JP2017097004A - 光素子の製造方法 - Google Patents

光素子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017097004A
JP2017097004A JP2015225581A JP2015225581A JP2017097004A JP 2017097004 A JP2017097004 A JP 2017097004A JP 2015225581 A JP2015225581 A JP 2015225581A JP 2015225581 A JP2015225581 A JP 2015225581A JP 2017097004 A JP2017097004 A JP 2017097004A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical element
manufacturing
metal fine
resin layer
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015225581A
Other languages
English (en)
Inventor
一善 小野
Kazuyoshi Ono
一善 小野
知巳 阪田
Tomomi Sakata
知巳 阪田
亮一 笠原
Ryoichi Kasahara
亮一 笠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2015225581A priority Critical patent/JP2017097004A/ja
Publication of JP2017097004A publication Critical patent/JP2017097004A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】局在表面プラズモン共鳴を発現する光素子の簡易な作製方法を提供する。【解決手段】本発明に係る光素子の製造方法は、透過性を有する樹脂から構成された樹脂層(2)を形成する第1工程と、金属微粒子(3a)が分散した分散液を樹脂層上に塗布することにより、金属微粒子(3a)を上記樹脂層上に配置する第2工程と、透明な樹脂を金属微粒子が配置された樹脂層上に塗布することにより、新たな樹脂層(4)を形成する第3工程とを含むことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、非線形光学効果を発現する光素子の製造方法に関し、例えば、局在表面プラズモン共鳴に基づく非線形光学効果を発現する光素子の製造方法に関する。
従来から、電場に応じて電気分極が2次、3次の非線形応答を示す非線形光学材料が知られている。非線形光学材料は、上記非線形応答に起因して光高調波の発生や光パラメトリック増幅等の非線形光学効果を発現することから、例えば、光波長変換素子や光シャッター等としてレーザー発振装置等に広く利用されている。特に、近年は、高速スイッチング素子、光論理ゲート、および光トランジスター等に必要不可欠な材料として注目されており、様々の非線形光学材料の研究開発が活発に行われている。
それらの非線形光学材料の中でも、金や銀等の貴金属微粒子を分散させたガラスは、可視光領域において局在表面プラズモン共鳴による特有の光吸収を示し、更に非線形光学応答も高速であることから、有力な非線形光学材料として期待されている(例えば、非特許文献1参照)。
このような局在表面プラズモン共鳴が起こる非線形光学材料の製造方法としては、例えば、溶融急冷法を用いた方法(非特許文献2参照)や、ゾルゲル法を用いた方法(非特許文献3参照)が知られている。
「Ultrafast response of nonlinear refractive index of silver nanocrystals embedded in glass」,Y. Hamanaka, A. Nakamura, S. Omi, N. Del Fatti, F. Vallee, and C. Flytzanis, VOLUME 75, NUMBER 12, American institute of Physics, 20 SEPTEMBER 1999. 「Optical nonlinearities of a high concentration of small metal particles dispersed in glass: copper and silver particles」, K. Uchida, S. Kaneko, S. Omi, C. Hata, H. Tanji, Y. Asahara, A. J. Ikushima, T. Tokizaki, and A. Nakamura, JOSA B, Vol. 11, Issue 7, pp. 1236-1243 ,1994. 「Silver nanocrystals in silica by sol-gel processing」, G. Dea, A. Licciullia, C. Massaroa, L. Tapfera, M. Catalanob, G. Battaglinc, C. Meneghinid, and P. Mazzoldid, Journal of Non-Crystalline Solids, Volume 194, Issue 3, 1 February 1996, PP. 225-234. "有機非線形光学(NLO)材料(光機能性材料)/Organic Nonlinear Optical(NLO) Materials" 、[online]、東京化成工業株式会社、[平成27年10月19日検索]、インターネット<URL:http://www.tcichemicals.com/eshop/ja/jp/category_index/03066/> "サイトップ 光学特性"、[online]、旭硝子株式会社、[平成27年10月19日検索]、インターネット<URL:http://www.agc.com/kagaku/shinsei/cytop/optical.html> 「Multichannel Transmission Through a Gold Strip Plasmonic Waveguide Embedded in Cytop」、Behnam Banan, Mohammed Shafiqul Hai, Ewa Lisicka-Skrzek, Pierre Berini, and Odile Liboiron-Ladouceur, IEEE Photonics Journal, Vol.5, Number 3, June 2013, 2201811. 「有機非線形光学材料」、渡辺修、豊田中央研究所 R&D レビュー Vol.27 No.1 1992.3. 「比表面積,細孔分布,粒度分布測定」、野呂純二、加藤淳,日本分析化学会 ぶんせき 2009.7. "金ナノコロイドのナノ粒子径測定とゼータ電位測定"、[online]、株式会社島津テクノリサーチ、[平成27年10月19日検索]、インターネット<URL: http://www.shimadzu-techno.co.jp/technical/colloidal_gold_zeta.html>
しかしながら、従来の溶融急冷法やゾルゲル法等を用いた、局在表面プラズモン共鳴が起こる非線形光学材料の製造方法では、製造プロセスが煩雑となり、製造コストが大きくなるという課題があった。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、局在表面プラズモン共鳴を発現する光素子の簡易な作製方法を提供することにある。
本発明に係る光素子の製造方法は、透過性を有する樹脂から構成された樹脂層(2)を形成する第1工程と、金属微粒子(3a)が分散した分散液を樹脂層上に塗布することにより、金属微粒子(3a)を上記樹脂層上に配置する第2工程と、透過性を有する樹脂を金属微粒子が配置された樹脂層上に塗布することにより、新たな樹脂層(4)を形成する第3工程とを含むことを特徴とする。
上記光素子の製造方法において、第2工程と第3工程とを繰り返し、金属微粒子から成る金属微粒子層(3_1〜3_n)を複数形成してもよい。
上記光素子の製造方法において、全ての樹脂層を同一の樹脂によって形成してもよい。
なお、上記説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の構成要素を、括弧を付した参照符号によって表している。
本発明によれば、局在表面プラズモン共鳴を発現する光素子の簡易な作製方法を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る光素子の断面を模式的に示す図である。 図2Aは、本発明の実施の形態に係る光素子の製造方法を説明するための図である。 図2Bは、本発明の実施の形態に係る光素子の製造方法を説明するための図である。 図2Cは、本発明の実施の形態に係る光素子の製造方法を説明するための図である。 図3は、本発明の一実施の形態に係る光素子の製造方法によって作製される別の光素子の断面を模式的に示す図である 図4は、本発明の実施の形態に係る光素子の製造方法で用いたAuナノ粒子を含むナノコロイド溶液から構成されたサンプルの分光スペクトルの測定結果を示す図である。 図5は、本発明の実施の形態に係る光素子の製造方法によって作製した光素子の分光スペクトルの測定結果を示す図である。 図6は、本発明の実施の形態に係る光素子の製造方法によって作製した光素子の分光スペクトルの測定結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
〈光素子の構成〉
図1は、本発明の一実施の形態に係る光素子の製造方法によって作製される光素子の断面を模式的に示す図である。
同図には、一例として、本実施の形態に係る光素子の積層構造の一部が図示されている。
同図に示される光素子100は、局在表面プラズモン共鳴による光吸収に基づく非線形光学効果を発現する素子であり、例えば、光波長変換素子、光シャッター、高速スイッチング素子、光論理ゲート、および光トランジスター等に適用することができる。
同図に示されるように、光素子100は、基板1と、基板1上に形成された樹脂層2と、樹脂層2上に配置された金属微粒子3aと、金属微粒子3aが配置された樹脂層2上に形成された樹脂層4とを有している。
本明細書では、複数の金属微粒子3aが分散している平面(レイヤー)を金属微粒子層3と称する。
具体的には、金属微粒子層3は樹脂層2上に直接形成され、樹脂層4は金属微粒子層3を直接覆って形成されている。換言すれば、金属微粒子層3は、金属微粒子が樹脂と密着し、樹脂層2と樹脂層4に挟まれて形成されている。
基板1は、少なくとも可視光に対する透過率が高い材料(例えば透過率80%以上)から構成されている。基板1は、例えば石英ガラス基板である。
樹脂層2,4は、透過性を有する樹脂から構成されている。上記樹脂は、少なくとも光素子100がターゲットにしている波長範囲において透過率が高く(例えば透過率80%以上)、低屈折率且つ低損失の樹脂であることが好ましい。上記樹脂としては、例えば、基板1上に塗布し易いフッ素環状重合体等を例示することができる。
金属微粒子層3は、上記樹脂上に一様に分散された複数の金属微粒子3aから構成されている。金属微粒子層3を構成する各金属微粒子3aは、樹脂層4によって覆われている。
金属微粒子3aとしては、光素子100の用途に応じた表面プラズモン共鳴を発現する金属材料であればよく、例えば、金(Au)および銀(Ag)等の貴金属材料や銅(Cu)を用いることができる。
金属微粒子3aの粒子径は、所望の局在表面プラズモン共鳴を発現する粒径であればよく、例えば、公知の動的光錯乱法(非特許文献8,9参照)により計測した平均粒径(粒度分布の平均値)Xが10nm≦X<100nmの範囲にあればよい。
〈光素子の製造方法〉
次に、図2A〜2Cを用いて、本実施の形態に係る光素子の製造方法について説明する。
(1)基板1の準備
はじめに、下地処理を施した基板1を用意する。例えば、両面鏡面研磨加工を施した厚さ0.7mmの石英ガラス基板をダイシング法等によって切断し、縦2cm、横0.7cmの短冊状の複数のチップを作製する。その後、夫々のチップに対して、例えば強酸性の溶液で洗浄した後、例えばフッ酸水溶液中に浸漬させ、その後水洗処理を施すことにより、夫々のチップの表面に付着しているパーティクルを除去する。以上の下地処理を施した1つのチップを基板1として用いる。
(2)樹脂層2の形成
次に、基板1上に樹脂層2を形成する(第1工程)。
具体的には、先ず、光素子100の第1の母材である樹脂層2を構成する有機材料を溶質とする溶液を用意する。
より具体的には、フッ素環状重合体を含フッ素有機溶媒に溶解させた溶液を用意し、その溶液を所定量採取する。その後、採取した溶液を更に上記含フッ素有機溶媒で希釈し、含フッ素環状重合体溶液を作製する。例えば、フッ素環状重合体である比誘電率2.1の旭硝子社製CYTOP(サイトップ;登録商標)を含フッ素有機溶媒としての旭硝子社製の溶媒CT−solv180に溶解させた旭硝子社製のCYTOP溶液CTL−813Aを用意する。そして、そのCYTOP溶液CTL−813Aを10gを採取し、30gの上記溶媒CT−solv180で希釈する。これにより、質量比1:3の含フッ素環状重合体溶液が得られる。本実施の形態では、上記の方法により調合した上記含フッ素環状重合体溶液を用いた。
ここで、CYTOPは、例えば非特許文献5に示されるように、可視光に対する透過率が高く、低屈折率且つ低損失の光学特性を有し、塗布に適した有機材料としてよく知られており、例えば、非特許文献6には、CYTOPを用いたプラズモン光導波路が開示されている。
次に、基板1とサイトップとの密着性を高めるために、基板1上にHMDS(hexamethyldisilazane)を公知のスピンコート法により塗布し、自然乾燥させる。その後、上述の方法で調合した含フッ素環状重合体溶液を、公知のスピンコート法により基板1上に塗布し、オーブンにて所定条件下で加熱処理を施す。これにより、図2Aに示すように、基板1上にフッ素環状重合体(サイトップ)から構成された樹脂層2が形成される。なお、加熱処理の条件については後述する。
(3)金属微粒子層3の形成
次に、樹脂層2上に金属微粒子層3を形成する(第2工程)。
具体的には、第1工程によって形成した樹脂層2上に、目的とする金属微粒子が分散した分散液(ナノコロイド溶液)をスピンコート法によって塗布する。
本実施の形態では、上記分散液として、例えば、平均粒径30nmの金(Au)ナノ粒子が分散したナノコロイド溶液(日本ペイント製、ファインスフェアゴールドW101)を用いた。
その後、所定条件下(例えば100℃、○○時間)で加熱処理を施し、ナノコロイド溶液の水分を蒸発させる。これにより、図2Bに示すように、樹脂層2上に金ナノ粒子から構成された金属微粒子層3を形成することができる。
(4)樹脂層4の形成
次に、金属微粒子層3上に樹脂層4を形成する(第3工程)。
具体的には、先ず、第2工程において作製された、金属微粒子層3が形成された積層構造上に、HMDSを公知のスピンコート法によって塗布し、自然乾燥させる。その後、上記第1工程と同様に、上記含フッ素環状重合体溶液を、公知のスピンコート法により、金属微粒子層3が形成された樹脂層2上に塗布する。
ここで、樹脂層4は、金属微粒子3aを十分に覆うことができる厚さがあればよく、例えば、金属微粒子3aの粒径よりも大きく、且つ数十μm以下の厚さがあればよい。
その後、オーブンにて所定条件下で加熱処理を施す。これにより、図2Cに示すように、金属微粒子層3が形成された樹脂層2上に、金属微粒子3aを覆った含フッ素環状重合体(サイトップ)から構成された樹脂層4が形成される。なお、上記加熱処理の条件については後述する。
以上の処理により、局在表面プラズモン共鳴による光吸収に基づく非線形光学効果を発現する光素子100を作製することができる。
〈複数の金属微粒子層を有する光素子〉
上述の例では、樹脂層上に1つの金属微粒子層を設ける場合を示したが、金属微粒子層を複数設けてもよい。
図3は、本発明の別の実施の形態に係る光素子の断面を模式的に示す図である。
同図に示される光素子101は、複数の金属微粒子層3_1〜3_n(nは1以上の整数。)を有し、光素子100と同様に、局在表面プラズモン共鳴による光吸収に基づく非線形光学効果を発現する。
光素子101は、上述の光素子100と同様に第3工程までの各処理を行った後に、第2工程(図2B)と第3工程(図2C)を交互に繰り返し行うことによって、作製することができる。
具体的には、上記第3工程(図2C)によって樹脂層4_1を形成した後に、上記第2工程と同様に、樹脂層4_1上に目的とする金属微粒子3bが分散した分散液をスピンコート法によって塗布し、加熱処理を施すことにより、金属微粒子層3_2を形成する。その後、上記第3工程と同様に、金属微粒子層3_2が形成された積層構造上にHMDSを公知のスピンコート法によって塗布して自然乾燥させた後、上記含フッ素環状重合体溶液をスピンコート法により金属微粒子層3_2が形成された樹脂層4_1上に塗布し、加熱処理を施すことにより、樹脂層4_2を形成する。これらの処理を所定の回数だけ繰り返し行うことにより、樹脂層2の上に所望の数の金属微粒子層3_1〜3_nが積層された光素子101を作製することができる。
〈光素子の試験結果〉
次に、上述した製造方法によって作製された光素子100,101の分光試験の結果を示す。
上記分光試験では、測定対象のサンプルを石英ガラスセルから構成されたキュベットに封入し、そのキュベットをマルチチャンネル小型分光器(ビー・エー・エス社製SEC2000)のセルホルダにセットすることにより、サンプルの各波長における吸光度(分光スペクトル)を測定した。測定におけるリファレンスとしては、水(H2O)を用いた。
図4は、上述した製造方法で用いたAuナノ粒子を含むナノコロイド溶液(日本ペイント製、ファインスフェアゴールドW101)を超純水(H2O)によって希釈したものをサンプル(液体)とし、そのサンプルの分光スペクトルの測定結果を示す図である。
同図には、超純水に対するAuナノ粒子の分散度(希釈倍率)をパラメータとして変化させた各サンプルの分光スペクトルが示されている。具体的に、参照符号401〜404は、希釈倍率を体積比で5000倍、2500倍、500倍、400倍とした場合の分光スペクトルを表している。
図4から、Auの局在表面プラズモン共鳴による光吸収のピークが波長560nm付近に表れることが理解される。また、Auナノ粒子の希釈倍率が小さく(分散度が大きくなる)ほど、光吸収のピーク値が大きくなることが理解される。
図5,6は、上述した製造方法によって作製された光素子の分光スペクトルの測定結果を示す図である。
図5には、上述した製造方法における第1工程(図2A)および第3工程(図2C)における夫々の加熱処理を温度100℃で15分間実施することによって作製した光素子100,101の分光スペクトルが示されている。また、図6には、上述した製造方法における第1工程(図2A)および第3工程(図2C)における夫々の加熱処理を温度185℃で90分間実施することによって作製した光素子100,101の分光スペクトルが示されている。
図5,6において、参照符号501,601は、基板1上に第1の母材としての樹脂層2のみを形成し、金属微粒子層3を形成していないサンプルの分光スペクトルを表し、参照符号502,602は、金属微粒子層3_nおよび樹脂層4_nを1層(n=1)ずつ設けた光素子100(図1参照)の分光スペクトルを表し、参照符号503,603は、金属微粒子層3_nおよび樹脂層4_nを3層(n=3)ずつ設けた光素子101(図3参照)の分光スペクトルを表している。また、参照符号504,604は、金属微粒子層3_nおよび樹脂層4_nを5層(n=5)ずつ設けた光素子101(図3参照)の分光スペクトルを表し、参照符号505,605は、金属微粒子層3_nおよび樹脂層4_nを7層(n=7)ずつ設けた光素子101(図3参照)の分光スペクトルを表している。
図5,6から、図4に示したAuナノ粒子を含むナノコロイド溶液の分光スペクトルと同様に、光素子100,101においても、560nm付近の波長域に光吸収のピークが現れることが理解される。また、金属微粒子層3_nの積層数(n)の増加、すなわち光素子100,101中の金属微粒子3bの濃度(密度)の増加に伴い、分光スペクトルのピーク値が大きくなることが理解される。更に、樹脂層2,4_1〜4_nを構成する樹脂を硬化させる際の温度および時間を変えることにより、発現する局在表面プラズモンの量を調整することができることが理解される。
以上、本実施の形態に係る光素子の製造方法によれば、透過性を有する樹脂層2,4と金属微粒子から構成された金属微粒子層3とを積層することにより、局在表面プラズモン共鳴による光吸収に基づく非線形光学効果を発現する光学素子100,101を容易に作製することができるので、従来の溶融急冷法やゾルゲル法を用いた製造方法に比べて、製造プロセスが単純となり、製造コストを抑えることができる。
特に、本製造方法によれば、樹脂層2,4および金属微粒子層3を塗布法によって形成するので、スパッタリング法や真空蒸着法によって樹脂層2,4および金属微粒子層3を形成する場合に比べて、製造コストを抑えることができる。
また、本製造方法において、樹脂層2と樹脂層4を同一の樹脂で形成することにより、製造プロセスが更に容易となり、製造コストの更なる削減に資する。
また、本製造方法によれば、樹脂層2,4_1〜4_nを構成する樹脂を硬化させる際の温度および時間を変えることにより、発現する局在表面プラズモンの量を調整することができ、且つ金属微粒子層3の積層数を変えることによって分光スペクトルのピーク値を調整することができるので、所望の非線形光学効果を発現する光素子の作製が容易となる。
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
また、上記実施の形態では、樹脂層2,4として、単体では非線形光学効果を発現しないCYTOPを用いる場合を例示したが、これに限られず、非線形光学効果を発現する有機非線形光学材料(非特許文献7参照)を用いてもよい。例えば、樹脂層2,4としてポリジアセチレン等を用いることもできる。
また、上記実施の形態では、樹脂層2,4が同一の樹脂から構成される場合を例示したが、樹脂層2と樹脂層4を夫々別の種類の樹脂によって構成してもよい。例えば、樹脂層2にCYTOPを用い、樹脂層4にポリジアセチレンを用いてもよい。
また、上記実施の形態では、平均粒径が30ナノメートルのAuナノ粒子を用いる場合を例示したが、これ限定されるものではなく、任意の粒子径のナノ粒子の集合体を用いることもできる。これによれば、分光スペクトルのピーク値を調整することができる。
また、樹脂層2,4を構成する樹脂を溶質とする溶液(含フッ素環状重合体溶液)と金属微粒子層3を構成する金属微粒子3bを含むナノコロイド溶液の夫々の塗布法としてスピンコート法を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば、公知のディッピング法、スプレーコート法、インクジェット法、またはロールコーター法によって塗布してもよい。
また、上記実施の形態では、基板1として石英ガラスを用いる場合を例示したが、これに限定されるものではなく、石英ガラスと同様に、樹脂層を形成する基台として機能することができ、且つ透過率が高い他の材料(例えば、プラスチック等)を用いてもよい。
100,101…光素子、1…基板、2,4,4_1〜4_n…樹脂層、3,3_1〜3_n…金属微粒子層、3a…金属微粒子。

Claims (7)

  1. 透過性を有する樹脂から構成された樹脂層を形成する第1工程と、
    金属微粒子が分散した分散液を前記樹脂層上に塗布することにより、前記樹脂層上に金属微粒子を配置する第2工程と、
    透過性を有する樹脂を前記金属微粒子が配置された樹脂層上に塗布することにより、新たな樹脂層を形成する第3工程とを含む
    ことを特徴とする光素子の製造方法。
  2. 請求項1記載の光素子の製造方法において、
    前記第2工程と前記第3工程とを繰り返し、前記金属微粒子から成る金属微粒子層を複数形成する
    ことを特徴とする光素子の製造方法。
  3. 請求項1または2記載の光素子の製造方法において、
    全ての前記樹脂層を同一の樹脂によって形成する
    ことを特徴とする光素子の製造方法。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載の光素子の製造方法において、
    前記樹脂は、フッ素環状重合体から成る
    ことを特徴とする光素子の製造方法。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の光素子の製造方法において、
    前記金属微粒子は、金、銀、および銅の少なくとも一種類の金属材料から成る
    ことを特徴とする光素子の製造方法。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載の光素子の製造方法において、
    前記第2工程は、前記分散液をスピンコート法、ディッピング法、スプレーコート法、インクジェット法、またはロールコーター法によって塗布する工程を含む
    ことを特徴とする光素子の製造方法。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項に記載の光素子の製造方法において、
    前記第1工程および前記第3工程は、前記樹脂を溶質とする溶液をスピンコート法、ディッピング法、スプレーコート法、インクジェット法、またはロールコーター法によって塗布する工程を含む
    ことを特徴とする光素子の製造方法。
JP2015225581A 2015-11-18 2015-11-18 光素子の製造方法 Pending JP2017097004A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015225581A JP2017097004A (ja) 2015-11-18 2015-11-18 光素子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015225581A JP2017097004A (ja) 2015-11-18 2015-11-18 光素子の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017097004A true JP2017097004A (ja) 2017-06-01

Family

ID=58817309

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015225581A Pending JP2017097004A (ja) 2015-11-18 2015-11-18 光素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017097004A (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007192806A (ja) * 2005-12-22 2007-08-02 Canon Inc 標的物質検出素子用基板、標的物質検出素子、それを用いた標的物質の検出装置及び検出方法、並びにそのためのキット
JP2010197746A (ja) * 2009-02-25 2010-09-09 Ricoh Co Ltd 多光子吸収材料および反応助剤並びにそれらの製造方法
JP2012047812A (ja) * 2010-08-24 2012-03-08 Fujifilm Corp 赤外光反射板
JP2013195236A (ja) * 2012-03-19 2013-09-30 Nippon Steel & Sumikin Chemical Co Ltd 金属微粒子分散複合体及びその製造方法
US20150116856A1 (en) * 2013-10-31 2015-04-30 Korea Institute Of Science And Technology Plasmonic nano-color coating layer and method for fabricating the same
WO2015102090A1 (ja) * 2013-12-30 2015-07-09 新日鉄住金化学株式会社 複合基板、光学式センサー、局在型表面プラズモン共鳴センサー、その使用方法、及び検知方法、並びに、水分選択透過性フィルター及びそれを備えたセンサー

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007192806A (ja) * 2005-12-22 2007-08-02 Canon Inc 標的物質検出素子用基板、標的物質検出素子、それを用いた標的物質の検出装置及び検出方法、並びにそのためのキット
JP2010197746A (ja) * 2009-02-25 2010-09-09 Ricoh Co Ltd 多光子吸収材料および反応助剤並びにそれらの製造方法
JP2012047812A (ja) * 2010-08-24 2012-03-08 Fujifilm Corp 赤外光反射板
JP2013195236A (ja) * 2012-03-19 2013-09-30 Nippon Steel & Sumikin Chemical Co Ltd 金属微粒子分散複合体及びその製造方法
US20150116856A1 (en) * 2013-10-31 2015-04-30 Korea Institute Of Science And Technology Plasmonic nano-color coating layer and method for fabricating the same
WO2015102090A1 (ja) * 2013-12-30 2015-07-09 新日鉄住金化学株式会社 複合基板、光学式センサー、局在型表面プラズモン共鳴センサー、その使用方法、及び検知方法、並びに、水分選択透過性フィルター及びそれを備えたセンサー

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Wang et al. Stable, high-performance sodium-based plasmonic devices in the near infrared
Alonso Calafell et al. Giant enhancement of third-harmonic generation in graphene–metal heterostructures
Lee et al. Active control of all-fibre graphene devices with electrical gating
Bilal et al. Elliptical metallic rings-shaped fractal metamaterial absorber in the visible regime
Guddala et al. All-optical nonreciprocity due to valley polarization pumping in transition metal dichalcogenides
Santhosh et al. Vacuum Rabi splitting in a plasmonic cavity at the single quantum emitter limit
Baudrion et al. Reversible strong coupling in silver nanoparticle arrays using photochromic molecules
Weber et al. Intrinsic strong light-matter coupling with self-hybridized bound states in the continuum in van der Waals metasurfaces
Wang et al. Large optical nonlinearity enhancement under electronic strong coupling
Kang et al. Electrifying photonic metamaterials for tunable nonlinear optics
Shi et al. Monodisperse silicon nanocavities and photonic crystals with magnetic response in the optical region
Chapple et al. Single-beam Z-scan: measurement techniques and analysis
Sinev et al. Observation of ultrafast self-action effects in quasi-BIC resonant metasurfaces
Chen et al. Single mode lasing from hybrid hemispherical microresonators
Capretti et al. Integrating quantum dots and dielectric Mie resonators: a hierarchical metamaterial inheriting the best of both
Bellec et al. Beat the diffraction limit in 3D direct laser writing in photosensitive glass
Sun et al. A photonic switch based on a hybrid combination of metallic nanoholes and phase-change vanadium dioxide
Lu et al. Chip-integrated ultrawide-band all-optical logic comparator in plasmonic circuits
Chen et al. Bandgap control in two-dimensional semiconductors via coherent doping of plasmonic hot electrons
Wang et al. Tunable optical nanoantennas incorporating bowtie nanoantenna arrays with stimuli-responsive polymer
Kim et al. Very high third-order nonlinear optical activities of intrazeolite PbS quantum dots
Okamoto et al. Electromagnetically induced transparency of a plasmonic metamaterial light absorber based on multilayered metallic nanoparticle sheets
Awada et al. High optical enhancement in Au/Ag alloys and porous Au using Surface-Enhanced Raman spectroscopy technique
Yoo et al. Scalable light-printing of substrate-engraved free-form metasurfaces
Thuy et al. Large-area cost-effective lithography-free infrared metasurface absorbers for molecular detection

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171219

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180926

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181009

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181210

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190604