JP2008049396A - 金属材料の押出成形用ダイス - Google Patents

金属材料の押出成形用ダイス Download PDF

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Abstract

【課題】耐久性に優れ、高い品質の押出成形品が得られる金属材料の押出成形用ダイスを提供する。
【解決手段】ダイス10は、外表面を金属材料受圧面22とする受圧部21を有し、受圧面22が後向きに配置されるダイスケース20と、ダイスケース内に設けられるオス型ダイス30およびメス型ダイス40と、を備える。受圧部21が後方に向けて突出するように形成されるとともに、その突出寸法L2が、軸心方向に対し直交する半径寸法L1よりも長く形成される一方、受圧部21の外周に、金属材料導入用のポート孔24が設けられる。そして、ダイス10は、受圧面22に押圧された金属材料が、ポート孔24を通ってダイスケース内に導かれて、押出孔11を通過するよう構成される。
【選択図】図1

Description

この発明は、金属材料の押出加工に用いられる金属材料の押出成形用ダイスおよびその関連技術に関する。
カーエアコン用熱交換器におけるアルミニウム製熱交換チューブなどの金属製中空押出品を製造する際に用いられる押出成形用ダイスは、図13(a)に示すポートホールダイス、同図(b)に示すスパイダダイス、同図(c)に示すブリッジダイスと称されるものがある。
これらの押出成形用ダイスは、オス型ダイス(1)とメス型ダイス(2)とが組み合わされて構成され、オス型ダイス(1)のマンドレル(1a)が、メス型ダイス(2)のダイス孔(2a)に対応して配置されて、マンドレル(1a)およびダイス孔(2a)によって環状の押出孔が形成される。そしてオス型ダイス(1)のビレット受圧面(金属材料受圧面1b)に押圧された金属ビレット(金属材料)が、材料導入部(1c)を通って両ダイス(1)(2)内に流入されて、上記押出孔を塑性変形しつつ通過することによって、押出孔の形状に対応した断面形状の押出材が成形加工されるよう構成されている。
このような押出成形用ダイスにおいては、オス型ダイス(1)のビレット受圧面(1b)に、金属ビレットの押圧による多大な応力が加わるため、その応力によって、受圧部周辺に亀裂が発生し易く、十分なダイス寿命を得ることが困難になるおそれがある。
そこで従来においては、下記特許文献1,2に示す金属材料の押出成形用ダイスが提案されている。このダイスは、オス型ダイスのビレット受圧面がビレットの押出方向に対し反対側(後側)に突出する凸面形状に形成されており、このビレット受圧面に加わる金属ビレットの押圧力をオス型ダイスのブリッジ部によって受け止めるように構成されている。
実開昭53−102938号(請求の範囲、第3−5図) 特公平6−81644号(請求の範囲、図面)
上記特許文献1,2に示す従来の押出成形用ダイスは、ビレット受圧面を凸面形状に形成しているため、金属ビレットに対する耐圧性など、オス型ダイスの強度をある程度向上させることができるものの、依然としてブリッジ部に強度的に不安を抱えている。このためブリッジ部の強度を十分に確保するには、オス型ダイスにおけるブリッジ部の肉厚などのサイズを大きくせざるを得ず、大型化および高重量化を来すばかりか、コストの増大も招くという問題が発生する。
また押出成形用ダイスにおいて、特に複雑な形状に押出加工するような場合には、金属材料をオス型ダイスの材料導入部から押出孔にかけて安定状態にスムーズに導入する必要があるが、上記従来の押出成形用ダイスにおいては、オス型ダイスの材料導入部からオス型ダイスおよびメス型ダイス間に流入される金属材料がオス型ダイスのブリッジ部によって乱されて、金属材料のスムーズな導入が妨げられ、押出成形品の寸法精度が低下して、高い品質を得ることが困難になるおそれがあった。
この発明の主たる目的は、上記従来技術の問題を解消し、十分な強度および耐久性を確保しつつ、コストの削減および小型軽量化を図ることができるとともに、高い品質の押出成形品を得ることができる金属材料の押出成形用ダイスを提供することである。
この発明の他の目的は、上記目的を達成可能な押出成形品の製造方法、押出チューブ材の製造方法、多孔中空材の製造方法、押出成形用ダイスのダイスケース、金属材料の押出成形方法および金属材料の押出成形機などの関連技術を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を要旨とするものである。
[1] 外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、金属材料受圧面を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置されるダイスケースと、
ダイスケース内に設けられるオス型ダイスと、
ダイスケース内に設けられ、かつオス型ダイスとの間で押出孔を形成するメス型ダイスと、を備え、
受圧部が後方に向けて突出するように形成されるとともに、その突出寸法が、軸心方向に対し直交する半径寸法よりも長く形成される一方、受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられ、
金属材料受圧面に押圧された金属材料が、ポート孔を通ってダイスケース内に導かれて、押出孔を通過するよう構成されたことを特徴とする金属材料の押出成形用ダイス。
[2] 受圧部が、長軸方向に二分割された半楕円体形状に形成される前項1に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[3] 受圧部の突出寸法が、半径寸法に対し2倍以下に設定される前項1または2に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[4] ポート孔の軸心が下流側に向かうに従ってダイスケースの軸心に近づくように、ダイスケースの軸心に対し傾斜するように配置される前項1〜3のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[5] ポート孔は、ダイスケースの軸心回りに周方向に等間隔おきに複数形成される前項1〜4のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[6] ポート孔は、押出孔に向けて配置される前項1〜5のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[7] ポート孔の軸心が、ダイスケースの軸心に対し10〜35°の傾斜角度に設定される前項1〜6のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[8] ダイスケースは、その前部に受圧部と一体に環状ベース部が設けられる前項1〜7のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[9] 金属材料が、アルミニウムまたはその合金によって構成される前項1〜8のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[10] オス型ダイスと、メス型ダイスとによって、環状の押出孔が形成され、
金属材料が押出孔を通過することによって、断面環状のチューブ材が成形される前項1〜9のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[11] オス型ダイスと、メス型ダイスとによって、高さ(厚さ)が幅に対し小さい偏平な環状の押出孔が形成されるとともに、
マンドレルにおけるダイス孔に対応する部分が、幅方向に併設された複数の通路形成用凸部を有する櫛歯状に形成されて、
金属材料が押出孔を通過することによって、複数の通路が幅方向に併設された多孔中空材が成形されるよう構成される前項1〜10のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[12] 前項1〜11のいずれかに記載された押出成形用ダイスを用いて押出成形品を成形することを特徴とする押出成形品の製造方法。
[13] 前項10に記載された押出成形用ダイスを用いて押出チューブ材を成形することを特徴とする押出チューブ材の製造方法。
[14] 前項11に記載された押出成形用ダイスを用いて多孔中空材を成形することを特徴とする多孔中空材の製造方法。
[15] 外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、金属材料受圧面が金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置される一方、内部にオス型ダイスおよびメス型ダイスが設けられる押出成形用ダイスのダイスケースであって、
受圧部が後方に向けて突出するように形成されるとともに、その突出寸法が、軸心方向に対し直交する半径寸法よりも長く形成される一方、受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられ、
金属材料受圧面に押圧された金属材料が、ポート孔を通ってダイスケース内に導かれて、押出孔を通過するよう構成されたことを特徴とする押出成形用ダイスのダイスケース。
[16] 金属材料の押出成形方法であって、
外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、金属材料受圧面を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置されるダイスケースと、
ダイスケース内に設けられるオス型ダイスと、
ダイスケース内に設けられ、かつオス型ダイスとの間で押出孔を形成するメス型ダイスと、を準備しさらに、
受圧部が後方に向けて突出するように形成されるとともに、その突出寸法が、軸心方向に対し直交する半径寸法よりも長く形成される一方、受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられるよう構成しておき、
金属材料受圧面に押圧された金属材料を、ポート孔に通してダイスケース内に導いて、押出孔に通過させることを特徴とする金属材料の押出成形方法。
[17] コンテナと、そのコンテナにセットされる押出成形用ダイスと、を備え、コンテナ内の金属材料を押出成形用ダイスに供給するようにした金属材料の押出成形機であって、
押出成形用ダイスは、
外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、金属材料受圧面を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置されるダイスケースと、
ダイスケース内に設けられるオス型ダイスと、
ダイスケース内に設けられ、かつオス型ダイスとの間で押出孔を形成するメス型ダイスと、を備え、
受圧部が後方に向けて突出するように形成されるとともに、その突出寸法が、軸心方向に対し直交する半径寸法よりも長く形成される一方、受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられ、
金属材料受圧面に押圧された金属材料が、ポート孔を通ってダイスケース内に導かれて、押出孔を通過するよう構成されたことを特徴とする金属材料の押出成形機。
発明[1]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、受圧部を軸心方向に長い凸部形状に形成しているため、金属材料が受圧面に押圧された際に、金属材料の押圧力を受圧面によって分散させて受け止めることができて、受圧面の各部分での法線方向の押圧力を低減することができる。このため金属材料の押圧力に対する強度を向上できて、十分な耐久性を得ることができる。
さらに金属材料受圧面を凸面形状に形成しているため、金属材料が受圧面に押圧された場合、受圧面の各部位には受圧部の軸心に向かう方向ないしそれに近い方向の圧縮力が加わるため、押出成形時にダイスケースに生じる剪断力が低減される。その結果、このダイスケースにおいて特に剪断力が大きく生じる部位である、ダイスケースの中空部に露出した部位について、該部位に生じる剪断力を低減でき、もって金属材料の押圧力に対するダイスの強度を向上させることができる。
さらに本発明においては、オス型ダイスおよびメス型ダイスを覆うダイスケースの受圧部に、材料流入用のポート孔を形成するものであるため、つまり受圧部の前端(下流側)壁部が周方向に連続して一体に形成されるため、この連続周壁部の存在によって、ダイスケース、ひいては押出成形用ダイス全体の強度を一段と向上させることができる。このように本発明のダイスは、従来におけるブリッジ部などの強度的に弱い部分が存在せず、強度向上のために必要以上に肉厚などのサイズを大きく形成する必要もないため、小型軽量化を図ることができるとともに、コストも削減することができる。
発明[2][3]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、上記の効果を確実に得ることができる。
発明[4]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、ポート孔の軸心を下流側に向かうに従ってダイスケースの軸心に近づくように、ダイスケースの軸心に対し傾斜するように配置しているため、ポート孔を流通する金属材料がダイスケース内の軸心、つまり押出孔にスムーズに導かれて、安定状態で押出加工することができ、高品質の押出加工品を得ることができる。
発明[5]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、ポート孔を周方向に複数形成しているため、金属材料をダイスケース内に周方向から均等に導入でき、押出孔へとスムーズに供給でき、より安定状態に押出加工することができる。
発明[6]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、ポート孔を押出孔に向けて配置しているため、ポート孔に流入された金属材料を、よりスムーズに押出孔へと供給することができる。
発明[7]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、ポート孔の軸心を、特定の傾斜角度に設定しているため、金属材料をポート孔から押出孔に、一層安定した状態で供給することができる。
発明[8]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、受圧部と一体に環状ベース部が設けられるため、その環状ベース部により補強されて、ダイスケース、ひいては押出成形用ダイス全体の強度をより一層向上させることができる。
発明[9]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の押出成形品を製造することができる。
発明[10]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、断面環状のチューブ材を確実に形成することができる。
発明[11]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、幅方向に複数の通路が並列に配置された多孔中空材を確実に形成することができる。
発明[12]によれば、上記と同様の効果を奏する押出成形品の製造方法を提供することができる。
発明[13]によれば、上記と同様の効果を奏する押出チューブ材の製造方法を提供することができる。
発明[14]によれば、上記と同様の効果を奏する多孔中空材の製造方法を提供することができる。
発明[15]によれば、上記と同様の効果を奏する押出成形用ダイスのダイスケースを提供することができる。
発明[16]によれば、上記と同様の効果を奏する金属材料の押出成形方法を提供することができる。
発明[17]によれば、上記と同様の効果を奏する金属材料の押出成形機を提供することができる。
図1〜5はこの発明の実施形態の一例とする押出成形用ダイス(10)を示す図である。これらの図に示すように本実施形態の押出成形用ダイス(10)は、ダイスケース(20)と、オス型ダイス(30)と、メス型ダイス(40)と、流動制御板(50)と、を備えている。なお本実施形態では、ダイス(10)により成形される押出製品(押出成形品)を基準にして、押出方向の「上流側」を「後側」とし、「下流側」を「前側」として説明する。
ダイスケース(20)は、中空構造を有しており、金属材料としての金属ビレットの押出方向に対し、上流側(後側)に設けられる受圧部(21)と、下流側(前側)に設けられるベース部(25)とを有している。
受圧部(21)は、金属ビレットの押出方向に対向する面(後面)が、金属材料受圧面としてのビレット受圧面(22)に形成されている。
受圧部(21)は、押出方向に対向する方向(後方)に突出するように形成されている。この受圧部(21)は、長軸方向に二分割され、かつ長軸を軸心に一致させた半楕円体形状を有している。詳述すると、この受圧部(21)は、楕円をその長軸を中心に回転して得られる回転楕円体をその長軸方向に二分割した半楕円体形状に形成されている。換言すれば、受圧部(21)は、軸心方向(長軸方向)の長さ(突出寸法)が、軸心に対し直交する方向(短軸方向)の半径寸法よりも長く設定された半楕円体形状を有している。従って受圧部(21)は、軸心方向の上流側から見た状態では、円形に形成されるとともに、軸心に対し直交する方向から見た状態では、長軸方向に二分割された半楕円形状(横割りの1/2楕円形状)に形成されている。また、受圧部(21)のビレット受圧面(22)は、半楕円体の外表面、即ち半楕円面に形成されている。
受圧部(21)の周壁中央には、内部の中空部(ウェルドチャンバ12)に連通するオス型ダイス保持孔(23)が軸心(A1)に沿って設けられている。このオス型ダイス保持孔(23)は、オス型ダイス(30)の断面形状に対応して、円形に形成されている。さらに図3,5に示すようにオス型ダイス保持孔(23)の後端側内周面には、後述するオス型ダイス(30)を係合するための係合段部(23a)が設けられている。
受圧部(21)の周壁には、周方向に等間隔おきに3つのポート孔(24)がそれぞれ形成されている。各ポート孔(24)は下流側(前方)に向かうに従って受圧部(21)の軸心(A1)に近づくように、ポート孔(24)の軸心(A2)が受圧部(21)の軸心(A1)に対し交差し、かつ傾斜して配置されている。このポート孔(24)の傾斜角度(θ)などの詳細な構成については、後に詳述する。
なお言うまでもなく本実施形態において、ダイスケース(20)の軸心と受圧部(21)の軸心とは一致するよう構成されている。
ベース部(25)は、受圧部(21)に対し一体に形成されており、外周面が受圧部(21)の他端側外周よりも外側に張り出すように形成されている。
ベース部(25)の内側には、内部のウェルドチャンバ(12)に連通し、かつメス型ダイス(40)の断面形状に対応する断面形状のメス型ダイス保持孔(26)が形成されている。このメス型ダイス保持孔(26)の軸心は、ダイスケース(20)の軸心(A1)に一致するように構成されている。
またメス型ダイス保持孔(26)の内周面における後端側には図3,5などに示すように、後述するメス型ダイス(40)を流動制御板(50)を介して係合する係合段部(26a)が形成されている。
オス型ダイス(30)は、その前端部がマンドレル(31)として構成されている。図3〜5に示すようにマンドレル(31)は、押出製品(押出成形品)としての中空材(60)の中空部を成形するもので、中空材の中空部形状に対応する形状、すなわち円形に形成されている。
オス型ダイス(30)の後端部における外周縁部には、ダイスケース(20)におけるオス型ダイス保持孔(23)の上記係合段部(23a)に対応して、係合凸部(33a)が外方突出状に一体に形成されている。
このオス型ダイス(30)が、上記ダイスケース(20)のオス型ダイス保持孔(23)に、そのビレット受圧面(22)側から挿入されて固定される。このときオス型ダイス(30)の係合凸部(33a)が、オス型ダイス保持孔(23)内の係合段部(23a)に係合されて、オス型ダイス(30)の位置決めが図られることにより、オス型ダイス(30)のマンドレル(31)が、ダイスケース(20)の内部におけるオス型ダイス保持孔(23)から内部に所定量突出した状態に保持される。
なおオス型ダイス(30)の基端面(後端面)は、ダイスケース(20)のビレット受圧面(22)に倣う半楕円面の一部(先端部)に形成されており、オス型ダイス(30)の基端面(後端面)と、ビレット受圧面(22)とにより所望の連続する半楕円面形状が形成されるよう構成されている。
メス型ダイス(40)は、円柱形状を有しており、図4に示すように外周面の両側部には、軸心と平行にキー突起(47)(47)が形成されている。
メス型ダイス(40)には、後端面側に開放し、かつオス型ダイス(30)のマンドレル(31)に対応して形成されるダイス孔(ベアリング孔41)と、ダイス孔(41)に連通し、かつ前端面側に開放するレリーフ孔(42)とが設けられている。
ダイス孔(41)は、その内周縁部に沿って内方突出部が設けられて、押出製品の外周部を成形できるよう構成されている。さらにレリーフ孔(42)は、前端側(下流側)に向かうに従って次第に径寸法が大きくなるように末広がりのテーパ状に形成されて、下流側に開放されている。
流動制御板(50)は、その外周形状が、上記ダイスケース(20)におけるメス型ダイス保持孔(26)の断面形状に対応して円形に形成されている。さらに流動制御板(50)の中央には、オス型ダイス(30)のマンドレル(31)およびメス型ダイス(40)のダイス孔(41)に対応して、中央貫通孔(51)が形成されている。
なお図4に示すように流動制御板(50)における外周縁部の両側部には、上記メス型ダイス(40)のキー突起(47)に対応して、キー突起(57)(57)が形成されている。
そして上記メス型ダイス(40)が、ダイスケース(20)のメス型ダイス保持孔(26)に、流動制御板(50)を介して収容されて固定される。このときメス型ダイス(40)の一端面(後端面)外周が流動制御板(50)の外周縁部を介してメス型ダイス保持孔(26)の係合段部(26a)に係合されることにより、メス型ダイス(40)の軸心方向の位置決めが図られる。
さらにダイスケース(20)におけるメス型ダイス保持孔(26)の内周面両側部には、上記メス型ダイス(40)のキー突起(47)(47)および流動制御板(50)のキー突起(57)(57)に対応して、軸心と平行なキー溝(図示省略)が設けられており、このキー溝内に、キー突起(47)(47)(57)(57)が適合状態に収容されている。このキー突起(47)(57)が、メス型ダイス保持孔(26)のキー溝に係合されることにより、メス型ダイス(40)および流動制御板(50)における軸心回り方向の位置決めが図られている。
こうしてメス型ダイス(40)および流動制御板(50)が組み付けられることによって、オス型ダイス(30)のマンドレル(31)およびメス型ダイス(40)のダイス孔(41)が流動制御板(50)の中央貫通孔(51)内に対応して配置される。この状態においては図3,5に示すように、オス型ダイス(30)のマンドレル(31)が、メス型ダイス(40)のダイス孔(41)の内側に配置されて、マンドレル(31)およびダイス孔(41)間で円環状の押出孔(11)が形成される。
ここで本実施形態において、受圧部(21)は側方(軸心方向に対し直交する方向)から見た状態において(図2参照)、長軸方向の長さ(突出寸法)が短軸方向の半径寸法に対し、2倍以下に設定するのが望ましく、特に1.1〜2倍に設定するのが良く、つまり短軸方向の半径寸法を「L1」、突出寸法を「L2」としたとき、、L1:L2=1:1.1〜1:2に設定するのが特に良い。すなわちこの比率を上記特有の範囲内に設定する場合には、ポート孔(24)の開口部形状や大きさを適度に調整できるとともに、後述のポート孔(24)の傾斜角度(θ)を所定の範囲内に設定し易くなる。このため、押出抵抗を低減できて、耐久性を向上できるとともに、十分な押出速度も確保できて、生産効率を向上させることができる。換言すれば、受圧部(21)の突出寸法(L2)が小さ過ぎる場合には、さほど大きな問題は生じることはないが、ポート孔(24)の開口面積が小さくなって、押出抵抗が増大することがある。逆に、受圧部(21)の突出寸法(L2)が大き過ぎる場合には、ポート孔(24)が軸方向に長くなり、押出時のせん断抵抗が大きくなって磨耗が進行し易くなり、寿命が短くなるおそれがある。
また本実施形態において、ダイスケース(20)のポート孔(24)の詳細な構成について説明する。まず、ポート孔(24)の流出側端部(前端部)が、押出孔(11)に対応して配置されている。
また既述したようにポート孔(24)はその軸心(A2)が、ダイスケース(20)の軸心(A1)に対し傾斜するように設定されている。図5に示すように本実施形態において、ダイスケース(20)の軸心(A1)に対するポート孔(24)の軸心(A2)の傾斜角度(θ)は、10〜35°に設定するのが良く、好ましくは15〜30°に設定するのが良い。すなわちこの傾斜角度(θ)を上記特定の範囲内に設定する場合には、金属材料がポート孔(24)およびウェルドチャンバ(12)を安定した状態で流通して、さらに金属材料が押出孔(11)をその全周にわたってバランス良くスムーズに通過して、寸法精度に優れた高品質の押出成形品(押出加工品)を形成することができる。換言すれば、上記傾斜角度(θ)が小さ過ぎる場合には、ポート孔(24)およびウェルドチャンバ(12)を流通した金属材料が、押出孔(11)にスムーズに導入されず、高品質の押出成形品を安定して得ることが困難になるおそれがある。逆に傾斜角度(θ)が大き過ぎる場合には、材料押出方向に対し、ポート孔(24)の材料流通方向が大きく傾斜するため、金属材料の押出荷重が大きくなるので、好ましくない。
なお本実施形態において図5に示すように、ポート孔(24)の内周面のうち内側面(24a)および外側面(24b)は、互いにほぼ平行に配置されるとともに、ポート孔(24)の軸心(A2)に対しほぼ平行に配置されている。さらにポート孔内周面の内側面(24a)および外側面(24b)は、ダイスケース(20)の軸心(A1)に対し傾斜する傾斜面(テーパ面)としてそれぞれ構成されている。
以上の構成の押出成形用ダイス(10)は、図6,7に示すように押出成形機にセットされる。すなわち本実施形態の押出成形用ダイス(10)が、プレート(5)の中央に設けられたダイス設置孔(5a)に取り付けられた状態で、コンテナ(6)にセットされる。なお押出成形用ダイス(10)は、プレート(5)によって押出方向に対し直交する方向に対し固定されるとともに、図示しないバッカーによって押出方向に対し固定されている。
そしてコンテナ(6)内に挿入されたアルミニウムビレットなどの金属ビレット(金属材料)を、ダミーブロック(7)を介して図6の右方向(押出方向)に押し込む。これにより金属ビレットは、押出成形用ダイス(10)におけるダイスケース(20)のビレット受圧面(22)に押し付けられて塑性変形する。こうして金属材料が塑性変形しつつ、一対のポート孔(24)(24)を流通してダイスケース(20)のウェルドチャンバ(12)に導入されさらに、押出孔(11)を通って前方へ押し出されることにより、金属材料が押出孔(11)の開口形状に対応した断面形状に成形されて、金属製押出成形品(円形チューブ材)が製造される。
本実施形態の押出成形用ダイス(10)によれば、ビレット受圧面(22)を、押出方向上流側に向けて突出する半楕円面形状に形成しているため、金属ビレットがビレット受圧面(22)に押圧された際に、その押圧力を楕円面の各部分によって分散させて受け止めることができる。従ってビレット受圧面(22)の各部分での法線方向の押圧力を低減することができ、金属材料の押圧力に対する強度を向上できて、十分な耐久性を得ることができる。
さらに、ビレット受圧面(22)を半楕円面形状に形成しているため、ビレットが受圧面(22)に押圧された場合、受圧面(22)の各部位には受圧部(21)の軸心(A1)に向かう方向の圧縮力が確実に加わるため、押出成形時にダイスケース(20)に生じる剪断力が確実に低減される。その結果、このダイスケース(20)において特に剪断力が大きく生じる部位である、ダイスケース(20)の中空部に露出した部位について、該部位に生じる剪断力を確実に低減でき、もって金属材料の押圧力に対するダイスの強度を確実に向上させることができる。
さらに本実施形態においては、オス型ダイス(30)およびメス型ダイス(40)を覆うダイスケース(20)の受圧部(21)に、材料流入用のポート孔(24)を形成するものであるため、つまり受圧部(21)の前端壁部や、ベース部(25)の壁部が周方向に連続して一体に形成されるため、この連続周壁部の存在によって、ダイスケース(20)、ひいては押出成形用ダイス全体の強度を一段と向上させることができる。従って、従来におけるブリッジ部などの強度的に弱い部分が存在せず、強度向上のために肉厚などのサイズを必要以上に大きく形成しなくとも良いため、小型軽量化を図ることができるとともに、コストも削減することができる。
なお参考までに本発明者によるダイス寿命に関連した実験結果によると、本発明の押出成形用ダイスにおいては、従来品に比べて、3倍程度もダイス寿命を延ばすことができた。
また本発明においては、十分な耐圧性(強度)を有しているため、押出限界速度もかなり向上させることができる。たとえば従来の押出成形用ダイスでは、押出速度の上限値が20m/minであったのに対し、本発明の押出成形用ダイスにおいては、押出速度の上限値を50m/minまで高めることができ、2.5倍程度も押出限界速度を高めることができ、生産効率の向上をさらに期待することができる。
また本実施形態においては、受圧部(21)の軸心(A1)から逸脱した位置、つまり外周にポート孔(24)を形成するとともに、そのポート孔(24)の軸心(A2)を下流側に向かうに従ってダイスケース(20)の軸心に次第に近づくように、ダイスケース(20)の軸心(A1)に対し傾斜させているため、ポート孔(24)を流通する金属材料は、ダイスケース(20)の軸心(A1)、つまり押出孔(11)にスムーズに導かれていき、安定状態に押出加工することができる。さらに本実施形態においては、ポート孔(24)の下流側端部(出口)を押出孔(11)に向けて配置しているため、金属材料を一層スムーズに押出孔(11)に導くことができる。
なお上記実施形態においては、ダイスケース(20)の受圧部(21)の形状を、長軸方向に二分割された半楕円体形状(横割り半楕円体形状)に形成しているが、本発明における受圧部の形状は、それだけに限られるものではない。たとえば受圧部(21)の形状を、軸方向に分割された部分楕円体形状(横割り部分楕円体形状)形成するようにしても良い。
さらに受圧部(21)を部分楕円体形状に形成する場合には特に、1/6〜4/6楕円体形状に形成するのが良い。
ここで本実施形態においてたとえば、1/8楕円体、1/6楕円体、4/6楕円体などの割合付きの楕円体は、完全楕円体を長軸に対し直交する面で切断して切り取った際の(横割りにした際の)部分楕円体によって構成されるものである。すなわち本実施形態において「n/m楕円体(ただしm、nは自然数、n<mである)」とは、完全楕円体の長軸長さを「1」として、完全楕円体の長軸上端縁からの長軸方向の長さがn/mの位置で、その完全楕円体を、長軸に対し直交する面で切り取った際の部分楕円体によって構成されるものである。
また上記実施形態においては、ポート孔(24)を3つ設ける場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては、ポート孔(24)を1つ、2つまたは4つ以上設けるようにしても良い。
さらに上記実施形態においては、ダイスケース(20)における前端部にベース部(25)が設けられる場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては、図8に示すようにダイスケース(20)における前端部にベース部(25)が設けられないものや、図9に示すようにダイスケース(20)におけるベース部(25)の外周面が外側に張り出さずに、受圧部(21)の前端外周面に対しほぼ面一に形成されたものも採用することができる。
また本発明において、ダイスや押出成形品の形状や大きさによっては、ベース部(25)と受圧部(21)を一体ではなく別体とし、分割できる構造(分割構造)としても良い。
また上記実施形態においては、コンテナに押出成形用ダイスを1つセットする場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明の押出成形機においては、コンテナに押出成形用ダイスを2つ以上セットするように構成しても良い。
なお上記実施形態では、丸チューブを押出成形する場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては偏平チューブを押出成形するようにしても良い。たとえば、扁平チューブとして、図10,11に示すようにカーエアコン用のコンデンサなどの熱交換器に多く採用される多孔チューブ(例:熱交換チューブ)(60)を押出成形することも可能である。このチューブ(60)は、その中空部(61)がチューブ長さ方向に延び、かつ互いに平行に配置された複数の隔壁(62)によって、複数の熱交換用通路(63)に仕切られている。
このような偏平多孔チューブ(60)を形成するには、図12に示すようなオス型ダイス(30)およびメス型ダイス(40)が用いられる。すなわちメス型ダイス(40)は、そのダイス孔(41)が偏平多孔チューブ(60)の外周部形状に対応して長孔状に形成されている。またオス型ダイス(30)は、そのマンドレル(31)の先端部(前端部)が、チューブ(60)の中空部に対応して形成されている。さらにこのマンドレルの先端部は、チューブ(60)の各通路(63)に対応した複数個の通路形成用凸部(33)を有する櫛歯状に形成されている。そして、これらの通路形成用凸部(33)の各間に設けられた隙間が、チューブ(60)の隔壁を形成するための隔壁成形用溝(32)として構成されている。
このようなダイスで偏平チューブ(60)を成形する場合には、チューブの厚さ(高さ)方向の両側から押出材料が導入されるように、ダイスケース(20)における受圧部(22)に、チューブ厚さ方向の両側に対応して、ポート孔(24)を2つ形成するのが良い。
また、本発明では、上記実施形態のように、オス型ダイス(30)の基端面(後端面)は、受圧部(21)のビレット受圧面(22)に倣う楕円面の一部に形成されており、オス型ダイス(30)の基端面とビレット受圧面(22)とにより所望の連続する楕円面が形成されるよう構成されていることが望ましいが、本発明では、オス型ダイス(30)の基端面(後端面)はこのように形成されることに限定されるものではなく、その他に、例えば次のように形成されていても良い。すなわち、本発明では、オス型ダイス(30)の基端面の表面積がビレット受圧面(22)の表面積に対して例えば1/3以下である場合には、オス型ダイス(30)の基端面を、その幅方向(長手方向)がビレット受圧面(22)に倣って円弧状に形成され、かつ短手方向(厚さ方向)が直線状に形成された円柱外周面の一部によって構成するようにしても良い。オス型ダイス(30)の基端面の表面積がこの程度に小さい場合には、オス型ダイス(30)の基端面が楕円面の一部ではなく円柱の外周面の一部に形成されることによるダイス寿命、押出荷重への影響が少ない一方で、オス型ダイス(30)の基端面の加工コストを下げることができるからである。
Figure 2008049396
<実施例1>
表1に示すように上記図1〜5に示す実施形態と同様の押出成形用ダイス(10)を準備した。このダイス(10)におけるダイスケース(20)は、受圧部(21)が長軸方向に二分割された半楕円体形状に形成されている。さらにこの受圧部(21)は、短軸方向の半径寸法(半径)が30mm、軸心方向の突出寸法(高さ)が33mm、つまり半径(L1):高さ(L2)=1:1.1に調整されている。
また受圧部(21)の外周部には、周方向に等間隔おきに3つのポート孔(24)が形成されており、各ポート孔(24)の軸心(A2)における受圧部(21)の軸心(A1)に対する傾斜角度(θ)は、10°に調整されている。
またオス型ダイス(30)は、外直径がφ3.0mmの真円形状に形成されており、メス型ダイス(40)のダイス孔(41)は、内直径がφ4.0mmの真円形状に形成されている。
この押出成形用ダイス(10)を図6,7に示すように上記実施形態と同様な押出成形機にセットして、押出成形を行って円筒パイプを製造した。
そしてダイス寿命(ダイスに亀裂や磨耗が発生するまでの材料導入量(ton))を測定し、さらにダイス寿命の制限要因を調査した。その結果を表1に示す。
<実施例2>
表1に示すように、受圧部(21)を、半径30mm、高さ39mm(半径:高さ=1:1.3)の半楕円体形状に形成した以外は、上記と同様の押出成形用ダイス(10)を準備した。
この成形用ダイス(10)を、上記と同様に押出成形機にセットして押出製品を製造し、上記と同様の評価を行った。
<実施例3>
表1に示すように、受圧部(21)を、半径30mm、高さ45mm(半径:高さ=1:1.5)の半楕円体形状に形成した以外は、上記と同様の押出成形用ダイス(10)を準備した。
この成形用ダイス(10)を、上記と同様に押出成形機にセットして押出製品を製造し、上記と同様の評価を行った。
<実施例4>
表1に示すように、受圧部(21)を、半径30mm、高さ54mm(半径:高さ=1:1.8)の半楕円体形状に形成した以外は、上記と同様の押出成形用ダイス(10)を準備した。
この成形用ダイス(10)を、上記と同様に押出成形機にセットして押出製品を製造し、上記と同様の評価を行った。
<実施例5>
表1に示すように、受圧部(21)を、半径30mm、高さ60mm(半径:高さ=1:2)の半楕円体形状に形成した以外は、上記と同様の押出成形用ダイス(10)を準備した。
この成形用ダイス(10)を、上記と同様に押出成形機にセットして押出製品を製造し、上記と同様の評価を行った。
<実施例6>
表1に示すように、受圧部(21)を、半径30mm、高さ75mm(半径:高さ=1:2.5)の半楕円体形状に形成した以外は、上記と同様の押出成形用ダイス(10)を準備した。
この成形用ダイス(10)を、上記と同様に押出成形機にセットして押出製品を製造し、上記と同様の評価を行った。
<参考例>
表1に示すように、受圧部(21)を、半径30mmの1/2球体(半凸球体)形状に形成した以外は、上記と同様の押出成形用ダイス(10)を準備した。
この成形用ダイス(10)を、上記と同様に押出成形機にセットして押出製品を製造し、上記と同様の評価を行った。
<比較例>
表1に示すように、半径30mm、高さ(押出方向の長さ)30mmで、受圧面が押出方向に対し直交する平坦面に仕上げられたブリッジタイプの押出成形用ダイスを準備した。なお金属材料導入方向の軸心に対する傾斜角度(θ)は、実質的に0°になっている。その他の構成は上記実施例と同様である。
この成形用ダイスを、上記と同様に押出成形機にセットして押出製品を製造し、上記と同様の評価を行った。
<評価>
表1に示すように、比較例のものはオス型ダイスの亀裂が寿命制限要因となり、ダイス寿命が短いものであった。これに対し、実施例1〜6ものは、オス型ダイスの磨耗が寿命制限要因であり、寿命が長いものであった。
また実施例1〜6の中でも、特有の高さに調整されたもの(実施例1〜5)は特に寿命が長くなっていた。
なお参考例のものは、オス型ダイスの磨耗が寿命制限要因であり、寿命も長く、本発明に関連したもの(実施例1〜6)と遜色はないものの、好適な実施例1〜5のものに比べるとやはり、寿命が短いものであった。
上記の表1の結果を分析したところ、実施例のものは、ポート孔(24)の開口部形状や大きさ、さらにポート孔(24)の傾斜角度(θ)を適正に調整できるものであった。このため、押出抵抗を低減できて、耐久性を向上できるとともに、十分な押出速度も確保できて、生産効率の向上も期待できる。換言すれば参考例のように、受圧部(21)の高さ(L2)が小さくなっても、さほど大きな問題は生じることはないものの、ポート孔(24)の開口面積が小さくなって、押出抵抗が増大して、寿命が多少短くなってしまうことがある。逆に実施例6のように、受圧部(21)の高さ(L2)が高いものは、場合には、ポート孔(24)が軸方向に長くなり、押出時のせん断抵抗が大きくなって磨耗が進行し易くなり、寿命が少し短くなってしまう。
この発明の金属材料の押出成形用ダイスは、中空チューブなどの押出製品、たとえば自動車エアコン用ガスクーラー、エバポレーター、家庭用給湯機などの熱交換チューブを製造する際に適用に用いることができる。
この発明の実施形態の一例である押出成形用ダイスを示す斜視図である。 実施形態の一例である押出成形用ダイスを示す側面図である。 実施形態の一例である押出成形用ダイスを切り欠いて示す斜視図である。 実施形態の一例である押出成形用ダイスを分解して示す斜視図である。 実施形態の一例である押出成形用ダイスを示す側面断面図である。 実施形態の一例である押出成形用ダイスが適用された押出成形機の主要部を切り欠いて示す斜視図である。 実施形態の一例である押出成形機におけるダイス周辺を示す断面図である。 この発明の第1変形例である押出成形用ダイスを示す斜視図である。 この発明の第2変形例である押出成形用ダイスを示す斜視図である。 この発明の一例である押出成形用ダイスによって押出成形可能な多孔中空材を示す斜視図である。 この発明の一例である押出成形用ダイスによって押出成形可能な多孔中空材を示す正面断面図である。 この発明において多孔中空材を押出可能な一例の押出成形用ダイスを切り欠いて示す斜視図である。 従来の押出成形用ダイスを示す斜視図であって、同図(a)はポートホールダイスを分解して示す斜視図、同図(b)はスパイダダイスを分解して示す斜視図、同図(c)はブリッジダイスを示す斜視図である。
符号の説明
6…コンテナ
10…押出成形用ダイス
11…押出孔
20…ダイスケース
21…受圧部
22…ビレット受圧面(金属材料受圧面)
24…ポート孔
25…ベース部
30…オス型ダイス
33…通路形成用凸部
40…メス型ダイス
60…中空材
63…通路
A1…ダイスケース(受圧部)の軸心
A2…ポート孔の軸心
L1…半径寸法
L2…突出寸法
θ…傾斜角度

Claims (17)

  1. 外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、金属材料受圧面を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置されるダイスケースと、
    ダイスケース内に設けられるオス型ダイスと、
    ダイスケース内に設けられ、かつオス型ダイスとの間で押出孔を形成するメス型ダイスと、を備え、
    受圧部が後方に向けて突出するように形成されるとともに、その突出寸法が、軸心方向に対し直交する半径寸法よりも長く形成される一方、受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられ、
    金属材料受圧面に押圧された金属材料が、ポート孔を通ってダイスケース内に導かれて、押出孔を通過するよう構成されたことを特徴とする金属材料の押出成形用ダイス。
  2. 受圧部が、長軸方向に二分割された半楕円体形状に形成される請求項1に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  3. 受圧部の突出寸法が、半径寸法に対し2倍以下に設定される請求項1または2に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  4. ポート孔の軸心が下流側に向かうに従ってダイスケースの軸心に近づくように、ダイスケースの軸心に対し傾斜するように配置される請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  5. ポート孔は、ダイスケースの軸心回りに周方向に等間隔おきに複数形成される請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  6. ポート孔は、押出孔に向けて配置される請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  7. ポート孔の軸心が、ダイスケースの軸心に対し10〜35°の傾斜角度に設定される請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  8. ダイスケースは、その前部に受圧部と一体に環状ベース部が設けられる請求項1〜7のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  9. 金属材料が、アルミニウムまたはその合金によって構成される請求項1〜8のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  10. オス型ダイスと、メス型ダイスとによって、環状の押出孔が形成され、
    金属材料が押出孔を通過することによって、断面環状のチューブ材が成形される請求項1〜9のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  11. オス型ダイスと、メス型ダイスとによって、高さ(厚さ)が幅に対し小さい偏平な環状の押出孔が形成されるとともに、
    マンドレルにおけるダイス孔に対応する部分が、幅方向に併設された複数の通路形成用凸部を有する櫛歯状に形成されて、
    金属材料が押出孔を通過することによって、複数の通路が幅方向に併設された多孔中空材が成形されるよう構成される請求項1〜10のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載された押出成形用ダイスを用いて押出成形品を成形することを特徴とする押出成形品の製造方法。
  13. 請求項10に記載された押出成形用ダイスを用いて押出チューブ材を成形することを特徴とする押出チューブ材の製造方法。
  14. 請求項11に記載された押出成形用ダイスを用いて多孔中空材を成形することを特徴とする多孔中空材の製造方法。
  15. 外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、金属材料受圧面が金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置される一方、内部にオス型ダイスおよびメス型ダイスが設けられる押出成形用ダイスのダイスケースであって、
    受圧部が後方に向けて突出するように形成されるとともに、その突出寸法が、軸心方向に対し直交する半径寸法よりも長く形成される一方、受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられ、
    金属材料受圧面に押圧された金属材料が、ポート孔を通ってダイスケース内に導かれて、押出孔を通過するよう構成されたことを特徴とする押出成形用ダイスのダイスケース。
  16. 金属材料の押出成形方法であって、
    外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、金属材料受圧面を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置されるダイスケースと、
    ダイスケース内に設けられるオス型ダイスと、
    ダイスケース内に設けられ、かつオス型ダイスとの間で押出孔を形成するメス型ダイスと、を準備しさらに、
    受圧部が後方に向けて突出するように形成されるとともに、その突出寸法が、軸心方向に対し直交する半径寸法よりも長く形成される一方、受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられるよう構成しておき、
    金属材料受圧面に押圧された金属材料を、ポート孔に通してダイスケース内に導いて、押出孔に通過させることを特徴とする金属材料の押出成形方法。
  17. コンテナと、そのコンテナにセットされる押出成形用ダイスと、を備え、コンテナ内の金属材料を押出成形用ダイスに供給するようにした金属材料の押出成形機であって、
    押出成形用ダイスは、
    外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、金属材料受圧面を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置されるダイスケースと、
    ダイスケース内に設けられるオス型ダイスと、
    ダイスケース内に設けられ、かつオス型ダイスとの間で押出孔を形成するメス型ダイスと、を備え、
    受圧部が後方に向けて突出するように形成されるとともに、その突出寸法が、軸心方向に対し直交する半径寸法よりも長く形成される一方、受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられ、
    金属材料受圧面に押圧された金属材料が、ポート孔を通ってダイスケース内に導かれて、押出孔を通過するよう構成されたことを特徴とする金属材料の押出成形機。
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