JP2008055570A - 複合金属ナノ粒子、複合金属ナノ粒子を含む多光子吸収反応材料と反応生成物、複合金属ナノ粒子を含む多光子吸収反応助剤 - Google Patents

複合金属ナノ粒子、複合金属ナノ粒子を含む多光子吸収反応材料と反応生成物、複合金属ナノ粒子を含む多光子吸収反応助剤 Download PDF

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Abstract

【課題】物質内部における三次元の任意の位置で反応を起こす光反応の増強・増感場を形成する波長特性可変な複合金属ナノ粒子と、それを用いた高感度な多光子吸収反応材料および多光子吸収反応助剤を提供し、超高密度、超精密製品用途への適用を可能とする。
【解決手段】縦横方向の長さが異なる形状異方性を有するコア粒子(例えば、金ナノロッド)表面に、光照射によりプラズモン増強場を発現する金属微小構造体(例えば、銀)を島状に離間して設けた複合金属ナノ粒子と、多光子吸収材料(例えば、ジアリールエテン、アクリレート系やエポキシ系の光硬化性樹脂等)を混合して用い、三次元光記録媒体、三次元光造形用材料、蛍光顕微鏡などに適用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属の表面プラズモン増強場を利用した多光子吸収反応により、高感度で反応を引き起こす波長特性可変な材料に関し、詳しくは、プラズモン増強場を発生する金属微小構造体が被着されてなる複合金属ナノ粒子、複合金属ナノ粒子と多光子吸収材料を含む多光子吸収反応材料および多光子吸収反応生成物、ならびに複合金属ナノ粒子と多光子吸収反応促進剤を含む多光子吸収反応助剤に関する。
多光子吸収過程の一つである2光子吸収反応を用いると、2光子吸収反応の特徴である励起光強度の2乗に比例した吸収により反応が引き起こされるため、集光光を用いることにより、集光点でのみ反応を起こすことが可能であることが知られている。
すなわち、物質内部の、任意の所望の位置でのみ反応を起こすことが可能であり、更には、集光スポット中心部の光強度の高い部分でのみ光反応を起こすことが可能であるため、回折限界を超える加工記録への期待が高まっている。
しかしながら、2光子吸収反応に代表される多光子吸収反応の吸収断面積は極めて小さく、フェムト秒レーザー等のピーク出力の著しく高い、高価かつ大型のパルスレーザー光源での励起を行うことが必須の条件とされるという問題を有している。
このような問題を有していることから、多光子吸収反応の優れた特徴を活かしたアプリケーションの普及を図るためには、前記大型のパルスレーザーを必要としない、例えば半導体レーザーにより反応を誘起することが可能な高感度な多光子吸収材料の開発が不可欠であると言える。
一方、光反応を増強・増感する手法として、金属表面に励起される表面プラズモン増強場を用いる方法が知られている。例えば、表面プラズモン顕微鏡を適用する場合、高屈折率媒体上に成膜された金属薄膜上に配置された極薄い膜(表面プラズモン増強場は、表面から約数百nm以下の限られた領域にのみ発生する)を試料として用いる技術についての提案がなされている(例えば、特許文献1参照。)。
上記提案は、微量の試料を高感度に検出する表面プラズモン顕微鏡の例であり、表面プラズモン増強場は、上記のように高屈折率媒体上に成膜された金属薄膜上の表面からたかだか数百nm以下の限られた領域にのみ発生する。この金属薄膜表面に極薄い膜試料を配置することで、表面プラズモン増強場により照射された励起光よりも強い光が当ったのと同様の効果が得られ、光反応、蛍光の増強が得られることが記載されている。
金属薄膜の作る増強場は、光の波長程度の空間的広がりを持っており、後述する微粒子による局在プラズモン増強場に比べると1桁近く大きく、光反応の大きな増感効果が期待される。しかし、現実には、高感度な検出は可能であるが、励起光とのカップリングの制約があるために、前記のような特殊な光学配置を必須としている。すなわち、増感効果が得られるエリアは、金属薄膜に沿ったエリアで、かつ、励起光で照明可能範囲(金属薄膜を担持する光屈折率媒体の配置と形状に依存)に限られているため、応用は微量の試料を用いた高感度検出法の分野に限られている。代表的なプラズモン増強効果をもつ金属薄膜材料として銀が用いられている。
また、金属微粒子により励起される表面プラズモン増強場を用いる測定方法についての技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
この技術における金属微粒子表面に励起されるプラズモンは、上記特許文献1に開示されている技術よりも更に広がりが小さい局在プラズモン増強場であり、その広がりは金属微粒子の周囲100nm以下の領域に限定される。そのため、(a)粒子表面に吸着した試料を高感度に観測可能な微小プローブとして用いるか、若しくは、(b)局在プラズモン増強場が微小な領域に閉じ込められた伝播しない光であることを利用して、金属微粒子を試料近傍で移動することにより、得られる信号と位置との関係から観察像を得る微小プローブ顕微鏡として用いられている。
前者(a)の場合には、ガラス表面等に付着若しくは配列した金属微粒子表面に存在する試料からの蛍光等を、金属微粒子表面の局在プラズモン増強場により増強、観察している。後者(b)の場合は、光の放射圧により微粒子を保持する光ピンセットの原理で微粒子を試料表面でスキャンする等の方法が用いられているが、何れも薄膜表面の分析技術と位置付けられている。また、観察に用いる波長を選択するために、球形コアセル構造による共鳴波長のチューニングが開示されているが、コアとセルの寸法比で共鳴波長が決まるため、共鳴波長の揃った粒子を再現性良く得ることは難しい。
さらには、複数の微粒子間の局在プラズモン増強場を結びつけることで増強効果をより顕著にする目的から、凝集ナノ粒子を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。すなわち、マイクロキャビティー中に凝集ナノ粒子を配置することで、多光子課程を含む高感度観測を行っている。
しかし、凝集粒子の凝集塊形状を制御することは難しく、凝集塊の散乱の影響が顕著であることから、マイクロキャビティー中など、微小領域での利用に限られている。
一方、近年においては、上述したような金属微粒子に代わる表面ブラズモン増強場の発生手段として、金ナノロッドを利用する技術についての研究がなされている。金ナノロッドは、アスペクト比を変えることにより、共鳴波長を変えられるという特性を有しており、540nm程度から近赤外(1100nm程度)までをカバーすることのできる材料である。金ナノロッドに関連した金属ナノロッド製造方法の一例として、界面活性剤を含む溶液中での電気化学的反応によって製造する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。この製造方法によって再現性良く、共鳴波長の揃った粒子が得られるとされている。
しかし、共鳴波長が球状金微粒子の540nm近傍に相当する低アスペクト比の金ナノロッドでは、球形粒子並みの増強度しか得られないという問題がある。さらには、金以外の金属で、このような共鳴波長の揃った微細な高アスペクト比の粒子が得られておらず、420〜500nmにおいて利用可能な大きな増強効果を示す局在プラズモン増強場発生源は未だ知られていない。
このような、プラズモン増強場を持つ複合金属ナノ粒子を含む多光子吸収材料あるいは反応助剤を含む材料が、安定な分散溶液および塗布あるいはキャスティング可能な混合物として提供されることにより、これを用いて造形する際の多光子吸収反応の反応閾値が下がると共に、集光点でのみ反応を起こすことが可能であるため、これまでに無い様々な応用が可能となるため注目されてきた。三次元光記録媒体、光造形用材料、蛍光顕微鏡などへの応用などが具体的に注目されている。
例えば、2光子吸収材料を用いた3次元光記録媒体とし、記録再生に蛍光性物質を用いて蛍光で読み取る方法(例えば、特許文献5、6参照。)、あるいは、フォトクロミック化合物を用いて吸収または蛍光で読み取る方法(例えば、特許文献7、8参照。)等が提案されている。
しかし、上記特許文献5、6、および、特許文献7、8においていずれも具体的な2光子吸収材料としての提示はなく、また、記載されている化合物も、仮に2光子吸収効率の観点から見たとしても極めて小さい化合物である。
さらに、特許文献7、8に用いているフォトクロミック化合物は可逆材料であるため、非破壊読み出し、記録の長期保存性、再生のS/N比等に問題があり、光記録媒体として実用性のある方式であるとは言えない。
特に非破壊読出し、記録の長期保存性等の点では、不可逆材料を用いて反射率(屈折率または吸収率)または発光強度の変化で再生するのが好ましいが、このような機能を有する2光子吸収材料を具体的に開示している例は無かった。
また、屈折率変調により三次元的に記録する記録装置、および再生装置、読み出し方法等が提案されている(例えば、特許文献9、10参照。)。しかし、これらの提案では2光子吸収三次元光記録材料を用いた方法についての記載は無い。
また、別の応用例として、光造形用材料が挙げられる。このような光造形用材料に関するものとして、例えば、感光性機能を有する高分子膜の表面にパルスレーザー光をマスクを介さずに干渉露光させて釣鐘型凸状構造部を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献11参照。)。
上記提案では、本発明の目的とする光造形用材料、すなわち、局在プラズモン増強場を利用して多光子吸収反応を行う光造形用材料に関して記載されていない。
さらに別の応用例として、例えば、蛍光顕微鏡への応用が挙げられる。
走査型光学顕微鏡に関するものとしては、例えば、照明光の利用効率を向上させたまま、集光素子のNAの拡大、視野数の拡大を可能とする構成の顕微鏡が提案されている(例えば、特許文献12参照。)。
上記提案では、本発明の目的とする局在プラズモン増強場を利用して多光子吸収を行う蛍光顕微鏡に関して記載されていない。
特開2004−156911号公報 特表2001−513198号公報 特表2004−530867号公報 特開2005−068447号公報 特表2001−524245号公報 特表2000−512061号公報 特表2001−522119号公報 特表2001−508221号公報 特開平6−28672号公報 特開平6−118306号公報 特開2005−134873号公報 特開平9−230246号公報
上記のように、従来の多光子反応過程を利用する応用製品においては、三次元物質内部での反応に対して高出力が要求されるため、用いられるレーザー照射装置が大形で、価格の高い特殊なもの(例えば、フェムト秒レーザー)が必要とされ、実用性が制限されている。
この問題を解決すべく本発明者らは検討を進めた結果、縦横方向の長さが異なる形状異方性を有するコア粒子(例えば、棒状のコア粒子)の表面に、レーザー光の照射によってプラズモン増強場の発現が可能な金属皮膜をコア粒子表面全体に被覆した複合金属ナノ粒子を用いることにより、上記課題が解決されることを見出した。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、大形で高価なレーザー照射光源を要することなく、光照射による多光子吸収反応の増感を可能とする波長特性可変(近赤外から青色領域までをカバーする波長領域で表面プラズモン増強場を発現)で、効率的励起源として用いることができる複合金属ナノ粒子を提供すると共に、複合金属ナノ粒子と多光子吸収材料を含む高感度な多光子吸収反応材料、複合金属ナノ粒子と多光子吸収反応促進剤を含む高感度の多光子吸収反応助剤を提供することを目的とする。またこれら材料を用いることによって発揮される超高密度、超精密、高分解等の特徴を利用した各種応用分野(三次元光記録媒体、光造形用材料、蛍光顕微鏡など)への適用を可能とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下の(1)〜(10)に記載する発明によって上記課題が解決されることを見出し本発明に至った。以下、本発明について具体的に説明する。
(1):縦横方向の長さが異なる形状異方性を有するコア粒子の表面に、光照射により局在プラズモン増強場を発現する金属微小構造体を島状に離間して設けてなることを特徴とする複合金属ナノ粒子である。
形状異方性を有するコア粒子を用いることで再現性良く、所望のアスペクト比(縦横長さの比)のナノ粒子をコアとすることができ、このコア粒子形状と、金属微小構造体の金属の種類、および島状に設けられた近接して存在する金属微小構造体同士の相互作用等を利用することにより、近赤外から青色領域に到る波長領域で表面プラズモン増強場を発現する効率的励起源として用いることができる複合金属ナノ粒子を提供することができる。この複合金属ナノ粒子により、幅広い波長域において利用可能であると共に、これまでに無い増強効果の高い近接場発生源が得られる。また、増強効果を発生させる金属微小構造体が島状に設けられ、いわゆる極微粒子の集合体から構成されるため、複合金属ナノ粒子自体の大きさにおける設定の自由度が広がる。自由度が広がることによって製造マージンも広がり、低コスト化が可能となる。
(2):前記縦横方向の長さが異なる形状異方性を有するコア粒子が、金ナノロッドであることを特徴とする(1)に記載の複合金属ナノ粒子である。
金ナノロッドは、幅広くアスペクト比の選択が可能で、所望の縦横長さ、すなわち短径と長径の異なる形状異方性を有するコア粒子として得られるので、その表面に設ける金属微小構造体(以降、「極微粒子」と表現することがある。)の選択により、少なくとも青色領域までを増強可能な複合ナノ粒子が得られ、これまでに無い効率的な光反応課程を実現し、高密度、高精細な応用分野への利用を可能にすることができる。
(3):前記縦横方向の長さが異なる形状異方性を有するコア粒子の表面と、光照射によりプラズモン増強場を発現する金属微小構造体との間に接合界面を隔離する緩衝層を設けることを特徴とする(1)または(2)に記載の複合金属ナノ粒子である。
コア粒子の表面と金属微小構造体(極微粒子)との間に、後述するような酸化物や窒化物の緩衝層を設けることによって、複合金属ナノ粒子の構造、アスペクト比等の形状の経時変化が抑制されると共に、高エネルギーのレーザー光下での反応においてもより安定な動作が可能となる。このため、より幅広い反応条件で効率的な光反応過程を実現することができ、より幅広い反応条件・各種応用製品に対して利用することが可能となる。
(4):前記光照射により局在プラズモン増強場を発現する金属微小構造体が、複数の層で構成されていることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の複合金属ナノ粒子である。
複合金属ナノ粒子の周囲に発生する局在プラズモン増強場は、各金属微小構造体(極微粒子)の発生する局在プラズモン増強場を重ね合わせたものとなる。この効果は、例えば、粒子ごとのカップッリング効率を高める目的で複数層の共鳴波長を同一として、より大きな増強効果を得ることも可能であるし、多段階の光反応を効率良く進行させるために複数の共鳴波長を持つ粒子として設計することも可能となる。従って、より幅広い反応条件で効率的な光反応過程を実現することができ、各種仕様に対応できるため、各種応用製品に利用することが可能となる。
(5):(1)〜(4)のいずれかに記載の複合金属ナノ粒子と多光子吸収材料を含んでなることを特徴とする多光子吸収反応材料である。
(6):前記多光子吸収材料が、2光子吸収材料であることを特徴とする(5)に記載の多光子吸収反応材料である。
(7):前記多光子吸収材料が、多光子吸収色素であることを特徴とする請求項5または6に記載の多光子吸収反応材料である。
(5)〜(7)の多光子吸収反応材料によれば、近赤外から青色領域に対応できる局在プラズモン増強場発生源、すなわち、効率的励起源である複合金属ナノ粒子と、多光子吸収材料(例えば、ジアリールエテンや、光硬化性樹脂等)を含有し、物質内部における三次元の任意の位置で高密度、高精細な反応を引き起こすことができる。複合金属ナノ粒子の大きな増強効果によって反応の閾値は下がり、従来必要であったフェムト秒レーザーのような高価な光源が不要となり、反応に使用する装置等の大幅なコスト低減が可能となる。
従って、本発明の多光子吸収反応材料を用いれば、三次元メモリー、三次元造形等様々な多光子反応過程を利用した応用製品が実現可能となる。
(8):(5)〜(7)のいずれかに記載の多光子吸収反応材料から得られることを特徴とする多光子吸収反応生成物である。
多光子吸収反応材料を用いて多光子吸収反応生成物とすれば、例えば、三次元記録媒体として用いた場合には超高密度光記録(テラバイト級)を実現可能とし、光造形材料として用いた場合には超精密三次元造形物の形成を可能とする。
さらに、多光子吸収材料として2光子吸収蛍光材料を用いて2光子蛍光顕微鏡に用いれば、被試験体の劣化や、悪影響をもたらすことなく高感度で観察することが可能である。
(9):(1)〜(4)のいずれかに記載の複合金属ナノ粒子と多光子吸収反応促進剤を含んでなることを特徴とする多光子吸収反応助剤である。
(10):前記多光子吸収反応促進剤が2光子吸収反応促進剤であることを特徴とする請求項9に記載の多光子吸収反応助剤である。
(9)、(10)の多光子吸収反応助剤によれば、近赤外から青色領域に対応できる局在プラズモン増強場発生源としての複合金属ナノ粒子と、多光子(2光子)吸収反応促進剤(例えば、重合開始剤や光増感剤等)を含有することにより、従来の多光子光子吸収反応物または反応助剤を用いた場合に比較して高感度な反応が可能となる。当然、物質内部における三次元の任意の位置で高密度、高精細な反応を引き起こすことができる。したがって、本発明の多光子吸収反応材料を用いれば、三次元造形等の様々な多光子反応過程を利用した応用製品が実現可能となる。また、多光子吸収反応助剤を用いることで反応の閾値が下がり、従来必要であったフェムト秒レーザーのような高価な光源が不要となって、応用製品に使用する装置等の大幅なコスト低減が可能となる。
本発明の複合金属ナノ粒子によれば、近赤外から青色領域の幅広い波長域において反応の効率的な励起源として適用でき、物質内部における三次元空間の任意の位置で局在プラズモン増強場発生源として利用可能であるため、大型のパルスレーザーを必要とせずに集光スポット中心部でのみ光反応を起すことができる。
また、本発明の多光子吸収反応材料、多光子吸収反応生成物、および多光子吸収反応助剤によれば、物質内部の三次元の任意位置で高密度、高精細な反応を惹起できるため、例えば、超高密度光記録や、超精密三次元造形物など回折限界を超える加工・記録が実現可能となる。さらに多光子吸収材料を蛍光顕微鏡に用いれば、高感度で観察することが可能である。
前述のように本発明における複合金属ナノ粒子は、縦横方向の長さが異なる形状異方性を有するコア粒子の表面に、光照射により局在プラズモン増強場を発現する金属微小構造体を島状に離間して設けてなることを特徴とするものである。
すなわち、本発明の複合金属ナノ粒子の周りには、粒子の極近傍に局在した局在プラズモン増強場が発生する。その局在プラズモン増強場の増強度は、粒子の形状と金属の種類に加え、周囲に近接して存在する他の金属ナノ粒子との相互作用により決定される。
先ず、粒子形状と金属種の効果について説明する。増強効果の大きなナノ粒子として知られているものに、棒状の微粒子がある。棒状の金属微粒子の最も大きな増強度を示す波長は金属種とアスペクト比により決まる共鳴波長である。
即ち、球状の微粒子に始まって、粒子のアスペクト比が大きいほど長波長側に共鳴波長はシフトすると共に、球状の微粒子に比較し大きな増強度を示す。従って、所望の波長において高い増強効果を示す金属微粒子を得るには、材料金属とアスペクト比の選択が重要である。
本発明者らは、局在プラズモン増強場を発生させる表面若しくは表面近傍を構成する材料とアスペクト比を決定するコア材料にそれぞれ最適な材料を選択し、コア材料の表面全体を、局在プラズモン増強場を発生する金属で被覆する複合ナノ粒子とすることにより、所望の波長で大きな増強効果を持つことを見出した。前記複合ナノ粒子は、粒子の長手方向のサイズが励起光波長の1/2以下においては勿論のこと、1/2以上においても大きな局在プラズモンの増強効果が得られる。
次に、コア粒子の表面に島状に離間して設けられた近接する金属微小構造体(極微粒子)間におけるプラズモンの相互作用について説明する。
極微粒子表面に発生する局在プラズモン増強場に重なりが生じない程度にはなれた孤立した極微粒子を、近接させていくと相互にエネルギーの授受が可能になると共に、局在プラズモン増強場に偏りを生じ、孤立した局在プラズモン増強場に比較し、さらに増強度の高い部位が生じる。また、このように、互いにエネルギーの授受が可能な程度に近接した微細な局在プラズモン増強場が多数集まることによって構成される局在プラズモン増強場全体は、局在プラズモンを励起する波長程度の大きさを持つと、孤立した局在プラズモン増強場とは異なって、励起光の位相を感受することが可能となる。このような、微細な局在プラズモン増強場の近接した集合は、薄膜上に生じる表面プラズモン増強場の広がりと同様に、波長程度に広がる。
従って、複合金属ナノ粒子の粒子径が小さな領域では、表面を構成する島状の金属微小構造体(極微粒子)間の相互作用による局在プラズモン増強場の強い増強効果が発現して、前述のコア材料の表面全体を局在プラズモン増強場を発生する金属で被覆した複合金属ナノ粒子に比べて、より大きな増強効果が発揮される。
また、複合金属ナノ粒子の粒子径が大きくなるに従い、金属微小構造体(極微粒子)の励起光とのカップリングの容易さは維持されたままで、複合ナノ粒子全体が位相を感受することができ、薄膜に近い性質、すなわち、波長程度(通常の局在プラズモン増強場に比較し5〜10倍程度)の広がりを持った局在プラズモン増強場が得られる。
従って、前記複合ナノ粒子の大きな局在プラズモン増強場を利用すれば、増強効果を得るために必要な分散濃度は小さくて済み、散乱の効果が抑制され、効率的な局在プラズモン増強場による増強効果が発揮される。
前記いずれの大きさを持った複合金属ナノ粒子の場合でも、その局在プラズモン増強場の増強効果は2光子吸収反応の高感度化に寄与することができる。
また、本発明においては、比較的容易に所望のアスペクト比を選択的に得ることが可能な(縦横方向の長さが異なる形状異方性を有する)コア粒子を用い、このコア粒子を結晶成長の核として結晶成長を行い、金属微小構造体(極微粒子)を島状に形成して再現性良く幅広い金属の高アスペクト比の複合金属ナノ粒子を得ることができる。なお、吸収波長のチューニングは、被着金属微小構造体の種類、被着金属微小構造体の持つ構造(分断された島状構造における個々の部位(極微粒子)の大きさなど)と粒子外形の比を変えることにより行うことができる。
ここで、分断された島状の構造を得るためには、例えば、前述のコア材料の表面全体を金属で被覆して膜状の堆積物を得る工程において、初期の島状構造が形成された段階で止める方法を利用することも可能である。
金属微小構造体の外形寸法は、基本共鳴波長を決めるファクターであるため、形状の安定性は重要であることから、形状制御は特に重要である。
さらに、本発明では、極微粒子をコア粒子の表面に島状に離間して設けた、いわゆる分断された金属微小構造体とすることにより、近接場光学的には複数の局在プラズモン増強場が近接されて配置された構成と等価な効果が得られる。これにより、前述のコア材料の表面全体を一様に金属で被覆したコアセル構造の複合金属ナノ粒子に比較して、さらに大きな増強効果が得られる。
金属構造体を構成する個々の金属微小構造体の形状としては、エネルギーの授受が可能な程度に近接してコア粒子上に島状に離間して配置されていれば、特に制約は無く、球状および異方性を持った粒子、ひび割れた膜状など様々な形態が利用可能である。
上記複合金属ナノ粒子において、前記短径と長径の異なる形状異方性を有するコア粒子が、金ナノロッドであることが好ましい。
特に、結晶成長核として、容易に高アスペクト比のナノ粒子が得られる金ナノロッドを用いることにより、島状に離間して設けた金属微小構造体(極微粒子)を再現性良く幅広い金属で作成可能となり、高アスペクト比ナノロッドを得ることができる。
金属種の選択を変えることにより、局在プラズモン共鳴波長の最短波長を変えることができ、アスペクト比や、局在プラズモン増強場を発生する金属微小構造体の構造等の選択により、幅広い波長領域で局在プラズモン増強場による光の増強効果が発現し、利用可能となる。
また、前記複合金属ナノ粒子において、縦横方向の長さが異なる形状異方性を有するコア粒子の表面と、光照射により局在プラズモン増強場を発現する金属微小構造体との間に接合界面を隔離する緩衝層を設けることが好ましい。
異種金属が直接接している場合には、表面エネルギー状態の大きなナノ粒子を構成する界面であるので、相互拡散等のメカニズムにより、界面のプロファイルが崩れ、結果として、コア粒子の表面に被着した金属微小構造体に固有の局在プラズモン共鳴波長からのズレが生じる。レーザー光を用いた実使用条件では、この過程は加速される。そこで、異種金属界面を隔離する緩衝層を設けることにより、金属微小構造体に固有の局在プラズモン共鳴波長を安定して得ることができる。さらには、金属微小構造体を構成する局在プラズモン増強場を発生させる金属部位を適宜、緩衝層に埋め込むことも可能である。
緩衝層の材料には、酸化物、窒化物等を用いることが可能で、特に共有結合性の強い材料を用いることにより、拡散や温度上昇に伴う固相反応による物質移動が抑制されるため、所望のアスペクト比をレーザー光の照射下においてより安定に保つ構成も可能となる。
さらに、前記複合金属ナノ粒子において、光照射により局在プラズモン増強場を発現する金属微小構造体が、複数の層よりなることが好ましい。
ここで述べる複数の金属微小構造体とは、形状異方性を有するコア粒子の表面に、異種材料を挟んで、金属微小構造体を複数回作成する工程を行い積層した物を指す。
異種材料の組み合わせた金属微小構造体の一例を以下に示す。
例えば、コア粒子上に先ず、銀よりなる島状の極微粒子からなる金属構造体を堆積し、次に、緩衝層としてSiO2層を形成して隔て、さらに島状の銀よりなる金属微小構造体を形成して構成した場合などが挙げられる。
ここで、緩衝層としては、コア粒子表面上で完全な膜状の構造をとる必要はなく、金属微小構造体を構成する金属と同様に、島状や球状であることも可能であり、複数の層を実質分離していればよい。実質分離しているとは、拡散等の固相反応により金属微小構造体を構成する島状、球状等の形状をとる各部位が少なくとも金属微小構造体を超えて融着あるいは粒子成長することを抑制する効果があることを指す。
上記複数の金属微小構造体においては、各構造を構成する金属、あるいは各層を構成する分断された各部位の大きさを同一としても、適宜各条件を変えてもよい。各構造を同一とした場合は、吸収波長は同一となり、複合金属ナノ粒子一粒あたりの吸収量は、構造ごとの吸収量の和となる。また、周囲にできる増強場も両者の増強場を重ね合わせた強度となる。すなわち、散乱体としての性質はほぼそのままで、増強場の発生源としての性質のみが増強される。また、適宜、金属種、あるいは分断された各部位の大きさの少なくとも1つを変えることで、各構造の吸収波長を所望の波長にずらしてもよい。各構造の吸収波長をずらした場合には、例えば、光反応に寄与する複数の化学種に対応する複数の波長の光に対し、一つの粒子で増強効果を発揮可能な粒子となる。
前述のように本発明における多光子吸収反応材料は、複合金属ナノ粒子と多光子吸収材料を含んでなることを特徴とするものである。
このような、局在プラズモン増強場を持つ複合金属ナノ粒子を含む多光子吸収材料は、従来の多光子光子吸収反応物を用いた場合に比較して高感度な反応が可能であり、塗布あるいはキャスティング等の可能な安定した分散溶液や混合物とすることができるため、三次元造形、三次元メモリー等様々な多光子反応過程を応用した製品への利用が可能である。
例えば、局在プラズモン増強場発生源としての複合金属ナノ粒子と、ジアリールエテンや、アクリレート系やエポキシ系の光硬化性樹脂(多光子吸収材料)等、多光子吸収色素や多光子吸収材料を組み合せた多光子吸収反応材料は、三次元物質内部の任意の位置で高密度、高精細な反応を引き起こすことができる。また、反応の閾値が下がることによって、従来必要であったフェムト秒レーザーのような高価な光源を不要とすることができて大幅な低コスト化が可能となる。
なお、本発明における多光子吸収反応生成物は、このような多光子吸収反応材料の光反応により得られるものである。
また、本発明における多光子吸収反応助剤は、複合金属ナノ粒子と多光子吸収反応促進剤を含んでなることを特徴とするものである。
本発明の多光子吸収反応助剤によれば、従来の多光子光子吸収反応助剤を用いた場合に比較し、高感度な反応が可能となり、三次元造形、三次元メモリー等様々な多光子反応過程を応用した高密度、高精細な製品の実現が可能となる。
例えば、局在プラズモン増強場発生源としての複合金属ナノ粒子と、重合開始剤や光増感剤等の多光子(2光子)吸収反応促進剤を組み合せることによって、アクリレート系やエポキシ系等の樹脂を高感度で反応を引き起こすことができる。また、多光子吸収反応助剤を用いることで反応の閾値が下がり、従来必要であった高価な光源(例えば、フェムト秒レーザー)が不要となり、応用製品の製造に用いる装置の大幅なコスト低減が可能となる。
上記のような、局在プラズモン増強場を持つ複合金属ナノ粒子を含む多光子吸収反応材料(複合金属ナノ粒子+多光子吸収材料)や、あるいは多光子吸収反応助剤(複合金属ナノ粒子+多光子吸収反応促進剤)は、塗布やキャスティング等を初めとする各種の形態で加工可能であり、例えば、多光子吸収反応の反応閾値の低下等の特徴を利用して、これまでに無い様々な応用が可能となる。
以下代表的な応用例として、三次元多層光メモリ、光造形用材料、2光子蛍光顕微鏡について挙げ説明する。
〔三次元多層光メモリへの応用〕
最近、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDTV(High Definition Television)の放映も間近にひかえて、民生用途においても50GB以上、好ましくは100GB以上の画像情報を安価簡便に記録するための大容量記録媒体の要求が高まっている。さらに、コンピューターバックアップ用途、放送バックアップ用途等、業務用途においては、1TB程度あるいはそれ以上の大容量の情報を高速かつ安価に記録できる光記録媒体が求められている。
そのような中、DVD±Rのような従来の2次元光記録媒体は物理原理上、たとえ記録再生波長を短波長化したとしてもせいぜい25GB程度で、将来の要求に対応できる程の充分大きな記録容量が期待できるとは言えない状況である。
このような状況の中で、究極の高密度、高容量記録媒体として、三次元光記録媒体が俄然、注目されてきている。三次元光記録媒体は、三次元(膜厚)方向に何十、何百層もの記録を重ねることで、従来の二次元記録媒体の何十、何百倍もの超高密度、超高容量記録を達成しようとするものである。
三次元光記録媒体を提供するためには、三次元(膜厚)方向の任意の場所にアクセスして書き込みできなければならないが、その手段として、2光子吸収材料を用いる方法とホログラフィ(干渉)を用いる方法がある。
2光子吸収材料を用いる三次元光記録媒体では、上記で説明した物理原理に基づいて何十、何百倍にもわたっていわゆるビット記録が可能であって、より高密度記録が可能であり、まさに究極の高密度、高容量光記録媒体であると言える。
2光子吸収材料を用いた三次元光記録媒体としては、前述の背景技術で述べたように、記録再生に蛍光性物質を用いて蛍光で読み取る方法や、フォトクロミック化合物を用いて吸収または蛍光で読み取る方法等が提案されているが、上記三次元光記録媒体を提供する場合に適当な方式であるとは言えない。
上に述べたように、非共鳴2光子吸収により得た励起エネルギーを用いて反応を起こし、その結果レーザー焦点(記録)部と非焦点(非記録)部で光を照射した際の発光強度を書き換えできない方式で変調することができれば、三次元空間の任意の場所に極めて高い空間分解能で発光強度変調を起こすことができ、究極の高密度記録媒体と考えられる三次元光記録媒体への応用が可能となる。さらに、非破壊読み出しが可能で、かつ不可逆材料であるため良好な保存性も期待でき実用的である。
しかし、現時点で利用可能な2光子吸収化合物では、2光子吸収能が低いため、光源としては非常に高出力のレーザーが必要で、かつ記録時間も長くかかる。特に、三次元光記録媒体に使用するためには、速い転送レート達成のために、高感度で発光能の違いによる記録を2光子吸収により行うことができる2光子吸収三次元光記録材料の構築が必須である。そのためには、高効率に2光子を吸収し励起状態を生成することができる2光子吸収化合物と、2光子吸収化合物励起状態を用いて何らかの方法にて2光子吸収光記録材料の発光能の違いを効率的に形成できる記録成分を含む材料が有力であるが、そのような材料は今までほとんど開示されておらず、そのような材料の構築が望まれていた。
前述のように各種波長域に対応できる局在プラズモン増強場発生源としての複合金属ナノ粒子と多光子(2光子)吸収材料からなる本発明の多光子吸収反応材料を用い記録層を形成し、光照射による2光子吸収を利用して高密度の記録(三次元の記録)を行った後、光を記録材料に照射してその発光強度の違いを検出するか、または屈折率変化による反射率の変化を検出することにより再生することができる。
すなわち、本発明の多光子吸収反応材料を用いれば、超高密度の2光子吸収三次元光記録媒体は元よりそれを用いた2光子吸収三次元光記録方法及び再生方法が提供される。
複合金属ナノ粒子と多光子(2光子)吸収材料からなる本発明の多光子(2光子)吸収反応材料は、必要に応じて各種溶媒に分散した分散溶液とすることができ、この分散溶液を用いれば、例えば、スピンコーター、ロールコーターまたはバーコーターなどを使用して基板上に直接塗布することもできるし、あるいは先ずフィルムとしてキャストし、次いで通常の方法により基板にラミネートすることもでき、それらにより2光子吸収光記録材料とすることができる。
ここで、「基板」とは、任意の天然または合成支持体、好適には柔軟性または剛性フィルム、シートまたは板の形態で存在することができるものを意味する。
基板として、限定するものではないが好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、樹脂下塗り型ポリエチレンテレフタレート、火炎または静電気放電処理されたポリエチレンテレフタレート、セルロースアセテート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ガラス等が挙げられる。
また、この基板には予め、トラッキング用の案内溝やアドレス情報が付与されたものであってもよい。使用した溶媒は乾燥時に蒸発除去することができる。蒸発除去には加熱や減圧を用いてもよい。
さらに、上記2光子吸収光記録材料の上に、酸素遮断や層間クロストーク防止のための保護層(中間層)を形成してもよい。
保護層(中間層)は、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレートまたはセロファンフィルムなどのプラスチック製のフィルムまたは板を静電的な密着、押し出し機を使った積層等により貼合わせるか、前記ポリマーの溶液を塗布して設けてもよい。あるいは、ガラス板を貼合わせてもよい。
また、保護層と2光子吸収光記録材料(記録層)の間および/または、基材と記録層の間に、気密性を高めるために粘着剤または液状物質を存在させてもよい。さらに感光膜間の保護層(中間層)にも予め、トラッキング用の案内溝やアドレス情報が付与されたものであってもよい。
上述した三次元多層光記録媒体の任意の層に焦点を合わせ、記録再生を実施することで、本発明の三次元記録媒体として機能する。また、層間を保護層(中間層)で区切っていなくとも、2光子吸収色素特性から深さ方向の三次元記録が可能である。
以下、本発明における三次元多層光メモリの好ましい実施形態(具体例)について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれらの実施形態により何ら限定されず、三次元記録(平面及び膜厚方向に記録)が可能な構造であれば、他にどのような構造であっても構わない。
図1の概略図に、本発明における三次元多層光メモリの記録/再生のシステム構成(a)と記録媒体の構成断面(b)を示す。
図1(a)のシステム構成による記録方法の概要を説明する。
記録用レーザー光源1(例えば、ハイパワーのパルスレーザー光源)からの記録光を対物レンズ5により3次元記録媒体6中にフォーカスする。フォーカスポイントでは、2光子吸収により記録が行われるが、フォーカスポイント以外では、先に述べたように光の照射パワーが低く、2乗効果による記録は行われない。即ち、選択的な記録が可能となる。
次に、再生方法であるが、再生用レーザー光源2(記録光ほどハイパワーではなく、半導体レーザーも利用可能)からの光を、3次元記録媒体6中にフォーカスする。各層より信号光が発生するが、ピンホール3と検出器4より構成される点検出器で信号光を検出することにより、特定の層からの信号を共焦点顕微鏡の原理を用いて選択的に検出する。以上のような構成により、三次元記録再生は機能する。
図1(b)に示す記録媒体の構成について説明する。平らな支持体(基板11)に本発明の複合金属ナノ粒子と多光子吸収材料を含んでなる多光子吸収反応材料を用いた記録層と、クロストーク防止用の中間層(保護層)15が交互に50層ずつ積層され、各層は、例えばスピンコート法により成膜されている。
記録層の厚さは0.01〜0.5μm、中間層の厚さは0.1〜5μmが好ましく、この構造であれば、現在普及しているCD/DVDと同じディスクサイズで、テラバイト級の超高密度光記録が実現できる。さらに、データの再生方法(透過/あるいは反射型)により、基板11と同様の基板12(保護層)、あるいは高反射率材料からなる反射膜が設けられた構成とされる。
上記において、記録時は単一ビームが使用され、この場合フェムト秒オーダーの超短パルス光を利用することができる。また、再生時は、データ記録に使用するビームとは異なる波長、あるいは低出力の同波長の光を用いることもできる。記録及び再生は、ビット単位/ページ単位のいずれにおいても実行可能であり、面光源や二次元検出器等を利用する並行記録/再生は、転送レートの高速化に有効である。
なお、本発明に従い同様に形成される三次元多層光メモリの形態としては、カード状、プレート状、テープ状、ドラム状等が考えられる。
〔光造形用材料への応用〕
以下、本発明における光造形用材料の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれらの実施形態により何ら限定されない。
図2に、本発明の複合金属ナノ粒子と多光子吸収材料を含む多光子吸収反応材料を用いて光造形する場合に用いる装置の概略構成図を示す。以下、2光子光造形法として説明する。
近赤外パルスレーザ光源21からの光をミラースキャナー25を通した後、レンズを用いて複合金属ナノ粒子と多光子吸収材料を含む多光子吸収反応材料(光硬化性樹脂液)29中に集光させレーザスポットを走査し、2光子吸収を誘起することによって焦点近傍のみにおいて樹脂を硬化させて任意の三次元構造を形成する(2光子マイクロ光造形方法)。なお、光硬化性樹脂の詳細については後述する。
なお、図2中、符号23は透過光陵を時間的にコントロールするシャッター、24はNDフィルター、27は光手段としてのレンズ、28はコンピュータ、20は光造形物を示す。
すなわち、パルスレーザ光をレンズで集光して、集光点近傍にフォトンの密度の高い領域を形成する。このときビームの各断面を通過するフォトンの総数は一定なので、焦点面内でビームを2次元的に走査した場合、各断面における光強度の総和は一定である。しかしながら、2光子吸収の発生確率は、光強度の2乗に比例するため、光強度の大きい集光点近傍にのみ、2光子吸収の発生の高い領域が形成される。
このように、パルスレーザ光をレンズによって集光させ2光子吸収を誘起することで、集光点近傍に光吸収を限定し、ピンポイント的に樹脂を硬化させることが可能となる。集光点はZステージ26とガルバノミラーによって光硬化樹脂液内を自由に移動させることができるため、光硬化性樹脂液内において目的とする三次元加工物を自在に形成することができる。
2光子光造形法の特徴としては、以下の項目が挙げられる。
(a)回折限界をこえる加工分解能:2光子吸収の光強度に対する非線形性によって、光の回折限界を超えた加工分解能を実現できる。
(b)超高速造形:2光子吸収を利用した場合、焦点以外の領域では、光硬化性樹脂が原理的にも硬化しない。このため照射させる光強度を大きくし、ビームのスキャン速度を速くすることができる。このため、造形速度を約10倍向上することができる。
(c)三次元加工:光硬化性樹脂は、2光子吸収を誘起する近赤外光に対して透明である。したがって焦点光を樹脂の内部へ深く集光した場合でも、内部硬化が可能である。従来のSIHでは、ビームを深く集光した場合、光吸収によって集光点の光強度が小さくなり、内部硬化が困難になる問題点が、本発明ではこうした問題点を確実に解決することができる。
(d)高い歩留り:従来法では樹脂の粘性や表面張力によって造形物が破損、変形するという問題があったが、本手法では、樹脂の内部で造形を行うのでこうした問題は解消される。
(e)大量生産への適用:超高速造形を利用することによって、短時間に、連続的に多数個の部品あるいは可動機構の製造が可能である。
上記2光子光造形用の光硬化性樹脂とは、複合金属ナノ粒子と多光子吸収材料を含む多光子吸収反応材料を指すが、多光子吸収材料として、光を照射することにより2光子重合反応を起こし、液体から固体へと変化するという特性を持った樹脂が使用される。
主成分は、オリゴマーと反応性希釈剤からなる樹脂成分と光重合開始剤(必要に応じ光増感材料を含む)である。光重合開始剤や光増感材料が含まれる場合にはこれらの反応促進剤が多光子吸収反応促進剤であってもよく(この場合には樹脂は必ずしも多光子吸収材料でなくともよい)、いわゆる、複合金属ナノ粒子と多光子吸収反応促進剤が多光子吸収反応助剤として機能するものが用いられる。
なお、オリゴマーは重合度が2〜20程度の重合体であり、末端に多数の反応基を持つものが好ましく用いられ、さらに、粘度、硬化性等を調整するために反応性希釈剤が加えられてもよい。
上記複合金属ナノ粒子を含む光硬化性樹脂に光を照射すると、重合開始剤または光増感材料がこれを2光子吸収し、重合開始剤から直接または光増感材料を介して反応種が発生し、オリゴマー、反応性希釈剤の反応基に反応し、重合を開始させる。その後これらの間で連鎖的重合反応を起こし三次元架橋が形成され、短時間のうちに三次元網目構造を持つ固体樹脂へと変化する。
光硬化性樹脂は、光硬化インキ、光接着剤、積層式立体造形などの分野で使用されており、様々な特性を持つ樹脂が開発されている。特に、積層式立体造形においては(1)反応性が良好であること、(2)硬化時の堆積収縮が小さいこと、(3)硬化後の機械特性が優れていること、等が重要である。
上記特性は本発明の手法においても同様に重要である。そのため、積層式立体造形用に開発された樹脂で2光子吸収特性を有するものは本発明における2光子光造形用光硬化性樹脂としても使用できる。その具体的な例としては、アクリレート系及びエポキシ系の光硬化性樹脂が良く用いられ、特にウレタンアクリレート系の光硬化性樹脂が好ましい。
例えば、光造形に関する技術として感光性高分子膜の表面に、パルスレーザー光をマスクを介さずに干渉露光させることが知られている(例えば、特開2005−134873号公報)が、このような光造形の場合には、前記感光性高分子膜に感光性機能を発揮させる波長領域のパルスレーザー光であることが重要である。
従って、パルスレーザー光としては、感光性高分子の種類、または、感光性高分子における感光性機能を発揮する基または部位の種類などに応じて、その波長領域を適宜選択することができる。
特に、光源から発光されるパルスレーザー光の波長が、感光性高分子膜に感光性機能を発揮させる波長領域でなくても、パルスレーザー光の照射に際して、多光子吸収過程を利用することにより、感光性高分子膜に感光性機能を発揮させることが可能となる。
具体的には、光源から発光されるパルスレーザー光を集光して、集光されたパルスレーザー光を照射すると、多光子の吸収(例えば、2光子の吸収、3光子の吸収、4光子の吸収、5光子の吸収など)が生じ、これにより、光源から発光されるパルスレーザー光の波長が、感光性高分子膜に感光性機能を発揮させる波長領域でなくても、感光性高分子膜には、実質的に、感光性高分子膜に感光性機能を発揮させる波長領域のパルスレーザー光が照射されたことになる。
このように、干渉露光するパルスレーザー光は、実質的に、感光性高分子膜に感光性機能を発揮させる波長領域となるパルスレーザー光であればよく、照射条件などにより、その波長を適宜選択することができる。たとえば、本発明の高効率2光子吸収材料を光増感材料とし、紫外線硬化樹脂等に分散し、感光物固体としこの感光物固体の2光子吸収能を利用して焦点スポット(あるいは、干渉により強め合う領域)のみが硬化する特性を利用した超精密三次元造形物を得ることが可能となる。
前述のように本発明の複合金属ナノ粒子と多光子吸収反応促進剤(2光子吸収重合開始剤または2光子吸収光増感材料)を組み合せれば、多光子吸収反応助剤(2光子吸収反応助剤)として用いることができる。
従来の2光子吸収材料(2光子吸収重合開始剤または2光子吸収光増感材料)に比較して、2光子吸収感度が高いため、高速造形が可能で、励起光源としても小型で安価なレーザ光源が使用できるため、大量生産可能な実用用途への展開が可能となる。
〔2光子蛍光顕微鏡への応用〕
2(多)光子励起レーザ走査顕微鏡(2光子蛍光顕微鏡)とは、近赤外パルスレーザを標本面上に集光し走査させて、そこでの2(多)光子吸収により励起されて発生する蛍光を検出することにより像を得る顕微鏡である。
以下、本発明における2光子蛍光顕微鏡の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれらの実施形態により何ら限定されない。
図3に、本発明における2光子励起レーザ走査顕微鏡(2光子蛍光顕微鏡)の基本構成の概略図を示す。
図3に示す2光子励起レーザ走査顕微鏡30は、近赤外域波長のサブピコ秒の単色コヒーレント光パルスを発するレーザ光源31と、レーザ光源からの光束を所望の大きさに変える光束変換光学系32と、光束変換光学系で変換された光束を対物レンズの像面に集光し走査させる走査光学系33と、集光された上記変換光束を標本面35上に投影する対物レンズ系34と、光検出器37を備えている。
すなわち、観測時にパルスレーザー光をダイクロイックミラー36を経て、光束変換光学系、対物レンズ系により集光し、標本面で焦点を結ばせることによって標本内にある2光子吸収蛍光材料(複合金属ナノ粒子を含む)に、2光子吸収に基づいて誘起される蛍光を生じさせる。すなわち、本発明における多光子吸収反応材料の多光子吸収材料として2光子吸収蛍光材料(例えば、2光子蛍光顕微鏡用蛍光色素)を用いた系が使用される。
次に、標本面をレーザービームで走査し、各場所での蛍光強度を光検出器37などの光検出装置で蛍光を検出して得られた位置情報に基づいて、図示しないコンピュータでプロットすることにより、三次元蛍光像が得られる。レーザービームの走査機構としては、例えば、ガルバノミラーなどの可動ミラーを用いて走査してもよく、あるいはステージ上に置かれた2光子吸収材料を含む標本を移動させてもよい。
このような構成により、2光子吸収そのものの非線形効果を利用して、光軸方向の高分解能を得ることができる。加えて、共焦点ピンホール板を用いれば、さらなる高分解能(面内、光軸方向共)が得られる。
2光子蛍光顕微鏡用蛍光色素は、標本を染色、または標本に分散させることにより使用され、工業用途のみならず、生体系の細胞等の三次元画像マイクロイメージングにも用いることができ、高い2光子吸収断面積を持つ化合物が望まれている。
本発明の複合金属ナノ粒子を含む多光子吸収材料(2光子吸収蛍光材料)は、2光子励起レーザ走査顕微鏡用の多光子吸収反応材料(2光子吸収蛍光反応材料)として用いることができる。
これを用いれば、従来の2光子吸収蛍光材料に比較して大きな2光子吸収断面積を有しているので、低濃度で高い2光子吸収特性を発揮する。従って、本発明によれば、高感度な2光子吸収蛍光反応材料が得られるだけでなく、被観察材料に照射する光の強度を強くする必要がなくなり、被観察材料の劣化、破壊を抑制することができ、被観察材料中の他成分の特性に対する悪影響も低下させることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、各実施例は、本発明の構成の一例であり、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
以下の手順で、金ナノロッド分散液、緩衝層(SiO2)皮膜の形成、金ナノロッドをコアとする複合ナノ粒子分散液、複合ナノ粒子と色素の混合分散液を順次作製した。
〔金ナノロッド分散液の作製〕
光還元法を用いた金ナノロッドの作成から順を追って説明する。
原料溶液としてCTAB(臭化セチルトリメチルアンモニウム)水溶液(0.18mol/l)70ml、シクロヘキサン0.36ml、アセトン1ml、硝酸銀水溶液(0.01mol/l)1.5mlを加え、マグネットスターラーにより攪拌した。さらに、塩化金酸溶液(0.024mol/l)2mlを加えた後、アスコルビン酸水溶液(0.1mol/l)0.4mlを加え、塩化金酸溶液の色が消えたことを確認した。
次に、直径100mmのシャーレーに混合用液を移し、254nmの紫外線を低圧水銀ランプ(アズワン社製、SUV−16)により約20分照射した。この工程により、金ナノロッドが形成され、前記金ナノロッドの安定な分散液が得られた。透過電子顕微鏡による観測の結果、分散液中の金ナノロッドは、平均的な粒子形状が長径50nm、短径12nmであることが確認された。
なお、上記金ナノロッドの作製においては、光還元法による合成を示したが、電解法、種粒子からの成長など各種合成法により得られる金ナノロッドも使用可能なことは言うまでもない。成長条件を変えることにより、アスペクト比の異なる金ナノロッドを容易に得ることが可能である。
〔緩衝層(SiO2)皮膜の形成〕
次に、上記で得られた金ナノロッド分散液5mlに、(3−アミノプロピル)エチルジエトキシシランのアセトン溶液(1vol%)10mlを加え、80℃で2時間加熱処理し、金ナノロッド表面にSiO2皮膜を形成した。この工程により、SiO2皮膜付き金ナノロッドが形成された。
さらに、シクロヘキサン5mlを加えて攪拌することにより、SiO2皮膜付金ナノロッドのシクロヘキサン分散液が得られた。ここで、油性溶媒の選択については適宜選択可能であることは言うまでもなく、また、微粒子の分散方法も、チオール基を有する化合物を含め、さまざまな界面活性剤を、油性溶媒の種類、分散特性を考慮して採用することが可能である。
〔金ナノロッドをコアとする複合ナノ粒子分散液の作製〕
次いで、上記で得られたシクロヘキサン分散液5mlに、硝酸銀のアセトン溶液(0.01mol/l)を0.01ml加え、さらにアスコルビン酸のアセトン溶液(0.01mol/l)を攪拌しながら0.005mlずつ、2回に分け、総量として0.01mlを加え、化学還元により還元した。
還元により生じた金属銀は、溶液中に分散した金ナノロッド表面のSiO2皮膜上に島状に析出して、それぞれ離間した銀微小構造体を形成した。ここで、硝酸銀の添加量と液温および還元剤の添加量により還元速度をコントロールすることが可能であり、これらの条件を適宜選択して組み合わせることにより、金属微小構造体の組織をコントロールすることが可能である。
以上の工程により、金ナノロッドをコアとする複合ナノ粒子分散液が得られた。
〔複合ナノ粒子と色素の混合分散液の作製〕
さらに、下記構造式(I)で表される2光子蛍光色素のアセトン飽和溶液0.5mlを、上記で作製した金ナノロッドをコアとする複合ナノ粒子分散液2mlに注入攪拌し、複合ナノ粒子と色素の混合分散液が得られた。
Figure 2008055570
(実施例2)
実施例1と同様にして光還元法を用い、平均的な粒子形状が長径100nm、短径25nmである金ナノロッド分散液を得たこと以外は実施例1と同様の工程により、銀微小構造体を島状に形成した複合ナノ粒子の分散液を作製し、さらに複合ナノ粒子と前記構造式(I)で表される2光子蛍光色素の混合分散液を作製した。
(実施例3)
実施例1と同様にして光還元法を用い、平均的な粒子形状が長径200nm、短径50nmである金ナノロッド分散液を得たこと以外は実施例1と同様の工程により、銀微小構造体を島状に形成した複合ナノ粒子の分散液を作製し、さらに複合ナノ粒子と前記構造式(I)で表される2光子蛍光色素の混合分散液を作製した。
(実施例4)
実施例1と同様にして光還元法を用い、平均的な粒子形状が長径400nm、短径80nmである金ナノロッド分散液を得たこと以外は実施例1と同様の工程により、銀微小構造体を島状に形成した複合ナノ粒子の分散液を作製し、さらに複合ナノ粒子と前記構造式(I)で表される2光子蛍光色素の混合分散液を作製した。
(実施例5)
実施例1と同様にして光還元法を用い、平均的な粒子形状が長径600nm、短径100nmである金ナノロッド分散液を得たこと以外は実施例1と同様の工程により、銀微小構造体を島状に形成した複合ナノ粒子の分散液を作製し、さらに複合ナノ粒子と前記構造式(I)で表される2光子蛍光色素の混合分散液を作製した。
(実施例6)
実施例1において同様にして光還元法を用い、平均的な粒子形状が長径800nm、短径100nmである金ナノロッド分散液を得たこと以外は実施例1と同様の工程により、銀微小構造体を島状に形成した複合ナノ粒子の分散液を作製し、さらに複合ナノ粒子と前記構造式(I)で表される2光子蛍光色素の混合分散液を作製した。
(実施例7)
実施例1と同様にして光還元法を用い、平均的な粒子形状が長径1600nm、短径150nmである金ナノロッド分散液を得たこと以外は実施例1と同様の工程により、銀微小構造体を島状に形成した複合ナノ粒子の分散液を作製し、さらに複合ナノ粒子と前記構造式(I)で表される2光子蛍光色素の混合分散液を作製した。
(実施例8)
先ず、実施例1と同様の工程(〔金ナノロッド分散液の作製〕、〔緩衝層(SiO2)皮膜の形成〕、〔金ナノロッドをコアとする複合ナノ粒子分散液の作製〕)により、平均的な粒子形状を長径50nm、短径12nmとした金ナノロッド表面のSiO2皮膜上に島状の銀微小構造体を形成した。複合ナノ粒子を含有する分散液(シクロヘキサン溶液)を得た。
次に、上記複合ナノ粒子のシクロヘキサン溶液に、(3−アミノプロピル)エチルジエトキシシランのアセトン溶液(5vol%)1mlを加え、80℃で2時間加熱処理し、複合ナノ粒子の表面に2層目のSiO2皮膜を形成した。
この2層目のSiO2皮膜を形成した複合ナノ粒子の分散溶液に、硝酸銀のアセトン溶液(0.01mol/l)を0.01ml加え、さらにアスコルビン酸のアセトン溶液(0.01mol/l)を攪拌しながら0.005mlずつ、2回に分け、総量として0.01mlmlを加え、化学還元により銀を還元した。還元により生じた金属銀は、溶液中に分散した極微粒子表面である複合金属ナノ粒子の2層目のSiO2皮膜上に島状に析出した。
以上のような工程により、緩衝層であるSiO2膜により隔てられた、2層の島状の銀が積層した構成の金属微小構造体を備えた複合金属ナノ粒子のシクロヘキサン分散溶液が得られた。
さらに、この複合金属ナノ粒子のシクロヘキサン分散溶液を、実施例1と同様に前記構造式(I)で表される2光子蛍光色素を含む溶液と混合し、複合金属ナノ粒子と2光子蛍光色素の混合分散液を作成した。
(実施例9)
以下の手順で、金ナノロッド分散液、金ナノロッドをコアとする複合ナノ粒子分散液、複合ナノ粒子と色素の混合分散液を順次作製した。
原料溶液としてCTAB(臭化セチルトリメチルアンモニウム)水溶液(0.18mol/l)70ml、シクロヘキサン0.36ml、アセトン1ml、硝酸銀水溶液(0.01mol/l)1.5mlを加え、マグネットスターラーにより攪拌した。さらに、塩化金酸溶液(0.024mol/l)2mlを加えた後、アスコルビン酸水溶液(0.1mol/l)0.4mlを加え、塩化金酸溶液の色が消えたことを確認した。
次に、直径100mmのシャーレーに混合用液を移し、254nmの紫外線を低圧水銀ランプ(アズワン社製、SUV−16)により約20分照射した。この工程により、金ナノロッドが形成され、前記金ナノロッドの安定な分散液が得られた。透過電子顕微鏡による観測の結果、分散液中の金ナノロッドは、平均的な粒子形状が長径50nm、短径12nmであることが確認された。
この分散液5mlに、界面活性剤であるドデカンチオールのアセトン溶液(1vol%)10mlを加え攪拌し、さらにシクロヘキサン5mlを加えて攪拌後静置した。金ナノロッドはシクロヘキサン中に安定に分散した。
さらに、界面活性剤であるドデカンチオールにより安定分散された、金ナノロッドのシクロヘキサン分散液5mlに、硝酸銀のアセトン溶液(0.01mol/l)を0.01ml加え、さらにアスコルビン酸のアセトン溶液(0.01mol/l)を攪拌しながら0.005mlずつ、2回に分け、総量として0.01mlを加え、化学還元により還元した。還元により生じた金属銀は、溶液中に分散した金ナノロッド金ナノロッド表面に島状に析出(金属微小構造体)した。以上の工程により、金ナノロッドをコアとする複合ナノ粒子分散液が得られた。
さらに、下記構造式(I)で表される2光子蛍光色素のアセトン飽和溶液0.5mlを、作成した金ナノロッドをコアとする複合ナノ粒子分散液2mlに注入攪拌し、複合ナノ粒子と色素の混合分散液が得られた。
Figure 2008055570
(比較例1)
シクロヘキサン2mlに、下記構造式(I)で表される2光子蛍光色素のアセトン飽和溶液0.5mlを混合した2光子蛍光色素溶液を作成した。この溶液は、実施例1〜9に示した複合ナノ粒子と色素の混合分散液から複合ナノ粒子を除いたものに相当する。
Figure 2008055570
(比較例2)
実施例1と同様の工程により、平均的な粒子形状を長径50nm、短径12nmとした金ナノロッド表面にSiO2皮膜を形成した。
得られたSiO2皮膜付き金ナノロッドのシクロヘキサン分散液5mlに、硝酸銀のアセトン溶液(0.01mol/l)を0.05ml加え、さらにアスコルビン酸のアセトン溶液(0.01mol/l)を攪拌しながら0.005mlずつ、10回に分け、総量として0.05mlを加え、化学還元により還元した。還元により生じた金属銀は、溶液中に分散した金ナノロッドのSiO2皮膜表面全体を被覆するように析出(膜状)し、いわゆる緩衝層上に銀皮膜が積層した構成の複合金属ナノ粒子が得られた。
さらに、前記構造式(I)で表される2光子蛍光色素のアセトン飽和溶液0.5mlを、作成した金ナノロッドをコアとする複合ナノ粒子分散液2mlに注入攪拌し、複合ナノ粒子と色素の混合分散液が得られた。
(比較例3)
実施例9と同様の工程により、界面活性剤であるドデカンチオールにより安定分散された、平均的な粒子形状が長径50nm、短径12nmである金ナノロッドのシクロヘキサン分散液5mlを作製した。この金ナノロッドのシクロヘキサン分散液に、前記構造式(I)で表される2光子蛍光色素を混合した2光子蛍光色素溶液を作製した。
上記実施例1〜9および比較例1〜3で作製した分散液を用いて、以下の2光子蛍光測定1〜3の測定を行った。
<2光子蛍光測定1>
銀被覆の複合ナノ粒子と2光子蛍光色素の混合分散液を光路長1mmの光学セルに入れ、測定試料とした。2光子励起光源には赤外線フェムト秒レーザー、スペクトラフィジックス社製、MaiTai(波長780nm)を用い、焦点距離100mmの集光レンズで混合溶液中にそれぞれ集光点を結び、2光子励起の蛍光を測定した。
実施例1〜7の各銀被覆の複合ナノ粒子と2光子蛍光色素の混合分散液について、2光子蛍光の増強度を下記表1に示す(励起光強度は、平均出力80mWである)。なお、相対比較である比較例1は表1に記載していない。
評価における記号の意味は次のようである。
◎:著しく増強効果が認められたもの。
○:増強効果が認められたもの。
△:基準溶液と同程度の蛍光強度を示したもの。
Figure 2008055570
表1から分かるように、実施例1〜7の2光子蛍光色素溶液はいずれも、比較例1(複合ナノ粒子を含有していない2光子色素溶液)に比較して、蛍光増強度が強く、顕著な増強効果が認められた。
<2光子蛍光測定2>
2光子蛍光測定1と同じ測定系を用い、励起光源の平均出力を400mWに設定し、2光子蛍光光量の測定を行った。測定に用いた試料(分散液)は、実施例1、実施例9および比較例1である。
3つの試料をそれぞれ光路長1mmのセルに入れ、セル中の試料が励起光源の焦点位置となるようセットし、励起光の連続照射を行った。照射開始直後の蛍光光量および同一点に連続照射を30分行った後の蛍光光量をそれぞれの試料で比較例1と比較し検討した結果を下記表2に示す。なお、相対比較である比較例1は表2に記載していない。
評価における記号の意味は次のようである。
◎:著しく増強効果が認められたもの。
○:増強効果が認められたもの。
Figure 2008055570
表2の結果から分かるように、実施例1および実施例9の2光子蛍光色素溶液はいずれも、励起光の照射開始時においては良好な蛍光の増強効果を示した。照射から20分後の蛍光強度においても、SiO2緩衝層上に島状の金属微小構造体を設けた実施例1の場合には増強効果の低下は見られなかった。一方、SiO2緩衝層を形成せずに金ナノロッド上に直接島状の金属微小構造体を設けた実施例9では増強効果が照射開始時に比較してやや弱くなったが増強効果は認められた。この結果から、緩衝層上に金属微小構造体を形成することにより、励起光により発生する2光子蛍光増強効果の経時変化(低減)を防止できることが認められた。
<2光子蛍光測定3>
2光子蛍光測定1と同じ測定系を用いて同じ測定条件で、実施例1、8、および比較例2、3の混合分散液の2光子蛍光強度を観察し、その蛍光強度を相対評価した。結果を下記表3に示す。
評価における記号の意味は次のようである。
◎:最も蛍光強度の強かったもの。
○:次に蛍光強度の強かったもの。
●:比較した中で次に蛍光の弱かったもの。
△:比較した中で最も蛍光強度の弱かったもの。
Figure 2008055570
表3の結果から分かるように、金ナノロッドのSiO2緩衝層表面全体を銀皮膜で一様に被覆した複合金属ナノ粒子を含む比較例2、および金ナノロッドのみからなる比較例3と比較して、実施例1と実施例8の場合には大きな増強度を示した。
さらに、実施例1と実施例8の比較から、金ナノロッド表面にSiO2緩衝層を介して2層の島状の銀を積層した複合金属ナノ粒子(実施例8)が最も大きな増強効果を示した。この結果から、複数の金属微小構造体を設けることにより、さらなるプラズモン増強場による増強効果が発揮されることが認められた。
上記表1〜3の評価結果から、近赤外から青色領域までの波長領域で光反応の増強・増感場を形成することができる複合金属ナノ粒子が提供されると共に、この複合金属ナノ粒子と多光子吸収反応材料、あるいは多光子吸収反応助剤を組み合せることによって、反応閾値の低下を伴いつつ物質内部における三次元の任意の位置で反応を引き起こすことが可能となり、三次元多層光記録媒体、三次元光造形用材料、多光子蛍光顕微鏡など多くの超高密度、超高精細、高解像度などの要求を満たす種々の用途への適用を実現することができる。
本発明における三次元多層光メモリの記録/再生のシステム構成(a)と記録媒体の構成断面(b)を示す概略図である。 本発明の複合金属ナノ粒子と多光子吸収材料を含む多光子吸収反応材料を用いて光造形する場合に用いる装置の概略構成図である。 本発明における2光子励起レーザ走査顕微鏡(2光子蛍光顕微鏡)の基本構成を示す概略図である。
符号の説明
L レーザ光
1 記録用レーザー光源
2 再生用レーザー光源
3 ピンホール
4 検出器
5 対物レンズ
6 3次元記録媒体
11 基板
12 基板(又は反射膜)
13 記録ビット
14 記録層
15 中間層(保護層)
20 光造形物
21 近赤外パルスレーザ光源(光源)
23 シャッター
24 NDフィルター
25 ミラースキャナー
26 Zステージ
27 レンズ
28 コンピュータ
29 光硬化性樹脂液
30 2光子励起レーザ走査顕微鏡
31 レーザ光源
32 光束変換光学系
33 走査光学系
34 対物レンズ系
35 標本面
36 ダイクロイックミラー
37 光検出器

Claims (10)

  1. 縦横方向の長さが異なる形状異方性を有するコア粒子の表面に、光照射によりプラズモン増強場を発現する金属微小構造体を島状に離間して設けてなることを特徴とする複合金属ナノ粒子。
  2. 前記縦横方向の長さが異なる形状異方性を有するコア粒子が、金ナノロッドであることを特徴とする請求項1に記載の複合金属ナノ粒子。
  3. 前記縦横方向の長さが異なる形状異方性を有するコア粒子の表面と、光照射によりプラズモン増強場を発現する金属微小構造体との間に接合界面を隔離する緩衝層を設けることを特徴とする請求項1または2に記載の複合金属ナノ粒子。
  4. 前記光照射によりプラズモン増強場を発現する金属微小構造体が、複数の層で構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の複合金属ナノ粒子。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の複合金属ナノ粒子と多光子吸収材料を含んでなることを特徴とする多光子吸収反応材料。
  6. 前記多光子吸収材料が、2光子吸収材料であることを特徴とする請求項5に記載の多光子吸収反応材料。
  7. 前記多光子吸収材料が、多光子吸収色素であることを特徴とする請求項5または6に記載の多光子吸収反応材料。
  8. 請求項5〜7のいずれかに記載の多光子吸収反応材料から得られることを特徴とする多光子吸収反応生成物。
  9. 請求項1〜4のいずれかに記載の複合金属ナノ粒子と多光子吸収反応促進剤を含んでなることを特徴とする多光子吸収反応助剤。
  10. 前記多光子吸収反応促進剤が2光子吸収反応促進剤であることを特徴とする請求項9に記載の多光子吸収反応助剤。
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