JP2008054954A - フライヤーの異物除去装置およびその異物除去方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】調理用の油とこの油から分離した異物が沈殿する水とを上下2層に貯留する貯槽と、この貯槽内の油の中に配設されたヒーターと、上記貯槽内の水層から吸引した水を導入して水に含まれる異物をフィルターにより濾過する濾過水槽と、上記水層内の水を上記濾過水槽に導入する異物混合水路および上記濾過水槽により濾過された水を上記水層に戻す濾過水路を備えた水循環装置とを有し、上記ヒーターにより加熱された油により食材を天ぷらやフライに揚げるフライヤーにおいて、上記濾過水槽には、上記異物を含んだ水を上記濾過水槽のフィルター上流側から外部へ排出するための排水路と、排水時に上記濾過水槽へ水を供給するための給水路とを接続するように構成する。
【選択図】 図5
Description
このような油水2層に貯留するフライヤーには、水層に金魚等の観賞用生物を入れ、調理時には、揚げカス等の異物が食材から離脱して油中に入ると水層に自由落下して、水層内で泳ぐ観賞用生物のエサとして食させるようにし、貯槽から水、観賞用生物および食い残された異物等を排出するには、貯槽の下端部に設けられた水抜きコックを開いて水と共に外部へ取り出すようにしたものもある(特許文献2)。
この循環式濾過法を取り入れたフライヤーでは、濾過水槽に濾過した異物が多く溜まった場合、濾過水槽を取り外して内部に溜まった揚げカス等の異物を水ごと排除し、槽内を掃除してから所定の位置における使用可能な状態に戻すことにより、異物除去を行う。さらに、営業終了後の清掃には、油抜きと濾過をする必要がなく、油槽内側面汚れ防止用のインナーケースを取り外して、付着した汚れを洗浄するだけで十分なため、清掃時間が短縮される。
このような従来のフライヤーでは、水層に溜まった異物を除去するためには、水層の下部に設けられたコックを開いて水を抜き、あらためて水層に清水を入れて所定水量を有する清浄な水層を再現する。また、貯槽以外に水の濾過水槽を備えて循環式濾過法を取り入れたフライヤーの場合には、調理が連続的に継続でき、調理継続中には貯槽と濾過水槽との間で水を循環させ、油から水中に分離した揚げカス等の異物を濾過水槽で除去し、揚げカス等の異物が除去された水を貯槽に戻して貯槽内の水層を清浄な状態にできるようにしているが、濾過水槽に溜まった異物の処理では、調理していないときに手作業で異物を棄て、濾過水槽を掃除しなければならず、手間がかかり、調理の一次中断時間が長くなり、結果として調理効率を低下させることになる。
このため、非循環式、循環式に限らず、油水2層となる貯槽を備えたフライヤーでは、水中の異物の廃棄、濾過水槽の洗浄作業等が必要になっており、特に異物の連続的な除去や濾過水槽の洗浄とが随時どちらもできるフライヤーが望まれていた。
ただし、この実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるため具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、発明内容を限定するものではない。
フライヤー1の実施形態は、図1〜3に示すように、調理用の油と、この油の下側で油中の揚げカス等の異物を取り込んで油を浄化するための水と、を上下2層(油層11と水層12)にして貯留する貯槽1aと、貯槽1aの脇に着脱自在に設置した透明な材料で形成されている濾過水槽2とを備え、貯槽1a内の油層11にはヒーター3を設けて調理油を加熱できるようにし、貯槽1aの水層12には側部から隣り合う側壁に沿って流れるように給水できる給水口1bを開口する(図5)とともに底面中央部に水層12の底面に沈下している異物と一緒に水を吸引する排水口1cを開口し(図4〜6)、貯槽1aの背面側にはヒーター3を油層11の深さの中間位置まで下げ食材をヒーター3の上部の適宜箇所に沈める昇降機4を配置し、昇降機4の前面には食材を入れるための籠を係止しておくための係止台5を立設して、食材の入った籠を係止した場合には揚げた直後の食材から流れ落ちる食用油が貯槽1aに入るようにする。
水循環装置13は、図4〜6に示すように、貯槽1aの真下に配置して流路を開閉する水路遮断弁13dと、水路遮断弁13dが開いている時に貯槽1aから吸引した水を循環させる水ポンプ13aと、貯槽1aの排水口1cから吸引された水から揚げカス等の異物を濾過する濾過水槽2と、濾過水槽2から移された水から気泡を上方に浮かせて分離する消泡水槽13bと、異物や気泡を除去された水を消泡水槽13bの下面から貯槽1a側へ移送して貯槽1aの給水口1bから隣接する側壁に沿って流れるように水層12の中へ戻す水循環系配管13cとからなる。
貯槽1aに戻される時には、濾過されて浄化された水を、貯槽1aの背面側の側壁に垂直で軸方向が水平方向に向けて設けられた給水口1bから隣り合う側面に沿ってほぼ水平方向に向けて供給することにより、貯槽1a内の水を渦状に回転させながら給水する。
濾過水槽2から揚げカス等の異物を除去する異物除去装置25は、水循環系配管13cとは異なる配管経路を構成して異物除去が独自に行えるようにする。また、濾過水槽2には、水位センサー配置部1dに設けられている水位センサーと同様の多点式水位センサーを内壁面に設け、この水位センサーからの信号に基づき流量調節器としての流量制御弁22による給水量の調節ができるようにする。
この場合には、濾過水槽2の非浄化水貯留部2bと浄化水貯留部2cとに接続する水循環系配管13cの異物混合水路13fと濾過水路13gとにそれぞれ並べて異物除去用の排水側配管21bと給水側配管21aとを設け、これらの配管途中にはそれぞれピストン駆動式の流量制御弁22と電磁弁型の遮断弁23とを介装し、流量制御弁22の上流側は水道水を供給する蛇口(図示せず)に接続し、遮断弁23の下流側には、排水側配管21bの先端部から流出する水により搬送された揚げカス等の異物を水切りするとともに水切りした異物を収容する0.7mmメッシュのステンレス製金網からなる籠を形成した網籠24aを備えた異物回収容器24を配置して、独立した異物除去経路21(21a,21b)を備えた異物除去装置25を形成する。
この異物除去装置25の設置に付随して、濾過水路13gには、給水側配管21aから濾過水槽2へ給水する場合の消泡水槽13b側への逆流を防止するための遮断弁13hを設け、給水側配管21aからの給水に先立ち遮断弁13hを閉じて濾過水路13gを逆流しないようにすることができるようにする。
流量制御弁22は流路遮断(全閉)可能な弁構造を有し、また、流量制御弁22と遮断弁23とは手動操作可能に形成して、異物除去モードの開始と終了とを手動操作により行うこともできるように形成する。
排水側配管21bは、濾過水槽2の底部に排水側の開口が近接するように濾過水槽2の上端部から底部に延設された排水側開口端部22bを設け、排水側開口端部22bから排水されて濾過水槽2の上端部から異物回収容器24まで1本の管路で流出するように配管して、水循環系配管13cの異物混合水路13fや給水側配管21aとは別の排水側配管21bを形成する。
この異物除去装置25では、流量制御弁22の上流側で給水側配管21aを水道の蛇口(図示せず)に接続し、蛇口を開状態にしてから遮断弁23を開き、流量制御弁22による給水量の調節をして、異物除去を行う。
この実施態様の異物除去装置25を設けたフライヤー1では、所定量の食材を揚げ終った後に、フライモードから異物除去モードに切換えて濾過水槽2の異物除去を行うと、給水側配管21aを介して濾過水槽2の浄化水貯留部2cへ流入した水がフィルター2aを透過して非浄化水貯留部2bへ移動し、非浄化水貯留部2bに設けられた排水側開口端部22bから排水側配管21bを介して異物回収容器24へ異物とともに流出する。
濾過水槽2の非浄化水貯留部2bに貯留されていた揚げカス等の異物が排除された時点で、異物除去モードの電源を落とし、遮断弁23を閉状態にし、流量制御弁22を全閉状態にして、水の流出を止めてフライヤーの異物除去モードを終了する。
その後、異物回収容器24の網籠24aで水切りされた揚げカス等の異物は、揚げカス等の異物が入ったままの網籠24aを異物回収容器24から取り外し、外した網籠24aを異物廃棄場所に運び、網籠24aに入っている揚げカス等の異物を異物廃棄場所に投棄して、異物除去作業を終了する。
このように構成したフライヤーの実施形態では、フライを揚げない待機時には加熱状態を待機温度に下げるように設定し、例えば、設定温度170℃で揚げる場合には、待機温度として150℃位に下げて温度維持するように温度管理して待機することができる。
フライを揚げる直前に装置の前面パネル1fに設けられているスイッチ1gを押してフライを揚げる揚げ作業にすると、ヒーター3の温度が上昇して油温が待機温度から設定されたフライ用の油温(例えば170℃)になるように昇温を始める。ヒーター3は油高温部11aに配置されているため、油高温部11aのみ設定温度まで上昇するが、油低温部11bでは高温度の油が上昇して油高温部11aの油に合体し、温度が比較的低い油は下方へ下がって油低温部11bまで下がると油低温部11bの油と合体するため、常時、油高温部11aと油低温部11bとの2層が生じていて、油低温部11bに接触している水層12は過熱されることがなく、また、油高温部11aではフライ用の設定温度を維持することができる。
このため、油温の立上げ及び復帰にかかる時間が短縮され、ヒーター3により加熱される油の温度追随性が良くなるため、ヒーターの上昇温度を抑えることができ、繰返し使用する場合でも油の劣化が防止できる。
このため、これまでは油の温度を、例えば油温170℃程度にする時にヒーター3の温度が215℃くらいに高くして油劣化を促進するような温度になって加熱自体が油劣化の原因となっていたが、水を回すことにより、油も回り、熱交換効率が高くなってその温度差が縮まり、油温が170℃になった時でもヒーター温度は185℃を上回ることがなくなり、油劣化を極力抑えながら使用することができる。
このような実施形態は、発明の趣旨を理解しやすくするため具体的に説明しているが、発明内容を限定するものではないから、特に説明されていない別の態様を制限するものではなく、適宜変更しても良い。
このような意味で発明の趣旨に沿ういくつかの別態様を以下に示す。
また、箱型流路3aのフィン3dは流路の内側に突設して整流板を兼用したものを付加しても良い。
また、高温油流路14aは、断面矩形に限定する必要はなく、吸引後に異物を分離し易い形状であれば良く、断面積が一般の配管よりも大きくできていれば適当な形状にかえることができる。
加熱源としては、電力による加熱の場合を例示したが、ガス加熱にしても良い。
給水側配管21aと排水側配管21bとは、それぞれフィルター下流側の浄化水貯留部2cとフィルター上流側の非浄化水貯留部2bとに接続したが、この他に、両配管共にフィルター上流側の非浄化水貯留部2bに接続しても良い。
1a 貯槽
1b 給水口
1c 排水口
2 濾過水槽
2a フィルター
2b 非浄化水貯留部
2c 浄化水貯留部
3 ヒーター
11 油層
11a 油高温部
11b 油低温部
12 水層
13 水循環装置
13a 水ポンプ
13b 消泡水槽
13c (異物混合水路13fと濾過水路13gとを含む)水循環系配管
13d 遮断弁
13e (空気抜き用の)内圧調整継手
13f 異物混合水路
13g 濾過水路
13h 遮断弁
14 油冷却循環装置
14a (箱型の)高温油流路
14b 油ポンプ
14c 油循環系配管
14d 冷却フィン
14e 冷却ファン
14h 小孔
14i 油放出ノズル
21 異物除去経路
21a 給水側配管(給水路)
21b 排水側配管(排水路)
22 流量制御弁(流量調節器)
22a 給水端部
22b 排水側開口端部
23 遮断弁
24 異物回収容器
24a 網籠
25 異物除去装置
Claims (8)
- 調理用の油とこの油から分離した揚げカス等の異物が沈殿する水とを上下2層に貯留する貯槽と、この貯槽内の油の中に配設されたヒーターと、上記貯槽内の水層から吸引した水を導入して水に含まれる異物をフィルターにより濾過する濾過水槽と、上記水層内の水を上記濾過水槽に導入する異物混合水路および上記濾過水槽により濾過された水を上記水層に戻す濾過水路を備えた水循環装置とを有し、上記ヒーターにより加熱された油により食材を天ぷらやフライに揚げるフライヤーにおいて、
上記濾過水槽には、上記異物を含んだ水を上記濾過水槽のフィルター上流側から外部へ排出するための排水路と、排水時に上記濾過水槽へ水を供給するための給水路とを接続したことを特徴とするフライヤーの異物除去装置。 - 上記排水路には遮断弁を設け、上記給水路には異物除去するために必要な排水量を維持できる給水量を与えるための流量調節器を有することを特徴とする請求項1に記載のフライヤーの異物除去装置。
- 上記給水路を濾過水槽のフィルター上流側に接続し、上記排水路を濾過水槽のフィルター上流側に接続したことを特徴とする請求項1に記載のフライヤーの異物除去装置。
- 上記給水路を濾過水槽のフィルター下流側に接続し、上記排水路を濾過水槽のフィルター上流側に接続したことを特徴とする請求項1に記載のフライヤーの異物除去装置。
- 上記給水路を濾過水槽の浄化水貯留部に接続する濾過水路に接続し、上記排水路を濾過水槽の非浄化水貯留部に接続する異物混合水路に接続したことを特徴とする請求項1に記載のフライヤーの異物除去装置。
- 上記排水路の排出口から放出される異物混合水を受ける容器として、上記濾過水槽のフィルターと同程度の網目を有する濾過材を用いて形成した網籠を備えた異物回収容器を形成したことを特徴とする請求項1に記載のフライヤーの異物除去装置。
- 貯槽に調理用の油とこの油から分離した異物が沈殿する水とが上下2層に貯留し、濾過水槽により上記貯槽内の水層から吸引した水に含まれる異物を濾過し、水循環装置により上記水層内の水を上記濾過水槽に導入するとともに上記濾過水槽により濾過された水を上記水層に戻す濾過水循環式のフライヤーにおいて、
上記濾過水槽に溜まった異物の除去には、上記水循環装置による濾過水循環を止め、上記水循環装置の水路とは別の給水路から上記濾過水槽へ給水して上記濾過水槽のフィルター上流側に設けた排水路から水を流出させることにより、濾過水槽内の異物を流水に搬送させて排出することを特徴とするフライヤーの異物除去方法。 - 上記水循環装置の水路とは別の給水路から上記濾過水槽のフィルター下流側へ給水するとともに上記濾過水槽のフィルター上流側に設けた排水路から排水して、供給された水が上記濾過水槽内のフィルターを通過し、上記フィルターに付着した異物を含む濾過水槽内の異物を流水により搬送して排出することを特徴とする請求項7に記載のフライヤーの異物除去方法。
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