JP2008042305A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】温度特性付き参照電圧回路や温度検出回路を用いてチャージポンプ回路等の電圧制御回路を制御し、画素内の転送トランジスタに印加する電圧値を制御する。これにより、環境条件(温度)が変化した際に、残像を少なくするための転送トランジスタに印加する昇圧電圧と、暗電流による白点の増加を防ぐ負電圧を、電位差がほぼ等しくなるように制御することができ、ゲート酸化膜へのストレスを増やすことなく、画素の残像、白点の最適化を行うことができる。これにより酸化膜を厚膜化するなどによる対応が不要になり、製造コストの低減を実現できる。
【選択図】図5
Description
しかし、このようなCMOSイメージセンサでは残像が問題となっている。一般に、残像は、前タイミングでのシャッター不足による電荷残りや蓄積電荷読み出し時の転送不良のために起こり、低照度時(信号量が少ない)場合にリニアリティーを悪化させるものである。
特に、一眼レフなどに用いる大判センサーなど、光電変換部の受光面積が大きくなる程、残像対策は必要である。
しかし、(1)の場合は、光電変換部側にゲートを伸ばすことになり、ゲート上での光のケラレが多くなり(=光電変換部の面積が減少し)、(3)の場合と同様に蓄積電荷量が少なくなってしまう。
また最近は、動画撮影時に静止画を鮮明に撮影したいため、高速撮影が求められており、入力クロック周波数の増大、フレームレートが高速化している。そのため、各々の画素列において、(2)のようにシャッター時、読み出し時共に読み出しパルス幅を広げると、動作の遅延につながるため好ましくない。また、(4)については、画素内の読み出し(転送)TrのON時の印加電圧のみに昇圧電源(EX:3V以上)を供給し、他の画素Tr(リセットTr、選択Tr、画素電源)には、CMOSロジック(周辺回路)で使用する電源電圧(EX:3V)を印加するという従来技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
また、駆動回路の酸化膜耐圧が耐えられない場合には、ゲート酸化膜厚を他の領域より厚膜化しておくという対策もあるが、これではプロセスの工程が増えてしまいコストアップにつながってしまう。
したがって、例えば残像を少なくするための画素内の転送トランジスタ等に印加する昇圧電圧と、暗電流による白点の増加を防ぐための負電圧とを電位差がほぼ等しくなるように制御することも可能となり、ゲート酸化膜へのストレスを増やすことなく、画素の残像、白点の最適化を行うことができ、酸化膜を厚膜化するなどの対応が不要になる。
また、物理量の変化に応じて複数のローカル電圧を互いに相関をもって変動させることにより、複数のローカル電圧のさらに高度な最適化が可能となる。
また、検知部において、物理量の検知範囲を設定することで、簡易な構成で物理量の検知を行うことができ、例えばヒステリシスコンパレータを用いることで閾値近傍でのノイズ等に強い安定的な検知を行うことが可能となる。また、電圧制御部はローカル電圧を同期信号によって変動させることで、適正な動作を実現できる。
また、ダイオードを用いた温度検出回路を検知部とすることにより、簡易かつ適切な温度測定を行うことができ、温度の変化に対して適正な電圧制御を行える。具体的には、温度検出回路の検出信号を出力電圧に反映させる出力電圧設定部を設けたり、あるいは、温度検出回路の検出信号を参照電圧に反映させる参照電圧部を設けることによって実現できる。
また、電圧制御部は電圧差を維持する複数のローカル電圧を所定の端子に供給することにより、絶縁膜の耐圧を適正に維持して安定した動作を得ることができる。
図1において、CMOSイメージセンサは、多数の画素を2次元配列した撮像部と、この撮像部の外側に配置された周辺回路部とで構成されており、図中の各画素100は撮像部に設けられ、垂直(V)ドライバ部200は周辺回路部に設けられている。
各画素100には、光電変換部としてのフォトダイオードと、このフォトダイオードで生成された信号電荷をFD(フローティングデフュージョン)に転送する読み出しトランジスタ(転送ゲート)と、FDの電位を検出して画素信号を生成する増幅トランジスタと、画素信号を出力する画素行を選択する選択トランジスタと、FDのリセットを行うリセットトランジスタ等を有する。なお、図1では、各画素内にフォトダイオード101と転送ゲート102だけを示している。
また、デコーダ220からは、バッファ240を介して各画素のリセットトランジスタにリセット信号RSTが供給され、バッファ250を介して各画素の選択トランジスタに選択信号SELが供給される。
まず、選択信号SELにより画素が選択され、リセット信号RSTの後、無信号時の電圧が出力される。次に、フォトダイオードの所定の電荷蓄積時間が経過した後、転送ゲート(TRG)がONし、信号電圧が読み出される。そして、この信号電圧と先の無信号時の電圧との差をとることでCDS(相関二重サンプリング)を行い、画素間の特性差を除去した状態の信号が出力される。
本例では、このような信号読み出し動作において、転送ゲートの印加電圧のHighレベルを温度によって可動としていることを一つの特徴とする。詳細には画素内の転送ゲートの印加電圧を、他の画素トランジスタ(リセットトランジスタや選択トランジスタ)のON時の印加電圧より、低温時に高い電圧を印加する(例えば、転送ゲートON時:3.2V、その他の画素トランジスタON時:3V等)構成になっている。
また、本例の特徴のもう一つとして、転送ゲートにピンニング強化のため蓄積時にかける負電圧の温度特性を考慮することで、転送ゲートにかかる電位差を一定にすることで、転送ゲートを駆動するインバータのゲート酸化膜への信頼性を向上する。なお、リセットトランジスタ、選択トランジスタのON時の印加電圧は、CMOSロジック回路(周辺回路部)の電源電圧と同等(例えば、3V)である。
CMOSセンサの場合、フォトダイオード部の空電位(=フォトダイオード部の深部電位)はおよそ1.0〜2.0V位なので、転送ゲートのON時の印加電圧を昇圧すればする程、転送ゲート下のポテンシャルが下がり、読み出しがし易くなる。
この場合、FDの深部の電位はリセットトランジスタに印加する電位と等しくなるので、転送ゲートがONの時の電位はFDの深部電位より深くなるため、転送ゲート下に電子が溜まってしまい、残像が懸念される。しかし、転送ゲートをONするパルスは瞬時であるため、残像が出ない程度に、転送ゲートに印加する昇圧電圧を大きくしておく。
本図において、図中の矢印方向に示すように、読み出し電源電圧が大きくなる程、低照度時のリニアリティーは改善する。また、高温では電子が熱励起されることにより、見えていなかった残像が低温で電位障壁のため発生することがある。
本例で用いるチャージポンプ回路は、昇圧型チャージポンプ回路と反転型チャージポンプ回路とを組み合わせたものである。
まず、昇圧型チャージポンプ回路300Aは、発振回路301、アンプ302、スイッチSW1〜SW4、分圧抵抗R1、R2、ポンプ用コンデンサ(ポンプ容量)CP1、出力用コンデンサCOUT1、インバータ303、温度特性付き参照電圧回路304等で構成され、ポンプ用コンデンサCP1の両端にスイッチSW1、SW4を介してアンプ302による電源電圧Va1が印加され、ポンプ用コンデンサCP1の片端がスイッチSW2を介して出力用コンデンサCOUT1に接続され、他端がスイッチSW3を介して接地されている。
そして、発振回路301、インバータ303、及びスイッチSW1〜SW4によるスイッチング動作によって、アンプ302からの電荷をポンプ用コンデンサCP1に充電し、昇圧された出力を出力用コンデンサCOUT1にて平滑化し、電圧出力VOUTとして出力する。
また、この回路では、抵抗R1、R2により出力電圧VOUT1を分割し、その分割電圧と温度特性付き参照電圧回路304による参照電圧Vref0とをアンプ302によって比較し、そのアンプ302の出力電圧Va1をポンプ用コンデンサCP1の電源とすることで昇圧動作を行う。
そして、まず、スイッチSW5、SW7によりVddとGNDとの間を接続することでポンプ用コンデンサCP2に電荷を充電し、その後、スイッチSW8をアンプ312の出力電圧Va2に接続し、逆端をスイッチSW6に接続することによって負電圧出力VOUT2を生成する。
また、この回路では、抵抗R3、R4を上述した出力電圧VOUT2と基準電圧源311による基準電圧(Vrefout)との間に設け、その分圧電圧をアンプ312の反転入力に出力する。また、アンプ312の非反転入力には、昇圧型に用いた基準電圧Vref0を与えている。このアンプの出力Va2を容量CP2の電圧レベルとして用いることで、反転動作を行うものである。
実測によるダイオードの温度特性(ただし、I=10μA)を図7に示す。図示のように、温度Taが上昇するにつれ、Vfは減少していく。また、図8にR5=R6(ただし、I=10μA)の値をとったときのVref0の温度特性を算出したグラフを示す。
また、このような温度特性付き参照電圧Vref0を用いた場合の図5に示すチャージポンプ回路での出力電圧特性を図9に示す。
ここでは、設定例として、R1=R3=100kΩ、R2=120kΩ、R4=450kΩ、Vrefout=2Vとして測定した。
図示のように、昇圧電圧と反転電圧がVref0の相関をもって変動することにより、転送ゲート(TRG)への印加電圧差がほぼ同様に変動していることが分かる。これにより、温度変化時の電位変動によるゲートの信頼性を損なうことがなくなる。
図示のように、このチャージポンプ回路は、基本的には図5に示したチャージポンプ回路と共通であるが、本例では、昇圧型チャージポンプ回路と反転型チャージポンプ回路とで共用の温度検出回路331を搭載し、各分圧抵抗R1、R2、R3、R4を可変分割型とし、温度検出値に応じた出力電圧設定部332、333としたことを特徴とする。なお、その他は図5に示す構成と同様であり、同一の構成要素には同一符号を付して説明は省略する。
本図において、温度検出回路331は、検出する温度範囲を3段階に設定したものであり、固定電位Vrefによる分割電圧V1、V2を得るための分圧抵抗Ra、Rb、Rcと、温度に依存する電圧値Vtempを測定するための定電流回路341及びダイオード342と、温度に依存する電圧値Vtempと固定の電圧値V1、V2とを比較するアンプ343、344と、各アンプ343、344の比較値の組み合わせ信号を生成するアンド回路345と、各組み合わせ信号を同期信号XVSに基づいてラッチするD型フリップフロップ回路346とを有する。なお、ここで用いている同期信号XVSは、画像フレームの先頭でアクティブとなる垂直同期信号である。これにより出力電圧の変化はブランキング期間に変化するよう設計することができ有効期間に電圧変動することなくシェーディングを引き起こすことはない。
また、出力電圧設定部332は、分割抵抗R1、R2の間に設けられた分割抵抗R、3R、4Rと、ラッチ信号を用いて各分割抵抗R、3R、4Rを選択的に短絡するスイッチ回路347とを有する。
また、出力電圧設定部333は、分割抵抗R3、R4の間に設けられた分割抵抗R、2R、4Rと、ラッチ信号を用いて各分割抵抗R、2R、4Rを選択的に短絡するスイッチ回路348とを有する。
そして、温度範囲はダイオードの順方向Vtempの閾値をV1、V2とすることで設定する。そのときの出力電圧は、Vtemp>V1、V2<Vtemp<V1、Vtemp<V2のとき、それぞれXVS信号に同期して設定(1)、(2)、(3)をHighとして選択出力する。
この出力は、出力電圧設定部の抵抗分割比を変えて、チャージポンプ出力電圧VOUT1、VOUT2を以下の式1〜式4に従って変化することができる(なお、式2、式4は(1)の条件のときの式である)。
R2'=R2+3R+4R ……式2
VOUT2=(R3+R4')/R3*Vref0−R4'/R3*Vrefout ……式3
R4'=R4+R+2R ……式4
この電圧の変化は、XVSに同期して起こるためブランキング期間内に変化するよう設計することで黒レベルを決めるOPB領域や有効期間に電圧変動することなくシェーディングを引き起こすことはない。
図12は出力電圧特性の例を示しており、R1=R3=R4=100kΩ、R2=400kΩ、R=10kΩ、Vref0=0.5V、Vrefout=1.5Vとしたときの出力電圧の計算結果を示す。これにより電位差が一定に保たれていることが分かる。
図示のように、このチャージポンプ回路は、基本的には図10に示したチャージポンプ回路と共通であるが、本例では、温度検出回路331の結果を参照電圧にフィードバックする構成である。ここではバンドギャップなどの電圧からR7、R8の抵抗分割によって生成されるVref0を温度検出回路331からの信号によって抵抗分割比を選択する構成である。なお、その他は図10に示す構成と同様であり、同一の構成要素には同一符号を付して説明は省略する。
図示のように、温度検出回路331は図11に示す例と同様である。また、参照電圧回路304は、分割抵抗R7、R8の間に設けられた分割抵抗R、2R、4Rと、ラッチ信号を用いて各分割抵抗R、2R、4Rを選択的に短絡するスイッチ回路351と、分割抵抗に印加する電源電圧を制御するトランジスタ352と、このトランジスタ352のゲートにBGR電圧回路354による電圧を印加するアンプ353とを有する。ここで、BGR電圧回路354は、シリコンのバンドギャップリファレンス(BGR)電圧を生成して出力する回路であり、温度の変化に影響されない電圧の出力源として用いている。ただし、他の基準電圧の生成源を用いても良い。
この回路の動作は図11で示した回路と同様であり、例えば設定例として、BGR=1.25V、R7=40kΩ、R8=60kΩ、R=10kΩとすると、電位差は4V程度でほぼ一定になる。
図示のように、この回路は、固定電位の分圧回路が上述した例と異なるものであり、分割抵抗として、新たに抵抗Rd、Reが付加され、さらに各抵抗Rd、Reを短絡するスイッチ361、362を設け、これらをアンプ343、344の出力に応じて開閉するようにしてヒステリシス特性を持たせることにより、閾値近傍でのノイズ等の影響を受け難いヒステリシスコンパレータの構成となっている。なお、その他の温度検出回路の構成は図11と同様であるので、同一符号を付して説明は省略する。
また、以上の例では、ローカル電圧電源を固体撮像装置の同一チップ上に搭載した例を示したが、外部供給の電源でも同様な構成は可能である。その際に、温度検出回路はチップの内部に設けても、外部に設けても良い。
また、以上はローカル電圧を生成する回路にチャージポンプ型回路を用いて説明したが、コイルを用いたチョッパ型のDC/DCコンバータでも同様な構成を用いて実現することは可能である。
また、環境変化を検出する手段として、温度以外の物理量(例えば受光光量等)を検知するような手段を設け、その検知結果を用いて必要な箇所のローカル電圧を制御するような構成としても良いし、温度や光量等の複数の物理量によって異なる部位に供給する信号電圧を個別に制御するような構成も勿論可能である。
また、環境変化に応じてローカル電圧を変化させる単位信号として、転送ゲートパルス信号に適用した例を説明したが、他の信号に適用することも可能である。また、同期信号についても、上述した垂直同期信号XVSに限らず、制御する単位信号に合わせて適宜変更が可能である。
また、以上は本発明をCMOSイメージセンサについて適用した場合を説明したが、本発明は必ずしもCMOSイメージセンサに限定されず、CCDイメージセンサ等の撮像装置にも適用できるものである。
Claims (11)
- 所定の物理量の変化を検知する検知部と、
所定の単位信号を出力する単位信号生成部と、
通常の動作電圧とは異なるローカル電圧を生成するローカル電圧生成部と、
前記検知部で検知した物理量の変化に基づいて前記単位信号を出力する所定の端子にローカル電圧を供給する電圧制御部と、
を有することを特徴とする撮像装置。 - 前記検知部、単位信号生成部、及びローカル電圧生成部はそれぞれ複数設けられていることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 複数の単位構成要素が所定の順序で配され、それぞれの単位構成要素毎に前記検知部、単位信号生成部、及びローカル電圧生成部が配置されていることを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
- 前記電圧制御部は前記物理量の変化に応じて複数のローカル電圧を互いに相関をもって変動させることを特徴とすることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 前記検知部は前記物理量の検知範囲を設定する手段を有することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 前記物理量の検知範囲を設定する手段はヒステリシスコンパレータを有することを特徴とする請求項5記載の撮像装置。
- 前記電圧制御部はローカル電圧を同期信号によって変動させる手段を有することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 前記検知部はダイオードを用いた温度検出回路を有することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 前記電圧制御部は前記温度検出回路の検出信号を出力電圧に反映させる出力電圧設定部を有することを特徴とする請求項8記載の撮像装置。
- 前記電圧制御部は前記温度検出回路の検出信号を参照電圧に反映させる参照電圧部を有することを特徴とする請求項8記載の撮像装置。
- 前記電圧制御部は電圧差を維持する複数のローカル電圧を所定の端子に供給することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
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