JP2008044823A - 基板の分断方法、電気光学装置の製造方法及びレーザスクライブ装置 - Google Patents

基板の分断方法、電気光学装置の製造方法及びレーザスクライブ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザスクライブするとき、レーザ光による損傷が防止できる基板の分断方法、電気光学装置の製造方法及びレーザスクライブ装置を提供すること。
【解決手段】集光レンズ8により集光されたレーザ光43を第1基板35の内部に照射して改質部44を形成する。第1基板35には、第2基板36が接着され、第2基板36には光学薄膜38が形成されている。第2基板36にマスク41を重ねて、マスク41を通してレーザ光43を照射する。マスク41は、光学薄膜38の形状に遮光部41a,41bが形成され、遮光部41a,41bが光学薄膜38を覆うように配置する。レーザ光43を照射するとき、マスク41の上からレーザ光43を照射する。
【選択図】図4

Description

本発明は、基板の分断方法、電気光学装置の製造方法及びレーザスクライブ装置に関するものである。
光透過性のある基板を品質良く切断するために、レーザ光を基板に照射して基板内部に改質領域(以下、改質部と称す。)を形成するレーザスクライブ方法が特許文献1に開示されている。それによると、パルス幅が1μs以下のレーザ光を出射し、集光レンズで基板内部に集光し、集光点におけるピークパワー密度が1×108(W/cm2)以上にする。これにより、加工対象物の内部に多光子吸収による改質部を形成するものである。
また、このレーザスクライブ方法において、加工対象物の内部に形成される改質部あるいはこれを起点として形成される改質部の大きさは、集光レンズの特性と、レーザ光のピークパワー密度に依存する。例えば、上記特許文献1に示されたガラス(厚さ700μm)に対してYAGレーザを用いて切断する実施例では、集光レンズの開口数が0.55の場合、ピークパワー密度がおよそ1×1011(W/cm2)では、改質部の大きさは、およそ100μmである。また、ピークパワー密度がおよそ5×1011(W/cm2)では、およそ250μmである。基板の内部に改質部を配列して形成し、改質部を押圧することで、基板を改質部に沿って品質良く分断することができる。
液晶表示装置などの表示装置は、外形が矩形の1対の基板を用いて、1対の基板の間に液晶や発光素子を配置して形成されることが多い。その製造方法において、トランジスタなどのスイッチング素子や表示素子に対応するパターンを複数配列した素子マザー基板と、共通電極等のパターンを配置した対向マザー基板とを貼り合せて、分断する方法が広く採用されている。
液晶表示装置の一つに、液晶に表示される画像を投影レンズにより、拡大表示する投射型液晶表示装置がある。投射型液晶表示装置では、液晶パネルの表面付近に塵埃等が付着するとき、それが投射レンズ等により拡大されてスクリーン上に投射されないように液晶パネルの表面に防塵ガラスを貼付する方法が採用されている。この防塵ガラスには、液晶表示装置を透過する光の波長を制御する光学薄膜が形成され、特定の波長の光を透過又は遮断するようになっている。
特開2002−192371号公報
素子マザー基板と対向マザー基板とを貼り合せ、さらに防塵ガラスを貼り合せて、素子マザー基板及び対向マザー基板にレーザ光を照射して改質部を形成するとき、レーザ光の一部が防塵ガラスを照射する可能性がある。このとき、防塵ガラスには、光学薄膜が形成されており、レーザ光により損傷を受ける危険性があった。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、その目的は、レーザスクライブするとき、レーザ光による損傷が防止できる基板の分断方法、電気光学装置の製造方法及びレーザスクライブ装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の基板の分断方法は、基板にレーザ光を照射して、改質部を配列して形成するスクライブ工程と、基板に配列して形成される改質部に沿って分断する分断工程とを有し、スクライブ工程は基板に遮光部を配置する遮光部形成工程を有することを特徴とする。
この基板の分断方法によれば、基板にレーザ光を照射して、改質部を配列して形成するスクライブ工程と、配列して形成された改質部に沿って分断する分断工程とを有している。スクライブ工程では、基板の一部を遮光部で覆い、レーザ光線を基板に照射して改質部を形成する。
基板において、遮光部に覆われた場所には、レーザ光が照射されないことから、レーザ光により損傷を受けることがない。基板に、配線、素子、光学薄膜等が形成されている場合には、配線、素子、光学薄膜等を遮光部で覆うことにより、配線、素子、光学薄膜等にレーザ光が照射され、損傷を受けることを防止することができる。
本発明の基板の分断方法では、遮光部は、光を透過する場所と光を遮断する場所とを有するマスクを備えていることを特徴とする。
この基板の分断方法によれば、遮光部は、マスクを有している。スクライブ工程では、基板の一部をマスクで覆い、レーザ光線を基板に照射して改質部を形成する。マスクは、光透過性の基板に光を透過する場所と光を遮断する場所とが形成されている。マスクを基板に重ねることにより、基板に対して、レーザ光を照射可能な場所と、レーザ光を照射することができない場所を設定することができる。
スクライブ工程の後で、マスクと基板を分離することにより、光が透過可能な場所と光が透過不可能な場所との設定を容易になくすことができる。従って、基板に対して、レーザ光を照射したくない場所に遮光膜を配置して、スクライブ後に遮光膜を剥離する方法に比べて、容易に遮光部の設置と除去をすることができる。従って、生産性良くレーザ光を遮光して、基板を分断することができる。
本発明の基板の分断方法は、遮光部の一部は、基板に遮光膜が配置され、形成されていることを特徴とする。
この基板の分断方法によれば、基板に遮光膜が形成されて、遮光部の一部となっている。基板に遮光膜を形成するとき、基板に遮光膜が密着して形成することができる。
遮光部と基板との間に、空気やガラス等の光透過性の要素が介在するとき、レーザ光が回折、屈折等により、進行方向を変えて、基板において遮光したい場所を照射する可能性がある。一方、基板に遮光膜が形成されているときは、遮光膜と基板との間に光透過性の要素が介在しないことから、遮光したい場所を確実に遮光することができる。基板に膜、配線等が形成されているときにも、同様に、その膜、配線に対して密着して遮光膜を形成することにより、遮光したい場所を確実に遮光することができる。従って、レーザ光により損傷を受けにくい基板の分断方法とすることができる。
本発明の基板の分断方法は、スクライブ工程において、レーザ光が遮光部に遮光されるレーザ光の光エネルギーに応じて、遮光部及び基板を照射するレーザ光の光エネルギーを制御することを特徴とする。
この基板の分断方法によれば、レーザ光が遮光部により遮光されるレーザ光の量に応じて、遮光部及び前記基板に照射するレーザ光の光エネルギーが制御される。基板に配置されている遮光部と基板とにレーザ光を照射するとき、レーザ光の一部が遮光部により遮光される。レーザ光が遮光部により遮光されるとき、基板を照射するレーザ光の光エネルギーが弱くなり、基板の内部に改質部を形成できない可能性がある。
この発明では、遮光されるレーザ光の光エネルギーに応じて、遮光部及び基板に照射するレーザ光の光エネルギーが制御されることから、レーザ光が遮光部により遮光されるとき、遮光部及び基板に照射するレーザ光は、強い光エネルギーのレーザ光が照射される。従って、遮光部により遮光されずに基板を照射するレーザ光は、改質部を形成するのに十分な光エネルギーのレーザ光となる為、品質良く基板の内部に改質部を形成することができる。その結果、品質良く基板を分断することができる。
上記課題を解決するために、本発明のレーザスクライブ装置は、基板にレーザ光を照射してスクライブするレーザスクライブ装置であって、レーザ光を発光するレーザ光源部と、基板の内部にレーザ光を集光する集光部と、集光部と基板との間にマスクを配置するマスク配置部と、基板と集光部とを相対移動するテーブル部とを有し、基板において、マスクにより遮光されない場所にレーザ光を照射して改質部を形成することを特徴とする。
このレーザスクライブ装置によれば、レーザ光源部が発光するレーザ光を集光部が集光して基板の内部に照射し、改質部を形成する。レーザスクライブ装置は、テーブル部を有し、基板と集光部とを相対移動して、改質部を配列して形成する。マスク配置部により、集光部と基板との間にはマスクが配置される。
基板において、マスクにより遮光される場所には、レーザ光が照射されないことから、レーザ光により損傷を受けることがない。基板に、配線、素子、光学薄膜等が形成されている場合には、配線、素子、光学薄膜等をマスクで遮光することにより、配線、素子、光学薄膜等にレーザ光が照射され、損傷を受けることを防止することができる。従って、基板に形成されている配線、素子、光学薄膜等がレーザ光により損傷を受けることを防止することができるレーザスクライブ装置とすることができる。
上記課題を解決するために、本発明のレーザスクライブ装置は、基板にレーザ光を照射してスクライブするレーザスクライブ装置であって、レーザ光を発光するレーザ光源部と、基板の内部にレーザ光を集光する集光部と、基板と集光部とを相対移動するテーブル部と、レーザ光源部が発光するレーザ光の光エネルギーを制御するレーザ光制御装置と、基板と集光部との間には遮光部が配置され、遮光部の遮光形状データを記憶する遮光データ記憶部と、光強度制御部とを有し、レーザ光の一部が遮光部に遮光されるとき、レーザ光源部から照射されるレーザ光が改質部を形成可能となるように、光強度制御部は、レーザ光源部から照射するレーザ光の光エネルギーを制御し、レーザ光源部は、光強度制御部が制御する光エネルギーのレーザ光を発光することを特徴とする。
このレーザスクライブ装置によれば、レーザスクライブ装置は、レーザ光制御装置と、遮光データ記憶部と、光強度制御部とを有している。基板と集光部との間には遮光部が配置され、基板に照射するレーザ光の一部が遮光部に遮光されることがある。レーザ光が遮光部により遮光されるとき、基板を照射するレーザ光の光エネルギーが弱くなり、基板の内部に改質部を形成できない可能性がある。
この発明では、光強度制御部は、遮光データ記憶部が記憶する遮光部の遮光形状データを用いて、マスクを通過するレーザ光の光エネルギーを制御する。光強度制御部は、マスクを通過するレーザ光の光エネルギーを制御して得られる制御結果と、改質部を形成するのに必要な光エネルギーとから、レーザ光源部が発光するレーザ光において、改質部を形成するのに必要となる光エネルギーを制御する。
光強度制御部は、改質部を形成するのに必要となるレーザ光源部が発光するレーザ光の光エネルギーの制御結果を、レーザ光制御装置に送信し、レーザ光制御装置はレーザ光源部が発光するレーザ光の光エネルギーの制御結果に基づきレーザ光源部が発光するレーザ光の光エネルギーを制御する。レーザ光源部は、レーザ光制御装置に制御され、改質部を形成するのに必要とされる光エネルギーを発光する。従って、遮光部を透過して基板を照射するレーザ光は、改質部を形成するのに十分な光エネルギーのレーザ光となる為、品質良く基板の内部に改質部を形成することができる。その結果、品質良く基板を分断することができる。
上記課題を解決するために、本発明の電気光学装置の製造方法は、基板を有する電気光学装置の製造方法であって、基板にレーザ光を照射して、改質部を配列して形成するスクライブ工程と、基板に配列して形成される改質部に沿って分断する分断工程とを有し、スクライブ工程では基板にマスクを配置し、マスクを透過するレーザ光を、基板に照射して改質部を形成することを特徴とする。
この電気光学装置の製造方法によれば、基板にレーザ光を照射して、改質部を配列して形成するスクライブ工程と、配列して形成される改質部に沿って分断する分断工程とを有している。スクライブ工程では、基板にマスクを配置し、マスクを透過するレーザ光線を基板に照射して改質部を形成している。
基板において、マスクに覆われた場所には、レーザ光が照射されない。電気光学装置において、基板の表面には、特定の周波数の光に対して透過又は遮断する光学薄膜等の膜が形成されている場合がある。光学薄膜は、レーザ光の照射により損失を受けることにより、光学的機能をしなくなる可能性がある。基板において、マスクに覆われた場所には、レーザ光が照射されないことから、マスクに覆われた場所は、膜がレーザ光により損傷を受けることがない。
同様に、電気光学装置において、基板の表面に、電極や配線等の電気導通性のある膜が形成されている場合がある。この場合においても、膜をマスクを用いて覆うことにより、電極や配線等の電気導通性のある膜がレーザ光により損傷を受けることを防止することができる。従って、基板に形成されている膜が損傷を受けない電気光学装置の製造方法とすることができる。
マスクは基板への着脱が容易にできることから、生産性良く基板にマスクをしてレーザスクライブすることができる。
上記課題を解決するために、本発明の電気光学装置の製造方法は、基板を有する電気光学装置の製造方法であって、基板に遮光膜を形成する遮光膜形成工程と、基板にレーザ光を照射して、改質部を配列して形成するスクライブ工程と、基板に配列して形成される改質部に沿って分断する分断工程とを有し、遮光膜形成工程では、基板において、直接レーザ光が照射される面に遮光膜を形成することを特徴とする。
この電気光学装置の製造方法によれば、遮光膜形成工程において、レーザ光が照射される予定の基板において、直接レーザ光が照射される面に遮光膜が形成される。スクライブ工程において、基板にレーザ光を照射して、改質部を配列して形成し、分断工程において、配列して形成された改質部に沿って基板を分断している。
基板に光学薄膜や配線等の膜が形成されているとき、光学薄膜や配線等の膜を遮光膜により覆うことで、光学薄膜や配線等の膜が、レーザ光の照射を受けて、損傷を受けることを防止することができる。
遮光する部材と基板との間に、空気やガラス等の光透過性の要素が介在するとき、レーザ光が回折、屈折等により、レーザ光が進行方向を変えて、基板において遮光したい場所を照射する可能性がある。一方、基板に遮光膜が形成されているときは、遮光膜と基板との間に光透過性の要素が介在しないことから、遮光したい場所を確実に遮光することができる。基板に膜、配線等が形成されているときにも、同様に、その膜、配線に対して密着して遮光膜を形成することにより、遮光したい場所を確実に遮光することができる。従って、基板に形成されている光学薄膜や配線等の膜が、レーザ光により損傷を受けにくい電気光学装置の製造方法とすることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。
尚、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて図示している。
(第1の実施形態)
本実施形態では、レーザスクライブ法を用いてスクライブし、分断する場合において、マスクを用いてレーザ光を遮光する例を説明する。ここで、本発明の特徴的な製造方法について説明する前にレーザスクライブ装置について説明する。
(レーザスクライブ装置)
図1は、レーザスクライブ装置の構成を示す概略図である。
図1に示すように、レーザスクライブ装置1は、レーザ光を出射するレーザ光源部としてのレーザ光源2と、出射されたレーザ光をワークに照射する光学経路部3と、光学経路部3に対してワークを相対的に移動させるテーブル部4と、動作を制御する制御装置5とを主として構成されている。
レーザ光源2は、出射するレーザ光を加工対象物の内部に集光して多光子吸収による改質部を形成できる光源であれば良い。例えば、レーザ光源2は、本実施形態において、LD励起Nd:YAG(Nd:Y3Al512)のレーザ媒質からなり、第3高調波(波長:355nm)のQスイッチパルス発振のレーザ光を出射する発光条件を採用している。パルス幅はおよそ14ns(ナノ秒)、パルス周期は10kHz、出力はおよそ60μJ/パルスのレーザ光を出射する発光条件を採用している。
光学経路部3はハーフミラー6を備えている。ハーフミラー6は、レーザ光源2から照射されるレーザ光の光軸7上に配置されている。ハーフミラー6はレーザ光源2から照射されるレーザ光を反射して、光軸7の進行方向を変更する。ハーフミラー6に反射したレーザ光が通過する光軸7上に集光部としての集光レンズ8が配置されている。テーブル部4にはワーク9が配置され、集光レンズ8を通過したレーザ光がワーク9に照射されるようになっている。
集光レンズ8はレンズ支持部10により、レンズ移動機構11に支持されている。レンズ移動機構11は、図示しない直動機構を有し、集光レンズ8を光軸7方向(図中Z方向)に移動させて、集光レンズ8を通過したレーザ光が集光する位置を移動可能としている。
直動機構は、例えばZ方向に延びるネジ軸(駆動軸)と、同ネジ軸と螺合するボールナットを供えたネジ式直動機構であって、その駆動軸が所定のパルス信号を受けて所定のステップ単位で正逆転する図示しないZ軸モータに連結されている。そして、所定のステップ数に相当する駆動信号がZ軸モータに入力されると、Z軸モータが正転又は反転して、レンズ移動機構11が同ステップ数に相当する分だけ、光軸7方向に沿って往動又は復動するようになっている。
集光レンズ8とハーフミラー6とを通過する光軸7の延長線上にあって、ハーフミラー6に対して集光レンズ8と反対側には、撮像装置12を備えている。撮像装置12は、例えば、図示しない同軸落射型光源とCCD(Charge Coupled Device)が組み込まれたものである。同軸落射型光源から出射した可視光は、集光レンズ8を透過してワーク9を照射する。撮像装置12は、集光レンズ8とハーフミラー6とを通してワーク9を撮像することが可能となっている。
テーブル部4は、基台15を備えている。基台15の光学経路部3側には、レール16が凸設して配置されており、レール16上にはX軸スライド17が配置されている。X軸スライド17は、図示しない直動機構を備え、レール16上のX方向に移動可能となっている。直動機構は、レンズ移動機構11が備える直動機構と同様な機構であり、所定のステップ数に相当する駆動信号に対応してX軸スライド17が同ステップ数に相当する分だけ、X方向に沿って往動又は復動するようになっている。
X軸スライド17の光学経路部3側にはレール18が凸設して配置されており、レール18上にはY軸スライド19が配置されている。Y軸スライド19は、X軸スライド17と同様な直動機構を備え、レール18上をY方向に移動可能となっている。
Y軸スライド19の光学経路部3側には、ステージ20が配置され、ステージ20の上面には図示しない吸引式のチャック機構が設けられている。そして、ワーク9を載置すると、チャック機構によって、ワーク9がステージ20の上面における所定の位置に位置決めされ固定されるようになっている。
集光レンズ8とワーク9との間には、遮光部としてのマスク21が配置され、マスク21は、ワーク9を覆う様に配置される。マスク21には、レーザ光を透過する場所と遮光する場所から構成されるパターンが形成されている。マスク21はマスク支持部22を介してマスク配置部としてのマスク移動機構23に支持されている。マスク移動機構23は、図示しない直動機構を有し、マスク21は、光軸7方向(図中Z軸方向)に移動可能となっている。
制御装置5は、メインコンピュータ24を備えている。メインコンピュータ24は内部に図示しないCPU(Central Processing Unit)やメモリーを備えている。CPUはメモリー内に記憶されたプログラムソフトに従って、レーザスクライブ装置1の動作を制御するものである。
メインコンピュータ24は、その機能として、遮光データ記憶部24aと光強度制御部としての光強度演算部24bとを有している。遮光データ記憶部24aは、マスク21に形成されているパターンの形状を示すデータである遮光形状データを記憶する機能を有している。
光強度演算部24bは、集光レンズ8から照射されるレーザ光のうち、マスク21によって遮光されずに透過してワーク9を照射するレーザ光の光エネルギーの割合である光透過割合を演算する。続いて、基板を照射するレーザ光が改質部を形成可能な光エネルギーと、光透過割合とから、基板に改質部を形成可能となるレーザ光をワーク9に照射する為に、レーザ光源部が発光するレーザ光の光エネルギーを演算する。つまり、光強度演算部24bは、マスク21にレーザ光の一部が遮光されても、ワーク9に改質部を形成可能となる様に、レーザ光源部が発光するレーザ光の光エネルギーを演算する機能を有している。
メインコンピュータ24は、図示しない入出力インターフェースを備え、入力装置25、表示装置26、レーザ制御装置27、レンズ制御装置28、画像処理装置29、ステージ制御装置30と接続されている。
入力装置25は、レーザ加工の際に用いられる各種加工条件のデータを入力する装置であり、図示しないCAD(Computer Assisted Drawing)等の外部機器とのデータ交信を行ない、マスク21の遮光形状データなどを取り込むことが可能となっている。
表示装置26はレーザ加工時の各種情報を表示する装置である。CPUは、入力される各種加工条件とプログラムソフトとに従って、レーザ加工を行ない、加工状況を表示装置26に表示する。操作者が表示装置26に表示される各種情報を見て、レーザ加工状況を確認して操作するようになっている。
レーザ制御装置27は、レーザ光源2を駆動するパルス信号のパルス幅、パルス周期、出力の開始と停止、等を制御する装置であり、メインコンピュータ24の制御信号により制御される。
レンズ制御装置28は、レンズ移動機構11の移動、停止を制御する装置である。レンズ移動機構11には、移動距離を検出可能な図示しない位置センサが内蔵されており、レンズ制御装置28は、この位置センサの出力を検出することにより、集光レンズ8の光軸7方向の位置を認識する。レンズ制御装置28は、レンズ移動機構11にパルス信号を送信し、レンズ移動機構11を所望の位置に移動することができるようになっている。
画像処理装置29は、撮像装置12から出力される画像データを演算する機能を備えている。ステージ20にワーク9を配置し、撮像装置12で撮像した画像を観察するとき、レンズ移動機構11を操作して、集光レンズ8とワーク9との距離を変えることにより画像が鮮明になるときとぼやけるときが存在する。集光レンズ8を移動して、ワーク9のステージ20側の下面9bに焦点が合うときと、ワーク9の光学経路部3側の上面9aに焦点が合うときに、撮像される画像が鮮明になる。一方、焦点がワーク9の上面9a又は、下面9bに合っていないとき、撮像される画像は、ぼやけた画像となる。
集光レンズ8を光軸7の方向(図中Z軸方向)に移動して、撮像装置12が撮像する画像が鮮明になる集光レンズ8の位置を、内蔵する位置センサで検出することにより、ワーク9の厚みを測定することが可能となる。
撮像装置12で撮像するときに焦点が合う合焦点位置と、レーザ光を照射したときに、集光レンズ8により集光される集光位置との差の距離を計測することで、合焦点位置と集光位置の差の距離であるオフセット距離を知ることができる。例えば、透明な2枚の基板を重ねた物をワーク9としてステージ20に設置し、2枚の基板の接触部に撮像装置12の焦点が合うように集光レンズ8を移動する。次に、レーザ光を照射して改質部を形成する。2枚の基板の接触部と改質部の距離を計測することでオフセット距離を設定することができる。
集光レンズ8を光軸7方向(図中Z軸方向)に移動して、ワーク9の光学経路部3側の上面9aに撮像装置12の焦点を合わせる。レーザ光を照射したい位置とオフセット距離とで集光レンズ8の移動距離を演算し、演算した移動距離に対応する距離分、集光レンズ8を移動させる。この方法でワーク9における所定の深さにレーザ光を集光することが可能となる。
ステージ制御装置30は、X軸スライド17とY軸スライド19との位置情報の取得と移動制御、及びマスク移動機構23の制御とを行なう。X軸スライド17とY軸スライド19とには図示しない位置センサが内蔵されており、ステージ制御装置30は位置センサの出力を検出することにより、X軸スライド17とY軸スライド19との位置を検出する。ステージ制御装置30は、X軸スライド17とY軸スライド19との位置情報を取得し、メインコンピュータ24から指示される位置情報とを比較し、差に相当する距離に対応して、X軸スライド17とY軸スライド19とを駆動して移動する。ステージ制御装置30はX軸スライド17とY軸スライド19とを駆動して、所望の位置にワーク9を移動することが可能となっている。
ステージ制御装置30は、マスク移動機構23を制御してマスク21をZ軸方向に移動する。ワーク9をステージ20から着脱するときは、マスク21を集光レンズ8側に移動して、マスク21をワーク9から離す。マスク21とワーク9とを離すことにより、マスク21とワーク9との間に空間ができ、ワーク9をステージ20から着脱し易くする。又、ワーク9にレーザ光を照射するときは、マスク21をワーク9の方向に移動して、ワーク9とマスク21とを接触させる。
レーザ制御装置27がレーザ光源2を制御しレーザ光を発光させる。画像処理装置29がワーク9の下面9bにおける光軸7方向(図中Z方向)の位置を検出する。レンズ制御装置28がレーザ光を集光する光軸7方向の位置を制御する。ステージ制御装置30がワーク9をXY方向に移動して、ワーク9にレーザ光が照射される位置を制御する。上述した制御を行ない所望の位置にレーザ光を集光して照射することが可能となっている。
ここで、多光子吸収による改質部の形成について説明する。集光レンズ8によって集光されたレーザ光は、ワーク9に入射する。そして、ワーク9がレーザ光を透過する材料であっても、材料の吸収バンドギャップよりも光子のエネルギーが非常に大きいとき、ワーク9は光子エネルギーを吸収する。これを多光子吸収と言い、レーザ光のパルス幅を極めて短くすることでエネルギーを高めて、多光子吸収をワーク9の内部に起こさせると、多光子吸収のエネルギーが熱エネルギーに転化せずに、永続的な構造変化が誘起された領域が形成される。
本実施形態では、この構造変化領域を改質部と呼ぶ。改質部のうち、大きく構造変化した結果、複数のクラックが形成された領域をクラック部と呼ぶ。尚、材料の種類によっては、例えば石英などの場合には、クラック部は複数のクラックにならず、空洞が形成される場合もある。
このような改質部を形成するためのレーザ光の照射条件は、加工対象物ごとにレーザ光の出力やパルス幅、パルス周期、レーザスキャン速度等の設定が必要になる。特に、レーザ光源2が照射するレーザ光の出力は、ハーフミラー6や集光レンズ8のような光軸7上に配置される透過性物質による吸収で減衰することを考慮する必要がある。従って、実際の加工対象物を用いた予備試験を実施して、最適な照射条件を導くことが望ましい。
(基板の分断方法)
次に本発明の基板の分断方法について図2〜図5にて説明する。図2は、基板の分断方法のフローチャートであり、図3〜図5は基板の分断方法を説明する図である。
図2のフローチャートにおいて、ステップS1は遮光形状取込工程に相当し、マスクに形成されている遮光形状のデータをCADなどの外部機器から取り込む工程である。次にステップS2に移行する。ステップS2は、基板設置工程に相当し、基板をレーザスクライブ装置に設置する工程である。次にステップS3に移行する。ステップS3は遮光部形成工程としてのマスク配置工程に相当し、基板にマスクを重ねて配置する工程である。次にステップS4に移行する。ステップS4は基板移動工程に相当し、基板においてレーザ光を照射する予定の場所をレーザ光の光軸上に移動する工程である。次にステップS5に移行する。
ステップS5はレーザ光源の照射光エネルギー設定工程に相当し、基板に改質部が形成可能となるように、レーザ光源が発光する光エネルギーを設定する工程である。次にステップS6に移行する。ステップS6は、レーザ光照射工程に相当し、基板にレーザ光を照射して改質部を形成する工程である。次にステップS7に移行する。ステップS7は、「予定した領域総てに改質部を形成したか。」を判断する工程である。改質部を形成する予定の領域に、まだ、改質部が形成されていない領域が残っているときは(NOのとき)、ステップS4に移行する。改質部を形成する予定の領域総てに、改質部が形成されているときは(YESのとき)、ステップS8に移行する。尚、ステップS1〜ステップS7をまとめてスクライブ工程とし、ステップS9とする。
ステップS8は、分断工程に相当し、改質部に沿って、基板を分断する工程である。
次に、図3〜図5を用いて、図2に示したステップと対応させて、製造方法を詳細に説明する。図3(a)は、本実施形態で形成する基板の模式平面図である。図3(b)は基板のA−A’線から見た模式側面図である。
図3(a)及び図3(b)に示す様に、基板としての接合基板34は、基板としての第1基板35に矩形の第2基板36が、接着剤を介して2個接合され、第1基板35に矩形の第3基板37が、接着剤を介して2個接合されて、形成されている。第2基板36と第3基板37は略同形の基板であり、第1基板35を挟んで対向する場所に配置されている。
第2基板36において、第1基板35と反対側の面には、可視光を透過し紫外線を遮断する光学薄膜38が形成されている。同様に、第3基板37において、第1基板35と反対側の面には、可視光を透過し紫外線を遮断する光学薄膜39が形成されている。第1基板35、第2基板36及び第3基板37は、レーザ光に対して透過性のある材質からなり、本実施形態では例えば、石英ガラスを採用している。
第1基板35において、2個の第2基板36の間に配置され、第1基板35の上面35aから下面35bまで占める仮想面を分断予定面40とする。分断予定面40は、本発明の方法を用いて分断する予定の面である。
図3(c)はマスクの平面図を示し、接合基板34と重ねた図となっている。図3(c)に示すように、マスク41は矩形の板により構成され、図1に示すマスク21に相当する。マスク41は、レーザ光を遮光する遮光部41a,41b及び透過光部41cからなり、マスク41と接合基板34とを重ねたとき、遮光部41a,41bは、第2基板36及び第3基板37を覆うようになっている。一方、透過光部41cは、第2基板36と第2基板36との間の場所に対応して配置され、レーザ光を透過可能となっている。
ステップS1において、図1に示すメインコンピュータ24は、マスク41の遮光部41a,41bの形状を示す座標データである遮光形状データを、図1に示す入力装置25を介して、図示しないCADから取り込む。遮光形状データにおいて、接合基板34における四隅の一つを原点34aとして設定する。遮光形状データは、各遮光部41a,41bの四隅の座標データ、及び遮光する場所が、座標データに囲まれた領域の内側か外側かを識別可能なデータから構成されている。メインコンピュータ24は、遮光形状データを取り込んだ後、遮光データ記憶部24aに転送し、遮光データ記憶部24aは、遮光形状データを記憶する。
ステップS2において、接合基板34を図1に示すステージ20に配置し、吸引式のチャック機構を用いて、位置決めした後固定する。
ステップS3において、マスク41と接合基板34とを重ねる。マスク41はマスク支持部22を介してマスク移動機構23と接続されている。メインコンピュータ24はステージ制御装置30に制御信号を送付し、ステージ制御装置30は、制御信号に基づきマスク移動機構23を制御する。したがって、メインコンピュータ24が送信する制御信号に従って、マスク移動機構23が作動し、マスク41が接合基板34と重ねられる。
ステップS4において、メインコンピュータ24は、X軸スライド17、Y軸スライド19及びレンズ移動機構11を作動し、レーザ光を集光可能である場所に、改質部を形成する予定の場所を移動する。
図4(a)は、ステップS5に対応する図である。図4(a)に示すように、レーザ光をマスク41に照射するときに、レーザ光が照射する領域を照射領域42とする。照射領域42は、レーザ光が遮光部41aに遮光される遮光領域42aと、遮光部41bに遮光される遮光領域42bと、レーザ光が透過光部41cを透過する透過領域42cに区分できる。
レーザ光が照射領域42を照射する光エネルギーに対して、透過領域42cを透過するエネルギーの割合である光エネルギー透過割合を演算する。レーザ光が照射領域42を照射するときの光エネルギーの分布は、一様ではなく、ガウス分布に近い分布となっている。図1に示すレーザ光源2及び光学経路部3内の光学要素の影響を受ける為、集光レンズ8が照射するレーザ光を光エネルギー分布を計測し、計測データを元に光エネルギー透過割合を演算するのが、望ましい。
予め、マスク41を配置しないときに、接合基板34に改質部を形成するのに最適な、レーザ光源2が発光する光エネルギーを測定し、基本発光エネルギーとする。基本発光エネルギーと光エネルギー透過率とを用いて、マスク41を配置するときに、改質部を形成するために必要となるレーザ光源2が発光する光エネルギーである発光エネルギーを演算する。メインコンピュータ24は、演算された発光エネルギーの情報をレーザ制御装置27に送信し、レーザ制御装置27は、演算された発光エネルギーのレーザ光がレーザ光源2から照射できるように、発光条件を調整する。
図4(b)及び図4(c)は、ステップS6に対応する図である。図4(b)及び図4(c)に示すように、集光レンズ8によりレーザ光43を集光し、第1基板35を照射する。レーザ光43は、遮光部41a,41bにより一部分が遮光され、透過光部41cを透過するレーザ光43は、第1基板35を照射する。透過光部41cを透過するレーザ光43は、集光され、改質部44を形成し、改質部44の中央にはクラック部45が形成される。レーザ光43の光エネルギーはステップS5において、調整されていることから、遮光部41a,41bにより一部のレーザ光43が遮光されても改質部44を形成することができる。
まず、改質部44は、第1基板35の下面35b側に並べて形成され、1段目の改質部44aが形成される。続いて、1段目の改質部44aに対してZ方向に隣接して2段目の改質部44が配列して形成される。以降、同様に複数段の改質部44が配列して形成される。
ステップS7において、分断予定面40の面内の領域総てに、改質部44が形成したか判断する。図4に示すメインコンピュータ24は、記憶部に記憶されている分断予定面40のデータと、既に改質部44が形成されている領域とを比較する。分断予定面40と、既に改質部44が形成されている領域とが等しいと判断するときステップS9を終了する。
図5(a)に示すように、その結果、第1基板35における分断予定面40の総ての領域に改質部44が形成される。
図5(b)はステップS8に対応する図である。図5(b)に示す様に、接合基板34を弾性材からなる台46の上に配置する。分断予定面40に形成されたクラック部45に対向する場所を、加圧部材47を用いて押圧する。第1基板35は台46に沈み込み、クラック部45に張力が作用する。第1基板35は、台46側の下面35bに近いクラック部45を起点として破断が進行し、分断する。
図5(c)に示す様に、その結果、第1基板35は分断予定面40で分断され接合基板34は分離される。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、接合基板34にレーザ光43を照射して、改質部44を配列して形成するスクライブ工程と、配列して形成された改質部44に沿って分断する分断工程とを有している。スクライブ工程では、接合基板34の一部をマスク41で覆い、レーザ光線を接合基板34に照射して改質部44を形成している。
接合基板34において、マスク41に覆われた場所には、レーザ光43が照射されないことから、レーザ光43により損傷を受けることがない。接合基板34に光学薄膜38が形成され、光学薄膜38をマスク41で覆うことにより、光学薄膜38にレーザ光が照射され、損傷を受けることを防止することができる。
(2)本実施形態によればレーザスクライブ装置1は、マスク41を有している。スクライブ工程では、接合基板34の一部をマスク41で覆い、レーザ光43を接合基板34に照射して改質部44を形成する。マスク41は、透過光部41cと遮光部41a,41bとが形成されている。マスク41を接合基板34に重ねることにより、接合基板34に対して、レーザ光43を照射可能な場所と、レーザ光を照射することができない場所を設定することができる。
スクライブ工程の後、マスク41と接合基板34とを分離することにより、遮光部41a,41bを簡単に除去できる。従って、基板に対して、レーザ光43を照射したくない場所に遮光膜を配置して、スクライブ後に遮光膜を剥離する方法に比べて、容易に遮光部の設置と除去をすることができる。従って、生産性良くレーザ光43を遮光して、接合基板34を分断することができる。
(3)本実施形態によれば、レーザ光43が遮光部41a,41bにより遮光されるレーザ光43の光エネルギーに応じて、マスク41を照射するレーザ光43の光エネルギーが制御される。マスク41に配置されている遮光部41a,41bと第1基板35とにレーザ光43を照射するとき、レーザ光43の一部が遮光部41a,41bにより遮光される。レーザ光43が遮光部41a,41bにより遮光されるとき、第1基板35を照射するレーザ光43の光エネルギーが弱くなり、第1基板35の内部に改質部44を形成できない可能性がある。
本実施形態では、遮光されるレーザ光43の光エネルギーに応じて、マスク41を照射するレーザ光43の光エネルギーが制御される。レーザ光43が遮光部41a,41bにより遮光されるとき、マスク41に照射されるレーザ光43は、マスク41を設置しないときに比べて強い光エネルギーが照射される。従って、透過光部41cを通って第1基板35を照射するレーザ光43は、改質部44を形成するのに十分な光エネルギーのレーザ光43となる為、品質良く第1基板35の内部に改質部44を形成することができる。その結果、品質良く第1基板35を分断することができる。
(4)本実施形態によれば、このレーザスクライブ装置は、マスク移動機構23により、集光レンズ8と接合基板34との間にマスク41を配置することができる。
接合基板34において、マスク41により遮光される場所には、レーザ光43が照射されないことから、レーザ光43により損傷を受けることがない。接合基板34には光学薄膜が形成されており、光学薄膜をマスク41で遮光することにより、光学薄膜にレーザ光43が照射され、損傷を受けることを防止することができる。従って、接合基板34に形成されている光学薄膜等がレーザ光により損傷を受けることを防止することができるレーザスクライブ装置とすることができる。
又、マスク移動機構23により、接合基板34にマスク41を容易に、設置及び除去ができる。つまり、操作者は、レーザスクライブ装置1に接合基板34を設置すると、マスク41の設置も合わせて行なわれる。従って、接合基板34とマスク41とを治具等により接合させて、レーザスクライブ装置1に設置する方法に比べて、生産性良くマスク41を設置することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した基板の分断方法の一実施形態について、図6〜図8にて説明する。図6は、基板の分断方法のフローチャートであり、図7及び図8は基板の分断方法を説明する図である。第2の実施形態が、第1の実施形態と異なる点は、マスクの代りに遮光膜を基板に形成し、レーザ光を用いてスクライブし、分断する点である。
図6のフローチャートにおいて、ステップS11は遮光膜形成工程に相当し、基板において、レーザ光により損傷を受ける光学薄膜に重ねて遮光膜を形成する工程である。次にステップS12に移行する。ステップS12は、遮光形状取込工程に相当し、基板に形成されている遮光膜の遮光形状のデータをCADなどの外部機器から取り込む工程である。次にステップS13に移行する。ステップS13は、基板設置工程に相当し、基板をレーザスクライブ装置に設置する工程である。次にステップS14に移行する。ステップS14は基板移動工程に相当し、基板においてレーザ光を照射する予定の場所をレーザ光の光軸上に移動する工程である。次にステップS15に移行する。
ステップS15はレーザ光源の照射光エネルギー設定工程に相当し、基板に改質部が形成可能となるように、レーザ光源が発光する光エネルギーを設定する工程である。次にステップS16に移行する。ステップS16は、レーザ光照射工程に相当し、基板にレーザ光を照射して改質部を形成する工程である。次にステップS17に移行する。ステップS17は、「予定した領域総てに改質部を形成したか。」を判断する工程である。改質部を形成する予定の領域に、まだ、改質部が形成されていない領域が残っているときは(NOのとき)、ステップS14に移行する。改質部を形成する予定の領域総てに、改質部が形成されているときは(YESのとき)、ステップS18に移行する。ステップS18は遮光膜剥離工程に相当し、遮光膜を除去する工程である。尚、ステップS11〜ステップS18をまとめてスクライブ工程とし、ステップS20とする。次にステップS19に移行する。
ステップS19は、分断工程に相当し、改質部に沿って、基板を分断する工程である。
次に、図7及び図8を用いて、図6に示したステップと対応させて、製造方法を詳細に説明する。図7(a)及び図7(b)は、ステップS11に対応する図である。図7(a)は接合基板34の模式平面図であり、図7(b)は接合基板34の模式側面図である。接合基板34は第1の実施形態にて用いた接合基板34と同じ基板であり説明を省略する。図7(a)及び図7(b)に示すように、第2基板36において、第1基板35と反対側の面に形成されている光学薄膜38に重ねて、遮光膜50を形成する。遮光膜50の材料は、有機材料に遮光性のある顔料又は染料を加えた物を用いることができる。例えば、本実施形態においては、ポリイミドに黒色の顔料を加え、溶媒で濃度を調整したものを採用している。
遮光膜50の形成方法としては、膜を形成できれば良く、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、凸版印刷法、液滴吐出法等が採用可能である。例えば、本実施形態においては、スクリーン印刷法を採用している。
ステップS12は、第1の実施形態のステップS1と略同じ工程である。第1の実施形態においては、マスクに形成されている遮光形状のデータをCADなどの外部機器から取り込んでいた。第2の実施形態においては、マスクの代りに遮光膜50を用いていることから、遮光膜50における遮光形状の設計データをCADなどの外部機器から取り込む。
ステップS13とステップS14とでは、第1の実施形態のステップS2とステップS4と同様に、接合基板34を図1に示すステージ20に配置し、吸引式のチャック機構を用いて、位置決めした後固定する。続いて、メインコンピュータ24は、X軸スライド17、Y軸スライド19及びレンズ移動機構11を作動し、レーザ光を集光可能となる場所に、改質部を形成する予定の場所を移動する。
ステップS15では、第1の実施形態のステップS5と同様に、メインコンピュータ24が改質部を形成するのに必要な光エネルギーを演算し、演算されたその光エネルギーの光を、レーザ光源2が発光できるように、レーザ制御装置27が発光条件を調整する。
図7(c)及び図7(d)は、ステップS16に対応する図である。図7(c)及び図7(d)に示すように、集光レンズ8によりレーザ光43を集光し、第1基板35を照射する。レーザ光43は、遮光膜50により一部分が遮光され、遮光されないレーザ光43は、第1基板35を照射する。第1基板35を照射するレーザ光43は、集光され、改質部44を形成し、改質部の中央にはクラック部45が形成される。レーザ光43の光エネルギーはステップS15において、調整されていることから、遮光膜50により一部のレーザ光43が遮光されても改質部44を形成することができる。
まず、改質部44は、第1基板35の下面35b側に並べて形成され、1段目の改質部44aが形成される。続いて、1段目の改質部44aに対してZ方向に隣接して2段目の改質部44が配列して形成される。以降、同様に複数段の改質部44が配列して形成される。
ステップS17において、分断予定面40の面内の領域総てに、改質部44が形成したか判断する。メインコンピュータ24は、記憶部に記憶されている分断予定面40のデータと、既に改質部44が形成されている領域とを比較する。分断予定面40と、既に改質部44が形成されている領域とが等しいと判断するときステップS14〜ステップS17の繰返しを終了する。
図8に示すように、その結果、第1基板35における分断予定面40の総ての領域に改質部44が形成される。
続いて、ステップS18において、第2基板36に形成されている遮光膜50を除去する。接合基板34をアルカリ現像液に浸漬して、遮光膜50を除去する。アルカリ現像液としては、例えば、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)、コリン、珪酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を用いることができる。本実施形態では、TMAHを採用している。遮光膜50を除去した後、純水にてリンスし、乾燥する。その結果、図5(a)に示すように、遮光膜50が除去された接合基板34となる。
ステップS19において、第1の実施形態と同様に、分断予定面40に配列されている改質部44を押圧し、張力を加えて分断する。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、第2基板36に遮光膜50が形成される。第2基板36に遮光膜50を形成するとき、第2基板36に遮光膜50を密着して形成することができる。第2基板36には、光学薄膜38が形成されており、その光学薄膜38に対して遮光膜50を密着して形成することができる。
第2基板36をマスク41を用いて遮光するとき、第2基板36とマスク41との間に、空気やガラス等の光透過性の要素が介在するときがある。このとき、レーザ光43が回折、屈折等により、レーザ光43が進行方向を変えて、光学薄膜38を照射する可能性がある。一方、第2基板36に遮光膜50が形成されているときは、遮光膜50と光学薄膜38との間に光透過性の要素が介在しないことから、光学薄膜38を確実に遮光することができる。従って、光学薄膜38がレーザ光43により損傷を受けにくい基板の分断方法とすることができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明を具体化した液晶表示装置の製造方法の一実施形態について図9〜図14を用いて説明する。
本実施形態では、本発明の基板の分断方法を用いて液晶表示装置を製造する場合の例を説明する。ここで、本発明の特徴的な製造方法について説明する前に、液晶表示装置、液晶表示装置のマザー基板及びマスクについて順次説明する。
(液晶表示装置)
図9(a)は、液晶表示装置の模式平面図であり、図9(b)は、図9(a)の液晶表示装置のB−B’線に沿う模式断面図である。
図9(a)及び図9(b)において、本実施形態の電気光学装置としての液晶表示装置51は、対をなすTFTアレイ基板52と対向基板53とが熱硬化性の封止材であるシール54によって貼り合わされ、このシール54によって区画される領域内に封入された液晶55からなる液晶層を備えている。シール54は、基板面内の領域において閉ざされた枠形状に形成されている。
シール54の内側で対向基板53の液晶55側の面には、遮光性材料で配線を隠すための周辺見切り56が形成されている。シール54の外側の場所には、データ線駆動回路57及び電極端子58がTFTアレイ基板52の辺52a(図9中下側の辺)に沿って形成されており、この辺52aに隣接する辺52b及び辺52c(図9中左右の辺)に沿って走査線駆動回路59が形成されている。データ線駆動回路57、電極端子58及び走査線駆動回路59は配線60aにより電気的に接続されている。TFTアレイ基板52の残る辺52d(図9中上側の辺)には、2つの走査線駆動回路59の間を接続するための配線60bが設けられている。また、対向基板53のコーナー部の4箇所においては、TFTアレイ基板52と対向基板53との間で電気的導通をとるための基板間導通材61が配設されている。対向基板53のTFTアレイ基板52側には対向電極62が配置され、基板間導通材61と電気的に接続されている。さらに、対向電極62のTFTアレイ基板52側には配向膜63が配置されている。
液晶は、該液晶を挟持する電極に電圧を印加すると液晶分子の液晶の傾き角度が変化する性質を持っており、TFT(Thin Film Transistor)のスイッチング動作により、液晶にかける電圧をコントロールして液晶の傾き角度を制御し、画素毎に光を透過させたり遮ったりする動作を行なう。なお、光が液晶により遮られた画素には当然光は入射しないため、黒色となる。このようにTFTのスイッチング動作により、液晶をシャッタとして動作させることにより、画素毎に光の透過をコントロールし、画素を明滅させることにより、映像を表示させることができる。
このような構造を有する液晶表示装置51の画像を表示する領域には、複数の画素64がm行n列のマトリクス状に構成されているとともに、これらの画素64の各々には、画素信号をスイッチングするスイッチング素子であるTFTが形成されている。画素信号を供給するデータ線(ソース配線)がTFTのソース電極に電気的に接続され、走査信号を供給する走査線(ゲート配線)がTFTのゲート電極に電気的に接続され、TFTのドレイン電極に画素電極66が電気的に接続されている。走査線が接続されるTFTのゲート電極には、所定のタイミングで、走査線からパルス信号の走査信号が供給される。
画素電極66は、TFTのドレイン電極に電気的に接続されており、TFTを一定期間だけオン状態とすることにより、データ線から供給される画素信号が各画素64の画素電極66に所定のタイミングで供給される。このようにして画素電極66に供給された所定レベルの画素信号の電圧レベルは、対向基板53の対向電極62と画素電極66との間で保持され、画素信号の電圧レベルに応じて、液晶55の光透過量が変化する。
画素電極66の対向基板53側には配向膜67が配置されている。配向膜63と配向膜67とにはその表面に溝状の凹凸が形成されており、配向膜63と配向膜67との間に充填された液晶55は、配向膜63と配向膜67とに形成されている溝状の凹凸に沿って配列して形成される。
TFTアレイ基板52において、液晶55と反対側の面には、防塵ガラス68が配置され、対向基板53において、液晶55と反対側の面には、防塵ガラス69が配置されている。防塵ガラス68,69は、TFTアレイ基板52及び対向基板53に塵及び埃が付着することを防止している。又、防塵ガラス68,69に塵及び埃が付着しても、この塵埃等と液晶との間の距離が防塵ガラスの厚み分だけ長くなる。外部の配置された投影レンズにより液晶表示装置51の画素64により形成される画像を投影するとき、塵埃等の像がデフォーカスされ、スクリーン上に大きくぼやけて表示されるので目立たなくすることができる。
防塵ガラス68において、TFTアレイ基板52と反対側の面には、光学薄膜68aが形成され、防塵ガラス69において、対向基板53と反対側の面には、光学薄膜69aが形成されている。
光学薄膜68a及び光学薄膜69aは可視光を透過し紫外線を遮断する機能を有している。
液晶表示装置51を通過する光の光軸上には偏光シートが配置され、この偏光シート及び液晶55の作用により、液晶表示装置51を透過する光透過量が変化するようになっている。
(マザー基板)
図10(a)は、マザー基板を示す模式平面図であり、図10(b)は、図10(a)のC−C’線に沿った模式断面図である。図10(a)及び図10(b)に示すように、マザー基板71は基板としてのTFTアレイマザー基板72と基板としての対向マザー基板73との間に液晶55が封入され、シール54により接合されて、形成されている。TFTアレイマザー基板72には、TFTアレイ基板52が複数配列して形成され、対向マザー基板73には、対向基板53が複数配列して形成されている。TFTアレイ基板52と対向基板53とには、防塵ガラス68と防塵ガラス69とがそれぞれ接合されていることから、TFTアレイマザー基板72と対向マザー基板73とには、防塵ガラス68と防塵ガラス69とがそれぞれ配列して配置されている。
尚、マザー基板71の形成方法は公知の方法により製造されており、説明を省略する。
図9に示す液晶表示装置51を形成する為に、対向マザー基板73を分断する予定の面をH対向切断面74、V対向切断面75とし、TFTアレイマザー基板72を分断する予定の面をH素子切断面76、V素子切断面77と表記する。
H対向切断面74は、一点鎖線で示した対向マザー基板73の切断面であり、図10(a)のX軸方向に延在する切断面である。図10(a)に示した、74a,74b,74c,74d,74eは、それぞれH対向切断面74である。
V対向切断面75は、一点鎖線で示した対向マザー基板73の切断面であり、図10(a)のY軸方向に延在する切断面である。図10(a)に示した、75a,75b,75cは、それぞれV対向切断面75である。
H素子切断面76は、一点鎖線で示したTFTアレイマザー基板72の切断面であり、図10(a)のX軸方向に延在する切断面である。図10(a)に示した、76a,76b,76cは、それぞれH素子切断面76である。
V素子切断面77は、一点鎖線で示したTFTアレイマザー基板72の切断面であり、図10(a)のY軸方向に延在する切断面である。V素子切断面77は、V対向切断面75と対向する場所に位置し、図10(a)に示した、77a,77b,77cは、それぞれV素子切断面77である。
図11は、マスクを示す模式平面図であり、マザー基板にマスクが配置されている状態を示している。図11に示すように、マスク78は遮光部79と透過光部80とを備えている。遮光部79は、防塵ガラス69と同形状に形成されており、防塵ガラス69に形成されている光学薄膜69aを覆うようになっている。
尚、マスク78は、図10に示すマザー基板71を対向マザー基板73側からレーザ光を照射するときに用いるマスク78である。同様に、マザー基板71をTFTアレイマザー基板72側からレーザ光を照射するときに用いるマスクが用意されている。このマスクは、遮光部と透過光部とを備え、マザー基板71のTFTアレイマザー基板72側から重ねたとき、マスクの遮光部が光学薄膜69aを覆うように形成されている。
(液晶表示装置の製造方法)
次に、上述した液晶表示装置51における基板の分断方法について図12〜図14にて説明する。図12は、液晶表示装置の製造方法のフローチャートであり、図13〜14は液晶表示装置の製造方法を説明する図である。マザー基板71の形成方法については公知の方法にて形成が可能であり、説明を省略し、レーザスクライブする工程から説明する。
図12のフローチャートにおいて、ステップS21は対向マザー基板の第1スクライブ工程に相当し、対向マザー基板73のV対向切断面75に沿ってスクライブする工程である。次にステップS22に移行する。ステップS22は対向マザー基板の第2スクライブ工程に相当し、対向マザー基板73のH対向切断面74に沿ってスクライブする工程である。次にステップS23に移行する。ステップS23はTFTアレイマザー基板の第1スクライブ工程に相当し、TFTアレイマザー基板72のV素子切断面77に沿ってスクライブする工程である。次にステップS24に移行する。ステップS24はTFTアレイマザー基板の第2スクライブ工程に相当し、TFTアレイマザー基板72のH素子切断面76に沿ってスクライブする工程である。次にステップS25に移行する。ステップS25は対向マザー基板の分断工程に相当し、対向マザー基板73を分断する工程である。次にステップS26に移行する。ステップS26はTFTアレイマザー基板の分断工程に相当し、TFTアレイマザー基板72を分断する工程である。以上の工程により、液晶表示装置51が形成される。
次に、図13〜図14を用いて、図12に示したステップと対応させて、製造方法を詳細に説明する。図13(a)〜13(c)はステップS21に対応する図である。まず、図1に示すメインコンピュータ24は、図11に示すマスク78における遮光部79の遮光形状データを図示しないCADから取り込み遮光データ記憶部24aに記憶する。メインコンピュータ24は、遮光形状データを用いて、マスク78により一部が遮光されるレーザ光が、照射する場所に改質部が形成される様に、レーザ光源2の発光条件を演算する。続いて、レーザスクライブ装置1は、演算結果に基づきレーザ光源2の発光条件を調整する。
図1に示すレーザスクライブ装置1のステージ20にマザー基板71を配置し固定する。図13(a)に示す様に、対向マザー基板73の内部に、集光レンズ8からレーザ光43を集光して照射する。レーザ光43が集光して照射される場所には、改質部44が形成され、改質部44の中央にはクラック部45が形成される。
集光レンズ8と対向マザー基板73とを相対的に移動してレーザ光43を照射し、改質部44を配列して形成する。まず、対向マザー基板73において、TFTアレイマザー基板72側の面73aの近くに改質部44を配列して1段目の改質部44aを、対向マザー基板73のV対向切断面75に沿って形成する。続いて、1段目の改質部44aと隣接する場所に改質部44を配列して2段目の改質部44bを形成する。3段目以降についても、同様の方法で、改質部44を配列して形成する。
図13(b)に示すように、集光レンズ8から照射されるレーザ光43の一部が遮光部79により遮光され、透過光部80を透過するレーザ光43が対向マザー基板73を照射する。このとき、レーザ光43の光エネルギーは、遮光部79により遮光されることが配慮され、調整されていることから改質部44が形成されるようになっている。
マスク78に形成されている遮光部79は、防塵ガラス69に形成されている光学薄膜69aを覆っており、レーザ光43が光学薄膜69aを照射しないようになっている。
図13(c)に示すように、その結果、対向マザー基板73のV対向切断面75総てに改質部44が配列して形成され、改質部44の中央にはクラック部45が形成される。
ステップS22、ステップS23、ステップS24についても、ステップS21と同様にスクライブする。ステップS22では、図10に示す対向マザー基板73のH対向切断面74において総ての領域に改質部44が配列して形成される。ステップS23では、TFTアレイマザー基板72のV素子切断面77において総ての領域に改質部44が配列して形成され、ステップS24では、TFTアレイマザー基板72のH素子切断面76において総ての領域に改質部44が配列して形成される。
いずれの場合にも、レーザ光43の光エネルギーは、遮光部79により遮光されることを配慮し、調整する為、改質部44が形成できるようになっている。また、光学薄膜68a及び光学薄膜69aを遮光部79で覆い、レーザ光43を光学薄膜68a及び光学薄膜69aに照射せずに加工する。
図14(a)〜14(b)はステップS25に対応する図である。図14(a)に示す様に、続いて、マザー基板71を弾性材からなる台46の上に配置する。マザー基板71の防塵ガラス69が台46と接する様に配置し、TFTアレイマザー基板72において、V対向切断面75に沿って配列して形成されているクラック部45と対向する場所を、加圧部材47を用いて押圧する。防塵ガラス69は台46に沈み込み、対向マザー基板73に形成されているクラック部45に張力が作用する。対向マザー基板73は、台46に近いクラック部45を起点として破断が進行し、分断する。
図14(b)に示す様に、その結果、対向マザー基板73は、総てのV対向切断面75におけるクラック部45が分断される。
図10に示す対向マザー基板73のH対向切断面74に沿って形成されているクラック部45においても、同様に、加圧部材47にて押圧して分断する。このとき、対向マザー基板73において総てのH対向切断面74に形成されているクラック部45を分断する。
ステップS26において、ステップS25と同様な方法にてTFTアレイマザー基板72を分断する。マザー基板71の防塵ガラス68が台46と接する様に配置し、対向マザー基板73において、図10に示すV素子切断面77及びH素子切断面76に沿って配列して形成されているクラック部45と対向する場所を、加圧部材47を用いて押圧する。防塵ガラス68は台46に沈み込み、TFTアレイマザー基板72に形成されているクラック部45に張力が作用する。TFTアレイマザー基板72は、台46に近いクラック部45を起点として破断が進行し、分断する。このステップでは、TFTアレイマザー基板72において総てのV素子切断面77及びH素子切断面76に形成されているクラック部45を分断する。以上の工程により、マザー基板71が分割されて、図9に示す液晶表示装置51の形状に形成され、液晶表示装置51が完成する。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、TFTアレイマザー基板72及び対向マザー基板73にレーザ光43を照射して、改質部44を配列して形成するスクライブ工程と、配列して形成された改質部44に沿って分断する分断工程とを有している。スクライブ工程では、防塵ガラス68及び防塵ガラス69に重ねてマスク78を配置し、マスク78を透過するレーザ光43をTFTアレイマザー基板72及び対向マザー基板73に照射して改質部44を形成している。
防塵ガラス68及び防塵ガラス69において、マスク78に覆われた場所には、レーザ光43が照射されない。液晶表示装置51において、防塵ガラス68及び防塵ガラス69の表面には、特定の周波数の光に対して透過又は遮断する光学薄膜68a及び光学薄膜69aが形成されている。光学薄膜68a及び光学薄膜69aは、レーザ光43の照射により損失を受けることにより、光学的機能をしなくなる可能性がある。防塵ガラス68及び防塵ガラス69において、マスク78に覆われた場所には、レーザ光43が照射されないことから、マスク78に覆われた場所は、光学薄膜68a及び光学薄膜69aがレーザ光により損傷を受けることがない。従って、基板に形成された薄膜がレーザ光により損傷しない液晶表示装置の製造方法とすることができる。
(2)本実施形態によれば、マスク78はマザー基板71への設置及び除去が容易にできる。従って、防塵ガラス68及び防塵ガラス69に遮光膜を塗布する方法に比べて、生産性良く光学薄膜68a及び光学薄膜69aを遮光をしてレーザスクライブすることができる。
(3)本実施形態によれば、レーザ光43が遮光部79により遮光されるレーザ光43の光エネルギーに応じて、マスク78を照射するレーザ光43の光エネルギーが制御される。マスク78に配置されている遮光部79とマザー基板71とにレーザ光43を照射するとき、レーザ光43の一部が遮光部79により遮光される。レーザ光43が遮光部79により遮光されるとき、マザー基板71を照射するレーザ光43の光エネルギーが弱くなり、マザー基板71の内部に改質部44を形成できない可能性がある。
本実施形態では、遮光されるレーザ光43の光エネルギーに応じて、マスク78を照射するレーザ光43の光エネルギーが制御されることから、レーザ光43が遮光部79により遮光されるとき、マスク78を照射するレーザ光43は、強い光エネルギーのレーザ光43が照射される。従って、透過光部80を通ってマザー基板71を照射するレーザ光43は、改質部44を形成するのに十分な光エネルギーのレーザ光43となる為、品質良くマザー基板71の内部に改質部44を形成することができる。その結果、品質良くマザー基板71を分断することができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明を具体化した液晶表示装置の製造方法の一実施形態について図15〜図17を用いて説明する。図15は、液晶表示装置の製造方法のフローチャートであり、図16及び図17は液晶表示装置の製造方法を説明する図である。第4の実施形態が、第3の実施形態と異なる点は、マスクの代りに遮光膜を基板に形成し、レーザ光を用いてスクライブし、分断する点である。マザー基板71の形成方法については公知の方法にて形成が可能であり、説明を省略し、レーザスクライブする工程から説明する。
図15のフローチャートにおいて、ステップS31は遮光膜形成工程に相当し、基板において、レーザ光により損傷を受ける光学薄膜に重ねて遮光膜を形成する工程である。次にステップS32に移行する。ステップS32は対向マザー基板の第1スクライブ工程に相当し、対向マザー基板のV対向切断面75に沿ってスクライブする工程である。次にステップS33に移行する。ステップS33は対向マザー基板の第2スクライブ工程に相当し、対向マザー基板のH対向切断面74に沿ってスクライブする工程である。次にステップS34に移行する。ステップS34はTFTアレイマザー基板の第1スクライブ工程に相当し、TFTアレイマザー基板のV素子切断面77に沿ってスクライブする工程である。次にステップS35に移行する。ステップS35はTFTアレイマザー基板の第2スクライブ工程に相当し、TFTアレイマザー基板のH素子切断面76に沿ってスクライブする工程である。次にステップS36に移行する。ステップS36は遮光膜剥離工程に相当し、遮光膜を除去する工程である。次にステップS37に移行する。ステップS37は対向マザー基板の分断工程に相当し、対向マザー基板73を分断する工程である。次にステップS38に移行する。ステップS38はTFTアレイマザー基板の分断工程に相当し、TFTアレイマザー基板72を分断する工程である。以上の工程により、液晶表示装置51が形成される。
次に、図16及び図17を用いて、図15に示したステップと対応させて、製造方法を詳細に説明する。図16(a)及び図16(b)は、ステップS31に対応する図である。図16(a)はマザー基板71の模式平面図であり、図16(b)は、図16(a)のD−D’線に沿った模式断面図である。図16(a)及び図16(b)に示すように、マザー基板71に遮光膜84,85,86を塗布する。防塵ガラス69に形成されている光学薄膜69aに重ねて遮光膜84の材料を塗布する。レーザスクライブするとき、防塵ガラス69の中央部69bにはレーザ光が照射されないので、防塵ガラス69の中央部69bには遮光膜84の材料を塗布せず、防塵ガラス69の周辺部に塗布する。
同様に、防塵ガラス68に形成されている光学薄膜68aに重ねて遮光膜85の材料を塗布する。レーザスクライブするとき、防塵ガラス68の中央部68bにはレーザ光が照射されないので、防塵ガラス68の中央部68bには遮光膜85の材料を塗布せず、防塵ガラス68の周辺部に塗布する。
TFTアレイマザー基板72において、データ線駆動回路57及び配線60aと対向する場所に遮光膜86の材料を塗布する。
遮光膜84,85,86の材料は、有機材料に遮光性のある顔料又は染料を加えた物を用いることができる。例えば、本実施形態においては、ポリイミドに黒色の顔料を加え、溶媒で濃度を調整したものを採用している。
遮光膜84,85,86の材料を塗布する方法としては、液状材料を位置精度良く塗布できれば良く、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、凸版印刷法、液滴吐出法等が採用可能である。例えば、本実施形態においては、液滴吐出法を採用している。液滴吐出法は、塗布する材料を液滴吐出ヘッドから吐出して塗布する方法であり、液滴吐出ヘッドと塗布される基板とを相対的に移動して、所望の場所に塗布することができるようになっている。液滴吐出法については、特開2004−209429号公報にその方法が開示されている。
遮光膜84,85,86の材料を塗布した後、乾燥又は、焼成することで遮光膜84,85,86を形成する。
図17(a)〜図17(c)は、ステップS32を示す図である。まず、ステップS32において、図1に示すメインコンピュータ24は、図16に示す遮光膜84,85,86の遮光形状データを図示しないCADから取り込み遮光データ記憶部24aに記憶する。メインコンピュータ24は、遮光形状データを用いて、遮光膜84,85,86により一部が遮光されるレーザ光が、照射する場所に改質部が形成される様に、レーザ光源2の発光条件を演算する。続いて、レーザスクライブ装置1は、レーザ光源2の発光条件を調整する。続いて、図1に示すレーザスクライブ装置1のステージ20にマザー基板71を配置し固定する。
図17(a)に示す様に、対向マザー基板73の内部に、集光レンズ8からレーザ光43を集光して照射する。レーザ光43が集光して照射される場所には、改質部44が形成され、改質部44の中央にはクラック部45が形成される。
集光レンズ8と対向マザー基板73とを相対的に移動してレーザ光43を照射し、改質部44を配列して形成する。まず、対向マザー基板73において、TFTアレイマザー基板72側の面73aの近くに改質部44を配列して1段目の改質部44aを、対向マザー基板73のV対向切断面75に沿って形成する。続いて、1段目の改質部44aと隣接する場所に改質部44を配列して2段目の改質部44bを形成する。3段目以降についても、同様の方法で、改質部44を配列して形成する。
図17(b)に示すように、集光レンズ8から照射されるレーザ光43の一部が遮光膜84により遮光され、遮光されないレーザ光43が対向マザー基板73を照射する。このとき、レーザ光43の光エネルギーは、遮光膜84により遮光されることが配慮され、調整されていることから改質部44が形成できるようになっている。
遮光膜84は、防塵ガラス69に形成されている光学薄膜69aを覆っており、レーザ光43が光学薄膜69aを照射しないようになっている。
図17(c)に示すように、その結果、対向マザー基板73のV対向切断面75総てに改質部44が配列して形成され、改質部44の中央にはクラック部45が形成される。
ステップS33、ステップS34、ステップS35についても、ステップS32と同様にスクライブする。ステップS33では、図10に示す対向マザー基板73のH対向切断面74の総ての領域に改質部44が配列して形成される。ステップS34では、TFTアレイマザー基板72のV素子切断面77の総ての領域に改質部44が配列して形成され、ステップS35では、TFTアレイマザー基板72のH素子切断面76の総ての領域に改質部44が配列して形成される。
いずれの場合にも、レーザ光43の光エネルギーは、遮光膜84,85,86により遮光されることを配慮し、調整する為、改質部44が形成できるようになっている。また、光学薄膜68a及び光学薄膜69aを遮光膜84,85にて覆い、レーザ光43を光学薄膜68a及び光学薄膜69aに照射せずに加工する。同様に、TFTアレイマザー基板72において、データ線駆動回路57及び配線60aと対向する場所には、遮光膜86が形成され、レーザ光43をデータ線駆動回路57及び配線60aに照射せずに加工する。
ステップS36において、マザー基板71に形成されている遮光膜84,85,86を除去する。このとき、マザー基板71をアルカリ現像液に浸漬して、遮光膜84,85,86を除去する。アルカリ現像液としては、例えば、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)、コリン、珪酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を用いることができる。本実施形態では、TMAHを採用している。遮光膜50を除去した後、純水にてリンスし、乾燥する。その結果、図14(a)に示すように、遮光膜84,85,86が除去されたマザー基板71となる。
ステップS37及びステップS38において、第3の実施形態と同様に、H対向切断面74、V対向切断面75、H素子切断面76、V素子切断面77の各面に配列されている改質部44を押圧し、張力を加えて分断する。以上の工程により、マザー基板71が分割されて、図9に示す液晶表示装置51の形状に形成され、液晶表示装置51が完成する。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、ステップS31において、防塵ガラス68及び防塵ガラス69において、直接レーザ光43が照射される面に遮光膜84,85が形成される。続いて、ステップS32〜ステップS35において、TFTアレイマザー基板72及び対向マザー基板73にレーザ光43を照射して、改質部44を配列して形成し、ステップS37及びステップS38において、配列して形成された改質部44に沿ってTFTアレイマザー基板72及び対向マザー基板73を分断している。
防塵ガラス68及び防塵ガラス69に光学薄膜68a及び光学薄膜69aが形成されているとき、光学薄膜68a及び光学薄膜69aを遮光膜84,85により覆うことで、光学薄膜68a及び光学薄膜69aが、レーザ光43の照射を受けて、損傷を受けることを防止することができる。
遮光膜84,85と光学薄膜68a及び光学薄膜69aとの間に、空気やガラス等の光透過性の要素が介在するとき、レーザ光43が回折、屈折等により、レーザ光が進行方向を変えて、光学薄膜68a及び光学薄膜69aを照射する可能性がある。一方、光学薄膜68a及び光学薄膜69aに重ねて遮光膜84,85が形成されているときは、遮光膜84,85と光学薄膜68a及び光学薄膜69aとの間に光透過性の要素が介在しないことから、遮光したい場所を確実に遮光することができる。
(2)本実施形態によれば、TFTアレイマザー基板72にはデータ線駆動回路57及び配線60aが形成されている。TFTアレイマザー基板72において、データ線駆動回路57及び配線60aと対向する場所を遮光膜86により覆うことで、データ線駆動回路57及び配線60aが、レーザ光43の照射を受けて、損傷を受けることを防止している。従って、配線、回路素子がレーザ光により損傷を受けにくい液晶表示装置の製造方法とすることができる。
(3)本実施形態によれば、ステップS31において、図16(a)に示すように、防塵ガラス69の光学薄膜69aが形成されている範囲の内、中央部69bには遮光膜84の材料を塗布していない、全面に遮光膜84の材料を塗布する場合に比べて、少ない材料で遮光膜84を形成することができる。従って、レーザ光による損傷を受けにくい液晶表示装置の製造方法を省資源で行なえる方法とすることができる。
尚、本発明は上述した第1〜第4の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更や改良を加えることも可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
前記第1の実施形態では、接合基板34を移動し、レーザ光源2の発光する光エネルギーを演算し、調整して、レーザ光43を照射している。つまり、レーザ光43を照射する毎に、レーザ光源2の発光する光エネルギーを演算して、調整しているが、レーザ光43を照射する場所におけるレーザ光源2の発光する光エネルギーを事前に演算して、記憶しておいても良い。レーザスクライブする前に、レーザ光源2の発光する光エネルギーを各場所毎に事前に演算しておき、スクライブするときは、記憶されているデータを読み出して、レーザ制御装置27が照射条件を設定し、レーザ光43を照射しても良い。同一のマスク41を用いて、複数の接合基板34をスクライブするとき、レーザ光源2の発光する光エネルギーを演算する工程を削減することができる。したがって、生産性良くスクライブすることができる。
(変形例2)
前記第2の実施形態では、第2基板36の全面に遮光膜50を形成したが、レーザ光43が照射される場所に限定して遮光膜50を形成してもよい。遮光膜50の材料が少なくて済むことから、省資源な基板の分断方法とすることができる。
(変形例3)
前記第3の実施形態では、光学薄膜68a及び光学薄膜69aをマスク78にて遮光したが、これに限らず、データ線駆動回路57や配線60aを含んで遮光するようにマスク78の遮光部79を設計しても良い。データ線駆動回路57や配線60aをレーザ光43の照射により損傷を受けることを防止することができる。
(変形例4)
前記第1の実施形態では、集光レンズ8と接合基板34との間にマスク41を配置して遮光した。これに限らず、集光レンズ8と接合基板34との間に可動式の遮光板を設けても良い。遮光版を移動して、レーザ光を遮光する場所を変えることで、接合基板34の所望の場所にレーザ光を照射せずに、改質部44を形成することができる。
(変形例5)
前記第1の実施形態では、メインコンピュータ24のメモリ内に動作手順に沿ったプログラムを記憶し、プログラムによりレーザスクライブ装置1の制御を行なったが、これに限らず、電気回路にて構成される制御装置にて制御しても良い。周辺機器が手順通りに制御されれば良い。
(変形例6)
前記第1の実施形態〜第2の実施形態では、レーザ光源2にYAGレーザを用いたが、フェムト秒レーザを用いても良い。出射するレーザ光を加工対象物の内部に集光して多光子吸収による改質部を形成できる光源であれば良い。例えば、チタンサファイアを固体光源とするレーザ光をフェムト秒のパルス幅で出射するいわゆるフェムト秒レーザを採用しても良い。発光条件及び集光レンズの条件の例としては、パルスレーザ光は、波長分散特性を有しており、中心波長が800nmであり、その半値幅はおよそ20nmである。またパルス幅はおよそ300fs(フェムト秒)、パルス周期は1kHz、出力はおよそ700mWである。集光レンズは、この場合、倍率が100倍、開口数(NA)が0.8、WD(Working Distance)が3mmの対物レンズを採用しても良い。
(変形例7)
前記第1の実施形態では、マスク41を用いて遮光し、前記第2の実施形態では、遮光膜50を用いて遮光した。マスク41と遮光膜50とを両方用いて遮光してもよい。遮光される物の特性に合わせて、使い分けても良い。例えば、基板に凹凸があって、マスク41を用いて遮光しにくい場所や、遮光膜50を形成した後、除去する必要のない場所において、遮光膜50を形成し、それ以外は、マスク41を用いて遮光しても良い。遮光膜50の材料が少なくてよいことから、省資源な方法とすることができる。
(変形例8)
前記第3の実施形態及び第4の実施形態では、液晶表示装置51に本発明の基板の分断方法を用いたが、液晶表示装置51以外の電気光学装置にも用いることができる。基板を備えた電気光学装置として、例えば、プラズマディスプレイ、有機EL(ELECTROLUMINESCENCE)ディスプレイ、真空蛍光ディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ等における基板の分断手段として好適に用いることができる。いずれの場合でも、基板を分断する工程でレーザ光による損傷を受けにくい電気光学装置の製造方法を提供することができる。
第1の実施形態に係るレーザスクライブ装置の構成を示す概略図。 基板の分断方法のフローチャート。 (a)及び(b)は、基板を示す模式図、(c)は、基板の分断方法を説明する図。 (a)〜(c)は、基板の分断方法を説明する図。 (a)〜(c)は、基板の分断方法を説明する図。 第2の実施形態に係る基板の分断方法のフローチャート。 (a)〜(d)は、基板の分断方法を説明する図。 基板の分断方法を説明する図。 (a)〜(b)は、第3の実施形態に係る液晶表示装置の模式図。 (a)及び(b)は、マザー基板を示す模式図。 マスクを示す模式平面図。 液晶表示装置の製造方法のフローチャート。 (a)〜(c)は、液晶表示装置の製造方法を説明する図。 (a)〜(b)は、液晶表示装置の製造方法を説明する図。 第4の実施形態に係る液晶表示装置の製造方法のフローチャート。 (a)〜(b)は、液晶表示装置の製造方法を説明する図。 (a)〜(c)は、液晶表示装置の製造方法を説明する図。
符号の説明
2…レーザ光源部としてのレーザ光源、4…テーブル部、8…集光部としての集光レンズ、21,41,78…遮光部としてのマスク、23…マスク配置部としてのマスク移動機構、24a…遮光データ記憶部、24b…光強度制御部としての光強度演算部、34…基板としての接合基板、35…基板としての第1基板、43…レーザ光、44…改質部、50,84,85,86…遮光膜、51…電気光学装置としての液晶表示装置、72…基板としてのTFTアレイマザー基板、73…基板としての対向マザー基板、79…遮光部。

Claims (8)

  1. 基板を分断する基板の分断方法であって、
    前記基板にレーザ光を照射して、改質部を配列して形成するスクライブ工程と、
    前記基板に配列して形成される改質部に沿って分断する分断工程とを有し、
    前記スクライブ工程は前記基板に遮光部を配置する遮光部形成工程を有することを特徴とする基板の分断方法。
  2. 請求項1に記載の基板の分断方法であって、
    前記遮光部は、光を透過する場所と光を遮断する場所とを有するマスクを備えていることを特徴とする基板の分断方法。
  3. 請求項1に記載の基板の分断方法であって、
    前記遮光部の一部は、前記基板に遮光膜が配置され、形成されていることを特徴とする基板の分断方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板の分断方法であって、
    前記スクライブ工程において、前記レーザ光が前記遮光部に遮光されるレーザ光の光エネルギーに応じて、前記遮光部及び前記基板を照射する前記レーザ光の光エネルギーを制御することを特徴とする基板の分断方法。
  5. 基板にレーザ光を照射してスクライブするレーザスクライブ装置であって、
    レーザ光を発光するレーザ光源部と、
    前記基板の内部に前記レーザ光を集光する集光部と、
    前記集光部と前記基板との間にマスクを配置するマスク配置部と、
    前記基板と前記集光部とを相対移動するテーブル部とを有し、
    前記基板において、前記マスクにより遮光されない場所に前記レーザ光を照射して改質部を形成することを特徴とするレーザスクライブ装置。
  6. 基板にレーザ光を照射してスクライブするレーザスクライブ装置であって、
    レーザ光を発光するレーザ光源部と、
    前記基板の内部に前記レーザ光を集光する集光部と、
    前記基板と前記集光部とを相対移動するテーブル部と、
    前記レーザ光源部が発光する前記レーザ光の光エネルギーを制御するレーザ光制御装置と、
    前記基板と前記集光部との間には遮光部が配置され、前記遮光部の遮光形状データを記憶する遮光データ記憶部と、
    光強度制御部とを有し、
    前記レーザ光の一部が前記遮光部に遮光されるとき、前記レーザ光源部から照射される前記レーザ光が改質部を形成可能となるように、前記光強度制御部は、前記レーザ光源部から照射する前記レーザ光の前記光エネルギーを制御し、前記レーザ光源部は、前記光強度制御部が制御する前記光エネルギーのレーザ光を発光することを特徴とするレーザスクライブ装置。
  7. 基板を有する電気光学装置の製造方法であって、
    前記基板にレーザ光を照射して、改質部を配列して形成するスクライブ工程と、
    前記基板に配列して形成される改質部に沿って分断する分断工程とを有し、
    前記スクライブ工程では前記基板にマスクを配置し、前記マスクを透過するレーザ光を、前記基板に照射して前記改質部を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  8. 基板を有する電気光学装置の製造方法であって、
    前記基板に遮光膜を形成する遮光膜形成工程と、
    前記基板にレーザ光を照射して、改質部を配列して形成するスクライブ工程と、
    前記基板に配列して形成される改質部に沿って分断する分断工程とを有し、
    前記遮光膜形成工程では、前記基板において、直接レーザ光が照射される面に前記遮光膜を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
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