JP2010197746A - 多光子吸収材料および反応助剤並びにそれらの製造方法 - Google Patents
多光子吸収材料および反応助剤並びにそれらの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010197746A JP2010197746A JP2009042996A JP2009042996A JP2010197746A JP 2010197746 A JP2010197746 A JP 2010197746A JP 2009042996 A JP2009042996 A JP 2009042996A JP 2009042996 A JP2009042996 A JP 2009042996A JP 2010197746 A JP2010197746 A JP 2010197746A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- silver
- composite metal
- reaction
- metal nanoparticles
- multiphoton
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
- Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
Abstract
【解決手段】金ナノロッド、硝酸銀、アスコルビン酸およびアミン類を含む成長溶液の還元反応により金ナノロッド表面に銀を異方成長させて複合金属ナノ粒子とし、該異方成長した銀被覆微粒子の持つ、より強い表面プラズモン増強場を利用して、高感度に多光子吸収材料を増感するか、あるいは多光子吸収材料の反応を助長する。このような複合金属ナノ粒子を含有する多光子吸収材料あるいは反応助剤を、例えば、三次元多層光メモリ、光造形用材料、二光子蛍光顕微鏡へ応用する。
【選択図】図1
Description
表面プラズモン増強場は、高屈折率媒体上に成膜された金属薄膜上の表面からたかだか数百nm以下の限られた領域にのみ発生する。この金属薄膜表面に極薄い膜試料を配置することで、表面プラズモン増強場により照射された励起光よりも強い光があたったのと同様の効果が得られ、光反応、蛍光の増強が得られることが知られている。
また、観察に用いる波長を選択するために、球形コアセル構造による共鳴波長のチューニングに関する手法が開示されている(特許文献2参照)。しかし、コアとセルの寸法比で共鳴波長が決まるため、特許文献2の手法では、共鳴波長の揃った粒子を再現性良く得ることは難しい。
さらには、複数の微粒子間の局在プラズモン増強場を結びつけることにより増強効果をより顕著とする目的から、凝集ナノ粒子を用いる方法が開示されている(特許文献3参照)。つまり、マイクロキャビティー中に凝集ナノ粒子を配置することにより、多光子課程を含む高感度観測を行っている。しかし、特許文献3の方法では、凝集粒子の凝集塊形状を制御することは難しく、凝集塊の散乱の影響が顕著であることから、マイクロキャビティー中など、微小領域での利用に限られている。
また、金ナノロッドの共鳴波長が揃った微粒子が再現よく得られる性質を利用して、金ナノロッドが発生する表面プラズモン増強場を、二光子吸収材料の増感手法として用いる技術が開示されている(特許文献5参照)。
また、ポリマー中に硝酸銀を分散し、一軸延伸後に熱分解により銀ナノロッドを析出させることが報告されている(非特許文献2参照)。しかし、非特許文献2の手法では一軸延伸により得られる異方性を持った細孔中に銀ナノロッドが析出するため、得られるロッドは大きく、生産性は低い。
さらには、金ナノロッドの成長後、成長溶液中に含まれる余分な界面活性剤を遠心分離で取り除き、硝酸銀を添加し、水酸化ナトリウムでアルカリ性として還元させることにより、金ナノロッドの表面に銀を異方成長させる技術が報告されている(非特許文献3参照)。
非特許文献3の方法によれば、金ナノロッドの表面に銀を異方成長させることはできるが、界面活性剤を分離するために遠心分離の工程が必要であること、硝酸銀はアルカリ性では、水酸化銀として沈殿しやすく、pHのコントロールが難しいことなど、未だ問題も多い。
三次元光記録媒体を提供するためには、三次元(膜厚)方向の任意の場所にアクセスして書き込みできなければならないが、その手段として、二光子吸収材料を用いる方法とホログラフィ(干渉)を用いる方法とある。
二光子吸収材料を用いる三次元光記録媒体では、上記で説明した物理原理に基づいて何十、何百倍もの記録、いわゆるビット記録が可能であって、より高密度記録が可能である。このことから、三次元光記録媒体は、まさに究極の高密度、高容量光記録媒体であると言える。
しかし、上記特許文献6、7ではいずれも具体的な二光子吸収材料の記載はなく、また抽象的に提示されている二光子吸収化合物の例でも、二光子吸収効率の極めて小さい二光子吸収化合物を用いている。
さらに、上記特許文献8、9に用いているフォトクロミック化合物は可逆材料であるため、非破壊読み出し、記録の長期保存性、再生のS/N比等に問題があり、光記録媒体として実用性のある方式であるとは言えない。特に非破壊読出し、記録の長期保存性等の点では、不可逆材料を用いて反射率(屈折率または吸収率)または発光強度の変化で再生するのが好ましいが、このような機能を有する二光子吸収材料を具体的に開示している例はない。
また、屈折率変調により三次元的に記録する記録装置、および再生装置、読み出し方法等が提案されているが、二光子吸収三次元光記録材料を用いた方法についての記載はない(例えば、特許文献10、11参照)。
前記複合金属ナノ粒子の被覆金属が、前記形状異方性を持つコア粒子の表面に異方成長してなる銀であることを特徴とする多光子吸収材料により解決される。
形状異方性の付与に最適な製法と、プラズモン増強機能の発現に最適な製法と材質が選択可能で、再現性良く幅広い金属の高アスペクト比ナノ粒子を得ることが出来る。即ち、幅広い波長域において利用可能な、近接場発生源が得られる。また、これを用いた高感度な多光子吸収材料および反応助剤が得られ、多光子過程を活かした様々な応用が可能となる。
請求項1の発明の作用効果に加え、光反応を誘起する励起光の散乱を抑えながらより大きな増強度が得られる。従って、さらに効率的な光反応課程を提供することが可能となる
容易に微細かつアスペクト比の揃った粒子が得られるという金ナノロッドの特徴により、大きな増強度を持つプラズモン増強場が安価に大量生産可能となる。また、この増強場を用いることで、高感度な多光子吸収過程を安価に提供することが可能となる。
絶縁層により多光子吸収材料と複合粒子が隔てられることにより、多光子吸収材料に吸収されたエネルギーが失活されることなく、反応に用いられ、高収率な反応系となる。従って、効率的な光反応課程を、より幅広い反応条件・応用製品に対して提供することが可能となる。
前記反応助剤は、形状異方性を持つコア粒子の表面にプラズモン増強場を発生する金属が被覆された複合金属ナノ粒子からなり、
前記複合金属ナノ粒子の被覆金属が、前記形状異方性を持つコア粒子の表面に異方成長してなる銀であることを特徴とする反応助剤により解決される。
少なくとも金ナノロッド、硝酸銀、アスコルビン酸およびアミン類を含む成長溶液の還元反応により、前記金ナノロッド表面に銀を異方成長させることを特徴とする複合金属ナノ粒子の製造方法により解決される。
前記反応助剤は、形状異方性を持つコア粒子の表面にプラズモン増強場を発生する異方成長してなる銀が被覆された複合金属ナノ粒子からなり、
少なくとも金ナノロッド、硝酸銀、アスコルビン酸およびアミン類を含む成長溶液の還元反応により、前記金ナノロッド表面に銀を異方成長させることを特徴とする反応助剤の製造方法により解決される。
また、多光子吸収材料に照射する光の強度を強くする必要がなくなり、材料の劣化、破壊を抑制することができ、材料中の他成分の特性に対する悪影響も抑制することができる。励起光源として小型で安価なレーザ光源が使用できるため、大量生産可能な実用用途への展開が可能となる。応用分野として、例えば、三次元多層光メモリへの応用、光造形用材料への応用、二光子蛍光顕微鏡への応用などが挙げられる。
本発明における、形状異方性を持つコア粒子の表面にプラズモン増強場を発生する異方成長してなる銀が被覆された複合金属ナノ粒子を含有する多光子吸収材料における該複合金属ナノ粒子の製造方法、または多光子吸収材料に含有されて該多光子吸収材料の反応を助長する複合金属ナノ粒子からなる反応助剤における該反応助剤(複合金属ナノ粒子)の製造方法によれば、高濃度の界面活性剤下に分散された金ナノロッド成長溶液中で、そのまま銀を金ナノロッドの特定の結晶面上に選択的に成長させることができ、半値幅の狭いプラズモン増強場が容易に、安定して得られる。
このような複合金属ナノ粒子は、励起光の散乱の影響を抑えたカップリング効率が高い局在プラズモン増強場を発現可能とするとともに、幅広い波長域に共鳴波長をチューニングすることができる光反応の増強手段としての機能を発揮することができる。本発明になる複合金属ナノ粒子と多光子吸収材料を組み合せて用いれば、高感度な光反応過程を要する様々な反応の実現を安価な手段により解決することが可能となる。
前記複合金属ナノ粒子の被覆金属が、前記形状異方性を持つコア粒子の表面に異方成長してなる銀であることを特徴とするものである(本発明〔1〕)。
また、本発明における反応助剤は、多光子吸収材料に含有されて該多光子吸収材料の反応を助長する反応助剤において、
前記反応助剤は、形状異方性を持つコア粒子の表面にプラズモン増強場を発生する金属が被覆された複合金属ナノ粒子からなり、
前記複合金属ナノ粒子の被覆金属が、前記形状異方性を持つコア粒子の表面に異方成長してなる銀であることを特徴とするものである(本発明〔5〕)。
すなわち、本発明においては、形状異方性を持つコア粒子の表面にプラズモン増強場を発生する形状異方性を持つコア粒子の表面に異方成長してなる銀が被覆された複合金属ナノ粒子と多光子吸収材料との組み合せによって本発明の課題が解決される。
以下、本発明の複合金属ナノ粒子を含有する多光子吸収材料、および多光子吸収材料に含有されて該多光子吸収材料の反応を助長する複合金属ナノ粒子からなる反応助剤、のそれぞれを構成する複合金属ナノ粒子と多光子吸収材料について併せて説明する。
前記本発明〔1〕および〔5〕では、形状異方性を持つコア粒子(例えば、金)の表面に銀を異方成長、すなわち、コア粒子の特定結晶面に特異に析出させる。
しかし、被覆金属のプラズモン吸収が支配的になるには被覆金属の膜厚が厚い領域に限られ、コア粒子に比較し、可視域での散乱の大きな粒子となっていた。
これに対し、コア粒子の特定結晶面に特異に銀を析出させる(異方成長)ことにより、散乱の影響を抑制することができる。
尚、ここで述べる異方成長とは、コア粒子の特定結晶面に特異に銀を析出せせることを指すが、一面のみである必要は無く、また、特異に析出させた銀部位の効果を妨げない範囲であれば他の面にも薄く銀が析出していても、本構成の中に含むものとする。
すなわち、前記本発明〔1〕および〔5〕では、形状異方性を持つコア粒子(例えば、金)の表面(特定結晶面)に銀を特異に析出させ(異方成長)るものであるが、更に望ましくは、コア粒子の異方性の方位即ち長手方向に銀も同様に析出することが望ましい。
典型的なものとしては、コア粒子の特定結晶面にロッド状の銀が析出することを指している。但し、完全な棒状のみを指すのではなく、プラズモンの共鳴が起こる特定の方位(異方性)を持つ粒子であることが重要である。
銀の異方性が前記形状異方性を持つコア粒子の方位と一致することにより、前記〔1〕、〔5〕で示した発明の作用効果に加え、光反応を誘起する励起光の散乱を抑えながらより大きな増強度が得られる。従って、さらに効率的な光反応課程を提供することが可能となる。
形状異方性を持つコア粒子として、金ナノロッドを用いることにより、アスペクト比のコントロールが容易で、かつ粒子形の揃った異方性超微粒子が得られる。これによって、例えば、所望の波長において高い増強効果を発現させることができる。すなわち、容易に微細かつアスペクト比の揃った粒子が得られるという金ナノロッドの特徴により、大きな増強度を持つプラズモン増強場が安価に大量生産可能となる。また、この増強場を用いることで、高感度な多光子吸収過程を安価に提供することが可能となる。
複合金属ナノ粒子が絶縁層により被覆されていることで、複合金属ナノ粒子と多光子吸収材料とが隔てられ、多光子吸収材料に吸収されたエネルギーが失活されることなく反応に利用されるために高収率な反応系となる。従って、効率的な光反応課程を、より幅広い反応条件・応用製品に対して提供することが可能となる。
ここで述べる絶縁層は、例えば、シランカップリング剤の吸着膜のような、比較的薄い膜、場合に拠っては単一分子膜でもよく、また、金属の酸化膜等でも絶縁層として機能するものであればよい。但し、ここで述べる絶縁膜は、完全に絶縁する必要は無く、多光子吸収材料が吸収したエネルギーが複合金属ナノ粒子に吸収されることにより不活性化することを防ぐことが目的であるので、この目的に合っていれば本発明の構成の範囲内とする。
前述のように本発明〔9〕における複合金属ナノ粒子の製造方法は、形状異方性を持つコア粒子の表面にプラズモン増強場を発生する異方成長してなる銀が被覆された複合金属ナノ粒子を含有する多光子吸収材料における該複合金属ナノ粒子の製造方法であって、少なくとも金ナノロッド、硝酸銀、アスコルビン酸およびアミン類を含む成長溶液の還元反応により、前記金ナノロッド表面に銀を異方成長させることを特徴とするものである。
また、本発明〔10〕における反応助剤(複合金属ナノ粒子)の製造方法は、多光子吸収材料に含有されて該多光子吸収材料の反応を助長する複合金属ナノ粒子からなる反応助剤における該反応助剤の製造方法であって、前記反応助剤は、形状異方性を持つコア粒子の表面にプラズモン増強場を発生する異方成長してなる銀が被覆された複合金属ナノ粒子からなり、少なくとも金ナノロッド、硝酸銀、アスコルビン酸およびアミン類を含む成長溶液の還元反応により、前記金ナノロッド表面に銀を異方成長させることを特徴とするものである。
本発明においては、形状異方性を持つコア粒子の表面にプラズモン増強場を発生する形状異方性を持つコア粒子の表面に異方成長してなる銀が被覆された複合金属ナノ粒子と多光子吸収材料との組み合せによって本発明の課題が解決される。
すなわち、本発明によれば、高濃度の界面活性剤下に分散された金ナノロッド成長溶液中で、そのまま銀を金ナノロッドの特定の結晶面上に選択的に成長させることができ、また、半値幅の狭いプラズモン増強場が容易に得られる。従って、励起光の散乱の影響を抑えたカップリング効率が高い局在プラズモン増強場という利点と、幅広い波長域に共鳴波長をチューニング可能な光反応の増強手段と言う利点を併せ持っている。このような利点を有することから、複合金属ナノ粒子を含有する多光子吸収材料、あるいは多光子吸収材料に含有されて該多光子吸収材料の反応を助長する複合金属ナノ粒子からなる反応助剤を用いれば、高感度な光反応過程を有する様々な反応においても、特殊で高価なレーザ照射装置等を必要とすることなく、安価に実現することが可能となる。
以下、本発明の複合金属ナノ粒子を含有する多光子吸収材料における該複合金属ナノ粒子の製造方法〔9〕、および多光子吸収材料に含有されて該多光子吸収材料の反応を助長する複合金属ナノ粒子からなる反応助剤〔10〕における複合金属ナノ粒子の製造方法について併せて説明する。
金ナノロッドの分散液は、電解法、光還元法、化学還元法等何れの方法で作成したものでもよいが、銀原料として硝酸銀を添加するため、アルカリ性の分散液は予め中和する必要がある。銀原料を投入後、アスコルビン酸とアミン類を混合することにより、反応はゆっくり進む。典型的には数十分〜数時間後、析出反応が終了する。
また、前記本発明の〔5〕乃至〔8〕のいずれかに記載の反応助剤において、前記反応助剤をなす複合金属ナノ粒子が、前記本発明の〔10〕に記載の製造方法により得られたものであることが望ましい。
以下応用につて例示するが、多光子吸収材料の代表例として主に二光子吸収材料を取り上げて説明する。
先ず、形状異方性を持つコア粒子の表面にプラズモン増強場を発生する異方成長してなる銀が被覆された複合金属ナノ粒子を含有する多光子吸収材料(二光子吸収材料)の三次元記録媒体(三次元多層光メモリ)への応用について説明する。
背景技術で述べたように、非共鳴二光子吸収により得た励起エネルギーを用いて反応を起こし、その結果レーザ焦点(記録)部と非焦点(非記録)部で光を照射した際の発光強度を書き換えできない方式で変調することができれば、三次元空間の任意の場所に極めて高い空間分解能で発光強度変調を起こすことができ、究極の高密度記録媒体と考えられる三次元光記録媒体への応用が可能となる。さらに、非破壊読み出しが可能で、かつ不可逆材料であるため良好な保存性も期待でき実用的である。
しかし、現時点で利用可能な二光子吸収化合物では、二光子吸収能が低いため、光源としては非常に高出力のレーザが必要で、かつ記録時間も長くかかる。特に、三次元光記録媒体に使用するためには、速い転送レート達成のために高感度にて発光能の違いによる記録を二光子吸収により行うことができる二光子吸収三次元光記録材料の構築が必須である。そのためには、高効率に二光子を吸収し励起状態を生成することができる二光子吸収材料(二光子吸収化合物)と、二光子吸収化合物の励起状態を用いて何らかの方法にて二光子吸収光記録材料の発光能の違いを効率的に形成できる記録成分を含む材料が有力であるが、そのような材料は今までほとんど開示されておらず、そのような材料の構築が望まれていた。
基板として好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、樹脂下塗り型ポリエチレンテレフタレート、火炎または静電気放電処理されたポリエチレンテレフタレート、セルロースアセテート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ガラス等である。また、この基板には予めトラッキング用の案内溝やアドレス情報が付与されたものであってもよい。
上記成形方法において塗布の際に使用した溶媒は乾燥時に蒸発除去することができる。蒸発除去には加熱や減圧を用いてもよい。
また、ガラス板を貼合わせてもよい。また、保護層と感光膜の間および/または、基材と感光膜の間に、気密性を高めるために粘着剤または液状物質を存在させてもよい。さらに感光膜間の保護層(中間層)にも予めトラッキング用の案内溝やアドレス情報が付与されたものであってもよい。
前述のような二光子吸収光記録材料を多層として構成することにより、三次元記録媒体(三次元多層光記録媒体)が提供される。
上述した三次元多層光記録媒体の任意の層に焦点を合わせ、記録再生を実施することで、三次元記録媒体として機能する。また、層間を保護層(中間層)で区切っていなくとも、二光子吸収色素特性から深さ方向の三次元記録が可能である。
上述した二光子吸収光記録材料の任意の層に焦点を合わせ、記録再生を実施することで、三次元記録媒体として機能する。また、層間を保護層(中間層)で区切っていなくとも、二光子吸収色素特性から深さ方向の三次元記録が可能である。
三次元多層光メモリの記録/再生のシステム概略図を図1(a)に、記録媒体の概略断面図を図1(b)に示す。
次に、再生方法であるが、再生用レーザ光源2(記録光ほどハイパワーではなく、半導体レーザも利用可能)からの光を、三次元媒体中にフォーカスする。各層より信号光が発生するが、ピンホール3と検出器4より構成される点検出器で信号光を検出することにより、特定の層からの信号を共焦点顕微鏡の原理を用いて選択的に検出する。以上のような構成により、三次元記録再生は機能する。
上記三次元多層光メモリの記録時は単一ビームが使用され、この場合フェムト秒オーダーの超短パルス光を利用することができる。また再生時は、データ記録に使用するビームとは異なる波長、あるいは低出力の同波長の光を用いることもできる。記録および再生は、ビット単位/ページ単位のいずれにおいても実行可能であり、面光源や二次元検出器等を利用する並行記録/再生は、転送レートの高速化に有効である。
なお、本発明に従い同様に形成される三次元多層光メモリの形態としては、カード状、プレート状、テープ状、ドラム状等が考えられる。
次に、形状異方性を持つコア粒子の表面にプラズモン増強場を発生する異方成長してなる銀が被覆された複合金属ナノ粒子(反応助剤)を含有する多光子吸収材料(二光子吸収材料)の光造形用材料への応用について説明する。
図2の概念図に示す二光子光造形法のための装置(光造形システム)を参照して光造形用材料を用いた光造形について説明する。
図2に示す装置では、光硬化性樹脂液9に対して透明性を有する近赤外パルスレーザ光の光源1からの光をミラースキャナー5を通した後、レンズを用いて光硬化性樹脂液9中に集光させ、レーザスポットを走査し、二光子吸収を誘起することによって焦点近傍のみにおいて樹脂を硬化させ、任意の三次元構造を形成するように構成されている。つまり、二光子光造形法(二光子マイクロ光造形方法)により光造形される。
ここで、光硬化性樹脂液9は、本発明の複合金属ナノ粒子(反応助剤)と二光子吸収材料(重合開始剤あるいは光増感剤等)を含む高感度な二光子光造形用光硬化性樹脂である。尚、二光子光造形用光硬化性樹脂とは、後述のように、光を照射することで二光子重合反応を起こし、液体から固体へと変化する樹脂である。
このように、パルスレーザ光をレンズによって集光させ二光子吸収を誘起することで、集光点近傍に光吸収を限定し、ピンポイント的に樹脂を硬化させることが可能となる。集光点はZステージ6とガルバノミラーによって光硬化樹脂液内を自由に移動させることができるため、光硬化性樹脂液内において目的とする三次元加工物(光造形物10)を自在に形成することができる。
なお、図2において、符号3は透過光量を時間的にコントロールするシャッター、符号4はNDフィルター、符号7は集光手段としてのレンズ、符号8はコンピュータを示す。
(1)回折限界をこえる加工分解能:二光子吸収の光強度に対する非線形性によって、光の回折限界を超えた加工分解能を実現できる。
(2)超高速造形:二光子吸収を利用した場合、焦点以外の領域では、光硬化性樹脂が原理的にも硬化しない。このため照射させる光強度を大きくし、ビームのスキャン速度を速くすることができる。このため、造形速度を約10倍向上することができる。
(3)三次元加工:光硬化性樹脂は、二光子吸収を誘起する近赤外光に対して透明である。したがって、焦点光を樹脂の内部へ深く集光した場合でも、内部硬化が可能である。従来の方法(SIH)では、ビームを深く集光した場合、光吸収によって集光点の光強度が小さくなり、内部硬化が困難になる問題点が、本発明ではこうした問題点を確実に解決することができる。
(4)高い歩留り:従来法では樹脂の粘性や表面張力によって造形物が破損、変形するという問題があったが、本手法では、樹脂の内部で造形を行うのでこうした問題は解消される。
(5)大量生産への適用:超高速造形を利用することによって、短時間に、連続的に多数個の部品あるいは可動機構の製造が可能である。
光を照射すると、複合金属ナノ粒子の表面にプラズモン増強場が発生し、このプラズモン増強場で増強された照射光を、重合開始剤または光増感材料が二光子吸収し、重合開始剤から直接、または光増感材料を介して反応種が発生し、オリゴマー、反応性希釈剤の反応基に反応し、重合を開始させる。その後これらの間で連鎖的重合反応を起こし三次元架橋が形成され、短時間のうちに三次元網目構造を持つ固体樹脂へと変化する。
これらの特性は本手法においても同様に重要であり、そのため、積層式立体造形用に開発された樹脂で二光子吸収特性を有するものは、本手法の二光子光造形用光硬化性樹脂としても使用できる。その具体的な例としては、アクリレート系およびエポキシ系の光硬化性樹脂が良く用いられ、特にウレタンアクリレート系の光硬化性樹脂が好ましい。
従って、パルスレーザ光としては、感光性高分子の種類、または、感光性高分子における感光性機能を発揮する基又は部位の種類などに応じて、その波長領域を適宜選択することができる。特に、光源から発光されるパルスレーザ光の波長が、感光性高分子膜に感光性機能を発揮させる波長領域でなくても、パルスレーザ光の照射に際して、多光子吸収過程を利用することにより、感光性高分子膜に感光性機能を発揮させることが可能となる。
尚、感光性高分子膜の表面に、パルスレーザ光をマスクを介さずに干渉露光させる手法としては、例えば、特開2005−134873号公報に記載されている例が挙げられる。
次に、形状異方性を持つコア粒子の表面にプラズモン増強場を発生する異方成長してなる銀が被覆された複合金属ナノ粒子を含有する二光子吸収材料の二光子蛍光顕微鏡への応用について説明する。
二光子励起レーザ走査顕微鏡(二光子蛍光顕微鏡)とは、近赤外パルスレーザを標本面上に集光して走査させ、そこでの二光子吸収により励起されて発生する蛍光を検出することにより像を得る顕微鏡である。図3の概念図に、二光子励起レーザ走査顕微鏡(二光子蛍光顕微鏡)の基本構成を示す。
図3の二光子蛍光顕微鏡は、近赤外域波長のサブピコ秒の単色コヒーレント光パルスを発するレーザ光源1と、レーザ光源からの光束を所望の大きさに変える光束変換光学系2と、光束変換光学系で変換された光束を対物レンズの像面に集光し走査させる走査光学系3と、集光された上記変換光束を標本面5上に投影する対物レンズ系4と、光検出器7を備えている。
このような構成により、二光子吸収そのものの非線形効果を利用して、光軸方向の高分解能を得ることができる。加えて、共焦点ピンホール板を用いれば、さらなる高分解能(面内、光軸方向共)が得られる。
この場合の走査型蛍光顕微鏡は、所望の大きさに拡大されたコリメート光を発するレーザ照射光学系と、複数の集光素子が形成された基板とを備え、該集光素子の集光位置が対物レンズ系の像位置に一致するように配され、かつ、前記の集光素子が形成された基板と対物レンズ系との間に、長波長を透過し短波長を反射するビームスプリッタが配され、標本面で多光子吸収による蛍光を発生させることを特徴とするものである。このような構成により、多光子吸収そのものの非線形効果を利用して、光軸方向の高分解能を得ることができる。加えて、共焦点ピンホール板を用いれば、さらなる高分解能(面内、光軸方向共)が得られる。このような二光子光学素子は上述の光制御素子と全く同様に本発明の高い二光子吸収能を有した材料、薄膜、もしくは光硬化性樹脂等に分散させた固体物を光学素子として用いることが可能である。
先ず、以下に示す光還元法手法により、金ナノロッドを作成した後にその表面に銀を被覆して複合金属ナノ粒子を作成した。
原料溶液としてCTAB(臭化セチルトリメチルアンモニウム)水溶液0.18(mol/l)70ml、シクロヘキサン0.36ml、アセトン1ml、硝酸銀水溶液0.01(mol/l)1.5mlを加えマグネットスターラーにより攪拌した。更に、塩化金酸溶液0.024(mol/l)2mlを加えた後、アスコルビン酸水溶液0.1(mol/l)0.4mlを加え、塩化金酸溶液の色が消えたことを確認した。
次に、直径100mmのシャーレーに混合用液を移し、254nmの紫外線を低圧水銀ランプ(アズワン社製、SUV−16)により約20分照射した。この工程により、金ナノロッドの安定な分散液が完成した。透過電子顕微鏡による観測の結果、得られた金ナノロッドの平均的な粒子形状は、長径50nm、短径12nmであり、形状異方性を持つ粒子であることが確認された。
尚、本例では光還元法により合成した金ナノロッドを示したが、電解法、種粒子からの成長など各種合成法による金ナノロッドが使用可能なのは言うまでも無い。また、成長条件を変えることにより、粒子形状、例えば、長径の異なる金ナノロッドを容易に得ることが可能である。
上記完成した金ナノロッド分散液6mlに、硝酸銀水溶液0.1(mol/l)50μl、ポリエチレンイミン(平均分子量600)20μlを加え、攪拌した。約2時間後、金ナノロッド分散液の吸光度(図4参照)変化(スペクトルシフト)が観察され、金ナノロッド表面に銀が異方成長して被覆(異方性銀被覆)されていることを確認した。
本実施例では、金ナノロッドの合成段階で、還元剤としてアスコルビン酸を用いており、追加投入することなく反応が進行した。また、アミン類の代わりに、アミノ基を持つ材料の不純物として存在するアミン類を用いた。
上記で作成した異方性銀被覆金ナノロッドの透過電子顕微鏡観察を行った。
観察結果を図5の透過電子顕微鏡写真に示す。図5から明らかなように金ナノロッド表面に、異方性を持った銀が析出し被覆していることが確認された。尚、図5において、形状異方性を持つ各粒子が複合金属ナノ粒子であり、略、濃色部分が銀であり、明色部分が金ナノロッドの表面である。
先ず、以下に示す化学還元法により、金ナノロッドを作成した後にその表面に銀を被覆して複合金属ナノ粒子を作成した。
原料溶液としてCTAB(臭化セチルトリメチルアンモニウム)水溶液0.18(mol/l)70ml、シクロヘキサン0.36ml、アセトン1ml、硝酸銀水溶液0.01(mol/l)1.5mlを加えマグネットスターラーにより攪拌した。更に、塩化金酸溶液0.024(mol/l)2mlを加えた後、水素化硼素ナトリウム水溶液0.01(mol/l)0.4ml、トリエチルアミン0.02mlを加えた後、攪拌を停止し、48時間静置し、金ナノロッド分散液が完成した。
実施例1と同様にして、得られた金ナノロッドの平均的な粒子形状を透過電子顕微鏡により観測した結果、形状異方性を持つ粒子であることが確認された。
上記完成した金ナノロッド分散液6mlに、硝酸銀水溶液0.1(mol/l)50μl、ブチルアミン20μl、アスコルビン酸水溶液0.1(mol/l)20μlを加え、攪拌した。約2時間後、金ナノロッド分散液の吸光度(図6参照)変化(スペクトルシフト)が観察され、金ナノロッド表面に銀が異方成長して被覆(異方性銀被覆)されていることを確認した。
上記で作成した異方性銀被覆金ナノロッドの透過電子顕微鏡観察を行った結果、実施例1と同様に金ナノロッド表面に、異方性を持った銀が析出し被覆していることが確認された。
上記で作成した異方性銀被覆金ナノロッド(銀被覆複合ナノ粒子2)と二光子蛍光色素を混合した評価溶液(分散液)を調製して二光子蛍光測定を行った。二光子蛍光の増強度を下記表1に示す。
<評価溶液の調製>
銀被覆複合ナノ粒子2分散液2mlに、界面活性剤であるドデカンチオールのアセトン溶液1vol%、4mlを加え攪拌し、更にシクロヘキサン4mlを加え攪拌後静置した。銀被覆複合ナノ粒子1はシクロヘキサン中に安定に分散した。これと下記構造式(1)で表される二光子蛍光色素を混合して評価溶液を調製した。
銀被覆複合ナノ粒子2と二光子蛍光色素の混合分散液を光路長1mmの光学セルに入れ、測定試料とした。
二光子励起光源には赤外線フェムト秒レーザ、スペクトラフィジックス社製MaiTai(波長780nm)を用い、焦点距離100mmの集光レンズで混合溶液中にそれぞれ集光点を結び、二光子励起の蛍光を測定した。
それぞれの溶液で励起光強度が2倍となると蛍光強度が4倍となる2乗効果が観測され、二光子吸収蛍光であることが確認された。
銀被覆複合ナノ粒子1と二光子蛍光色素の混合分散液について、二光子蛍光の増強度を下記表1に示す(励起光強度は、平均出力80mWである)。
尚、増強度の評価は、後述の比較例1に示した二光子蛍光色素溶液との比較を基準としている。評価における記号の意味は次のようである。
◎:著しく増強効果が認められたもの
○:増強効果が認められたもの
△:基準溶液と同程度の蛍光強度を示したもの。
〔金ナノロッド分散液の作成〕
原料溶液としてCTAB(臭化セチルトリメチルアンモニウム)水溶液0.18(mol/l)70ml、シクロヘキサン0.36ml、アセトン1ml、硝酸銀水溶液0.01(mol/l)1.5mlを加えマグネットスターラーにより攪拌した。更に、塩化金酸溶液0.024(mol/l)2mlを加えた後、水素化硼素ナトリウム水溶液0.01(mol/l)0.4ml、トリエチルアミン0.02mlを加えた後、攪拌を停止し、48時間静置し、金ナノロッド分散液が完成した。
〔金ナノロッドの表面に銀を被覆した複合金属ナノ粒子の作成〕
上記完成した金ナノロッド分散液6mlに、硝酸銀水溶液0.1(mol/l)50μl、ブチルアミン20μl、アスコルビン酸水溶液0.1(mol/l)20μlを加え、攪拌した。約2時間後、金ナノロッド分散液の吸光度(図6参照)変化(スペクトルシフト)が観察され、金ナノロッド表面に銀が異方成長して被覆(異方性銀被覆)されていることを確認した。
実施例2と同じ条件で作成した金ナノロッド分散液を用いて、以下の条件で金ナノロッド表面に銀の析出を試みた。
すなわち、実施例2と同じ条件で作成した金ナノロッド分散液6mlに、硝酸銀水溶液0.1(mol/l)50μl、ブチルアミン20μl、水素化硼素ナトリウム0.01(mol/l)100μlを加え、攪拌した。約2時間後、実施例2と同様に金ナノロッド分散液の吸光度変化を調べたところ、金ナノロッド分散液のスペクトル変化は認められなかった。
本例において用いた水素化硼素ナトリウムは、実施例で用いたアスコルビン酸より一般に還元力が強いにもかかわらず銀の析出は認められなかった(透過電子顕微鏡観察)。
[評価2]
上記で作成した銀が被覆されていない金ナノロッドと前記二光子蛍光色素を混合した評価溶液(分散液)を調製し、実施例2の二光子蛍光測定と同様にして評価を行った。二光子蛍光の増強度を下記表1に示す。
このことから、本発明におけるアスコルビン酸とアミン類の組み合わせが、金ナノロッド表面に銀を異方成長させる際に極めて有効であることが示された。
実施例2で作成した異方性銀被覆金ナノロッド分散液3mlに、3−アミノプロピルエチルジエトキシシランのアセトン溶液5vol%、0.5mlを加え、80℃で2時間加熱処理し、異方性銀被覆金ナノロッド表面にSiO2皮膜を形成した(絶縁層により被覆された銀被覆複合ナノ粒子3)。
上記で作成した絶縁層により被覆された銀被覆複合ナノ粒子3と前記二光子蛍光色素を混合した評価溶液(分散液)を調製し、実施例2の二光子蛍光測定と同様にして評価を行った。二光子蛍光の増強度を下記表1に示す。
実施例1の光還元法と同様に作成した金ナノロッドをそのまま用い(金ナノロッド表面に銀を被覆しないもの)、この金ナノロッドと前記二光子蛍光色素を混合した評価溶液(分散液)を調製して実施例1と同様にして二光子蛍光測定を行ったところ、増強度に顕著な効果は認められなかった。
1 記録用レーザ光源
2 再生用レーザ光源
3 ピンホール
4 検出器
5 対物レンズ
6 三次元記録媒体
7 基板A
8 基板B又は反射層
9 記録ビット
10 記録層
11 多層ディスク
12 中間層
13 記録用レーザ光
(図2の符号)
1 光硬化樹脂に対して透明性を有する近赤外パルスレーザ光の光源
3 過光量を時間的にコントロールするシャッター
4 NDフィルター
5 ミラースキャナー
6 Zステージ
7 集光手段としてのレンズ
8 コンピュータ
9 光硬化性樹脂液
10 光造形物
(図3の符号)
1 レーザ光源
2 光束変換光学系
3 走査光学系
4 対物レンズ系
5 標本面
6 ダイクロイックミラー
7 光検出器
Claims (12)
- 形状異方性を持つコア粒子の表面にプラズモン増強場を発生する金属が被覆された複合金属ナノ粒子を含有する多光子吸収材料において、
前記複合金属ナノ粒子の被覆金属が、前記形状異方性を持つコア粒子の表面に異方成長してなる銀であることを特徴とする多光子吸収材料。 - 前記異方成長してなる銀の異方性が、前記形状異方性を持つコア粒子の方位と一致していることを特徴とする請求項1に記載の多光子吸収材料。
- 前記形状異方性を持つコア粒子が、金ナノロッドであることを特徴とする請求項1または2に記載の多光子吸収材料。
- 前記複合金属ナノ粒子の表面が、絶縁層により被覆されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の多光子吸収材料。
- 多光子吸収材料に含有されて該多光子吸収材料の反応を助長する反応助剤において、
前記反応助剤は、形状異方性を持つコア粒子の表面にプラズモン増強場を発生する金属が被覆された複合金属ナノ粒子からなり、
前記複合金属ナノ粒子の被覆金属が、前記形状異方性を持つコア粒子の表面に異方成長してなる銀であることを特徴とする反応助剤。 - 前記異方成長してなる銀の異方性が、前記形状異方性を持つコア粒子の方位と一致していることを特徴とする請求項5に記載の反応助剤。
- 前記形状異方性を持つコア粒子が、金ナノロッドであることを特徴とする請求項5または6に記載の反応助剤。
- 前記複合金属ナノ粒子の表面が、絶縁層により被覆されていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の反応助剤。
- 形状異方性を持つコア粒子の表面にプラズモン増強場を発生する異方成長してなる銀が被覆された複合金属ナノ粒子を含有する多光子吸収材料における該複合金属ナノ粒子の製造方法であって、
少なくとも金ナノロッド、硝酸銀、アスコルビン酸およびアミン類を含む成長溶液の還元反応により、前記金ナノロッド表面に銀を異方成長させることを特徴とする複合金属ナノ粒子の製造方法。 - 多光子吸収材料に含有されて該多光子吸収材料の反応を助長する複合金属ナノ粒子からなる反応助剤における該反応助剤の製造方法であって、
前記反応助剤は、形状異方性を持つコア粒子の表面にプラズモン増強場を発生する異方成長してなる銀が被覆された複合金属ナノ粒子からなり、
少なくとも金ナノロッド、硝酸銀、アスコルビン酸およびアミン類を含む成長溶液の還元反応により、前記金ナノロッド表面に銀を異方成長させることを特徴とする反応助剤の製造方法。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の多光子吸収材料において、前記多光子吸収材料に含有される複合金属ナノ粒子が、請求項9に記載の製造方法により得られたものであることを特徴とする多光子吸収材料。
- 請求項5乃至8のいずれかに記載の反応助剤において、前記反応助剤をなす複合金属ナノ粒子が、請求項10に記載の製造方法により得られたものであることを特徴とする反応助剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009042996A JP2010197746A (ja) | 2009-02-25 | 2009-02-25 | 多光子吸収材料および反応助剤並びにそれらの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009042996A JP2010197746A (ja) | 2009-02-25 | 2009-02-25 | 多光子吸収材料および反応助剤並びにそれらの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010197746A true JP2010197746A (ja) | 2010-09-09 |
Family
ID=42822523
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009042996A Pending JP2010197746A (ja) | 2009-02-25 | 2009-02-25 | 多光子吸収材料および反応助剤並びにそれらの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010197746A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20150133873A (ko) * | 2014-05-20 | 2015-12-01 | 서울대학교산학협력단 | 금속증강형광용 코어-쉘 나노 복합체 |
JP2017097004A (ja) * | 2015-11-18 | 2017-06-01 | 日本電信電話株式会社 | 光素子の製造方法 |
CN109540854A (zh) * | 2018-11-03 | 2019-03-29 | 复旦大学 | 增强近红外波段荧光信号的纳米金属结构及其制备方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004256915A (ja) * | 2003-02-07 | 2004-09-16 | Nippon Paint Co Ltd | 複合金属コロイド粒子および溶液、ならびにその製造方法 |
JP2006330683A (ja) * | 2005-04-27 | 2006-12-07 | Ricoh Co Ltd | 多光子吸収材料を用いた色素材料、色素溶液、多光子吸収材料を構成する金ナノロッド、及び金ナノロッドの製造方法。 |
WO2007046406A1 (ja) * | 2005-10-19 | 2007-04-26 | Fujifilm Corporation | 形状異方性金属微粒子の製造方法、着色組成物、感光性転写材料、黒色画像付き基板、カラーフィルター、並びに液晶表示素子 |
-
2009
- 2009-02-25 JP JP2009042996A patent/JP2010197746A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004256915A (ja) * | 2003-02-07 | 2004-09-16 | Nippon Paint Co Ltd | 複合金属コロイド粒子および溶液、ならびにその製造方法 |
JP2006330683A (ja) * | 2005-04-27 | 2006-12-07 | Ricoh Co Ltd | 多光子吸収材料を用いた色素材料、色素溶液、多光子吸収材料を構成する金ナノロッド、及び金ナノロッドの製造方法。 |
WO2007046406A1 (ja) * | 2005-10-19 | 2007-04-26 | Fujifilm Corporation | 形状異方性金属微粒子の製造方法、着色組成物、感光性転写材料、黒色画像付き基板、カラーフィルター、並びに液晶表示素子 |
Non-Patent Citations (4)
Title |
---|
JPN6013030859; C. S. Ah, et al.: 'Preparation of AucoreAgshell Nanorods and Characterization of Their Surface Plasmon Resonances' The Journal of Physical Chemistry B Vol.105, No.33, 20010823, pp.7871-7873 * |
JPN6013030860; C. -C. Huang, et al.: 'Synthesis of Dumbbell-Shaped Au-Ag Core-Shell Nanorods by Seed-Mediated Growth under Alkaline Condit' Langmuir Vol.20, 20040624, pp.6089-6092 * |
JPN6013030861; Y. Xiang, et al.: 'Gold Nanorod-Seeded Growth of Silver Nanostructures: From Homogeneous Coating to Anisotropic Coating' Langmuir Vol.24, 20080223, pp.3465-3470 * |
JPN7013002382; J. H. Song, et al.: 'Crystal Overgrowth on Gold Nanorods: Tuning the Shape, Facet, Aspect Ratio, and Composition of the N' Chemistry - A European Journal Vol.11, Issue 3, 20050121, pp.910-916 * |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20150133873A (ko) * | 2014-05-20 | 2015-12-01 | 서울대학교산학협력단 | 금속증강형광용 코어-쉘 나노 복합체 |
KR101597894B1 (ko) | 2014-05-20 | 2016-02-26 | 서울대학교산학협력단 | 금속증강형광용 코어-쉘 나노 복합체 |
US11060021B2 (en) | 2014-05-20 | 2021-07-13 | Snu R&Db Foundation | Core-shell nanocomposite for metal-enhanced fluorescence |
JP2017097004A (ja) * | 2015-11-18 | 2017-06-01 | 日本電信電話株式会社 | 光素子の製造方法 |
CN109540854A (zh) * | 2018-11-03 | 2019-03-29 | 复旦大学 | 增强近红外波段荧光信号的纳米金属结构及其制备方法 |
CN109540854B (zh) * | 2018-11-03 | 2023-06-27 | 复旦大学 | 增强近红外波段荧光信号的纳米金属结构及其制备方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5117679B2 (ja) | 多光子吸収材料を用いた色素材料、色素材料の製造方法、多光子吸収反応材料、多光子吸収反応材料の反応生成物、多光子吸収反応助剤、および色素溶液 | |
JP5157284B2 (ja) | 光増感型複合材料及び三次元メモリ材料と記録媒体、光制限材料と素子、光硬化材料と光造形システム、多光子蛍光顕微鏡用蛍光材料と装置 | |
TWI489193B (zh) | 多光子吸收機能性材料,具有多光子吸收機能之複合層及混合物,以及彼等之用途 | |
JP2009221563A (ja) | 金ナノロッドとその製造方法、金ナノロッドを用いた電磁波吸収体、色材、光記録材料および二光子反応材料 | |
JP5417684B2 (ja) | 混合物、これを用いた光記録媒体、光電変換素子、光制限素子、及び光造形システム | |
US20090075014A1 (en) | Optical recording method and reproducing method | |
JP5151097B2 (ja) | 複合金属ナノ粒子、複合金属ナノ粒子を含む多光子吸収反応材料と反応生成物、複合金属ナノ粒子を含む多光子吸収反応助剤 | |
EP2243783B1 (en) | Bisporphyrin conjugates as two photon absorption materials | |
JP2010197746A (ja) | 多光子吸収材料および反応助剤並びにそれらの製造方法 | |
JP2008058209A (ja) | 複合金属ナノ粒子、複合金属ナノ粒子を含む多光子吸収反応材料と反応生成物、複合金属ナノ粒子を含む多光子吸収反応助剤 | |
JP4605796B2 (ja) | 多光子吸収機能材料、及びこれを用いた光記録媒体、光制限素子、及び光造形システム | |
JP5343479B2 (ja) | 二光子吸収有機材料とその用途 | |
JP4963367B2 (ja) | 二光子吸収材料 | |
JP2011058050A (ja) | 複合金属ナノ粒子とその製造方法および複合金属ナノ粒子を含む多光子吸収材料または多光子吸収反応助剤 | |
JP5610114B2 (ja) | 複合部材、複合部材を具備した光造形システム | |
JP5151124B2 (ja) | 光制限素子及び光造形システム | |
JP5339242B2 (ja) | 二光子吸収材料とその用途 | |
JP2008163184A (ja) | 二光子吸収材料とその用途 | |
JP5047651B2 (ja) | 二光子吸収材料とその用途 | |
JP2013241415A (ja) | 二光子吸収材料とその用途 | |
CN101166793A (zh) | 染料、染料溶液和使用它们的多光子吸收反应材料、反应产物、多光子吸收反应材料、金纳米棒和金纳米棒的制造方法 | |
JP2009053247A (ja) | 二光子吸収混合物及び光記録媒体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120126 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120619 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20130522 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130625 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20131022 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |