JP2007130768A - 水晶基板の切断方法 - Google Patents

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Yasunobu Kuroki
泰宣 黒木
Kazunari Umetsu
一成 梅津
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Abstract

【課題】水晶基板の切断において、切断屑をほとんど排出しない水晶基板の切断方法を提
供する。
【解決手段】水晶基板1の切断方法は、レーザ加工装置20にセットされた水晶基板1の
厚みを測定する工程と、フェムト秒レーザであるレーザ光23の水晶基板1内の集光点4
5を調整する工程と、切断予定位置にそって改質領域50を形成するために、レーザ光2
3を走査する工程とを有する。レーザ光23を走査する工程は、水晶基板1の厚み方向に
集光点45を順に3回移動させて、厚み方向の全面に改質領域50を形成する。
【選択図】図6

Description

本発明は、水晶基板をレーザ加工によってチップに分割するための水晶基板の切断方法
に関する。
従来、水晶基板を複数のチップに分割するためには、円板状のダイシングソーを備えた
ダイシング装置によって水晶基板を切断する方法が行われている。切断されたチップは、
振動子やフィルタなどとして使用される。ダイシングソーによって、水晶基板への応力を
抑制しながら切断を行うことにより、脆性を有する水晶基板であっても、切断予定線に沿
って切断可能である。また、洗浄水を併用して、切断屑などによって水晶基板が損傷する
ことを防止している(たとえば特許文献1)。
特開2005−167145号公報
しかし、従来の技術では、ダイシングソーの厚みである300μm程度の切断幅で、切
断予定線に沿って水晶基板を切断するために、切断部分の水晶基板が切断屑として除去さ
れる。そのため、チップの配置は、切断幅を考慮してチップ間の距離を離すように設定す
る必要がある。近年、チップの小型化が図られて、水晶基板から取得可能なチップ数が増
加可能な状況であるが、それに伴い、切断予定線の数が増えて、切断屑も増えている。つ
まり、チップに対する切断屑の割り合いが増加しており、ダイシングソーの切断幅による
切断屑の発生が、水晶基板から採取可能なチップ数の増加およびコスト低減等の妨げとな
っている。
本発明は、上記課題を解決するために、水晶基板の切断において、切断屑をほとんど排
出しない水晶基板の切断方法を提供することを目的とする。
本発明の水晶基板の切断方法は、複数の機能素子が表面に形成されている水晶基板をレ
ーザ光によって水晶基板の切断予定位置に沿うように切断する。この切断方法は、レーザ
光の集光点が切断予定位置の水晶基板内部となるように集光点の位置を調整する調整工程
と、切断予定位置における水晶基板の厚さ方向に多光子吸収による改質領域を形成するた
めに、レーザ光をピコ秒からフェムト秒の範囲のパルス幅で照射する照射工程と、切断予
定位置に沿うように改質領域を形成するために、水晶基板とレーザ光とを切断予定位置に
沿って相対移動させる走査工程と、を有することを特徴とする。
この水晶基板の切断方法によれば、レーザ光を水晶基板の内部に集光させ、集光点にお
いて水晶の改質領域を形成するために、レーザ光を照射している時間であるパルス幅が、
ピコ秒(10-12秒)からフェムト秒(10-15秒)の範囲のパルスレーザを用いる。この
ような極めて短時間のレーザ光照射を水晶基板に行うと、水晶基板内部に透過したレーザ
光の集光点では、集光された多数の光子が水晶の電子と相互作用して吸収される、いわゆ
る多光子吸収の現象が生じる。この多光子吸収が生じた領域が改質領域である。そして、
水晶基板とレーザ光とを、切断予定位置に沿うように相対移動させることにより、切断予
定位置に改質領域を連続して形成することが可能である。水晶基板は、水晶基板内部に形
成された改質領域に沿って容易に切断可能である。なお、改質領域は、多光子吸収により
水晶の結晶構造の変化が誘引された屈折率変化領域であって、切断予定位置に沿って水晶
基板の厚さ方向と直交方向に20μm以下の微小幅で形成することが可能である。従って
、ダイシングソーのように幅広の切断幅を設定する必要がなく、多くの水晶を切断屑とし
て無駄にすることがない。また、ピコ秒よりパルス幅の長いレーザ光を用いた場合、レー
ザ光が水晶基板に吸収されて熱エネルギーに変換され、水晶基板を溶融・飛散させること
がある。一方、フェムト秒のパルスレーザを用いると、極めて短時間のレーザ光照射の繰
り返しのため、レーザ光が熱に変換されず、改質領域のみが形成される。
この場合、調整工程は、水晶基板におけるレーザ光の入射面と入射面と反対側の表面の
位置とを測定して、水晶基板の基板厚を測定する測定工程を含んでいることが好ましい。
この方法によれば、水晶基板の2面の位置を測定することにより、水晶基板の基板厚が
求められる。位置を測定した2面のいずれかを基準面にすれば、調整工程において、基準
面からレーザ光の集光点までの距離を容易に調整することが可能である。従って、水晶基
板内の任意の位置へ集光点を設定可能である。
また、走査工程は、集光点を厚さ方向に移動させた複数回の相対移動を有し、それぞれ
の相対移動で形成された改質領域が厚さ方向に連続していることが好ましい。
この方法によれば、切断予定位置に沿って改質領域を形成する走査工程は、複数回行う
相対移動毎にレーザ光の集光点を水晶基板の厚さ方向に移動させることにより、改質領域
を水晶基板の厚さ方向へ拡大させることが可能である。これにより、水晶基板の厚さに関
わらず、水晶基板の厚さ方向全域に改質領域を形成可能である。
本発明の水晶基板の切断方法は、水晶と光透過材とが多層に形成された水晶基板をレー
ザ光によって水晶基板の切断予定位置に沿うように切断する。この切断方法は、レーザ光
の集光点が切断予定位置の水晶内部または光透過材内部となるように集光点の位置を調整
する調整工程と、切断予定位置における水晶および光透過材の厚さ方向に多光子吸収によ
る改質領域を形成するために、レーザ光をピコ秒からフェムト秒の範囲のパルス幅で照射
する照射工程と、切断予定位置に沿うように改質領域を形成するために、水晶基板とレー
ザ光とを切断予定位置に沿って相対移動させる走査工程と、を有することを特徴とする。
この水晶基板の切断方法によれば、水晶基板は、水晶と光透過材とを有しており、レー
ザ光を水晶基板の内部に集光させ、集光点において水晶または光透過材の改質領域を形成
するために、レーザ光を照射している時間であるパルス幅がピコ秒(10-12秒)からフ
ェムト秒(10-15秒)の範囲のパルスレーザを用いる。このような極めて短時間のレー
ザ光照射を水晶基板に行うと、水晶基板内部に透過したレーザ光の集光点では、集光され
た多数の光子が水晶または光透過材の電子と相互作用して吸収される、いわゆる多光子吸
収の現象が生じる。この多光子吸収が生じた領域が改質領域である。そして、水晶基板と
レーザ光とを、切断予定位置に沿うように相対移動させることにより、切断予定位置に改
質領域を連続して形成することが可能である。水晶および光透過材内部に形成された改質
領域に沿って、水晶基板は、容易に切断可能である。なお、改質領域は、多光子吸収によ
り水晶および光透過材の結晶構造の変化が誘引された多光子吸収による屈折率変化領域で
あって、切断予定位置に沿って水晶基板の厚さ方向と直交方向に20μm以下の微小幅で
形成することが可能である。従って、ダイシングソーのように幅広の切断幅を設定する必
要がなく、多くの水晶および光透過材を切断屑として無駄にすることがない。また、ピコ
秒よりパルス幅の長いレーザ光を用いた場合、レーザ光が水晶または光透過材に吸収され
て熱エネルギーに変換され、水晶基板を溶融・飛散させることがある。一方、フェムト秒
のパルスレーザを用いると、極めて短時間のレーザ光照射の繰り返しのため、レーザ光が
熱に変換されず、改質領域のみが形成される。
この場合、調整工程は、水晶基板におけるレーザ光の入射面と入射面と反対側の表面の
位置とを測定して水晶基板の基板厚を測定する測定工程を含んでいることが好ましい。
この方法によれば、水晶と光透過材とが貼り合わされた水晶基板の最外面である2面の
位置を測定することにより、水晶基板の総基板厚が求められる。位置を測定した2面のい
ずれかを基準面にすれば、調整工程において、基準面からレーザ光の集光点までの距離を
容易に調整することが可能である。従って、水晶基板内の任意の位置へ集光点を設定可能
である。
また、走査工程は、集光点を水晶および光透過材の厚さ方向に移動させた複数回の相対
移動を有し、それぞれの相対移動で形成された改質領域が厚さ方向に連続していることが
好ましい。
この方法によれば、切断予定位置に沿って改質領域を形成する走査工程は、複数回行う
相対移動毎にレーザ光の集光点を水晶基板の厚さ方向に移動させることにより、改質領域
を水晶基板の厚さ方向へ拡大させることが可能である。これにより、水晶基板の水晶の厚
さおよび光透過材の厚さに関わらず、水晶基板の厚さ方向全域に渡り改質領域を形成可能
である。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。実施形態1では、
機能素子として複数のSAW(Surface Acoustic Wave、弾性表面波)パターンが形成
されたSAWデバイス機能を有する水晶基板を例にして説明する。水晶基板は、レーザ光
の照射によって、水晶基板内に多光子吸収による改質領域が各SAWパターンを仕切るよ
うに形成され、この改質領域に沿って容易に切断可能である。切断された水晶片は、SA
W共振片(チップ)のデバイスとして使用される。
(実施形態1)
図1は、複数のSAWパターンが形成されている水晶基板を示す平面図である。また、
図2は、SAW共振片を示す平面図である。図1に示すように、水晶基板1は、主面とな
る表面2に複数のSAWパターン3が形成されている。それぞれのSAWパターン3は、
水晶基板1がX軸方向切断予定線(切断予定位置)4およびY軸方向切断予定線(切断予
定位置)5に沿って切断されて、図2に示すSAW共振片9として個別に取り出される。
図1は、40個のSAWパターン3が形成された場合が示されている。
SAW共振片9は、図2に示すように、圧電体である水晶を矩形に切断した水晶片10
の表面2の中央に、1組の電極11aおよび11bによって交叉指電極(IDT:Inter
Digital Transducer)11が構成されている。また、このIDT11の長手方向の両
側に格子状の反射器12aおよび12bが形成されている。そして、水晶片10の長手方
向の縁に沿って、電極11aおよび11bとそれぞれ繋がった導通用のボンディングラン
ド13aおよび13bが、形成されている。このボンディングランド13a,13bに、
外部からワイヤーボンディングすることによって電気的な接続が得られるようになってい
る。
これら電極11a,11b、反射器12a,12bおよびボンディングランド13a,
13bは、導電性を確保するため、例えば、金、アルミニウム、銅やそれらの合金などが
通常用いられ、加工およびコストの点からアルミニウム系の素材が最も多く用いられてい
る。
次に、SAW共振片9を得るために、X軸方向切断予定線4およびY軸方向切断予定線
5に沿って、水晶基板1を切断するレーザ加工装置について説明する。図3は、レーザ加
工装置の構成を示すブロック図である。レーザ加工装置20は、レーザ光23を加工対象
物へ照射する照射機構部21と、照射機構部21を制御するホストコンピュータ22とを
備えている。照射機構部21は、レーザ光23を出射するレーザ光源24と、出射された
レーザ光23を反射するダイクロイックミラー25と、反射したレーザ光23を集光する
集光レンズ26とを備えている。
また、照射機構部21は、加工対象物である水晶基板1を載置する載置台27と、載置
台27をレーザ光23の光軸と略直交する平面内でX軸方向へ相対的に移動させるX軸移
動部28と、Y軸方向へ相対的に移動させるY軸移動部29とを備えている。さらに、集
光レンズ26に対して、水晶基板1を載置した載置台27を相対的に移動させて、レーザ
光23の集光点の位置を水晶基板1の厚み方向であるZ軸方向へ調整可能なZ軸移動部3
0と、X軸移動部28、Y軸移動部29およびZ軸移動部30を移動させるための移動機
構部31とを備えている。そして、ダイクロイックミラー25を挟んで集光レンズ26と
反対側に位置する撮像部32を備えている。
このような構成の照射機構部21を制御するホストコンピュータ22について、次に説
明する。ホストコンピュータ22の制御部35は、撮像部32が撮像した画像情報を処理
する画像処理部36と、レーザ光源24の出力やパルス幅、パルス周期を制御するレーザ
制御部37と、移動機構部31を制御する移動制御部38とを有している。また、ホスト
コンピュータ22は、レーザ光23による加工の際に用いられる各種加工条件のデータな
どを入力する入力部43と、レーザ光23による加工状態などの情報を表示する表示部4
2を有している。
そして、制御部35は、入力部43から入力されたデータなどを一時的に保存するRA
M(Random Access Memory)41と、画像処理部36、レーザ制御部37、移動制御部
38の制御用プログラムなどを記憶するROM(Read Only Memory)40と、ROM4
0に記憶されているプログラムに従って各種の制御を実行するCPU(Central Process
ing Unit)39とを有している。これら画像処理部36、レーザ制御部37、移動制御
部38、CPU39、ROM40およびRAM41は、バス44を介して相互に接続され
ている。
以上のような構成のレーザ加工装置20において、X軸移動部28と、Y軸移動部29
と、Z軸移動部30とは、それぞれ図示していないサーボモータによって駆動される。水
晶基板1へのレーザ光23の集光点をZ軸方向に移動させるZ軸移動部30には、移動距
離を検出可能な位置センサが内蔵されており、移動制御部38は、この位置センサの出力
を検出してレーザ光23の集光点のZ軸方向位置を制御可能となっている。
撮像部32は、可視光を発する光源とCCD(Charge Coupled Device:固体撮像素
子)が組み込まれたものである。光源から出射した可視光は、集光レンズ26を透過して
焦点を結ぶ。水晶基板1の主面である表面2と表面2の反対側の表面とに、それぞれ焦点
を合わせるようにZ軸移動部30を移動させて、移動距離を位置センサで検出すれば水晶
基板1の厚みを計測することが可能である。
また、レーザ加工装置20において、レーザ光源24は、チタンサファイアを固体光源
とし、チタンサファイアからのレーザ光23をフェムト秒(10-15秒)のパルス幅で出
射可能なフェムト秒レーザである。集光レンズ26は、倍率が100倍、開口数(NA:
Numerical Aperture)が0.8、WD(Working Distance)が3mmの対物レンズを使
用している。
次に、レーザ加工装置20が有するフェムト秒(10-15秒)のパルス幅のレーザ光2
3による水晶基板1への改質領域の形成について説明する。図4(a)は、パルス幅がピ
コ秒〜フェムト秒のレーザ光の照射状態を示すグラフであり、(b)は、一般的なパルス
レーザのレーザ光の照射状態を示すグラフである。図5は、水晶基板内の集光点に形成さ
れた改質領域を示す断面図である。
水晶基板1に用いられる水晶は、可視領域のレーザ光を吸収せずに透過させるため、通
常、この種のレーザ光によって水晶を切断加工することは、困難であった。これに対して
、図4(a)に示すように、パルス幅△t2が極めて小さいフェムト秒(10-15秒)のレ
ーザ光23を水晶内に集光させ、且つ、レーザ光23のピーク強度Rを多光子吸収が生じ
るべき強度Psである1×108(W/cm2)以上に設定すると、極短時間にレーザ光2
3のエネルギが水晶に集中し、集光されたレーザ光23の多数の光子が水晶の電子と相互
作用して吸収される、いわゆる多光子吸収の現象が生じる。多光子吸収は、レーザ光23
のエネルギが熱に変換される前に、極短時間の間に行われるため、熱の発生をほとんど伴
わない。さらに、多光子吸収は、レーザ光23を集光させた水晶内部にのみ作用させるこ
とができ、水晶基板1の表面2には、影響を及ぼさない。多光子吸収が生じて加工された
水晶内部の領域が図5に示す改質領域50であり、改質領域50は、いわゆる屈折率変化
領域である。
また、図4(b)に示すように、パルス幅△t1がピコ秒より長い例えばマイクロ秒(
10-6秒)のレーザ光23を水晶内に集光させ、且つ、レーザ光の強度Pを多光子吸収が
生じるべき強度Ps以上のピーク強度Qに設定しても、水晶内に多光子吸収の現象が生じ
る。しかし、パルス幅△t1が図4(a)に示すフェムト秒レーザより長いため、△t1
間に照射されたレーザ光23のエネルギの一部が熱に変換してしまい、水晶の溶解飛散、
結晶の肥大化などのダメージを水晶基板1へ与えてしまう。図4(a)に示すようにパル
ス幅△t2がフェムト秒のレーザ光23を用いることにより、水晶基板1へダメージを与
えることなく、水晶基板1へ改質領域50の形成が可能である。
この改質領域50の形成について、図5を参照して説明する。集光レンズ26で集光さ
れて水晶基板1へ出射された図4(a)に示すようなフェムト秒のレーザ光23は、水晶
基板1の表面2で屈折して水晶基板1へ入射し、水晶基板1内部の集光点45に集光する
。集光点45では、多光子吸収によって改質領域50が形成される。レーザ加工装置20
を用い、パルス幅△t2を300フェムト秒、ピーク強度Rを1×1013(W/cm2)、
載置台27の移動速度を5mm/秒とした条件下において、水晶基板1の厚さ方向の改質
領域長さhは、集光点45をほぼ中心に含んで約100μmである。また、水晶基板1の
厚さ方向に対し直交方向の改質領域50は、約20μm程度の微小幅である。
多光子吸収では、熱の発生をほとんど伴わないため、集光点45近傍における水晶への
熱影響の範囲は、ピーク強度Rを1×1013(W/cm2)のように高めに設定した上記
加工条件においても、およそ0.005μm以下であり、水晶への熱影響はないといえる
。参考に、パルス幅がパルス幅△t1のようにマイクロ秒程度の場合、水晶への熱影響の
範囲は、5μm程度である。図5に示す状態において、Y軸方向切断予定線5に沿ってY
軸移動部29を相対移動させると、水晶基板1内に改質領域50を連続して形成すること
が可能である。
ところで、多光子吸収による加工は、水晶などの光学特性である固有の吸収波長に対応
した波長の極短パルス幅のレーザ光23を用いることが好ましい。従って、フェムト秒レ
ーザのようにレーザ光23の発信する波長が限られているような場合、レーザ光23が被
加工物の吸収波長からずれていると、レーザ強度を強めに設定する必要がある。つまり、
レーザ光23をできるだけ小さな領域に集光させることなどにより、レーザ強度を上げて
対応可能である。
次に、レーザ加工装置20による水晶基板1の切断方法について詳細に説明する。図6
は、水晶基板の切断方法を示すフローチャートである。図7(a)は、レーザ走査1によ
る改質領域の形成を示す断面図、(b)は、レーザ走査2による改質領域の形成を示す断
面図、また、(c)は、レーザ走査3後の改質領域の形成状態を示す断面図である。そし
て、図8(a)は、水晶基板の切断方法を示す断面図、(b)は、切断された水晶基板の
状態を示す断面図である。
図6に示すように、レーザ加工装置20を用いた水晶基板1の切断方法は、まず、集光
レンズ26と載置台27に載置された水晶基板1とを相対的に位置決めする水晶基板位置
決め工程と、水晶基板1の厚みを測定する水晶基板厚み測定工程と、により水晶基板1を
レーザ加工装置20へ正しくセットする。次に、Z軸移動部30によりレーザ光23の集
光点45の位置を入射面である表面2と反対側の表面近傍へ調整する集光点位置調整1工
程(調整工程)と、X軸移動部28およびY軸移動部29により水晶基板1を相対移動さ
せながら、X軸方向切断予定線4およびY軸方向切断予定線5に沿ってレーザ光23を照
射するレーザ走査1工程(照射・走査工程)と、によって図7(a)に示す改質領域50
aを形成する。
同様に、Z軸移動部30によって集光点45の位置を水晶基板1の入射面側に移動調整
する集光点位置調整2工程(調整工程)と、X軸移動部28およびY軸移動部29により
水晶基板1を相対移動させながら、X軸方向切断予定線4およびY軸方向切断予定線5に
沿ってレーザ光23を照射するレーザ走査2工程(照射・走査工程)と、Z軸移動部30
によりレーザ光23の集光点45の位置を入射面側へさらに移動調整する集光点位置調整
3工程(調整工程)と、X軸移動部28およびY軸移動部29により水晶基板1を相対移
動させながら、X軸方向切断予定線4およびY軸方向切断予定線5に沿ってレーザ光23
を照射するレーザ走査3工程(照射・走査工程)と、によって図7(b)に示す改質領域
50bおよび図7(c)に示す改質領域50cをそれぞれ形成する。そして、図8に示す
ように、水晶基板1を切断する水晶基板切断工程において、水晶基板1が切断される。
これら図6に示す各ステップについて詳細に説明する。ステップS1において、図3に
示した水晶基板1を、SAWパターン3が形成されている表面2と反対側の表面が載置台
27に接するように載置する。そして、X軸方向切断予定線4がX軸に平行となるように
水晶基板1を位置決めする。また、移動制御部38は、レーザ光23の光軸が水晶基板1
のX軸方向切断予定線4またはY軸方向切断予定線5の線上に位置するように、サーボモ
ータを駆動しX軸移動部28およびY軸移動部29を移動させる。この場合、水晶基板1
には、位置決め用のアライメントマークが形成されており、撮像部32によってこのアラ
イメントマークを認識し、画像処理部36に取り込んだ画像データに基づいて座標を演算
して、水晶基板1を位置決めする。位置決め後、ステップS2へ進む。
ステップS2において、水晶基板1の厚みを測定するために、水晶基板1のレーザ光2
3の入射面である表面2と、表面2と反対側の表面とに、撮像部32から出射される可視
光の焦点を合わせ、撮像部32が捉えた映像を表示部42に表示させる。可視光の焦点合
わせは、Z軸移動部30を移動させて行う。これら一連の操作は、作業者がホストコンピ
ュータ22を操作して行う。ホストコンピュータ22は、Z軸移動部30の位置センサの
出力から水晶基板1の厚みを演算し、演算結果は、ホストコンピュータ22のRAM41
にZ軸方向の座標として記憶される。この場合、水晶基板1の厚みは、300μmである
。厚み測定後、ステップS3に進む。
ステップS3において、撮像部32が捉えた可視光の焦点の位置とレーザ光23の集光
点45とのZ軸方向の位置関係、および、レーザ光23による改質領域長さhを、予めレ
ーザ光23の照射予備試験の結果から求めてあり、データとしてホストコンピュータ22
へ入力してある。このデータとステップS2で求められた水晶基板1の厚みデータ(Z軸
方向の座標)とに基づいて、図7(a)に示すように、移動制御部38は、Z軸移動部3
0を駆動して、改質領域50の端部が表面2に対して反対側の表面に掛かるように、集光
点45をZ軸方向に移動させる。集光点45の調整後、ステップS4へ進む。
ステップS4において、図7(a)に示すように、集光レンズ26に対して水晶基板1
を相対移動させる。この図7(a)の場合、Y軸方向切断予定線5に沿ってレーザ光23
を照射して最初の改質領域50aを形成している。水晶基板1には、図1に示すように、
複数(40個)のSAWパターン3が形成されており、X軸方向の9本のX軸方向切断予
定線4と、Y軸方向の8本のY軸方向切断予定線5とにより区画されている。つまり、X
軸方向に所定のピッチでずらしながらレーザ操作を9回行い、続いてY軸方向に所定のピ
ッチでずらしながらレーザ操作を8回行って、各SAWパターン3を改質領域50aで仕
切る。X軸方向切断予定線4およびY軸方向切断予定線5は、あらかじめデータとして入
力されているので、ホストコンピュータ22は、このデータに基づいた制御信号を移動制
御部38へ送り、移動制御部38は、制御信号に基づいてX軸移動部28とY軸移動部2
9を移動させることにより、水晶基板1を集光レンズ26に対して相対移動させることが
可能である。レーザ光23の照射に対応して水晶基板1を移動させる速度は、およそ5m
m/秒であり、形成される改質領域長さhは、約100μmである。改質領域50aの形
成後、ステップS5へ進む。
ステップS5において、先のステップS3と同様にして、図7(b)に示すように、移
動制御部38は、Z軸移動部30を駆動してレーザ光23の集光点45の位置を表面2側
にずらす。このとき、ステップS5で形成される改質領域50bが、既に形成された改質
領域50aに対し、水晶基板1の厚み方向に連続するように集光点45を調整する。集光
点45の調整後、ステップS6に進む。
ステップS6において、先のステップS4と同様にして、集光レンズ26に対して水晶
基板1を相対移動させる。図7(b)は、Y軸方向切断予定線5に沿ってレーザ光23を
照射して、水晶基板1に2番目の改質領域50bを形成している場合を示している。この
ように、水晶基板1を、X軸方向の9本のX軸方向切断予定線4と、Y軸方向の8本のY
軸方向切断予定線5とに沿って、まず、X軸方向に所定のピッチでずらしながらレーザ操
作を9回行い、続いてY軸方向に所定のピッチでずらしながらレーザ操作を8回行う。こ
れにより、各SAWパターン3を仕切るようにして改質領域50bが形成される。厚み3
00μmの水晶基板1に対して、合わせて200μmの改質領域50a,50bが厚み方
向に形成される。改質領域50bの形成後、ステップS7に進む。
ステップS7において、先のステップS5と同様にして、図7(c)に示すように、移
動制御部38は、Z軸移動部30を駆動してレーザ光23の集光点45の位置を、表面2
側へさらにずらす。このとき、ステップS7で形成される改質領域50cが、既に形成さ
れた改質領域50bに対し、水晶基板1の厚み方向に連続するように集光点45を調整す
る。集光点45の調整後、ステップS8に進む。
ステップS8において、先のステップS6と同様にして、集光レンズ26に対して水晶
基板1を相対移動させ、水晶基板1に3番目の改質領域50cを形成する。これにより、
図7(c)に示すように、水晶基板1の厚み方向全面に、改質領域50a,50b,50
cが形成される。改質領域50cの形成後、ステップS9に進む。
ステップS9において、水晶基板1をX軸方向切断予定線4およびY軸方向切断予定線
5に沿って切断する。図8(a)に示すように、ステップS4,ステップS6およびステ
ップS8によって、水晶基板1の厚み方向に連続して形成された改質領域50a,50b
,50cに対して、曲げ応力Aまたは引っ張り応力Bのような外部応力を加える。これに
より水晶基板1は、図8(b)に示すように、改質領域50の位置で容易に切断可能であ
る。
改質領域50は、水晶基板1の厚み方向に連続して形成されているため、改質領域50
以外が切断されて、いわゆるチッピングなどによるSAW共振片9の外形不良が発生する
ことをほぼ防止可能である。また、既述したように、水晶基板1の厚さ方向に対し直交方
向の改質領域50の幅は、約20μm程度の微小幅であり、この微小幅に沿って水晶基板
1を切断可能であるため、高い外形寸法精度のSAW共振片9が入手可能である。
以上説明した実施形態1の効果をまとめて記載する。
(1)パルス幅がフェムト秒(10-15秒)であるパルスレーザを用いることにより、
水晶基板1内に多光子吸収による改質領域50が形成され、この改質領域50に沿って水
晶基板1を容易に、且つ、切断屑をほとんど発生させずに切断可能である。従って、ダイ
シングソーのように幅広の切断幅を設定する必要がないため、水晶を切断屑として多量に
廃棄することがない。よって、水晶基板1から得られるSAW共振片9の数量を多く確保
可能である。
(2)フェムト秒パルスレーザのレーザ光23を用いて、水晶基板1内に多光子吸収に
よって極めて短時間に改質領域50が形成されるため、レーザ光23が熱に変換されるこ
とがない。従って、水晶基板1に対して熱によるダメージを与えることが無く、水晶基板
1の切断による熱の影響を受けていないSAW共振片9を得ることが可能である。
(3)レーザ加工装置20は、水晶基板1の基板厚を求める撮像部32の焦点位置と、
レーザ光23の集光点45の位置との関係をデータとして記憶していて、水晶基板1内の
任意の位置へ集光点を設定可能である。従って、レーザ光23の集光点45を水晶基板1
の厚さ方向に順に移動させて改質領域50を形成し、水晶基板1の厚さ方向全域に改質領
域50を形成可能である。これにより、厚い水晶基板1であっても、改質領域50に沿っ
て容易に切断可能である。また、チッピングなどが無く、外形寸法精度の良好な切断が可
能である。
(4)水晶基板1の厚さ方向に対し直交方向の改質領域50の幅は、約20μm程度の
微小幅であるため、水晶基板1の切断予定位置の近傍までSAWパターン3を形成可能で
ある。水晶基板1上のほぼ全面にSAWパターン3を無駄なく、多数形成することが可能
である。
(5)水晶基板1の厚みが100μm以下の薄基板であれば、1回の走査で厚み方向全
域に改質領域50を形成でき、外部応力のAまたはBを加えなくても、改質領域50に沿
って切断可能であるため、切断予定位置を直線に限らず自由な形状に設定可能である。
(実施形態2)
次に、本発明を具体化した実施形態2について説明する。図9は、実施形態2における
水晶基板の切断面の改質領域を示す断面図である。実施形態1との相違点は、水晶基板1
が、水晶54を挟んで光透過材であるパイレックス(R)ガラス55,55を張り合わせ
た多層の水晶基板53であることである。この水晶基板53は、水晶54の厚みが100
μm、パイレックス(R)ガラス55,55の厚みがそれぞれ200μmであり、総厚5
00μmである。
レーザ加工装置20の設定条件は、実施形態1と同様に、パルス幅△t2を300フェ
ムト秒、ピーク強度Rを1×1013(W/cm2)、載置台27の移動速度を5mm/秒
とすれば、水晶より光透過性の良いパイレックス(R)ガラス55であっても、パイレッ
クス(R)ガラス55の内部に改質領域56の形成が可能である。水晶基板53の場合は
、図9に示すように、5回のレーザ操作を実行して、改質領域56a,56b,56c,
56d,56eを形成している。
つまり、図6に示すフローチャートにおいて、ステップS8のあとに続けて、集光点位
置調整4、レーザ走査4、集光点位置調整5、レーザ走査5、の4工程を追加し、工程追
加したフローチャートに従って加工をすればよい。具体的には、レーザ走査1で改質領域
56aを形成し、レーザ走査2で改質領域56bを形成し、以下同様に、改質領域56e
までを形成する。改質領域56a,56b,56c,56d,56eが形成された水晶基
板53は、図8(a)に示すように、AまたはB方向に外部応力を加えることにより、図
8(b)に示す改質領域50に相当する改質領域56に沿って、容易に切断可能である。
以下に、実施形態2の効果を記載する。
(1)フェムト秒レーザの照射により、水晶54とパイレックス(R)ガラス55との
複合材である多層の水晶基板53であっても、それぞれの内部に改質領域56を形成可能
である。この改質領域56に沿って、水晶基板53を容易に、且つ、高精度で切断可能で
ある。これにより、水晶54とパイレックス(R)ガラス55などのような光透過材とが
多層になった水晶基板53の切断が、それぞれ同一のレーザ加工条件によって可能である
また、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、次のような変形例が挙げら
れる。
(変形例1)改質領域50a,50b,50cの形成時に、それぞれの改質領域長さh
の端部が重なり合うように、レーザ光23の集光点45を調整しても良い。こうすれば、
改質領域50a,50b,50cの各境界部において、改質領域50の未形成部分がわず
かであっても生じること無く、水晶基板1の厚み方向全面に改質領域50を確実に形成可
能である。これにより、図8に示す水晶基板1の切断がより確実で容易になる。
(変形例2)改質領域50の形成順序は、改質領域50aから形成するのではなく、改
質領域50cから形成しても良い。水晶基板1の厚み方向において載置台27から遠い位
置である改質領域50cから改質領域50を形成すれば、加工の最後まで載置台27に接
する水晶基板1の面が、改質領域50で分断されないため、水晶基板1を安定して載置可
能である。また、改質領域50aと改質領域50cのいずれかから形成し、最後に改質領
域50bを形成する方法も実施可能である。
(変形例3)多層の水晶基板53は、水晶54とパイレックス(R)ガラス55などの
光透過材とが張り合わされておらず、離反している状態のものであっても良い。水晶54
と光透過材のそれぞれの位置に合わせてレーザ光23の集光点45を調整して改質領域5
6を形成すれば、張り合わせた場合と同様の切断効果が得られる。
(変形例4)水晶基板1に形成されている機能素子は、SAWパターン3に限らず、水
晶振動子用の音叉状、H型、T型などの電極であっても良い。また、多層の水晶基板53
にも、水晶基板1と同様に、各種の機能素子が形成されていても良い。
(変形例5)照射機構部21における、レーザ光23の集光点45位置の調整は、集光
レンズ26側を固定し、水晶基板1側をX,Y,Z軸方向に移動可能な構成であるが、水
晶基板1側を固定し、レーザ光源24、ダイクロイックミラー25、集光レンズ26とを
一体でX,Y,Z軸方向に移動可能な構成としても良い。これにより、レーザ加工装置2
0の設計の自由度が広げられる。
(変形例6)照射機構部21のレーザ光源24は、固体光源としてチタンサファイアを
用いたフェムト秒レーザであるが、これに限定されず、例えば、YAGレーザやエキシマ
レーザ等を用いることも可能である。
圧電材である水晶を利用する振動子やフィルタの需要は、増加の一途を辿っており、合
わせて小型化も急速に進んでいる。このような状況下において、振動子やフィルタなどを
ウエハ状の水晶基板から、無駄なく効率的に多数個切り出すことが急務である。本発明は
、フェムト秒レーザを用いることにより、脆性な水晶基板1であっても内部に改質領域を
形成でき、この改質領域に沿って切断することにより、切断屑がほとんど出ず、また、切
断された形状精度が良好な切断方法である。水晶に限らず、光透過性の材料等に対して利
用範囲の広い有効な切断方法である。
複数のSAWパターンが形成されている水晶基板を示す平面図。 SAW共振片を示す平面図。 レーザ加工装置の構成を示すブロック図。 (a)一般的なパルスレーザのレーザ光の照射状態を示すグラフ。(b)パルス幅がピコ秒〜フェムト秒のレーザ光の照射状態を示すグラフ。 水晶基板内の集光点に形成された改質領域を示す断面図。 水晶基板の切断方法を示すフローチャート。 (a)レーザ走査1による改質領域の形成を示す断面図。(b)レーザ走査2による改質領域の形成を示す断面図。(c)レーザ走査3後の改質領域の形成状態を示す断面図。 (a)水晶基板の切断方法を示す断面図。(b)切断された水晶基板の状態を示す断面図。 実施形態2における水晶基板の切断面の改質領域を示す断面図。
符号の説明
1…水晶基板、3…SAWパターン、4…切断予定位置としてのX軸方向切断予定線、
5…切断予定位置としてのY軸方向切断予定線、9…SAW共振片、10…水晶片、20
…レーザ加工装置、21…照射機構部、22…ホストコンピュータ、23…レーザ光、2
4…レーザ光源、26…集光レンズ、27…載置台、31…移動機構部、32…撮像部、
35…制御部、36…画像処理部、37…レーザ制御部、38…移動制御部、45…集光
点、50a,50b,50c…改質領域、53…水晶基板、54…水晶、55…光透過材
としてのパイレックス(R)ガラス、56a,56b,56c,56d,56e…改質領
域、A…曲げ応力、B…引っ張り応力、h…改質領域長さ、P…レーザ光の強度、Q、R
…ピーク強度。

Claims (6)

  1. 複数の機能素子が表面に形成されている水晶基板をレーザ光によって前記水晶基板の切
    断予定位置に沿うように切断する水晶基板の切断方法であって、
    前記レーザ光の集光点が前記切断予定位置の前記水晶基板内部となるように前記集光点
    の位置を調整する調整工程と、
    前記切断予定位置における前記水晶基板の厚さ方向に多光子吸収による改質領域を形成
    するために、前記レーザ光をピコ秒からフェムト秒の範囲のパルス幅で照射する照射工程
    と、
    前記切断予定位置に沿うように前記改質領域を形成するために、前記水晶基板と前記レ
    ーザ光とを前記切断予定位置に沿って相対移動させる走査工程と、を有することを特徴と
    する水晶基板の切断方法。
  2. 請求項1に記載の水晶基板の切断方法において、
    前記調整工程は、前記水晶基板における前記レーザ光の入射面と前記入射面と反対側の
    表面の位置とを測定して、前記水晶基板の基板厚を測定する測定工程を含んでいることを
    特徴とする水晶基板の切断方法。
  3. 請求項1または2に記載の水晶基板の切断方法において、
    前記走査工程は、前記集光点を前記厚さ方向に移動させた複数回の前記相対移動を有し
    、それぞれの前記相対移動で形成された前記改質領域が前記厚さ方向に連続していること
    を特徴とする水晶基板の切断方法。
  4. 水晶と光透過材とが多層に形成された水晶基板をレーザ光によって前記水晶基板の切断
    予定位置に沿うように切断する水晶基板の切断方法であって、
    前記レーザ光の集光点が前記切断予定位置の前記水晶内部または前記光透過材内部とな
    るように前記集光点の位置を調整する調整工程と、
    前記切断予定位置における前記水晶および前記光透過材の厚さ方向に多光子吸収による
    改質領域を形成するために、前記レーザ光をピコ秒からフェムト秒の範囲のパルス幅で照
    射する照射工程と、
    前記切断予定位置に沿うように前記改質領域を形成するために、前記水晶基板と前記レ
    ーザ光とを前記切断予定位置に沿って相対移動させる走査工程と、を有することを特徴と
    する水晶基板の切断方法。
  5. 請求項4に記載の水晶基板の切断方法において、
    前記調整工程は、前記水晶基板における前記レーザ光の入射面と前記入射面と反対側の
    表面の位置とを測定して前記水晶基板の基板厚を測定する測定工程を含んでいることを特
    徴とする水晶基板の切断方法。
  6. 請求項4または5に記載の水晶基板の切断方法において、
    前記走査工程は、前記集光点を前記水晶および前記光透過材の前記厚さ方向に移動させ
    た複数回の前記相対移動を有し、それぞれの前記相対移動で形成された前記改質領域が前
    記厚さ方向に連続していることを特徴とする水晶基板の切断方法。
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