JP2008045085A - 熱可塑性高分子用帯電防止剤及び熱可塑性高分子成形体の帯電防止方法並びに帯電防止性熱可塑性高分子成形体 - Google Patents
熱可塑性高分子用帯電防止剤及び熱可塑性高分子成形体の帯電防止方法並びに帯電防止性熱可塑性高分子成形体 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】熱可塑性高分子用帯電防止剤として、特定のビニル単量体混合物、非イオン界面活性剤及び水性溶媒を用いてビニル単量体混合液を得る第1工程と、このビニル単量体混合液にラジカル重合開始剤を加え、ラジカル重合反応させて、ビニル共重合体乳化物を得る第2工程とを経て得られるビニル共重合体乳化物を用いた。
【選択図】なし
Description
ビニル単量体混合物M:下記の化1で示されるビニル単量体を10〜90モル%及び下記の接着性単量体を10〜90モル%含有し且つこれらを合計で100モル%となるよう含有して成る混合物
ビニル単量体混合物N:下記の化1で示されるビニル単量体を10〜80モル%、下記の接着性単量体を19.9〜89.9モル%及び下記の架橋性単量体を0.1〜20モル%含有し且つこれらを合計で100モル%となるよう含有して成る混合物
R1,R5,R7,R8,R9:水素原子又はメチル基
R2,R3,R4:水素原子、メチル基、エチル基又はアルキル基の炭素数が2若しくは3のヒドロキシアルキル基(但し、R2〜R4のうちで少なくとも二つはメチル基、エチル基又はアルキル基の炭素数が2若しくは3のヒドロキシアルキル基)
R6:水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基
A:オキシ基又はアミノ基
B:炭素数2〜6のアルキレン基
X−:硝酸イオン基、アルキル基の炭素数1〜4のアルキルスルホン酸イオン基、アルキル基の炭素数1〜4のアルキル硫酸イオン基又は塩化物イオン基
Y1:水素原子、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、エポキシ基を有する炭素数3〜10の有機基又は分子中に合計2〜20個のオキシエチレン単位及び/又はオキシプロピレン単位で構成されたポリオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレンジオールから一つの水酸基を除いた残基
Y2:水素原子、エポキシ基を有する炭素数3〜10の有機基又は分子中に合計2〜20個のオキシエチレン単位及び/又はオキシプロピレン単位で構成されたポリオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレンジオールから一つの水酸基を除いた残基
・実施例1{ビニル共重合体乳化物(M−1)の調製}
反応容器にアクリロイルアミノプロピルジメチルアンモニウムメチルスルホン酸塩80.8g(0.32モル)、メタクリル酸メチル22.5g(0.22モル)、アクリル酸エチル22.5g(0.22モル)、メタアリルスルホン酸ナトリウム1.0g(0.006モル)、水355g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(オキシエチレン付加モル数=9、アルキル基=炭素数12〜14の第2級アルコールから水酸基を除いた残基)5gを仕込んでビニル単量体混合溶液とした(第1工程)。次いで攪拌下に反応容器中の雰囲気を窒素置換し、引き続き窒素気流中にビニル単量体混合溶液を70℃まで加温した後、10%過硫酸アンモニウム水溶液50gを30分間かけて滴下してラジカル重合反応を行い、更に70℃で6時間ラジカル重合反応を続けてビニル共重合体乳化物を得た(第2工程)。このビニル共重合体乳化物の一部を精製して分析した結果、化1中のR1が水素原子、R2がメチル基、R3がメチル基、R4が水素原子、Aがアミノ基、Bがトリメチレン基、X−がメチルスルホン酸イオン基である場合の化1で示される単量体(E−1)から形成された構成単位を42モル%、メタクリル酸メチルから形成された構成単位を29モル%及びアクリル酸エチルから形成された構成単位を29モル%(合計100モル%)有する数平均分子量50000のビニル共重合体であった。またこのビニル共重合体乳化物の固形分10%のものについて、30℃の粘度は5.0mm2/sであった。これをビニル共重合体乳化物(M−1)とした。
実施例1のビニル共重合体乳化物(M−1)と同様にして、実施例2〜8のビニル共重合体乳化物(M−2)〜(M−8)及び実施例9〜19のビニル共重合体乳化物(N−1)〜(N−11)並びに比較例1〜4のビニル共重合体液状物(R−1)〜(R−4)を調製した。ビニル共重合体乳化物(M−1)も含め、これらの内容を表1及び表2にまとめて示した。
割合:単位はモル%
化1で示されるビニル単量体(E−1)〜(E−10):下記の表3に内容をまとめて示した化1で示されるビニル単量体
F−1:メタクリル酸メチル
F−2:アクリル酸エチル
F−3:アクリル酸ブチル
F−4:N−エチルアクリルアミド
F−5:N,N−ジメチルアクリルアミド
F−6:N,N−ジエチルアクリルアミド
F−7:マレイン酸ジヘキサングリコールエステル
架橋性単量体(G−1)〜(G−3):下記の表4に内容をまとめて示した化2で示される架橋性単量体
架橋性単量体(H−1)〜(H−3):下記の表5に内容をまとめて示した化3で示される架橋性単量体
架橋性単量体(I−1)〜(I−3):下記の表6に内容をまとめて示した化4で示される架橋性単量体
P−1:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(オキシエチレン付加モル数=9、アルキル基=炭素数12〜14の第2級アルコールから水酸基を除いた残基)
P−2:ポリオキシアルキレンオレート(オキシエチレン付加モル数=9、オキシプロピレン付加モル数=2)
P−3:ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル(オキシエチレン付加モル数=10)
Q−1:過硫酸アンモニウム
Q−2:過硫酸カリウム
Q−3:2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]
*1:水/イソプロピルアルコール=80/20(容量比)の混合溶媒
*2:水/イソプロピルアルコール=90/10(容量比)の混合溶媒
*3:ビニル単量体混合物に対する割合(モル%)
L−1:2−ヒドロキシエチル基
B−1:エチレン基
B−2:トリメチレン基
B−3:テトラメチレン基
B−4:ヘキサメチレン基
X−1:メチルスルホン酸イオン基
X−2:メチル硫酸イオン基
X−3:エチル硫酸イオン基
X−4:硝酸イオン基
・ポリエチレンテレフタレートフィルムへの帯電防止剤の塗布
極限粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを280〜300℃で溶融押し出しし、15℃の冷却ロールで冷却して未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを周速の異なる85℃の一対のロール間で縦方向に3.5倍に一軸延伸して一軸延伸フィルムを得た。次に、試験区分1で調製したビニル共重合体乳化物等(帯電防止剤)を水希釈して固形分5%の水性液となし、この固形分5%の水性液を、一軸延伸フィルムに、更に延伸されて製品となる二軸延伸フィルムの表面1m2当たり固形分として表7に記載の塗布量となるようキスコート法により3.5m/秒の塗布速度で塗布し、70℃の熱風で乾燥して、一軸延伸コーティングフィルムを得た。これを試料1とした。最後に、試料1の一軸延伸コーティングフィルムをテンターにより98℃で横方向に3.5倍延伸し、200〜210℃で熱固定して、製品としての厚さ100μmの二軸延伸コーティングフィルムを得た。これを試料2とした。別に、固形分5%の水性液のキスコート法による塗布速度を5m/秒としたこと以外は同様にして、製品としての厚さ100μmの二軸延伸コーティングフィルムを得た。これを試料3とした。これらの試料1〜3について以下の評価を行なった。結果を表7にまとめて示した。
試料2及び3の二軸延伸コーティングフィルムの表面を肉眼で観察し、下記の基準で評価した。
評価基準
◎:塗布抜けがなく、均一な塗布膜である
○:塗布抜けが極めて僅にあるが、ほぼ均一な塗布膜である
△:塗布抜けが幾分あるが、全体としてはほぼ均一な塗布膜である
×:塗布抜けが多く、不均一な塗布膜である
試料1の一軸延伸コーティングフィルム及び試料2の二軸延伸コーティングフィルムを、20℃で相対湿度30%の条件下に24時間調湿した後、同条件でコーティング面の表面比抵抗(Ω)を表面抵抗値測定装置(シシド電気社製の商品名メガレスタHT−301)を用いて測定し、下記の基準で評価した。
評価基準
◎:表面比抵抗が1×1011Ω未満
○:表面比抵抗が1×1011Ω以上〜1×1012Ω未満
△:表面比抵抗が1×1012Ω以上〜1×1013Ω未満
×:表面比抵抗が1×1013Ω以上
試料2の二軸延伸コーティングフィルムから20cm×20cmの正方形の試料片を切り出し、この試料片とコーティング処理していない二軸延伸ポリエステルフィルムとをコーティング面で重ね、荷重1kg/m2を均等にかけて、50℃にて24時間保持した後、重ねた状態のフィルムを10mm幅に切断して試験片とし、この試験片について双方のフィルム間の剥離力を測定して、耐ブロッキング性を下記の基準で評価した。
評価基準
◎:剥離力5gf/10mm未満
○:剥離力5gf/10mm以上〜8gf/10mm未満
△:剥離力8gf/10mm以上〜15gf/10mm未満
×:剥離力15gf/10mm以上
試料2の二軸延伸コーティングフィルムを粉砕し、押し出し機にて約300℃で溶融してチップ化した。このチップを用いて溶融製膜し、再生フィルムを作製した。別にブランクとして、水のみを塗布した二軸延伸コーティングポリエステルフィルムを用いて同様に再生フィルムを作製した。双方の再生フィルムの着色度合いから再利用性を下記の基準で評価した。
評価基準
◎:ブランクと同等であって、ほとんど着色していない
○:ブランクと比較して僅に着色しているが、再利用に問題がない
△:ブランクと比較して明らかに着色しており、再利用に制約がある
×:ブランクと比較して著しく着色しており、再利用できない
試料2の二軸延伸コーティングフィルムから20cm×20cmの正方形の試料片を切り出し、この試料片とコーティング処理していない二軸延伸ポリエステルフィルムとをコーティング面で重ね、荷重1kg/m2を均等にかけて、20℃で相対湿度30%の条件下に60時間調湿した後、双方を引き離し、同条件で試料片のコーティング面の表面比抵抗(Ω)を表面抵抗値測定装置(シシド電気社製の商品名メガレスタHT−301)を用いて測定した。この測定値を、試料2について行なった前記の帯電防止性の評価における表面比抵抗(Ω)の測定値で除して、転写性評価を行なう前後での表面比抵抗の比を求め、下記の基準で評価した。
評価基準
◎:転写性評価を行なう前後での表面比抵抗の比が2未満
○:転写性評価を行なう前後での表面比抵抗の比が2以上〜5未満
△:転写性評価を行なう前後での表面比抵抗の比が5以上〜10未満
×:転写性評価を行なう前後での表面比抵抗の比が10以上
配合割合:帯電防止剤として用いたビニル共重合体乳化物等の配合割合(質量%)
塗布量:製品としての二軸延伸コーティングフィルム1m2当たり、帯電防止剤として用いたビニル共重合体乳化物等の固形分としての付着量(g)
これらは以下同じ
・ポリカーボネートシートへの帯電防止剤の塗布
ポリカーボネートを、二軸押出機に投入し、280℃で溶融混練しつつ、Tダイ法により30℃の冷却ロール上にキャストして、厚さ1mmのシートを得た。次に、試験区分1で調製したビニル共重合体乳化物等(帯電防止剤)を水希釈して固形分5%の水性液となし、この固形分5%の水性液を、前記シートの表面1m2当たり固形分として表8に記載の塗布量となるようキスコート法により3.5m/秒の塗布速度で塗布し、150℃の熱風で1分間乾燥して、コーティングシートを得た。これを試料4とした。別に、固形分5%の水性液のキスコート法による塗布速度を5m/秒としたこと以外は同様にしてコーティングシートを得た。これを試料5とした。これらの試料4及び5のコーティングシートについて以下の評価を行なった。結果を表8にまとめて示した。
試料4及び5のコーティングシートについて、試験区分2と同様に評価した。
試料4のコーティングシートについて、試験区分2と同様に評価した。
試料4のコーティングシートについて、試験区分2と同様に評価した。
試料4のコーティングシートを粉砕し、押し出し機にて約280℃で溶融してチップ化した。このチップを用いて溶融製膜し、再生シートを作製した。別にブランクとして、水のみを塗布した同様のシートを用いて再生シートを作製した。双方の再生シートの着色度合いから再利用性を試験区分2と同様に評価した。
試料4のコーティングシートについて、試験区分2と同様に評価した。
・ABSシートへの帯電防止剤の塗布
ABSを、二軸押出機に投入し、220℃で溶融混練しつつ、Tダイ法により30℃の冷却ロール上にキャストして、厚さ1mmのシートを得た。次に、試験区分1で調製したビニル共重合体乳化物等(帯電防止剤)を水希釈して固形分5%の水性液となし、この固形分5%の水性液を、前記シートの表面1m2当たり固形分として表9に記載の塗布量となるようキスコート法により3.5m/秒の塗布速度で塗布し、150℃の熱風で1分間乾燥して、コーティングシートを得た。これを試料6とした。別に、固形分5%の水性液のキスコート法による塗布速度を5m/秒としたこと以外は同様にしてコーティングシートを得た。これを試料7とした。これらの試料6及び7のコーティングシートについて以下の評価を行なった。結果を表9にまとめて示した。
試料6及び7のコーティングシートについて、試験区分2と同様に評価した。
試料6のコーティングシートについて、試験区分2と同様に評価した。
試料6のコーティングシートについて、試験区分2と同様に評価した。
試料6のコーティングシートを粉砕し、押し出し機にて約220℃で溶融してチップ化した。このチップを用いて溶融製膜し、再生シートを作製した。別にブランクとして、水のみを塗布した同様のシートを用いて再生シートを作製した。双方の再生シートの着色度合いから再利用性を試験区分2と同様に評価した。
試料6のコーティングシートについて、試験区分2と同様に評価した。
・PMMAシートへの帯電防止剤の塗布
PMMAを、二軸押出機に投入し、230℃で溶融混練しつつ、Tダイ法により30℃の冷却ロール上にキャストして、厚さ1mmのシートを得た。次に、試験区分1で調製したビニル共重合体乳化物等(帯電防止剤)を水希釈して固形分5%の水性液となし、この固形分5%の水性液を、前記シートの表面1m2当たり固形分として表10に記載の塗布量となるようキスコート法により3.5m/秒の塗布速度で塗布し、150℃の熱風で1分間乾燥して、コーティングシートを得た。これを試料8とした。別に、固形分5%の水性液のキスコート法による塗布速度を5m/秒としたこと以外は同様にしてコーティングシートを得た。これを試料9とした。これらの試料8及び9のコーティングシートについて以下の評価を行なった。結果を表10にまとめて示した。
試料8及び9のコーティングシートについて、試験区分2と同様に評価した。
試料8のコーティングシートについて、試験区分2と同様に評価した。
試料8のコーティングシートについて、試験区分2と同様に評価した。
試料8のコーティングシートを粉砕し、押し出し機にて約230℃で溶融してチップ化した。このチップを用いて溶融製膜し、再生シートを作製した。別にブランクとして、水のみを塗布した同様のシートを用いて再生シートを作製した。双方の再生シートの着色度合いから再利用性を試験区分2と同様に評価した。
試料8のコーティングシートについて、試験区分2と同様に評価した。
・ポリ塩化ビニルシートへの帯電防止剤の塗布
ポリ塩化ビニル100部当たり、可塑剤としてフタル酸ジ−2−エチルヘキシル40部をミキサーに投入し、更に安定剤としてステアリン酸バリウム2部、ステアリン酸亜鉛1部を加えて混合した。その混合物を二軸押出し機に投入し、180℃で溶融混練しつつ、Tダイ法により30℃の冷却ロール上にキャストして、厚さ2mmのシートを得た。次に、試験区分1で調製したビニル共重合体乳化物等(帯電防止剤)を水希釈して固形分5%の水性液となし、この固形分5%の水性液を、前記シートの表面1m2当たり固形分として表11に記載の塗布量となるようキスコート法により3.5m/秒の塗布速度で塗布し、100℃の熱風で1分間乾燥して、コーティングシートを得た。これを試料10とした。別に、固形分5%の水性液のキスコート法による塗布速度を5m/秒としたこと以外は同様にしてコーティングシートを得た。これを試料11とした。これらの試料10及び11のコーティングシートについて以下の評価を行なった。結果を表11にまとめて示した。
試料10及び11のコーティングシートについて、試験区分2と同様に評価した。
試料10のコーティングシートについて、試験区分2と同様に評価した。
試料10のコーティングシートについて、試験区分2と同様に評価した。
試料10のコーティングシートを粉砕し、押し出し機にて約180℃で溶融してチップ化した。このチップを用いて溶融製膜し、再生シートを作製した。別にブランクとして、水のみを塗布した同様のシートを用いて再生シートを作製した。双方の再生シートの着色度合いから再利用性を試験区分2と同様に評価した。
試料10のコーティングシートについて、試験区分2と同様に評価した。
・PPシートへの帯電防止剤の塗布
ポリプロピレンを、二軸押出機に投入し、250℃で溶融混練しつつ、Tダイ法により30℃の冷却ロール上にキャストして、厚さ1mmのシートを作製し、このシートの片面にコロナ処理を施した。次に、試験区分1で調製したビニル共重合体乳化物等(帯電防止剤)を水希釈して固形分5%の水性液となし、この固形分5%の水性液を、前記シートのコロナ処理面1m2当たり固形分として表12に記載の塗布量となるようキスコート法により3.5m/秒の塗布速度で塗布し、100℃の熱風で1分間乾燥して、コーティングシートを得た。これを試料12とした。別に、固形分5%の水性液のキスコート法による塗布速度を5m/秒としたこと以外は同様にしてコーティングシートを得た。これを試料13とした。これらの試料12及び13のコーティングシートについて以下の評価を行なった。結果を表12にまとめて示した。
試料12及び13のコーティングシートについて、試験区分2と同様に評価した。
試料12のコーティングシートについて、試験区分2と同様に評価した。
試料12のコーティングシートについて、試験区分2と同様に評価した。
試料12のコーティングシートを粉砕し、押し出し機にて約230℃で溶融してチップ化した。このチップを用いて溶融製膜し、再生シートを作製した。別にブランクとして、水のみを塗布した同様のシートを用いて再生シートを作製した。双方の再生シートの着色度合いから再利用性を試験区分2と同様に評価した。
試料12のコーティングシートについて、試験区分2と同様に評価した。
・ポリエチレンテレフタレート成形体への帯電防止剤の塗布
ポリエチレンテレフタレートを、290〜300℃で射出成形し、縦15cm×横2cm×厚さ4mmの成形体を得た。次に、試験区分1で調製したビニル共重合体乳化物等(帯電防止剤)を水希釈して固形分3%の水性液となし、この固形分3%の水性液をスプレー噴霧している雰囲気中に前記の成形体を4.0m/分の速度で通過させ、成形体の表面1m2当たり固形分として表13に記載の塗布量となるように塗布した後、150℃の熱風で1分間乾燥して、コーティング成形体を得た。このコーティング成形体について以下の評価を行なった。結果を表13にまとめて示した。
前記のコーティング成形体の表面を肉眼で観察し、下記の基準で評価した。
評価基準
◎:塗布抜けがなく、均一な塗布膜である
○:塗布抜けが極めて僅にあるが、ほぼ均一な塗布膜である
△:塗布抜けが幾分あるが、全体としてはほぼ均一な塗布膜である
×:塗布抜けが多く、不均一な塗布膜である
前記のコーティング成形体を、20℃で相対湿度50%の条件下に24時間調湿した後、同条件で表面比抵抗(Ω)を表面抵抗値測定装置(シシド電気社製の商品名メガレスタHT−301)を用いて測定し、試験区分2と同様に評価した。
前記のコーティング成形体の非タック性を下記の基準で評価した。
評価基準
◎:ベタツキがなく、良好な表面を有している
○:僅かにベタツキがあるものの、使用可能レベル
△:若干のベタツキがあり、使用には制約がある
×:明らかなベタツキがあり、使用できない
前記のコーティング成形体を粉砕し、押し出し機にて約300℃で溶融してチップ化した。このチップを用いて溶融製膜し、再生シートを作製した。別にブランクとして、水のみを塗布した同様の成形体を用いて再生シートを作製した。双方の再生シートの着色度合いから再利用性を試験区分2と同様に評価した。
前記のコーティング成形体と未処理の成形体とをコーティング面で重ね、荷重1kg/m2を均等にかけて、20℃で相対湿度30%の条件下に60時間調湿した後、双方を引き離し、同条件でコーティング成形体のコーティング面の表面比抵抗(Ω)を表面抵抗値測定装置(シシド電気社製の商品名メガレスタHT−301)を用いて測定し、試験区分2と同様に評価した。
・ポリカーボネート成形体への帯電防止剤の塗布
ポリカーボネートを、290〜300℃で射出成形し、縦15cm×横2cm×厚さ4mmの成形体を得た。次に、試験区分1で調製したビニル共重合体乳化物等(帯電防止剤)を水希釈して固形分3%の水性液となし、この固形分3%の水性液をスプレー噴霧している雰囲気中に前記の成形体を4.0m/分の速度で通過させ、成形体の表面1m2当たり固形分として表14に記載の塗布量となるように塗布した後、150℃の熱風で1分間乾燥して、コーティング成形体を得た。このコーティング成形体について以下の評価を行なった。結果を表14にまとめて示した。
前記のコーティング成形体について、成形体の表面を肉眼で観察し、試験区分8と同様に評価した。
前記のコーティング成形体について、試験区分8と同様に評価した。
前記のコーティング成形体について、試験区分8と同様に評価した。
前記のコーティング成形体を粉砕し、押し出し機にて約280℃で溶融してチップ化した。このチップを用いて溶融製膜し、再生シートを作製した。別にブランクとして、水のみを塗布した同様の成形体を用いて再生シートを作製した。双方の再生シートの着色度合いから再利用性を試験区分2と同様に評価した。
前記のコーティング成形体について、試験区分8と同様に評価した。
・ABS成形体への帯電防止剤の塗布
ABSを、約220℃で射出成形し、縦15cm×横2cm×厚さ4mmの成形体を得た。次に、試験区分1で調製したビニル共重合体乳化物等(帯電防止剤)を水希釈して固形分3%の水性液となし、この固形分3%の水性液をスプレー噴霧している雰囲気中に前記の成形体を4.0m/分の速度で通過させ、成形体の表面1m2当たり固形分として表15に記載の塗布量となるように塗布した後、100℃の熱風で1分間乾燥して、コーティング成形体を得た。このコーティング成形体について以下の評価を行なった。結果を表15にまとめて示した。
前記のコーティング成形体について、試験区分8と同様に評価した。
前記のコーティング成形体について、試験区分8と同様に評価した。
前記のコーティング成形体について、試験区分8と同様に評価した。
前記コーティング成形体を粉砕し、押し出し機にて約230℃で溶融してチップ化した。このチップを用いて溶融製膜し、再生シートを作製した。別にブランクとして、水のみを塗布した同様の成形体を用いて再生シートを作製した。双方の再生シートの着色度合いから再利用性を試験区分2と同様に評価した。
前記のコーティング成形体について、試験区分8と同様に評価した。
Claims (15)
- 下記の第1工程及び第2工程を経て得られるビニル共重合体乳化物から成ることを特徴とする熱可塑性高分子用帯電防止剤。
第1工程:下記のビニル単量体混合物、非イオン界面活性剤及び水性溶媒を用いて、ビニル単量体混合液を得る工程
第2工程:第1工程で得られたビニル単量体混合液にラジカル重合開始剤を加え、ラジカル重合反応させて、ビニル共重合体乳化物を得る工程
ビニル単量体混合物:下記のビニル単量体混合物M又は下記のビニル単量体混合物N
ビニル単量体混合物M:下記の化1で示されるビニル単量体を10〜90モル%及び下記の接着性単量体を10〜90モル%含有し且つこれらを合計で100モル%となるよう含有して成る混合物
ビニル単量体混合物N:下記の化1で示されるビニル単量体を10〜80モル%、下記の接着性単量体を19.9〜89.9モル%及び下記の架橋性単量体を0.1〜20モル%含有し且つこれらを合計で100モル%となるよう含有して成る混合物
接着性単量体:炭素数1〜4の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル、炭素数1〜4のアルキル基で置換されたN−アルキル(メタ)アクリルアミド、炭素数1〜4のアルキル基で置換されたN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド及び炭素数4若しくは5の不飽和二塩基酸と炭素数2〜8のグリコールとの(ジ)エステルから選ばれる一つ又は二つ以上
架橋性単量体:下記の化2で示される架橋性単量体、下記の化3で示される架橋性単量体及び下記の化4で示される架橋性単量体から選ばれる一つ又は二つ以上
R1,R5,R7,R8,R9:水素原子又はメチル基
R2,R3,R4:水素原子、メチル基、エチル基又はアルキル基の炭素数2若しくは3のヒドロキシアルキル基(但し、R2〜R4のうちで少なくとも二つはメチル基、エチル基又はアルキル基の炭素数2若しくは3のヒドロキシアルキル基)
R6:水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基
A:オキシ基又はアミノ基
B:炭素数2〜6のアルキレン基
X−:硝酸イオン基、アルキル基の炭素数1〜4のアルキルスルホン酸イオン基、アルキル基の炭素数1〜4のアルキル硫酸イオン基又は塩化物イオン基
Y1:水素原子、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、エポキシ基を有する炭素数3〜10の有機基又は分子中に合計2〜20個のオキシエチレン単位及び/又はオキシプロピレン単位で構成されたポリオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレンジオールから一つの水酸基を除いた残基
Y2:水素原子、エポキシ基を有する炭素数3〜10の有機基又は分子中に合計2〜20個のオキシエチレン単位及び/又はオキシプロピレン単位で構成されたポリオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレンジオールから一つの水酸基を除いた残基} - ビニル共重合体乳化物が、固形分10質量%のものについて30℃における粘度が0.1〜10mm2/sであるものである請求項1記載の熱可塑性高分子用帯電防止剤。
- 第1工程で用いる非イオン界面活性剤が、分子中にポリオキシアルキレン基を有する化合物から成るものである請求項1又は2記載の熱可塑性高分子用帯電防止剤。
- 化1で示されるビニル単量体が、化1中のX−がメチルスルホン酸イオン基、メチル硫酸イオン基又はエチル硫酸イオン基である場合のものである請求項1〜3のいずれか一つの項記載の熱可塑性高分子用帯電防止剤。
- 化1で示されるビニル単量体が、化1中のBがエチレン基又はトリメチレン基である場合のものである請求項1〜4のいずれか一つの項記載の熱可塑性高分子用帯電防止剤。
- 接着性単量体が、炭素数1〜4の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル、炭素数1〜4のアルキル基で置換されたN−アルキル(メタ)アクリルアミド及び炭素数1〜4のアルキル基で置換されたN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドから選ばれる一つ又は二つ以上である請求項1〜5のいずれか一つの項記載の熱可塑性高分子用帯電防止剤。
- 架橋性単量体が、化2で示される架橋性単量体である請求項1〜6のいずれか一つの項記載の熱可塑性高分子用帯電防止剤。
- ビニル単量体混合物Mが、化1で示されるビニル単量体を15〜70モル%及び接着性単量体を30〜85モル%含有し且つこれらを合計で100モル%となるよう含有して成る混合物である請求項1〜7のいずれか一つの項記載の熱可塑性高分子用帯電防止剤。
- ビニル単量体混合物Nが、化1で示される単量体を15〜74モル%、接着性単量体を25〜84モル%及び架橋性単量体を1〜15モル%含有し且つこれらを合計で100モル%となるよう含有して成る混合物である請求項1〜7のいずれか一つの項記載の熱可塑性高分子用帯電防止剤。
- 請求項1〜9のいずれか一つの項記載の熱可塑性高分子用帯電防止剤を、熱可塑性高分子材料を用いて製造される熱可塑性高分子成形体の表面1m2当たり固形分として0.01〜3gの割合となるよう付着させることを特徴とする熱可塑性高分子成形体の帯電防止方法。
- 熱可塑性高分子材料が、ポリエステル系高分子材料、ポリカーボネート系高分子材料、ポリスチレン系高分子材料、ポリアクリル系高分子材料、ポリビニル系高分子材料及びポリオレフィン系高分子材料から選ばれる一つ又は二つ以上である請求項10記載の熱可塑性高分子成形体の帯電防止方法。
- 熱可塑性高分子成形体が熱可塑性高分子フィルム又は熱可塑性高分子シートである請求項10又は11記載の熱可塑性高分子成形体の帯電防止方法。
- 請求項1〜9のいずれか一つの項記載の熱可塑性高分子用帯電防止剤が、熱可塑性高分子材料を用いて製造された熱可塑性高分子成形体の表面1m2当たり固形分として0.01〜3gの割合で付着されて成ることを特徴とする帯電防止性熱可塑性高分子成形体。
- 熱可塑性高分子材料が、ポリエステル系高分子材料、ポリカーボネート系高分子材料、ポリスチレン系高分子材料、ポリアクリル系高分子材料、ポリビニル系高分子材料及びポリオレフィン系高分子材料から選ばれる一つ又は二つ以上である請求項13記載の帯電防止性熱可塑性高分子成形体。
- 熱可塑性高分子成形体が熱可塑性高分子フィルム又は熱可塑性高分子シートである請求項13又は14記載の帯電防止性熱可塑性高分子成形体。
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