JP2006118342A - 油水分離装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 何の駆動力も必要とせず、排水中の油分を効果的に分離することができる油水分離装置を得る。
【解決手段】 油分を含む排水が一時的に貯留されて油水の分離が行われる分離槽と、この分離槽の上部に溜った浮遊油分を溢流する油分溢流部と、前記分離槽の中部または下部に形成された油分が分離された排水の排出管路と、この排出管路に連通して油分が分離された排水が溢流して排出される排水溢流部とを備え、前記油分溢流部と排水溢流部との高さを同等の高さ位置としたもの。
【選択図】 図4
【解決手段】 油分を含む排水が一時的に貯留されて油水の分離が行われる分離槽と、この分離槽の上部に溜った浮遊油分を溢流する油分溢流部と、前記分離槽の中部または下部に形成された油分が分離された排水の排出管路と、この排出管路に連通して油分が分離された排水が溢流して排出される排水溢流部とを備え、前記油分溢流部と排水溢流部との高さを同等の高さ位置としたもの。
【選択図】 図4
Description
本発明は例えば業務用厨房等の排水から油脂分を分離する油水分離装置に関するものである。
近年、飲食業(ホテルを含む)等の業務用厨房から排出される生活排水を下水道に排出する前に、排水中のゴミや油分を除去するための小型の排水浄化装置の設置が義務づけられている。この小型の排水浄化装置とは、所謂「グリーストラップ」と呼ばれるものであり、排水中のゴミや油分等の除去を行うものである。
図15はグリーストラップの概要を示す説明図である。図に示す通り、排水は先ずゴミ受け篭151で大きなゴミが取り除かれる。ゴミを取り除かれた排水は第1のスライドゲート152の下方から浮上槽153に導かれる。
この浮上槽153で流入された排水の流れが緩やかになり、排水中の油分が浮遊油として浮上槽153の水面に浮かんでくる。第2のスライドゲート154の下方からVノッチ155を介して下水道へ導かれる。
しかし、この装置は運転を続けていると、浮上槽の水面に、生活排水等に由来する油分が大量に溜り、嫌気性菌の繁殖による悪臭の発生や、大量に溜った油分が他の汚れ成分と結びついて油泥が形成され、次第にこれが蓄積されてきて、処理能力が低下すると言う問題があった。このため、定期的に油分や油泥をバキュームカー等により吸引除去する必要があった。
このため、本発明者は、浮上槽水面に浮遊する油分を回動するロールに付着させ、付着したロールの油分をスクレーパで掻き取るオイルスキマーを提案した(例えば、特許文献1参照)。このオイルスキマーは小型でグリーストラップ等の排水浄化装置内部に設置することができ、既設の排水浄化装置の殆ど全てのものに設置可能なものである。
特開2000−153269号公報
本発明者は、更に改良を検討して、本発明に至った。本発明は、例えば、既存のグリーストラップの代わりに設置するか、グリーストラップの上流に設置するだけで、何の駆動力も必要とせず、排水中の油分を効果的に分離することができる油水分離装置を得ることを目的とする。更に、安定した油水分離を行うことができる油水分離装置を得ることを目的とする。
請求項1に記載された発明に係る油水分離装置は、排水導入管によって油分を含む排水が内部に導入されて油水の分離が行われる分離槽と、この分離槽の上部に溜った浮遊油分が溢流される油分溢流縁部と、前記分離槽の中部又は下部位置に一端の開口部を備え、油分が分離された排水を排出する排出管路と、この排出管路の他端部に形成され、油分を分離した排水が溢流・排出される排水溢流縁部とを備え、
前記油分溢流縁部と排水溢流縁部との高さを同等の高さ位置としたことを特徴とするものである。
前記油分溢流縁部と排水溢流縁部との高さを同等の高さ位置としたことを特徴とするものである。
請求項2に記載された発明に係る油水分離装置は、請求項1に記載の分離槽の油分溢流部を含む上部面面積が下部又は中部位置の面積よりも小さくなっていることを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明に係る油水分離装置は、請求項1又は2に記載の油分溢流縁部又は排水溢流縁部の高さ位置を微調整する高さ調整手段を備えたことを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明に係る油水分離装置は、請求項1〜3の何れか1項に記載の分離槽へ導入する排水の導入量と導入圧とを予め定められた値に維持する排水導入安定化手段を前記排水導入管に備えたことを特徴とするものである。
請求項5に記載された発明に係る油水分離装置は、請求項4に記載の排水導入安定化手段が、
前記油分を含む排水が先端部の導入排水溢流縁部に向けて送給される排水送給管と、
この排水送給管の導入排水溢流縁部の下位から分岐した前記排水導入管とを備え、
導入排水溢流縁部の高さが前記分離槽の油分溢流縁部と同等の高さ位置であることを特徴とするものである。
前記油分を含む排水が先端部の導入排水溢流縁部に向けて送給される排水送給管と、
この排水送給管の導入排水溢流縁部の下位から分岐した前記排水導入管とを備え、
導入排水溢流縁部の高さが前記分離槽の油分溢流縁部と同等の高さ位置であることを特徴とするものである。
請求項6に記載された発明に係る油水分離装置は、請求項5に記載の導入排水溢流縁部の上端縁の高さ位置を微調整する高さ調整手段を更に備えたことを特徴とするものである。
本発明は以上説明した通り、例えばグリーストラップの代わりに設置するか、グリーストラップの上流に設置するだけで、何の駆動力も必要とせず、排水中の油分を効果的に分離することができる油水分離装置を得ることができるという効果がある。更に、安定した油水分離を行うことができる油水分離装置を得ることができるという効果がある。
本発明においては、排水導入管によって油分を含む排水が内部に導入されて油水の分離が行われる分離槽と、この分離槽の上部に溜った浮遊油分が溢流される油分溢流縁部と、前記分離槽の中部又は下部位置に一端の開口部を備え、油分が分離された排水を排出する排出管路と、この排出管路の他端部に形成され、油分を分離した排水が溢流・排出される排水溢流縁部とを備え、前記油分溢流縁部と排水溢流縁部との高さを同等の高さ位置としたものであるため、何の駆動力も必要とせず、油分を含んだ排水中の油分を効果的に分離することができる。
尚、本発明の油水分離装置では、油分を含んだ排水から油分を分離するため、既存のグリーストラップの代わりに設置するか、グリーストラップの上流に設置することは勿論のこと、機器の解体工場等から排出される油と水とを含んだ排水であって、油分を含んだまま下水道や河川に流せない排水であっても排水中の油分を効果的に分離することができる。また、既存のグリーストラップの清掃の際に生じる油分や油泥であっても本発明の油水分離装置に投入することにより、油水を分離することも可能である。更に、工作機械のクーラント液のように使用中に混入される油分を除去して再度これを利用しようとする液でも利用可能である。
具体的には、油と水との比重は油の方が小さいため、油は水に浮く。図1は油の浮遊状態を示す説明図である。図1に示す通り、U字管11に水12を入れて、一方の端部に油13を入れて放置すると、両方の管で釣り合う。水面に対する油面の高さ位置は、油の厚さに応じて高くなるが、前述の通り、油の比重は水よりも小さいため、一方の油が浮遊している管での油面の高さ位置は、他方の水面の高さ位置よりも必ず若干高くなる。
従って、分離槽の上部に溜った浮遊油分を溢流する油分溢流縁部と、一端の開口部を分離槽の中部又は下部位置に設け、他端部を油分を分離した排水が溢流・排出される排水溢流縁部とした排出管路の排水溢流縁部とを、同等の高さ位置としたものであるため、排水が溢流する高さ位置であれば、油分が浮遊している油分溢水部では必ず油分が溢流することとなり、何の駆動力も必要とせず、排水中の油分を効果的に分離することができる。
本発明の油水分離装置は、鉱物油、植物油、動物油、その他、全ての水より軽い物質は水から比較すると8%〜10%ほど軽い。例えば、油分の浮上速度は、毎秒10mm〜30mm以上である。浮上する0.2mm程度の粒子で毎秒30mm以上の浮上速度がある。浮上速度が10mmの粒子は、微かに見える程度となる。下部より取り出す水量は浮上速度を下回ればよく、その場合の油分回収率は99%以上となる。油分回収率を100%にするには分離装置の分離槽を大きくし、排水の流入・流出に対して貯留時間を大きくすればよい。
本発明の分離槽は、油分を含む排水が一時的に貯留されて油水の分離が行われるものであれば形状・材質等は問わない。従って、大量の排水を処理する場合は、分離槽の油分溢流縁部を含む上部断面積が下部又は中部断面積と同じかそれよりも大きいものでも良い。好ましい態様としては、分離槽の油分溢流縁部を含む上部断面積が下部又は中部断面積よりも小さくなっているものでは、少量の油分でも油層の厚みが増し、油分溢流縁部からの油分の分離能が向上する。
本発明の油分溢流縁部は、分離槽の上部に溜った浮遊油分を溢流するものであればよい。例えば、分離槽を構成する側壁面の全周に亘って同じ高さとして側壁面の全周を溢流縁部とし、側壁面の周囲を溢流してきた油分を受け止める樋状の受けを全周に亘って1カ所に傾斜させて溢流した油分を一時的に貯留する油分貯留手段を更に形成して油分を1カ所に集めるものや、分離槽の側壁面の一部の上端高さ位置を低くして溢流縁部とし、溢流してきた油分を受け止める樋状の受けをその溢流縁部の下方に傾けて溢流した油分を一時的に貯留する油分貯留手段を更に形成して油分を1カ所に集めるもの、分離槽の側壁面の一部の上端縁部をV字状に切欠いたVノッチを溢流縁部として溢流した油分を一時的に貯留する受部を設置するもの等、種々の形態を採用することができる。
本発明の排水溢流縁部は、分離槽の中部または下部から排出管路を介して引出された排水を溢流して排出するものであればよい。従って、この排水溢流縁部についても油分溢流縁部と同様に、排出管路の全周に亘った溢流縁部、排出管路の一部を溢流縁部としたもの、一部をV字に切欠いたVノッチを溢流縁部としたもの等、種々の形態を採用することができる。
前述の通り、水面に対する油面の高さ位置は、油の厚さに応じて高くなる。このため、油分溢流縁部と排水溢流縁部との高さを同等の高さ位置としているが、より好ましくは、各々の油分溢流縁部又は排水溢流縁部の高さ位置を微調整する高さ調整手段を備える。例えば、溢流縁部を構成する壁面にスライド式の板を設置することで高さ位置を調整するものが挙げられる。
油分溢流縁部と排水溢流縁部との高さを全く同一の高さ位置としても、排水中に油分が含まれ、分離槽で油水が分離して油分が浮遊している状態であるならば、油分溢流縁部からは油分のみが溢水する。しかしながら、油分溢流縁部と排水溢流縁部との高さを全く同一の高さ位置にすると、排水中に油分が含まれない場合や、排水の分離槽への流入量を大きくした場合などには、油分溢流縁部から排水が溢水する場合が想定される。従って、油分溢流縁部からの油分のみの確実な溢流を行うには、油分溢流縁部の高さ位置を数mm〜十数mm高くする。
例えば、油分溢流縁部の高さ位置が10mm程度高くすると、この油分溢流縁部を越えて油分が溢流するためには、8%〜10%ほど油分の方が比重が小さいため、分離槽に浮遊する油分層の厚みが100mm前後必要となる。この程度の厚さの油分層があれば、分離槽に流入する排水の流入量が多くても、油分層を越えて排水が油分溢流縁部を越えることはまず無く、溢流する油分に水が混じることもまず無い。
本発明の排水導入管としては、分離槽内部に油分を含む排水を導入するものであればよいが、導入される排水の導入量及び導入圧力が一定していない場合には、分離槽内部での油水の分離が安定しない場合があった。そこで、好ましい態様としては、分離槽へ導入する排水の導入量と導入圧とを予め定められた値に維持する排水導入安定化手段を排水導入管に備える。これにより、安定した油水分離を行うことができる油水分離装置を得ることができる。
本発明の排水導入安定化手段としては、汲上げポンプで排水導入管を介して分離槽に排水を導入するのであれば、汲上げポンプ自体を定容量ポンプとして、一定の導入流量及び導入圧力で導入すればよいが、一般的な汲上げポンプでは、一定の導入流量及び導入圧力で導入することは難しい。例えば、排水を貯留している貯留槽から分離槽へ汲上げポンプによって汲上げると汲上げに応じて貯留槽の排水水面が低くなるため、同じ出力で汲上げポンプを駆動させたとしても汲上げ高さが相違することになり、導入流量及び導入圧力が相違することとなるためである。
そこで、好ましい態様としては、排水導入安定化手段が、油分を含む排水が先端部の導入排水溢流縁部に向けて送給される導入排水管と、この排水送給管の導入排水溢流縁部の下位から分岐した排水導入管とを備え、導入排水溢流縁部の高さが分離槽の油分溢流縁部と同等の高さ位置であるものが挙げられる。これにより、一般的な汲上げポンプによって油分を含む排水を分離槽へ導入させたとしても、一定の導入流量及び導入圧力で導入することができる。
即ち、先端部の導入排水溢流縁部に向けて送給される排水送給管によって油分を含む排水が送給される場合、常に導入排水溢流縁部で排水が溢流するため、その導入排水溢流縁部の下位から分岐した排水導入管には常に一定のヘッド圧であり、一定の導入量の排水が分離槽に流れるからである。
以上のように、本発明の油水分離装置によって分離された油分は、排水から分離して水面上に浮かんで油分溢流縁部から溢流するため、実質的に水分を含まない。従って、廃油として処理が可能となる。例えば、廃油専用ボイラー、廃油ストーブ等の燃料として利用したり、吸油性の紙等の物質に吸わせた状態で可燃性ゴミとして焼却したり、薬品等で固めて可燃ゴミとして焼却することが可能となる。このために、好ましい態様としては、溢流した油分を一時的に貯留する油分貯留手段を更に備える。油分貯留手段としては、分離槽に付設させた貯留槽であっても良く、分離可能な貯留容器であっても良い。貯留槽に溜った油分は柄杓等で汲み取っても良い。
実施例1
図2は本発明の油水分離装置の一実施例の構成を示す正面図であり、図3は図2の平面図であり、図4は図2の側方断面図である。図に示す通り、本実施例の油水分離装置20は、大きく分離槽21と排水受槽22とに分かれる。分離槽21には逆止弁24を備えた排水導入管23によって図示しないポンプや自重によって油分を含む排水が導入され、排水管路25によって分離槽21の下方から油分が分離された排水が抜かれて排水受槽22に至り、排水受槽22の下方の排出口26から下水等に導かれる。
図2は本発明の油水分離装置の一実施例の構成を示す正面図であり、図3は図2の平面図であり、図4は図2の側方断面図である。図に示す通り、本実施例の油水分離装置20は、大きく分離槽21と排水受槽22とに分かれる。分離槽21には逆止弁24を備えた排水導入管23によって図示しないポンプや自重によって油分を含む排水が導入され、排水管路25によって分離槽21の下方から油分が分離された排水が抜かれて排水受槽22に至り、排水受槽22の下方の排出口26から下水等に導かれる。
排水導入管23は十字に組まれた排水導入ノズル27に多数穿設されたノズル孔28から分離槽21内に排水が導入される。この多数のノズル孔28を介して導入されるため、大量に排水が導入されても緩やかな流れとなり、排水中の油分が良好に上方に浮かび上がって分離される。
分離槽21の下方には、油分を含まない排水が導出する広く口を下向きに開けた導出口29を備えた排水管路25が設置されており、排水管路25は分離槽21の側壁を貫通して隣の排水受槽22に至る。排水管路25の開放端30は排水受槽22内で立上り、端縁部に開放高さ位置調整のためのスライド管(高さ調整手段)31が配されている。排水溢流縁部としてのスライド管31を超えて溢流した油分を含まない排水は排水受槽22の下方の排出口26から下水等に導かれる。
分離槽21の上部の液面には導入された排水中の油分が上方に浮かび上がった油層32が形成される。分離槽21の上部は排水の流入側の壁面が他の側壁面より低くなっており溢流壁面33となっている。即ち、浮遊された油分が溢流する油分溢流縁部として機能する。この溢流壁面33の外方の下方には、油受け樋34が溢流壁面33の全幅に亘って形成され、溢流された油分を低位側の油分排出口35から図示しない油回収容器へ排出される。
本実施例の油水分離装置は、油分溢流縁部としての溢流壁面33の高さ位置と、排水溢流縁部としてのスライド管31との高さを同等の高さ位置としている。排水と油層32を構成する油分とは油分の方が比重が小さいため、油層32の油面の方がスライド管31の高さ位置よりも高くなる。このため、油層32を構成する油分が溢流側壁33を超えて溢流し、油受け樋34で受けられ、油分排出口35から油回収容器に排出される。
実施例2
図5は本発明の油水分離装置の別の実施例の構成を示す正面図であり、図6は図5の平面図であり、図7は図5の側方断面図である。図に示す通り、本実施例の油水分離装置50は、大きく分離槽51と排水受槽52とに分かれる。分離槽51には逆止弁54を備えた排水導入管53によって図示しないポンプや自重によって油分を含む排水が導入され、排水管路55によって分離槽51の下方から油分が分離された排水が抜かれて排水受槽52に至り、排水受槽52の下方の排出口56から下水等に導かれる。
図5は本発明の油水分離装置の別の実施例の構成を示す正面図であり、図6は図5の平面図であり、図7は図5の側方断面図である。図に示す通り、本実施例の油水分離装置50は、大きく分離槽51と排水受槽52とに分かれる。分離槽51には逆止弁54を備えた排水導入管53によって図示しないポンプや自重によって油分を含む排水が導入され、排水管路55によって分離槽51の下方から油分が分離された排水が抜かれて排水受槽52に至り、排水受槽52の下方の排出口56から下水等に導かれる。
排水導入管53は迂回路を形成する流入側側壁に沿った立ち上がり片57とこの立ち上がり片57に形成された枝片58によって流れを緩やかにされつつ分離槽51内に排水が導入される。これら迂回路により、大量に排水が導入されても緩やかな流れとなり、排水中の油分が良好に上方に浮かび上がって分離される。
分離槽51の下方には、油分を含まない排水が導出する導出口59を備えた排水管路55が設置されており、この導出口59は、広く口を下向きに開けている。排水管路55は分離槽51の側壁を貫通して隣の排水受槽52に至る。排水管路55の開放端60は排水受槽52内で立上り、端縁部に開放高さ位置調整のためのスライド管(高さ調整手段)61が配されている。排水溢流縁部としてのスライド管61を超えて溢流した油分を含まない排水は排水受槽52の下方の排出口56から下水等に導かれる。
分離槽51の上部の液面には導入された排水中の油分が上方に浮かび上がった油層62が形成される。分離槽51と排水受槽52との間には、油受け樋64が設置されており、分離槽51に対向する側の壁面63が分離槽51の他の壁面より低くなっており溢流壁面63となっている。即ち、浮遊された油分が溢流する油分溢流縁部として機能する。油受け樋64は溢流壁面63の全幅に亘って斜めに形成され、溢流された油分を低位側の油分排出口65から図示しない油回収容器へ排出される。
本実施例の油水分離装置では、油分溢流縁部としての溢流壁面63の高さ位置と、排水溢流縁部としてのスライド管61との高さを同等の高さ位置としている。排水と油層62を構成する油分とは油分の方が比重が小さいため、油層62の油面の方がスライド管61の高さ位置よりも高くなる。このため、油層62を構成する油分が壁面63を超えて溢流し、油受け樋64で受けられ、油分排出口65から油回収容器に排出される。
実施例3
図8は本発明の油水分離装置の別の実施例の構成を示す説明図であり、図9は図8の平面図であり、図10は図8の側方断面図である。図に示す通り、本実施例の油水分離装置80は、大きく分離槽81と排水受槽82とに分かれる。分離槽81には逆止弁84を備えた排水導入管83によって図示しないポンプや自重によって油分を含む排水が導入され、排水管路85によって分離槽81の下方から油分が分離された排水が抜かれて排水受槽82に至り、排水受槽82の下方の排出口86から下水等に導かれる。
図8は本発明の油水分離装置の別の実施例の構成を示す説明図であり、図9は図8の平面図であり、図10は図8の側方断面図である。図に示す通り、本実施例の油水分離装置80は、大きく分離槽81と排水受槽82とに分かれる。分離槽81には逆止弁84を備えた排水導入管83によって図示しないポンプや自重によって油分を含む排水が導入され、排水管路85によって分離槽81の下方から油分が分離された排水が抜かれて排水受槽82に至り、排水受槽82の下方の排出口86から下水等に導かれる。
排水導入管83は十字に組まれた排水導入ノズル87に多数穿設されたノズル孔88から分離槽81内に排水が導入される。この多数のノズル孔88を介して導入されるため、大量に排水が導入されても緩やかな流れとなり、排水中の油分が良好に上方に浮かび上がって分離される。
分離槽81の下方には、油分を含まない排水が導出する広く口を下向きに開けた導出口89を備えた排水管路85が設置されており、排水管路85は分離槽81の側壁を貫通して隣の排水受槽82に至る。排水管路85の開放端90は排水受槽82内で立上り、端縁部に開放高さ位置調整のためのスライド管(高さ調整手段)91が配されている。排水溢流縁部としてのスライド管91を超えて溢流した油分を含まない排水は排水受槽82の下方の排出口86から下水等に導かれる。
分離槽81の液面には導入された排水中の油分が上方に浮かび上がった油層92が形成される。分離槽81の中部から上部にかけて分離槽81の四方の側壁が狭まり、上部断面積が下部又は中部断面積よりも小さくなっている。このため、少量の油分でも油層の厚みが増し、油分溢流縁部からの油分の分離能が向上する。狭まった分離槽81の上部は排水の流入側壁面が他の側壁面より低くなっており溢流壁面93となっている。即ち、浮遊された油分が溢流する油分溢流縁部として機能する。溢流壁面93の外方の下方には、油受け樋94が溢流壁面33の全幅に亘って形成され、溢流された油分を低位側の油分排出口95から図示しない油回収容器へ排出される。
本実施例の油水分離装置では、油分溢流縁部としての溢流壁面93の高さ位置と、排水溢流縁部としてのスライド管91との高さを同等の高さ位置としている。排水と油層92を構成する油分とは油分の方が比重が小さいため、油層92の油面の方がスライド管91の高さ位置よりも高くなる。このため、油層92を構成する油分が溢流壁面93を超えて溢流し、油受け樋94で受けられ、油分排出口95から油回収容器に排出される。
実施例4
図11は本発明の油水分離装置の別の実施例の構成の説明図であり、図12は図11の導入部の断面図であり、図13は図11の側面図であり、図14は図11のAA断面図である。図に示す通り、本実施例の油水分離装置110は、大きく分離槽111と排水受槽112と導入槽126に分かれる。油分を含む排水が貯留されている貯留槽127内部に配設された汲上げポンプ128によって汲上げられて排水が排水導入安定化手段を経て分離槽111に導入される。
図11は本発明の油水分離装置の別の実施例の構成の説明図であり、図12は図11の導入部の断面図であり、図13は図11の側面図であり、図14は図11のAA断面図である。図に示す通り、本実施例の油水分離装置110は、大きく分離槽111と排水受槽112と導入槽126に分かれる。油分を含む排水が貯留されている貯留槽127内部に配設された汲上げポンプ128によって汲上げられて排水が排水導入安定化手段を経て分離槽111に導入される。
本実施例の排水導入安定化手段としては、汲上げポンプ128によって油分を含む排水が先端部の導入排水溢流縁部130に向けて送給される排水送給管129と、この排水送給管129の導入排水溢流縁部130の下位から分岐して分離槽111に排水を送給する排水導入管113とからなる。排水導入管113には逆止弁114が備わり、分離槽111に油分を含む排水が導入される。尚、排水送給管129の導入排水溢流縁部130は導入槽126内に設けられている。この導入排水溢流縁部130の高さは分離槽111の保持水位と同等の高さ位置としており、端縁部に開放高さ位置調整のためのスライド管(高さ調整手段)131が配されている。
このような構成の排水導入安定化手段により、導入排水溢流縁部130に向けて油分を含む排水が送給される場合に、常に導入排水溢流縁部130で排水が溢流するため、その導入排水溢流縁部130の下位から分岐した排水導入管113には常に一定のヘッド圧であり、一定の導入量の排水が分離槽111に流れ、安定した油水分離を行うことができる。導入排水溢流縁部130で溢流した排水は導入槽126の下部に配された戻し配管132によって貯留槽127に戻される。
排水導入管113は分離槽111の側壁を貫通して分離槽111の下部に導入され、迂回路を形成する流入側側壁に沿った立ち上がり片117とこの立ち上がり片57に斜めに形成された傾斜片118によって流れを緩やかにされつつ分離槽111内に排水が導入される。これら迂回路により、排水が緩やかな流れとなり、排水中の油分が良好に上方に浮かび上がって分離される。
分離槽111の下方には、油分を含まない排水が導出する導出口119を備えた排水管路115が設置されており、排水管路115は分離槽111の側壁を貫通して隣の排水受槽112に至る。排水管路115の開放端110は排水受槽112内で立上り、端縁部に開放高さ位置調整のためのスライド管(高さ調整手段)121が配されている。排水溢流縁部としてのスライド管121を超えて溢流した油分を含まない排水は排水受槽112の下方の排出口116から下水等に導かれる。
分離槽111の上部の液面には導入された排水中の油分が上方に浮かび上がった油層122が形成される。分離槽111の排水受槽112及び導入槽126との対向壁には、油受け樋124が設置されており、この油受け桶124が設置された分離槽111の壁面123が分離槽111の他の壁面より低くなっており溢流壁面123となり、浮遊された油分が溢流する油分溢流縁部として機能する。油受け樋124は溢流壁面123の全幅に亘って斜めに形成され、溢流された油分を低位側の油分排出口125から図示しない油回収容器へ排出される。
本実施例の油水分離装置では、導入排水溢流縁部130の高さ位置と、油分溢流縁部としての溢流壁面123の高さ位置と、排水溢流縁部としてのスライド管121との高さを同等の高さ位置としている。排水と油層122を構成する油分とは油分の方が比重が小さいため、油層122の油面の方がスライド管121の高さ位置よりも高くなる。このため、油層122を構成する油分が壁面123を超えて溢流し、油受け樋124で受けられ、油分排出口125から油回収容器に排出される。
尚、実施例1に示した装置は、分離槽が約H290×W500×L300の大きさであり、処理量は50リットル/min(3m3/H)の排水でも可能であった。実施例2に示した装置は、分離槽が約H700×W450×L450の大きさであり、処理量は70リットル/min(4.5m3/H)の排水でも可能であった。実施例3及び4に示した装置は、分離槽が約H700×W500×L500の大きさであり、処理量100リットル/min(6m3/H)の排水でも分離可能であった。尚、処理量は通常時問で表示した。
以上のように、本発明の油水分離装置は、油を含む自動車産業・機械加工業・精密機器製造業の洗浄廃液や、その他、油を含む食品加工業・魚肉加工業・飲食業・ホテル業の排液を始めとして、グリストラップの設置が義務付けられている食品フーズ及び飲食業におけるグリストラップの上流やグリストラップの代わりとしても用いることができる。また、清掃業(バキューム)やガソリンスタンドの排水ピット等、あらゆる油分回収に応用することが可能である。
11 …U字管、
12 …水、
13 …油、
20、50、80、110…油水分離装置、
21、51、81、111…分離槽、
22、52、82、112…排水受槽、
23、53、83、113…排水導入管、
24、54、84、114…逆止弁、
25、55、85、115…排水管路、
26、56、86、116…排出口、
27、 87 …排水導入ノズル、
57 、117…立ち上がり片、
28、 88 …ノズル孔、
58 …枝片、
118…傾斜片、
29、59、89、119…導出口、
30、60、90、120…開放端、
31、61、91、121…スライド管、
32、62、92、122…油層、
33、63、93、123…溢流壁面、
34、64、94、124…油受け樋、
35、65、95、125…油分排出口、
126…導入槽、
127…貯留槽、
128…汲上げポンプ、
129…排水送給管、
130…導入排水溢流縁部、
131…スライド管(高さ調整手段)、
132…戻し配管、
12 …水、
13 …油、
20、50、80、110…油水分離装置、
21、51、81、111…分離槽、
22、52、82、112…排水受槽、
23、53、83、113…排水導入管、
24、54、84、114…逆止弁、
25、55、85、115…排水管路、
26、56、86、116…排出口、
27、 87 …排水導入ノズル、
57 、117…立ち上がり片、
28、 88 …ノズル孔、
58 …枝片、
118…傾斜片、
29、59、89、119…導出口、
30、60、90、120…開放端、
31、61、91、121…スライド管、
32、62、92、122…油層、
33、63、93、123…溢流壁面、
34、64、94、124…油受け樋、
35、65、95、125…油分排出口、
126…導入槽、
127…貯留槽、
128…汲上げポンプ、
129…排水送給管、
130…導入排水溢流縁部、
131…スライド管(高さ調整手段)、
132…戻し配管、
Claims (6)
- 排水導入管によって油分を含む排水が内部に導入されて油水の分離が行われる分離槽と、この分離槽の上部に溜った浮遊油分が溢流される油分溢流縁部と、前記分離槽の中部又は下部位置に一端の開口部を備え、油分が分離された排水を排出する排出管路と、この排出管路の他端部に形成され、油分を分離した排水が溢流・排出される排水溢流縁部とを備え、
前記油分溢流縁部と排水溢流縁部との高さを同等の高さ位置としたことを特徴とする油水分離装置。 - 前記分離槽の油分溢流部を含む上部面面積が下部又は中部位置の面積よりも小さくなっていることを特徴とする請求項1に記載の油水分離装置。
- 前記油分溢流縁部又は排水溢流縁部の高さ位置を微調整する高さ調整手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の油水分離装置。
- 前記分離槽へ導入する排水の導入量と導入圧とを予め定められた値に維持する排水導入安定化手段を前記排水導入管に備えたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の油水分離装置。
- 前記排水導入安定化手段が、
前記油分を含む排水が先端部の導入排水溢流縁部に向けて送給される排水送給管と、
この排水送給管の導入排水溢流縁部の下位から分岐した前記排水導入管とを備え、
導入排水溢流縁部の高さが前記分離槽の油分溢流縁部と同等の高さ位置であることを特徴とする請求項4に記載の油水分離装置。 - 前記導入排水溢流縁部の上端縁の高さ位置を微調整する高さ調整手段を更に備えたことを特徴とする請求項5に記載の油水分離装置。
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JP2005270488A JP2006118342A (ja) | 2004-09-22 | 2005-09-16 | 油水分離装置 |
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JP2006118342A true JP2006118342A (ja) | 2006-05-11 |
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ID=36536467
Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2006118342A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011092817A (ja) * | 2009-10-27 | 2011-05-12 | Shin Kurushima Dockyard Co Ltd | 油水分離前処理装置タンク |
JP2014159798A (ja) * | 2013-02-21 | 2014-09-04 | Denyo Co Ltd | エンジン作業機の漏洩物貯留タンク |
CN107892359A (zh) * | 2017-12-15 | 2018-04-10 | 佛山高富中石油燃料沥青有限责任公司 | 一种改进污水罐污油收集装置 |
CN110422816A (zh) * | 2019-07-24 | 2019-11-08 | 山东裕泰石油装备有限公司 | 一种油水分离橇装式加油站 |
CN112897638A (zh) * | 2019-12-04 | 2021-06-04 | 广东聚源环保科技股份有限公司 | 一种真空餐饮污水油水分离装置 |
-
2005
- 2005-09-16 JP JP2005270488A patent/JP2006118342A/ja active Pending
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