JP2008044159A - クリップの取付構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 リフィールが少なくとも内設された軸体の外周部に、そのリフィールが露出する軸体先端側へ対して拡開可能な略板状のクリップ片を拡開可能に支持する枢支部を有するクリップ連結部材を、軸体の外周部に設ける。そのクリップ連結部材枢支部における軸体軸方向の端部か、クリップ連結部材枢支部に係合するクリップ片のヒンジ部における軸体軸方向の端部か、のいずれか少なくとも一方に、クリップ片をクリップ連結部材に接続するための開口端を設ける。そして、クリップ片ヒンジ部より軸体後端側におけるクリップ片と軸体或いはクリップ連結部材との間に、そのクリップ片と軸体或いはクリップ連結部材とを離隔させる復元力を具備した弾性部材を設ける。
【選択図】 図1
Description
例えば、特許文献1などに開示されているバインダー式のクリップがよく知られている。
そのような典型的なクリップは、筆記具本体を構成する略棒状の軸体の先端側、すなわちインクや芯などのリフィールが露出するペン先側へ対して拡開するように取り付けられている。
略板状のクリップ片は、ヒンジ部を介して軸体に連結されることで、回動可能になり拡開可能に設置される。そして、軸体先端側のクリップ片が軸体に向かって付勢されるように、板バネなどの弾性部材が設けられている。
この向きであると、クリップ片が大きく拡開された場合、バネも伸縮限界を超えて拡開して伸びきった状態になり、クリップが破損してしまうことがある。
過度に拡開されなくても、多数回の拡開や衝撃等によって、バネの復元力が弱まったりヒンジ部周辺に負担がかかり、クリップの損傷につながることがある。
例えば特許文献2に開示されている板バネは、その開口側が軸体の後端側に向いた状態で、ヒンジ部より軸体後端側に設置されている。
この向きであると、バネが伸縮限界を超えて拡開される危惧がない。
すなわち、リフィールが少なくとも内設された略棒状の軸体の外周部に、そのリフィールが露出する軸体先端側へ対して拡開可能な略板状のクリップ片が、取り付けられるクリップ付き筆記具において、クリップ片を拡開可能に支持する枢支部を有するクリップ連結部材を、軸体の外周部に設ける。そのクリップ連結部材枢支部における軸体軸方向の端部か、クリップ連結部材枢支部に係合するクリップ片のヒンジ部における軸体軸方向の端部か、のいずれか少なくとも一方に、クリップ片をクリップ連結部材に接続するための開口端を設ける。そして、クリップ片ヒンジ部より軸体後端側におけるクリップ片と軸体或いはクリップ連結部材との間に、そのクリップ片と軸体或いはクリップ連結部材とを離隔させる復元力を具備した弾性部材を設けることで、クリップ片を軸体に装着することを特徴とする。
すなわち、クリップ連結部材枢支部を、軸体軸方向に略垂直な線を中心とする弧面を備え、軸体後端側の端部に前記開口端を有した略U字形状の凹面で構成すると共に、クリップ片ヒンジ部を、前記凹面に係合可能な略円柱状のピンで構成する。そして、クリップ連結部材より軸体後端側における軸体とクリップ片との間に取着される弾性部材を、前記略U字形状の凹面に係合されたピンに、直接或いは介在体を介して略接合する状態で取り付ける。
クリップ片を拡開する際には、弾性部材は、圧縮される方向に付勢されるので、過度に拡開されることはなく、また、クリップ連結部材とクリップ片との係合を簡素かつ強固に構成できるので、長期間の使用に耐えることができる。
ここでは、筆記具本体を構成する略棒状の軸体として、中空の略筒状のものを例示するが、例えば鉛筆など中実の略柱状のものにも同様に適用可能である。なお、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で、構成は適宜設計変更可能であり、例えば、コイルスプリングに関しては前記の特許文献3など、従来公知の技術を適宜利用できる。
略筒状の軸体(10)は、インク等のリフィールやそれを支持する部材などを収容し、略棒状の形状をしている。その軸体(10)の外周部(11)に、略板状のクリップ片(20)が取り付けられる。クリップ片(20)は、以下のようにして、リフィールが露出する先端、すなわちペン先の側(紙面の左方向)へ対して拡開可能な向きで取り付けられる。
クリップ連結部材(30)は、略直方体状で、その基部に窓部(13)より大径の鍔部(31)を備える。
クリップ連結部材(30)は、窓部(13)に対して、軸体外周部(11)の内側から外側へ向かって挿入され、鍔部(31)によって係止される。鍔部(31)は、窓部(13)に係止するためのものなので、窓部(13)より大径の部位を備えればよく、形状は任意である。
鍔部(31)は、軸体(10)の軸方向に垂直な方向に延伸している。また逆に、窓部(13)は、鍔部(31)を係止できればよく、その形状も適宜変形できる。
クリップ連結部材枢支部(33)は、膨出部(32)から窪んだ凹面(34)で構成される。凹面(34)は、軸体先端側に開口した開口端(35)を備えると共に、軸体後端側に、軸体軸方向に略垂直な線を中心とする弧面を備える係合曲面(36)を備える略U字形状である。この係合曲面(36)は、後述のクリップ片(20)のヒンジ部と係合する部位である。
また、図示の例では、クリップ連結部材(30)は、軸体(10)とは独立した別体であるが、接着剤等を用いて結合させて、分離不可能な形態にしてもよい。インサート成形等により一体成形して、軸体(10)と一体なもので構成してもよい。
クリップ片内面(21)には、軸体軸方向の両側部に、それぞれ側面部(25)が延伸される。側面部(25)は略平板状であり、強度維持のために、軸体軸方向では玉部(22)から操作部(23)まで連なっている。側面部(25)は、クリップ連結部材(30)の近傍で、軸体外周部(11)の近くまで伸長する。その側面部(25)の下端面(26)は、クリップ片(20)の拡開時には、軸体外周部(11)に接触可能な部位であり、クリップ片(20)を支持して安定した拡開に寄与する。
側面部(25)における下端面(26)の近傍には、側面部(25)を貫通する孔(27)が設けられる。この貫通孔(27)は、軸体軸方向に略垂直な方向に貫通している。
そのため、ピン(40)の外周面は、上述のクリップ連結部材枢支部(33)の係合曲面(36)と同様に、軸体軸方向に略垂直な線を中心とする弧面を備える曲面となり、クリップ片(20)側の係合曲面(41)を形成する。なお、ピン(40)の径は、クリップ連結部材枢支部(33)の凹面(34)における係合曲面(36)の径とほぼ等しくする。
また、図示の例では、ピン(40)を、クリップ片(20)とは独立した別体で構成したが、一体成形されたものなどで構成してもよい。
その係合を介して、クリップ片ヒンジ部(24)がクリップ連結部材枢支部(33)に対して回動可能になり、クリップ片(20)が拡開可能に構成される。
また、開口端(35)の径をピン(40)の径とほぼ等しくしたが、開口端(35)の径を僅かに狭めて、凹面(34)に一旦没入したピン(40)を脱離しにくくしてもよい。
更に、凹面(34)を略コ字形状や略フ字形状など、複数の平面や曲面の組み合わせで構成してもよい。
板バネ(50)の一方の端部(51)は、クリップ連結部材(30)より軸体後端側における軸体外周部(11)に取着され、他端(52)は、クリップ連結部材(30)より軸体後端側におけるクリップ片内面(21)に取着される。
図示の例では、軸体側端部(51)は、軸体の外周部(11)に相当する封止部材(14)の上に配置されると共に広い面積で接して安定設置されている。また、クリップ片側端部(52)は、軸体後端側の端面(53)が、クリップ片内面(21)から延伸した突起(28)の軸体先端側内面に接した状態で設置される。クリップ拡開時には、図1(b)のように、クリップ片側端部(52)もクリップ片内面(21)に広い面積で接して、安定した復元力をクリップ片(20)へ伝達させる。
それと同時に、板バネ(50)の中間部(54)によって、クリップ連結部材(30)が軸体先端方向に係止される。これに伴い、クリップ連結部材係合曲面(36)が、クリップ片係合曲面(41)を軸体先端方向に係止するので、クリップ片(20)も軸体先端方向に係止される。
すなわち、板バネ(50)の装着によって、板バネ(50)自体と、クリップ連結部材(30)とクリップ片(20)とが互いに密着する方向に係止し合うので、クリップ片(20)の軸体(10)への取り付けが強固になる。
このように簡易な工程でありながらも、軸体(10)に対するクリップ片(20)の安定した強固な装着が図れるので、弾性部材やヒンジ部にかかる負荷も限定的であり、長期間の使用に対応したクリップが得られる。
図1に示した実施例と異なる点は、板バネ(50)の軸体側端部(51)が、軸体(10)の封止部材(14)の内側に設けられている点である。
これによると、軸体(10)に対する板バネ(50)の設置が安定する。
図1に示した実施例と異なる点は、クリップ連結部材(30)が軸体(10)と一体成形されている点である。
これによると、クリップ連結部材(30)の基部が、軸体外周部(11)や封止部材(14)を兼ね、組み立て工程が低減する。
図1に示した実施例と異なる点は、クリップ連結部材(30)が軸体(10)に対してインサート成形されている点である。
これによると、クリップ連結部材(30)の基部が封止部材(14)を兼ね、組み立て工程が低減する。
図1に示した実施例と異なる点は、板バネ(50)の軸体側端部(51)が、軸体先端側に向き、クリップ連結部材(30)の内側に接している点である。
これによると、板バネ(50)とクリップ連結部材(30)との接触面積が大きくなり、両者の結着が強固になる。
図1に示した実施例と異なる点は、弾性部材としてコイルスプリング(55)が用いられ、クリップ連結部材(30)とクリップ片(20)との間に装着される点である。
クリップ連結部材(30)における枢支部(33)より軸体後端側に、コイルスプリング(55)を収容するための穴(38)が設けられる。そのコイルスプリング収容穴(38)は、クリップ片(20)に対向する方向に開口を有する略円柱状である。
コイルスプリング収容穴(38)に配設されたコイルスプリング(55)の上方内側には、略円柱状のスプリング摺動体(56)が連設される。
そのスプリング摺動体(56)は、クリップ片(20)に向かって係止され、クリップ片内面(21)に設けられた受け穴(29)に係止する。
これによると、クリップ連結部材(30)と弾性部材とを略一体化させられる。
図1に示した実施例と異なる点は、クリップ連結部材枢支部(33)の開口端(35)の向きが逆で、軸体後端側に開口している点である。
凹面(34)には、ピン(40)と同様の介在体(42)が挿入され、ピン(40)及び板バネ(50)の中間部(54)と接している。そのため、板バネ(50)の中間部(54)によって、介在体(42)を介して、ピン(40)がクリップ連結部材に向かって係止される。
これにより、図1の実施例と同様に、ピン(40)を有するクリップ片ヒンジ部(24)と、凹面(34)を有するクリップ連結部材枢支部(33)とが係合し、クリップ片(20)が軸体(10)に装着される。
また、介在体(42)に相当する突起を板バネ中間部(54)に付設して、その突起をピン(40)に接合させてもよい。
また、凹面(34)を狭く構成し、板バネ中間部(54)をピン(40)に直接接合させることで、介在体(42)を不要にしてもよい。
図1に示した実施例と異なる点は、クリップ片(20)の方にクリップ連結部材枢支部(33)の凹面(34)に相当する部位が備わり、クリップ連結部材(30)の方にクリップ片ヒンジ部(24)の貫通孔(27)に備わるピン(40)に相当する部位が備わる点である。
クリップ片(20)の側面部(25)に、軸体後端側に開口した略U字形状の凹面(234)を設けると共に、クリップ連結部材(30)に貫通させた孔(327)にピン(40)を軸支する。
これにより、図1の実施例と同様に、ピン(40)を有するクリップ連結部材枢支部(33)と、凹面(234)を有するクリップ片ヒンジ部(24)とが係合し、クリップ片(20)が軸体(10)に装着される。
11 軸体の外周部
12 キャップ
13 軸体外周部の窓部
14 軸体の封止部材
15 薄板
16 弾性部材
20 クリップ片
21 クリップ片の内面
22 クリップ片の玉部
23 クリップ片の操作部
24 クリップ片のヒンジ部
25 クリップ片の側面部
26 クリップ片側面部の下端面
27 クリップ片側面部の貫通孔
28 クリップ片の突起
29 クリップ片の受け穴
234 クリップ連結部材凹面(34)に相応するクリップ片の凹面
30 クリップ連結部材
31 クリップ連結部材の鍔部
32 クリップ連結部材の膨出部
33 クリップ連結部材の枢支部
34 クリップ連結部材の凹面
35 クリップ連結部材凹面の開口端
36 クリップ連結部材凹面の係合曲面
37 クリップ連結部材のクリップ片支持面
38 コイルスプリング収容穴
327 クリップ片側面部貫通孔(27)に相応するクリップ連結部材の貫通孔
40 ピン
41 ピンの係合曲面
42 介在体
50 板バネ
51 板バネの軸体側端部
52 板バネのクリップ片側端部
53 板バネクリップ片側端部の端面
54 板バネの中間部
55 コイルスプリング
56 スプリング摺動体
Claims (7)
- リフィールが少なくとも内設された略棒状の軸体の外周部に、そのリフィールが露出する軸体先端側へ対して拡開可能な略板状のクリップ片が、取り付けられるクリップ付き筆記具において、
クリップ片を拡開可能に支持する枢支部を有するクリップ連結部材を、軸体の外周部に設け、
そのクリップ連結部材枢支部における軸体軸方向の端部か、
クリップ連結部材枢支部に係合するクリップ片のヒンジ部における軸体軸方向の端部か、のいずれか少なくとも一方に、クリップ片をクリップ連結部材に接続するための開口端を設け、
クリップ片ヒンジ部より軸体後端側におけるクリップ片と軸体或いはクリップ連結部材との間に、そのクリップ片と軸体或いはクリップ連結部材とを離隔させる復元力を具備した弾性部材を設けることで、クリップ片を軸体に装着する
ことを特徴とするクリップの取付構造。 - クリップ連結部材枢支部が、
軸体軸方向に略垂直な線を中心とする弧面を備え、軸体先端側の端部に前記開口端を有した略U字形状の凹面であり、
クリップ片ヒンジ部が、前記凹面に係合可能な略円柱状のピンである
請求項1に記載のクリップの取付構造。 - クリップ片ヒンジ部が、
軸体軸方向に略垂直な線を中心とする弧面を備え、軸体先端側の端部に前記開口端を有した略U字形状の凹面であり、
クリップ連結部材枢支部が、前記凹面に係合可能な略円柱状のピンである
請求項1に記載のクリップの取付構造。 - 弾性部材が、板バネであり、
その一方の端部が、クリップ連結部材より軸体後端側における軸体に取着され、
他方の端部が、クリップ連結部材より軸体後端側におけるクリップ片に取着され、
それら両端部の間の中間部が、クリップ連結部材に略接合された状態で取り付けられる
請求項1ないし3に記載のクリップの取付構造。 - 弾性部材が、コイルスプリングであり、
その一方の端部側が、クリップ片ヒンジ部より軸体後端側におけるクリップ連結部材に取着され、
他方の端部側が、クリップ片ヒンジ部より軸体後端側におけるクリップ片に取着される
請求項1ないし3に記載のクリップの取付構造。 - クリップ連結部材枢支部が、
軸体軸方向に略垂直な線を中心とする弧面を備え、軸体後端側の端部に前記開口端を有した略U字形状の凹面であり、
クリップ片ヒンジ部が、前記凹面に係合可能な略円柱状のピンであり、
クリップ連結部材より軸体後端側における軸体とクリップ片との間に取着される弾性部材が、前記略U字形状の凹面に係合されたピンに、直接或いは介在体を介して略接合する状態で取り付けられる
請求項1に記載のクリップの取付構造。 - 軸体が中空の筒状であり、その外周部に、クリップ連結部材を軸体内側から取り付けるための窓部を有し、
クリップ連結部材が、前記窓部より大径の鍔部を有する
請求項1ないし6に記載のクリップの取付構造。
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