JP2008036788A - レンズ研磨装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レンズの着脱や研磨皿の交換に際しても作業性の良好な研磨装置を得ること。
【解決手段】少なくとも、加圧軸4aと、加圧軸4aを回転可能かつ軸方向に摺動可能に支持する支持部材4と、加圧軸4aを軸方向に付勢する付勢部材とからなる加圧機構と、を有し、該加圧機構を、付勢部材の付勢力を加圧軸4aを介しレンズ1に伝達し、レンズ1を研磨皿2に対して押圧する研磨位置と、加圧軸4aを介しての付勢部材の付勢力によるレンズの研磨皿2に対する押圧状態を解除した退避位置との間を回動可能に保持する保持部材6を備えたレンズ研磨装置とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、レンズを研磨皿に押圧する加圧機構を有するレンズ研磨装置に関するものである。
従来より、レンズを回転する研磨皿に面接触させ、研磨皿の球芯軸上を加圧揺動させてレンズの研磨を行うレンズ研磨装置が知られている。このレンズ研磨装置は、研磨皿を回転させやといに貼り付けられたレンズを加圧軸により曲面(R面)状の研磨面に押圧揺動させて加工する球芯研磨装置であり、広く知られている。
このような球芯研磨装置に関し、加圧部材と加圧部材に揺動運動を伝達する揺動部材とを連結すると共に、撓みによりレンズに加圧力を作用させる弾性連結部材を備えたものがある(特許文献1参照)。
特開2001−138199号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された球芯研磨装置は、板バネにより加圧部材と揺動部材を連結し、加圧のための弾性部材として板バネを用いるか、板バネとコイルバネを併用して用いるものである。
図5は、従来の特許文献1に記載された球芯研磨装置の加圧ブロック及び加圧軸ホルダの構成を模式的に示した図である。同図において、50は加圧ブロック、51は加圧軸ホルダ、52は板バネ、53は加圧軸である。
同図(a)に示した、板バネ52が撓んでいない状態から、同図(b)に示した、加圧のために板バネ撓ませた状態にすると、板バネの全長は変化しないため加圧軸53の軸線は図示dに示すようにズレを生じることになる。
加圧軸53は正確に研磨皿の球芯に向かってないと、レンズ全体を均等に押圧できないため偏摩耗等を生じる問題があり、このズレは特に小径のレンズを研磨する際に、径に対するズレ量の比率が増大し、無視できない問題となる。
また、近年では非常に小径のレンズ研磨の要望が高まっているが、小径で薄肉のレンズ研磨に際しては押圧力を過剰に掛けることができず、非常に小さい押圧力を微妙に調整できるものである必要がある。
更に、上記特許文献1に記載された球芯研磨装置は、加圧のための弾性部材として板バネを用い、加圧部材と揺動部材を連結しているものであり、レンズの着脱時には加圧ブロックを人が指で持ち上げる必要があり、作業し難く、着脱するレンズで研磨皿面を傷つけるおそれがあり、また、板バネを指で撓ませるため作業者の指に負荷がかかる等の問題がある。
本発明は上記問題に鑑み、加圧に際し、加圧軸の軸線が移動することがなく、常に加圧軸の軸線を正確に研磨皿の球芯に向かわせることができ、また、非常に小さい押圧力を微妙に調整でき、これによりレンズを高精度に研磨することが可能で、更に、レンズの着脱や研磨皿の交換に際しても作業性、作業効率の良好なレンズ研磨装置を得ることを目的とするものである。
上記の目的は、下記に記載する発明により達成される。
1.レンズを回転する研磨皿に面接触させ、該研磨皿の球芯軸上を加圧揺動させてレンズの研磨を行うレンズ研磨装置において、少なくとも、加圧軸と、該加圧軸を回転可能かつ軸方向に摺動可能に支持する支持部材と、前記加圧軸を軸方向に付勢する付勢部材とからなり、前記加圧軸は、ベアリングを介して前記支持部材に支持され、前記ベアリングの内径で摺動可能に嵌合された加圧機構を有し、前記加圧機構を、前記付勢部材の付勢力が前記加圧軸を介し前記レンズに伝達し前記レンズを前記研磨皿に対して押圧する研磨位置と、前記加圧軸を介しての前記付勢部材の付勢力による前記レンズの前記研磨皿に対する押圧状態を解除した退避位置と、の間を回動可能に保持する保持部材を備えたことを特徴とするレンズ研磨装置。
2.前記研磨皿を回転軸方向に昇降させる昇降機構を備えたことを特徴とする1に記載のレンズ研磨装置。
3.前記付勢部材はコイルバネであり、前記加圧軸の軸線が前記コイルバネの巻き径の内側に位置することを特徴とする1又は2に記載のレンズ研磨装置。
4.前記付勢部材の付勢力を調整する調整部材が設けられていることを特徴とする1〜3のいずれかに記載のレンズ研磨装置。
5.前記付勢部材は交換可能であることを特徴とする1〜4のいずれかに記載のレンズ研磨装置。
6.前記加圧軸の軸方向の移動を測定する測長器が設けられていることを特徴とする1〜5のいずれかに記載のレンズ研磨装置。
本発明によれば、加圧に際し、加圧軸の軸線が移動することなく、常に加圧軸の軸線を正確に研磨皿の球心に向かわせることができ、また、非常に小さい押圧力を微妙に調整でき、これにより、特に小径のレンズを高精度に研磨することが可能で、さらに、レンズの着脱や研磨皿の交換に際しても作業性、作業効率の良好な研磨装置を得ることが可能となる。
以下、実施の形態により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下、図1、図2を用いて本実施の形態に係る研磨装置100の全体構成を説明する。
図1は、本実施の形態に係る研磨装置100の全体構成の概要を模式的に示した側面図である。図2は、本実施の形態に係る研磨装置100のレンズ研磨部の概要を模式的に示した正面図である。なお、図1、2においては、細部については省略した部分もある。
図1、図2において、1はレンズ、1aはレンズホルダ、2は研磨皿、3は皿軸、3aはスピンドルであり研磨皿保持部材として機能し、研磨皿2はスピンドル3aに着脱自在に取り付けられている。スピンドル3aはプーリー5a及び平ベルト5bを介して皿軸モータ5の回転が伝達されて回転するようになっている。3cは皿軸昇降ダイアルであり、皿軸昇降ダイアル3cを回転させることにより、ラック&ピニオン機構(昇降機構)によりスピンドル3aを昇降させ、皿軸3を回転軸方向に移動させることができる。この皿軸昇降ダイアル3cを操作することにより、研磨皿2の球心と後述の加圧機構の揺動中心を一致させることができる。なお、この皿軸昇降機構は偏心カム機構等を用いたものであってもよい。
4aは加圧軸であり、支持部材4が加圧軸4aを支持している。4bは測長器であるダイヤルゲージであり、支持部材4に支持され、研磨皿2の球心と後述の加圧機構の揺動中心が不一致のときに発生する加圧軸4aの軸方向の移動量を計るために設けられている。加圧軸4aは、その軸方向が研磨皿2の球心に向かうように設定される。
支持部材4は、保持部材6に保持され、揺動軸モータ8の回転運動を揺動運動に変換するクランク機構8aを介して揺動軸モータ8の回転が伝達され、研磨皿2の球心を通る軸を揺動中心として、図1では紙面表裏方向、図2では図示矢印方向に揺動するようになっている。
即ち、研磨皿2はスピンドル3aを軸に回転し、加圧軸4aを支持する支持部材4及びレンズ1、レンズホルダ1aは研磨皿2の球心を通る軸を揺動中心として揺動してレンズ1を研磨するようになっている。研磨皿2の球心に対し、揺動中心である揺動軸がずれている場合には、揺動時にダイヤルゲージ4bの指針が振れ、研磨皿2の球心と揺動中心である揺動軸が一致している場合には、揺動時にダイヤルゲージ4bの指針が停止した状態となる。即ち、段取り時の揺動時において、ダイヤルゲージ4bの指針が振れている場合は皿軸昇降ダイアル3cを回し、ダイヤルゲージ4bの指針が停止する位置に調整すれば、研磨皿2の球心と揺動中心である揺動軸が一致した状態、即ち、球心研磨の状態が得られる。
また、研磨を繰り返すことによる研磨皿2の摩耗等により揺動軸と球心とにズレが生じた場合には、このダイヤルゲージ4bの指針の振れにより、常時確認ができると共に、皿軸昇降ダイアル3cによって研磨皿2を上昇させることで、容易に揺動軸と球心とを合致させることができ、研磨皿2を研磨装置から取り外すことなく球心研磨の状態に戻せるようになっている。
9は揺動位置・揺動幅確認板であり、支持部材4の揺動位置・揺動幅を確認するためのものであり、揺動せず固定されている。
また、保持部材6は、押圧部材であるバネ6aにより押圧され、ストッパ6bにより保持部材6の中心線と揺動軸の中心線が平行になる位置に位置決めすることで、図示実線で示す研磨位置となる。なお、このバネ6aによる押圧力は、ストッパ6bに掛かるものであり、加圧軸4aのレンズへの押圧力とはならない。
更に、支持部材4を保持する保持部材6は、レンズ1を研磨皿2に対して押圧する研磨位置(図1の実線で示す状態)と、レンズ1の研磨皿2に対する押圧状態を解除した退避位置(図1の破線で示す状態)との間を、回動軸10を軸として回動可能になっていて、レンズ1の着脱時や研磨皿2の交換時の作業性を向上させるようになっている。
以上が、本実施の形態に係るレンズ研磨装置100の概要である。以下に、加圧軸4a、支持部材4周辺について、より詳しく説明する。
図3は、本実施の形態に係る研磨装置100を構成する、加圧軸4a、支持部材4周辺の加圧機構を示す断面図である。なお、以下の図においては、説明の重複を避けるため同機能部材には同符号を付与して説明する。
同図に示すように、支持部材4は筒状に形成されており、支持部材4の内部には加圧軸4aが収納されている。加圧軸4aは、図示の如く、2つのベアリング41を介して支持され、ベアリング41の内径部を図示矢印A方向に摺動可能に嵌合されている。このベアリング41には、ラジアルボールベアリング、ラジアルローラベアリング等が適用される。即ち、加圧軸4aは支持部材4に対し、軸周りに回転可能でかつ軸方向に摺動可能に支持されている。
このように、支持部材4内でベアリング41を介して加圧軸4aを支持することで、加圧軸4aはラジアル方向の抵抗が極力低減された状態で回転可能であるので、研磨皿2の回転によりレンズが従動回転する際に、レンズの回転方向の抵抗を極力低減でき、また、加圧軸4aをベアリング41の内径で軸方向に摺動可能に嵌合させることで、ベアリング41の安定した精度の内径を摺動に利用して、低コストでガタのない低負荷抵抗での摺動動作が行え、研磨時に加圧軸4aがレンズに与える負荷抵抗を、レンズの回転方向、スラスト方向共に低負荷抵抗にすることができ、研磨するレンズ面精度を高精度のものに仕上げることが可能となる。
加圧軸4aの先端は交換可能となっており、図示のような鋭利な形状だけでなく、レンズホルダ1aに応じて適切な形状のものが用いられるようになっている。
加圧軸4aの摺動方向のダイヤルゲージ4b側の端部は、点接触させるための硬球42を介して加圧棒43が設けられ、加圧棒43は付勢部材である圧縮コイルバネ44により押圧されている。この押圧力は、加圧軸4aが研磨するレンズへ付与する圧力となる。また、図示の如く、加圧軸4aの軸線は圧縮コイルバネ44の巻き径の内側に位置している。
支持部材4の外周部のうち、図示Bの範囲には雄ネジが形成されており、この雄ネジに圧縮コイルバネ44の押圧力の調整部材としての雌ネジ部材46が螺合している。この雌ネジ部材46は、圧縮コイルバネ44の一方の端部を受ける受け部材45と当接している。これにより、雌ネジ部材46を支持部材4に対し回転させ、受け部材45を図示Bの範囲内で移動させることにより、受け部材45と加圧棒43の圧縮コイルバネ44の他方の端部を受ける部位との間隔を調整することができる。これにより、加圧棒43即ち加圧軸4aの圧縮コイルバネ44から付与される圧力を、微細な圧力から大きな圧力まで繊細な調整が可能となっている。また、支持部材4、保持部材6等の自重は全てストッパ6bで吸収されるので、この加圧軸4aへ圧縮コイルバネ44から付与される圧力のみが研磨するレンズへ伝達されることになる。なお、ダイヤルゲージ4bは、その接触子が加圧棒43に当接し、加圧棒43即ち加圧軸4aの軸方向の移動を測定できるように配置されている。
また、圧縮コイルバネ44は、ダイヤルゲージ4b、雌ネジ部材46及び受け部材45を外し、線径、巻き数等の異なるものと適宜交換可能となっている。このように交換可能とすることで、レンズに合わせて適切な付勢力を与えることができるようになっている。
以上説明したように、支持部材4内に圧縮コイルバネ44と加圧軸4aとを、加圧軸4aの摺動方向に沿って順に並べて配置する直列的な配置とし、加圧軸4aを圧縮コイルバネ44のみで付勢し、加圧軸4aをベアリングを介して支持し、回転可能でかつ摺動可能とすることにより、加圧軸4aの摺動抵抗を小さくして作動を円滑にでき、加圧軸4aの軸線へバランス良く圧力を伝達でき、圧力を変化させても加圧軸4aの軸線がずれを生じたり、ぶれを生じることなく正確に研磨皿の球芯に向かわせることができ、更に、雌ネジ部材46の調整により、非常に小さい押圧力も微妙な刻みで調整でき、これによりレンズを高精度に研磨することが可能なレンズ研磨装置の加圧機構を得ることができる。なお、支持部材4は、上記の一連の内部部材を研磨の際の研磨液の流入や異物の流入を防止するカバーの機能も併せ持っている。
図4は、支持部材4を保持する保持部材6の回動機構の一例を示す図である。同図は、図1において実線で示した、支持部材4がレンズを研磨皿に対して押圧する研磨位置の状態を示している。
同図において、支持部材4を保持している保持部材6は回動軸10に軸支されており、バネ6aにより押圧されることで、ストッパ6bに当接し、研磨位置となっている。
操作レバー61が固着されたレバー固定部材62は軸63に軸支されている。またバネ6aを支持している棒部材64は、レバー固定部材62に形成された軸65に軸支されている。棒部材64の一方の端部は、保持部材6に回動可能に組み付けられたスリーブ部材66を貫通し、抜け止め67により抜け止めがなされている。
この棒部材64とスリーブ部材66の貫通係合により、レバー固定部材62と保持部材6が機構的に連動するようになっている。図示の状態から、操作レバー61を図示矢印方向に回動させると、レバー固定部材62及び棒部材64は軸63を回動軸として回動させられ、棒部材64とスリーブ部材66の貫通係合により、保持部材6も回動軸10を回動軸として図示矢印方向に回動させられる。
即ち、レンズを研磨皿に対して押圧する研磨位置と、レンズの研磨皿に対する押圧状態を解除した退避位置(図1の破線で示す状態)との間を、回動軸10を軸として回動させることができるようになっている。
これにより、レンズの着脱や研磨皿の交換に際して、容易に支持部材4をレンズの研磨皿に対する押圧状態を解除した退避位置へ退避させることができ、また、研磨位置に戻した際には保持部材6をストッパ6bに当接させることにより、退避前の研磨位置の状態を再現することができ、即ち、加圧軸の軸線を正確に研磨皿の球芯に向かわせることができ高精度の研磨が可能な、作業性の良好な研磨装置を得ることが可能となる。
なお、上記の説明では所謂トグルクランプの機構を用いて保持部材6を回動させる例を説明したが、これに限るものでなく、タンブラー機構等を用いたものであってもよい。
本実施の形態に係る研磨装置の全体構成の概要を模式的に示した側面図である。 本実施の形態に係る研磨装置のレンズ研磨部の概要を模式的に示した正面図である。 本実施の形態に係る研磨装置を構成する、加圧軸、支持部材周辺の加圧機構を示す断面図である。 支持部材を保持する保持部材の回動機構の一例を示す図である。 従来の球芯研磨装置の加圧ブロック及び加圧軸ホルダの構成を模式的に示した図である。
符号の説明
1 レンズ
1a レンズホルダ
2 研磨皿
3 皿軸
3a スピンドル
3c 皿軸昇降ダイアル
4 支持部材
4a 加圧軸
4b ダイヤルゲージ
5 皿軸モータ
5a プーリー
5b 平ベルト
6 保持部材
6a バネ
6b ストッパ
8 揺動軸モータ
8a クランク機構
100 研磨装置

Claims (6)

  1. レンズを回転する研磨皿に面接触させ、該研磨皿の球芯軸上を加圧揺動させてレンズの研磨を行うレンズ研磨装置において、
    少なくとも、加圧軸と、該加圧軸を回転可能かつ軸方向に摺動可能に支持する支持部材と、前記加圧軸を軸方向に付勢する付勢部材とからなり、前記加圧軸は、ベアリングを介して前記支持部材に支持され、前記ベアリングの内径で摺動可能に嵌合された加圧機構を有し、
    前記加圧機構を、前記付勢部材の付勢力が前記加圧軸を介し前記レンズに伝達し前記レンズを前記研磨皿に対して押圧する研磨位置と、前記加圧軸を介しての前記付勢部材の付勢力による前記レンズの前記研磨皿に対する押圧状態を解除した退避位置と、の間を回動可能に保持する保持部材を備えたことを特徴とするレンズ研磨装置。
  2. 前記研磨皿を回転軸方向に昇降させる昇降機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載のレンズ研磨装置。
  3. 前記付勢部材はコイルバネであり、前記加圧軸の軸線が前記コイルバネの巻き径の内側に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズ研磨装置。
  4. 前記付勢部材の付勢力を調整する調整部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のレンズ研磨装置。
  5. 前記付勢部材は交換可能であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のレンズ研磨装置。
  6. 前記加圧軸の軸方向の移動を測定する測長器が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のレンズ研磨装置。
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