JP2008050483A - 重合体湿粉の製造方法、重合体湿粉、重合体粉末およびレジスト組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】重合体が分散媒に分散した分散液をろ過して、重合体湿粉を製造する工程と、製造された重合体湿粉を保管する工程とを有する重合体湿粉の製造方法であって、気温が常に35℃以下となるように管理された環境下で重合体湿粉を保管する、重合体湿粉の製造方法;該製造方法によって得られた重合体湿粉;該製造方法によって得られた重合体湿粉を乾燥して得られた重合体粉末;および、該重合体湿粉から得られるレジスト組成物。
【選択図】図1
Description
(i)脂環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル、ラクトン骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル等を含む単量体成分を溶液重合法にて重合する工程。
(ii)溶液重合法にて得られた重合体溶液を貧溶媒に注いで重合体を析出させ、重合体分散液を得る工程。
(iii)重合体の分散液を、フィルターを用いてろ過して重合体湿粉を回収する工程。
(iv)回収された重合体湿粉を良溶媒に溶解させて重合体溶液とし、該重合体溶液を貧溶媒に注いで重合体を析出させ、重合体分散液を得る工程。
(v)重合体の分散液を、フィルターを用いてろ過して重合体湿粉を回収する工程。
(vi)必要に応じて(iv)〜(v)工程を繰り返した後、回収された重合体湿粉を乾燥させる工程。
本発明の重合体粉末は、本発明の重合体湿粉の製造方法によって得られた重合体湿粉を乾燥して得られたものである。
本発明のレジスト組成物は、本発明の重合体湿粉の製造方法により得られた重合体湿粉から得られたことを特徴とする。
本発明の重合体湿粉は、溶媒への溶解性に優れる。
本発明の重合体粉末は、溶媒への溶解性が良好である。
本発明のレジスト組成物は、レジストパターンにおけるディフェクトの発生を抑えることができる。
本発明の重合体湿粉の製造方法は、重合体が分散媒に分散した分散液をろ過して、重合体湿粉を製造する工程を有する。
重合体としては、アクリル系重合体、スチレン系重合体(ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等。)、塩化ビニル系重合体、ポリエステル系重合体、シクロオレフィン系重合体、ビニルエーテル系重合体、フッ素系重合体等が挙げられる。
重合体としては、用途別では、レジスト用重合体、塗料用重合体、反射防止用重合体等が挙げられる。
本発明の重合体湿粉の製造方法は、溶媒への溶け残りをできるだけ減らすことが要求されるレジスト用重合体湿粉またはレジスト用重合体粉末の製造に好適である。
例えば、「ポリマーハンドブック(Polymer Handbook)」、第4版、VII−497頁〜VII−545頁には、各種の重合体(Polymer)に対応する貧溶媒(Nonsolvents)が記載されている。
また、重合体がレジスト用アクリル系重合体の場合には、溶解度パラメーター(以下、単に「SP値」とも記す。)の値が、7.0(cal/cm3)1/2 〜9.0(cal/cm3)1/2[14.3MPa1/2 〜18.5MPa1/2]、または11.5(cal/cm3)1/2 〜23.4(cal/cm3)1/2[23.5MPa1/2 〜47.9MPa1/2]の範囲である溶媒が、貧溶媒として好ましい。
溶媒のSP値は、例えば、「ポリマーハンドブック(Polymer Handbook)」、第4版、VII−675頁〜VII−711頁に記載の方法により求めることができ、具体的には、表1(VII−683頁)、表7〜8(VII−688頁〜VII−711頁)に記載されている。
貧溶媒が複数の溶媒の混合溶媒である場合のSP値は、公知の方法により求めることができる。例えば、混合溶媒のSP値は、加成性が成立するとして、各溶媒のSP値と体積分率との積の総和として求めることができる。
前記レジスト用アクリル系重合体の貧溶媒としては、例えば、メタノール、イソプロパノール、メチル−t−ブチルエーテル水、n−ヘキサン、n−ヘプタン等が挙げられる。貧溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(α)溶液重合法によって得られた重合体溶液を貧溶媒に注いで重合体を析出させて得られた重合体の分散液。
(β)乳化重合法によって得られたラテックス中の重合体を凝固させて得られた重合体スラリー。
(γ)懸濁重合法によって得られた重合体の懸濁液。
(δ)塊状重合によって得られた重合体を粉砕した後、分散媒に分散させた分散液。
(ε)(α)〜(δ)から回収された重合体を分散媒に再度、分散させた分散液。
重合体湿粉は、分散液をろ過して得られる、分散媒を含んだ重合体である。
本発明においては、製造された重合体湿粉を保管する際には、気温が常に35℃以下となるように管理された環境下で重合体湿粉を保管する。気温が常に35℃以下となるように管理された環境下で重合体湿粉を保管することにより、重合体湿粉同士が結着しにくくなり、溶媒への溶解性が低下することを抑えることができる。また、気温が常に35℃以下となるように管理された環境下で重合体湿粉を保管することにより、この重合体湿粉を乾燥して得られた重合体粉末が結着しにくくなり、重合体粉末の溶媒への溶解性が低下することを抑えることができる。前記気温は、20℃以下が好ましく、10℃以下がより好ましく、5℃以下が特に好ましい。前記気温は、分散媒の凝固点以上が好ましい。
重合体のガラス転移温度とは、ガラス状の状態からゴム状の状態に転移する温度であり、重合体を室温から10℃/分の速度で昇温した際に、示差走査熱量計にて発熱量を測定して求めたものである。具体的には、吸熱曲線(発熱曲線)に2本の延長線を引き、延長線間の1/2直線と吸熱曲線の交点から求めたものである。
以下、レジスト用重合体の製造方法について、具体的に説明する。
レジスト用重合体は、例えば、下記工程を経て製造される。
(a)単量体成分を重合する工程。
(b)重合体分散液を得る工程。
(c)重合体の分散液をろ過して重合体湿粉を製造する工程。
(d)製造された重合体湿粉を貧溶媒に分散させ、重合体の分散液を得る工程。
(e)重合体分散液を、フィルターを用いてろ過して重合体湿粉を製造する工程。
(f)製造された重合体湿粉を乾燥させて重合体粉末を得た後、良溶媒に溶解させて重合体溶液とする工程。
(g)製造された重合体湿粉を良溶媒に溶解させて重合体溶液とする工程。
(h)重合体溶液を精密フィルターに通して不純物を除去する工程。
(i)精密フィルターを通過した重合体溶液から残存する貧溶媒を除去し、さらに重合体溶液を濃縮する工程。
重合法としては、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法等の公知の重合法が挙げられ、光線透過率を低下させないために、重合反応終了後に残存する単量体を除去する必要がある点、重合体の分子量を比較的低くする必要がある点から、溶液重合法が好ましい。溶液重合法のうち、製造ロットの違いによる平均分子量、分子量分布等のばらつきが小さく、再現性のある重合体が簡便に得られる点から、単量体成分を、所定の重合温度に加熱された重合容器中に滴下する滴下重合法と呼ばれる重合方法が好ましい。
図1に示す攪拌機12およびジャケット14を有する調合槽10に原料(単量体成分、重合開始剤、溶媒等。)を注入し、攪拌機12で撹拌して単量体溶液を調製する。
攪拌機22、ジャケット24およびコンデンサ26を有する重合槽20に溶媒を注入し、一定温度に保持する。ポンプ102によって、調合槽10の単量体溶液を重合槽20に供給し、一定温度に保持された溶媒中に滴下し、単量体成分を重合させ、重合体溶液を得る。
ラクトン骨格を有する単量体(1)は、環内にカルボニルオキシ基(−C(O)O−)を含む環状の飽和炭化水素基を有する単量体である。
ラクトン骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、単量体(1−1)〜(1−10)が好ましい。ただし、Rは、水素原子またはメチル基を表す。
分岐3級アルキル基、下記式で表されるアルキル置換炭化水素基(式中、R11は、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状アルキル基を表し、R12は、これが結合する炭素原子とともに炭化水素基を形成する基を表す。)、アルコキシアルキル基、−R13−O−R14−R15で表される基(式中、R13は、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状アルキレン基を表し、R14は、単結合、または炭素数1〜6の直鎖状または分岐状アルキレン基を表し、R15は、炭化水素基を表す。)、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等。
アルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、1−メトキシエチル基、エトキシメチル基、1−エトキシエチル基、イソプロポキシメチル基、1−イソプロポキシエチル基、シクロヘキソキシメチル基、1−シクロヘキソキシエチル基、シクロペントキシメチル基、1−シクロペントキシエチル基等が挙げられる。
単環性脂環式炭化水素基として、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられ、レジスト用重合体とした際に感度、解像度に優れる点から、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
多環性脂環式炭化水素基としては、例えば、架橋環式炭化水素基、スピラン系炭化水素基、環集合型炭化水素基等が挙げられる。具体例としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5 ]ドデシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基等が挙げられる。
酸脱離性基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、単量体(2−1)〜(2−38)が好ましい。ただし、Rは、水素原子またはメチル基を表す。
親水性基は、−C(CF3)2−OH、ヒドロキシ基、シアノ基、メトキシ基、カルボキシ基およびアミノ基からなる群から選択される少なくとも1種である。
親水性基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、単量体(3−1)〜(3−6)が好ましい。ただし、Rは、水素原子またはメチル基を表す。
非極性脂環式骨格を有する単量体(4)の量は、単量体成分(100モル%)中、20モル%以下が好ましい。非極性脂環式骨格を有する単量体(4)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
非極性脂環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタジエニルが挙げられる。該非極性脂環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルは、脂環式骨格上に炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基を有していてもよい。
非極性脂環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、単量体(4−1)〜(4−2)が好ましい。ただし、Rは、水素原子またはメチル基を表す。
他の単量体(5)の量は、単量体成分(100モル%)中、20モル%以下が好ましい。他の単量体(5)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合開始剤の量は、単量体成分(100モル%)に対して1〜20モル%が好ましい。
溶媒の量は、単量体溶液に含まれる溶媒および重合槽20に最初に注入される溶媒の合計量で、単量体成分(100質量部)に対して30〜700質量部が好ましい。
連鎖移動剤の量は、単量体成分(100モル%)に対して1〜20モル%が好ましい。
重合時間は、1時間以上が好ましく、24時間以下が好ましい。
重合体分散液を得る方法は、(a)工程の重合法により異なる。
溶液重合法(滴下重合法)の場合、得られた重合体溶液を貧溶媒に注いで重合体を析出させることによって前記(α)の分散液が得られる。
乳化重合法の場合、得られたラテックス中の重合体を酸析または塩析によって凝固させることによって前記(β)の重合体スラリーが得られる。
懸濁重合法の場合、得られた重合体の懸濁液がそのまま前記(γ)の懸濁液となる。
塊状重合法の場合、得られた重合体を粉砕した後、分散媒に分散させることによって前記(δ)の分散液が得られる。
図1に示す重合槽20の重合体溶液を、必要に応じて、良溶媒で適当な溶液粘度に希釈する。
攪拌機32およびジャケット34を有する精製槽30に貧溶媒を注入する。ポンプ104によって、重合槽20の重合体溶液を精製槽30に供給し、攪拌機32で撹拌しながら貧溶媒中に滴下し、重合体を析出させ、重合体分散液を得る。
貧溶媒としては、前記レジスト重合体用の貧溶媒が挙げられる。
貧溶媒の量は、重合体溶液100質量部に対して300〜3000質量部が好ましい。
図1に示す精製槽30の重合体の分散液を、フィルター42を有する真空式ろ過器40に供給し、重合体分散液を、フィルター42を用いてろ過して重合体湿粉を製造する。
フィルター42としては、ろ布、ろ紙、ガラスフィルター等が挙げられ、工業的にはろ布が好ましい。ろ布は、長繊維を織った布である。長繊維の材料としては、ポリエステル、ナイロン等が挙げられる。
フィルター42は、前ロットで用いたフィルターを洗浄したものであってもよく、一度もろ過に用いられていない新品のフィルターであってもよい。
製造された重合体湿粉を保管する際には、気温が常に35℃以下となるように管理された環境下(例えば、冷蔵庫44内)で重合体湿粉を保管する。
図1に示す精製槽30に貧溶媒を注入する。真空式ろ過器40にて製造された重合体湿粉を精製槽30に投入し、攪拌機32で撹拌して貧溶媒に分散させ、重合体分散液を得る。
貧溶媒としては、(b)工程にて用いた貧溶媒が挙げられる。
貧溶媒の量は、重合体溶液100質量部に対して300〜3000質量部が好ましい。
(c)工程と同様にして、重合体分散液をフィルター42を用いてろ過して重合体湿粉を製造する。
フィルター42としては、(c)工程で用いたフィルターをそのまま用いてもよく、(c)工程で用いたフィルターに代えて、別のフィルターを新たに用意し、これを用いてもよい。
製造された重合体湿粉を保管する際には、気温が常に35℃以下となるように管理された環境下(例えば、冷蔵庫44内)で重合体湿粉を保管する。
(e)工程にて製造された重合体湿粉を乾燥機(図示略)に移送し、該乾燥機にて湿粉を乾燥させて、重合体粉末を得る。
乾燥機としては、減圧乾燥機等が挙げられる。
乾燥温度は、20〜100℃が好ましい。
乾燥時間は、2〜200時間が好ましい。
図1に示す攪拌機52およびジャケット54を有する溶解槽50に良溶媒を注入する。(e)工程にて製造された重合体湿粉を溶解槽50に投入し、攪拌機52で撹拌して良溶媒に溶解させ、重合体溶液を得る。
良溶媒としては、後述のレジスト組成物用の溶媒が挙げられる。
良溶媒の量は、重合体100質量部に対して100〜5000質量部が好ましい。
図1に示すポンプ106によって、溶解槽50の重合体溶液を精密フィルター62を有する精密ろ過器60に供給し、重合体溶液を精密フィルター62に通して不純物を除去する。
精密フィルター62としては、メンブランフィルター、カートリッジフィルター等が挙げられる。
図1に示す攪拌機72、ジャケット74およびコンデンサ76を有する濃縮槽70に、精密フィルター62を通過した重合体溶液を注入する。濃縮槽70の重合体溶液を攪拌機72にて撹拌しながらジャケット74にて加熱し、重合体溶液から残存する貧溶媒を除去し、さらに重合体溶液を所定の重合体濃度になるまで濃縮し、最終製品である重合体溶液(レジスト組成物)を得る。
濃縮槽70から排出される貧溶媒および良溶媒の蒸気は、コンデンサ76にて液体に凝集され、回収タンク80に送られる。
本発明の製造方法で得られた重合体の質量平均分子量は、レジスト用重合体の場合、1000以上が好ましく、また、1000000以下が好ましい。レジスト用重合体をポジ型レジスト組成物に用いる場合には、レジスト用重合体の質量平均分子量は、エッチング耐性およびレジストパターン形状の点から、1000以上が好ましく、2000以上であることがより好ましく、5000以上であることが特に好ましい。また、レジスト用重合体をポジ型レジスト組成物として用いる場合には、レジスト用重合体の質量平均分子量は、溶媒に対する溶解性および解像度の点から、100000以下であることが好ましく、50000以下であることがより好ましく、20000以下であることが特に好ましい。
本発明の製造方法で得られた重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、特に限定されないが、レジスト用重合体として用いる場合には、レジスト溶液に対する溶解性および解像度の点から、2.5以下が好ましく、2.3以下がより好ましく、2.0以下が特に好ましい。
溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ペンタノン等の直鎖または分岐鎖ケトン類;シクロペンタノン、シクロヘキサノン等の環状ケトン類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルアセテート類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル等のジエチレングリコールアルキルエーテル類;酢酸エチル、乳酸エチル等のエステル類;n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール類;1,4−ジオキサン、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
溶媒の量は、通常、レジスト用重合体100質量部に対して200質量部以上であり、300質量部以上がより好ましい。また、溶媒の量は、通常、レジスト用重合体100質量部に対して5000質量部以下であり、2000質量部以下がより好ましい。
光酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物の酸発生剤として用いることができるものの中から任意に選択することができる。光酸発生剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第2級低級脂肪族アミン、第3級低級脂肪族アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。これらのうち、含窒素化合物としては、トリエタノールアミン等の第3級アルカノールアミンがより好ましい。
含窒素化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
有機カルボン酸としては、例えば、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸等が好ましい。
リンのオキソ酸、または、その誘導体としては、例えば、リン酸、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸およびそれらのエステルのような誘導体;ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸およびそれらのエステルのような誘導体;ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸およびそれらのエステルのような誘導体等が挙げられる。これらのうち、ホスホン酸が好ましい。
これらの化合物(有機カルボン酸、リンのオキソ酸、または、その誘導体)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
さらに、レジスト組成物には、必要に応じて、界面活性剤、前記含窒素化合物以外のクエンチャー、増感剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤等の各種添加剤を配合してもよい。これらの添加剤は、当該分野で公知のものであればいずれも用いることができる。また、これらの添加剤の添加量は、特に限定されず、適宜決めればよい。
まず、パターンを形成するシリコンウエハー等の被加工基板の表面に、レジスト組成物をスピンコート等により塗布する。そして、このレジスト組成物が塗布された被加工基板をベーキング処理(プリベーク)等で乾燥し、基板上にレジスト膜を形成する。
また、本発明のレジスト組成物は、本発明の製造方法によって得られた重合体湿粉から得られたものであるため、レジストパターンにおけるディフェクトの発生を抑えることができる。
(a)工程:
攪拌機およびジャケットを有する調合槽に、単量体(1−1)(ただし、Rはメチル基。)23.0質量部(40モル%)、単量体(2−8)(ただし、Rはメチル基。)26.5質量部(40モル%)、単量体(3−2)(ただし、Rはメチル基。)16.0質量部(20モル%)、乳酸エチル98.0質量部、および重合開始剤(和光純薬工業(株)製、V601)2.33部を注入し、撹拌して単量体溶液を調製した。
攪拌機およびジャケットを有する精製槽にメタノール1336質量部を注入した。重合槽の重合体溶液218質量部を精製槽に供給し、メタノール中に撹拌しながら滴下し、重合体を析出させ、重合体分散液を得た。
精製槽の重合体分散液を、フィルターを有する真空式ろ過器に供給し、重合体分散液を該フィルターを用いてろ過して重合体湿粉を製造した。重合体湿粉における分散媒の含有量は、重合体100質量部に対して86質量部であった。分散媒の含有量は、重合体湿粉の一部をサンプリングし、80℃で24時間乾燥させ、固形分の量を測定することにより求めた。
製造された重合体湿粉を、気温が常に0〜5℃となるように管理された冷蔵庫内で18時間保管した。
精製槽にメタノール1357質量部を注入した。(c)工程にて製造され、18時間保管した後の重合体湿粉57質量部を精製槽に投入し、攪拌機で撹拌してメタノールに分散させ、重合体分散液を得た。
精製槽の重合体分散液を、フィルターを有する真空式ろ過器に供給し、重合体分散液を該フィルターを用いてろ過して重合体湿粉を製造した。フィルターとしては、(c)工程で用いたフィルターを洗浄することなくそのまま用いた。重合体湿粉における分散媒の含有量は、重合体100質量部に対して78質量部であった。
製造された重合体湿粉を、気温が常に0〜5℃となるように管理された冷蔵庫内で18時間保管した。
(e)工程にて製造され、18時間保管した後の重合体湿粉85.2質量部を、減圧乾燥機(AS ONE社製、VACUME ポンプVO400)を用いて、50mmHg、60℃で36時間乾燥させ、重合体粉末を得た。
10mgの重合体粉末を専用のアルミパンに秤量し、Seiko Instrument社製DSC6200熱分析装置(商品名)を用いて測定した。なお、昇温条件は10℃/minで測定した。
重合体粉末900mgをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート4.2gに加え、超音波洗浄機にて溶解を開始した。30分後の溶解性を目視した。完全に溶解した場合を○、わずかに濁りを生じた場合を△、半透明あるいは白濁、あるいは不要物があった場合を×で評価した。
重合体粉末100質量部と、光酸発生剤であるトリフェニルホスホニウムトリフレート2質量部と、溶媒であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート700質量部とを混合して均一溶液とした後、孔径0.1μmのメンブランフィルターでろ過し、レジスト組成物を調製した。
レジスト組成物をシリコンウエハー上にスピンコートし、ホットプレートを用いて120℃、60秒間プリベークを行い、膜厚0.4μmのレジスト膜を形成した。ついで、ArFエキシマレーザー露光機(波長:193nm)を用いて露光した後、ホットプレートを用いて120℃、60秒間露光後ベークを行った。ついで、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いて室温で現像し、純水で洗浄し、乾燥してレジストパターンを形成した。
日本電子製、JSM−6340F型電界放射形走査型電子顕微鏡(商品名)によりレジストパターンを観察し、ディフェクトが発生していないものを良好、ディフェクトが発生しているものを不良として評価した。結果を表1に示す。
(c)工程および(e)工程において、重合体湿粉を、気温が常に25〜30℃となるように管理された空調室内で6時間保管した以外は、実施例1と同様にして重合体粉末を製造し、レジスト組成物を調製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
単量体成分を、単量体(1−2)21.3質量部(40モル%)、単量体(2−1)29.4質量部(40モル%)、単量体(3−2)14.8質量部(20モル%)(ただし、Rはすべてメチル基。)に変更した以外は、実施例1と同様にして重合体粉末を製造し、レジスト組成物を調製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
(c)工程および(e)工程において、重合体湿粉を、気温が常に10〜15℃となるように管理された空調室内で12時間保管した以外は、実施例3と同様にして重合体粉末を製造し、レジスト組成物を調製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
(c)工程および(e)工程において、重合体湿粉を真空式ろ過器内で6時間放置した以外は、実施例1と同様にして重合体粉末を製造し、レジスト組成物を調製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。重合体湿粉の放置中、真空式ろ過器内の温度は、最高38℃にまで達した。
(c)工程および(e)工程において、重合体湿粉を真空式ろ過器内で0.5時間放置した以外は、実施例3と同様にして重合体粉末を製造し、レジスト組成物を調製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。重合体湿粉の放置中、真空式ろ過器内の温度は、最高43℃にまで達した。
一方、比較例1の重合体粉末は、溶媒への溶解性に劣り、該重合体粉末から得られたレジスト組成物からなるレジストパターンにディフェクトが発生した。比較例2の重合体粉末、レジスト組成物についても、同様の結果が得られた。
Claims (4)
- 重合体が分散媒に分散した分散液をろ過して、重合体湿粉を製造する工程と、
製造された重合体湿粉を保管する工程とを有する重合体湿粉の製造方法であって、
気温が常に35℃以下となるように管理された環境下で重合体湿粉を保管する、重合体湿粉の製造方法。 - 請求項1に記載の製造方法により得られた、重合体湿粉。
- 請求項1に記載の製造方法により得られた重合体湿粉を乾燥して得られた、重合体粉末。
- 請求項1に記載の製造方法により得られた重合体湿粉から得られた、レジスト組成物。
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