JP4882631B2 - 固体撮像装置及び撮像装置 - Google Patents
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Description
そして、本件出願人は、このような固体撮像装置において、環境温度に依存してローカル電圧が変動する撮像装置を提案している(例えば特許文献1参照)。
このチャージポンプ回路は、発振回路301、アンプ302、スイッチSW1〜SW4、分圧抵抗(出力電圧設定部307)R1、R2、ポンプ用コンデンサ(ポンプ容量)CP、出力用コンデンサCOUT、インバータ303、位相補償回路304、制御回路305、基準電圧源306等で構成されている。
まず、制御回路305は、発振回路301からの周波数信号に基づいてパルス信号を生成し、そのパルス信号をスイッチSW1、SW3に供給するとともに、インバータ303を介して反転パルス信号をスイッチSW2、SW4に供給する。このスイッチング動作によって、ポンプ用コンデンサCPは、スイッチSW1、SW3を介して電源電圧で充電され、その充電電圧はスイッチSW2を介して出力用コンデンサCOUTに供給される。出力用コンデンサCOUTでは、ポンプ用コンデンサCPの出力を平滑化し、電圧出力VOUTとして出力する。
また、出力用コンデンサCOUTによる電圧出力VOUTは、抵抗R1、R2によって分割され、アンプ302に入力される。アンプ302では、この分割電圧と参照電圧の誤差信号を制御回路305に供給し、制御回路305では、この誤差信号に対応する出力電圧制御信号を生成してスイッチSW4に供給し、電圧出力VOUTを制御する。
図12は転送ゲート電圧の温度依存性を示す説明図である。
図示のように、25°Cの温度で−0.8Vのゲート電圧が60°Cの温度で−1.1Vのゲート電圧となり、このような温度依存性によって転送ゲート電圧を最適化し、暗電流を抑制できるような電圧供給を行うことができる。
なお、このような温度依存性によって最適化できるローカル電圧としては、転送ゲート電圧以外にも想定でき、それぞれにローカル電圧供給回路を設けることで、環境温度変化による不具合を防止することが可能となる。
例えば、この種の撮像装置において、動画、静止画などの動作が切り替えられると、フレームレートの違いなどから、瞬間的な消費電流の変動が起こり、温度が大きく上昇してしまう。
しかし、このような温度上昇に伴い、例えばローカル電圧が温度変化と線形に変動してしまい、撮像装置の有効画素領域内で暗電流によるシェーディングが生じる場合がある。また、撮像中に急激な温度変化が起こると、ローカル電圧が撮像動作の有効期間中に変動し、同様な不具合が発生する場合がある。
光電変換に応じた信号を出力する複数の画素が配置されており、
所定の物理量の変化を検知する検知部と、
通常の動作電圧とは異なるローカル電圧を生成し、前記複数の画素にその転送ゲート電圧として与えるローカル電圧生成部と、
前記検知部の検知結果に基づいて前記ローカル電圧を制御する電圧制御部と
を有し、
前記検知部は、検知する物理量の変化の複数の検知範囲を設定し、検知した物理量が前記複数の検知範囲のいずれに含まれるかを示す指示信号を出力し、
前記電圧制御部は、前記検知部の指示信号に基づいて画像の有効領域に影響しないタイミングで前記ローカル電圧の制御信号を切り換える
ことを特徴とする。
したがって、急激な環境変化が生じた場合でも、その影響で画質が劣化するのを防止でき、かつ、適正な電圧制御を行うことが可能となる。
このチャージポンプ回路は、発振回路101、アンプ102、スイッチSW1〜SW4、分圧抵抗(出力電圧設定部108)R1、R2、ポンプ用コンデンサ(ポンプ容量)CP、出力用コンデンサCOUT、インバータ103、位相補償回路104、制御回路105、基準電圧源106、温度検出回路107等で構成されている。すなわち、本例の構成は、図11に示した従来の構成に加えて温度検出回路107を設けたものである。
なお、位相補償回路104は帰還ループの位相の安定化を図るものである。
図2は本例における温度検出回路107と出力電圧設定部108の具体例を示す回路図である。
温度検出回路107は、検出する温度範囲を3段階に設定したものであり、固定電位Vrefによる分割電圧V1、V2を得るための分圧抵抗Ra、Rb、Rcと、温度に依存する電圧値Vtempを生成するための定電流回路111及びダイオード112と、温度に依存する電圧値Vtempと固定の電圧値V1、V2とを比較するアンプ113、114と、各アンプ113、114の比較値の組み合わせ信号を生成するアンド回路115、116、117と、各組み合わせ信号を同期信号XVSに基づいてラッチするD型フリップフロップ回路118、119、120とを有する。なお、ここで用いている同期信号XVSは、画像フレームの先頭でアクティブとなる垂直同期信号であり、インバータ121を介してD型フリップフロップ回路118、119、120のクロック入力に供給される。
また、出力電圧設定部108は、分割抵抗R1、R2の間に設けられた分割抵抗R、2R、4Rと、ラッチ信号を用いて各分割抵抗R、2R、4Rを選択的に短絡するスイッチ回路122、123、124とを有する。なお、分割抵抗R、2R、4Rとは、基準となる単位抵抗値Rに対して、1倍の抵抗値R、2倍の抵抗値2R、4倍の抵抗値4Rを示している。
ここで、固定電位Vrefはバンドギャップレファレンス(BGR)などから生成する温度依存の少ない電圧源とする。なお、図示の例では、温度範囲として3段階に出力電圧を変化させる場合の例を示すが、これに限定されないものとする。
また、温度範囲はダイオードの順方向Vtempの閾値をV1、V2とすることで設定する。そのときの出力電圧は、Vtemp>V1、V2<Vtemp<V1、Vtemp<V2のとき、それぞれXVS信号に同期して設定(1)、(2)、(3)をHighとして選択出力する。
VOUT=(R1+R2')/R1*Vref0−R2'/R1*Vrefout ……式1
R2'=R2+R+2R ……式2
なお、チャージポンプ出力電圧VOUTを変更する方法としては、抵抗分割比を変更する以外にも、例えばアンプの参照電圧を変更することで可能であるが、本発明では、これらの方法を全て含む概念として、ローカル電圧の制御信号を切り換えるという表現を用いている。
また、このような出力電圧の変化は、XVSに同期して起こるため、図7に示すように、ブランキング期間内に変化するよう設計することで、有効期間に電圧変動することなくシェーディングを引き起こすことはなくなる。
すなわち、図7において、垂直同期信号XVSがフレームの先頭で出力されると、これに同期して水平同期信号XHSにより1フレームの撮像動作が行われるが、有効画素領域の撮像動作が開始される前に、ブランキング期間、オプティカルブラック(OB)期間が存在する。そこで、有効領域の撮像に影響しないブランキング期間に出力電圧の切り換えを行い、画像に影響しない動作を確保する。
なお、図示の例のように、ブランキング期間の後に黒レベル基準を決めるライン(OB期間)が含まれる場合は、黒レベル基準に影響がでないように、それ以前に出力電圧の切り換えを行う必要がある。しかし、例えばNTSC方式の全画素読み出し(1フレームは1/60sec)、画素数を6M(XHSが2000行)、ダミー行として20行程度とすると、XVSからのブランキング期間は約150μsec程度の時間があり、数100mV程度のVOUT2からVOUT1への出力制御としては問題なく行える。
この温度検出回路は、閾値近傍で頻繁な切り替え動作が行われるのを防止し、安定性を保つために、ヒステリシスを持たせた構成(いわゆるヒステリシスコンパレータ)を示している。すなわち、この回路は、固定電位の分圧回路が上述した例と異なるものであり、分割抵抗として、新たに抵抗Rd、Reが付加され、さらに各抵抗Rd、Reを短絡するスイッチ125、126を設け、これらをアンプ113、114の出力に応じて開閉するようにしてヒステリシス特性を持たせることにより、閾値近傍でのノイズ等の影響を受け難いヒステリシスコンパレータの構成となっている。なお、その他の温度検出回路の構成は図2に示す構成と同様であるので、同一符号を付して説明は省略する。
次に更に温度が上昇し、Vtemp<V2'になったとき、抵抗Reが接続され、V2'はV2''に変化し、反転する温度レベルを変化させることができる。
V1'=Vref*(Rb+Rc+Rd)/(Ra+Rb+Rc+Rd)
V2'=Vref*(Rc+Rd)/(Ra+Rb+Rc+Rd)
V2''=Vref*(Rc+Rd+Re)/(Ra+Rb+Rc+Rd+Re)
つまり、温度が閾値を超えたときに分割抵抗比を変えることで、図6に示すようなヒステリシスを作り出すことが可能である。すなわち、図6において、0°C、25°C、60°Cの各閾値温度近傍での出力電圧の切り替わり動作が、それぞれ矢印に示すようになり、いったん変化した出力電圧がすぐには反転しないようになる。これにより、閾値付近での動作時の出力電圧の不安定さを改善することができる。
図8はこの場合のチャージポンプ回路の構成例を示す回路図であり、図9は電圧変更機能を設けた参照電圧回路の構成を示す回路図である。
図8に示す構成は温度検出回路107の出力信号を参照電圧の発生源に入力した構成を示しており、その他は図1に示す構成と同様であるので、共通の構成要素には同一符号を付して説明は省略する。
図9に示す参照電圧回路では、参照電圧を出力する分割抵抗R3、R4と、この分割抵抗に印加する電源電圧を制御するトランジスタ131と、このトランジスタ131のゲートにBGR電圧回路132による電圧を印加するアンプ133とを有し、一方の分割抵抗R4を可変抵抗として温度検出回路の出力信号によって制御することにより、参照電圧を変更する。
なお、BGR電圧回路132は、シリコンのバンドギャップリファレンス(BGR)電圧を生成して出力する回路であり、温度の変化に影響されない電圧の出力源として用いている。ただし、他の基準電圧の生成源を用いても良い。
本例では、定電流回路111とダイオード112とを図2に示す例と反対にし、電源側にダイオード112を設け、接地側に定電流回路111を設けることにより、電源基準でダイオードVtempと抵抗分割電圧V1、V2を比較する構成としたものである。このような構成により、固定電位Vrefのばらつきの影響がなくなる構成とすることが可能である。
また、以上の例では、ダイオードを用いたが、例えば特許3322553号公報に記載されるように、バイポーラトランジスタを用いた温度検出回路で構成することも可能である。
また、以上はローカル電圧を生成する回路にチャージポンプ型回路を用いて説明したが、コイルを用いたチョッパ型のDC/DCコンバータでも同様な構成を用いて実現することは可能である。
また、環境変化を検出する手段として、温度以外の物理量(例えば受光光量等)を検知するような手段を設け、その検知結果を用いて必要な箇所のローカル電圧を制御するような構成としても良いし、温度や光量等の複数の物理量によって異なる部位に供給する信号電圧を個別に制御するような構成も勿論可能である。
また、環境変化に応じてローカル電圧を変化させる単位信号として、転送ゲートパルス信号に適用した例を説明したが、他の信号に適用することも可能である。また、同期信号についても、上述した垂直同期信号XVSに限らず、制御する単位信号に合わせて適宜変更が可能である。
また、以上の例では、本発明をCMOSイメージセンサについて適用した場合を説明したが、本発明は必ずしもCMOSイメージセンサに限定されず、CCDイメージセンサ等を用いた撮像装置にも適用できるものである。
さらに、以上の例では、ローカル電圧電源を固体撮像装置の同一チップ上に搭載することを前提とて説明したが、外部供給の電源でも同様な構成は可能である。その際に、温度検出回路はチップの内部に設けても、外部に設けても良い。
すなわち、本発明はイメージセンサ(固体撮像装置)単体で構成される装置にも適用可能であるし、イメージセンサとその他のモジュール(例えば操作部や通信、表示等の機能部)と組み合わせた撮像装置(例えばデジタルカメラ装置や携帯電話装置等)にも適用可能である。
Claims (20)
- 光電変換に応じた信号を出力する複数の画素が配置されており、
所定の物理量の変化を検知する検知部と、
通常の動作電圧とは異なるローカル電圧を生成し、前記複数の画素にその転送ゲート電圧として与えるローカル電圧生成部と、
前記検知部の検知結果に基づいて前記ローカル電圧を制御する電圧制御部と
を有し、
前記検知部は、検知する物理量の変化の複数の検知範囲を設定し、検知した物理量が前記複数の検知範囲のいずれに含まれるかを示す指示信号を出力し、
前記電圧制御部は、前記検知部の指示信号に基づいて画像の有効領域に影響しないタイミングで前記ローカル電圧の制御信号を切り換える
固体撮像装置。 - 前記検知部は物理量を複数の基準値と比較するコンパレータを有する
請求項1記載の固体撮像装置。 - 前記コンパレータはヒステリシスコンパレータである
請求項2記載の固体撮像装置。 - 前記電圧制御部は撮像動作に用いる同期信号に基づいて前記ローカル電圧の制御信号を切り換える
請求項1記載の固体撮像装置。 - 前記電圧制御部は前記ローカル電圧の制御信号をブランキング期間に切り換える
請求項4記載の固体撮像装置。 - 前記検知部はダイオードを用いた温度検出回路を有し、前記温度検出回路の検出信号に基づいて前記指示信号を生成する
請求項1記載の固体撮像装置。 - 前記電圧制御部は前記検知部からの指示信号に基づいて前記ローカル電圧の制御信号を切り換える出力電圧設定部を有する
請求項1記載の固体撮像装置。 - 前記出力電圧設定部は分割抵抗の分割比を変更することにより、前記ローカル電圧の制御信号を切り換える
請求項7記載の固体撮像装置。 - 前記電圧制御部は前記ローカル電圧の出力電圧と参照電圧との差信号を前記ローカル電圧の制御信号として出力するアンプを有する
請求項1記載の固体撮像装置。 - 前記電圧制御部は前記参照電圧を変更することにより、前記ローカル電圧の制御信号を切り換える
請求項9記載の固体撮像装置。 - 光電変換に応じた信号を出力する複数の画素が配置されており、
所定の物理量の変化を検知する検知部と、
通常の動作電圧とは異なるローカル電圧を生成し、前記複数の画素にその転送ゲート電圧として与えるローカル電圧生成部と、
前記検知部の検知結果に基づいて前記ローカル電圧を制御する電圧制御部と
を有し、
前記検知部は、検知する環境変化の複数の検知範囲を設定し、検知した環境変化が前記複数の検知範囲のいずれに含まれるかを示す指示信号を出力し、
前記電圧制御部は、前記検知部の指示信号に基づいて画像の有効領域に影響しないタイミングで前記ローカル電圧の制御信号を切り換える
固体撮像装置を用いる撮像装置。 - 前記検知部は物理量を複数の基準値と比較するコンパレータを有する
請求項11記載の撮像装置。 - 前記コンパレータはヒステリシスコンパレータである
請求項12記載の撮像装置。 - 前記電圧制御部は撮像動作に用いる同期信号に基づいて前記ローカル電圧の制御信号を切り換える
請求項11記載の撮像装置。 - 前記電圧制御部は前記ローカル電圧の制御信号をブランキング期間に切り換える
請求項14記載の撮像装置。 - 前記検知部はダイオードを用いた温度検出回路を有し、前記温度検出回路の検出信号に基づいて前記指示信号を生成する
請求項11記載の撮像装置。 - 前記電圧制御部は前記検知部からの指示信号に基づいて前記ローカル電圧の制御信号を切り換える出力電圧設定部を有する
請求項11記載の撮像装置。 - 前記出力電圧設定部は分割抵抗の分割比を変更することにより、前記ローカル電圧の制御信号を切り換える
請求項17記載の撮像装置。 - 前記電圧制御部は前記ローカル電圧の出力電圧と参照電圧との差信号を前記ローカル電圧の制御信号として出力するアンプを有する
請求項11記載の撮像装置。 - 前記電圧制御部は前記参照電圧を変更することにより、前記ローカル電圧の制御信号を切り換える
請求項19記載の撮像装置。
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