JP2008043908A - 水素透過膜およびその製造方法、並びに、該水素透過膜を用いた水素透過用部材 - Google Patents

水素透過膜およびその製造方法、並びに、該水素透過膜を用いた水素透過用部材 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池の燃料に用いる水素を精製するための分離装置への適用も可能な水素透過性能の優れた水素透過膜および水素透過用部材を提供する。
【解決手段】基板の上に、スパッタリング法を用いて、膜厚0.1〜1μmの水素のみを選択的に透過する金属膜からなる水素透過層を形成し、該水素透過層の外周シール部分に膜厚3μm以上の金属膜を積層したものを、基板から剥離することにより極薄膜の水素透過膜を得る。さらに、表面が粒径1〜10μmの球状金属粒子からなり、該表面上に膜厚0.01〜1μmのバリア層が形成された通気性多孔質金属支持体と重ね合わせて、接合し、水素透過用部材とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、水素を含む混合ガスから水素を選択的に透過および分離する水素分離装置における水素透過用部材、および、これに用いる水素透過膜とその製造方法に関する。
水素を選択的に透過し、かつ、分離する水素透過膜は、半導体用シリコン製造等に用いる還元ガス生成用の高純度水素精製装置において使用されている。近年、このような水素透過膜は、燃料電池の燃料として用いる水素ガスを得るために、分離精製装置に適用することが考えられている。
炭化水素燃料を水蒸気改質することにより得られた、水素を含んだ混合ガスを、水素透過膜の片面に加圧すると、水素だけが、水素透過膜中に溶け込んで拡散し、反対側の面へ通り抜けることができる。このようにして、水素透過膜により混合ガスから分離をすることにより、水素を高純度に精製できる。
従来、水素透過膜として、Pd、Pd−Ag合金、Pd−Y合金などの圧延箔が用いられている。これらの圧延箔は、孔の開いた補強板の上に重ねられて、水素が漏れないようにその外周部をシール接合することにより、使用される。圧延箔の膜厚は、圧力差に耐えるために20μm以上とする必要がある。しかし、膜厚が厚いと、透過水素流量が少なくなり、かつ、貴金属であるPdの使用量が多くなるので、材料コストが高くなる。
これに対して、特許文献1では、膜厚0.1〜20μmの薄いPd合金膜を、膜厚40〜300μmの柱状構造膜で補強する構造が提案されている。しかしながら、柱状構造膜を通過する水素ガスの圧力損失が大きく、水素透過膜の膜厚から期待されるよりも、透過水素流量が少ないという問題がある。
また、特許文献2では、非通気性基板の上に作製した膜厚20μm以下の水素透過膜を剥離して、通気性多孔質支持体に接合することが提案されている。しかしながら、膜厚が1μm以下になると、非通気性基板から水素透過膜を剥離することが困難となるという問題と、シール接合部分が破れやすくなるという問題がある。
特開平10−296061号公報 特開2005−218963号公報
本発明は、シール接合部分が破れにくく、基板から剥離可能で、多量の透過水素流量を得ることが可能な極薄膜の水素透過膜およびその製造方法と、該水素透過膜を用いた水素透過用部材を提供することを目的とする。
本発明者は、前述の課題を解決するために鋭意検討した結果、基板の上に、スパッタリング法を用いて、水素のみを選択的に透過する膜厚0.1〜1μmの水素透過層を形成し、得られた水素透過層の外周シール部分に、膜厚3μm以上の金属膜を形成することにより、水素透過膜を得て、該水素透過膜を基板から剥離でき、極薄膜の水素透過膜を提供できることを見いだした。さらに、表面が粒径1〜10μmの球状金属粒子により形成され、該表面上に膜厚0.01〜1μmのバリア層が形成されている通気性多孔質金属支持体と接合することで、多量の透過水素流量が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の水素透過膜は、膜厚0.1〜1μmの水素透過層と、該水素透過層の外周シール部分に設けられ、該水素透過層の金属と金属間化合物を形成しない別の金属からなる膜厚3μm以上の金属膜とからなる。
さらに、前記水素透過層が、Pd膜またはPd合金膜からなることが望ましい。
さらに、前記金属膜が、Cu、Ni、Ag、およびAuのうちの少なくとも1種を含むことが望ましい。
本発明の水素透過用部材は、通気性多孔質金属支持体と、該通気性多孔質金属支持体の表面に形成された膜厚0.01〜1μmのバリア層と、該バリア層側で、該通気性多孔質金属支持体に接合される前記のいずれかの水素透過膜とからなる。
さらに、前記通気性多孔質金属支持体の表面が、粒径1〜10μmの球状金属粒子により形成されており、前記バリア層が、Al、Cr、Si、およびTiのうちの少なくとも1種の酸化物または窒化物からなることが望ましい。
本発明の水素透過膜の製造方法は、基板上に、膜厚0.1〜1μmの水素透過層を形成し、得られた水素透過層の外周シール部分に、膜厚3μm以上の金属膜を形成し、得られた金属膜付きの水素透過層を前記基板上から剥離する。
さらに、前記水素透過層を、PdまたはPd合金のターゲットを使用するスパッタリング法により、Pd膜またはPd合金膜として形成することが望ましい。
さらに、前記金属膜を、Cu、Ni、Ag、およびAuのうちの少なくとも1種により形成することが望ましい。
さらに、前記基板として、酸化物ガラス、酸化物セラミックス、膜厚0.01〜1μmのバリア層を形成したシリコンウェハ、および膜厚0.01〜1μmのバリア層を形成した金属板のうちの少なくとも1種を用いることが望ましい。
さらに、前記バリア層を、Al、Cr、Si、およびTiのうちの少なくとも1種の酸化物または窒化物により形成することが望ましい。
本発明に係る水素透過膜は、多量の透過水素流量を得ることができ、膜厚1μm以下という極薄膜の水素透過膜でありながら、破れおよび屈曲が生じることなく、かつ、低コストで得ることができる。
本発明の水素透過膜は、基板上に、スパッタリング法を用いて、水素のみを選択的に透過する膜厚0.1〜1μmの水素透過層を形成し、得られた水素透過層の外周シール部分に、膜厚3μm以上の金属膜を形成し、これらを前記基板から剥離することにより得られる。
図1は、本発明の水素透過膜の実施態様を示す平面図であり、方形および円形に水素透過膜が形成された2つの態様を示したが、その形状は適宜選択される。水素透過膜は、水素のみを選択的に透過する金属からなる水素透過層と、その周囲の外周シール部分に形成された金属膜とからなる。よって、水素透過層が表面に現れる水素透過部分(1、2)と、その周囲の外周シール部分(3、4)とが形成される。
(水素透過層)
水素透過層は、Pd膜またはPd合金膜により形成される。Pd合金としては、Pd−Ag合金、Pd−Y合金、Pd−希土類元素合金などがあげられる。
水素透過層の膜厚は、0.1〜1μmであることが望ましい。膜厚が1μmより厚いと、面積当りの透過水素流量が減少してしまうので、同じ透過流量を得るためには広い面積が必要となり、結局、大面積の厚い膜を使用するので、貴金属であるPdの使用量が多くなって、実用的でなく、膜厚が0.1μmより薄いと、水素透過層が圧力差で破損しやすくなってしまう。
(金属膜)
本発明では、水素透過層の外周シール部分に金属膜を形成する点に特徴がある。かかる金属膜を形成することにより、製造に際して、極薄膜からなる水素透過層を屈曲させたり、破ることなく、水素透過膜を基板から剥離させることが可能となる。また、水素透過膜を通気性多孔質金属支持体と接合し、水素透過用部材を形成する際、さらには、水素透過用部材を水素分離装置の継手に設置する際にも、シール接合部分が破れてしまうことが抑止される。
金属膜の材質は、水素透過膜の金属と金属間化合物を形成すると脆くなり、破損の原因となるため、このような金属間化合物を形成しない金属であれば任意のものを選択できる。好ましくは、400℃以上の温度でも安定なCu、Ni、Ag、およびAuから選択される。
金属膜の膜厚は、3μm以上であることが望ましい。金属膜の膜厚が3μmより薄いと、基板から剥離する際に、水素透過層に、破れや屈曲が生じてしまい、また、剥離できても外周シール部分をシール接合したときに、該シール部分が破れてしまう。金属膜の膜厚は、5μm程度あればよく、さらに厚くてもかまわないが、上記機能を発揮するためには、10μm程度で充分である。
(水素透過膜の製造)
水素透過層および金属膜の形成には、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの真空成膜法ないしは湿式めっきを用いることができる。
特に、水素透過層を膜厚0.1〜1μmに形成する場合には、水素透過能のあるPd膜またはPd合金膜を基板上に直接形成することが可能で、かつ、基板と水素透過層の間に適度な密着力をもたせ、成膜中に薄膜が剥離脱落することがないため、スパッタリングを用いることが望ましい。また、金属膜の成膜に際しても、連続的に処理を行うために、スパッタリング法を用いることが望ましい。
水素透過層の成膜に際して用いる基板としては、酸化物ガラス、酸化物セラミックス、膜厚0.01〜1μmのバリア層を形成したシリコンウェハ、および、膜厚0.01〜1μmのバリア層を形成した金属板などをあげることができる。シリコンウェハおよび金属板を基板として用いる場合には、成膜側の表面に、Al、Cr、Si、およびTiのうちの少なくとも1種の酸化物または窒化物からなるバリア層を設ける。シリコンウェハないしは金属板をバリア層を設けずに基板として用いると、これらと水素透過層との密着が強すぎて、水素透過膜を剥離させることができなくなるからである。
製造に際しては、スパッタリング装置のチャンバー内に、基板、PdまたはPd合金からなる水素透過層用のターゲット、金属膜用のターゲットをそれぞれ配置する。適切なスパッタリング条件の下で、まず、基板上に水素透過層となるPd膜またはPd合金膜を所定の膜厚に成膜し、得られた水素透過層のうち、水素透過させる部分に、マスキングを施して、マスキングされた部分の周囲の外周シール部分となる場所に、金属膜を所定の膜厚に積層する。マスキングを施して金属膜を形成した後、マスキングを取り除いて水素透過層を成膜してもよい。その後、水素透過層を金属膜とともに基板から剥離させ、所望の形状に加工することにより、水素透過膜を得ることができる。
なお、スパッタリングの工程においては、スパッタリング装置、スパッタリング法、ないしは、基板からの膜の剥離については、公知の手段を用いることができる。
(水素透過用部材)
基板より剥離して得られた水素透過膜を、通気性多孔質金属支持体などの膜の支持構造に接合することにより、水素透過用部材を得ることができる。支持構造としては、柱状構造膜など任意のものを選択しうるが、通過する水素ガスの圧力損失を抑制し、燃料電池における水素精製用の分離装置への適用が可能な優れた水素透過性能を付与しうる観点から、通気性多孔質金属支持体を支持構造として用いることが好ましい。
水素透過膜を通気性多孔質金属支持体に接合するに際しては、水素透過膜面を窒素ガスなどで加圧しながら熱処理して支持体と接合する方法を用いることができる。なお、水素透過用部材は、その使用前に水素透過膜が通気性多孔質金属支持体に接合されている必要はなく、これらを重ね合わせて水素分離装置の適用部分に取り付ける際に、接合されればよい。
(通気性多孔質金属支持体)
通気性多孔質金属支持体の材質としては、普通鋼、ステンレス鋼などのFe合金、Ni、Ni合金、Cr合金などがあげられる。その形状、大きさについては、適用される装置に応じて任意に選択される。かかる支持体は、金属粒子を焼結することにより貫通細孔を設けたり、金網、不織布、板状体またはパイプに、機械加工、打ち抜きまたはエッチングにより、貫通細孔を穿設することにより得られる。
本発明では、いずれの構造の支持体を用いる場合でも、通気性多孔質金属支持体の面のうち、水素透過膜が接合される側の表面を、粒径1〜10μmの球状金属粒子により形成することが望ましい。極薄膜からなる水素透過層は、圧力差で塑性変形して通気性多孔質金属支持体の表面と強く接触するが、球状金属粒子と接触させることにより、応力集中が緩和され、破れにくくなる。球状粒子の粒径が1μm未満では、材料コストが増加してしまい、一方、粒径が10μmを超えると、支持体表面の細孔径が大きくなりすぎて、水素透過膜が圧力差のため破れやすくなる。
通気性多孔質金属支持体の表面を球状金属粒子により形成させるには、例えば、球状金属粒子、水、ポリビニルアルコールなどを添加したスラリーを金属金網の表面に塗布、乾燥した後、真空焼結すればよい。
(バリア層)
通気性多孔質金属支持体の面のうち、水素透過膜が接合される側の表面には、バリア層を設けることが好ましい。通気性多孔質金属支持体の表面が球状金属粒子により形成されている場合には、バリア層は、該球状金属粒子の表面に形成される。
バリア層の膜厚は、0.01〜1μmの範囲内とすることが好ましい。膜厚が1μm程度あれば、バリア効果を充分に得ることができるので、1μmを超えて成膜しても、成膜コストを増加させるだけとなり、好ましくない。また、膜厚が0.01μmより薄いと、通気性多孔質支持体の表面の成分(球状金属粒子成分)が水素透過層に熱拡散して、水素透過膜の水素透過能力を低下させてしまうため、好ましくない。よって、バリア層の組成は、Al、Cr、Si、およびTiのうちの少なくとも1種の酸化物または窒化物とすることが好ましい。
(実施例1)
水素透過膜と外周シール部分の金属膜は、スパッタリング装置(ULVAC社製、SBH−2306RDE)を用いて、作製した。基板ホルダーに、26×76mmのクラウンガラス基板(松浪硝子工業株式会社製、S7213)を取り付けて、5×10-4Pa以下の圧力まで真空排気した後、Pd−23at%Ag合金ターゲットを使用し、Arガス圧1Pa、DC1.0Aのスパッタ電流を投入して、膜厚0.50μmのPd−23at%Ag合金の薄膜からなる水素透過層を形成した。次に、得られた水素透過層の上に、φ6mmのSUS430ステンレス鋼製のマスクを取り付けて、再び、5×10-4Pa以下の圧力まで真空排気した後、Cuターゲットを使用し、Arガス圧1Pa、DC1.0Aのスパッタ電流を投入して、水素透過層の上に、φ6mmの円形部分を除いた周囲に、外周シール部分となる膜厚5μmのCu膜を形成した。得られた外周シール部分とともに、水素透過層をクラウンガラス基板から剥離させ、水素透過膜を得た。剥離に際して、水素透過膜が、破れたり屈曲することはなかった。
これとは別に、平均粒径5μmのSUS316Lステンレス鋼製の球状金属粉(株式会社アトミックス製、PF−3F)を表面に焼結したφ11mmの通気性多孔質金属支持体を用意した。スパッタリング装置(ULVAC社製、SBH−2306RDE)の基板ホルダーに、通気性多孔質金属支持体を取り付け、A123ターゲットを使用し、5×10-4Pa以下の圧力まで真空排気した後、Arガス圧2Pa、RF400Wの条件で、通気性多孔質金属支持体の表面に、膜厚0.2μmのA123バリア層を形成した。
さらに、先に得られた水素透過膜を重ね合わせて、φ8mmのシール径をもつVCR継手(スウェージロック社製)に取り付けて、該継手のシール部と水素透過膜の外周シール部分を合わせて、窒素中で600℃で、2時間の熱処理をした。水素透過膜を破ることなく、通気性多孔質金属支持体に水素透過膜を接合して、水素透過用部材を作製することができた。
得られた水素透過用部材を用いた水素分離用部材を、試験用の水素透過測定装置に取り付け、温度400℃、上流側水素ガス圧0.8MPa、透過側水素は常圧として、質量流量計で透過水素流量を測定した。水素透過流量は、1500Nm3/m2・hであった。結果を表1に示す。
(実施例2)
基板を、膜厚0.02μmのAl23をバリア層にもつSUS304ステンレス鋼とし、Pdターゲットを使用して、膜厚0.90μmの水素透過層を形成し、外周シール部分として膜厚3μmのCu膜を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、破れたり屈曲することなく、剥離することにより、水素透過膜を得た。さらに、実施例1と同様にして、水素透過用部材を作製することができた。
実施例1と同様にして、得られた水素透過用部材を用いた水素分離用部材の透過水素流量を測定した。水素透過流量は、650Nm3/m2・hであった。結果を表1に示す。
(実施例3)
基板を、膜厚0.5μmのSiO2をバリア層にもつSiウェハとし、Pdターゲットを使用して、膜厚0.23μmの水素透過層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、破れたり屈曲することなく、剥離することにより、水素透過膜を得た。さらに、実施例1と同様にして、水素透過用部材を作製することができた。
実施例1と同様にして、得られた水素透過用部材を用いた水素分離用部材の透過水素流量を測定した。水素透過流量は、1900Nm3/m2・hであった。結果を表1に示す。
(実施例4)
基板を、ガラス(コーニングディスプレイテクノロジー社製、#7059)とし、Pd−6at%Y合金ターゲットを使用して、膜厚0.95μmの水素透過層を形成し、外周シール部分となる膜厚5μmのNi膜を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、破れたり屈曲することなく、剥離することにより、水素透過膜を得た。さらに、実施例1と同様にして、水素透過用部材を作製することができた。
実施例1と同様にして、得られた水素透過用部材を用いた水素分離用部材の透過水素流量を測定した。水素透過流量は、790Nm3/m2・hであった。結果を表1に示す。
(実施例5)
基板を、合成石英(英興株式会社製)とし、Pd−53at%Cu合金ターゲットを使用して、膜厚0.48μmの水素透過層を形成し、外周シール部分として膜厚6μmのCu膜を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、破れたり屈曲することなく、剥離することにより、水素透過膜を得た。さらに、実施例1と同様にして、水素透過用部材を作製することができた。
実施例1と同様にして、得られた水素透過用部材を用いた水素分離用部材の透過水素流量を測定した。水素透過流量は、1200Nm3/m2・hであった。結果を表1に示す。
(比較例1)
外周シール部分に金属膜を成膜せずに、実施例1と同様にして、水素透過合金層のみからなる水素透過膜を形成し、該水素透過膜を基板から剥離しようとしたところ、水素透過膜は破れて、剥離することができなかった。
(比較例2)
基板にバリア層を設けずに、SUS304ステンレス鋼からなる基板を用い、かつ、外周シール部分として膜厚5μmのNi膜を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、水素透過膜を形成した。得られた水素透過膜を基板から剥離しようとしたところ、水素透過膜を剥離することができなかった。
Figure 2008043908
本発明の水素透過膜の実施態様を示す平面図である。
符号の説明
1、2 水素透過部分
3、4 外周シール部分

Claims (10)

  1. 膜厚0.1〜1μmの水素透過層と、該水素透過層の外周シール部分に設けられ、該水素透過層の金属と金属間化合物を形成しない別の金属からなる膜厚3μm以上の金属膜とからなることを特徴とする水素透過膜。
  2. 前記水素透過層が、Pd膜またはPd合金膜からなることを特徴とする請求項1に記載の水素透過膜。
  3. 前記金属膜が、Cu、Ni、Ag、およびAuのうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の水素透過膜。
  4. 通気性多孔質金属支持体と、該通気性多孔質金属支持体の表面に形成された膜厚0.01〜1μmのバリア層と、該バリア層側で、該通気性多孔質金属支持体に接合される前記請求項1から3のいずれかに記載の水素透過膜とからなることを特徴とする水素透過用部材。
  5. 前記通気性多孔質金属支持体の表面が、粒径1〜10μmの球状金属粒子により形成されており、前記バリア層が、Al、Cr、Si、およびTiのうちの少なくとも1種の酸化物または窒化物からなることを特徴とする請求項4に記載の水素透過用部材。
  6. 基板上に、膜厚0.1〜1μmの水素透過層を形成し、得られた水素透過層の外周シール部分に、膜厚3μm以上の金属膜を形成し、得られた金属膜付きの水素透過層を前記基板上から剥離することを特徴とする水素透過膜の製造方法。
  7. 前記水素透過層を、PdまたはPd合金のターゲットを使用するスパッタリング法により、Pd膜またはPd合金膜として形成することを特徴とする請求項6に記載の水素透過膜の製造方法。
  8. 前記金属膜を、Cu、Ni、Ag、およびAuのうちの少なくとも1種を含む金属により形成することを特徴とする請求項6または7に記載の水素透過膜の製造方法。
  9. 前記基板として、酸化物ガラス、酸化物セラミックス、膜厚0.01〜1μmのバリア層を形成したシリコンウェハ、および膜厚0.01〜1μmのバリア層を形成した金属板のうちの少なくとも1種を用いることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の水素透過膜の製造方法。
  10. 前記バリア層を、Al、Cr、Si、およびTiのうちの少なくとも1種の酸化物または窒化物により形成することを特徴とする請求項9に記載の水素透過膜の製造方法。
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