトリウムとカリウムを含む塩分を含有する。この塩分含有水を各種方法で濃縮して得た濃厚かん水中には、ナトリウムとカリウムが含まれている。これら濃厚かん水中に含まれる塩を電解ソーダ製造用の原料として用いるためには、製品中へのカリウムの混入をさけるためナトリウムとカリウムを分離して食塩の純度を高める必要があった。
従来、かん水からカリウムを分離する方法としては、かん水中に硫酸ナトリウムと硫酸カルシウム二水塩を加えて70℃以上に加熱し、かん水中に存在するカリウムイオンを難溶性の硫酸カルシウムと硫酸カリウムの複塩として沈殿分離する方法が提案されているが、この方法は比較的操作が煩雑で、カリウムの分離効率にも問題がある。そして、このような問題を解決する方法として、特開昭50−83297号公報(特許文献1)には、かん水中にニトリド三硫酸ナトリウムのアルカリ性水溶液を加えてカリウムを難溶性のニトリド三硫酸カリウムとして捕集したのち晶析分離する方法が開示されている。
しかしながら、この方法では、ニトリド三硫酸ナトリウムのアルカリ性水溶液の調整が煩雑であるほか、カリウムを晶析分離する際に0℃付近まで冷却しなければならず、冷却に要する時間やエネルギーを考慮すると、効率のよい方法とはいえなかった。また、かん水中に存在するカリウムに対して正確に1/2相当量のニトリド三硫酸ナトリウムを加える必要があり、ニトリド三硫酸ナトリウムが不足の場合はカリウムの分離が不十分となり、過剰の場合はかん水中の新たな不純物としてニトリド三硫酸ナトリウムが混入することとなる。さらに、分離したニトリド三硫酸ナトリウム二カリウムはそのままでは工業的に利用できず、例えば肥料として利用するためには、水または硫酸水溶液中で150〜180℃に加熱して加水分解し、アンモニアで中和する必要があり、操作が煩雑となる上に、加熱に要する余分な時間やエネルギーが必要になるという問題があった。
また、特公昭52−6716号公報(特許文献2)には、テトラフェニルホウ素系化合物を用いてカリウムを分離する方法が開示されている。しかしながら、この方法は、テトラフェニルホウ素系化合物の合成経路が複雑であって非常に高価であり再利用もできないため、経済的でないという問題があった。また、工程中に用いたアセトンを蒸留により回収しなければならないなど、操作が煩雑になる上に、蒸留に要する余分な時間やエネルギーが必要になるという問題があった。
また、特開平4−197401号公報(特許文献3)には、K型テニオライトの一部をナトリウムで置換したテニオライトを用いてカリウムを分離する方法が開示されている。しかしながら、この方法で使用するK型テニオライトの一部をナトリウムで置換したテニオライトは、NaCl−テトラフェニルホウ素化ナトリウム−EDTA水溶液中で60〜100℃にて3〜20日間水熱反応させて調製する方法であるので、やはり経済的でないという問題があった。
特開昭50−83297号公報 特公昭52−6716号公報 特開平4−197401号公報
本発明の目的は、上記問題を解決することであり、濃厚かん水中からそれに含まれるナトリウムとカリウムを経済的に、かつ簡単な操作で、効率よく分離して高純度の食塩を得ることができ、分離したカリウムを容易に再利用することができる濃厚かん水中のナトリウムとカリウムの分離方法を提供することを目的とする。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、濃厚かん水中へ過塩素酸及び/又は過塩素酸ナトリウム、あるいは濃厚かん水の一部を原料として常法により電解酸化で生成させた過塩素酸塩を添加することで、カリウムを難溶性の過塩素酸カリウム結晶として分離することにより、濃厚かん水中のカリウムとナトリウムを分離できることを見出した。また、過塩素酸カリウム結晶を分離した濃厚かん水中から食塩を晶析分離することにより、ナトリウムとカリウムをさらに分離でき、あわせて晶析分離した食塩と濃厚かん水中の過塩素酸塩も同時に分離できることを見出した。また、食塩を晶析分離した後の濃厚かん水を新たな濃厚かん水へ加えて再利用することにより、添加した過塩素酸ナトリウムをほとんど無駄にすることなくカリウムの分離に利用でき、さらに食塩の回収率を向上できることを見出した。これらに基づき本発明に想到した。
本発明の請求項1記載の濃厚かん水中のナトリウムとカリウムの分離方法は、濃厚かん水へ過塩素酸及び/又は過塩素酸ナトリウムを添加し、カリウムを過塩素酸カリウム結晶として分離することを特徴とする。
本発明の請求項2記載の濃厚かん水中のナトリウムとカリウムの分離方法は、前記請求項1において、前記過塩素酸及び/又は過塩素酸ナトリウムが、濃厚かん水から電解酸化により得たものであることを特徴とする。
本発明の請求項3記載の濃厚かん水中のナトリウムとカリウムの分離方法は、前記請求項1又は2において、過塩素酸カリウム結晶を分離した過塩素酸塩を含む濃厚かん水の温度を50℃以上とし、食塩を晶析して分離することを特徴とする。
本発明の請求項4記載の濃厚かん水中のナトリウムとカリウムの分離方法は、前記請求項3において、食塩を分離した過塩素酸塩を含む濃厚かん水を新たな濃厚かん水へ加えて再利用することを特徴とする。
本発明の請求項1記載の濃厚かん水中のナトリウムとカリウムの分離方法は、濃厚かん水へ過塩素酸及び/又は過塩素酸ナトリウムを添加し、カリウムを過塩素酸カリウム結晶として分離するので、常温で、安価に、かつ簡単な操作で、濃厚かん水中のナトリウムとカリウムを効率よく分離でき、さらに、高純度の食塩を得ることができる。その上、分離した過塩素酸カリウムを化学品原料塩として再利用できる。
本発明の請求項2記載の濃厚かん水中のナトリウムとカリウムの分離方法は、前記請求項1において、前記過塩素酸及び/又は過塩素酸ナトリウムが、濃厚かん水から電解酸化により得たものであるので、過塩素酸及び/又は過塩素酸ナトリウムを薬剤として購入するなどして別に用意する必要がなく、より安価に濃厚かん水中のカリウムを分離することができる。
本発明の請求項3記載の濃厚かん水中のナトリウムとカリウムの分離方法は、前記請求項1又は2において、過塩素酸カリウム結晶を分離した過塩素酸塩を含む濃厚かん水の温度を50℃以上とし、食塩を晶析して分離するので、安価に、かつ簡単な操作で、濃厚かん水中のナトリウムとカリウムを効率よく分離して高純度の食塩を得ることができる。
本発明の請求項4記載の濃厚かん水中のナトリウムとカリウムの分離方法は、前記請求項3において、食塩を分離した過塩素酸塩を含む濃厚かん水を新たな濃厚かん水へ加えて再利用するので、安価に、かつ簡単な操作で、過塩素酸及び/又は過塩素酸ナトリウムを無駄なくナトリウムとカリウムの分離に利用でき、さらに、高純度の食塩を高い回収率で得ることができる。
本発明において、濃厚かん水とは、海水、あるいは製塩の原料にできる、食塩を多量に含んでいる水のことをいう。廃棄物埋立地の浸出水やその処理水、食塩と塩化カリウムを含む各種工業の事業所から発生する廃水やその処理水などを濃縮したものもこれに含まれる。
本発明の濃厚かん水中のナトリウムとカリウムの分離方法の一実施例について添付した図1〜図3を参照しながら説明する。まず、図1に示すように、廃棄物埋立地浸出水などの食塩と塩化カリウムを含む被処理水を濃縮して濃厚かん水を得る。この濃縮法としては、水分の蒸発、電気透析、逆浸透膜法(RO膜法)などがあり、これらを組み合わせて濃縮してもよい。しかし、有機物が含まれる場合に水分の蒸発、逆浸透膜法を単独に用いると、この有機物も濃縮されるので好ましくない。したがって、有機物が含まれる場合は、電気透析を単独で行なうか、電気透析を行った後にその他の濃縮法によって濃縮するのが好ましい。なお、カリウムの分離効率を高めるために、好ましくは、被処理水を食塩が飽和する程度にまで濃縮する。図1に示すように、電気透析などによって濃縮した濃縮液を分割し、一方の濃縮液に、他方の濃縮液をさらにドラムドライヤーなどで乾燥して得た乾燥塩を添加し、攪拌、溶解することによって塩濃度を高め、飽和濃縮液を得るようにしてもよい。
なお、被処理水中にカルシウムやマグネシウムなどを含む場合、電気透析、逆浸透膜法などの膜分離を用いた濃縮を行なう際に膜の目詰まりの原因となり、濃縮率が低下するため、膜分離濃縮に先立って、常法により、例えば炭酸カルシウムなどとして予め除去しておくことが好ましい。また、カリウムを分離した後に高純度の食塩を得るためにも、被処理水中に含まれるカルシウムやマグネシウムなどを常法により予め除去しておくのが好ましい。
つぎに、好ましくは濾過により界面活性剤等の固体有機物を除去した後、濃厚かん水へ過塩素酸及び/又は過塩素酸ナトリウムを添加する。この過塩素酸及び/又は過塩素酸ナトリウムは水和物の固体であっても水溶液であってもよいが、水溶液の場合は濃度が高いほどよい。あるいは、図1中の点線で示すように、過塩素酸及び/又は過塩素酸ナトリウムの薬剤添加に替えて、濃厚かん水の一部を原料として常法により電解酸化で生成させた過塩素酸塩を残りの濃厚かん水中へ添加する。この過塩素酸塩も濃度が高いほどよい。過塩素酸及び/又は過塩素酸ナトリウムの量は、濃厚かん水に含まれるカリウムに対して1当量以上、1.5当量未満の範囲とするのが好ましい。過塩素酸及び/又は過塩素酸ナトリウムがカリウムに対して1当量未満であると、濃厚かん水中のカリウムを完全に分離できないので好ましくない。また、カリウムに対して過塩素酸及び/又は過塩素酸ナトリウムが1.5当量以上であると、過塩素酸カリウムを分離回収したあとの濃厚かん水中に多量の過塩素酸イオンが残留するため、高純度の食塩を得るために好ましくなく、また経済的にも好ましくない。
過塩素酸及び/又は過塩素酸ナトリウムを添加して攪拌すると、濃厚かん水中のカリウムが過塩素酸カリウム結晶となって沈殿する。そして、この過塩素酸カリウム結晶を濾過して残渣として分離する。ここで分離された過塩素酸カリウムは水で洗浄した後、図3に示すように化学品原料塩として使用可能となる。また、場合によっては、水で洗浄しなくとも化学品原料塩として使用可能となる。
つぎに、図2に示すように、過塩素酸カリウム結晶を分離した濾液を攪拌しながら加熱して濃縮すると食塩が晶析し、スラリーが得られる。このときの過塩素酸カリウム結晶を分離した濾液の濃縮率は、高いほど食塩の回収率が向上するが、濃縮率が高すぎると回収した食塩中に過塩素酸塩が不純物として混入しやすくなるため、容積で1/2から1/3程度の範囲で濃縮するのが好ましい。そして、これを50℃以上の温度を保ったまま濾過する。この濾過時に50℃以上とすることにより、効果的に不純物が濾液とともに除去される。こうして濾別された食塩は、このままでも純度が高いが、少量の水または食塩水で洗浄することでさらに純度の高いものが得られる。この食塩は、電解工業原料塩として使用できる。
また、晶析した食塩を濾別した濾液を新たな濃厚かん水へ加えて再利用することで、食塩の回収率を向上させるとともに、添加した過塩素酸及び/又は過塩素酸ナトリウムをカリウムの分離のために無駄なく利用して新たに添加しなければならない過塩素酸及び/又は過塩素酸ナトリウムの量を減らすことができ、カリウムを効率よく分離することができる。
上述したように、本発明の濃厚かん水中のナトリウムとカリウムの分離方法は、濃厚かん水へ過塩素酸及び/又は過塩素酸ナトリウムを添加し、カリウムを過塩素酸カリウム結晶として分離するので、常温で、安価に、かつ簡単な操作で、濃厚かん水中のカリウムを効率よく分離でき、その上、分離した過塩素酸カリウムを化学品原料塩として再利用できる。
また、前記過塩素酸及び/又は過塩素酸ナトリウムが、濃厚かん水から電解酸化により得たものである場合は、過塩素酸及び/又は過塩素酸ナトリウムを薬剤として購入するなどして別に用意する必要がないので、より安価に濃厚かん水中のカリウムを分離することができる。
また、過塩素酸カリウム結晶を分離した過塩素酸塩を含む濃厚かん水の温度を50℃以上とし、食塩を晶析して分離するので、高純度の食塩を得ることができる。
また、食塩を分離した過塩素酸塩を含む濃厚かん水を新たな濃厚かん水へ加えて再利用するので、カリウムを分離するために加えた前記過塩素酸及び/又は過塩素酸ナトリウムを効率よく利用でき、食塩の回収率を向上させることができる。
以上、本発明の濃厚かん水中のナトリウムとカリウムの分離方法について説明してきたがこれに限られず、本発明の思想を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
以下、具体的な実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
廃棄物埋立地浸出水の処理水を常法によりカルシウムとマグネシウムを除去した後、電気透析により濃縮して得た濃縮液と、この濃縮液をさらにドラムドライヤーで乾燥して得た乾燥塩を原料として用いて濃厚かん水を調製し、ナトリウムとカリウムの分離実験を行なった。使用した濃縮液と乾燥塩の主成分の分析結果を、表1,表2に示す。なお、実験に用いた濃縮液と乾燥塩は採取日が異なっており、そのため、分析結果欄のナトリウムとカリウムの比(Na/K)が若干異なっている。また、水への溶解操作時の目視観察結果から、主に界面活性剤であると思われるTOC成分を含んでいた。
Figure 0004129799
Figure 0004129799
[実施例1]
上記濃縮液1リットルに、上記乾燥塩320グラムを加え、攪拌して溶解した。そして、界面活性剤と思われるTOC成分を除去するため、No.5C濾紙を用いて自然濾過し、この濾液を濃厚かん水とした。つぎに、過塩素酸ナトリウムの水和物を、カリウムに対して1.5当量加えて攪拌すると、過塩素酸カリウムの沈殿が生じた。その後、吸引濾過して沈殿物を除去した。なお、この一連の操作は室温で行なった。このときの濾液中のナトリウムとカリウムの分析結果を表3に示す。この濾液中のカリウムに対するナトリウムの重量比は100となっており、表1,表2に示す濃縮液と乾燥塩中ではそれぞれ4.4,5.6であったのと比較すると、効果的にカリウムが分離されたことが確認された。
[実施例2]
実施例1の過塩素酸ナトリウムの水和物をカリウムに対して1.5当量加える工程を、実施例1で作成した濃厚かん水から常法により電解酸化で生成させた過塩素酸塩水溶液をカリウムに対して1.5当量加える工程に変更した以外は、実施例と全く同様に操作した。このときの濾液中のカリウムに対するナトリウムの重量比は表3に示すとおり81であった。
[実施例3]
過塩素酸ナトリウムの水和物を、カリウムに対して約1.0当量加えたほかは上記実施例1と全く同様に操作した。このときの濾液中のカリウムに対するナトリウムの重量比は表3に示すとおり45であった。
[実施例4]
過塩素酸ナトリウムの水和物を、カリウムに対して約0.8当量加えたほかは上記実施例1と全く同様に操作した。このときの濾液中のカリウムに対するナトリウムの重量比は表3に示すとおり28であった。
Figure 0004129799
[実施例5]
実施例1で得た濾液を、ホットスターラーを用いて加熱しながら攪拌し、略2倍に濃縮すると、食塩の結晶が析出したスラリーが得られた。このスラリーを50℃以上に保ったまま吸引濾過して濾液と食塩を分離した。このときの濾液中のカリウムに対するナトリウムの重量比は表4に示すとおり48であった。また、このときの食塩のカリウムに対するナトリウムの重量比は表5に示すとおり400であった。さらに、この食塩を少量の食塩水で洗浄したところ、表5に示すとおりカリウムに対するナトリウムの重量比は1700に達し、電解工業原料塩として使用可能な高純度の食塩が得られることが確認された。
[実施例6]
実施例1で得た濾液を、略2.5倍に濃縮したほかは上記実施例5と全く同様に操作した。このときの濾液中のカリウムに対するナトリウムの重量比は表4に示すとおり38であった。また、このときの食塩のカリウムに対するナトリウムの重量比は表5に示すとおり220であった。さらに、この食塩を少量の食塩水で洗浄したところ、表5に示すとおりカリウムに対するナトリウムの重量比は1400に達し、実施例5と同様に電解工業原料塩として使用可能な高純度の食塩が得られることが確認された。
Figure 0004129799
Figure 0004129799
[実施例7]
実施例5で食塩を分離して得た濾液と、食塩を洗浄した洗浄水の全量を、実施例1と同様の操作で得た濃厚かん水へ返送して加えた。つぎに、過塩素酸ナトリウムの水和物を、カリウムに対して約1.0当量加えたほかは、実施例1と全く同様に操作した。このときの濾液中のカリウムに対するナトリウムの重量比は表6に示すとおり100であった。濾液を新たな初期濃厚かん水に戻すことにより、加えた過塩素酸ナトリウムを無駄なく利用でき、さらに、カリウムに対して過塩素酸ナトリウムを当量加えるだけで実施例1と略同等の結果が得られることが確認された。
Figure 0004129799
[実施例8]
実施例7で得た濾液を、ホットスターラーを用いて加熱しながら攪拌して略2倍に濃縮すると、食塩の結晶が析出したスラリーが得られた。このスラリーを50℃以上に保ったまま吸引濾過して濾液と食塩を分離し、さらに、この食塩を少量の食塩水で洗浄した。表7に示すとおりカリウムに対するナトリウムの重量比は1500であり、濾液を返送した場合においても、高純度の食塩が得られることが確認された。
Figure 0004129799
[実施例9]
実施例5で得られた精製食塩と、各実施例の原料として用いた乾燥塩の組成を、蛍光X線法で分析した結果を表8に示す。本発明による方法によれば、カリウムを非常に効果的に分離できることが確認された。
Figure 0004129799
本発明のかん水中のカリウムの分離方法の一実施例を示すフローチャートである。図中の点線は、かん水の飽和濃縮液を原料として電解酸化で生成させた過塩素酸塩を添加する場合を示す。 本発明のかん水中のカリウムの分離方法の一実施例を示すフローチャートである。 本発明のかん水中のカリウムの分離方法の一実施例を示すフローチャートである。

Claims (4)

  1. 濃厚かん水へ過塩素酸及び/又は過塩素酸ナトリウムを添加し、カリウムを過塩素酸カリウム結晶として分離することを特徴とする濃厚かん水中のナトリウムとカリウムの分離方法。
  2. 前記過塩素酸及び/又は過塩素酸ナトリウムが、濃厚かん水から電解酸化により得たものであることを特徴とする請求項1記載の濃厚かん水中のナトリウムとカリウムの分離方法。
  3. 過塩素酸カリウム結晶を分離した過塩素酸塩を含む濃厚かん水の温度を50℃以上とし、食塩を晶析して分離することを特徴とする請求項1又は2記載の濃厚かん水中のナトリウムとカリウムの分離方法。
  4. 食塩を分離した過塩素酸塩を含む濃厚かん水を新たな濃厚かん水へ加えて再利用することを特徴とする請求項3記載の濃厚かん水中のナトリウムとカリウムの分離方法。
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