JP2008046082A - 被検物質の免疫測定方法、及び免疫結合親和性解析の制御方法 - Google Patents

被検物質の免疫測定方法、及び免疫結合親和性解析の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の固相法に基づく免疫測定方法を改良し、固定化抗原(リガンド)の安定化を図り、これにより高感度な免疫測定が達成でき、かつ測定目的に応じて測定感度及び測定範囲を制御できる免疫測定技術の構築。
【解決手段】被検物質の免疫測定方法であって、(i)被検物質に対する抗体との結合親
和性において前記被検物質と競合する競合抗原と、前記抗体との結合親和性において前記被検物質と競合しない非競合物質とを不溶性支持体上に固定する工程と、(ii)前記被検物質と前記不溶性支持体上の競合抗原とを、前記抗体に競合的に反応させる工程、(iii)前記競合抗原を介して不溶性支持体上に捕捉された抗体を測定する工程、を備える測定方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、被検物質の免疫測定方法、及び被検物質を免疫測定するための免疫結合親和性解析の制御方法に関する。
従来より、生物的な結合親和性を利用し、その結合量を評価することにより、タンパク質やペプチド等を測定することが行われている。このような生物結合親和性を利用する測定方法は、結合親和力が大きく、かつ反応に特異性がある。そのため、試料中の特定の被検物質を高感度に測定できるとして、医学、農学等の生物的分野において広く利用されている。
特に、抗原抗体反応は、極めて特異的であり、かつ低濃度でも生ずることから極めて微量の被検物質をも、迅速かつ定量的に測定できることが期待される。そのため、抗原抗体反応を利用した様々な形態の免疫測定技術が考案されている。
なかでも、不溶性支持体上に、抗原又は抗体を固定化して抗原抗体反応を行う固相法は、抗原抗体反応物と未反応物質との分離(B/F分離)が容易であり、迅速な測定が可能なため、現在最も広く用いられている。
しかしながら、現在報告されている固相法に基づく免疫測定技術は、いずれも測定感度の面で十分に満足できるものではなかった。その要因の一つとして、抗原又は抗体の安定的な固定化が出来なかったことが挙げられる。固相法は、各工程間において、妨害タンパク質の除去、未反応の抗原又は抗体の除去のため十分な洗浄を必要とする。そのため、抗原又は抗体の固定化が安定的になされていないと、洗浄工程において不溶性支持体に特異的に捕捉された抗原又は抗体、若しくは抗原抗体反応産物が脱離し検出精度が低下する。一方、洗浄が不十分であると、支持体からの脱離は防止できるが、未反応物や夾雑タンパク質を十分に除去できず正確な結果が得られない。
さらに、例えば担体にB/F分離によって除去されるべき未反応物質や夾雑タンパク質の非特異的な吸着が生じる場合がある。かかる非特異的吸着により、測定結果においてバックグラウンド値が大きくなり、特に被検物質が微量の場合には重大な測定誤差となる。
かかる事情を鑑み、安定した固定化を達成する試みが報告されている。例えば、ポリスチレン上に吸着された捕捉抗体の物理的および機能的態様について検討した結果、pH9.6で固定化することによりタンパク質添加量と固定化濃度が比例することが報告された(非特許文献1を参照)。しかしながら、タンパク質変性の問題から高pHに不安定なタンパク質には適用できないという問題点があった。
また、レセプター(抗体)の固定化に際して、目的の測定系とは関連のない他種のタンパク質を、固定化目的レセプター(抗体)と共に、固定化することより、均一な性能を示す固定化法を達成できることが報告された(特許文献1を参照)。具体的には、競合法に基づく測定系を構築するに際して、固定化に際して低い濃度に曝されるレセプター(抗体)を安定化するため目的の測定系とは関連のない他種のタンパク質を共存させる方法が開示されている。そして、これにより測定時のシグナル強度のばらつきを±5%以内に抑制できることが判明したことが記載されている。しかしながら、ここではレセプター(抗体)の固定化状態の安定化のみを意図しており、さらに、検出感度の向上効果については明確な検討はなされていなかった。
J.E.Bulter 他、"The physical and functional behavior of capture antibodies adsorbed on polystyrene"、Journal of immunological Methods、第150巻、1992年、第77〜90頁 特開2003-344412号公報
そこで、本発明は、従来の固相法に基づく免疫測定方法を改良し、固定化抗原(リガンド)の安定化を図り、これにより高感度な免疫測定が達成でき、かつ測定目的に応じて測定感度及び測定範囲を制御できる免疫測定技術の構築を目的とする。
本発明者が鋭意検討を行った結果、固相法に基づく競合免疫測定方法において、被検物質(抗原)に対する抗体との結合親和性において前記被検物質と競合する競合抗原を固定化するに際して、前記抗体に対する結合親和性を有しない物質を共在させることにより、安定した競合抗原の固定化を達成できることを見出した。更に、鋭意検討を重ねた結果、かかる固定化技術を利用することにより高感度な免疫測定を達成できることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
上記目的を達成するため、下記の〈1〉〜〈9〉の構成からなる発明を提供する。
〈1〉 被検物質の免疫測定方法であって、(i)被検物質に対する抗体との結合親和性において前記被検物質と競合する競合抗原を、前記抗体との結合親和性において前記被検物質と競合しない非競合物質と共に不溶性支持体上に固定する工程と、(ii)前記被検物質と前記不溶性支持体上の競合抗原とを、前記抗体に競合的に反応させる工程、(iii)前記競合抗原を介して不溶性支持体上に捕捉された抗体を測定する工程、を備える測定方法。
〈2〉 前記工程(i)で、前記不溶性支持体へ固定化された前記競合抗原および前記非競合物質の合計濃度に対し、前記競合抗原濃度が1〜10%である上記〈1〉の免疫測定方法。
〈3〉 前記非競合物質が、競合抗原上の前記抗体に対するエピトープ領域のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸の欠失、置換、及び付加から選択される少なくとも1つ改変を有し、かつ前記抗体に対する結合親和性を有しない競合抗原の改変体である上記〈1〉又は〈2〉の免疫測定方法。
〈4〉 前記競合抗原がキャリアタンパク質上に前記抗体に対する結合親和性を有する抗原を固定化したキャリアタンパク質結合体であり、前記非競合物質がキャリアタンパク質である上記〈1〉又は〈2〉の免疫測定方法
上記〈1〉〜〈4〉の構成によれば、競合抗原の固定化濃度を低減することにより高感度な測定を達成することができ、被検物質が低濃度の場合にも好適に適用することができる。また、競合抗原の固定化濃度を高く設定することで広範な濃度範囲での測定を行うこともでき、測定目的に応じた被検物質の免疫測定が達成される。
〈5〉 上記〈1〉〜〈4〉のいずれかの免疫測定方法を実施するための試薬を備えた、被検物質の免疫測定用キット。
上記〈5〉の構成によれば、このように被検物質の免疫測定に必要な試薬をキットして構成することにより、簡便かつ迅速な被検物質の免疫測定が可能となる。
〈6〉 被検物質を免疫測定するための免疫結合親和性解析の制御方法であって、
(i)被検物質に対する抗体との結合親和性において被検物質と競合する競合抗原を、前
記抗体との結合親和性において前記被検物質と競合しない非競合物質と共に不溶性支持体上に固定する工程と、(ii)前記被検物質と前記不溶性支持体上の競合抗原とを、前記抗体に競合的に反応させる工程、(iii)前記競合抗原を介して不溶性支持体上に捕捉された抗体を測定する工程、を備える被検物質を免疫測定するための免疫結合親和性解析において、工程(i)での、前記不溶性支持体への競合抗原の固定化濃度の制御を通して、測
定感度及び測定範囲の少なくとも一方を調整して免疫結合親和性解析を制御する制御方法。
〈7〉 前記非競合物質が、競合抗原上の前記抗体に対するエピトープ領域のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸の欠失、置換、及び付加から選択される少なくとも1つ改変が生じることにより、前記抗体に対する結合親和性を有しない競合抗原の改変体である上記〈6〉の制御方法。
〈8〉 前記競合抗原がキャリアタンパク質上に前記抗体に対する結合親和性を有する抗原を固定化したキャリアタンパク質結合体であり、前記非競合物質がキャリアタンパク質である上記〈6〉の制御方法。
上記〈6〉〜〈8〉の構成によれば、競合抗原の固定化濃度を変更することにより、測定目的に応じて適切に測定感度、測定範囲を制御することができる。また、本発明の制御方法は、競合抗原の固定化濃度の制御を、例えば、固定化に際して固定化混合液の混合比の制御により簡便に行うことができる。そのため、ユーザ自身が自ら望む測定感度及び測定範囲に簡便かつ迅速に調整することが可能である。
〈9〉 上記〈6〉〜〈8〉のいずれかの制御方法を実施するための試薬を備えた、被検物質を免疫測定するための免疫結合親和性解析の制御用キット。
上記〈9〉の構成によれば、このように免疫結合親和性解析の制御に必要な試薬をキットして構成することにより、簡便かつ迅速に、測定目的に応じた測定感度、測定範囲に制御することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の免疫測定方法を抗原抗体反応に適用した態様を例示して詳細に説明するが、適用し得る反応系の種類に応じて当業者の技術常識に基づいて適宜変更することができる。すなわち、本発明の免疫測定方法は、抗原抗体反応の他、レセプター・リガンド反応、レクチン−糖(糖鎖、複合糖質等)等、任意の生物結合親和性反応に応用することができる。ここで、生物結合親和性反応とは、生体物質等が有する特異的識別能を利用する反応であり、複数の物質が非共有結合により可逆的かつ選択的に結合する反応を意味するものとする。
1.被検物質の免疫測定方法
本発明の免疫測定方法は競合法に基づく。競合法は、試料中の被検物質(抗原)の存在や量を、被検物質に対して結合親和性を有する抗体が、被検物質、又は競合抗原(前記抗体に対する結合親和性において被検物質と競合する)に結合する度合いによって決定する方法である。具体的には、一定量の抗体と一定量の競合抗原との反応中に測定すべき被検物質を共存させて競合させた時、被検物質の存在により抗体と結合する競合抗原が減少する。その減少の度合いにより、測定すべき被検物質の量を算出するものである。そして、本発明の競合免疫測定方法においては、競合抗原が不溶性支持体に固定化される固相法であり、競合抗原を前記抗体との結合親和性において前記被検物質と競合しない非競合物質と共に固定化するものである。これにより、競合抗原の固定化濃度を低減させ得る。そして、抗原の固定化の安定化を図り、ひいては免疫測定方法の感度向上に貢献するものである。
ここでの結合親和性とは、特には免疫結合親和性を意味し、生体物質等が有する抗原抗体反応等の免疫特異的識別能であり、複数の物質が非共有結合により可逆的かつ選択的に免疫結合能力を意味するものとする。特には、抗体がエピトープと相補的な結合をもつために特異的に結合できるその能力を意味する。
ここで、本発明の免疫測定方法に用いられる試料は、測定対象となる被検物質を含み得る試料であれば特に制限はない。例えば、動物由来の血液、血漿、血清、脳脊髄液、羊水、乳、汗、尿、唾液、喀痰、糞便、組織、細胞培養物等の生体由来試料、植物の根、茎、葉、花、果実等の植物由来試料、土壌、地下水、河川水、湖沼水等の環境試料、肉、卵、加工食品等の食品等が例示される。また、これらの試料は必要に応じて分離、精製等の前処理が施されていてもよい。
そして、本発明における被検物質は、当該被検物質に対する結合親和性を有する結合物質が存在するものであれば特に制限はない。したがって、天然物、遺伝子工学的技術及び化学合成技術等による合成物の別を問わない。抗原抗体反応を惹起する抗原と為り得る各種タンパク質、糖、脂質、その他の有機物等が挙げられる。また、本明細書における抗原には、抗体との結合能を有しているが免疫原性を有していない低分子化合物であるハプテン等も包含する概念として使用される。ハプテンとしてはPCB類、ダイオキシン類等が例示される。また、適当なキャリアタンパク質との結合体をも包含し、共有結合等の化学的に結合したものの他、単に物理的吸着により結合したものであってもよい。このようなキャリアタンパク質としては、牛血清アルブミン、ヒト血清アルブミン等の血清アルブミン、オボアルブミン、キーホール・リンペット・ヘモシアニン、グロブリン、カゼイン等が例示される。
ここで、使用される抗体としては、測定対象の被検物質に対する結合親和性を有するものであれば特に制限はない。したがって、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体いずれをも好適に利用可能である。これらは市販品を利用できると共に、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、モルモット等の哺乳動物に抗原となり得る前記被検物質を免疫することによって得られたポリクローナル抗体を好適に使用できる。さらに、前記被検物質に対する抗体産生細胞とミエローマ細胞を細胞融合して得られたハイブリドーマ細胞を培養して得られたモノクローナル抗体をも好適に利用できる。そして、免疫に際しては、必要に応じて適当なアジュバンドと併用することができる。また、パパイン、ペプシン等のタンパク分解酵素での処理で得られる、F(ab´)2フラグメント、Fabフラグメント、Fvフラグメント等の抗原結合能を保持する抗体断片が例示される。また遺伝子組換え等の公知の遺伝子工学的技術や化学合成技術等に基づいて調製された抗体をも含む。
そして、抗体は、測定の便宜のため、適当な標識物質により標識することができる。このような標識物質は公知であるので当業者は適宜選択して使用でき、反応において必要とされる安定性と機能性を保持できる限りは、公知のいずれをも使用できる。したがって、直接標識、間接標識の別を問わない。放射性同位体元素、酵素、蛍光色素、発光物質等が例示される。具体的には、適切な放射性同位元素標識として、32P、35S、131I、45Ca、3H等が例示される。酵素標識として、ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼが例示される。また、蛍光色素としては、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、テトラメチルローダミン(TAMRA)、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRICA)、テキサスレッド、シアニン3(Cy3)およびシアニン5(Cy5)等のシアニン色素等が例示される。更に、ジゴキシゲニンやビオチン等をも好適に利用できる。しかし、これらに限定するものではない。標識は既知の手法により行うことができる。
競合抗原としては、抗体に対する結合親和性が、被検物質(抗原)と同一若しくは類似し、抗体に対して被検物質と競合的に結合する物質であれば特に制限はない。したがって、測定に用いる抗体に対する結合親和性を有する限り、被検物質(抗原)と同一の物質でもよく、また、類似構造を有する、いわゆる擬似抗原でもよい。例えば、被検物質と同一又は擬似抗原に標識等の何らかの修飾が施された抗原であってもよく、被検物質の抗原に標識が付された標識化抗原が好適に例示される。更に、被検物質の修飾体としては、被検物質と同一又は擬似抗原を適当なキャリアタンパク質上に固定化されたものであってもよい。共有結合等の化学的に結合したものの他、単に物理的吸着により固定化したものであってもよい。また、適当なスペーサーを介して結合してもよい。このようなキャリアタンパク質として、牛血清アルブミン、ヒト血清アルブミン等の血清アルブミン、オボアルブミン、キーホール・リンペット・ヘモシアニン、グロブリン、カゼイン等が例示される。また、擬似抗原の修飾体をも好適利用できる。要するに、測定に用いられる抗原結合部位によって認識される、被検物質のエピトープと同一又は類似のエピトープを備えた物質であれば特に制限はなく、このようなエピトープを含む断片であってもよい。
本発明の方法において適用できる、被検物質(抗原)と擬似抗原の組み合わせにつき下記にて例示する。しかしながら、これに限定されるものではない。
・被検物質・・・ビオチン等の低分子化合物(ハプテン)
・競合物質・・・ビオチン等の低分子化合物(ハプテン)をキャリアタンパク質上に固定した結合体
・被検物質・・・抗原タンパク質
・競合物質・・・抗原タンパク質のエピトープ部分のみを取り出したペプチド断片
・被検物質・・・PCB等
・競合物質・・・PCB等に対して結合親和性を有する抗体が、本来の意図に反して結合してしまう骨格分子のビフェニル
非競合物質としては、目的測定系において利用される抗原抗体反応等の結合親和性反応に関与しない物質であり、特にはタンパク質である。したがって、測定に用いられる抗体の抗原結合部位によって認識されず、抗体の抗原結合部位以外の領域にも結合することがない物質であることが好ましい。そして、反応系において競合抗原が固定化される不溶性支持体への固定化強度が競合抗原と同一若しくは類似していることが好ましい。例えば、不溶性支持体への物理的吸着能が同一若しくは類似である物質、若しくは同一若しくは類似態様で共有結合的に不溶性支持体へ固定化され得る物質である。これにより、混合溶液中の競合抗原と非競合物質の比率と同じ比率で不溶性支持体に固定化され得る。
したがって、非競合物質としては、測定に用いられる抗体の抗原結合部位によって認識される、被検物質及び競合抗原のエピトープを欠失した物質が例示される。具体的には、被検物質、競合抗原のエピトープ領域のアミノ酸配列において、特定のアミノ酸に改変が生じている改変部位を有し、かつ抗体に対する結合親和性を喪失した物質が例示される。ここで、改変とは、改変の基礎となるタンパク質のアミノ酸配列のうち、1個以上のアミノ酸が欠失、置換、挿入および付加の少なくとも1つからなる改変が生じていることを意味する。また、被検物質、競合抗原のアミノ酸配列、又はアミノ酸配列をコードする遺伝子配列において80%程度の相同性を有するような物質も例示される。このような改変体は、部位特異的突然変異誘発法、PCR法等を利用して点変異を導入するPCR突然誘発法、あるいは、トランスポゾン挿入突然変異誘発法などの公知の変異導入技術等の公知の遺伝子工学的技術を利用して作製することができる。例えば、改変の基礎となる被検物質及び競合抗原をコードする遺伝子中、エピトープをコードする領域に対して改変を施し、得られた改変遺伝子を用いて宿主細胞を形質転換し、かかる形質転換体の培養物から目的タンパク質を採取することによって取得することができる。
また、化学的変性剤を用いて被検物質及び競合抗原のエピトープを変性することによっても作製することができる。更には、競合抗原として適当なキャリアタンパク質上に抗原を固定化したものを使用した場合に、抗原固定のないキャリアタンパク質自体を非競合物質として使用することができる。
そして、競合抗原は適当な不溶性支持体に固定化される。このとき、競合抗原は、非競合物質の共存下で固定化される。これにより、競合抗原の安定した固定化を図るものである。そして、高感度な免疫測定を達成するためには、競合抗原の固定化濃度を1〜10%、若しくは5〜10%とすることが好ましい。ここで、競合抗原の固定化濃度とは、競合抗原と非競合物質を共在下で不溶性支持体上に固定化した際に、競合抗原の全固定化物質(競合抗原+非競合物質)に対する割合を意味する。したがって、例えば、競合抗原の固定化濃度10%とは、不溶性支持体上に競合抗原が10%、非競合物質が90%の割合で固定化されていることを意味するものとする。そして、競合抗原の固定化は、競合抗原と非競合物質の混合液を調製し、これを不溶性支持体上に接触させることにより固定化することができる。このとき、混合溶液中に存在する競合抗原と非競合物質の比率と、同じ比率で支持体に固定化されることが好ましい。つまり、混合液中に存在する競合抗原と非競合物質の比率と同じ比率で支持体に固定化される場合には、競合抗原の固定化濃度は、混合液中の競合抗原濃度と一致することになる。したがって、これにより、混合液中の競合抗原と非競合物質の混合比を変更することにより、簡便に所望の競合抗原の固定化濃度を実現することができる。ただし、所望の競合抗原の固定化濃度を達成できる限りは、混合液として固定化する必要はなく、別個の溶液として調製し時間差をもって固定化してもよい。しかしながら、これらに限定することなく公知の固定化技術を用いて固定化することができる。
さらに、競合抗原の固定化濃度は、測定目的に応じて適宜設定することができる。競合抗原の固定化濃度を低減させるに伴い、抗体が被検物質(抗原)に対して結合する割合が向上する。これにより、測定感度が向上し低濃度の被検物質に対しても正確な定量が達成される(図1を参照)。一方、競合抗原の固定化濃度を増加させるに伴い、抗体が競合抗原に対して結合する割合が向上して、結果、被検物質の濃度に比較的鈍感になるため検量線がなだらかになり、広範な濃度範囲の被検物質に対して競合反応を実行することができるようになる。これにより、測定可能範囲が広範となり、幅広い濃度範囲の被検物質に対する測定を達成できる。
したがって、高感度の測定を要求される場合には、競合抗原の固定化濃度を低減させ、一方、広範な濃度での測定を要求される場合には、競合抗原の固定化濃度を増加させる等、測定目的に応じて競合抗原の固定化濃度を当業者は適宜設定できる。特に低濃度の被検物質を測定する場合には競合抗原の固定化濃度を低減させ測定する。したがって、一次スクリーニングのようなラフスクリーニングの場合には、好ましくは競合抗原の固定化濃度を高く設定して広範な濃度範囲での測定を行う。更に、最終的な精密測定の場合には、好ましくは競合抗原の固定化濃度を低減させて高感度な測定を行う。
そして、競合抗原の固定化に際して、不溶性支持体としては、例えば、ガラス、シリカゲル、ベンナイト等の無機物質、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成高分子物質、アガロース、デキストラン、ポリサッカライド等の不溶性多糖が好ましく使用できる。また、これらの支持体は球状、棒状、微粒子等の形状、あるいは試験管、マイクロプレート、メンブラン等の形態で使用することができる。
不溶性支持体への固定化は、公知の方法に従って行うことができる。物理的吸着法、化学結合法が例示される。物理的吸着法は、競合抗原と不溶性支持体とを、水、生理食塩水、各種緩衝液等の水溶性溶媒中で接触させることにより行うことができる。化学的結合法としては、ジアゾ法、酸アジド法、イソシアナート法、ブロムシアン法等による共有結合の形成による固定化が例示される。また、官能基を2以上有する多官能性試薬等の架橋試薬を用いて固定化する方法も利用できる。このような官能基としては、スクシンイミド基、スルホン化スクシンイミド基、マレイミド基等が例示される。そして、このような官能基を2以上有する多官能性試薬としては公知のいずれの物質をも使用できる。例えば、結合物質のSH基同士を架橋する試薬、SH基とNH基を架橋する試薬、NH基同士を架橋する試薬、NH基とCOOH基を架橋する試薬が挙げられるがこれに限定するものではない。そして、SH基同士を架橋する試薬として(N,N´−(1,3−フェニレン)ビスマレイミド、ビス(N´マレイミドメチル)エーテル等のビスマレイミド化合物等が例示される。また、SH基とNH基を架橋する試薬としてN−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート、スクシンイミジル4−(P−マレイミドフェニル)ブチレート等のマレイミド−スクシンイミジルエステル型化合物等が例示される。また、NH基同士を架橋する試薬としてグルタルアルデヒドの他、ジチオビススクシンイミジルプロピオネート等のビススクシンイミジル等が例示される。NH基とCOOH基を架橋する試薬として1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、ジクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミド化合物等が例示される。架橋に際して、結合物質に適当な鎖長の反応性側鎖(スペーサー)を予め導入、若しくは導入するための試薬を付加することもできる。また、抗体等で免疫学的に固定化することも可能である。抗体を用いる場合、抗体の抗体価数は2価以上であり、測定系の抗原抗体反応に影響を与えないものであれば特に制限はない。したがって、IgG、又はIgMであることが好ましい。また、2分子以上の抗体を、架橋試薬を用いて架橋させたものを用いてもよい。また、抗体としては、2価以上の抗体価数を有する限り、F(ab´)2フラグメント等の抗体フラグメントでもよく、また、2分子以上のF(ab´)2フラグメント、Fabフラグメント、Fvフラグメント等の抗体フラグメントを、架橋試薬を用いて架橋したものを利用することができる。更に、ビオチン−ストレプトアビジン等を利用して固定化することもできる。また、固定化に際しては、非特異的結合の抑制のため、必要に応じてブロッキング等の処理を行うこともできる。
以下、本発明の免疫測定方法の好適態様を例示して詳細に説明するが、適用し得る反応系の種類に応じて当業者の技術常識に基づいて適宜変更することができる。
まず、競合抗原と非競合物質の混合液を調製し、かかる混合液を不溶性支持体に接触させることにより競合抗原と非競合物質を固定化する。このとき、高感度な測定を実現するためには、競合抗原を、全固定化物質(競合抗原+非競合物質)に対して1〜10%、若しくは5〜10%の割合で含む混合液として調製することが好ましい。そして、好ましくは、かかる混合液の混合比に基づいて不溶性支持体に競合抗原と非競合物質が固定化される。このとき、夾雑タンパク質の不溶性支持体表面への非特異的結合を防止するため、必要に応じてブロッキング等の処理を行うこともできる。次に、測定対象の被検物質(抗原)を含み得る試料と、抗体とを同時に加え反応させる。抗原抗体反応が平衡に達した後、支持体に固定化された競合抗原に結合することによって支持体上に捕捉された抗体以外の、被検物質と結合した抗体、並びに未反応物質を除去する。次いで、支持体に捕捉された抗体の量により、競合抗原と結合した抗体量を測定する。抗体に標識が付されていてもよいし、また、適当な標識二次抗体等を用いて抗体量を測定することができ、標識に応じた公知の標識検出システムに基づいて測定できる。
また、好ましくは、被検物質濃度が既知の標準試料溶液を作製し、かかる標準試料溶液を用いて濃度と測定強度との関係を求めた検量線を作成し、かかる検量線に基づいて、試料の測定強度より濃度を求める。
更に、本発明の免疫測定方法は、流路中に競合抗原を固定化し、被検物質(抗原)を含み得る試料と、抗体とを送液するフロー型の免疫測定装置に適用することができる。
2.被検物質の免疫測定用キット
本発明は、上記被検物質の免疫測定方法を実施するための試薬を備えた、被検物質の免疫測定用キットを提供する。このように被検物質の免疫測定に必要な試薬をキットして構成することにより、簡便かつ迅速な被検物質の免疫測定が可能となる。このような試薬キットとしては、競合抗原と非競合物質の組み合わせ、また、抗体をも組み合わせたキットが例示される。更には、免疫測定に際して必要な緩衝液をもキットとして組み込むことができる。このように競合抗原と非競合物質とを別個にキットに組み込むことにより、測定目的に応じた被検物質の免疫測定を可能とすべく、ユーザ自身が自ら望む測定感度及び測定範囲に簡便かつ迅速に調整することできる。また、特定の測定感度、測定範囲に設定された、適当な競合抗原の固定化濃度を達成すべく調製された競合抗原と非競合物質の混合物の形態若しくは固定化支持体の形態で構成することも可能である。
3.被検物質を免疫測定するための免疫結合親和性解析の制御方法
本発明は、上記被検物質の免疫測定方法において、その測定感度、測定範囲を制御する方法を提供する。これにより、上記被検物質を免疫測定するための免疫結合親和性解析を制御できる。つまり、不溶性支持体への競合抗原の固定化濃度の制御は、例えば、固定化に際して、競合抗原と非競合物質の混合液の混合比を変更することにより簡便、かつ迅速に行うことができる。したがって、測定目的に応じて、競合抗原の固定化濃度を変更することで、適切に測定感度、測定範囲を調整することができる。ここで、免疫結合親和性解析とは、上記で説明した結合親和性を利用した測定方法を意味するものであり、ここでは特に免疫学的な測定法を指す。
具体的には、競合抗原の固定化濃度を低減させるに伴い、抗体が被検物質(抗原)に対して結合する割合が向上する。これにより、測定感度が向上し低濃度の被検物質に対しても正確な定量が達成される。一方、競合抗原の固定化濃度を増加させるに伴い、広範な濃度範囲の被検物質に対して競合反応を実行することができるようになる。これにより、測定可能範囲が広範となり、幅広い濃度範囲の被検物質に対する測定を達成できる。そして、被検物質が高濃度で含まれる場合であっても、希釈を要せず、若しくは従来よりも希釈の回数を低減することが可能となる。
したがって、高感度の測定を要求される精密測定の場合には、競合抗原の固定化濃度を低減させる。一方で、一次スクリーニング等のようなラフスクリーニングの場合には、競合抗原の固定化濃度を増加させる等、測定目的に応じて競合抗原の固定化濃度を当業者は適宜設定できる。特に低濃度の被検物質を測定する場合には競合抗原の固定化濃度を低減させて測定する。また、本発明の制御方法は、簡便に行うことができることから、ユーザ自身が自ら望む測定感度及び測定範囲に調整することが可能である。
4.被検物質を免疫測定するための免疫結合親和性解析の制御用キット
本発明は、上記被検物質を免疫測定するための免疫結合親和性解析の制御方法を実施するための試薬を備えた、被検物質を免疫測定するための免疫結合親和性解析の制御用キットを提供する。このように免疫結合親和性解析の制御に必要な試薬をキットして構成することにより、簡便かつ迅速な免疫結合親和性解析の制御が可能となる。このような試薬キットとしては、競合抗原と非競合物質の組み合わせ、また、抗体をも組み合わせたキットが例示される。更には、免疫測定に際して必要な緩衝液をもキットとして組み込むことができる。このように競合抗原と非競合物質とを別個にキットに組み込むことにより、測定目的に応じた被検物質の免疫測定が可能とすべく、ユーザ自身が自ら望む測定感度及び測定範囲に簡便かつ迅速に調整することが可能となる。
〔実施例1〕
競合抗原の固定化濃度が免疫結合親和性解析に与える影響の検討
競合抗原の固定化濃度が免疫結合親和性解析(測定感度及び測定範囲)に与える影響を、ELISA法に基づき検討した。
(方法)
本実施例においては、被検物質として、ビオチン(シグマ社製、製品番号B4639)を、該被検体物質に対する結合物質(抗ビオチン抗体:シグマ社製、製品番号B3640)を用いて競合法により測定した。このとき、競合物質としては、該抗ビオチン抗体に対する抗原であるビオチンをウシ血清アルブミン(以下、「BSA」と略する場合がある)上に固定化したビオチン結合ウシ血清アルブミン(以下、「ビオチンBSA」と略する場合がある)を使用した。
かかるビオチンBSAは、以下の通り調製した。
ビオチン化試薬キット(EZ-Link Sulfo-NHS-LC-Biotinylation Kit、フナコシ社より購入、商品コード番号21430)を使用して、BSA(シグマ社製、製品番号A7030)にビオチンを結合することによって調製した。
酵素標識抗体は以下の通り調整した。
西洋ワサビペルオキシダーゼ標識キット(フナコシ社より購入、商品コード番号31489)を使用して抗ビオチン抗体(Sigma社製、製品番号B3640)を酵素標識した。
抗原(競合)固定化プレートの調製
まず、ELISA用プレート(Becton Dickinson社製:FALCON(登録商標)96ウェルプレート353915)に抗原(競合)を50μl固定した。このときの抗原(競合)濃度は、該抗原(競合)をリン酸緩衝食塩水(以下「PBS」と称する:シグマ社製、製品番号P4417)で希釈し10μl/mlとしたものを100%とした。そして、該100%抗原(競合)濃度の抗原(競合)溶液を非競合物質であるBSA(シグマ社製、製品番号A7030)をPBSに溶解して10μg/mlとしたもので希釈して50%、10%の抗原(競合)濃度の溶液を調製した。また、このとき、混合液中の比率とほぼ同一の比率で固定化される。したがって、100%、50%、10%の抗原(競合)濃度の溶液は、夫々、抗原(競合)固定化濃度100%、50%、10%で固定化された。上記抗原(競合)固定後のプレートを粘着フィルム(Adhesive Plate Seal:日本ジェネティクス社製、カタログ番号AB-0580)でシール後、4℃にて一晩静置し、プレートに抗原(競合)を固定化した。反応後、プレートのシールを剥がし抗原(競合)溶液を除去し、各ウェルを250μlのTween20含有リン酸緩衝食塩水(以下「PBS-T」と称する:シグマ社製、製品番号P3563)により3回洗浄を行った。洗浄後、PBS-Tを除去し、ブロッキング剤(ブロックエース:大日本住友製薬製、カタログ番号UK-B80:滅菌水にて4倍に希釈)を各ウェルに200μlずつ添加して蓋をし、室温で2時間静置した。反応後、ブロックエースを除去し、250μlのPBS-Tにより3回洗浄を行った。
競合反応
抗体濃度0.1μg/ml、抗原(被検物質)が0μg/ml、または10μg/mlから3倍希釈系列で6段階希釈(0.014μg/mlまで)の各濃度となるように反応バッファーで希釈して、上記で調製した抗原(競合)固定化プレートの各ウェルに100μlずつ添加した。添加後、プレートにシールにて封着して1時間振盪し、競合反応を行った。ここで、抗体としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ標識キット(フナコシ社より購入、商品コード番号31489)にて、添付のプロトコールに従って標識した標識化抗体を使用した。反応後のプレートより反応液を除去した後、250μlのPBS-Tにより3回洗浄を行った。更に250μlのPBSにより2回洗浄した。次いで、発色基質である3,3,'5,5'-テトラメチルベンジジン(TMB One Solution:プロメガ社製、カタログ番号G7431)を各ウェルに100μlずつ添加して30分間振盪した後、各ウェルに1N HClを100μlずつ加え発色させた。発色後、直ちにプレートリーダーで吸光度を測定した。そして、各抗原(競合)の固定化濃度につき、試料中の抗原(被検)濃度が0の時の吸光度を100%として、各抗原(被検)濃度における吸光度の相対値を算出した。
なお、反応バッファーの調製は以下の通り行った。
リン酸緩衝食塩水(シグマ社製、製品番号P4417の錠剤を1錠、精製水200 mlに溶解して調製)を89 ml、4%ブロックエース(大日本住友製薬製、カタログ番号GJ-1388-03)を10 ml、1(w/v)% TritonX-100(Sigma社製、製品番号T9284を精製水で希釈して調製)を1 mlの割合で混合して調製した。
(結果)
結果を図2に示す。
抗原(競合)の固定化濃度を低下させることにより、検量線の競合曲線が低濃度側に移動することが確認された(固定化濃度10、50、100%の比較)。したがって、抗原(競合)の固定化濃度を低下させることにより測定感度を向上できることが判明した。一方で、抗原(競合)の固定化濃度が高い場合(固定化濃度100%)には、測定感度の面では劣るものの広範な測定範囲での測定が可能であることから、抗原(競合)の固定化濃度の制御により、測定感度と測定範囲を簡便かつ迅速に制御できることも判明した。
競合抗原の固定化濃度低下による測定感度の向上効果を模式的に説明する説明図 競合抗原の固定化濃度が免疫結合親和性解析に与える影響の検討した実施例1(ELISA法)の結果を示すグラフ

Claims (9)

  1. 被検物質の免疫測定方法であって、
    (i)被検物質に対する抗体との結合親和性において前記被検物質と競合する競合抗原を
    、前記抗体との結合親和性において前記被検物質と競合しない非競合物質と共に不溶性支持体上に固定する工程と、
    (ii)前記被検物質と前記不溶性支持体上の競合抗原とを、前記抗体に競合的に反応させる工程、
    (iii)前記競合抗原を介して不溶性支持体上に捕捉された抗体を測定する工程、を備える測定方法。
  2. 前記工程(i)で、前記不溶性支持体へ固定化された前記競合抗原および前記非競合物
    質を合計した全固定化濃度に対し、前記競合抗原の固定化濃度が1〜10%である請求項1に記載の免疫測定方法。
  3. 前記非競合物質が、前記競合抗原上の前記抗体に対するエピトープ領域のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸の欠失、置換、及び付加から選択される少なくとも1つ改変を有し、かつ前記抗体に対する結合親和性を有しない競合抗原の改変体である請求項1又は2に記載の免疫測定方法。
  4. 前記競合抗原がキャリアタンパク質上に前記抗体に対して結合親和性を有する抗原を固定化したキャリアタンパク質結合体であり、前記非競合物質がキャリアタンパク質である請求項1又は2に記載の免疫測定方法
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の免疫測定方法を実施するための試薬を備えた、被検物質の免疫測定用キット。
  6. 被検物質を免疫測定するための免疫結合親和性解析の制御方法であって、
    (i)被検物質に対する抗体との結合親和性において被検物質と競合する競合抗原を、前
    記抗体との結合親和性において前記被検物質と競合しない非競合物質と共に不溶性支持体上に固定する工程と、
    (ii)前記被検物質と前記不溶性支持体上の競合抗原とを、前記抗体に競合的に反応させる工程、
    (iii)前記競合抗原を介して不溶性支持体上に捕捉された抗体を測定する工程、を備える被検物質を免疫測定するための免疫結合親和性解析において、
    工程(i)での、前記不溶性支持体への競合抗原の固定化濃度の制御を通して、測定感
    度及び測定範囲の少なくとも一方を調整して免疫結合親和性解析を制御する制御方法。
  7. 前記非競合物質が、前記競合抗原上の前記抗体に対するエピトープ領域のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸の欠失、置換、及び付加から選択される少なくとも1つ改変が生じることにより、前記抗体に対する結合親和性を有しない競合抗原の改変体である請求項6に記載の制御方法。
  8. 前記競合抗原がキャリアタンパク質上に前記抗体に対する結合親和性を有する抗原を固定化したキャリアタンパク質結合体であり、前記非競合物質がキャリアタンパク質である請求項6に記載の制御方法。
  9. 請求項6〜8のいずれか一項に記載の制御方法を実施するための試薬を備えた、被検物質を免疫測定するための免疫結合親和性解析の制御用キット。
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