JP2007319882A - 積層体の製造方法、レーザ加工装置、表示装置、電気光学装置、電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ光を用いて積層体を切断・分割する製造方法において、基体同士が積層していたとしても、積層体を精度よく切断・分割することが可能な積層体の製造方法を提供する。
【解決手段】積層体Pの製造方法は、配線パターン11、12を有する積層体Pの製造方法であって、積層体Pに第1のレーザ光45aを照射して、第1の材料変質部47aを形成する第1の材料変質部形成工程と、積層体Pに第1のレーザ光45aとは照射角度θの異なる第2のレーザ光45bを照射して、第2の材料変質部47bを形成する第2の材料変質部形成工程と、積層体Pに応力Fを加えて、分割片Qを形成する工程と、分割片Qを除去する工程と、分割片Qを除去した後に、配線パターン11、12の導通検査をする工程と、を備えている。
【選択図】図5
【解決手段】積層体Pの製造方法は、配線パターン11、12を有する積層体Pの製造方法であって、積層体Pに第1のレーザ光45aを照射して、第1の材料変質部47aを形成する第1の材料変質部形成工程と、積層体Pに第1のレーザ光45aとは照射角度θの異なる第2のレーザ光45bを照射して、第2の材料変質部47bを形成する第2の材料変質部形成工程と、積層体Pに応力Fを加えて、分割片Qを形成する工程と、分割片Qを除去する工程と、分割片Qを除去した後に、配線パターン11、12の導通検査をする工程と、を備えている。
【選択図】図5
Description
本発明は、レーザ光による積層体の製造方法、レーザ加工装置、表示装置、および、電気光学装置、並びに、電子機器に関する。
従来、半導体材料基板、圧電材料基板、ガラス基板などの基板を切断する場合、基板にレーザ光を照射させて、切断・分割する方法があった。
例えば特許文献1に開示されているように、半導体材料基板、圧電材料基板、ガラス基板などの基板を切断・分割する方法では、その切断予定ラインに沿って基板が吸収するレーザ光を照射し、多光子吸収による改質領域部を基板の表面から裏面に向けて形成し、この改質領域部に沿って切断・分割することで分割片を形成する方法が提案されていた。
ところが、特許文献1の方法では、基板に配線パターンが形成されていて、基板の一部のみを取り除いてから配線パターンの導通検査をするような場合は、基板の厚さ方向に対して直角に形成された改質領域部では、基板から分割片が抜けにくくなってしまう傾向にあった。そして、積層体から分割片を取り除くことができず、結果的に、配線パターンの導通検査をすることが困難となっていた。また、積層体を個々のチップに分割してから配線パターンの導通検査をする方法を採用すれば、積層体から分割片を取り除くことは可能ではあるが、個々のチップに分割するのに多くの時間が必要となってくるため、非効率的であった。
本発明の目的は、レーザ光を用いて積層体を切断・分割する製造方法において、基体同士が積層していたとしても、積層体を精度よく切断・分割することが可能な積層体の製造方法を提供することである。
本発明の積層体の製造方法は、配線パターンを有する積層体の製造方法であって、前記積層体に第1のレーザ光を照射して、第1の材料変質部を形成する第1の材料変質部形成工程と、前記積層体に前記第1のレーザ光とは照射角度の異なる第2のレーザ光を照射して、第2の材料変質部を形成する第2の材料変質部形成工程と、前記積層体に応力を加えて、分割片を形成する工程と、前記分割片を除去する工程と、前記分割片を除去した後に前記配線パターンの導通検査をする工程と、を備えていることを特徴とする。
この発明によれば、積層体から分割片を除去した後に配線パターンの導通検査をすることができる。配線パターンの導通検査がチップに分割する前にできるようになれば、個々のチップの良否判定をすることができる。そこで、良品判定をしてから良品のみのチップを取り出すことができるようになれば、無駄な作業をすることが少なくなるので、効率的である。
本発明の積層体の製造方法は、前記積層体が、前記第1のレーザ光に対して透過性を有する材料で構成されており、前記第1の材料変質部形成工程では、前記積層体に前記第1のレーザ光を第1の集光素子で集光して照射させて、前記第1の材料変質部を形成することが望ましい。
この発明によれば、積層体の所定の位置に第1の材料変質部を形成することができる。
本発明の積層体の製造方法は、前記第1の材料変質部形成工程では、前記第1のレーザ光が、チタンサファイヤレーザ、またはYAGレーザのうちのいずれかであり、前記チタンサファイヤレーザ、または前記YAGレーザの基本波を照射させて、前記第1の材料変質部を形成することが望ましい。
この発明によれば、チタンサファイヤレーザ、またはYAGレーザの基本波を積層体に照射させると、チタンサファイヤレーザ、またはYAGレーザの基本波が、積層体に対して透過性を有している波長であるので、積層体の所定の位置に第1の材料変質部を形成することができる。
本発明の積層体の製造方法は、前記第1の材料変質部形成工程では、前記第1のレーザ光の位置が、前記積層体の厚さ方向に対して照射して配置されており、前記第1のレーザ光を照射して前記第1の材料変質部を形成することが望ましい。
この発明によれば、第1のレーザ光を積層体の厚さ方向に対して傾斜させて照射することで、第1の材料変質部を斜めに形成することができる。積層体から分割片を取り除くときに、分割片が第1材料変質部に沿って斜めに抜けてくるから、積層体から分割片を抜けやすくすることができるので、分割片を簡単に取り除くことができる。
本発明の積層体の製造方法は、前記積層体が、前記第2のレーザ光に対して透過性を有する材料で構成されており、前記第2の材料変質部形成工程では、前記積層体に前記第2のレーザ光を第2の集光素子で集光して照射させて、前記第2の材料変質部を形成することが望ましい。
この発明によれば、積層体の所定の位置に第2の材料変質部を形成することができる。
本発明の積層体の製造方法は、前記第2の材料変質部形成工程では、前記第2のレーザ光が、チタンサファイヤレーザ、またはYAGレーザのうちのいずれかであり、前記チタンサファイヤレーザ、または前記YAGレーザの基本波を照射させて、前記第2の材料変質部を形成することが望ましい。
この発明によれば、チタンサファイヤレーザ、またはYAGレーザの基本波を積層体に照射させると、チタンサファイヤレーザ、またはYAGレーザの基本波が、積層体に対して透過性を有している波長であるので、積層体の所定の位置に第2の材料変質部を形成することができる。
本発明の積層体の製造方法は、前記第2の材料変質部形成工程では、前記第2のレーザ光の位置が、前記積層体の厚さ方向に対して照射して配置されており、前記第2のレーザ光を照射して、前記第2の材料変質部を形成することが望ましい。
この発明によれば、第2のレーザ光を積層体の厚さ方向に対して照射させて照射することで、第2の材料変質部を斜めに形成することができる。積層体から分割片を取り除くときに、分割片が第2材料変質部に沿って斜めに抜けてくるから、積層体から分割片を抜けやすくすることができるので、分割片を簡単に取り除くことができる。
本発明の積層体の製造方法は、前記第2の材料変質部形成工程では、前記第2のレーザ光の光強度が、前記第1のレーザ光の光強度と略等しいことが望ましい。
この発明によれば、第1のレーザ光と、第2のレーザ光との、光強度が略等しいので、第1の材料変質部と、第2の材料変質部とを、ほぼ均等に形成することができる。そこで、積層体から分割片を形成する時に、ほぼ均等に応力が加わることになるから、分割不良による品質低下を抑制することができる。
本発明の積層体の製造方法は、前記第2の材料変質部形成工程では、前記第2のレーザ光が、前記第1のレーザ光とほぼ同時に照射され、前記第2の材料変質部を形成することが望ましい。
この発明によれば、第1のレーザ光と、第2のレーザ光とを、ほぼ同時に照射することで、第1の材料変質部と、第2の材料変質部とを、ほぼ同時に形成することができるので、効率的である。
本発明の積層体の製造方法は、前記分割片を形成する工程では、前記積層体に曲げ応力または引っ張り応力のうち、いずれか一方の応力を加えて、前記分割片を形成することが望ましい。
この発明によれば、積層体に応力を加えるだけで積層体を切断・分割することができるので、分割片を簡単に形成することができる。
本発明の積層体の製造方法は、前記分割片を除去する工程では、前記分割片の除去方法が、真空吸着方法により前記分割片を除去することが望ましい。
この発明によれば、分割片を除去するときに真空吸着方法を採用することで、分割片を簡単に除去することができるので、効率的である。
本発明のレーザ加工装置は、積層体にレーザ光を照射させて、前記積層体を切断するレーザ加工装置であって、前記積層体を載置可能なステージと、前記ステージを制御するステージ制御部と、前記レーザ光は、光を反射する第1の反射板で反射した第1のレーザ光と、前記第1のレーザ光とは角度の異なる第2の反射板で反射した第2のレーザ光と、を含み、前記第1のレーザ光を集光する第1の集光素子と、前記第2のレーザ光を集光する第2の集光素子と、前記第1のレーザ光および前記第2のレーザ光を照射するレーザ光源と、前記レーザ光源を制御するレーザ制御部と、前記第1の反射板および前記第2の反射板の角度を制御するミラー制御部と、前記第1の集光素子および第2の集光素子の位置を制御するレンズ制御部と、前記ステージ制御部と、前記レーザ制御部と、前記ミラー制御部と、レンズ制御部とを、制御する制御部を、備え、前記制御部は、前記第1の反射板および前記第2の反射板の角度を制御することで、第1の材料変質部および第2の材料変質部を照射させて形成することを特徴とする。
この発明によれば、レーザ光源から照射されたレーザ光を第1のレーザ光と、第2のレーザ光とに分けて、第1の材料変質部および第2の材料変質部をそれぞれ照射させて形成することが可能なレーザ加工装置を提供できる。
本発明のレーザ加工装置は、前記第1のレーザ光および前記第2のレーザ光が、チタンサファイヤレーザ、YAGレーザのいずれかであり、前記チタンサファイヤレーザ、または前記YAGレーザの基本波を照射する前記レーザ光源を備えていることが望ましい。
この発明によれば、チタンサファイヤレーザ、またはYAGレーザの基本波が、基体に対して透過性を有している波長であるので、基体の所定の位置に材料変質部を形成することが可能なレーザ加工装置を提供できる。
本発明の表示装置は、前述に記載の積層体の製造方法を用いて形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、品質問題を抑制することが可能な製造方法で製造されているので、より品質の良好な表示装置を提供することができる。
本発明の電気光学装置は、前述に記載の表示装置を備えていることを特徴とする。
この発明によれば、より品質の良好な表示装置を備えているので、より表示品質の良好な電気光学装置を提供することができる。
本発明の電子機器は、前述に記載の電気光学装置を備えていることを特徴とする。
この発明によれば、より表示品質の良好な電気光学装置を備えているので、より表示性能の良好な電子機器を提供することができる。
以下、本発明の積層体の製造方法について実施形態を挙げ、添付図面に沿って詳細に説明する。なお、本発明の特徴的な製造方法について説明する前に、本実施形態で使用する基板、および基板内部に材料変質部を形成する形成方法について説明する。
<基体>
<基体>
本実施形態で用いうる基板は、その材料にガラス、石英、水晶、シリコン、などの材料(主に、セラミックス材料)を用いることができる。なお、ここでは、基板材料として石英を用いた。
<材料変質部の形成方法>
<材料変質部の形成方法>
基板にレーザ光を照射して基板内部に材料変質部を形成する形成方法について説明する。
図1は、レーザ光による改質層としての材料変質部の形成方法を説明するための説明図である。
図1において、基板Pの内部にレーザ光45を集光して照射させて、スキャン方向X(分割方向)に、レーザ光45をスキャンする。レーザ光45は集光素子としてのレンズ46で集光されるから、基板Pの内部に焦点を合わせることができる。スキャン方向X(分割方向)に、レーザ光45をスキャンさせると、基板Pの内部に改質層としての材料変質部47を形成できる。なお、レーザ光45のスキャン方向Xにおける移動速度は、100mm/secである。基板Pの厚さは約200μmである。
また、レーザ光45を1回スキャンさせるだけでは、改質層としての材料変質部47のできる量が数十μmであるので、基板Pの深さ方向全域に材料変質部47を形成するためには、レーザ光45を何回かスキャン方向X(分割方向)にスキャンさせる必要がある。そして、レーザ光45をスキャンさせるごとに、集光素子としてのレンズ46の焦点位置を基板Pの下面から上面に向かって上昇させる。ここで、基板Pの下面から上面に向けてレーザ光45の焦点位置を上昇させるのは、先に形成された材料変質部47によってレーザ光45が散乱してしまい、基板Pの深さ方向全域にわたって材料変質部47を形成することができなくなることを避けるためである。
(実施形態)
本実施形態では、積層体の面に照射角度の異なる2種類のレーザ光を照射させて照射して、積層体内部に2種類の材料変質部を形成し、積層体の外部から応力を加えて積層体の一部を切断・分割して分割片を形成し、その分割片を除去して、配線パターンの導通検査をする表示装置の製造方法について説明する。
本実施形態では、積層体の面に照射角度の異なる2種類のレーザ光を照射させて照射して、積層体内部に2種類の材料変質部を形成し、積層体の外部から応力を加えて積層体の一部を切断・分割して分割片を形成し、その分割片を除去して、配線パターンの導通検査をする表示装置の製造方法について説明する。
図2は、本実施形態におけるレーザ加工装置の概略図であり、図3は、レーザ加工装置の制御系のブロック図である。
図2および図3を参照して、レーザ加工装置について説明する。
図2に示すように、レーザ加工装置100は、第1のレーザ光45aおよび第2のレーザ光45bを射出するレーザ光源101と、レーザ光源101から射出されたレーザ光を反射する第1の反射板としてのダイクロイックミラー102a、第2の反射板としてのダイクロイックミラー102bとを、備えている。また、ダイクロイックミラー102aは、入射したレーザ光のうち略1/2の光量を反射させ、反射させて残ったレーザ光の残りの光量を透過する機能を有しており、ダイクロイックミラー102bは、入射したレーザ光の光量を全反射する機能を有している。そして、これらダイクロイックミラー102aおよびダイクロイックミラー102bは、同図に示すように、積層体Pの表面に対して斜めに配置されている。
レーザ加工装置100は、ダイクロイックミラー102aで反射した第1のレーザ光45aを集光する第1の集光素子としてのレンズ46aと、ダイクロイックミラー102bで反射した第2のレーザ光45bを集光する第2の集光素子としてのレンズ46bとを、備えている。そして、これらレンズ46aおよびレンズ46bは、同図に示すように、積層体Pの表面に対して斜めに配置されている。
また、加工対象物である積層体Pを載置するステージ107と、ステージ107を集光素子としてのレンズ46a、46bに対して、X軸方向、Y軸方向へ移動させるX軸スライド部110およびY軸スライド部108とを、備えている。
また、ステージ107に載置された積層体Pに対して集光素子としてのレンズ46aのZ軸方向の位置を変えてレーザ光の集光点の位置を調整するZ軸スライド機構104を備えている。集光素子としてのレンズ46aは、Z軸スライド機構104から延びたスライドアーム104aによって支持されている。同様に、集光素子としてのレンズ46bのZ軸方向の位置を変えてレーザ光の集光点の位置を調整するZ軸スライド機構105を備えている。集光素子としてのレンズ46bは、Z軸スライド機構105から延びたスライドアーム105aによって支持されている。これら集光素子としてのレンズ46aおよび46bは、倍率が50倍、開口数が0.8、WD(Working Distance)が3mmの対物レンズである。
さらに、ダイクロイックミラー102aを挟んで集光素子としてのレンズ46aの反対側に位置する撮像装置112aを備えている。同様に、ダイクロイックミラー102bを挟んで集光素子としてのレンズ46bの反対側に位置する撮像装置112bを備えている。これら撮像装置112aおよび112bは、同軸落射型光源(図示省略)と、CCD(Charge Coupled Device)(図示省略)とが、組み込まれたものである。撮像装置112aおよび112bは、画像を撮像することができ、撮像した画像データは、画像処理部124に取り込まれるように構成されている。そして、同軸落射型光源から射出した可視光は、集光素子としてのレンズ46aおよび46bを透過して焦点を結ぶ。
ここで、第1のレーザ光45aおよび第2のレーザ光45bは、積層体Pに対して透過性を有するものが採用される。本実施形態では、レーザ光源101から射出されるレーザ光には、半導体レーザを励起するYAGレーザを採用した。YAGレーザは、ナノ秒のパルス幅で射出するいわゆるナノ秒レーザである。第1のレーザ光45aおよび第2のレーザ光45bの詳細な条件は以下のとおりである。レーザ光源は、半導体レーザを励起するものである。レーザ媒質:Nd:YAG。レーザ波長:1064nm。レーザ光スポット断面積:3.14×10-8cm2。発振形態:Qスイッチパルス。繰り返し周波数:100KHz。パルス幅:30ns。出力:20μJ/パルス。レーザ光品質:TEM00。偏光特性:直線偏光(C)。集光用レンズ倍率:50倍。NA:0.55。レーザ光波長に対する透過率:60%(D)。移動速度:100mm/secである。
YAGレーザのレーザ波長は、1064nmにこだわることはなく、例えばYAGレーザの第2高調波を用いてもよい。第2高調波のレーザ波長は、532nmである。また、第1のレーザ光45aおよび第2のレーザ光45bは、YAGレーザでなくてもよく、例えばチタンサファイヤレーザに代表される超短パルスレーザを採用してもよい。超短パルスレーザであるチタンサファイヤレーザを使用すれば、収差の影響でビーム径が多少大きくなったとしても、問題なく内部加工ができ、材料変質部47(図1参照)を形成することができる。この場合の第1のレーザ光45aおよび第2のレーザ光45bの詳細な条件は以下のとおりである。レーザ波長:約800nm。パルス幅:約300fs(フェムト秒)。パルス周期:1kHz。出力:約700mWである。
第1のレーザ光45aおよび第2のレーザ光45bを射出するレーザ光源101は、レーザ制御部121によって所定の条件で制御されている。
図3に示すように、レーザ加工装置100(図2参照)は、上記各構成を制御することができるメインコンピュータ120を備えている。メインコンピュータ120には、CPU127(Central Processing Unit)と、RAM128(Random Access Memory)と、画像処理部124とを、備えている。CPU127は、加工異常が発生したら、その判定をすることができる機能を有している。RAM128は、切断予定ラインの座標位置を記憶しておくことができる機能を有している。
メインコンピュータ120は、入力部125と、表示部126と、接続されている。入力部125は、レーザ加工の際に用いられる各種加工条件のデータを入力することができる。表示部126は、レーザ加工時の各種情報を表示することができる。
レーザ制御部121は、I/F131を介して、バッファ129によってメインコンピュータ120と接続されており、第1レーザ光源101の出力や、パルス幅、パルス周期などを制御することができる。
レンズ制御部122は、I/F131を介して、バッファ129によってメインコンピュータ120と接続されている。レンズ制御部122には、移動距離を検出することが可能な位置センサ(図示省略)が内蔵されている。そして、この位置センサの出力を検出することにより、図2に示すZ軸スライド機構104、105を駆動して集光素子としてのレンズ46a、46bのZ軸方向の位置を制御することができる。
ステージ制御部123は、I/F131を介して、バッファ129によってメインコンピュータ120と接続されている。ステージ制御部123は、図2に示すX軸スライド部110と、Y軸スライド部108とを、それぞれレール111、109(図2参照)に沿って移動させるサーボモータ(図示省略)を駆動することができる。
画像処理部124は、撮像装置112a、112bと接続されている。画像処理部124は、撮像装置112a、112bで取得された画像情報の撮像データに基づいて、集光素子としてのレンズ46a、46bのZ軸方向の位置を確認することや、集光素子としてのレンズ46a、46bの焦点位置を調整する処理を行うことができる。さらに、画像処理部124は、積層体Pにおける切断予定ラインの位置を確認することや、その位置を調整する処理を行うこともできる。
ミラー制御部132は、I/F131を介して、バッファ129によってメインコンピュータ120と接続されている。ミラー制御部132は、ダイクロイックミラー102a、102bを回転させる制御をすることができる。ダイクロイックミラー102a、102bを回転させることで、第1レーザ光45a、第2レーザ光45bの射出角度を変更することができる。
レーザ加工装置100は、これら、レーザ制御部121と、レンズ制御部122と、ステージ制御部123と、ミラー制御部132と、画像処理部124とを、制御することができる制御部としてのメインコンピュータ120を備えている。
図4は、本実施形態における積層体の図であり、図(a)は、平面図であり、図(b)は、図(a)のA−A線に沿って切断した概略断面図である。
図4を参照して、積層体について説明する。
図4(a)に示すように、積層体Pには、シール材4と、配線パターン11と、入力側配線パターン12とが、形成されている。そして、これらシール材4、配線パターン11、入力側配線パターン12は、積層体Pに複数形成されている。
図4(b)に示すように、積層体Pは、基板P1と、基板P2とで構成されており、基板P1の上には、シール材4と、配線パターン11と、入力側配線パターン12とが、形成されている。シール材4で囲まれた液晶注入部5aには、所定の量の液晶5が注入されている。基板P2には、第1の材料変質部47aと、第2の材料変質部47bとを、有している。これら第1の材料変質部47a、第2の材料変質部47bは、積層体Pのその平面に対して所定の照射角度θだけ傾いている。この照射角度θは、15度である。ここで、基板P2の上部におけるm1と、n1との間隔が幅H1であり、同様に、基板P2の下部におけるm2と、n2との間隔が幅H2である。図に示すように、基板P2における上部の幅H1の方が、下部の幅H2より広い。
図5は、本実施形態における積層体を切断・分割して分割片を形成する製造方法を示す図であり、図(a)は、第1のレーザ光および第2のレーザ光を照射して第1の材料変質部および第2の材料変質部を形成する形成過程を示す図であり、図(b)は、応力を加える図であり、図(c)は、分割片を示す図であり、図(d)は、導通検査を示す図である。図6は、積層体を切断・分割して導通検査をする製造手順を説明するためのフローチャートである。
図5および図6を参照して、分割片の製造方法について説明する。より、具体的には、積層体の表面に対して材料変質部を斜めに形成して、分割片を除去してから配線パターンの導通検査をする分割片の製造方法について説明する。
図6のステップS1では、図5(a)に示すように、内部加工を行う。この内部加工では、第1のレーザ光45aを集光素子としてのレンズ46aで集光して積層体P(基板P2)に対して照射して、積層体Pの内部に第1の材料変質部47a(図5(b)参照)を形成する。同様に、第2のレーザ光45bを集光素子としてのレンズ46bで集光して積層体P(基板P2)に対して照射して、積層体Pの内部に第2の材料変質部47b(図5(b)参照)を形成する。そして、積層体P(基板P2)の厚さ方向全域に第1の材料変質部47a、第2の材料変質部47bを形成する(図5(b)参照)。ここで射出される第1のレーザ光45aおよび第2のレーザ光45bは、YAGレーザを採用したナノ秒レーザである。
次に、図6のステップS2では、図5(b)に示すように、分割を行う。ここでの分割方法は、積層体P(基板P2)の上面側から積層体Pに対して応力Fを加える。積層体Pの外部から応力Fを加える方法としては、例えば切断予定ラインに沿って積層体P(基板P2)に曲げや、せん断応力を加えることである。また、積層体Pに温度差を与えることによって熱応力を発生させることでもできる。第1の材料変質部47aおよび第2の材料変質部47bを有する積層体Pに対して外部から応力Fを加えると、第1の材料変質部47aおよび第2の材料変質部47bに沿って基板P2が割れ、分割片Qを形成することができる。
次に、図6のステップS3では、図5(c)に示すように、分割片Qの除去を行う。ここでの分割片Qの除去方法は、真空ピンセットなどを使用して積層体P(基板P2)から分割片Qを持ち上げる方法でできる。
次に、図6のステップS4では、図5(d)に示すように、導通検査を行う。ここでの導通検査の方法は、分割片Qを除去した後に、テスタTを用いて、テスタ端子T1と配線パターン11とを接続し、テスタ端子T2と入力側配線パターン12とを接続して、導通検査を行う。この導通検査の結果、問題がなければ、基板P1を切断して、その箇所のチップのみを取り出す。
以上のような実施形態の積層体の製造方法によれば、以下の効果が得られる。
(1)積層体Pから分割片Qを除去した後に、配線パターン11、入力側配線パターン12の導通検査をすることができる。配線パターン11、入力側配線パターン12の導通検査がチップに分割する前にできるようになれば、個々のチップの良否判定をすることができる。そこで、良品判定をしてから良品のみのチップを取り出すことができるようになれば、無駄な作業をすることが少なくなるので、効率的である。
(2)積層体Pの所定の位置に第1の材料変質部47aや、第2の材料変質部47bを形成することができる。
(3)チタンサファイヤレーザ、またはYAGレーザの基本波を積層体Pに照射させると、チタンサファイヤレーザ、またはYAGレーザの基本波が、積層体Pに対して透過性を有している波長であるので、積層体Pの所定の位置に第1の材料変質部47aや、第2の材料変質部47bを形成することができる。
(4)第1のレーザ光45aや、第2のレーザ光45bを積層体Pの厚さ方向に対して傾斜させて照射することで、第1の材料変質部47aや、第2の材料変質部47bを斜めに形成することができる。積層体Pから分割片Qを取り除くときに、分割片Qが第1材料変質部47aや、第2の材料変質部47bに沿って斜めに抜けてくるから、積層体Pから分割片Qを抜けやすくすることができるので、分割片Qを簡単に取り除くことができる。
(5)第1のレーザ光45aと、第2のレーザ光45bとの、光強度が略等しいので、第1の材料変質部47aと、第2の材料変質部47bとを、ほぼ均等に形成することができる。そこで、積層体Pから分割片Qを形成する時に、ほぼ均等に応力Fが積層体Pに加わることになるから、分割不良による品質低下を抑制することができる。
(6)積層体Pに第1のレーザ光45aと、第2のレーザ光45bとを、ほぼ同時に照射することで、第1の材料変質部47aと、第2の材料変質部47bとを、ほぼ同時に形成することができるので、効率的である。
(7)積層体Pに応力Fを加えるだけで積層体Pを切断・分割することができるので、分割片Qを簡単に形成することができる。
(8)分割片Qを除去するときに真空吸着方法を採用することで、分割片Qを簡単に除去することができるので、効率的である。
(9)レーザ光源101から照射されたレーザ光を第1のレーザ光45aと、第2のレーザ光45bとに分けて、第1の材料変質部47aおよび第2の材料変質部47bをそれぞれ照射させて形成することが可能なレーザ加工装置を提供できる。
(10)チタンサファイヤレーザ、またはYAGレーザの基本波が、積層体Pに対して透過性を有している波長であるので、積層体Pの所定の位置に第1の材料変質部47aおよび第2の材料変質部47bを形成することが可能なレーザ加工装置100を提供できる。
(1)積層体Pから分割片Qを除去した後に、配線パターン11、入力側配線パターン12の導通検査をすることができる。配線パターン11、入力側配線パターン12の導通検査がチップに分割する前にできるようになれば、個々のチップの良否判定をすることができる。そこで、良品判定をしてから良品のみのチップを取り出すことができるようになれば、無駄な作業をすることが少なくなるので、効率的である。
(2)積層体Pの所定の位置に第1の材料変質部47aや、第2の材料変質部47bを形成することができる。
(3)チタンサファイヤレーザ、またはYAGレーザの基本波を積層体Pに照射させると、チタンサファイヤレーザ、またはYAGレーザの基本波が、積層体Pに対して透過性を有している波長であるので、積層体Pの所定の位置に第1の材料変質部47aや、第2の材料変質部47bを形成することができる。
(4)第1のレーザ光45aや、第2のレーザ光45bを積層体Pの厚さ方向に対して傾斜させて照射することで、第1の材料変質部47aや、第2の材料変質部47bを斜めに形成することができる。積層体Pから分割片Qを取り除くときに、分割片Qが第1材料変質部47aや、第2の材料変質部47bに沿って斜めに抜けてくるから、積層体Pから分割片Qを抜けやすくすることができるので、分割片Qを簡単に取り除くことができる。
(5)第1のレーザ光45aと、第2のレーザ光45bとの、光強度が略等しいので、第1の材料変質部47aと、第2の材料変質部47bとを、ほぼ均等に形成することができる。そこで、積層体Pから分割片Qを形成する時に、ほぼ均等に応力Fが積層体Pに加わることになるから、分割不良による品質低下を抑制することができる。
(6)積層体Pに第1のレーザ光45aと、第2のレーザ光45bとを、ほぼ同時に照射することで、第1の材料変質部47aと、第2の材料変質部47bとを、ほぼ同時に形成することができるので、効率的である。
(7)積層体Pに応力Fを加えるだけで積層体Pを切断・分割することができるので、分割片Qを簡単に形成することができる。
(8)分割片Qを除去するときに真空吸着方法を採用することで、分割片Qを簡単に除去することができるので、効率的である。
(9)レーザ光源101から照射されたレーザ光を第1のレーザ光45aと、第2のレーザ光45bとに分けて、第1の材料変質部47aおよび第2の材料変質部47bをそれぞれ照射させて形成することが可能なレーザ加工装置を提供できる。
(10)チタンサファイヤレーザ、またはYAGレーザの基本波が、積層体Pに対して透過性を有している波長であるので、積層体Pの所定の位置に第1の材料変質部47aおよび第2の材料変質部47bを形成することが可能なレーザ加工装置100を提供できる。
次に本発明に係る、表示装置としての液晶パネルについて説明する。
図7は、本実施形態における液晶パネルの構造を示す概略図であり、図(a)は、概略平面図であり、図(b)は、図(a)のA−A線に沿って切断した概略断面図である。
図7(a)および(b)に示すように、液晶パネル10は、TFT3を有するTFT基板1と、対向電極6を有する対向基板2と、シール材4によって接着されたTFT基板1と、対向基板2との隙間に充填された液晶5とを備えている。
TFT基板1には、厚さ約1.2mmの石英基板が用いられており、その表面には画素
を構成する画素電極(図示省略)と、複数のトランジスタ素子(図示省略)で構成されて
いるTFT3とが形成されている。TFT3を構成する個々のトランジスタ素子の3端子
のうちの一つは画素電極に接続されており、残りの二つは、画素電極を囲んで互いに絶縁
状態で格子状に配置されたデータ線(図示省略)と走査線(図示省略)とに接続されてい
る。データ線および走査線は、配線パターン11を介して端子部1aにおいて駆動回路部9に接続されている。駆動回路部9の入力側配線パターン12は、端子部1aに配列形成された実装端子13に接続されている。
を構成する画素電極(図示省略)と、複数のトランジスタ素子(図示省略)で構成されて
いるTFT3とが形成されている。TFT3を構成する個々のトランジスタ素子の3端子
のうちの一つは画素電極に接続されており、残りの二つは、画素電極を囲んで互いに絶縁
状態で格子状に配置されたデータ線(図示省略)と走査線(図示省略)とに接続されてい
る。データ線および走査線は、配線パターン11を介して端子部1aにおいて駆動回路部9に接続されている。駆動回路部9の入力側配線パターン12は、端子部1aに配列形成された実装端子13に接続されている。
対向基板2は、対向基板本体2a、マイクロレンズ15およびカバーガラス16より構成されている。対向基板本体2aには、厚さ約1.1mmの石英基板が用いられており、TFT基板1の画素電極に対向する部分にはマイクロレンズ面2bが形成されている。マイクロレンズ15は、対向基板本体2aのマイクロレンズ面2bに合性樹脂を充填することにより形成したものである。カバーガラス16には、厚さ約50μmの石英基板が用いられており、マイクロレンズ15を形成している合性樹脂により、対向基板本体2aに接着されている。
マイクロレンズ15は、液晶パネル10の開口率を向上させる働きをしており、画素電
極とは一対一で対応している。カバーガラス16は、対向基板本体2aの全域を覆うこと
により、マイクロレンズ15を保護している。
極とは一対一で対応している。カバーガラス16は、対向基板本体2aの全域を覆うこと
により、マイクロレンズ15を保護している。
対向基板2には、共通電極としての対向電極6が設けられている。対向電極6は、対向
基板2の四隅に設けられた上下導通部14を介してTFT基板1側に設けられた配線パタ
ーン(図示省略)と導通しており、当該配線パターンも端子部1aに設けられた実装端子
13に接続されている。液晶5に面するTFT基板1の表面および対向基板2の表面には、それぞれ配向膜7、8が形成されている。
基板2の四隅に設けられた上下導通部14を介してTFT基板1側に設けられた配線パタ
ーン(図示省略)と導通しており、当該配線パターンも端子部1aに設けられた実装端子
13に接続されている。液晶5に面するTFT基板1の表面および対向基板2の表面には、それぞれ配向膜7、8が形成されている。
液晶パネル10は、外部駆動回路(図示省略)と電気的に繋がる中継基板(図示省略)
が実装端子13に接続される。そして、外部駆動回路からの入力信号が駆動回路部9に入
力されることにより、TFT3が画素電極ごとにスイッチングされ、画素電極と対向電極
6との間に駆動電圧が印加されて表示が行われる。
が実装端子13に接続される。そして、外部駆動回路からの入力信号が駆動回路部9に入
力されることにより、TFT3が画素電極ごとにスイッチングされ、画素電極と対向電極
6との間に駆動電圧が印加されて表示が行われる。
液晶パネル10が、本発明の切断・分割方法で製造されているので、TFT基板1にごみKが付着していたとしても、外形精度の良好な分割片Qを製造することができる。
次に本発明に係る、電気光学装置の一例である液晶表示装置について説明する。
図8は、電気光学装置としての液晶表示装置の分解斜視図である。
図8に示すように、液晶表示装置500は、多層回路基板30を備えている。そして、液晶表示装置500は、カラー表示用の液晶パネル10と、液晶パネル10に接続される多層回路基板30と、多層回路基板30に実装される液晶駆動用IC300などで構成されている。なお必要に応じて、バックライト等の照明装置や、その他の付帯機器が、液晶パネル10に付設される。なお、液晶表示装置500は、COF(Chip・On・Film)構造である。
液晶パネル10は、シール材4によって接着された一対のTFT基板1および対向基板2を有し、これらのTFT基板1と、対向基板2との、間に形成される間隙(セルギャップ)に液晶5(図7参照)が封入され、封入された液晶5は、TFT基板1と、対向基板2とに、よって挟持される。これらのTFT基板1と、対向基板2とは、一般には透光性材料、例えば石英、ガラス、合成樹脂等によって形成される。TFT基板1および対向基板2の外側表面には偏光板56が貼り付けられている。
また、TFT基板1の内側表面には画素電極66が形成され、対向基板2の内側表面には対向電極6が形成される。これらの画素電極66、対向電極6は、例えばITO((Indium・Tin・Oxide):インジウムスズ酸化物)等の透光性材料によって形成される。TFT基板1は対向基板2に対して張り出した張り出し部を有し、この張り出し部に複数の実装端子13が形成されている。これらの実装端子13は、TFT基板1上に画素電極66を形成するときに画素電極66と同時に形成される。従って、これらの実装端子13は、例えばITOによって形成される。これらの実装端子13には、画素電極66から一体に延びるもの、および導電材(図示省略)を介して対向電極6に接続されるものが含まれる。
一方、多層回路基板30の表面には、配線パターン39a、39bが形成されている。すなわち、多層回路基板30の一方の短辺から中央に向かって入力用配線パターン39aが形成され、他方の短辺から中央に向かって出力用配線パターン39bが形成されている。これらの入力用配線パターン39aおよび出力用配線パターン39bの中央側の端部には、電極パッド(図示省略)が形成されている。
多層回路基板30の表面には、液晶駆動用IC300が実装されている。具体的には、多層回路基板30の表面に形成された複数の電極パッド(図示省略)に対して、液晶駆動用IC300の能動面に形成された複数のバンプ電極が、ACF(Anisotropic・Conductive・Film:異方性導電膜)160を介して接続されている。このACF160は、熱可塑性又は熱硬化性の接着用樹脂の中に、多数の導電性粒子を分散させることによって形成されている。このように、多層回路基板30の表面に液晶駆動用IC300を実装することにより、いわゆるCOF構造が実現されている。
そして、液晶駆動用IC300を備えた多層回路基板30が、液晶パネル10のTFT基板1に接続されている。具体的には、多層回路基板30の出力用配線パターン39bが、ACF140を介して、TFT基板1の実装端子13と電気的に接続されている。なお、多層回路基板30は可撓性を有するので、自在に折り畳むことによって省スペース化を実現しうるようになっている。
上記のように構成された液晶表示装置500では、多層回路基板30の入力用配線パターン39aを介して、液晶駆動用IC300に信号が入力される。すると、液晶駆動用IC300から、多層回路基板30の出力用配線パターン39bを介して、液晶パネル10に駆動信号が出力される。これにより、液晶パネル10において画像表示が行われるようになっている。
品質が良好で、より安価な表示装置としての液晶パネル10を備えているので、表示品質が良好で、より安価な電気光学装置としての液晶表示装置500を提供することができる。
次に本発明の、電気光学装置としての液晶表示装置を搭載した電子機器について説明する。
図9は、電子機器としての携帯電話の斜視図である。
図9に示すように、本実施形態の電子機器としての携帯電話2000は、上述した液晶表示装置500を表示手段として搭載している。携帯電話2000は、表示部2001を備えている。このように本発明に係る電子機器としての携帯電話2000は、簡単に切断・分割することが可能な電気光学装置としての液晶表示装置500を備えることができるので、生産効率の良好な電子機器としての携帯電話2000を提供できる。また、電子機器としては、携帯電話2000にこだわることはなく、例えばプリンタ、腕時計、NOTE―PC、PDA、電子ペーパ、と呼ばれる携帯型情報機器、携帯端末機器、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、デジタルスチルカメラ、車載用モニタ、モニタ直視型のデジタルビデオレコーダ、カーナビゲーション装置、電子手帳、ワークステーション、テレビ電話機、POS端末機等々の画像表示手段として好適に用いることができる。このようにすれば、電気光学装置としての液晶表示装置500の用途は広がり、いろいろな電子機器を提供できる。
以上、好ましい実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形をも含み、本発明の目的を達成できる範囲で、他のいずれの具体的な構造および形状に設定できる。
(変形例1)
前述の実施形態で、第1のレーザ光45aおよび第2のレーザ光45bの照射角度を15度にしたがこれに限らない。例えば第1のレーザ光45aおよび第2のレーザ光45bの照射角度を15度以上にしてもよいし、15度以下にしてもよい。このようにしても、第1のレーザ光45aおよび第2のレーザ光45bを用いて、照射角度θを有する第1の材料変質部47aおよび第2の材料変質部47bを形成することができるので、実施形態と同様の効果が得られる。
前述の実施形態で、第1のレーザ光45aおよび第2のレーザ光45bの照射角度を15度にしたがこれに限らない。例えば第1のレーザ光45aおよび第2のレーザ光45bの照射角度を15度以上にしてもよいし、15度以下にしてもよい。このようにしても、第1のレーザ光45aおよび第2のレーザ光45bを用いて、照射角度θを有する第1の材料変質部47aおよび第2の材料変質部47bを形成することができるので、実施形態と同様の効果が得られる。
(変形例2)
前述の実施形態で、第1のレーザ光45aおよび第2のレーザ光45bの照射角度を略等しくしたがこれに限らない。例えば第1のレーザ光45aの照射角度を第2のレーザ光45bの照射角度より大きくしてもよいし、第2のレーザ光45bの照射角度を第1のレーザ光45aの照射角度より大きくしてもよい。このようにしても、第1のレーザ光45aおよび第2のレーザ光45bを用いて、照射角度θの異なる第1の材料変質部47aと、第2の材料変質部47bとを、形成することができるので、実施形態と同様の効果が得られる。
前述の実施形態で、第1のレーザ光45aおよび第2のレーザ光45bの照射角度を略等しくしたがこれに限らない。例えば第1のレーザ光45aの照射角度を第2のレーザ光45bの照射角度より大きくしてもよいし、第2のレーザ光45bの照射角度を第1のレーザ光45aの照射角度より大きくしてもよい。このようにしても、第1のレーザ光45aおよび第2のレーザ光45bを用いて、照射角度θの異なる第1の材料変質部47aと、第2の材料変質部47bとを、形成することができるので、実施形態と同様の効果が得られる。
(変形例3)
前述の実施形態で、第1のレーザ光45aおよび第2のレーザ光45bを同時に照射させたがこれに限らない。例えば第1のレーザ光45aを照射してから、第2のレーザ光45bを照射してもかまわない。このようにしても、照射角度θを有する第1の材料変質部47aおよび第2の材料変質部47bを形成することができるので、実施形態と同様の効果が得られる。
前述の実施形態で、第1のレーザ光45aおよび第2のレーザ光45bを同時に照射させたがこれに限らない。例えば第1のレーザ光45aを照射してから、第2のレーザ光45bを照射してもかまわない。このようにしても、照射角度θを有する第1の材料変質部47aおよび第2の材料変質部47bを形成することができるので、実施形態と同様の効果が得られる。
10…表示装置としての液晶パネル、45a…第1のレーザ光、45b…第2のレーザ光、46a…第1の集光素子としてのレンズ、46b…第2の集光素子としてのレンズ、47a…改質層としての第1の材料変質部、47b…改質層としての第2の材料変質部、100…レーザ加工装置、101…第1レーザ光源、102a…第1の反射板としてのダイクロイックミラー、102b…第2の反射板としてのダイクロイックミラー、107…ステージ、112a…撮像装置、112b…撮像装置、120…制御部としてのメインコンピュータ、121…レーザ制御部、122…レンズ制御部、123…ステージ制御部、132…ミラー制御部、500…電気光学装置としての液晶表示装置、2000…電子機器としての携帯電話、F…応力、P…積層体、P1…基板、P2…基板、Q…分割片、θ…照射角度。
Claims (16)
- 配線パターンを有する積層体の製造方法であって、
前記積層体に第1のレーザ光を照射して、第1の材料変質部を形成する第1の材料変質部形成工程と、
前記積層体に前記第1のレーザ光とは照射角度の異なる第2のレーザ光を照射して、第2の材料変質部を形成する第2の材料変質部形成工程と、
前記積層体に応力を加えて、分割片を形成する工程と、
前記分割片を除去する工程と、
前記分割片を除去した後に前記配線パターンの導通検査をする工程と、
を備えていることを特徴とする積層体の製造方法。 - 請求項1に記載の積層体の製造方法において、
前記積層体が、前記第1のレーザ光に対して透過性を有する材料で構成されており、
前記第1の材料変質部形成工程では、
前記積層体に前記第1のレーザ光を第1の集光素子で集光して照射させて、
前記第1の材料変質部を形成することを特徴とする積層体の製造方法。 - 請求項1または請求項2に記載の積層体の製造方法において、
前記第1の材料変質部形成工程では、
前記第1のレーザ光が、チタンサファイヤレーザ、またはYAGレーザのうちのいずれかであり、
前記チタンサファイヤレーザ、または前記YAGレーザの基本波を照射させて、前記第1の材料変質部を形成することを特徴とする積層体の製造方法。 - 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の積層体の製造方法において、
前記第1の材料変質部形成工程では、
前記第1のレーザ光の位置が、前記積層体の厚さ方向に対して傾斜して配置されており、前記第1のレーザ光を照射して前記第1の材料変質部を形成することを特徴とする積層体の製造方法。 - 請求項1に記載の積層体の製造方法において、
前記積層体が、前記第2のレーザ光に対して透過性を有する材料で構成されており、
前記第2の材料変質部形成工程では、
前記積層体に前記第2のレーザ光を第2の集光素子で集光して照射させて、前記第2の材料変質部を形成することを特徴とする積層体の製造方法。 - 請求項1または請求項5に記載の積層体の製造方法において、
前記第2の材料変質部形成工程では、
前記第2のレーザ光が、チタンサファイヤレーザ、またはYAGレーザのうちのいずれかであり、
前記チタンサファイヤレーザ、または前記YAGレーザの基本波を照射させて、前記第2の材料変質部を形成することを特徴とする積層体の製造方法。 - 請求項1、請求項5または請求項6に記載の積層体の製造方法において、
前記第2の材料変質部形成工程では、
前記第2のレーザ光の位置が、前記積層体の厚さ方向に対して傾斜して配置されており、前記第2のレーザ光を照射して、前記第2の材料変質部を形成することを特徴とする積層体の製造方法。 - 請求項1、請求項5〜請求項7のいずれか一項に記載の積層体の製造方法において、
前記第2の材料変質部形成工程では、
前記第2のレーザ光の光強度が、前記第1のレーザ光の光強度と略等しいことを特徴とする積層体の製造方法。 - 請求項1、請求項5〜請求項8のいずれか一項に記載の積層体の製造方法において、
前記第2の材料変質部形成工程では、
前記第2のレーザ光が、前記第1のレーザ光とほぼ同時に照射され、前記第2の材料変質部を形成することを特徴とする積層体の製造方法。 - 請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の積層体の製造方法において、
前記分割片を形成する工程では、
前記積層体に曲げ応力または引っ張り応力のうち、いずれか一方の応力を加えて、前記分割片を形成することを特徴とする積層体の製造方法。 - 請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の積層体の製造方法において、
前記分割片を除去する工程では、
前記分割片の除去方法が、真空吸着方法により前記分割片を除去することを特徴とする積層体の製造方法。 - 積層体にレーザ光を照射させて、前記積層体を切断するレーザ加工装置であって、
前記積層体を載置可能なステージと、
前記ステージを制御するステージ制御部と、
前記レーザ光は、光を反射する第1の反射板で反射した第1のレーザ光と、前記第1のレーザ光とは角度の異なる第2の反射板で反射した第2のレーザ光と、を含み、
前記第1のレーザ光を集光する第1の集光素子と、前記第2のレーザ光を集光する第2の集光素子と、
前記第1のレーザ光および前記第2のレーザ光を照射するレーザ光源と、
前記レーザ光源を制御するレーザ制御部と、
前記第1の反射板および前記第2の反射板の角度を制御するミラー制御部と、
前記第1の集光素子および第2の集光素子の位置を制御するレンズ制御部と、
前記ステージ制御部と、前記レーザ制御部と、前記ミラー制御部と、レンズ制御部とを、制御する制御部を、備え、
前記制御部は、前記第1の反射板および前記第2の反射板の角度を制御することで、第1の材料変質部および第2の材料変質部を傾斜させて形成することを特徴とするレーザ加工装置。 - 請求項12に記載のレーザ加工装置において、
前記第1のレーザ光および前記第2のレーザ光が、チタンサファイヤレーザ、YAGレーザのいずれかであり、
前記チタンサファイヤレーザ、または前記YAGレーザの基本波を照射する前記レーザ光源を備えていることを特徴とするレーザ加工装置。 - 請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の積層体の製造方法を用いて形成されていることを特徴とする表示装置。
- 請求項14に記載の表示装置を備えていることを特徴とする電気光学装置。
- 請求項15に記載の電気光学装置を備えていることを特徴とする電子機器。
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