JP2007284310A - レーザスクライブ方法、レーザ加工装置および電気光学装置 - Google Patents

レーザスクライブ方法、レーザ加工装置および電気光学装置 Download PDF

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Abstract

【課題】基板の表面および表面近傍へ確実に改質層を形成することが可能なレーザスクライブ方法、レーザ加工装置および電気光学装置を提供することを目的とする。
【解決手段】レーザ光4を石英基板51の内部へ集光させる改質工程において、改質層60a、60b、60cを形成し、続いて、石英基板51のレーザ光4の入射面51a直近へ改質層61を形成する場合に、集光レンズ7と石英基板51の間に収差制御部として石英ガラス板8を挿入する。これにより、入射面51a直近でのレーザ光4の収差が拡大してレーザ光4の強度Pが減少し、石英基板51の熱変形および入射面51aでのブレークダウンの発生などを抑制しつつ改質層61を形成可能である。
【選択図】図7

Description

本発明は、透明基板の内部にレーザ光を集光させ、多光子吸収による改質層を形成するレーザスクライブ方法、レーザ加工装置およびレーザスクライブ方法またはレーザ加工装置によって加工された電気光学装置に関する。
従来、被加工物としてガラスなどの脆性な透明基板を切断(スクライブ)するために、パルスレーザ光を透明基板の内部に集光させ、パルスレーザ光の集光部に多光子吸収による改質層を形成するレーザスクライブ方法が知られている。レーザスクライブ方法では、まず、透明基板の切断予定ラインに沿って、パルスレーザ光の入射面から遠い位置および近い位置に2つの改質層を形成する。次に、この改質層を起点にして透明基板を切断すれば、容易に切断可能である。改質層を2つ以上多層形成すれば、よりスムーズな切断が図れる。パルスレーザ光は、一般にYAGレーザが用いられるが、近年、チタンサファイアレーザのような超短パルスレーザも用いられている(たとえば、特許文献1および特許文献2)。
ここで、パルスレーザ光による改質層の形成について簡単に説明する。図8(a)は、従来の基板内部への改質層の形成を示す断面図である。この場合、YAGレーザによる短パルスのレーザ光100は、集光レンズ101によって、透明基板102の入射面107から透明基板102内部へ集光されている。入射面107から入射したレーザ光100は、透明基板102によって屈折することにより収差が生じ、集光点103および集光点104の間に集光される。集光されたレーザ光101の単位面積あたりの強度Pが、多光子吸収を生じさせる多光子吸収閾値Pkより大きい値の強度P1であれば、改質層は、集光された集光点103と集光点104との距離△L1の間に形成される。
改質層は、レーザ光100が短時間に基板内部に集光され、集光部において多光子吸収閾値Pk以上の強度Pとなると、集光されたレーザ光100の多数の光子が基板の電子と相互作用して吸収される多光子吸収の現象によって形成される。多光子吸収は、レーザ光100のエネルギが熱に変換される前に、短時間の間に行われると、熱の発生をほとんど伴わないため、透明基板102へダメージを与えることが無い。一方、集光点103,104での強度Pが閾値Pj以上になると、エネルギが熱に変換され集光点103,104において熱膨張、応力集中、熱変質などが生じ易くなる。従って、レーザ光100の強度Pは、多光子吸収閾値Pkから閾値Pjの間にあることが望ましい。
特開2002−192371号公報 特開2004−337902号公報
しかし、従来の技術では、透明基板102の内部に改質層を形成後、透明基板102の入射面107の近傍での改質層形成において、図8(b)の基板のレーザ光入射面直下への改質層の形成を示す断面図のように、透明基板102による収差の影響が少なく、レーザ光100の集光点105および集光点106との距離△L2が△L1より狭まる。そのため、この間の単位面積あたりのレーザ光100の強度Pが強度P1以上になる。透明基板102が厚い場合などでは、入射面107の反対面近傍において、改質層を形成するためにレーザ光100の強度Pが多光子吸収閾値Pkであっても、入射面107の近傍では、強度Pが閾値Pj以上の強度P2となる場合がある。この状態では、改質層は形成されるが、透明基板102の熱変質や応力によるクラックなどが生じ易くなる。特に、透明基板102の入射面107においては、集光されたレーザ光100により大気中の気体分子が電界破壊され、高温の大気プラズマや衝撃波等が発生し、入射面107にクラックなどが発生するいわゆるブレークダウンが生じるという課題があった。なお、透明基板102の入射面107でのブレークダウンは、透明基板102の内部の変質等より発生しやすく、内部と入射面107との同時加工は困難であった。
本発明は、上記課題を解決するために、基板の表面および表面近傍へ確実に改質層を形成することが可能なレーザスクライブ方法、レーザ加工装置および電気光学装置を提供することを目的とする。
本発明のレーザスクライブ方法は、レーザ加工装置のレーザ光を被加工物の内部へ照射し多光子吸収による改質層を形成するために、レーザ加工装置へ被加工物を載置する載置工程と、レーザ光を被加工物の内部へ集光させて、改質層を形成する改質工程と、少なくともレーザ光が被加工物に入射する面の直近へ改質層を形成する場合に、収差制御部によってレーザ光に収差を生じさせる収差工程と、を有することを特徴とする。
このレーザスクライブ方法によれば、被加工物の改質層は、被加工物の内部へ照射されたレーザ光の集光点において、集光された多数の光子が被加工物の電子と相互作用して吸収される、いわゆる多光子吸収の現象が生じた領域である。改質層を形成することによって、被加工物は、改質層の形成部位で容易に切断可能である。このとき、レーザ光は、被加工物へ入射するときに屈折し、収差が生じる。この収差のために、レーザ光は、レーザ光が入射する入射面においては、ほぼ一点に集光可能であるが、入射面の反対面では、集光点が拡大する。そのため、入射面での単位面積あたりのレーザ光の強度は、反対面より強くなる。反対面の近傍において、改質層が形成可能な最適強度のレーザ光であっても、入射面においては、レーザ光の強度が強すぎて被加工物へ改質層の形成以外の熱影響等を与える場合がある。これを回避するために、少なくとも入射面の直近へ改質層を形成する場合には、収差制御部を挿入し、レーザ光にさらに収差を生じさせる。収差制御部の挿入により、集光点におけるレーザ光が分散され集光点が拡大し、収差制御部を挿入しない場合と比べて、レーザ光の単位面積あたりの強度が減少する。従って、被加工物へ熱影響等を与える強度のレーザ光であっても、収差制御部を屈折して透過させることにより、被加工物へ熱影響等のほとんどない強度のレーザ光に調整することが可能である。特に、レーザ光の強度が最も強くなる被加工物の入射面の直近へ改質層を形成する場合に有効であり、入射面の直近以外での改質層の形成にも応用可能である。
この場合、収差工程は、レーザ光を被加工物の内部へ集光させる集光部と被加工物との間へ収差制御部を挿入する工程であることが好ましい。
この方法によれば、収差制御部は、被加工物の入射面の直近へ改質層を形成する場合にレーザ加工装置に挿入でき、レーザ加工装置の光学系を変えることなくレーザ光の収差制御が可能である。収差制御部を材質、形状等の異なるものに変更して挿入すれば、目的に応じて自在に、且つ、容易にレーザ光の制御が可能である。
また、改質工程は、被加工物とレーザ光とを被加工物の切断予定位置に沿って相対移動させる走査工程を含むことが好ましい。
この方法によれば、被加工物の切断予定位置に沿って改質層を形成でき、被加工物を所定の形状に正確に切断可能である。また、改質層は、切断予定位置に沿って被加工物の厚さ方向と直交方向に微小幅で形成することが可能であり、この微小幅部分に沿って切断することにより、被加工物を切断屑などとして無駄にすることがほとんどない。
そして、収差工程は、レーザ光の集光する集光点におけるレーザ強度を改質層の形成可能閾値以上およびブレークダウンの発生可能閾値以下に調整する工程であることが好ましい。
この方法によれば、被加工物の入射面の直近へ改質層を形成する場合において、集光点におけるレーザ光の強度が入射面の反対面よりも強くなり、入射面でブレークダウンが発生し易いため、収差制御部によってレーザ光を最適な強度に調整する。レーザ光を最適な強度に調整可能な収差制御部を挿入することにより、被加工物へ改質層を確実に形成可能である。なお、ブレークダウンとは、被加工物の表面へ集光されたレーザ光の強度が一定の閾値以上の場合に、大気中の気体分子が電界破壊され、高温の大気プラズマや衝撃波等が生じる現象であり、表面にクラックなどが発生して改質層の形成および被加工物にとって好ましくない現象である。
本発明の電気光学装置は、上記記載のレーザスクライブ方法によって加工されたことを特徴とする。
この電気光学装置によれば、被加工物がレーザスクライブ方法によって、切断屑のほとんどないように切断され、また、切断のための無駄なスペースも必要なく効率的に生産可能である。電気光学装置としては、液晶表示装置、有機EL(Electro Luminescence)表示装置などが挙げられ、被加工物である基板の上に液晶、有機ELなどの表示部を複数形成しておき、これら表示部を単位として基板をレーザ光によって切断する。レーザ光によれば、表示部間が狭隘であっても基板を確実に切断でき、基板上に表示部を近接させて最大数形成することが可能であり、電気光学装置の効率的な生産が図れる。
本発明のレーザ加工装置は、レーザ光を被加工物の内部へ照射し多光子吸収による改質層を形成するため、被加工物を載置するための載置台と、改質層を形成するために、レーザ光を被加工物の内部へ集光させる集光部と、レーザ光に収差を生じさせるための収差制御部と、を備えていることを特徴とする。
このレーザ加工装置によれば、載置台に載置された被加工物の内部へレーザ光を照射し、集光部を介して集光されたレーザ光の多数の光子が被加工物の電子と相互作用して吸収される、いわゆる多光子吸収の現象によって改質層を形成可能である。改質層を形成することによって、被加工物は、改質層の形成部位で容易に切断可能である。このとき、レーザ光は、被加工物へ入射するときに屈折し、収差が生じる。この収差のために、レーザ光は、レーザ光が入射する入射面においては、ほぼ一点に集光可能であるが、入射面の反対面では、集光点が拡大する。そのため、入射面での単位面積あたりのレーザ光の強度は、反対面より強くなる。反対面の近傍において、改質層が形成可能な最適強度のレーザ光であっても、入射面においては、レーザ光の強度が強すぎて被加工物へ改質層の形成以外の熱影響等を与える場合がある。これを回避するために、収差制御部によってレーザ光にさらに収差を生じさせる。収差制御部により、集光点におけるレーザ光が分散され集光点が拡大し、収差制御部を使用しない場合と比べて、レーザ光の単位面積あたりの強度が減少する。従って、被加工物へ熱影響等を与える強度のレーザ光であっても、収差制御部を屈折して透過させることにより、被加工物へ熱影響等のほとんどない強度のレーザ光に調整でき、さらに、集光点の拡大に比例して拡大した改質層の形成が可能である。このように、収差制御部によるレーザ光の集光点の拡大および強度の調整が可能なレーザ加工装置は、被加工物の反対面の近傍に改質層を形成すると共に、入射面の直近へも確実に改質層を形成可能である。また、レーザ加工装置の光学系を変えることなくレーザ光の収差制御が可能である。
この場合、収差制御部は、集光部と被加工物との間に対し挿入および撤去可能に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、収差制御部は、特定の改質層の形成時に、レーザ光の経路である集光部と被加工物との間に挿入されてレーザ光の収差をさらに生じさせることが可能である。これにより、特定の改質層の形成時に、レーザ光の強度を改質層の形成に適した値に調整可能である。そして、特定の改質層以外の改質層を形成する場合には、収差制御部を集光部と被加工物との間から撤去して収差の少ないレーザ光で改質層を形成可能である。挿入、撤去が自在な収差制御部を設けることにより、レーザ光の被加工物の集光点での強度を容易に調整可能である。これにより、被加工物の反対面に比べてレーザ光の強度が強くなる入射面の直近へ改質層を形成する場合などにおいても、被加工物へ熱影響を与えることなく改質層を形成可能である。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。実施形態では、電気光学装置の一例として液晶表示装置を取り上げ、レーザ加工装置によるレーザスクライブ方法について説明する。最初に、レーザ加工装置および液晶表示装置についてそれぞれ図面を参照して説明する。
(実施形態)
図1は、実施形態1におけるレーザ加工装置の構成を示すブロック図である。レーザ加工装置1は、単波長のレーザ光4を被加工物10へ照射する照射機構部2と、照射機構部2を制御するホストコンピュータ3とを備えている。照射機構部2は、レーザ光4を出射するレーザ光源5と、出射されたレーザ光4を反射するダイクロイックミラー6と、ダイクロイックミラー6で反射したレーザ光4を集光する集光レンズ(集光部)7と、レーザ光4の収差を拡大させレーザ光4の強度Pを調整する石英ガラス板(収差制御部)8と、を備えている。
また、照射機構部2は、被加工物10を載置する載置台11と、載置台11をレーザ光4の光軸と略直交する平面内でX軸方向へ相対的に移動させるX軸移動部12と、Y軸方向へ相対的に移動させるY軸移動部13とを備えている。さらに、集光レンズ7に対して載置台11を相対的に移動させて、レーザ光4の焦点(集光点)の位置を被加工物10の厚み方向であるZ軸方向へ調整可能なZ軸移動部14と、X軸移動部12、Y軸移動部13、Z軸移動部14および石英ガラス板8を移動させるための移動機構部15とを備えている。そして、ダイクロイックミラー6を挟んで集光レンズ7に対して反対側に位置する撮像部16を備えている。
次に、このような構成の照射機構部2を制御するホストコンピュータ3について説明する。ホストコンピュータ3の制御部20は、撮像部16が撮像した画像情報を処理する画像処理部21と、レーザ光源5を所定の出力、パルス幅、パルス周期で出射制御をするレーザ制御部22と、移動機構部15を制御する移動制御部23とを有している。また、ホストコンピュータ3は、レーザ光4による加工の際に用いられる各種加工条件のデータなどを入力する入力部28と、レーザ光4による加工状態などの情報を表示する表示部27とを有している。
そして、制御部20は、入力部28から入力されたデータなどを一時的に保存するRAM(Random Access Memory)26と、画像処理部21、レーザ制御部22、移動制御部23の制御用プログラムなどを記憶するROM(Read Only Memory)25と、ROM25に記憶されているプログラムに従って各種の制御を実行するCPU(Central Processing Unit)24とを有している。これら画像処理部21、レーザ制御部22、移動制御部23、CPU24、ROM25およびRAM26は、バス29を介して相互に接続されている。
以上のような構成のレーザ加工装置1において、X軸移動部12と、Y軸移動部13と、Z軸移動部14とは、それぞれ図示していないサーボモータによって駆動される。被加工物10へのレーザ光4の集光点をZ軸方向に移動させるZ軸移動部14には、移動距離を検出可能な位置センサが内蔵されており、移動制御部23は、この位置センサの出力を検出してレーザ光4の集光点のZ軸方向位置を制御可能である。
撮像部16は、可視光を発する光源とCCD(Charge Coupled Device:固体撮像素子)が組み込まれたものである。光源から出射した可視光は、集光レンズ7を透過して焦点を結ぶ。被加工物10のレーザ光4の入射面と入射面の反対側の面とに、それぞれ焦点を合わせるようにZ軸移動部14を移動させて、移動距離を位置センサで検出すれば被加工物10の厚みを計測することが可能である。
また、レーザ加工装置1において、レーザ光源5は、半導体レーザ励起によるNd:YAGレーザ(以下YAGレーザと呼称する)からナノ秒(10-9秒)のパルス幅でYAGレーザ光であるレーザ光4を出射可能である。そして、集光レンズ7は、倍率が100倍、開口数(NA:Numerical Aperture)が0.8、WD(Working Distance)が3mmの対物レンズを使用している。
次に、液晶表示装置(電気光学装置)について説明する。図2は、液晶表示装置の構成を示す部分断面を含む平面図であり、図3は、液晶表示装置の構成を示す部分断面を含む側面図である。図3は、図2のP−P’に沿った断面図である。図2および図3において、液晶表示装置30は、TFT基板33と、TFT基板33に形成されている表示パネル(表示部)31とを有し、表示パネル31は、TFT基板33およびTFT基板33と対をなす対向基板34が封止材であるシール材35によって貼り合わされている。シール材35は、両基板面内の領域において閉ざされた枠状に形成されている。
シール材35の形成されている領域の内側には、TFT基板33の表面にモザイク状に配置されている画素電極36および各画素電極36をスイッチング制御するTFT37と、対向基板34のTFT基板33側の面に画素電極36に対向して配置されている平面状の対向電極38と、画素電極36および対向電極38を覆うように形成されている配向膜39と、シール材35および配向膜39によって区画された領域内に封入保持されている液晶40とが配置されている。また、液晶表示装置30は、通常、外部との接続用のフレキシブル配線(FPC、Flexible Printed Circuit board)基板32を有する。
そして、シール材35の形成されている領域の外側および下側には、データ線駆動回路41と、フレキシブル配線基板32と接続するための実装端子42とが、TFT基板33の一辺に沿って形成されている。さらに、この一辺に隣接する二辺に沿って走査線駆動回路43,43がそれぞれ形成され、TFT基板33の残る一辺に、走査線駆動回路43,43の間を接続するための複数のパネル配線44が設けられている。また、対向基板34のコーナー部の少なくとも1箇所においては、TFT基板33と対向基板34との間で電気的導通をとるための基板間導通材45が配設されている。
図2に示すフレキシブル配線基板32は、実装端子42にそれぞれ接続するFPC配線46を内部に有している。FPC配線46と実装端子42とは、異方性導電膜部47によって電気的導電がとられている。異方性導電膜部47は、導電性粒子とバインダとを有する異方性導電膜をFPC配線46と実装端子42との間で熱圧着加工することによって、対応するFPC配線46と実装端子42とをそれぞれ電気的に導通させている。さらに、異方性導電膜部47は、電気的導通を図るだけでなく、実装端子42間の距離より微小な粒子径の導電性粒子をバインダに分散させることにより、隣接する実装端子42間の絶縁性を確保している。
なお、表示パネル31においては、使用する液晶40の種類、すなわち、TN(Twisted Nematic)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード等の動作モードや、ノーマリホワイトモードまたはノーマリブラックモードの別に応じて、位相差板、偏光板等が所定の向きに配置されるが、ここでは図示を省略する。また、表示パネル31をカラー表示用として構成する場合には、対向基板34において、TFT基板33の各画素電極36に対向する領域に、赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタをその保護膜とともに形成する。
この液晶表示装置30は、石英基板に複数の表示パネル31が形成された表示基板を、レーザ加工装置1によって表示パネル31の単位でスクライブ(切断)したものである。このような液晶表示装置30を効率的に製造するための表示基板について簡単に説明する。図4(a)は、複数の表示パネルが形成された表示基板を示す平面図である。また、図4(b)は、複数の表示パネルが形成された表示基板の側面を示す断面図である。図4(a)および(b)に示すように、表示基板50は、石英基板(被加工物)51の一方の表面51aに複数の表示パネル31が形成されたものである。それぞれの表示パネル31は、石英基板51がX軸方向切断予定線(切断予定位置)52およびY軸方向切断予定線(切断予定位置)53に沿って、レーザ加工装置1によって切断されると、図2および図3に示す液晶表示装置30として個別に取り出される。図4(a)は、石英基板51に40個の表示パネル31が形成されている表示基板50を示している。
石英基板51は、レーザ加工装置1によって表示基板50から切断された液晶表示装置30において、TFT基板33として機能する。このように、表示基板50を切断して液晶表示装置30を得る方法について、そのステップを簡単に説明する。図5は、石英基板の切断方法を示すフローチャート図である。図6は、石英基板内部への改質層の形成を示す断面図であり、収差制御部である石英ガラス板8を使用しない場合における石英基板51の内部への改質層60の形成を示している。また、図7は、石英基板のレーザ光入射面直近への改質層の形成を示す断面図であり、石英ガラスを使用した場合における石英基板51の内部への改質層61の形成を示している。図6および図7では、表示パネル31を省略して表している。
図5に示すように、レーザ加工装置1を用いて表示基板50の石英基板51を切断する工程を順に列挙すると、まず、集光レンズ7と被加工物10として載置台11に載置された石英基板51とを相対的に位置決めする載置工程である石英基板位置決めの工程(S1)と、石英基板51の厚みを測定する石英基板厚み測定の工程(S2)と、により石英基板51をレーザ加工装置1へ正しくセットする。
次に、図6に示すように、石英基板51の一方の表面(以降入射面と呼称する)51aと入射面51aに対する反対面51bとの間の断面全域へ、順に改質層60を形成するためのレーザ走査回数等演算の工程(S3)を行う。この場合、断面全域へ改質層60を形成するには、5回の走査により改質層60a,60b,60c,60d,60eの5層を形成すれば良いこと、および改質層60d,60eの形成時に、レーザ光4の強度Pが石英基板51を熱変質等させる閾値Pj以上になることなどが演算されている。
そして、レーザ光4の焦点位置調整の工程(S4)において、Z軸移動部14によりレーザ光4の集光点である焦点の位置を、まず、反対面51bの近傍へ調整する。続いて、X軸移動部12およびY軸移動部13により石英基板51を相対移動させながら、X軸方向切断予定線52およびY軸方向切断予定線53に沿ってレーザ光4を照射するレーザ走査の工程(S5)を実行して改質層60aを形成する。次いで、所定走査終了を判断する工程(S6)において、ステップS3で演算した走査回数の内、レーザ光4の強度Pが閾値Pj以下で形成可能な改質層60cの形成終了まで、ステップS4およびステップS5が繰り返し実行される。ステップS5は、走査工程を含む改質工程である。
次に、石英ガラス板8を集光レンズ7と被加工物10である石英基板51との間に挿入する工程(S7)において、石英ガラス板8によって、レーザ光4の収差を拡大させると共にレーザ光4の強度Pを調整する。つまり、改質層60d,60eの部分を形成するレーザ光4の強度Pを閾値Pj以下に調整する。ステップS7は、収差工程である。続いて、ステップS4、S5およびS6と同様に、レーザ光4の焦点位置調整の工程(S8)と、レーザ走査の工程(S9)と、所定走査終了を判断する工程(S10)とを実行する。
ステップS9は、走査工程を含む改質工程であり、石英ガラス板8によって収差が拡大したレーザ光4は、図7に示すように、集光点62および集光点63の距離△L3の間に集光されて改質層61を形成する。この時、レーザ光4の強度Pが閾値Pj以下の強度P3であり、また、収差の拡大によって、改質層61の△L3は、改質層60d,60eを形成予定の部分を改質層61の一層で加工可能である。改質層61の形成後、収差制御部である石英ガラス板8を撤去(S11)し、最後に、石英基板の切断の工程(S12)で、石英基板51を切断する。
次に、列挙したフローチャートの各ステップのさらに詳細な説明の前に、パルス出射のレーザ光4による多光子吸収について説明する。石英基板51に用いられる石英は、可視領域のレーザ光を吸収せずに透過させるため、通常、この種のレーザ光によって石英基板51を切断加工することは、困難であった。これに対して、パルス幅がナノ秒(10-9秒)クラスのレーザ光4を石英基板51の集光点に集光させ、且つ、レーザ光4の単位面積あたりの強度Pを多光子吸収が生じるべき多光子吸収閾値Pkである1×108(W/cm2)以上に設定すると、短時間にレーザ光4のエネルギが石英に集中し、集光されたレーザ光4の多数の光子が石英の電子と相互作用して吸収される、いわゆる多光子吸収の現象が生じる。
多光子吸収は、レーザ光4のエネルギが熱に変換される前に、短時間の間に行われるため、熱の発生等をほとんど伴わず、さらに、レーザ光4を集光させた石英基板51の内部にのみ作用させることが可能である。この場合、レーザ光4の強度Pの閾値Pjは、およそ1×1012(W/cm2)であり、この値以上になると、レーザ光4のエネルギが熱に変換され石英基板51の内部で熱膨張、応力集中、熱変質などが生じやすくなる。なお、パルス幅がより小さいレーザ光4であれば、より超短時間で多光子吸収の現象が生じるため、閾値Pj以上であっても、石英基板51へ熱などの影響を与えることなく、石英基板51の加工が可能である。
以上の説明を踏まえて、図5に示すフローチャートの各ステップについて、順に、詳細に説明する。最初に、ステップS1において、図4に示した表示基板50の石英基板51を、表示パネル31が形成されている入射面51aに対する反対面51bが載置台11に接するように載置する。そして、X軸方向切断予定線52がX軸に平行となるように石英基板51を位置決めする。また、移動制御部23は、レーザ光4の光軸が石英基板51のX軸方向切断予定線52またはY軸方向切断予定線53の線上に位置するように、サーボモータを駆動しX軸移動部12およびY軸移動部13を移動させる。この場合、石英基板51には、位置決め用のアライメントマークが形成されており、撮像部16によってこのアライメントマークを認識し、画像処理部21に取り込んだ画像データに基づいて座標を演算して、石英基板51を位置決めする。位置決め後、ステップS2へ進む。
ステップS2において、石英基板51の厚みを測定するために、石英基板51のレーザ光4の入射面51aと反対面51bとのそれぞれに、撮像部16から出射される可視光の焦点を合わせ、撮像部16が捉えた映像を表示部27に表示させる。可視光の焦点合わせは、Z軸移動部14を移動させて行う。これら一連の操作は、作業者がホストコンピュータ3を操作して行う。ホストコンピュータ3は、Z軸移動部14の位置センサの出力から石英基板51の厚みを演算し、演算結果としての厚み1000μmは、ホストコンピュータ3のRAM26にZ軸方向の座標として記憶される。厚み測定後、ステップS3に進む。
ステップS3において、レーザ光4の走査回数等を演算する。石英基板51の厚み方向のほぼ断面全域に改質層60を形成するには、5回の走査により改質層60a,60b,60c,60d,60eの5層を形成すれば良いことが算出される。図6は、石英基板51の反対面51bの側から順に改質層60a,60bが既に形成され、改質層60cを形成している途中の状態を示している。厚さ1000μmの石英基板51において、各改質層60の厚み方向長さ△L1は、図8を参照して説明した収差のため、反対面51b近傍の改質層60aの約300μmから入射面51aの直近である改質層60eの100μmとなり、入射面51aの側の改質層60が順次狭くなっている。また、この場合、改質層60d,60eの形成時に、レーザ光4の強度Pが石英基板51を変質等させる閾値Pj以上になること、および改質層60d,60eのそれぞれの△L1の合計が約250μmであることなどが演算されている。演算後、ステップS4へ進む。
ステップS4において、石英ガラス板8を挿入しない場合のレーザ光4による改質層60の形成データ、および、石英ガラス板8を挿入した場合のレーザ光4による改質層61の形成データとして、撮像部16が捉えた可視光の焦点の位置と、レーザ光4の焦点とのZ軸方向の位置関係と、レーザ光4による改質層60および改質層61の長さ△L1とを、予めレーザ光4の照射予備試験の結果から求めてある。これらデータは、ホストコンピュータ3へ入力されている。これらのデータと、ステップS2で求められた石英基板51の厚みデータ(Z軸方向の座標)とに基づいて、移動制御部23は、Z軸移動部14を駆動して、まず、改質層60の端部が石英基板51の反対面51bに掛かるように、レーザ光4の焦点をZ軸方向に移動させる。レーザ光4の焦点の調整後、ステップS5へ進む。
ステップS5において、集光レンズ7に対して石英基板51を相対移動させて、まず、改質層60aを形成する。石英基板51には、図4(a)に示すように、複数(40個)の表示パネル31が形成されており、X軸方向の9本のX軸方向切断予定線52と、Y軸方向の8本のY軸方向切断予定線53とにより区画されている。つまり、X軸方向に所定のピッチでずらしながらレーザ操作を9回行い、続いてY軸方向に所定のピッチでずらしながらレーザ操作を8回行って、各表示パネル31を改質層60aで仕切る。X軸方向切断予定線52およびY軸方向切断予定線53は、あらかじめデータとして入力されているので、ホストコンピュータ3は、このデータに基づいた制御信号を移動制御部23へ送り、移動制御部23は、制御信号に基づいてX軸移動部12とY軸移動部13を移動させることにより、石英基板51を集光レンズ7に対して相対移動させることが可能である。改質層60a形成後、ステップS6へ進む。
ステップS6において、ステップS3で演算した所定の走査が終了したか否かを制御部20が判断する。ここでは、ステップS3でのレーザ光4の強度Pの演算結果より、石英ガラス板8を挿入せずに改質層60a、60b、60cを形成可能であり、改質層60bの形成のためステップS4へ戻る。一方、改質層60cが形成されていれば、ステップS7へ進む。
ステップS7において、集光レンズ7と石英基板51との間に石英ガラス板8を移動機構部15により挿入する。石英ガラス板8の挿入により、レーザ光4の収差を拡大させると共に、レーザ光4の強度Pを調節することが可能である。挿入後、ステップS8へ進む。
ステップS8において、レーザ光4の焦点位置を調整する。図7に示すように、移動制御部23は、Z軸移動部14を駆動して、レーザ光4の焦点位置である集光点62,63の位置を石英基板51の入射面51aの直近へ設定する。焦点位置の調整後、ステップS9へ進む。
ステップS9において、ステップS5と同様に載置台11を移動させる走査を行う。この場合、石英ガラス板8によりレーザ光4の収差が拡大しており、レーザ光4による集光点62と集光点63との間に、△L3が250μmの改質層61が形成される。つまり、改質層60d,60eの領域を改質層61のみで加工可能である。また、レーザ光4の強度Pは、石英ガラス板8を挿入せずに改質層60d,60eを形成するときの閾値Pj以上に比べて、閾値Pj以下の強度P3であり、石英基板51を熱変質等させることなく改質層61を形成可能である。改質層61の形成後、ステップS10へ進む。
ステップS10において、ステップS3で演算した所定の走査が終了したか否かを判断する。終了していれば、ステップS11へ進み、一方、終了していなければ、ステップS8へ戻る。ここでは、石英ガラス板8を挿入して形成するのは、改質層61のみであるため走査は一回で終了である。
ステップS11において、収差制御部である石英ガラス板8を移動機構部15により撤去する。撤去後、ステップS12へ進む。
ステップS12において、石英基板51をX軸方向切断予定線52およびY軸方向切断予定線53に沿って切断する。図7に示すように、石英基板51の厚み方向に連続して形成された改質層60a,60b,60c,61に対して、曲げ応力または引っ張り応力のような外部応力を加える。外部応力を加えることにより、石英基板51は、X軸方向切断予定線52およびY軸方向切断予定線53に沿って容易に切断可能である。
これら改質層60,61は、石英基板51の厚み方向断面の全面に連続して形成されているため、改質層60,61以外が切断されて、いわゆるチッピングなどによる液晶表示装置30の外形の形状不良が発生することをほぼ防止可能である。また、石英基板51の厚さ方向に対し直交方向の改質層60,61の幅は、約20μm程度の微小幅であり、この微小幅に沿って石英基板51を切断可能であるため、高い外形寸法精度の液晶表示装置30が入手可能である。
以下、実施形態の効果をまとめて記載する。
(1)レーザ加工装置1によって、石英基板51の反対面51b側から入射面51a側へ順に改質層60を形成すると、レーザ光4の収差のため、入射面51aの直近および近傍の改質層60d,60eの形成時には、レーザ光4の強度Pが石英基板51を熱変質等させる閾値Pj以上となり易い。そこで、石英ガラス板8を挿入してレーザ光4の収差を拡大させることにより、レーザ光4が分散されレーザ光4の強度Pが減少する。この状態のレーザ光4によって、改質層60d,60eに替えて改質層61を形成すれば、石英基板51を変質等させることが無い。レーザ加工装置1の光学系を変えることなくレーザ光4を制御して改質層60,61の形成が可能である。
(2)改質層60d,60eは、石英基板51の厚み方向の長さ△L1が短く、石英ガラス板8を挿入して形成した改質層61は、収差が拡大して△L3が長いため、改質層61によって改質層60d,60eの2つの領域を、一回の走査により、効率良く加工可能である。
(3)石英ガラス板8を挿入することにより、石英基板51の入射面51aにおいて収差を拡大でき、入射面51aでのブレークダウンを回避しつつ、石英基板51の内部と表面である入射面51aとを同時に加工可能となり、効率向上が図れる。
また、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、次に挙げる変形例のような形態であっても、それぞれ各実施形態と同様な効果が得られる。
(変形例1)石英ガラス板8を挿入して形成する改質層61は、改質層60a,60b,60cを形成した後に形成することに限定されず、先に形成しても良い。つまり、図5に示すフローチャートにおいて、ステップS4,S5,S6をステップS11の後に変更する。こうしても、石英基板51を、変更前と同様に切断可能である。
(変形例2)被加工物10は、液晶表示の表示パネル31が形成された石英基板51に限らず、TFT(Thin Film Transistor)、有機EL(Electro Luminescence)、MEMS(Micro Electro Mechanical System)、各種半導体などのデバイスが形成された光透過性の水晶、ガラス、シリコンなどからなる基板であっても良い。レーザ光4による切断方法は、多様な機能デバイスの基板切断に適用可能である。
(変形例3)収差制御部は、石英ガラス板8の挿入に限定されず、石英ガラス板8を用いずに、ステップS7において、集光レンズ7自体をフレネルレンズ、アキシコンレンズなど収差を生じさせるものに交換しても良い。または、集光レンズ7に収差を制御するためのレンズ駆動機構を設けて制御しても良い。これらにより、集光レンズ7に収差を積極的に生じさせ、より確実に集光点調節が可能である。
(変形例4)ステップS7において、レーザ光源5が発するレーザ光4を単波長(単色)のものから、複数の発信波長を有するブロードなレーザ光にしても良い。単波長のレーザ光4において生じる球面収差に加え、軸上色収差によってさらに収差を拡大させることが可能である。ブロードなレーザ光の場合、石英ガラス板8の挿入を不要にすることも可能である。
(変形例5)照射機構部2のレーザ光源5は、YAGレーザに限定されず、エキシマレーザや固体光源としてチタンサファイアを用いたフェムト秒レーザ等を用いることも可能である。
本発明は、被加工物10のレーザ光4の入射面51a直近へ改質層61を形成する場合に、収差を拡大させてレーザ光4の強度Pを減少させることにより、被加工物10の内部への熱影響、入射面51aでのブレークダウンの発生などを防止可能な方法である。この方法を用いれば、表示基板50から液晶表示装置30を無駄なく効率的に多数個切り出せる。表示基板50に形成される表示パネル31は、液晶に限らず有機ELなどの形成も可能であり、液晶表示装置30以外の電気光学装置である有機EL表示装置なども効率的に切断して得ることが可能である。また、石英基板51に限らず、水晶、ガラスなどの光透過性の材料に対しても有効な切断方法であり、石英基板51以外の水晶基板やガラス基板に形成された各種半導体デバイスなどの切断への利用も可能で、応用範囲の広いものである。電気光学装置は、携帯電話、電子辞書、デジタルカメラ、ビューファインダ、電子時計などの電子機器の表示部に最適なものである。
本発明のレーザ加工装置の構成を示すブロック図。 液晶表示装置の構成を示す部分断面を含む平面図。 液晶表示装置の構成を示す部分断面を含む側面図。 (a)複数の表示パネルが形成された表示基板を示す平面図、(b)複数の表示パネルが形成された表示基板の側面を示す断面図。 石英基板の切断方法を示すフローチャート図。 石英基板内部への改質層の形成を示す断面図。 石英基板のレーザ光入射面直近への改質層の形成を示す断面図。 (a)従来の基板内部への改質層の形成を示す断面図、(b)基板のレーザ光入射面直下への改質層の形成を示す断面図。
符号の説明
1…レーザ加工装置、2…照射機構部、3…ホストコンピュータ、4…レーザ光、5…レーザ光源、6…ダイクロイックミラー、7…集光部としての集光レンズ、8…収差制御部としての石英ガラス板、10…被加工物、11…載置台、15…移動機構部、20…制御部、30…液晶表示装置、31…表示パネル、33…TFT基板、50…表示基板、51…被加工物としての石英基板、51a…入射面、52…X軸方向切断予定線、53…Y軸方向切断予定線、60,61…改質層、62,63…集光点、P…レーザ光の強度、Pk…多光子吸収閾値、Pj…ブレークダウンの発生する閾値、P1…石英基板内部でのレーザ光の強度、P2,P3…レーザ光入射面でのレーザ光の強度、L…レーザ光入射面からの距離。

Claims (7)

  1. レーザ加工装置のレーザ光を被加工物の内部へ照射し多光子吸収による改質層を形成するレーザスクライブ方法であって、
    前記レーザ加工装置へ前記被加工物を載置する載置工程と、
    前記レーザ光を前記被加工物の内部へ集光させて、前記改質層を形成する改質工程と、
    少なくとも前記レーザ光が前記被加工物に入射する面の直近へ前記改質層を形成する場合に、収差制御部によって前記レーザ光に収差を生じさせる収差工程と、を有することを特徴とするレーザスクライブ方法。
  2. 請求項1に記載のレーザスクライブ方法において、
    前記収差工程は、前記レーザ光を前記被加工物の内部へ集光させる集光部と前記被加工物との間へ前記収差制御部を挿入する工程であることを特徴とするレーザスクライブ方法。
  3. 請求項1または2に記載のレーザスクライブ方法において、
    前記改質工程は、前記被加工物と前記レーザ光とを前記被加工物の切断予定位置に沿って相対移動させる走査工程を含むことを特徴とするレーザスクライブ方法。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載のレーザスクライブ方法において、
    前記収差工程は、前記レーザ光の集光する集光点におけるレーザ強度を前記改質層の形成可能閾値以上およびブレークダウンの発生可能閾値以下に調整する工程であることを特徴とするレーザスクライブ方法。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載のレーザスクライブ方法によって加工されたことを特徴とする電気光学装置。
  6. レーザ光を被加工物の内部へ照射し多光子吸収による改質層を形成するためのレーザ加工装置であって、
    前記被加工物を載置するための載置台と、
    前記改質層を形成するために、前記レーザ光を前記被加工物の内部へ集光させる集光部と、
    前記レーザ光に収差を生じさせるための収差制御部と、を備えていることを特徴とするレーザ加工装置。
  7. 請求項6に記載のレーザ加工装置において、
    前記収差制御部は、前記集光部と前記被加工物との間に対し挿入および撤去可能に設けられていることを特徴とするレーザ加工装置。
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