以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下においては、X−Yアドレス型の固体撮像装置の一例である、CMOS撮像素子をデバイスとして使用した場合を例に説明する。ただしこれは一例であって、対象となるデバイスはMOS型の撮像デバイスに限らない。光や放射線などの外部から入力される電磁波に対して感応性をする単位構成要素をライン状もしくはマトリクス状に複数個配列してなる物理量分布検知用の半導体装置の全てに、後述する実施形態が同様に適用できる。
<第1実施形態;固体撮像装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るCMOS固体撮像装置の第1実施形態の概略構成図である。この固体撮像装置1は、たとえばカラー画像を撮像し得る電子スチルカメラやFA(Factory Automation)カメラとして適用されるようになっている。
固体撮像装置1は、入射光量に応じた信号を出力する受光素子を含む画素が行および列に配列された(すなわち2次元マトリクス状の)撮像部を有し、各画素からの信号出力が電圧信号であって、CDS(Correlated Double Sampling ;相関2重サンプリング)処理機能部やその他の機能部が垂直列ごとに設けられたカラム型のものである。
すなわち、図1に示すように、固体撮像装置1は、複数の単位画素3(単位構成要素の一例)が行および列に(2次元行列状に)多数配列された撮像部(画素部)10と、撮像部10の外側に設けられた駆動制御部7と、各垂直列に配されたカラム信号処理回路(図ではカラム回路と記す)26aを有するカラム処理部26とを備えている。駆動制御部7としては、たとえば、水平走査回路12と垂直走査回路14を備える。
なお、カラム処理部26と水平走査回路12との間の信号経路上には、各垂直信号線19に対してドレイン端子が接続された図示しない負荷MOSトランジスタを含む負荷トランジスタ部が配され、各負荷MOSトランジスタを駆動制御する負荷制御部(負荷MOSコントローラ)が設けられている。
図1では、簡単のため行および列の一部を省略して示しているが、現実には、撮像部10の各行や各列には、数十から数千の単位画素3が配置される。なお、図示を割愛するが、撮像部10には、各画素に所定のカラーコーディングを持つ色分離フィルタが形成される。また図示を割愛するが、撮像部10の各画素は、フォトダイオードなどの光電変換素子およびトランジスタ回路によって構成されている(後述する図2を参照)。
また、駆動制御部7の他の構成要素として、水平走査回路12、垂直走査回路14、あるいはカラム処理部26などの固体撮像装置1の各機能部に所定タイミングの制御パルスを供給する駆動信号操作部20が設けられている。
これらの駆動制御部7の各要素は、撮像部10とともに、半導体集積回路製造技術と同様の技術を用いて単結晶シリコンなどの半導体領域に一体的に形成され、半導体システムの一例である固体撮像素子(撮像デバイス)として構成される。
単位画素3は、垂直列選択のための垂直制御線15を介して垂直走査回路14と、垂直信号線19を介してカラム処理部26と、それぞれ接続されている。水平走査回路12や垂直走査回路14は、たとえばシフトレジスタを有して構成され、駆動信号操作部20から与えられる駆動パルスに応答してシフト動作(走査)を開始するようになっている。垂直制御線15には、単位画素3を駆動するための種々のパルス信号が含まれる。
水平走査回路12は、図示を割愛するが、水平方向の読出列(水平方向のアドレス)を規定する(カラム処理部26内の個々のカラム信号処理回路26aを選択する)水平アドレス設定部と、水平アドレス設定部にて規定された読出アドレスに従って、カラム処理部26の各信号を水平信号線18に導く水平駆動回路とを有する。
水平アドレス設定部は、図示を割愛するが、シフトレジスタあるいはデコーダを有して構成されており、カラム信号処理回路26aからの画素情報を順に選択し、その選択した画素情報を水平信号線18に出力する選択手段としての機能を持つ。たとえば、水平走査回路12は、カラム処理部26からの画素信号を選択して水平信号線18に出力するための水平走査パルスφH〔φH1,φH2,…,φHh〕をカラム処理部26の水平スイッチに供給するようになされている。
垂直走査回路14は、図示を割愛するが、垂直方向の読出行(垂直方向のアドレス)や水平方向の読出列(水平方向のアドレス)を規定する(撮像部10の行を選択する)垂直アドレス設定部と、垂直アドレス設定部にて規定された読出アドレス上(水平行方向)の単位画素3に対する制御線にパルスを供給して駆動する垂直駆動回路とを有する。
垂直アドレス設定部は、図示を割愛するが、信号を読み出す行の基本的な制御を行なう垂直シフトレジスタあるいはデコーダの他に、電子シャッタ用の行の制御を行なうシャッタシフトレジスタも有する。
垂直シフトレジスタは、撮像部10から画素情報を読み出すに当たって各画素を行単位で選択するためのものであり、各行の垂直駆動回路とともに信号出力行選択手段を構成する。シャッタシフトレジスタは、電子シャッタ動作を行なうに当たって各画素を行単位で選択するためのものであり、各行の垂直駆動回路とともに電子シャッタ行選択手段を構成する。
駆動信号操作部20は、各部の動作に必要なクロックや所定タイミングのパルス信号を供給するタイミングジェネレータTG(読出アドレス制御装置の一例)の機能ブロックであるタイミング発生部21と、端子20aを介して入力クロックCLK0を受け取り、端子20bを介して動作モードなどを指令するデータを受け取り、端子20cを介して同期信号を受け取り、また端子20dを介して固体撮像装置1の情報を含むデータDATAを出力する通信インタフェースの機能ブロックであるインタフェース部22とを備える。また、水平アドレス信号を水平アドレス設定部へ、また垂直アドレス信号を垂直アドレス設定部へ出力し、各アドレス設定部,は、それを受けて対応する行もしくは列を選択する。
インタフェース部22は、シリアルインタフェース機能を有しており、外部からシリアルデータが供給される。また、外部から同期信号およびクロック信号が、タイミング発生部21およびインタフェース部22に供給される。固体撮像装置1では、インタフェース部22が外部からデータを受け取り、データに応じてタイミング発生部21の動作が制御される。タイミング発生部21では、データに応じて垂直走査回路14、水平走査回路12、カラム処理部26、および出力回路29を動作させる駆動パルスを発生し、各部へ供給するようになされる。
なお、駆動信号操作部20は、撮像部10や水平走査回路12など、他の機能要素とは独立して、別の半導体集積回路として提供されてもよい。この場合、撮像部10や水平走査回路12などから成る撮像デバイスと駆動信号操作部20とにより、半導体システムの一例である撮像装置が構築される。この撮像装置は、周辺の信号処理回路や電源回路なども組み込まれた撮像モジュールとして提供されてもよい。
カラム処理部26は、垂直列ごとにカラム信号処理回路26aを有して構成されており、1行分の画素の信号を受けて、その信号を処理する。たとえば、カラム処理部26は、CDS(Correlated Double Sampling ;相関2重サンプリング)処理を利用したノイズ除去手段の機能を備えており、駆動信号操作部20から与えられるサンプルパルスSHPとサンプルパルスSHDといった2つのサンプルパルスに基づいて、垂直信号線19を介して入力された電圧モードの画素情報に対して、画素リセット直後の信号レベル(ノイズレベル;0レベル)と真の信号レベルとの差分をとる処理を行なうことで、画素ごとの固定ばらつきによる固定パターンノイズ(FPN;Fixed Pattern Noise )やリセットノイズといわれるノイズ信号成分を取り除く。また、所定期間、信号を保持する信号保持機能をも持つ。
なお、カラム処理部26には、CDS処理機能部の後段に、必要に応じて信号増幅機能を持つAGC(Auto Gain Control) 回路やADC(Analog Digital Converter)回路などを設けることも可能である。
カラム処理部26により処理された画素情報を示す電圧信号は、水平走査回路12からの水平選択信号により駆動される図示しない水平選択スイッチを介して所定のタイミングで読み出されて水平信号線18に伝達されて、水平信号線18の後端に接続された出力回路29に入力される。
たとえば撮像部10は、垂直走査回路14によって走査され、すなわち垂直走査回路14からの垂直選択パルスφV〔φV1,φV2,…,φVv〕により画素の行が順次選択され、選択(走査)された行の画素の信号が垂直信号線19を通してカラム処理部26に出力される。カラム処理部26では、1行分の信号を受け、各画素固有のオフセット成分(固定パターンノイズ成分に相当する)を差し引いた信号が保持される。そして、水平走査回路12からの水平走査パルスφH〔φH1,φH2,…,φHh〕により水平スイッチが順次オンしてカラム処理部26に保持された1行分の画素の信号が水平信号線18を通して出力回路29に順次読み出される。出力回路29でこの信号が増幅され出力端子29aにアナログ信号として出力される。
出力回路29は、撮像部10から水平信号線18を通して出力される各画素の信号を適当なゲインで増幅した後、撮像信号S0として図示しない外部回路に端子29aを介して供給する。この出力回路29は、たとえば、バッファリングだけする場合もあるし、その前に黒レベル調整、列ばらつき補正、信号増幅、色関係処理などを行なうこともある。
つまり、本実施形態のカラム型の固体撮像装置1においては、単位画素3からの出力信号(電圧信号)が、垂直信号線19→カラム処理部26→水平信号線18→出力回路29の順で出力される。その駆動は、1行分の画素出力信号は垂直信号線19を介してパラレルにカラム処理部26に送り、CDS処理後の信号は水平信号線18を介してシリアルに出力するようにする。
なお、垂直列や水平列ごとの駆動が可能である限り、それぞれのパルス信号を単位画素3に対して水平行方向および垂直列方向の何れに配するか、すなわちパルス信号を印加するための駆動クロック線の物理的な配線方法は自由である。
外部回路は、撮像部10や駆動制御部7などが同一の半導体領域に一体的に形成された固体撮像素子とは別の基板(プリント基板もしくは半導体基板)上に構成されており、各撮影モードに対応した回路構成が採られるようになっている。撮像部10や駆動制御部7などからなる固体撮像素子(本発明に係る半導体装置や物理情報取得装置の一例)と外部回路とによって、固体撮像装置1が構成されている。駆動制御部7を撮像部10やカラム処理部26と別体にして、撮像部10やカラム処理部26で固体撮像素子(本発明に係る半導体装置の一例)を構成し、この固体撮像素子(本発明に係る半導体装置の一例)と、別体の駆動制御部7とで、固体撮像装置(本発明に係る物理情報取得装置の一例)として構成するようにしてもよい。
たとえば、外部回路は、出力回路29から出力されたアナログの撮像信号S0をデジタルの撮像データD0に変換するA/D(Analog to Digital )変換部と、A/D変換部によりデジタル化された撮像データD0に基づいてデジタル信号処理を施すデジタル信号処理部(DSP;Digital Signal Processor)とを備える。
デジタル信号処理部は、たとえば、A/D変換部から出力されるデジタル信号を適当に増幅して出力するデジタルアンプ部の機能を持つ。また、たとえば色分離処理を施してR(赤),G(緑),B(青)の各画像を表す画像データRGBを生成し、この画像データRGBに対してその他の信号処理を施してモニタ出力用の画像データD2を生成する。また、デジタル信号処理部には、記録メディアに撮像データを保存するための信号圧縮処理などを行なう機能部が備えられる。
また外部回路は、デジタル信号処理部にてデジタル処理された画像データD2をアナログの画像信号S1に変換するD/A(Digital to Analog )変換部を備える。D/A変換部から出力された画像信号S1は、液晶モニタなどの表示デバイスに送られる。操作者は、この表示デバイスに表示されるメニューや画像を見ながら、撮像モードを切り替えるなどの各種の操作を行なうことが可能になる。
なお、ここでは、固体撮像素子の後段の信号処理を担当する外部回路を固体撮像素子(チップ)外で行なう例を示したが、チップ内部に、外部回路の全てもしくは一部(たとえばA/D変換部やデジタルアンプ部など)の機能要素を、チップに内蔵するように構成してもよい。
このような構成の固体撮像装置1において、水平走査回路12や垂直走査回路14およびそれらを制御する駆動信号操作部20により、撮像部10の各画素を水平行単位で順に選択し、その選択した1つの水平行分の画素の情報を同時に読み出すタイプのCMOSイメージセンサが構成される。
また、固体撮像装置1は、本実施形態特有の構成として、電子機器の一例である固体撮像装置1の各機能部への電源供給を制御する電源制御装置100を備えている。この電源制御装置100は、いわゆる電源回路の一部として設けられていて、固体撮像装置1の各機能部に電力を供給する電源回路部102と、固体撮像装置1にて消費される電源電流の変化を検知する消費電流変化検知部110と、消費電流変化検知部110の検知結果に基づき固体撮像装置1の各機能部への電源電流供給能力を調節するように電源回路部102を制御する電源電流供給能力調節部120とを有している。
電源電流供給能力調節部120は、消費電流変化検知部110の検知結果が固体撮像装置1の各機能部に供給する電源駆動能力が所定量以上低下している旨を示しているときには電源供給能力を上昇させ、検知結果が電源駆動能力の変動幅が所定範囲内である旨を示しているときには電源供給能力を低下させるように供給命令信号CN20(_1,_2,…,_n)を制御する。
図1では割愛して示しているが、電源回路部102は、固体撮像装置1が備える機能部(たとえば撮像部10、カラム処理部26、出力回路29)ごとに独立して電源回路が設けられている。そして、消費電流変化検知部110および電源電流供給能力調節部120も、独立した電源回路ごとに設けられている。すなわち、電源回路部102から撮像部10に第1の出力電圧Vdd_1が供給され、その供給電圧Vdd_1を監視する第1の消費電流変化検知部とその検知結果に基づき駆動電流を制御する第1の電源電流供給能力調節部が用意される。
同様に、電源回路部102からカラム処理部26に第2の出力電圧Vdd_2が、また出力回路29に第3の出力電圧Vdd_3がそれぞれ供給され、各供給電圧Vdd_2,_3を監視する第2および第3の消費電流変化検知部とその検知結果に基づき駆動電流を制御する第2および第3の電源電流供給能力調節部が用意される。
なお、特許文献1の仕組みと同様に、固体撮像装置1は、インタフェース部22からの指令に応じてクロック信号を分周する分周部160を駆動信号操作部20内に備え、さらに出力回路29のf特を調整する手段として、出力回路29に対するバイアス電流を調整するバイアス電流調整部180を出力回路29の近傍に備えている。
インタフェース部22の指令は、タイミング発生部21および分周部160に入力される。分周部160は、インタフェース部22からの指令に応じてクロック信号を分周してタイミング発生部21に入力するように構成されている。
たとえば、撮像部10の駆動モードを規定するシリアルデータがインタフェース部22に入力され、モード選択が行なわれる。駆動モードに応じたデータはインタフェース部22によってデコードされ、分周部160とタイミング発生部21に入力される。分周部160では、インタフェース部22からの指令(選択された駆動モードに基く指令)に応じて、たとえば外部から入力されたクロック信号を分周し、分周したクロック信号を同期信号に同期させてタイミング発生部21に入力する。
タイミング発生部21は、複数の駆動モードに対応して、複数の駆動モードのタイミングパルスを発生できるように構成されている。たとえば、分周部160からのクロック信号とインタフェース部22からのデータを受け、選択された駆動モードのタイミングパルスを発生させて垂直走査回路14、水平走査回路12、カラム処理部26、出力回路29、およびバイアス電流調整部180の各部に入力する。
また、バイアス電流調整部180がタイミング発生部21からのタイミングパルスで制御され、出力回路29のバイアス電流が調整される。このバイアス電流で出力回路29のf特が調整される。出力回路29は、カラム処理部26からの画素の信号を増幅して出力端子29aよりアナログ信号として出力する。
ここで、本実施形態では、インタフェース部22からの信号に応じて何分周するかを切り替える分周部160を備えており、また出力回路29に対してバイアス電流調整部180が存在し、タイミング発生部21からの制御に基づき出力回路29のバイアス電流を調整することで、出力回路29のf特を調節する。固体撮像装置1の消費電力とランダムノイズの一定の割合は、出力回路29によるものである。よって、f特を駆動モードに応じて最適に調節することで、消費電力の低減と、画質の向上ができる。
一方、固体撮像装置1を駆動するためには、撮像部10、カラム処理部26、出力回路29などの各機能部に、基準となる電圧(動作電源電圧)を供給する必要がある。電源制御装置100は、たとえばボルティジフォロア回路を用いると常に一定な基準となる電圧を供給することができ、安定に電源電圧を供給できる。
しかしながら機能部(撮像部10、カラム処理部26、および出力回路29)によって負荷電流が異なり、また同じ機能部であっても、その動作状態によって負荷電流が異なりある時間によって負荷電流が変動する。たとえば、信号を読み出しているときと読み出し後は使用する消費電力に差がでる。また複数の駆動モードによって動作させることによって、常に電圧変動が起こる。
そこで、本実施形態では、電源回路部102と、撮像部10、カラム処理部26、出力回路29の間の出力配線の電圧を監視するべく、コンパレータを有する出力電圧変動検知部112を備えた消費電流変化検知部110を設けることで電圧変動の差を検知し、電源電流供給能力調節部120は、この検知結果に基づき電源供給能力を調整することとする。
たとえば、電源電流供給能力調節部120は、出力電圧変動検知部112の検知結果が各機能部に供給する出力電圧が所定量以上低下している旨を示しているときには電源電流供給能力を上昇させ信号を電源回路部102に供給し、出力電圧の変動幅が所定範囲内である旨を示しているときには電源電流供給能力を低下させる信号を電源回路部102に供給する。
<電源電流供給能力調節の動作>
図2は、消費電流変化検知部110と電源電流供給能力調節部120との一構成例を説明する図である。この図によって、消費電流変化検知部110と電源電流供給能力調節部120とが協働して行なう電源電流供給能力調節の動作が理解できる。
たとえば、消費電流変化検知部110は、電源回路部102が固体撮像装置1の各機能部に供給する出力電圧の変動を検知することで、対象の機能部にて消費される電源電流の変化を検知する出力電圧変動検知部112を有する。具体的には、各機能部で消費される電力を電圧モードで検出する検知部の一例として、独立したコンパレータ114を複数個有している。
先ず、出力電圧変動検知部112内に、抵抗素子R0を基準電源側とし抵抗素子Rnを接地側として抵抗素子R0,R1,R2,…,Rnを縦続接続した抵抗分圧回路113と、コンパレータ114_1,2,…,nとを設ける。
各コンパレータ114の反転入力端子(−)は、共通に電源回路部102の出力側の電圧出力端子Vddに接続され、その非反転入力端子(+)は、それぞれ対応する抵抗素子R0,R1,R2,…,Rnの接続中点T1,T2,…,Tnに接続され、抵抗分圧を用いた電圧降下で生成されたコンパレータの基準電位が供給される。図示しないが、電圧出力端子Vddには、リップル分を補正するコンデンサが設けられる。
このような接続態様により、コンパレータ114_1,2,…,nは、電源回路部102の出力側の電圧出力端子Vddの電圧を監視し、電圧が対応する接続中点T1,T2,…,Tnの基準電位よりも高ければ出力を低レベル(L)にする。つまり、正常時(出力電圧が下がっていないとき)は、事実上、出力電圧変動検知部112は動作しない。
電圧が対応する接続中点T1,T2,…,Tnの基準電位よりも下がると、コンパレータ114_1,2,…,nは、出力を高レベル(H)にする。抵抗分圧回路113の接続態様から分かるように、電圧出力端子Vddの電圧低下に連れて、コンパレータ114_1,2,…,nの順に、出力をハイレベルにすることとなる。
一方、本実施形態の電源電流供給能力調節部120は、各コンパレータ114の出力端子を、そのまま電源回路部102の制御入力端子に接続している単純な構成である。つまり、コンパレータ114の出力端子は、電源回路部102のそれぞれ対応する制御入力端子に接続されており、実際には、コンパレータ114が、電源電流供給能力調節部120の機能を備えていると考えることもできる。
電源回路部102は、制御入力端子に供給される制御信号(供給命令信号CN20_1,_2,…,_n)に基づき、負荷に対する駆動能力や負荷に対する駆動時の周波数特性を調整する機能要素を備えており、電源電流供給能力調節部120(本例ではコンパレータ114そのもの)からの供給命令信号を受けて電源供給能力や電源回路部102の周波数特性も切り替えることができるようになっている(詳細は後述する図3とその説明を参照)。
電源電流供給能力調節部120は、出力電圧変動検知部112に設けられている各コンパレータ114の検知結果が固体撮像装置1の各機能部に供給する出力電圧が所定量以上低下している旨を示しているときには、すなわち電源回路部102の供給電圧が下がると、電源回路部102の電源電流供給能力を上昇させ、検知結果が出力電圧の変動幅が所定範囲内である旨を示しているときには、すなわち電源回路部102の出力電圧が変動しない場合は、十分な駆動能力があるものとして電源電流供給能力を低下させる供給命令信号CN20_1,_2,…,_nを、電源回路部102の対応する制御入力端子P1,P2,…,Pnに入力する。供給命令信号CN20_1,_2,…,_nは、電源回路部102の駆動能力や周波数特性を高めたいときに、後述する図3のスイッチ222,232をオンさせるものであればよい。
電源回路部102が駆動能力不足となれば出力電圧が低下しようとし、また過剰な供給能力となれば出力電圧が変化しないので、出力電圧の変化状態を出力電圧変動検知部112のコンパレータ114で監視することで、実質的に、固体撮像装置1にて消費される電源電流の変化状態を検知し、その検知結果に基づき電源駆動能力を制御することができる。固体撮像装置1にて消費される電源電流の変化を電流そのもので検知するのではなく、電圧モードで検知するコンパレータ114という簡易な構成で検知できる利点がある。
<電源回路の詳細>
図3は、電源回路部102の一構成例を示す回路図である。電源回路部102は、カレントミラー回路を応用した駆動能力調整部を備えた構成となっている。具体的には、出力電圧を設定する機能要素として、2つのPch型のMOSトランジスタ202,204およびNch型のMOSトランジスタ206と、抵抗素子208とを備えている。
MOSトランジスタ202は、ドレインが定電流源の電流値を規定する抵抗素子208を介して接地(GND)され、ソースが電源に接続されている。MOSトランジスタ202,204の各ゲートが互いに共通接続され、かつMOSトランジスタ202のドレインと抵抗素子208との接続点Aにも接続されている。
MOSトランジスタ204は、ソースが電源に接続され、かつMOSトランジスタ206が接地側に直列接続されている。つまり、MOSトランジスタ204のドレインがMOSトランジスタ206のドレインと接続され、MOSトランジスタ206のソースが接地されている。また、MOSトランジスタ206のゲートに入力Vinが供給されるようになっている。
また電源回路部102は、駆動能力調整部210として、先ず、それぞれ所定の駆動能力を有する複数の駆動出力部220(_1,_2,…,_n)を備えている。各駆動出力部220は、それぞれを選択する選択部の一例であるスイッチ222(_1,_2,…,_n)と、Pch型のMOSトランジスタ224(_1,_2,…,_n)とを有している。
各MOSトランジスタ224(_1,_2,…,_n)は、ソースが電源に接続され、ドレインが共通にMOSトランジスタ204のドレインとMOSトランジスタ206のドレインの接続点Bに接続されている。また、各MOSトランジスタ224(_1,_2,…,_n)のゲートは、対応するスイッチ222を介して、順次MOSトランジスタ202のドレインと抵抗素子208との接続点Aに接続されている。
スイッチ222(_1,_2,…,_n)は、上段側のスイッチ222_1から順に縦続接続されている。すなわち、最上段のスイッチ222_1の入力端子が先ずMOSトランジスタ202のドレインと抵抗素子208との接続点A(MOSトランジスタ202,204のゲート)に接続され、出力端子が次段のスイッチ222_2の入力端子に接続され、以下順に上段側の出力端子が次段の入力端子に接続されている。
つまり、それぞれ所定の大きさの駆動電流能力を持つ駆動出力部220(_1,_2,…,_n)を並列配置し、消費電流変化検知部110の検知結果に基づいて何れかを選択する(選択する段数を調整する)構成としており、本例では、駆動出力部220_1が上段側(図中の左側)となり、駆動出力部220_nが下段側となるように接続されており、上段側のスイッチ222がオンしている場合に、下段側の駆動出力部220が機能するようになっている。
スイッチ222(_1,_2,…,_n)の制御端子は、電源回路部102の制御入力端子P1,P2,…,Pnに対応する。つまり、消費電流変化検知部110の出力電圧変動検知部112(具体的には各検知部としてのコンパレータ114)は、複数の駆動出力部220のそれぞれに対応して独立して設けられている。
電源電流供給能力調節部120は、消費電流変化検知部110の検知結果に基づいてスイッチ222(_1,_2,…,_n)の制御端子P1,P2,…,Pnに制御信号を供給することで、複数の駆動出力部220の何れかを選択して動作させる。ここで、図では、駆動出力部220_1が上段側(図中の左側)となり、駆動出力部220_nが下段側となるように接続されており、上段側のスイッチ222がオンしている場合に、下段側の駆動出力部220が機能するようになっている。
また駆動能力調整部210は、負荷に対する駆動時の周波数特性を調整する複数の周波数特性調整部230(_1,_2,…,_n)を有している。各周波数特性調整部230は、それぞれを選択する選択部の一例であるスイッチ232(_1,_2,…,_n)と、Nch型のMOSトランジスタ234(_1,_2,…,_n)とを有している。
各MOSトランジスタ234(_1,_2,…,_n)は、対応するMOSトランジスタ224(_1,_2,…,_n)と直列接続されている。つまり、各MOSトランジスタ234(_1,_2,…,_n)は、ソースが接地され、ドレインが対応するMOSトランジスタ204のドレインに接続されている。また、各MOSトランジスタ234(_1,_2,…,_n)のゲートには、対応するスイッチ232を介して、順次入力Vinが供給されるようになっている。
スイッチ232(_1,_2,…,_n)は、上段側のスイッチ232_1から順に縦続接続されている。すなわち、最上段のスイッチ232_1の入力端子に先ずVinが供給され、出力端子が次段のスイッチ232_2の入力端子に接続され、以下順に上段側の出力端子が次段の入力端子に接続されている。
つまり、所定の大きさのバイアス電流を供給するMOSトランジスタ234(_1,_2,…,_n)を並列配置し、消費電流変化検知部110の検知結果に基づいて駆動出力部220のMOSトランジスタ224(_1,_2,…,_n)と連動して何れかを選択する(選択する段数を調整する)構成としている。本例では、周波数特性調整部230_1が上段側(図中の左側)となり、周波数特性調整部230_nが下段側となるように接続されており、上段側のスイッチ232がオンしている場合に、下段側の周波数特性調整部230が機能するようになっている。
スイッチ232(_1,_2,…,_n)の制御端子は、電源回路部102の制御入力端子P1,P2,…,Pnに対応する。つまり、周波数特性調整部230は、複数の駆動出力部220のそれぞれに対応して独立して設けられた複数のスイッチ232の組合せでなり、かつ消費電流変化検知部110の出力電圧変動検知部112(具体的には各検知部としてのコンパレータ114)が、複数の周波数特性調整部230のそれぞれに対応して独立して設けられるようになっている。
電源電流供給能力調節部120は、消費電流変化検知部110の検知結果に基づいてスイッチ232(_1,_2,…,_n)の制御端子P1,P2,…,Pnに制御信号を供給することで、複数の周波数特性調整部230の何れかを選択して動作させる。ここで、図では、周波数特性調整部230_1が上段側となり、周波数特性調整部230_nが下段側となるように接続されており、上段側のスイッチ232がオンしている場合に、下段側の周波数特性調整部230が機能するようになっている。加えて、各MOSトランジスタ234(_1,_2,…,_n)は、対応するMOSトランジスタ224(_1,_2,…,_n)と直列接続されているので、両者が連動して選択される。
全体としては、先ずMOSトランジスタ202,204,206および抵抗素子208で、カレントミラー回路が構成され、さらに、MOSトランジスタ202,224,234および抵抗素子208でも、カレントミラー回路が構成される。MOSトランジスタ2224が、電源回路部102の電圧出力端子Vddに接続されている図示しないコンデンサに電流を供給する。
このような構成の駆動能力調整部210においては、抵抗素子208で電流を決め、その電流値をカレントミラー回路で折り返して端子Vout に駆動電流として出力する。MOSトランジスタ224のゲート幅を適切に組み合わせることにより、その駆動電流の組合せを設定できる。本実施形態の構成においては、駆動出力部220(_1,_2,…,_n)の上段側を順次選択することで、結果として、“n+1”通りの駆動電流を出力することができる。
電源電流供給能力調節部120(本例では出力電圧変動検知部112のコンパレータ114)からの供給命令信号CN20_1,_2…,_nを対応する制御端子P1,P2,…,Pnに入力することで、電源回路部102の電源供給能力を切り替え、また同時に電源回路部102の周波数特性も切り替えることができる。
たとえばMOSトランジスタ204と全てのMOSトランジスタ224のゲート幅を同じにすれば、全てのスイッチ222(_1,_2,…,_n)をオフさせて全ての駆動出力部220(_1,_2,…,_n)の機能を停止させることで、MOSトランジスタ204による1単位の駆動電流が流れ、スイッチ222_1のみをオンさせ残りのスイッチ222(_2,…,_n)をオフさせると、駆動出力部220_1のみを機能させ残りの駆動出力部220(_2,…,_n)の機能が停止され、MOSトランジスタ204と駆動出力部220_1による2単位の駆動電流が流れる。
以下順に、下段側の駆動出力部220を動作させることで、1単位ごとに駆動電流が増加し、結果として、“n+1”通りの駆動電流を設定できる。消費電流変化検知部110の検知結果に基づきスイッチ222(_1,_2,…,_n)を制御することで、必要時に駆動電流を供給し、無負荷時にはパワーセーブを自動的に行なうなど電源回路部102の駆動電流を切り換えることで、センサの駆動方式と駆動している時間に応じて消費電力が大きく異なる場合でも、負荷電流に応じて電源供給能力を調整することができる。
必要最低限の範囲で駆動出力部220の段数を設定して動作させるので電源回路部102自体の電力消費を最低限に抑えることができ、結果として、全体の消費電力の低減に繋がる。よって、画素数が増加し、出力レートが高くなると負荷電流が増える傾向になるが、本実施形態の構成を適用することで、消費電力を従来よりも低減でき、熱電流の発生を抑えることができるので、暗電流の低減化を図りたとえば出力回路のランダムノイズを低減することができる。
また、駆動出力部220(_1,_2,…,_n)を切り替えることによる“n+1”通りの駆動電流の設定に連動して、周波数特性調整部230(_1,_2,…,_n)の動作を制御することで、電源回路部102(具体的にはMOSトランジスタ224)の駆動電流の大きさに関わらず、周波数特性調整部230のMOSトランジスタ234(_1,_2,…,_n)の電流状態を同じに維持できるので、周波数特性を一定に維持することができる。
つまり、駆動出力部220の駆動電流の大きさに関わらずMOSトランジスタ234を1つで構成すると、駆動電流が大きくなるに連れてMOSトランジスタ234の周波数特性が低下する。これに対して、駆動電流の大きさを切り替えるMOSトランジスタ224の選択に連動してMOSトランジスタ224のバイアス電流を与えるMOSトランジスタ234も切替選択することで、各MOSトランジスタ234(_1,_2,…,_n)の電流状態を同じに維持し、周波数特性を一定に維持する。
駆動能力調整部210の出力電圧変動検知部112(具体的にはコンパレータ114)は、電源回路部102の駆動能力を高めたいときには、つまり出力電圧変動検知部112に設けられている各コンパレータ114の検知結果が、電源回路部102が固体撮像装置1の各機能部に供給する出力電圧が所定量以上低下しているときには、スイッチ222をオンさせ、電源回路部102の出力電圧の変動幅が所定範囲内であるときには十分な駆動能力があるものとして電源電流供給能力を低下させるようになっている。
これにより、駆動能力のバランスの取れたところ、すなわち駆動能力不足とならず、かつ過剰な供給能力ともならない範囲で収束する。このとき、対応するスイッチ232をオンさせることで、動作しているMOSトランジスタ224の電流状態を電源回路部102の駆動電流の大きさに関わらず同じに維持できるので、電源回路部102の周波数特性を一定に維持することができる。
消費される電力に応じて、駆動出力部220を制御して自動的に電源回路部102の駆動電流を制御し、その際に周波数特性調整部230を制御して周波数特性を切り替えることにより、駆動モードが切り替るか否かに関わらず、駆動能力不足とならずかつ過剰な供給能力ともならない範囲で複数の駆動出力部220(_1,_2,…,_n)を切り替えるので、固体撮像装置1の消費電力を低減することができる。
また、負荷が掛かっているときと掛かっていないときとで常に同じ電圧を負荷に供給し続けようとするものの、駆動能力不足とならずかつ過剰な供給能力ともならない範囲で複数の駆動出力部220(_1,_2,…,_n)を切り替えるので、電源回路部102の動作電力が過剰な駆動とならないようにすることができ、消費電力の低減に寄与する。
また、特許文献1に記載の仕組みと組み合わせることで、同時に駆動周波数を低くした駆動モードでの消費電力低減とランダムノイズ低減を図ることができる。たとえば、撮像部10の駆動モードに応じた外部データに基いて、駆動周波数の設定とともに、バイアス電流調整部180を制御し、すなわちたとえば間引きモード、切り出しモード、低速動作モードでは、駆動走査パルスのクロック周波数を落とし、それに応じてバイアス電流調整部180から出力されるバイアス電流を制御して出力回路29のバイアス電流値を切り換え、出力回路29のf特を低い方に切り換えることにより、固体撮像装置1における消費電力を低減することがきる。また、駆動走査パルスのクロック周波数を落とした駆動モードでのランダムノイズを低減することができる。
このように、本実施形態を適用することで、特許文献1に記載の仕組みよりも一層の低消費電力化が可能になるので、熱電流の発生を抑え、固体撮像装置での暗電流の低減化を図ることもできる。特に固体撮像装置を用いた映像入力システム(画像入力装置)において、大幅な低消費電力化ができ、またランダムノイズを低減できるので、低駆動周波数モードでの画質、たとえばS/N比、ダイナミックレンジなどを向上させることができる。
たとえば、固体撮像装置1を携帯機器などに搭載した場合に、消費電力の劇的な低減が図れ、かつクロック周波数を低くした駆動モードでのランダムノイズの低減が図れる。ランダムノイズを低減できるので、間引きモード、切り出しモード、低速全画素読出しモードなど、低駆動周波数による駆動モードでの画質、いわゆるS/N比、ダイナミックレンジなどを向上することができる。
<第2実施形態;固体撮像装置の構成>
図4は、本発明の一実施形態に係るCMOS固体撮像装置の第2実施形態の概略構成図である。第1実施形態との違いは、消費電流変化検知部110(具体的には図2に示したコンパレータ114)は、検知結果を駆動信号操作部20に送るように構成して、駆動信号操作部20側にても、電源回路部102に直接に供給命令信号を送り、固体撮像装置1全体の電力を調整するようにしている点にある。
このような構成においては、駆動信号操作部20が、電子機器の一例である固体撮像装置1の動作モードに応じた消費電流に基づいて、固体撮像装置1の各機能部への電源電流供給能力を調節する電源電流供給能力調節部の機能をも兼ねることとなる。
なお、本例では、第1実施形態と同様に、電源電流供給能力調節部120による制御も並行して行なうように構成しているが、電源電流供給能力調節部120による制御機能を取り外した構成を排除するものではない。
たとえば、電源回路部102の負荷電流は、たとえば通常モード、間引きモード、切出モード、低速全画素読出しモードなどの駆動周波数によって変わる。モード設定は駆動信号操作部20においてなされる。よって、駆動信号操作部20が、モード設定の切替えに応じて、電源回路部102の駆動能力を制御することで、モード移行直後の電流供給不足による電圧低下や電流供給過多による電圧上昇を防止できる。
なお、消費電流変化検知部110(具体的には図2に示したコンパレータ114)から検知結果を駆動信号操作部20に送るのは、モード移行前の検知結果がどのような状態であるのかによって駆動出力部220(_1,_2,…,_n)の並列駆動の段数が異なり、駆動信号操作部20は、それに応じて、モード移行後の駆動出力部220(_1,_2,…,_n)の並列駆動の段数を設定する必要があるからである。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
たとえば、上記実施形態では、消費電流変化検知部110内に、複数の駆動出力部220や周波数特性調整部230のそれぞれに対応して独立した検知部としてコンパレータ114を設け、出力電圧変動検知部112の各コンパレータ114の出力端子を、そのまま電源回路部102の制御入力端子に接続して電源電流供給能力調節部120を構成していたが、このような構成に限らない。たとえば、消費電流変化検知部110には1つのコンパレータ114を設けてもよい。この場合、電源電流供給能力調節部120は、コンパレータ114の検知結果に基づき、何れの制御入力端子に制御信号を送出するかを判断する機能要素を備えるなど、様々な変更が可能である。
また、それぞれ複数個の駆動出力部220(_1,_2,…,_n)や周波数特性調整部230(_1,_2,…,_n)を、多段接続して駆動能力調整部210を構成し、上段側から順次選択することで、駆動電流の調整や周波数特性の調整をするようにしていたが、これに限らず、たとえば、それぞれ複数個の駆動出力部220(_1,_2,…,_n)や周波数特性調整部230(_1,_2,…,_n)を並列配置して、それらを選択する構成とすることもできる。
また、上記実施形態では、電子機器の一例として、被写体を撮像する撮像部10と、撮像部10で取得された画素信号に対して所定の信号処理をする信号処理部(カラム処理部26)と、信号処理部で処理された信号を外部に出力する出力部(出力回路29)とを備えた固体撮像装置1を制御対象として、電源電流供給能力調節部が、撮像部、信号処理部、および出力部のそれぞれに供給される電源について、電源電流供給能力を調節する構成について説明したが、言うまでもなく、制御対象となる電子機器は撮像装置に限らない。
1…固体撮像装置、3…単位画素、7…駆動制御部、10…撮像部、12…水平走査回路、14…垂直走査回路、20…駆動信号操作部、21…タイミング発生部、22…インタフェース部、26…カラム処理部、29…出力回路、100…電源制御装置、102…電源回路部、110…消費電流変化検知部、112…出力電圧変動検知部、114…コンパレータ、120…電源電流供給能力調節部、160…分周部、180…バイアス電流調整部、210…駆動能力調整部、220…駆動出力部、222,232…スイッチ(選択部)、230…周波数特性調整部