JP2008034586A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】保護トランジスタを備える半導体装置において、保護トランジスタの動作均一性の向上を図ると共に、保護トランジスタの素子面積の増大を招くことなくESDサージから内部回路を保護することである。
【解決手段】半導体基板上に形成されたバイポーラトランジスタ100を備える半導体装置であって、半導体基板におけるバイポーラトランジスタ形成領域上に配置された複数の電流制御部107を備え、複数の電流制御部107の各々は、バイポーラトランジスタ100を構成するベース層102とエミッタ層103とを電気的に接続している。
【選択図】図1

Description

本発明は、保護トランジスタを備えた半導体装置に関するものである。
近年、半導体集積回路装置の高集積化、高機能化及び高速化に伴い、ESD(Electro Static Discharge)サージから内部回路を保護することが困難となっている。
ESDサージから内部回路を保護するために、半導体集積回路装置内に設けられる保護トランジスタ、例えば電源間保護トランジスタは、電源電圧以上の耐圧を保持しながら、内部回路が破壊電圧に到達する前にトランジスタ動作を開始する必要がある。
しかしながら、電源間保護トランジスタの多くは、1次降伏電圧が電源電圧の2倍以上と高いため、サージ電流に対して電源間保護トランジスタがトランジスタ動作を開始する前に、内部回路にESDサージが到達し、内部回路が破壊されるという問題がある。
そこで、1次降伏電圧を低下させるために、例えばベース端子とエミッタ端子との間に高抵抗素子を接続すると共にエミッタ端子を接地する、いわゆるBVCER型バイポーラ保護トランジスタを備えた半導体装置が提案されている。
しかしながら、従来例に係る半導体装置では、サージ電流に対する保護トランジスタの動作均一性が悪いという問題がある。
すなわち、従来例に係る半導体装置では、保護トランジスタ内でのトランジスタ動作領域が、素子面積の全ての領域ではなく一部の領域に限定されており、例えば数A程度のサージ電流を取り扱う素子面積が比較的大きい保護トランジスタの場合、素子面積の50%程度の領域しか、トランジスタ動作に寄与しておらず、そのため、ESDサージから内部回路を保護するためには、保護トランジスタの素子面積を増大させる必要が生じる。
このように、従来例に係る半導体装置では、サージ電流に対する保護トランジスタの動作均一性が悪いため、保護トランジスタの素子面積を増大させる必要が生じ、保護トランジスタの素子面積の増大を招く。
更には、従来例に係る半導体装置では、サージ電流に対する保護トランジスタの動作均一性が悪いため、保護トランジスタ内での動作領域では温度上昇が起こるのに対し、保護トランジスタ内での非動作領域では温度上昇が起こらない。そのため、保護トランジスタ内で1000℃程度の温度差が生じる。ここで、一般に、バイポーラトランジスタの電流利得は、温度に対して正の係数をもつことから、従来例に係る半導体装置では、保護トランジスタ内での電流集中領域(言い換えれば、温度上昇領域)に電流がより一層集中し、これにより、保護トランジスタが破壊されるおそれがある。
そこで、動作均一性を向上させたバイポーラ保護トランジスタを備えた半導体装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。以下に、従来技術に係る半導体装置について、図13を参照しながら説明する。図13は、従来技術に係る半導体装置の構造について示す平面図である。
図13に示すように、p型拡散層からなる半導体基板(図示せず)に、内部回路(図示せず)と電気的に分離するように、バイポーラ保護トランジスタ500が設けられている。従来技術に係る半導体装置は、図13に示すように、主要な構成要素として、コレクタ層501、ベース層502、エミッタ層503、コレクタコンタクト層(図示せず)、n型拡散層505、拡散抵抗506、ポリシリコン抵抗507、及び金属配線509A〜509Cを備えている。
具体的には、図13に示すように、半導体基板中に、n型拡散層からなるコレクタ層501が設けられている。コレクタ層501中に、p型拡散層からなるベース層502が設けられている。ベース層502中に、n型拡散層からなるエミッタ層503が、互いに間隔を空けて複数設けられている。
半導体基板中に、コレクタ層501と電気的に分離するように、n型拡散層505が設けられている。n型拡散層505中に、半導体基板と電気的に分離するように、p型拡散層からなる10kΩ程度の拡散抵抗506が設けられている。
半導体基板上に、ポリシリコンからなるポリシリコン抵抗507が設けられており、複数のポリシリコン抵抗507の各々が、複数のエミッタ層503の各々と対応するように配置されている。
半導体基板上には、金属からなる金属配線509A〜509Cが設けられている。ここで、金属配線509Aは、図13に示すように、ベース層502と接触するコンタクト部508a、及び拡散抵抗506と接触するコンタクト部508cを有している。このように、金属配線509Aによって、ベース層502と拡散抵抗506とを電気的に接続している。また、金属配線509Bは、図13に示すように、ポリシリコン抵抗507と接触するコンタクト部508d、及び拡散抵抗506と接触するコンタクト部508cを有している。このように、金属配線509Bによって、ポリシリコン抵抗507と拡散抵抗506とを電気的に接続している。また、金属配線509Cは、図13に示すように、エミッタ層503と接触するコンタクト部508b、及びポリシリコン抵抗507と接触するコンタクト部508dを有している。このように、金属配線509Cによって、エミッタ層503とポリシリコン抵抗507とを電気的に接続している。
従来技術に係る半導体装置では、図13に示すように、ベース層502とエミッタ層503とを電気的に接続する拡散抵抗506を設けている。これにより、BVCER型バイポーラ保護トランジスタが構成され、1次降伏電圧を低下させることができる。
従来技術に係る半導体装置では、コレクタ層501にサージ電流が流れ込むと、コレクタ層501の電位が上昇し、バイポーラ保護トランジスタの1次降伏電圧に到達すると、トランジスタ動作を開始し、エミッタ層503にサージ電流が流れ、外部へ放電される。
従来技術に係る半導体装置によると、図13に示すように、各エミッタ層503と各ポリシリコン抵抗507とが直列に接続されており、複数のエミッタ層503のうちの特定のエミッタ層に電流が集中することを緩和させることができるので、バイポーラ保護トランジスタの動作均一性の向上を図ることが可能である。
特表2003−500836号公報
しかしながら、従来技術に係る半導体装置では、以下に示す問題がある。
従来技術に係る半導体装置では、保護トランジスタの動作均一性の向上を図るために、エミッタ層503と電気的に接続する直列抵抗(ポリシリコン抵抗507)を設けている。
そのため、電圧降下により、エミッタ層503の両端に発生する電位差が増加するため、保護すべき内部回路の損傷を招くおそれがあるので、保護トランジスタの素子面積を増大させる必要が生じる。
前記に鑑み、本発明の目的は、保護トランジスタを備える半導体装置において、保護トランジスタの動作均一性の向上を図ると共に、保護トランジスタの素子面積の増大を招くことなくESDサージから内部回路を保護することである。
ここで、ESDサージは数A程度の大電流であることから、保護トランジスタがトランジスタ動作を開始すると、保護トランジスタ内で温度上昇が起こり、1000℃程度まで温度が上昇する。そのため、保護トランジスタ内での動作領域と非動作領域との間に1000℃程度の温度差が生じる。
本発明は、保護トランジスタ内での温度差に着目し、保護トランジスタ形成領域上に設けた複数の電流制御部の各々を用いて、保護トランジスタ内での温度差、すなわち、保護トランジスタ内での動作状態に対応して、保護トランジスタ内での動作領域及び非動作領域の各々に流れる電流量を制御することにより、保護トランジスタの動作を制御するものである。
具体的には、前記の目的を達成するために、本発明に係る第1の半導体装置は、半導体基板上に形成されたバイポーラトランジスタを備える半導体装置であって、半導体基板におけるバイポーラトランジスタ形成領域上に配置された複数の電流制御部を備え、複数の電流制御部の各々は、バイポーラトランジスタを構成するベース層とエミッタ層とを電気的に接続していることを特徴とする。
本発明に係る第1の半導体装置によると、半導体基板におけるバイポーラトランジスタ形成領域上に、ベース層とエミッタ層とを電気的に接続する電流制御部を、互いに間隔を空けて複数設ける。
これにより、バイポーラトランジスタ(保護トランジスタ)内で電流が局所的に集中し、バイポーラトランジスタ内での電流集中領域において温度上昇が発生すると、バイポーラトランジスタ内での温度差、すなわち、バイポーラトランジスタ内での動作状態に対応して、複数の電流制御部の各々によって、トランジスタ動作に寄与するベース−エミッタ間に流れる電流量を制御することができるので、バイポーラトランジスタの動作均一性の向上を図ることができる。
このように、本発明に係る第1の半導体装置では、複数の電流制御部の各々によって、ESDサージに対するバイポーラトランジスタの動作均一性が確保され、バイポーラトランジスタの素子面積を最大限に活用することができるので、バイポーラトランジスタの素子面積の増大を招くことなく、ESDサージから内部回路を保護することができる。
本発明に係る第1の半導体装置において、複数の電流制御部の各々は、負の温度係数を有する抵抗体であることが好ましい。
このようにすると、負の温度係数を有する抵抗体とは抵抗値の温度係数が負を示す抵抗体であり、温度が上昇する程、負の温度係数を有する抵抗体の抵抗値が低下する。
そのため、バイポーラトランジスタ内で電流が局所的に集中し、バイポーラトランジスタ内での電流集中領域において温度上昇が発生すると、バイポーラトランジスタ内での電流集中領域の比較的近くに位置する負の温度係数を有する抵抗体の抵抗値は、電流集中領域の比較的遠くに位置する負の温度係数を有する抵抗体の抵抗値よりも低下する。
これにより、バイポーラトランジスタ内での電流集中領域では、ベース層に流れ込む電流のうち、エミッタ層に流れる電流が減少し、抵抗値が低下した負の温度係数を有する抵抗体に流れる電流が増加するので、ベース−エミッタ間に流れる電流を減少させることができる。
また、これにより、バイポーラトランジスタ内での電流集中領域では、エミッタ−ベース間の電位差が小さくなるため、バイポーラトランジスタ内での電流集中領域以外の領域と比較して、ベース−エミッタ間に電流が流れ難くなるので、ベース−エミッタ間に流れる電流を減少させることができる。
このため、バイポーラトランジスタ内での電流集中領域ではトランジスタ動作が抑制されるので、バイポーラトランジスタの動作均一性の向上を図ることができる。
本発明に係る第1の半導体装置において、複数の電流制御部の各々は、ダイオード素子であり、ダイオード素子のアノードがベース層と電気的に接続していると共に、ダイオード素子のカソードがエミッタ層と電気的に接続していることが好ましい。
このようにすると、ダイオード素子の電流能力の温度係数は正であり、温度が上昇する程、ダイオード素子に流れる電流が増加する。
そのため、バイポーラトランジスタ内で電流が局所的に集中し、バイポーラトランジスタ内での電流集中領域において温度上昇が発生すると、バイポーラトランジスタ内での電流集中領域の比較的近くに位置するダイオード素子に流れる電流量は、電流集中領域の比較的遠くに位置するダイオード素子に流れる電流量よりも増加する。
これにより、バイポーラトランジスタ内での電流集中領域(言い換えれば、温度上昇領域)では、ベース層に流れ込んだ電流のうち、エミッタ層に流れる電流が減少し、電流集中領域の比較的近くに位置するダイオード素子に流れる電流が増加するので、ベース−エミッタ間に流れる電流を減少させることができる。
このため、バイポーラトランジスタ内での電流集中領域ではトランジスタ動作が抑制されるので、バイポーラトランジスタの動作均一性の向上を図ることができる。
本発明に係る第1の半導体装置において、複数の電流制御部の各々は、バイポーラトランジスタを構成するコレクタ層とベース層との境界上に配置されていることが好ましい。
ここで、バイポーラトランジスタ内での温度上昇領域は、コレクタ層とベース層との境界である。そのため、コレクタ層とベース層との境界領域上に電流制御部を配置させることによって、バイポーラトランジスタ内での温度上昇領域上に電流制御部を配置させることができるので、電流制御部としての機能をより効果的に働かせることができる。
本発明に係る第1の半導体装置において、エミッタ層とベース層とを電気的に接続する抵抗体を更に備えていることが好ましい。
本発明に係る第1の半導体装置において、複数の電流制御部の各々におけるベース層に電気的に接続するコンタクト部とエミッタ層に電気的に接続するコンタクト部との間に存在している部分が、コレクタ層とベース層との境界上を経由するように配置されていることが好ましい。
このようにすると、電流制御部を流れる電流がバイポーラトランジスタ内での温度上昇領域上を流れるように、電流制御部を配置させることができるので、電流制御部としての機能をより一層効果的に働かせることができる。
前記の目的を達成するために、本発明に係る第2の半導体装置は、半導体基板上に形成されたMOSトランジスタを備える半導体装置であって、半導体基板におけるMOSトランジスタ形成領域上に配置された複数の電流制御部を備え、複数の電流制御部の各々は、MOSトランジスタを構成するボディ層とソース層とを電気的に接続していることを特徴とする。
本発明に係る第2の半導体装置によると、半導体基板におけるMOSトランジスタ形成領域上に、ボディ層とソース層とを電気的に接続する電流制御部を、互いに間隔を空けて複数設ける。
これにより、MOSトランジスタ(保護トランジスタ)内で電流が局所的に集中し、MOSトランジスタ内での電流集中領域において温度上昇が発生すると、MOSトランジスタ内での温度差、すなわち、MOSトランジスタ内での動作状態に対応して、複数の電流制御部の各々によって、トランジスタ動作に寄与するボディ−ソース間に流れる電流量を制御することができるので、MOSトランジスタの動作均一性の向上を図ることができる。
このように、本発明に係る第2の半導体装置では、複数の電流制御部の各々によって、ESDサージに対するMOSトランジスタの動作均一性が確保され、MOSトランジスタの素子面積を最大限に活用することができるので、MOSトランジスタの素子面積の増大を招くことなく、ESDサージから内部回路を保護することができる。
本発明に係る第2の半導体装置において、複数の電流制御部の各々は、負の温度係数を有する抵抗体であることが好ましい。
このようにすると、負の温度係数を有する抵抗体とは抵抗値の温度係数が負を示す抵抗体であり、温度が上昇する程、負の温度係数を有する抵抗体の抵抗値が低下する。
そのため、MOSトランジスタ内で電流が局所的に集中し、MOSトランジスタ内での電流集中領域において温度上昇が発生すると、MOSトランジスタ内での電流集中領域の比較的近くに位置する負の温度係数を有する抵抗体の抵抗値は、電流集中領域の比較的遠くに位置する負の温度係数を有する抵抗体の抵抗値よりも低下する。
これにより、MOSトランジスタ内での電流集中領域では、ボディ層に流れ込む電流のうち、ソース層に流れる電流が減少し、抵抗値が低下した負の温度係数を有する抵抗体に流れる電流が増加するので、ボディ−ソース間に流れる電流を減少させることができる。
このため、MOSトランジスタ内での電流集中領域ではトランジスタ動作が抑制されるので、MOSトランジスタの動作均一性の向上を図ることができる。
本発明に係る第2の半導体装置において、複数の電流制御部の各々は、ダイオード素子であり、ダイオード素子のアノードがボディ層と電気的に接続していると共に、ダイオード素子のカソードがソース層と電気的に接続していることが好ましい。
このようにすると、ダイオード素子の電流能力の温度係数は正であり、温度が上昇する程、ダイオード素子に流れる電流が増加する。
そのため、MOSトランジスタ内で電流が局所的に集中し、MOSトランジスタ内での電流集中領域において温度上昇が発生すると、MOSトランジスタ内での電流集中領域の比較的近くに位置するダイオード素子に流れる電流量は、電流集中領域の比較的遠くに位置するダイオード素子に流れる電流量よりも増加する。
これにより、MOSトランジスタ内での電流集中領域(言い換えれば、温度上昇領域)では、ボディ層に流れ込んだ電流のうち、ソース層に流れる電流が減少し、ダイオード素子に流れる電流が増加するので、ボディ−ソース間に流れる電流を減少させることができる。
このため、MOSトランジスタ内での電流集中領域ではトランジスタ動作が抑制されるので、MOSランジスタの動作均一性の向上を図ることができる。
本発明に係る第2の半導体装置において、複数の電流制御部の各々は、MOSトランジスタを構成するドレイン層とゲート電極下に位置するボディ層との境界上に配置されていることが好ましい。
ここで、MOSトランジスタ内での温度上昇領域は、ドレイン層とボディ層との境界である。そのため、ドレイン層とボディ層との境界領域上に電流制御部を配置させることによって、MOSトランジスタ内での温度上昇領域上に電流制御部を配置させることができるので、電流制御部としての機能をより効果的に働かせることができる。
本発明に係る第2の半導体装置において、ボディ層とソース層とを電気的に接続する抵抗体を更に備えていることが好ましい。
本発明に係る第2の半導体装置において、複数の電流制御部の各々におけるボディ層に電気的に接続するコンタクト部とソース層に電気的に接続するコンタクト部との間に存在している部分が、ドレイン層とゲート電極下に位置するボディ層との境界上を経由するように配置されていることが好ましい。
このようにすると、電流制御部を流れる電流がMOSトランジスタ内での温度上昇領域上を流れるように、電流制御部を配置させることができるので、電流制御部としての機能をより一層効果的に働かせることができる。
本発明に係る第1又は第2の半導体装置において、負の温度係数を有する抵抗体はポリシリコン又はアモルファスシリコンからなることが好ましい。
本発明に係る第1又は第2の半導体装置において、ダイオード素子はポリシリコンからなることが好ましい。
本発明に係る半導体装置によると、保護トランジスタ内での温度差、すなわち、保護トランジスタ内での動作状態に対応して、複数の電流制御部の各々によって、トランジスタ動作に寄与する電流量を制御することができるので、保護トランジスタの動作均一性の向上を図ることができる。このように、複数の電流制御部の各々によって、ESDサージに対する保護トランジスタの動作均一性が確保され、保護トランジスタの素子面積を最大限に活用することができるので、保護トランジスタの素子面積の増大を招くことなく、ESDサージから内部回路を保護することができる。
以下に、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
以下に、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置について、BVCER型バイポーラ保護トランジスタを備えた半導体装置を具体例に挙げて、図1(a) 及び(b) を参照しながら説明する。図1(a) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構造について示す平面図であり、図1(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構造について示す断面図であって、具体的には、図1(a) に示すIb−Ib線における断面図である。
本実施形態では、ベース層102とエミッタ層103とを電気的に接続する電流制御部として、ベース層102とエミッタ層103とを電気的に接続する負の温度係数を有する抵抗体107を設ける。ここで、負の温度係数を有する抵抗体107とは、抵抗値の温度係数が負を示す抵抗体であり、温度が上昇する程、抵抗体の抵抗値が低下する。
図1(a) に示すように、p型拡散層からなる半導体基板(図示せず)に、内部回路(図示せず)と電気的に分離するように、BVCER型バイポーラ保護トランジスタ100が設けられている。本実施形態に係る半導体装置は、図1(a) に示すように、主要な構成要素として、コレクタ層101、ベース層102、エミッタ層103、コレクタコンタクト層104、負の温度係数を有する抵抗体107、金属配線109A〜109C、及び絶縁体膜110を備えている。
具体的には、図1(a) に示すように、半導体基板中に、n型拡散層からなるコレクタ層101が設けられている。コレクタ層101中に、p型拡散層からなるベース層102が設けられている。ベース層102中に、n型拡散層からなるエミッタ層103が設けられている。コレクタ層101中に、コレクタ層101と電気的に接続し高濃度のn型拡散層からなるコレクタコンタクト層104が設けられている。
ベース層102及びエミッタ層103上には、例えば1×1020 /cmの高濃度のp型不純物が注入されたポリシリコンからなる負の温度係数を有する抵抗体107が、互いに間隔を空けて複数設けられている。
半導体基板上には、金属からなる金属配線109A〜109Cが設けられている。ここで、金属配線109Aは、図1(a) に示すように、ベース層102と接触するコンタクト部108a(図1(b) 参照)、及び負の温度係数を有する抵抗体107と接触するコンタクト部108(図1(b) 参照)を有している。このように、金属配線109Aによって、ベース層102と負の温度係数を有する抵抗体107とが電気的に接続している。また、金属配線109Bは、エミッタ層103と接触するコンタクト部108b、及び負の温度係数を有する抵抗体107と接触するコンタクト部108を有している。このように、金属配線109Bによって、エミッタ層103と負の温度係数を有する抵抗体107とが電気的に接続している。また、金属配線109Cは、コレクタ層101と電気的に接続するコレクタコンタクト層104と接触するコンタクト部108cを有している。従って、コンタクト部108aを介してベース層102に接続される金属配線109Aを挟んで、コンタクト部108bを介してエミッタ層103に接続される金属配線109Bと、コンタクト部108cを介してコレクタコンタクト層104(コレクタ層101)に接続される金属配線109Cとが配置されている。
このように、負の温度係数を有する抵抗体107は、金属配線109Aによってベース層102と電気的に接続していると共に、金属配線109Bによってエミッタ層103と電気的に接続しており、ベース層102とエミッタ層103との間を並列に接続する負の温度係数を有する抵抗体107は、図1(a) に示すように、ベース層102及びエミッタ層103上に、互いに間隔を空けて複数配置されている。ここでは、互いに隣り合う2つの抵抗体107の間には、ベース層102と接触するコンタクト部108a及びエミッタ層103と接触するコンタクト部108bがそれぞれ間隔を空けて2個配置されている。
また、図1(b) に示すように、半導体基板上には、絶縁体膜110が設けられており、絶縁体膜110中に埋め込まれるように、負の温度係数を有する抵抗体107が設けられている。絶縁体膜110中には、ベース層102の上面が露出する開口部、及び負の温度係数を有する抵抗体107の上面が露出する開口部が設けられており、各開口部内に埋め込まれるように、金属配線109Aが設けられている。これにより、金属配線109Aが、コンタクト部108aにおいてベース層102と接触すると共に、コンタクト部108において負の温度係数を有する抵抗体107と接触する。
このように、絶縁体膜110は、金属配線109Aにおけるコンタクト部108a,108が存在する部分以外の部分と、コレクタ層101、ベース層102及び負の温度係数を有する抵抗体107の各々とが接触することを防止している。尚、絶縁体膜110は、複数層の絶縁膜から構成されていてもよい。
以下に、本実施形態に係る半導体装置の動作について説明する。
まず、コレクタコンタクト層104と電気的に接続する金属配線109Cからコレクタ層101にサージ電流が流れ込むと、コレクタ層101の電位が上昇する。やがて、バイポーラ保護トランジスタの1次降伏電圧に到達すると、コレクタ層101とベース102層との境界でアバランシエ降伏が発生し、コレクタ層101からベース層102にサージ電流が流れ出す。
最初に、ベース層102に流れ込むサージ電流は、負の温度係数を有する抵抗体107を経由し、エミッタ層103と電気的に接続する金属配線109Bを経由して、外部へ放電される。
続いて、ベース層102に流れ込むサージ電流が増加し、ベース層102の電位が上昇すると、エミッタ層103にサージ電流が流れ出す(ダイオードの順バイアス動作)。エミッタ層103に流れ込むサージ電流は、エミッタ層103と電気的に接続する金属配線109Bを経由して、外部へ放電される。このようにして、本実施形態に係る半導体装置は、バイポーラトランジスタ動作を開始し、コレクタ層101の電位が急激に低下する。
ここで、ベース層102に流れ込むサージ電流がエミッタ層103に流れ出すまでの間、ベース層102に流れ込むサージ電流は、負の温度係数を有する抵抗体107を経由して、外部へ放電される。一方、ベース層102に流れ込むサージ電流がエミッタ層103に流れ出すと、エミッタ層103を流れて、外部へ放電される経路が支配的となる。
このように、本実施形態に係る半導体装置では、サージ電流を外部へ放電することで、内部回路にサージ電流が流れ込むことを防止することができるので、ESDサージから内部回路を保護することができる。
本実施形態に係る半導体装置によると、半導体基板におけるBVCER型バイポーラ保護トランジスタ100形成領域上には、ベース層102とエミッタ層103とを電気的に接続する負の温度係数を有する抵抗体107が、互いに間隔を空けて複数設けられている。
そのため、バイポーラ保護トランジスタ内で電流が局所的に集中し、バイポーラ保護トランジスタ内での電流集中領域において温度上昇が発生すると、バイポーラ保護トランジスタ内での電流集中領域の比較的近くに位置する負の温度係数を有する抵抗体107の抵抗値は、電流集中領域の比較的遠くに位置する負の温度係数を有する抵抗体107の抵抗値よりも低下する。
これにより、バイポーラ保護トランジスタ内での電流集中領域では、ベース層102に流れ込む電流のうち、エミッタ層103に流れる電流が減少し、抵抗値が低下した負の温度係数を有する抵抗体107に流れる電流が増加するので、トランジスタ動作に寄与するベース−エミッタ間に流れる電流を減少させることができる。
また、これにより、バイポーラ保護トランジスタ内での電流集中領域では、エミッタ−ベース間の電位差が小さくなるため、バイポーラ保護トランジスタ内での電流集中領域以外の領域と比較して、ベース−エミッタ間に電流が流れ難くなるので、ベース−エミッタ間に流れる電流を減少させることができる。
このため、バイポーラ保護トランジスタ内での電流集中領域ではトランジスタ動作が抑制され、これ以上の電流集中が発生しないよう負のフィードバックが発生するので、バイポーラ保護トランジスタの動作均一性の向上を図ることができる。
以上のように、本実施形態に係る半導体装置では、負の温度係数を有する抵抗体107の各々によって、ESDサージに対するバイポーラ保護トランジスタの動作均一性が確保され、バイポーラ保護トランジスタの素子面積を最大限に活用することができるので、バイポーラ保護トランジスタの素子面積の増大を招くことなく、ESDサージから内部回路を保護することができる。
以下に、本発明の効果について有効に説明するために、従来例に係る半導体装置と本発明に係る半導体装置とについて、図2を参照しながら説明する。
図2は、保護トランジスタの素子面積と2次降伏電流との関係、言い換えれば、ある素子面積を有する保護トランジスタが耐え得るサージ電流(2次降伏電流)値について、従来例に係る半導体装置と本発明に係る半導体装置とで比較する図である。
従来例に係る半導体装置の場合、図2に示すように、保護トランジスタが耐え得るサージ電流値は、保護トランジスタの素子面積が増加するに従い顕著に減少する。
これに対し、本発明に係る半導体装置では、図2に示すように、保護トランジスタの素子面積の増加に比例して、保護トランジスタが耐え得るサージ電流値が増加する。
このように、本発明では、保護トランジスタの素子面積を最大限に活用することができるので、従来例のようにESDサージから内部回路を保護するために保護トランジスタの素子面積を増大させる必要がなく、従来例と比較して、保護トランジスタの素子面積を削減することができる。
<第1の変形例>
以下に、本発明の第1の変形例に係る半導体装置について、BVCER型バイポーラ保護トランジスタを備えた半導体装置を具体例に挙げて、図3及び図4を参照しながら説明する。図3及び図4は、本発明の第1の変形例に係る半導体装置の構造について示す平面図である。本変形例の半導体装置は、抵抗体の形状以外は第1の実施形態の半導体装置と同様な構成を有している。
図3に示す半導体装置における負の温度係数を有する抵抗体107Aは、コンタクト部108を介して金属配線109A,109Bに接続されていると共に、コレクタコンタクト層104とベース層102との間に位置するコレクタ層101とベース層102との境界領域上にまで延在させた構造を有している。更に、抵抗体107Aは、コレクタ層101とベース層102との境界領域上に位置する領域の幅が、ベース層102上のコンタクト部108とエミッタ層103上のコンタクト部108との間に位置する領域の幅よりも広く概略T字形状を有している。従って、抵抗体107Aは、図1に示す抵抗体107に対して、コレクタ層101とベース層102との境界領域上に位置する幅広の抵抗体領域を設けた点で相違している。
図4に示す半導体装置における負の温度係数を有する抵抗体107Bは、ベース層102(金属配線109A)に電気的に接続するコンタクト部108とエミッタ層103(金属配線109B)に電気的に接続するコンタクト部108との間に存在する部分が、コレクタコンタクト層104とベース層102との間に位置するコレクタ層101とベース層102との境界領域上を経由するように配置した構造を有している。従って、抵抗体107Bは、図1に示す抵抗体107に対して、コレクタ層101とベース層102との境界領域上を経由して、ベース層102に電気的に接続するコンタクト部108とエミッタ層103に電気的に接続するコンタクト部108とに接続されている点で相違している。
ここで、バイポーラ保護トランジスタ内での電流集中領域、言い換えれば、温度上昇領域は、コレクタ層101とベース層102との境界(すなわち、アバランシェ降伏発生箇所)である。
そこで、本変形例では、図3及び図4に示すように、負の温度係数を有する抵抗体107A,107Bを、コレクタ層101とベース層102との境界領域上にまで延在させる。これにより、バイポーラ保護トランジスタ内での温度上昇領域上に負の温度係数を有する抵抗体107A,107Bを配置させることができるので、発熱に対する負のフィードバックをより有効に働かせることができる。
更には、図4に示すように、負の温度係数を有する抵抗体107Bにおけるベース層102に電気的に接続するコンタクト部108とエミッタ層103に電気的に接続するコンタクト部108との間に存在する部分を、コレクタ層101とベース層102との境界領域上にまで延在させる。これにより、負の温度係数を有する抵抗体107Bを流れる電流がバイポーラ保護トランジスタ内での温度上昇領域上を流れるように、負の温度係数を有する抵抗体107Bを配置させることができるので、発熱に対する負のフィードバックをより一層有効に働かせることができる。
(第2の実施形態)
以下に、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置について、BVCER型バイポーラ保護トランジスタを備えた半導体装置を具体例に挙げて、図5(a) 及び(b) を参照しながら説明する。図5(a) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の構造について示す平面図であり、図5(b) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の構造について示す断面図であって、具体的には、図5(a) に示すVb−Vb線における断面図である。図5(a) 及び(b) において、前述の本発明の第1の実施形態に係る半導体装置と同一の構成要素については、同一の符号を付す。したがって、本実施形態では、前述の本発明の第1の実施形態に係る半導体装置と同様の説明は繰り返し行わない。
本実施形態と前述の第1の実施形態との相違点は、以下に示す点である。
ベース層102とエミッタ層103とを電気的に接続する電流制御部として、前述の第1の実施形態では負の温度係数を有する抵抗体107を設けるのに対し、本実施形態ではダイオード素子207を設ける。
図5(a) に示すように、p型拡散層からなる半導体基板(図示せず)に、内部回路(図示せず)と電気的に分離するように、BVCER型バイポーラ保護トランジスタ200が設けられている。本実施形態に係る半導体装置は、図5(a) に示すように、主要な構成要素として、コレクタ層101、ベース層102、エミッタ層103、コレクタコンタクト層104、n型拡散層205、拡散抵抗206、ダイオード素子207、金属配線109A〜109C、及び絶縁体膜110を備えている。
具体的には、図5(a) に示すように、半導体基板中に、n型拡散層からなるコレクタ層101が設けられている。コレクタ層101中に、p型拡散層からなるベース層102が設けられている。ベース層102中に、n型拡散層からなるエミッタ層103が設けられている。コレクタ層101中に、コレクタ層101と電気的に接続し高濃度のn型拡散層からなるコレクタコンタクト層104が設けられている。
半導体基板中に、コレクタ層101と電気的に分離するように、n型拡散層205が設けられている。n型拡散層205中に、半導体基板と電気的に分離するように、p型拡散層からなる拡散抵抗206が設けられている。
ベース層102及びエミッタ層103上には、p型ポリシリコン207aとn型ポリシリコン207bとが接合されてなるダイオード素子207が、互いに間隔を空けて複数設けられている。ここで、例えばダイオード素子207のアノード側を構成するp型ポリシリコン207aとして、1×1020 /cmの高濃度のp型不純物が注入されたポリシリコンを用いると共に、カソード側を構成するn型ポリシリコン207bとして、1×1018 /cmの高濃度のn型不純物が注入されたポリシリコンを用いる。
半導体基板上には、金属からなる金属配線109A〜109Cが設けられている。ここで、金属配線109Aは、図5(a) に示すように、ベース層102と接触するコンタクト部108a(図5(b) 参照)、及びダイオード素子207を構成するp型ポリシリコン207aと接触するコンタクト部208a(図5(b) 参照)を有している。このように、金属配線109Aによって、ベース層102とダイオード素子207のアノード側とが電気的に接続している。また、金属配線109Bは、エミッタ層103と接触するコンタクト部108b、及びダイオード素子207を構成するn型ポリシリコン207bと接触するコンタクト部208bを有している。このように、金属配線109Bによって、エミッタ層103とダイオード素子207のカソード側とが電気的に接続している。また、金属配線109Cは、コレクタ層101と電気的に接続するコレクタコンタクト層104と接触するコンタクト部108cを有している。
このように、ダイオード素子207は、金属配線109Aによってアノード側がベース層102と電気的に接続していると共に、金属配線109Bによってカソード側がエミッタ層103と電気的に接続しており、ベース層102とエミッタ層103との間を並列に接続するダイオード素子207は、図5(a) に示すように、ベース層102及びエミッタ層103上に、互いに間隔を空けて複数配置されている。ここでは、互いに隣り合う2つのダイオード素子207の間には、ベース層102と接触するコンタクト部108a及びエミッタ層103と接触するコンタクト部108bがそれぞれ間隔を空けて2個配置されている。また、ダイオード素子207におけるPN接合は、金属配線109Aと金属配線109Bとの間に位置する。
また、図5(b) に示すように、半導体基板上には、絶縁体膜110が設けられており、絶縁体膜110中に埋め込まれるように、ダイオード素子207が設けられている。絶縁体膜110中には、ベース層102の上面が露出する開口部、及びダイオード素子207を構成するp型ポリシリコン207aの上面が露出する開口部が設けられており、各開口部内に埋め込まれるように、金属配線109Aが設けられている。これにより、金属配線109Aが、コンタクト部108aにおいてベース層102と接触すると共に、コンタクト部208aにおいてダイオード素子207と接触する。
このように、絶縁体膜110は、金属配線109Aにおけるコンタクト部108a,208aが存在する部分以外の部分と、コレクタ層101、ベース層102及びダイオード素子207の各々とが接触することを防止している。尚、絶縁体膜110は、複数層の絶縁膜から構成されていてもよい。
本実施形態では、前述の第1の実施形態と同様に、コレクタコンタクト層104と電気的に接続する金属配線109Cからベース層102にサージ電流が流れ込むと、ベース層102の電位が上昇し、バイポーラトランジスタ動作を開始し、サージ電流を外部へ放電することで、内部回路にサージ電流が流れ込むことを防止することができるので、ESDサージから内部回路を保護することができる。
本実施形態に係る半導体装置によると、半導体基板におけるBVCER型バイポーラ保護トランジスタ200形成領域上には、ベース層102とエミッタ層103とを電気的に接続するダイオード素子207が、互いに間隔を空けて複数設けられている。
ここで、一般に、ダイオード素子の電流能力の温度係数は正であり、温度が上昇する程、ダイオード素子に流れる電流が増加する。
そのため、バイポーラ保護トランジスタ内で電流が局所的に集中し、バイポーラ保護トランジスタ内での電流集中領域において温度上昇が発生すると、バイポーラ保護トランジスタ内での温度上昇領域の比較的近くに位置するダイオード素子207に流れる電流は、温度上昇領域の比較的遠くに位置するダイオード素子207に流れる電流よりも増加する。
これにより、バイポーラ保護トランジスタ内での電流集中領域では、ベース層102に流れ込む電流のうち、エミッタ層103に流れる電流が減少し、バイポーラ保護トランジスタ内での温度上昇領域の比較的近くに位置するダイオード素子207に流れる電流が増加するので、トランジスタ動作に寄与するベース−エミッタ間に流れる電流を減少させることができる。
このため、バイポーラ保護トランジスタ内での電流集中領域ではトランジスタ動作が抑制され、これ以上の電流集中が発生しないよう負のフィードバックが発生するので、バイポーラ保護トランジスタの動作均一性の向上を図ることができる。
以上のように、本実施形態に係る半導体装置では、複数のダイオード素子207の各々によって、ESDサージに対するバイポーラ保護トランジスタの動作均一性が確保され、バイポーラ保護トランジスタの素子面積を最大限に活用することができるので、バイポーラ保護トランジスタの素子面積の増大を招くことなく、ESDサージから内部回路を保護することができる。
尚、本実施形態では、ベース層102とエミッタ層103とを電気的に接続する抵抗体として、n型拡散層205中に形成された拡散抵抗206を設けることにより、BVCER型バイポーラ保護トランジスタを構成したが、本発明はこれに限定されるものではない。
<第2の変形例>
以下に、本発明の第2の変形例に係る半導体装置について、BVCER型バイポーラ保護トランジスタを備えた半導体装置を具体例に挙げて、図6を参照しながら説明する。図6は、本発明の第2の変形例に係る半導体装置の構造について示す平面図である。本変形例の半導体装置は、ダイオード素子の形状以外は第2の実施形態の半導体装置と同様な構成を有している。
図6に示す半導体装置におけるダイオード素子207Aは、ベース層102(金属配線109A)に電気的に接続するコンタクト部208aとエミッタ層103(金属配線109B)に電気的に接続するコンタクト部208bとの間に存在する部分が、コレクタコンタクト層104とベース層102との間に位置するコレクタ層101とベース層102との境界領域上を経由するように配置した構造を有している。従って、ダイオード素子207Aは、図5に示すダイオード素子207に対して、コレクタ層101とベース層102との境界領域上を経由して、ベース層102に電気的に接続するコンタクト部208aとエミッタ層103に電気的に接続するコンタクト部208bとに接続されている点で相違している。尚、ダイオード素子207AにおけるPN接合は、金属配線109Aと金属配線109Cとの間に位置するコレクタ層101とベース層102との境界領域上に位置している。
ここで、保護トランジスタ内での電流集中領域、言い換えれば、温度上昇領域は、コレクタ層101とベース層102との境界(すなわち、アバランシェ降伏発生箇所)である。
そこで、本変形例では、ダイオード素子207Aにおけるベース層102に電気的に接続するコンタクト部208aとエミッタ層103に電気的に接続するコンタクト部208bとの間に存在する部分を、コレクタ層101とベース層102との境界領域上にまで延在させる。これにより、ダイオード素子207Aを流れる電流がバイポーラ保護トランジスタ内での温度上昇領域上を流れるように、ダイオード素子207Aを配置させることができるので、発熱に対する負のフィードバックをより一層有効に働かせることができる。
(第3の実施形態)
ここで、保護トランジスタとして、前述した第1及び第2の実施形態ではバイポーラ型保護トランジスタを用いたのに対し、後述する第3及び第4の実施形態ではMOS型保護トランジスタを用いる。
MOS型保護トランジスタでは、ESDサージが印加された場合、内部にもつ寄生のバイポーラ構造によるバイポーラトランジスタ動作が支配的になる。従って、MOS型保護トランジスタを構成するドレイン層をコレクタ層、ソース層をエミッタ層、ボディ層をベース層と見なし、ボディ層とソース層とを電気的に接続する電流制御部として、後述する第3の実施形態では負の温度係数を有する抵抗体を用いる、又は後述する第4の実施形態ではダイオード素子を用いることにより、MOS型保護トランジスタにおいても、バイポーラ型保護トランジスタと同様に、保護トランジスタの動作均一性の向上を図ることができる。
以下に、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置について、GGNMOS型保護トランジスタを備えた半導体装置を具体例に挙げて、図7(a) 及び(b) を参照しながら説明する。図7(a) は、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の構造について示す平面図であり、図7(b) は、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の構造について示す断面図であって、具体的には、図7(a) に示すVIIb−VIIb線における断面図である。
図7(a) に示すように、半導体基板(図示せず)に、内部回路(図示せず)と電気的に分離するように、GGNMOS型保護トランジスタ300が設けられている。本実施形態に係る半導体装置は、図7(a) に示すように、主要な構成要素として、ボディ層301、ボディコンタクト層302、ソース層303、ドレイン層304、ゲート電極305、負の温度係数を有する抵抗体308、金属配線310A〜310C、及び絶縁体膜311を備えている。
具体的には、図7(a) に示すように、半導体基板中に、MOSトランジスタのバックゲートを構成するp型拡散層からなるボディ層301が設けられている。ボディ層301中に、ボディ層301と電気的に接続しボディ層301よりも高濃度のp型拡散層からなるボディコンタクト層302、n型拡散層からなるソース層303及びn型拡散層からなるドレイン層304の各々が互いに間隔を空けて設けられている。ボディ層301におけるソース層303とドレイン層304との間に位置する領域上には、高濃度のn型不純物が注入されたポリシリコンからなるゲート電極305が設けられている。ボディコンタクト層302は、ソース層303を挟んでゲート電極305の反対側に位置する領域に設けられている。
ボディコンタクト層302及びソース層303上には、高濃度のp型不純物が注入されたポリシリコンからなる負の温度係数を有する抵抗体308が、互いに間隔を空けて複数設けられている。
半導体基板上には、金属からなる金属配線310A〜310Cが設けられている。ここで、金属配線310Aは、図7(a) に示すように、ソース層303と接触するコンタクト部309a(図7(b) 参照)、負の温度係数を有する抵抗体308と接触するコンタクト部309(図7(b) 参照)、及びゲート電極305と接触するコンタクト部309dを有している。このように、金属配線310Aによって、ソース層303と負の温度係数を有する抵抗体308とが電気的に接続していると共に、ソース層303とゲート電極305とが電気的に接続している。また、金属配線310Bは、ボディコンタクト層302と接触するコンタクト部309b、及び負の温度係数を有する抵抗体308と接触するコンタクト部309を有している。このように、金属配線310Bによって、ボディコンタクト層302と負の温度係数を有する抵抗体308とが電気的に接続している。また、金属配線310Cは、ドレイン層304と接触するコンタクト部309cを有している。
このように、負の温度係数を有する抵抗体308は、金属配線310Aによってソース層303と電気的に接続していると共に、金属配線310Bによってボディコンタクト層302と電気的に接続しており、ボディコンタクト層302とソース層303との間を並列に接続する負の温度係数を有する抵抗体308は、図7(a) に示すように、ボディコンタクト層302及びソース層303上に、互いに間隔を空けて複数配置されている。ここでは、互いに隣り合う2つの抵抗体308の間には、ソース層303と接触するコンタクト部309a及びボディコンタクト層302と接触するコンタクト部309bがそれぞれ間隔を空けて2個配置されている。
また、図7(b) に示すように、半導体基板上には、絶縁体膜311が設けられており、絶縁体膜311中に埋め込まれるように、負の温度係数を有する抵抗体308が設けられている。絶縁体膜311中には、ソース層303の上面が露出する開口部、及び負の温度係数を有する抵抗体308の上面が露出する開口部が設けられており、各開口部内に埋め込まれるように、金属配線310Aが設けられている。これにより、金属配線310Aが、コンタクト部309aにおいてソース層303と接触すると共に、コンタクト部309において負の温度係数を有する抵抗体308と接触する。
このように、絶縁体膜311は、金属配線310Aにおけるコンタクト部309a,309が存在する部分以外の部分と、ボディ層301、ソース層303及び負の温度係数を有する抵抗体308の各々とが接触することを防止している。尚、絶縁体膜311は、複数層の絶縁膜から構成されていてもよい。
以下に、本実施形態に係る半導体装置の動作について説明する。
まず、ドレイン層304と電気的に接続する金属配線310Cからドレイン層304にサージ電流が流れ込むと、ドレイン層304の電位が上昇する。やがて、MOS型保護トランジスタの1次降伏電圧に到達すると、ドレイン層304とボディ層301層との境界でアバランシエ降伏が発生し、ドレイン層304からボディ層301にサージ電流が流れ出す。
最初に、ボディ層301に流れ込むサージ電流は、ボディコンタクト層302に到達し、負の温度係数を有する抵抗体308を経由し、ソース層303と電気的に接続する金属配線310Aを経由して、外部へ放電される。
続いて、ボディ層301に流れ込むサージ電流が増加し、ボディ層301の電位が上昇すると、ボディ層301からソース層303にサージ電流が流れ出す(ダイオードの順バイアス動作)。ソース層303に流れ込むサージ電流は、ソース層303と電気的に接続する金属配線310Aを経由して、外部へ放電される。このようにして、本実施形態に係る半導体装置は、バイポーラトランジスタ動作を開始し、ドレイン層304の電位が急激に低下する。
ここで、ボディ層301に流れ込むサージ電流がソース層303に流れ出すまでの間、ボディ層301に流れ込むサージ電流は、負の温度係数を有する抵抗体308を経由して、外部へ放電される。一方、ボディ層301に流れ込むサージ電流がソース層303に流れ出すと、ソース層303を流れて、外部へ放電される経路が支配的となる。
このように、本実施形態に係る半導体装置では、サージ電流を外部へ放電することで、内部回路にサージ電流が流れ込むことを防止することができるので、ESDサージから内部回路を保護することができる。
本実施形態に係る半導体装置によると、半導体基板におけるMOS型保護トランジスタ300形成領域上には、ボディコンタクト層302とソース層303とを電気的に接続する負の温度係数を有する抵抗体308が、互いに間隔を空けて複数設けられている。
そのため、MOS型保護トランジスタ内で電流が局所的に集中し、MOS型保護トランジスタ内での電流集中領域において温度上昇が発生すると、MOS型保護トランジスタ内での電流集中領域の比較的近くに位置する負の温度係数を有する抵抗体308の抵抗値は、電流集中領域の比較的遠くに位置する負の温度係数を有する抵抗体308の抵抗値よりも低下する。
これにより、MOS型保護トランジスタ内での電流集中領域では、ボディ層301に流れ込む電流のうち、ソース層303に流れる電流が減少し、抵抗値が低下した負の温度係数を有する抵抗体308に流れる電流が増加するので、ベース−エミッタ間に流れる電流を減少させることができる。
このため、MOS型保護トランジスタ内での電流集中領域ではトランジスタ動作が抑制され、これ以上の電流集中が発生しないよう負のフィードバックが発生するので、MOS型保護トランジスタの動作均一性の向上を図ることができる。
以上のように、本実施形態に係る半導体装置では、複数の負の温度係数を有する抵抗体308の各々によって、ESDサージに対するMOS型保護トランジスタの動作均一性が確保され、MOS型保護トランジスタの素子面積を最大限に活用することができるので、MOS型保護トランジスタの素子面積の増大を招くことなく、ESDサージから内部回路を保護することができる。
<第3の変形例>
以下に、本発明の第3の変形例に係る半導体装置について、GGNMOS型保護トランジスタを備えた半導体装置を具体例に挙げて、図8及び図9を参照しながら説明する。図8及び図9は、本発明の第3の変形例に係る半導体装置の構造について示す平面図である。
図8に示す半導体装置は、負の温度係数を有する抵抗体308Aにおけるボディコンタクト層302に電気的に接続されるコンタクト部309とソース層303に電気的に接続されるコンタクト部309との間に存在する部分が、ドレイン層304とボディ層301(ゲート電極305下に位置する領域)との境界領域上を経由して配置されるように、ボディコンタクト層302をソース層303側ではなくドレイン層304側に配置させる。従って、ボディコンタクト層302は、ドレイン層304を挟んでゲート電極305の反対側に位置する領域に設けられている。これにより、抵抗体308Aは、ドレイン層304及びゲート電極305上を横断するように形成される。
図9に示す半導体装置は、ゲート電極305を挟んだ両側にソース層303とドレイン層304とを備えており、ボディコンタクト層302はソース層303を挟んでゲート電極305の反対側に位置する領域に設けられている。そして、負の温度係数を有する抵抗体308Bは、ドレイン層304とボディ層301(ゲート電極305下に位置する領域)との境界領域上にまで延在させた構造を有している。更に、抵抗体308Bは、ドレイン層304とボディ層301との境界領域上に位置する領域の幅が、ソース層303及びボディコンタクト層302上に位置する領域の幅よりも広く概略T字形状を有している。従って、抵抗体308Bは、図7に示す抵抗体308に対して、ゲート電極305上を横断し、且つドレイン層304とボディ層301との境界領域上に位置する幅広の抵抗体領域を設けた点で相違している。
ここで、MOS型保護トランジスタ内での電流集中領域、言い換えれば、温度上昇領域は、ドレイン層304とボディ層301との境界(すなわち、アバランシェ降伏発生箇所)である。
そこで、本変形例では、図8及び図9に示すように、負の温度係数を有する抵抗体308A,308Bを、ドレイン層304とボディ層301との境界領域上に配置させる。これにより、MOS型保護トランジスタ内での温度上昇領域上に負の温度係数を有する抵抗体308A,308Bを配置させることができるので、発熱に対する負のフィードバックをより有効に働かせることができる。
更には、図8に示すように、負の温度係数を有する抵抗体308Aにおけるボディコンタクト層302に電気的に接続するコンタクト部309とソース層303に電気的に接続するコンタクト部309との間に存在する部分を、ドレイン層304とボディ層301との境界領域上に配置させる。これにより、負の温度係数を有する抵抗体308Aを流れる電流がMOS型保護トランジスタ内での温度上昇領域上を流れるように、負の温度係数を有する抵抗体308Aを配置させることができるので、発熱に対する負のフィードバックをより一層有効に働かせることができる。
(第4の実施形態)
以下に、本発明の第4の実施形態に係る半導体装置について、GGNMOS型保護トランジスタを備えた半導体装置を具体例に挙げて、図10(a) 及び(b) を参照しながら説明する。図10(a) は、本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の構造について示す平面図であり、図10(b) は、本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の構造について示す断面図であって、具体的には、図10(a) に示すXb−Xb線における断面図である。図10(a) 及び(b) において、前述の本発明の第3の実施形態に係る半導体装置と同一の構成要素については、同一の符号を付す。したがって、本実施形態では、前述の第3の実施形態と同様の説明は繰り返し行わない。
本実施形態と前述の第3の実施形態との相違点は、以下に示す点である。
ボディ層301とソース層303とを電気的に接続する電流制御部として、前述の第3の実施形態では負の温度係数を有する抵抗体308を設けるのに対し、本実施形態ではダイオード素子408を設ける。
図10(a) に示すように、半導体基板(図示せず)に、内部回路(図示せず)と電気的に分離するように、GGNMOS型保護トランジスタ400が設けられている。本実施形態に係る半導体装置は、図10(a) に示すように、主要な構成要素として、ボディ層301、ボディコンタクト層302、ソース層303、ドレイン層304、ゲート電極305、n型拡散層406、拡散抵抗407、ダイオード素子408、金属配線310A〜310C、及び絶縁体膜311を備えている。
具体的には、図10(a) に示すように、半導体基板中に、MOSトランジスタのバックゲートを構成するp型拡散層からなるボディ層301が設けられている。ボディ層301中に、ボディ層301と電気的に接続しボディ層301よりも高濃度のp型拡散層からなるボディコンタクト層302、n型拡散層からなるソース層303及びn型拡散層からなるドレイン層304の各々が互いに間隔を空けて設けられている。ボディ層301におけるソース層303とドレイン層304との間に位置する領域上には、高濃度のn型不純物が注入されたポリシリコンからなるゲート電極305が設けられている。ボディコンタクト層302は、ソース層303を挟んでゲート電極305の反対側に位置する領域に設けられている。
半導体基板中に、ボディ層301と電気的に分離するように、n型拡散層406が設けられている。n型拡散層406中に、半導体基板と電気的に分離するように、p型拡散層からなる拡散抵抗407が設けられている。
ボディコンタクト層302及びソース層303上には、p型ポリシリコン408bとn型ポリシリコン408aとが接合されてなるダイオード素子408が、互いに間隔を空けて複数設けられている。ここで、例えばダイオード素子408のアノード側を構成するp型ポリシリコン408bとして、1×1020 /cmの高濃度のp型不純物が注入されたポリシリコンを用いると共に、カソード側を構成するn型ポリシリコン408aとして、1×1018 /cmの高濃度のn型不純物が注入されたポリシリコンを用いる。
半導体基板上には、金属からなる金属配線310A〜310Cが設けられている。ここで、金属配線310Aは、図10(a) に示すように、ソース層303と接触するコンタクト部309a(図10(b) 参照)、ダイオード素子408を構成するn型ポリシリコン408aと接触するコンタクト部409a(図10(b) 参照)、及びゲート電極305と接触するコンタクト部309dを有している。このように、金属配線310Aによって、ソース層303とダイオード素子408のカソード側とが電気的に接続していると共に、ソース層303とゲート電極305とが電気的に接続している。また、金属配線310Bは、ボディコンタクト層302と接触するコンタクト部309b、及びダイオード素子408を構成するp型ポリシリコン408bと接触するコンタクト部409bを有している。このように、金属配線310Bによって、ボディコンタクト層302とダイオード素子408のアノード側とが電気的に接続している。また、金属配線310Cは、ドレイン層304と接触するコンタクト部309cを有している。
このように、ダイオード素子408は、金属配線310Aによってカソード側がソース層303と電気的に接続していると共に、金属配線310Bによってアノード側がボディコンタクト層302と電気的に接続しており、ボディコンタクト層302とソース層303との間を並列に接続するダイオード素子408は、図10(a) に示すように、ボディコンタクト層302及びソース層303上に、互いに間隔を空けて複数配置されている。ここでは、互いに隣り合う2つのダイオード素子408の間には、ソース層303と接触するコンタクト部309a及びボディコンタクト層302と接触するコンタクト部309bがそれぞれ間隔を空けて2個配置されている。また、ダイオード素子408におけるPN接合は、金属配線310Aと金属配線310Bとの間に位置する。
また、図10(b) に示すように、半導体基板上には、絶縁体膜311が設けられており、絶縁体膜311中に埋め込まれるように、ダイオード素子408が設けられている。絶縁体膜311中には、ソース層303の上面が露出する開口部、及びダイオード素子408を構成するn型ポリシリコン408aの上面が露出する開口部が設けられており、各開口部内に埋め込まれるように、金属配線310Aが設けられている。これにより、金属配線310Aが、コンタクト部309aにおいてソース層303と接触すると共に、コンタクト部409aにおいてダイオード素子408と接触する。
このように、絶縁体膜311は、金属配線310Aにおけるコンタクト部309a,409aが存在する部分以外の部分と、ボディ層301、ソース層303及びダイオード素子408の各々とが接触することを防止している。尚、絶縁体膜311は、複数層の絶縁膜から構成されていてもよい。
本実施形態では、前述の第3の実施形態と同様に、ドレイン層304と電気的に接続する金属配線310Cからボディ層301にサージ電流が流れ込むと、ボディ層301の電位が上昇し、バイポーラトランジスタ動作を開始し、サージ電流を外部へ放電することで、内部回路にサージ電流が流れ込むことを防止することができるので、ESDサージから内部回路を保護することができる。
本実施形態に係る半導体装置によると、半導体基板におけるMOS型保護トランジスタ400形成領域上には、ボディコンタクト層302とソース層303とを電気的に接続するダイオード素子408が、互いに間隔を空けて複数設けられている。
ここで、一般に、ダイオード素子の電流能力は正の温度係数を有しており、温度が上昇する程、ダイオード素子に流れる電流量が増大する。
そのため、MOS型保護トランジスタ内で電流が局所的に集中し、MOS型保護トランジスタ内での電流集中領域において温度上昇が発生すると、MOS型保護トランジスタ内での電流集中領域の比較的近くに位置するダイオード素子408に流れる電流量は、電流集中領域の比較的遠くに位置するダイオード素子408に流れる電流量よりも増加する。
これにより、MOS型保護トランジスタ内での電流集中領域では、ボディ層301に流れ込む電流のうち、ソース層303に流れる電流が減少し、MOS型保護トランジスタ内での電流集中領域の比較的近くに位置するダイオード素子408に流れる電流が増加するので、トランジスタ動作に寄与するボディ−ソース間に流れる電流を減少させることができる。
このため、MOS型保護トランジスタ内での電流集中領域ではトランジスタ動作が抑制され、これ以上の電流集中が発生しないよう負のフィードバックが発生するので、MOS型保護トランジスタの動作均一性の向上を図ることができる。
以上のように、本実施形態に係る半導体装置では、複数のダイオード素子408の各々によって、ESDサージに対するMOS型保護トランジスタの動作均一性が確保され、MOS型保護トランジスタの素子面積を最大限に活用することができるので、MOS型保護トランジスタの素子面積の増大を招くことなく、ESDサージから内部回路を保護することができる。
尚、本実施形態では、ボディ層301とソース層303とを電気的に接続する抵抗体として、n型拡散層406中に形成された拡散抵抗407を設けたが、本発明はこれに限定されるものではない。
<第4の変形例>
以下に、本発明の第4の変形例に係る半導体装置について、GGNMOS型保護トランジスタを備えた半導体装置を具体例に挙げて、図11及び図12を参照しながら説明する。図11及び図12は、本発明の第4の変形例に係る半導体装置の構造について示す平面図である。
図11に示す半導体装置は、ダイオード素子408Aにおけるボディコンタクト層302に電気的に接続されるコンタクト部409bとソース層303に電気的に接続されるコンタクト部409aとの間に存在する部分が、ボディ層301(ゲート電極305下に位置する領域)とドレイン層304との境界領域上を経由して配置されるように、ボディコンタクト層302をソース層303側ではなくドレイン層304側に配置させる。従って、ボディコンタクト層302は、ドレイン層304を挟んでゲート電極305の反対側に位置する領域に設けられている。これにより、ダイオード素子408Aは、ドレイン層304及びゲート電極305上を横断するように形成される。尚、ダイオード素子408AにおけるPN接合は、ボディ層301(ゲート電極305下に位置する領域)とドレイン層304との境界領域上に位置している。
図12に示す半導体装置は、ゲート電極305を挟んだ両側にソース層303とドレイン層304とを備えており、ボディコンタクト層302はソース層303を挟んでゲート電極305の反対側に位置する領域に設けられている。そして、ダイオード素子408Bは、コンタクト部409aとコンタクト部409bとの間に存在する部分が、ドレイン層304とボディ層301(ゲート電極305下に位置する領域)との境界領域上を経由するように配置した構造を有している。従って、ダイオード素子408Bは、図10に示すダイオード素子408に対して、ドレイン層304とボディ層301との境界領域上を経由して、コンタクト部409aとコンタクト部409bとに接続されている点で相違している。尚、ダイオード素子408BにおけるPN接合は、ボディ層301(ゲート電極305下に位置する領域)とドレイン層304との境界領域上に位置している。
ここで、MOS型保護トランジスタ内での電流集中領域、言い換えれば、温度上昇領域は、ボディ層301とドレイン層304との境界(すなわち、アバランシェ降伏発生箇所)である。
そこで、本変形例では、図11及び図12に示すように、ダイオード素子408A,408Bにおけるコンタクト部409a(ソース層303)とコンタクト部409b(ボディコンタクト層302)との間に存在する部分を、ボディ層301とドレイン層304との境界領域上に配置させる。これにより、ダイオード素子408A,408Bを流れる電流がMOS型保護トランジスタ内での温度上昇領域上を流れるように、ダイオード素子408A,408Bを配置させることができるので、発熱に対する負のフィードバックをより一層有効に働かせることができる。
また、図11に示すように、ボディコンタクト層302を、ソース層303側ではなくドレイン層304側に配置させることによって、図12に示すように、ダイオード素子408Bの形状をコ字状に調整することなく、より容易な設計変更で、ダイオード素子408Aにおけるコンタクト部409a(ソース層303)とコンタクト部409b(ボディコンタクト層302)との間に存在する部分を、ボディ層301とドレイン層304との境界領域上に配置させることができる。
以上説明したように、本発明は、保護トランジスタの動作均一性の向上を図ると共に、保護トランジスタの素子面積の増大を招くことなくESDサージから内部回路を保護することができるので、保護トランジスタを備える半導体装置に有用である。
(a) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構造について示す平面図であり、(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構造について示す断面図である。 保護トランジスタの素子面積と2次降伏電流との関係について示す図である。 本発明の第1の変形例に係る半導体装置の構造について示す平面図である。 本発明の第1の変形例に係る半導体装置の構造について示す平面図である。 (a) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の構造について示す平面図であり、(b) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の構造について示す断面図である。 本発明の第2の変形例に係る半導体装置の構造について示す平面図である。 (a) は、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の構造について示す平面図であり、(b) は、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の構造について示す断面図である。 本発明の第3の変形例に係る半導体装置の構造について示す平面図である。 本発明の第3の変形例に係る半導体装置の構造について示す平面図である。 (a) は、本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の構造について示す平面図であり、(b) は、本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の構造について示す断面図である。 本発明の第4の変形例に係る半導体装置の構造について示す平面図である。 本発明の第4の変形例に係る半導体装置の構造について示す平面図である。 従来技術に係る半導体装置の構造について示す平面図である。
符号の説明
100,200 BVCER型バイポーラ保護トランジスタ
101 コレクタ層
102 ベース層
103 エミッタ層
104 コレクタコンタクト層
107,107A,107B 負の温度係数を有する抵抗体
108a,108b,108 コンタクト部
109A,109B,109C 金属配線
110 絶縁体膜
205 n型拡散層
206 拡散抵抗
207,207A ダイオード素子
207a p型ポリシリコン
207b n型ポリシリコン
208a,208b コンタクト部
300,400 GGNMOS型保護トランジスタ
301 ボディ層
302 ボディコンタクト層
303 ソース層
304 ドレイン層
305 ゲート電極
308,308A,308B 負の温度係数を有する抵抗体
309a,309b,309c,309d,309 コンタクト部
310A,310B,310C 金属配線
311 絶縁体膜
406 n型拡散層
407 拡散抵抗
408,408A,408B ダイオード素子
408a n型ポリシリコン
408b p型ポリシリコン
409a,409b コンタクト部

Claims (14)

  1. 半導体基板上に形成されたバイポーラトランジスタを備える半導体装置であって、
    前記半導体基板におけるバイポーラトランジスタ形成領域上に配置された複数の電流制御部を備え、
    前記複数の電流制御部の各々は、前記バイポーラトランジスタを構成するベース層とエミッタ層とを電気的に接続していることを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記複数の電流制御部の各々は、負の温度係数を有する抵抗体であることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記複数の電流制御部の各々は、ダイオード素子であり、
    前記ダイオード素子のアノードが前記ベース層と電気的に接続していると共に、前記ダイオード素子のカソードが前記エミッタ層と電気的に接続していることを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1又は2に記載の半導体装置において、
    前記複数の電流制御部の各々は、前記バイポーラトランジスタを構成するコレクタ層と前記ベース層との境界上に配置されていることを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項1又は3に記載の半導体装置において、
    前記エミッタ層と前記ベース層とを電気的に接続する抵抗体を更に備えていることを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項1〜3、5のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記複数の電流制御部の各々における前記ベース層に電気的に接続するコンタクト部と前記エミッタ層に電気的に接続するコンタクト部との間に存在している部分が、コレクタ層と前記ベース層との境界上を経由するように配置されていることを特徴とする半導体装置。
  7. 半導体基板上に形成されたMOSトランジスタを備える半導体装置であって、
    前記半導体基板におけるMOSトランジスタ形成領域上に配置された複数の電流制御部を備え、
    前記複数の電流制御部の各々は、前記MOSトランジスタを構成するボディ層とソース層とを電気的に接続していることを特徴とする半導体装置。
  8. 請求項7に記載の半導体装置において、
    前記複数の電流制御部の各々は、負の温度係数を有する抵抗体であることを特徴とする半導体装置。
  9. 請求項7に記載の半導体装置において、
    前記複数の電流制御部の各々は、ダイオード素子であり、
    前記ダイオード素子のアノードが前記ボディ層と電気的に接続していると共に、前記ダイオード素子のカソードが前記ソース層と電気的に接続していることを特徴とする半導体装置。
  10. 請求項7又は8に記載の半導体装置において、
    前記複数の電流制御部の各々は、前記MOSトランジスタを構成するドレイン層とゲート電極下に位置する前記ボディ層との境界上に配置されていることを特徴とする半導体装置。
  11. 請求項7又は9に記載の半導体装置において、
    前記ボディ層と前記ソース層とを電気的に接続する抵抗体を更に備えていることを特徴とする半導体装置。
  12. 請求項7〜9、11のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記複数の電流制御部の各々における前記ボディ層に電気的に接続するコンタクト部と前記ソース層に電気的に接続するコンタクト部との間に存在している部分が、ドレイン層とゲート電極下に位置する前記ボディ層との境界上を経由するように配置されていることを特徴とする半導体装置。
  13. 請求項2又は8に記載の半導体装置において、
    前記負の温度係数を有する抵抗体はポリシリコン又はアモルファスシリコンからなることを特徴とする半導体装置。
  14. 請求項3又は9に記載の半導体装置において、
    前記ダイオード素子はポリシリコンからなることを特徴とする半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020001599A1 (zh) * 2018-06-30 2020-01-02 唯捷创芯(天津)电子技术股份有限公司 一种浪涌保护器件及其组成的芯片、通信终端

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