JP2008050461A - 重合体の製造方法、重合体およびレジスト組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】調合槽10(容器)内に貯留された、単量体成分および重合開始剤を含む単量体溶液を、重合槽20内にて重合温度に保持した溶媒中に滴下し、単量体成分を重合する工程を有する重合体の製造方法において、重合槽20に滴下する単量体溶液の温度の変動幅を6℃以下に保つ。
【選択図】図1
Description
ラクトン骨格を有する単量体、酸脱離性基を有する単量体、親水性基を有する単量体等の単量体成分、重合開始剤、および溶媒を含む単量体溶液を、重合槽内にて重合温度に保持した溶媒中に滴下し、重合槽内にて単量体成分を重合する方法。
・得られる重合体を含むレジスト組成物からなるレジスト膜が、設計通りの性能(現像液への溶解性、感度、解像度等。)を発揮できず、該レジスト膜を現像して得られるレジストパターンを用いて形成される回路の精度、歩留まり等が低下する。
・レジスト膜の現像の際に、ディフェクトと呼ばれる現像欠陥が生じ、該ディフェクトがレジストパターンの抜け等の原因となり、該レジストパターンを用いて形成される回路に断線、欠陥等が発生する。
本発明の重合体の製造方法においては、重合温度の変動幅を2℃以下に保つことが好ましい。
本発明のレジスト組成物は、本発明の重合体の製造方法により得られた重合体を含有することを特徴とする。
本発明の重合体は、目的とする用途において設計通りの性能を発揮できる。
本発明のレジスト組成物は、レジスト膜に設計通りの性能を発揮させ、かつレジストパターンにおけるディフェクトの発生を抑えることができる。
本発明の重合体の製造方法は、容器内に貯留された、単量体成分および重合開始剤を含む単量体溶液を、重合槽内にて重合温度に保持した溶媒中に滴下し、単量体成分を重合する工程を有し、重合槽に滴下する単量体溶液の温度の変動幅を6℃以下に保つことを特徴とする方法である。
重合開始剤としては、公知の重合開始剤が挙げられ、例えば、アゾ化合物、有機過酸化物等が挙げられる。
溶媒としては、単量体成分、重合開始剤、および得られる重合体のいずれをも溶解できる溶媒が挙げられる。溶媒としては、電子工業用グレードの溶媒が好ましい。
重合体としては、用途別では、レジスト用重合体、反射防止用重合体、塗料用重合体、トナー用重合体、成形用重合体等が挙げられる。
本発明の重合体の製造方法は、目標とする分子量および分子量分布のずれが少ないことが要求されるレジスト用重合体の製造に好適である。
本発明においては、重合温度の変動幅を4℃以下に保つことが好ましく、2℃以下に保つことがより好ましい。該変動幅とは、単量体溶液の滴下開始から重合終了までの間における重合槽内の溶液の最高温度と、重合槽内の溶液の最低温度との差を意味する。また、重合終了とは、所定の重合時間の経過後、重合槽内の重合体溶液の冷却を開始した時点を意味する。該変動幅を4℃以下に保つことにより、得られる重合体の分子量および分子量分布の、目標とする分子量および分子量分布からのずれを抑えることができる。
重合時間は、1時間以上が好ましく、24時間以下が好ましい。
以下、レジスト用重合体の製造方法について、具体的に説明する。
レジスト用重合体は、例えば、下記工程を経て製造される。
(a)単量体成分および重合開始剤を含む単量体溶液を調製する工程。
(b)容器内に貯留された単量体溶液を、重合槽内にて重合温度に保持した溶媒中に滴下し、単量体成分を重合し、重合体溶液を得る工程。
(c)重合体溶液を容器内の貧溶媒に注いで重合体を析出させ、重合体分散液を得る工程。
(d)重合体分散液を、フィルターを用いてろ過して重合体を回収する工程。
(e)回収された重合体を貧溶媒に分散させ、重合体分散液を得る工程。
(f)重合体分散液を、フィルターを用いてろ過して重合体を回収する工程。
(h)回収された重合体を良溶媒に溶解させて重合体溶液とする工程。
(i)重合体溶液を精密フィルターに通して不純物を除去する工程。
(j)精密フィルターを通過した重合体溶液から残存する貧溶媒を除去し、さらに重合体溶液を濃縮する工程。
図1に示す攪拌機12、ジャケット(図示略)およびおよびコンデンサ14を有する調合槽10(容器)に原料(単量体成分、重合開始剤、滴下溶媒等。)を注入し、攪拌機12で撹拌して単量体溶液を調製する。
ラクトン骨格を有する単量体(1)は、環内にカルボニルオキシ基(−C(O)O−)を含む環状の飽和炭化水素基を有する単量体である。
ラクトン骨格を有する単量体としては、単量体(1−1)〜(1−29)が好ましい。ただし、Rは、水素原子またはメチル基を表す。
分岐3級アルキル基、下記式で表されるアルキル置換炭化水素基(式中、R11は、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状アルキル基を表し、R12は、これが結合する炭素原子とともに炭化水素基を形成する基を表す。)、アルコキシアルキル基、−R13−O−R14−R15で表される基(式中、R13は、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状アルキレン基を表し、R14は、単結合、または炭素数1〜6の直鎖状または分岐状アルキレン基を表し、R15は、炭化水素基を表す。)、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等。
アルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、1−メトキシエチル基、エトキシメチル基、1−エトキシエチル基、イソプロポキシメチル基、1−イソプロポキシエチル基、シクロヘキソキシメチル基、1−シクロヘキソキシエチル基、シクロペントキシメチル基、1−シクロペントキシエチル基等が挙げられる。
単環性脂環式炭化水素基として、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられ、レジスト用重合体とした際に感度、解像度に優れる点から、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
多環性脂環式炭化水素基としては、例えば、架橋環式炭化水素基、スピラン系炭化水素基、環集合型炭化水素基等が挙げられる。具体例としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5 ]ドデシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基等が挙げられる。
酸脱離性基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、単量体(2−1)〜(2−28)が好ましい。ただし、RおよびR’は、水素原子またはメチル基を表す。
親水性基は、−C(CF3)2−OH、ヒドロキシ基、シアノ基、メトキシ基、カルボキシ基およびアミノ基からなる群から選択される少なくとも1種である。
親水性基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、単量体(3−1)〜(3−15)が好ましい。ただし、Rは、水素原子またはメチル基を表す。
非極性脂環式骨格を有する単量体(4)の量は、特に制限されないが、単量体成分(100モル%)中、20モル%以下が好ましい。非極性脂環式骨格を有する単量体(4)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
非極性脂環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタジエニルが挙げられる。該非極性脂環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルは、脂環式骨格上に炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基を有していてもよい。
非極性脂環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、単量体(4−1)〜(4−5)が好ましい。ただし、Rは、水素原子またはメチル基を表す。
2−メチル−2,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(1−(メタ)アクリロイルオキシ)エチルエーテル、1,4−ブタンジオールジ(1−(メタ)アクリロイルオキシ)メチルエーテル、(メタ)アクリロイルオキシエチレングリコールダイマー(1−(メタ)アクリロイルオキシ)エチルエーテル、(メタ)アクリロイルオキシエチレングリコールダイマー(1−(メタ)アクリロイルオキシ)メチルエーテル等の酸分解性基を有する多官能(メタ)アクリル酸エステル;
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−ヒドロキシスチレン、p−tert−ブトキシカルボニルヒドロキシスチレン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシスチレン、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシスチレン、p−tert−ペルフルオロブチルスチレン、p−(2−ヒドロキシ−iso−プロピル)スチレン等の芳香族アルケニル化合物;
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸およびカルボン酸無水物;
エチレン、プロピレン、ノルボルネン、テトラフルオロエチレン、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、塩化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、ビニルピロリドン;
単量体(5−1)〜(5−15)等が挙げられる。ただし、Rは、水素原子またはメチル基を表す。
本発明の製造方法で得られた重合体をArFエキシマレーザー(波長:193nm)リソグラフィー用途に用いる場合には、光線透過率(波長193nmの光に対する透過率)をできるだけ低下させない点から、重合開始剤としては、分子構造中に芳香環を有しないものが好ましい。また、重合時の安全性等を考慮すると、重合開始剤としては、10時間半減期温度が60℃以上のものが好ましい。
重合開始剤の量は、特に限定されないが、重合体の収率を高くさせる点から、単量体成分100モル部に対して0.3モル部以上が好ましく、1モル部以上がより好ましい。また、重合体の分子量分布を狭くさせる点から、単量体成分100モル部に対して30モル部以下が好ましい。
調合槽10における単量体溶液の単量体濃度は、特に限定されないが、5〜50質量%が好ましい。
連鎖移動剤の量は、単量体成分(100モル部)に対して1〜20モル部が好ましい。
図1に示す攪拌機22、ジャケット(図示略)およびコンデンサ24を有する重合槽20に仕込み溶媒を注入し、重合温度に保持する。調合槽10(容器)内に貯留された単量体溶液を重合槽20に供給し、重合温度に保持された仕込み溶媒中に滴下し、単量体成分を重合させ、重合体溶液を得る。
溶媒の量は、滴下溶媒および仕込み溶媒の合計量で、単量体成分(100質量部)に対して30〜700質量部が好ましい。
滴下重合法において溶媒を2種以上用いる場合、滴下溶媒および仕込み溶媒における溶媒の混合比は、任意の割合で設定できる。
仕込み溶媒の量は、特に限定されず、適宜決めればよい。通常は、単量体成分の全量100質量部に対して30〜700質量部である。
滴下開始から滴下終了までの間、重合槽に滴下する単量体溶液の温度(供給管16の出口の温度)の変動幅を6℃以下に保つ。
単量体溶液の温度の調整は、調合槽10に設けられたジャケット、または、調合槽10の単量体溶液を重合槽20に供給する供給管16の途中に設けられた熱交換器18によって行う。
単量体溶液の滴下開始から重合終了までの間、重合温度の変動幅を4℃以下に保つことが好ましい。
重合温度の調整は、重合槽20に設けられたジャケットによって行う。
重合時間は、1時間以上が好ましく、24時間以下が好ましい。
図1に示す重合槽20の重合体溶液を、必要に応じて、良溶媒で適当な溶液粘度に希釈する。
攪拌機32、ジャケット(図示略)およびコンデンサ34を有する精製槽30に貧溶媒を注入する。重合槽20の重合体溶液を精製槽30に供給し、攪拌機32で撹拌しながら貧溶媒中に滴下し、重合体を析出させ、重合体分散液を得る。
貧溶媒とは、重合体を溶解させる能力の小さい溶媒であり、重合体の組成に応じて貧溶媒が異なる。
例えば、「ポリマーハンドブック(Polymer Handbook)」、第4版、VII−497頁〜VII−545頁には、各種の重合体(Polymer)に対応する貧溶媒(Nonsolvents)が記載されている。
また、重合体がレジスト用アクリル系重合体の場合には、溶解度パラメーター(以下、単に「SP値」とも記す。)の値が、7.0(cal/cm3)1/2 〜9.0(cal/cm3)1/2[14.3MPa1/2 〜18.5MPa1/2]、または11.5(cal/cm3)1/2 〜23.4(cal/cm3)1/2[23.5MPa1/2 〜47.9MPa1/2]の範囲である溶媒が、貧溶媒として好ましい。
溶媒のSP値は、例えば、「ポリマーハンドブック(Polymer Handbook)」、第4版、VII−675頁〜VII−711頁に記載の方法により求めることができ、具体的には、表1(VII−683頁)、表7〜8(VII−688頁〜VII−711頁)に記載されている。
貧溶媒が複数の溶媒の混合溶媒である場合のSP値は、公知の方法により求めることができる。例えば、混合溶媒のSP値は、加成性が成立するとして、各溶媒のSP値と体積分率との積の総和として求めることができる。
前記レジスト用アクリル系重合体の貧溶媒としては、例えば、メタノール、イソプロパノール、メチル−t−ブチルエーテル、水、n−ヘキサン、n−ヘプタン等が挙げられる。貧溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
貧溶媒の量は、重合体溶液100質量部に対して300〜3000質量部が好ましい。
図1に示す精製槽30の重合体分散液を、フィルター42を有する真空式ろ過器40に供給し、重合体分散液を、フィルター42を用いてろ過して重合体の湿粉を回収する。
フィルター42は、前ロットで用いたフィルターを洗浄したものであってもよく、一度もろ過に用いられていない新品のフィルターであってもよい。
図1に示す精製槽30に貧溶媒を注入する。真空式ろ過器40にて回収された重合体の湿粉を精製槽30に投入し、攪拌機32で撹拌して貧溶媒に分散させ、重合体分散液を得る。
貧溶媒としては、(c)工程にて用いた貧溶媒が挙げられる。
貧溶媒の量は、重合体湿粉100質量部に対して300〜3000質量部が好ましい。
(d)工程と同様にして、重合体分散液をフィルター42を用いてろ過して重合体の湿粉を回収する。
フィルター42としては、(d)工程で用いたフィルターをそのまま用いてもよく、(d)工程で用いたフィルターに代えて、別のフィルターを新たに用意し、これを用いてもよい。
(f)工程にて回収された重合体の湿粉を乾燥機(図示略)に移送し、該乾燥機にて湿粉を乾燥させて、最終製品である粉体品を得る。
乾燥機としては、間接加熱方式箱型乾燥装置(真空)、間接加熱方式箱型乾燥装置(凍結真空)、間接加熱方式撹拌乾燥装置(皿形、丸形、みぞ形)、間接加熱方式回転乾燥装置、間接過熱方式ドラム型乾燥装置、直接過熱方式箱型乾燥装置(並行、通気、流動層)、直接加熱方式トンネル型乾燥装置、直接加熱方式バンド型乾燥装置(並行、通気)、直接加熱方式シート乾燥装置、直接過熱方式多段円板乾燥装置、直接過熱方式縦型ターボ乾燥装置、直接過熱方式縦型通気乾燥装置、直接過熱方式回転乾燥装置(直接、通気)、直接加熱方式振動乾燥装置、直接加熱方式流動乾燥装置、直接加熱方式気流乾燥装置、直接加熱方式噴霧乾燥装置、直接加熱方式泡沫層乾燥装置、赤外線乾燥装置、高周波乾燥装置、超音波乾燥装置等が挙げられる。乾燥機としては、レジスト組成物として用いた際の感度、解像度が優れる点から、間接加熱方式箱型乾燥装置が好ましい。
乾燥温度は、20〜100℃が好ましい。
乾燥時間は、2〜200時間が好ましい。
図1に示す攪拌機52、ジャケット(図示略)およびコンデンサ54を有する溶解槽50に良溶媒を注入する。(f)工程にて回収された重合体の湿粉を溶解槽50に投入し、攪拌機52で撹拌して良溶媒に溶解させ、重合体溶液を得る。
良溶媒としては、後述のレジスト組成物用の溶媒が挙げられる。
良溶媒の量は、重合体100質量部に対して100〜5000質量部が好ましい。
図1に示す溶解槽50の重合体溶液を精密フィルターを有する精密ろ過器60に供給し、重合体溶液を精密フィルターに通して不純物を除去する。
精密フィルターとしては、メンブランフィルター、カートリッジフィルター等が挙げられる。
図1に示す攪拌機72、ジャケット(図示略)およびコンデンサ74を有する濃縮槽70に、精密フィルターを通過した重合体溶液を注入する。濃縮槽70の重合体溶液を攪拌機72にて撹拌しながらジャケットにて加熱し、重合体溶液から残存する貧溶媒を減圧下で除去し、さらに重合体溶液を所定の重合体濃度になるまで濃縮し、最終製品である重合体溶液を得る。
濃縮槽70から排出される貧溶媒および良溶媒の蒸気は、コンデンサ74にて液体に凝集され、回収タンク80に送られる。
本発明の製造方法で得られた重合体の質量平均分子量は、レジスト用重合体の場合、1000以上が好ましく、また、1000000以下が好ましい。レジスト用重合体をポジ型レジスト組成物に用いる場合には、レジスト用重合体の質量平均分子量は、エッチング耐性およびレジストパターン形状の点から、1000以上が好ましく、2000以上であることがより好ましく、5000以上であることが特に好ましい。また、レジスト用重合体をポジ型レジスト組成物として用いる場合には、レジスト用重合体の質量平均分子量は、溶媒に対する溶解性および解像度の点から、100000以下であることが好ましく、50000以下であることがより好ましく、20000以下であることが特に好ましい。
本発明の製造方法で得られた重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、特に限定されないが、レジスト用重合体として用いる場合には、レジスト溶液に対する溶解性および解像度の点から、2.5以下が好ましく、2.3以下がより好ましく、2.0以下が特に好ましい。
溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン等の直鎖もしくは分岐鎖ケトン類;シクロペンタノン、シクロヘキサノン等の環状ケトン類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のジエチレングリコールアルキルエーテル類;酢酸エチル、乳酸エチル等のエステル類;n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、シクロヘキサノール、1−オクタノール等のアルコール類;1,4−ジオキサン、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン;ペンタン、2−メチルブタン、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジブチルブタン、2,3−ジブチルブタン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、n−ノナン、2,2,5−トリメチルヘキサン、n−デカン、n−ドデカン等の炭素数5〜11の脂肪族炭化水素系溶媒等が挙げられる。溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
溶媒としては、安全性が高く、汎用的に用いられている点から、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトンが好ましい。
光酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物の酸発生剤として用いることができるものの中から任意に選択することができる。光酸発生剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第2級低級脂肪族アミン、第3級低級脂肪族アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。これらのうち、含窒素化合物としては、トリエタノールアミン等の第3級アルカノールアミンがより好ましい。
含窒素化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
有機カルボン酸としては、例えば、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸等が好ましい。
リンのオキソ酸、または、その誘導体としては、例えば、リン酸、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸およびそれらのエステルのような誘導体;ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸およびそれらのエステルのような誘導体;ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸およびそれらのエステルのような誘導体等が挙げられる。これらのうち、ホスホン酸が好ましい。
これらの化合物(有機カルボン酸、リンのオキソ酸、または、その誘導体)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
さらに、レジスト組成物には、必要に応じて、界面活性剤、前記含窒素化合物以外のクエンチャー、増感剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤等の各種添加剤を配合してもよい。これらの添加剤は、当該分野で公知のものであればいずれも用いることができる。また、これらの添加剤の添加量は、特に限定されず、適宜決めればよい。
まず、パターンを形成するシリコンウエハー等の被加工基板の表面に、レジスト組成物をスピンコート等により塗布する。そして、このレジスト組成物が塗布された被加工基板をベーキング処理(プリベーク)等で乾燥し、基板上にレジスト膜を形成する。
また、本発明のレジスト組成物は、本発明の製造方法によって得られた重合体を含有するため、レジスト膜に設計通りの性能を発揮させ、かつレジストパターンにおけるディフェクトの発生を抑えることができる。
(レジスト用重合体の製造)
(a)工程:
攪拌機およびジャケットを有する調合槽に、単量体(1−1)(ただし、Rはメチル基。)23.1質量部、単量体(2−10)(ただし、Rはメチル基。)26.7質量部、単量体(3−4)(ただし、Rはメチル基。)16.1質量部、乳酸エチル98.7質量部、および重合開始剤であるジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業(株)製、V601(商品名))1.96質量部を注入し、撹拌して単量体溶液を調製した。
窒素導入口、攪拌機、ジャケットおよびコンデンサを有する重合槽に、窒素雰囲気下で、乳酸エチル54.9質量部を注入し、攪拌しながら温度を80℃±1℃に保持した。調合槽のジャケットによって調合槽の単量体溶液の温度を25℃±5℃に保ちながら、単量体溶液を重合槽に供給し、重合槽のジャケットによって80℃±1℃に保持された乳酸エチル中に一定速度で6時間かけて滴下した。単量体溶液の滴下開始から滴下終了までの間、単量体を重合槽に供給する供給管に設けられた熱交換器によって、供給管の出口の単量体溶液の温度25℃±1℃に保った。また、単量体溶液の滴下開始から滴下終了までの間、重合槽のジャケットによって重合槽内の溶液の温度を80℃±2℃に制御できた。その後、重合槽のジャケットによって重合槽内の溶液を80℃±1℃で1時間保持し、重合体溶液を得た。
攪拌機、ジャケットおよびコンデンサを有する精製槽にメタノール1078質量部および水340質量部を注入した。重合槽の重合体溶液220質量部を精製槽に供給し、メタノールおよび水の混合溶媒中に撹拌しながら滴下し、重合体を析出させ、重合体の分散液を得た。
精製槽の重合体分散液を、フィルター(東レ(株)製、ミラクル濾布(商品名))を有する真空式ろ過器に供給し、重合体分散液を該フィルターを用いてろ過して重合体の湿粉を回収した。
精製槽にメタノール1445質量部および水255質量部を注入した。真空式ろ過器にて回収された重合体の湿粉140質量部を精製槽に投入し、攪拌機で撹拌してメタノールおよび水の混合溶媒に分散させ、重合体の分散液を得た。
精製槽の重合体分散液を、フィルターを有する真空式ろ過器に供給し、重合体分散液を該フィルターを用いてろ過して重合体の湿粉を回収した。フィルターとしては、(d)工程で用いたフィルターを洗浄することなくそのまま用いた。
攪拌機、ジャケットおよびコンデンサを有する溶解槽にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート490質量部を注入した。(f)工程にて回収された重合体の湿粉140質量部を溶解槽に投入し、攪拌機で撹拌してプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させ、重合体溶液を得た。
溶解槽の重合体溶液を精密フィルター(日本ポール(株)製、P−NYLON N66FILTER0.04M(商品名))を有する精密ろ過器に供給し、重合体溶液を精密フィルターに通して不純物を除去した。
攪拌機、ジャケットおよびコンデンサを有する濃縮槽に、精密フィルターを通過した重合体溶液を注入した。濃縮槽の重合体溶液を攪拌機にて撹拌しながらジャケットにて加熱し、重合体溶液から残存するメタノールおよび水を減圧下で除去し、さらに重合体溶液を重合体濃度が25質量%になるまで濃縮し、重合体溶液を得た。
重合体溶液の一部をサンプリングし、該溶液から溶媒を除去し、固形の重合体を得た。約20mgの重合体を5mLのテトラヒドロフランに溶解し、孔径0.5μmメンブランフィルターでろ過して試料溶液を調製した。この試料溶液を、東ソー(株)製ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)に導入し、質量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を測定した。また、質量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)から分子量分布(Mw/Mn)を求めた。結果を表1に示す。
分離カラムとしては、昭和電工(株)製、Shodex GPC K−805L(商品名)を3本直列にしたものを用い、溶媒としては、テトラヒドロフラン(流量1.0mL/min)を用い、検出器としては示差屈折計を用いた。測定条件は、測定温度40℃、注入量0.1mLであった。標準ポリマーとして東ソー製標準ポリスチレンF−80(Mw=706,000)、F−20(Mw=190,000)、F−4(Mw=37,900)、F−1(Mw=10,200)、A−2500(Mw=2,630)、A−500(Mw=682、578、474、370、260の混合物)(商品名)を用いた。
重合体溶液400質量部(固形分100.8質量部)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート400質量部および光酸発生剤であるトリフェニルスルホニウムトリフレート2質量部を混合して均一溶液とした後、孔径0.1μmのメンブランフィルターでろ過し、レジスト組成物を調製した。
レジスト組成物をシリコンウエハー上にスピンコートし、ホットプレートを用いて120℃、60秒間プリベークを行い、膜厚0.4μmのレジスト膜を形成した。ついで、ArFエキシマレーザー露光機(波長:193nm)を用いて露光した後、ホットプレートを用いて120℃、60秒間露光後ベークを行った。ついで、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いて室温で現像し、純水で洗浄し、乾燥してレジストパターンを形成した。
ライン・アンド・スペース(L/S=1/1)を1/1の線幅に形成する露光量(mJ/cm2 )を測定し、これを感度とした。結果を表1に示す。
前記露光量で露光したときに解像されるレジストパターンの最小寸法(μm)を解像度とした。結果を表1に示す。
日本電子製、JSM−6340F型電界放射形走査型電子顕微鏡(商品名)によりレジストパターンを観察し、ディフェクトが発生していないものを良好、ディフェクトが発生しているものを不良として評価した。結果を表1に示す。
(b)工程において、調合槽の単量体溶液の温度を25℃±10℃に保った以外は、実施例1と同様にして重合体を製造し、レジスト組成物を調製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
(a)工程で用いる単量体成分を、単量体(1−12)(ただし、Rは水素原子。)33.7質量部、単量体(2−2)(ただし、Rはメチル基。)37.7質量部、および単量体(3−7)(ただし、Rはメチル基。)19.7質量部に変更し;滴下溶媒をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート136.7質量部に変更し;仕込み溶媒をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート33.41質量部およびγ−ブチロラクトン42.5質量部の混合溶媒に変更し;重合開始剤であるジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業(株)製、V601(商品名))の量を3.50質量部に変更し;(b)工程で用いる貧溶媒をメタノール1824質量部に変更し;(d)工程で用いる貧溶媒をメタノール1824質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして重合体を製造し、レジスト組成物を調製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
(b)工程において、調合槽の単量体溶液の温度を25℃±10℃に保った以外は、実施例3と同様にして重合体を製造し、レジスト組成物を調製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
(b)工程において、調合槽の単量体溶液の温度、および供給管の出口の重合体溶液の温度を調整しない以外は、実施例1と同様にして重合体を製造し、レジスト組成物を調製し、評価を行った。調合槽の単量体溶液の温度は3℃から10℃の間で変動し、供給管の出口の単量体溶液の温度は3℃から10℃の間で変動した。その結果、滴下初期10分後まで、重合槽温度が75℃まで急激に低下し、重合槽の溶液の温度が80℃±3℃となった。評価結果を表1に示す。
(b)工程において、調合槽の単量体溶液の温度、および供給管の出口の重合体溶液の温度を調整しない以外は、実施例3と同様にして重合体を製造し、レジスト組成物を調製し、評価を行った。調合槽の単量体溶液の温度は3℃から10℃の間で変動し、供給管の出口の単量体溶液の温度は3℃から10℃の間で変動した。その結果、滴下初期10分後まで、重合槽温度が75℃まで急激に低下し、重合槽の溶液の温度が80℃±3℃となった。評価結果を表1に示す。
(b)工程において、調合槽の単量体溶液の温度をジャケットで調整しない以外は、実施例1と同様にして重合体を製造し、レジスト組成物を調製し、評価を行った。調合槽の単量体溶液の温度は35℃から45℃の間で変動し、熱交換器によって、供給管の出口の単量体溶液の温度は25℃±1℃に保った。評価結果を表1に示す。
(b)工程において、調合槽の単量体溶液の温度をジャケットで調整しない以外は、実施例3と同様にして重合体を製造し、レジスト組成物を調製し、評価を行った。調合槽の単量体溶液の温度は35℃から45℃の間で変動し、熱交換器によって、供給管の出口の単量体溶液の温度は25℃±1℃に保った。評価結果を表1に示す。
一方、比較例1の重合体は、分子量および分子量分布が実施例1、2から大きくはずれ、また、レジスト組成物は、レジスト膜の性能が実施例1、2から大きくはずれ、設計通りの性能を発揮できなかった。比較例2の重合体も、分子量および分子量分布が実施例3、4から大きくはずれ、また、レジスト組成物についても、レジスト膜の性能が実施例3、4から大きくはずれ、設計通りの性能を発揮できなかった。また、比較例3,4では単量体溶液の重合が始まり、分子量および分子量分布が実施例1、3から大きくはずれた。
20 重合槽
Claims (5)
- 容器内に貯留された、単量体成分および重合開始剤を含む単量体溶液を、重合槽内にて重合温度に保持した溶媒中に滴下し、単量体成分を重合する工程を有し、
重合槽に滴下する単量体溶液の温度の変動幅を6℃以下に保つ、重合体の製造方法。 - 前記容器内の単量体溶液の温度を10〜35℃に保つ、請求項1に記載の重合体の製造方法。
- 重合温度の変動幅を2℃以下に保つ、請求項1または2に記載の重合体の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法により得られた、重合体。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法により得られた重合体を含有する、レジスト組成物。
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