JP2008031331A - 感熱性粘着材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体と、該支持体の一方の面上に少なくともアンダー層及び感熱性粘着層をこの順に有してなり、前記アンダー層が、ガラス転移温度(Tg)が−35〜25℃である熱可塑性樹脂及び中空フィラーを含有し、かつ該熱可塑性樹脂がスチレン−ブタジエン共重合体及びその変性物から選択されるいずれかを含有し、前記感熱性粘着層が、熱可塑性樹脂、粘着付与剤、及び熱溶融物質を含有し、かつ該熱溶融物質が少なくともトリフェニルホスフィンを含有する感熱性粘着材料を提供する。
【選択図】なし
Description
しかし、前記感熱性粘着ラベルシートにおける感熱性粘着層は、粘着性を発現した後、その粘着力が経時的に低下する。また、熱活性化する際に、高い熱エネルギーを付与する必要がある。
この点を改良するため、例えば、支持体と感熱性粘着層の間にプラスチック中空粒子及び水溶性結着剤を含有する断熱層を設けることによって、熱活性化する際に熱エネルギーを低減化(即ち、高感度化)することが提案されている(特許文献2及び特許文献3参照)。これらの提案の感熱性粘着ラベルシートは、感熱性粘着層を熱活性化する際の熱エネルギーの低減化には有効である。しかし、これらの提案では、常温で粘着性を示さない水溶性結着剤を用いているため、ダンボール等の粗面被着体に対する粘着力が実用レベルに達していない。更に、粘着性を発現した後の粘着力が経時的に低下してしまうという問題も解決されていない。
<1> 支持体と、該支持体の一方の面上に少なくともアンダー層及び感熱性粘着層をこの順に有してなり、
前記アンダー層が、ガラス転移温度(Tg)が−35〜25℃である熱可塑性樹脂、及び中空フィラーを含有し、かつ該熱可塑性樹脂がスチレン−ブタジエン共重合体及びその変性物から選択されるいずれかを含有し、
前記感熱性粘着層が、熱可塑性樹脂、粘着付与剤、及び熱溶融物質を含有し、かつ該熱溶融物質が少なくともトリフェニルホスフィンを含有することを特徴とする感熱性粘着材料である。
<2> スチレン−ブタジエン共重合体の変性物が、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体である前記<1>に記載の感熱性粘着材料である。
<3> 中空フィラーが体積平均粒子径2.0〜5.0μmの球状中空粒子であり、かつ該球状中空粒子の中空率が70%以上である前記<1>から<2>のいずれかに記載の感熱性粘着材料である。
<4> 球状中空粒子の材料が、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−塩化ビニリデン−メタクリル酸メチル共重合体、及びアクリロニトリル−メタクリロニトリル−イソボニルメタクリレート共重合体のいずれかである前記<3>に記載の感熱性粘着材料である。
<5> アンダー層における熱可塑性樹脂と中空フィラーとの混合割合が、前記熱可塑性樹脂1質量部に対し前記中空フィラー0.1〜2質量部である前記<1>から<4>のいずれかに記載の感熱性粘着材料である。
<6> 熱溶融物質が、更に下記構造式(1)で表されるベンゾトリアゾール化合物を含有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の感熱性粘着材料である。
<7> 熱溶融物質中におけるトリフェニルホスフィンの含有量が50〜75質量%である前記<1>から<6>のいずれかに記載の感熱性粘着材料である。
<8> 感熱性粘着層の乾燥付着量が10〜20g/m2である前記<1>から<7>のいずれかに記載の感熱性粘着材料である。
<9> 支持体の感熱性粘着層を有さない側の面上に少なくとも感熱記録層を有し、かつ該感熱記録層が少なくともロイコ染料及び顕色剤を含有する前記<1>から<8>のいずれかに記載の感熱性粘着材料である。
<10> ラベル状、シート状、ラベルシート状、及びロール状のいずれかである前記<1>から<9>のいずれかに記載の感熱性粘着材料である。
前記アンダー層が、ガラス転移温度(Tg)が−35〜25℃である熱可塑性樹脂、及び中空フィラーを含有し、かつ該熱可塑性樹脂がスチレン−ブタジエン共重合体及びその変性物から選択されるいずれかを含有し、
前記感熱性粘着層が、熱可塑性樹脂、粘着付与剤、及び熱溶融物質を含有し、かつ該熱溶融物質がトリフェニルホスフィンを含有する。
本発明の感熱性粘着材料においては、支持体と、該支持体の一方の面上に少なくともアンダー層及び感熱性粘着層をこの順に有してなり、前記アンダー層が、ガラス転移温度(Tg)が−35〜25℃であるスチレン−ブタジエン共重合体及びその変性物から選択されるいずれかを含有し、前記感熱性粘着層における熱溶融物質が少なくともトリフェニルホスフィンを含有することによって、ダンボール等の粗面被着体に対する低温(0℃)〜室温(23℃)環境下での粘着力が強く、経時的な粘着力低下も少なく、サーマルヘッドによる低エネルギーでの熱活性化が可能であり、かつ耐ブロッキング性も良好である。
前記支持体としては、その形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、平板状などが挙げられ、前記構造としては、単層構造であってもいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記感熱性粘着材料の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
前記支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50〜2,000μmが好ましく、100〜1,000μmがより好ましい。
前記アンダー層は、少なくとも熱可塑性樹脂及び中空フィラーを含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が−35〜25℃であり、−35〜5℃がより好ましい。前記ガラス転移温度(Tg)が25℃を超えると、中空フィラーの結着力や層間結着力が弱まって被着体に対する粘着力も弱くなってしまうことがあり、−35℃未満であると、耐ブロッキング性が低下することがある。
前記熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度(Tg)が−35〜25℃である、スチレン−ブタジエン共重合体、又はその変性物が挙げられる。前記スチレン−ブタジエン共重合体の変性物としては、例えばカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体、無水マレイン酸変性スチレン−ブタジエン共重合体などが挙げられる。これらの中でも、スチレン−ブタジエン共重合体、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体が特に好ましい。
前記中空フィラーとしては、体積平均粒子径が2.0〜5.0μmであり、かつ中空率が70%以上である球状プラスチック中空粒子が好ましく、中空粒子の最大粒子径が10.0μm以下であると共に、体積平均粒子径が2.0〜5.0μmであり、かつ中空率が70%以上の球状中空粒子がより好ましい。前記中空率は85〜95%が更に好ましい。
前記中空率が70%未満であると、断熱効果が不充分であるためにサーマルヘッドからの熱エネルギーが支持体を通じて外へ放出され、高感度の熱活性化効果が劣ることがある。前記体積平均粒子径が5.0μmを超えると、このような中空フィラーを用いたアンダー層上に感熱性粘着層を設けた場合、大きな粒子の部分には感熱性粘着層が形成されない部分が生じて、熱活性化した場合に粘着力が低下しやすくなることがあり、2.0μm未満であると、中空率70%以上を確保することが困難になり、高感度の熱活性化効果が劣ることがある。
前記塗布法としては、例えば、ブレード塗工法、グラビア塗工法、グラビアオフセット塗工法、バー塗工法、ロール塗工法、ナイフ塗工法、エアーナイフ塗工法、コンマ塗工法、Uコンマ塗工法、AKKU塗工法、スムージング塗工法、マイクログラビア塗工法、リバースロール塗工法、4本又は5本ロール塗工法、ディップ塗工法、落下カーテン塗工法、スライド塗工法、ダイ塗工法等が挙げられる。
前記感熱性粘着層は、少なくとも熱可塑性樹脂、粘着付与剤、及び熱溶融物質を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記熱溶融物質は、常温で固体であるため、樹脂に可塑性は与えないが、加熱により溶融して樹脂を膨潤又は軟化させて粘着性を発現し、加熱により溶融した後、ゆっくりと結晶化するため、熱源を取り除いた後も粘着性を長時間持続することができる物質である。
前記置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシル基、シアノ基、また、特定の置換基(例えば、ハロゲン原子、又はニトロ基により置換されていてもよい)を有していてもよいアルキル基、アリール基、複素環基、などが挙げられる。
前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
前記構造式(2)におけるアラルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等が挙げられ、これらは更に置換基により置換されていてもよい。
前記構造式(2)におけるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フルオレニル基、フェナレニル基、フェナントラニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基等が挙げられ、これらは更に置換基により置換されていてもよい。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基などが挙げられる。
前記融点が70℃未満であると、感熱性粘着剤としたときに通常の保存環境下温度で粘着力が発現してしまうなど、保存上の不具合(ブロッキング)が生じることがある。また、感熱性粘着剤塗布液を支持体上に塗布し、乾燥するときに粘着力が発現するなどの製造上の不具合も生じることがある。一方、前記融点が200℃を超えると、粘着力を発現させるために大量のエネルギーが必要となり、実用上の不具合が生じることがある。また、感熱記録紙を支持体として用い大量のエネルギーで粘着力を発現させた場合、感熱記録層が発色することから印字画像が読み取れなくなってしまうという不具合がある。
前記熱溶融物質中における前記トリフェニルホスフィンの含有量は、50〜75質量%が好ましく、60〜75質量%がより好ましい。前記トリフェニルホスフィンの含有量が50質量%未満であると、0℃〜10℃の低温環境下での粘着力が不十分となることがあり、75質量%を超えると、ブロッキング性が低下することがある。
前記熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記アンダー層に用いられる熱可塑性樹脂と同類の樹脂を用いると、両層の樹脂同士の相溶性がよくなることから、ダンボール等の粗面被着体に対する粘着力が向上するので好ましい。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ビニル系モノマーをグラフト共重合した天然ゴムラテックス、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記粘着付与剤は、感熱性粘着層の粘着力を向上させるために添加され、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロジン誘導体(例えば、ロジン、重合ロジン、水添ロジン)、テルペン系樹脂(例えば、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水素添加テルペン樹脂)、石油系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂などが挙げられる。これら粘着付与剤は、熱可塑性樹脂及び熱溶融物質と相溶して、感熱性粘着層の粘着力を著しく向上させることができる。
前記塗布法としては、例えば、ブレード塗工法、グラビア塗工法、グラビアオフセット塗工法、バー塗工法、ロール塗工法、ナイフ塗工法、エアーナイフ塗工法、コンマ塗工法、Uコンマ塗工法、AKKU塗工法、スムージング塗工法、マイクログラビア塗工法、リバースロール塗工法、4本又は5本ロール塗工法、ディップ塗工法、落下カーテン塗工法、スライド塗工法、ダイ塗工法等が挙げられる。
なお、前記塗布若しくは印刷の際の乾燥条件は、使用される熱溶融物質が融解しない温度範囲で乾燥されなければならない。乾燥の手段としては熱風乾燥の他に赤外線、マイクロ波、高周波による熱源を利用した乾燥方法が使用できる。
前記ロイコ染料としては、例えば、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−{N−(3’−トリフルオルメチルフェニル)アミノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−N−メチル−N−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾインドリノ−ピリロスピラン、6’−ブロモ−3’−メトキシ−ベンゾインドリノ−ピリロスピラン、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−クロルフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−ニトロフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジエチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−メチルフェニル)フタリド、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(2’−メトキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−ヒドロキシ−4’−クロル−5’−メチルフェニル)フタリド、3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4’0−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}−6−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−フェニルエチレン−2−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−p−クロロフェニルエチレン−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4’−ジメチルアミノ−2’−メトキシ)−3−(1”−p−ジメチルアミノフェニル−1”−p−クロロフェニル−1”,3”−ブタジエン−4”−イル)ベンゾフタリド、3−(4’−ジメチルアミノ−2’−ベンジルオキシ)−3−(1”−p−ジメチルアミノフェニル−1”−フェニル−1”,3”−ブタジエン−4”−イル)ベンゾフタリド、3−ジメチルアミノ−6−ジメチルアミノ−フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド、3,3−ビス{2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル}−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−ビス{1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル}−5,6−ジクロロ−4,7−ジブロモフタリド、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−ナフタレンスルホニルメタン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリドフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオランスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾフルオラン、3−N−メチル−N−イソブチル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−イソアミル−6−メチル−7−アニリノフルオランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記感熱記録層の厚みは、前記感熱記録層の組成や感熱性粘着材料の用途等により異なり一概には規定できないが、1〜50μmが好ましく、3〜20μmがより好ましい。
前記保護層は、反応性カルボニル基を有するポリビニルアルコールと、ヒドラジド化合物とを含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
このように反応性カルボニル基を有するポリビニルアルコールと架橋剤としてヒドラジド化合物を含有する保護層は極めて耐熱性、耐水性が高く圧力、温度、湿度の付加による影響を受け難いので、耐ブロッキング性を大きく向上させることができる。
前記反応性カルボニル基を有するPVA中の反応性カルボニル基の含有量は、ポリマー全体の0.5〜20モル%が好ましく、耐水化を考慮すると2〜10モル%範囲がより好ましい。前記含有量が2モル%より少ないと実用上耐水性が不十分となり、10モル%を超えてもそれ以上耐水化の向上が見られず高価になるだけなので経済的でない。また、前記反応性カルボニル基を有するPVAの重合度は300〜3,000が好ましく、500〜2,200がより好ましい。また、前記反応性カルボニル基を有するPVAの鹸化度は80%以上が好ましい。
前記ヒドラジド化合物の含有量は、前記反応性カルボニル基を有するポリビニルアルコール100質量部に対し5〜40質量部が好ましく、15〜25質量部がより好ましい。
前記保護層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0〜7.0μmが好ましい。
本発明の感熱性粘着材料の形状としては、特に制限はなく、ラベル状、シート状、ラベルシート状、ロール状、などが好適に挙げられる。これらの中でも、利便性、保管場所、取り扱い性の点から円筒状の芯材に巻き取ったロール状が特に好ましい。
−アンダー層塗布液〔A−1液〕の調製−
下記組成からなる混合物を攪拌し、分散させてアンダー層塗布液〔A−1液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(塩化ビニリデン−アクリロニトリルを主体とする共重合樹脂、固形分濃度=32質量%、平均粒子径=3.0μm、中空度=92%)・・・15質量部
・スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移温度(Tg)=+4℃)・・・10質量部
・水・・・60質量部
−アンダー層塗布液〔A−2液〕の調製−
下記組成からなる混合物を攪拌し、分散させてアンダー層塗布液〔A−2液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(塩化ビニリデン−アクリロニトリルを主体とする共重合樹脂、固形分濃度=32質量%、平均粒子径=3.0μm、中空度=92%)・・・15質量部
・カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移温度(Tg)=−34℃)・・・10質量部
・水・・・60質量部
−アンダー層塗布液〔A−3液〕の調製−
下記組成からなる混合物を攪拌し、分散させてアンダー層塗布液〔A−3液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(塩化ビニリデン−アクリロニトリルを主体とする共重合樹脂、固形分濃度=32質量%、平均粒子径=3.0μm、中空度=92%)・・・15質量部
・カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移温度(Tg)=25℃)・・・10質量部
・水・・・60質量部
−アンダー層塗布液〔A−4液〕の調製−
下記組成からなる混合物を攪拌し、分散させてアンダー層塗布液〔A−4液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(塩化ビニリデン−アクリロニトリルを主体とする共重合樹脂、固形分濃度=32質量%、平均粒子径=3.0μm、中空度=92%)・・・15質量部
・カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移温度(Tg)=35℃)・・・10質量部
・水・・・60質量部
−アンダー層塗布液〔A−5液〕の調製−
下記組成からなる混合物を攪拌し、分散させてアンダー層塗布液〔A−5液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(塩化ビニリデン−アクリロニトリルを主体とする共重合樹脂、固形分濃度=32質量%、平均粒子径=3.0μm、中空度=92%)・・・15質量部
・カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移温度(Tg)=−42℃)・・・10質量部
・水・・・60質量部
−アンダー層塗布液〔A−6液〕の調製−
下記組成からなる混合物を攪拌し、分散させてアンダー層塗布液〔A−6液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(アクリロニトリル−塩化ビニリデン−メタクリル酸メチル共重合体、固形分濃度=41質量%、体積平均粒子径=3.2μm、中空率=70%)・・・11質量部
・カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移温度(Tg)=4℃)・・・10質量部
・水・・・60質量部
−アンダー層塗布液〔A−7液〕の調製−
下記組成からなる混合物を攪拌し、分散させてアンダー層塗布液〔A−7液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(アクリロニトリル−塩化ビニリデン−メタクリル酸メチル共重合体、固形分濃度=40質量%、体積平均粒子径=1.5μm、中空率=50%)・・・15質量部
・カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移温度(Tg)=4℃)・・・10質量部
・水・・・60質量部
−アンダー層塗布液〔A−8液〕の調製−
下記組成からなる混合物を攪拌し、分散させてアンダー層塗布液〔A−8液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(アクリロニトリル−メタクリロニトリル−イソボニルメタクリレート共重合体、固形分濃度=33質量%、体積平均粒子径=6.0μm、中空率=91%)・・・13.7質量部
・カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移温度(Tg)=4℃)・・・10質量部
・水・・・60質量部
−アンダー層塗布液〔A−9液〕の調製−
下記組成からなる混合物を攪拌し、分散させてアンダー層塗布液〔A−9液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(塩化ビニリデン−アクリロニトリルを主体とする共重合樹脂、固形分濃度=32質量%、平均粒子径=3.0μm、中空率=92%)・・・3.1質量部
・スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移温度(Tg)=+4℃)・・・11質量部
・水・・・60質量部
−アンダー層塗布液〔A−10液〕の調製−
下記組成からなる混合物を攪拌し、分散させてアンダー層塗布液〔A−10液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(塩化ビニリデン−アクリロニトリルを主体とする共重合樹脂、固形分濃度=32質量%、平均粒子径=3.0μm、中空率=92%)・・・34.3質量部
・スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移温度(Tg)=+4℃)・・・10質量部
・水・・・60質量部
−アンダー層塗布液〔A−11液〕の調製−
下記組成からなる混合物を攪拌し、分散させてアンダー層塗布液〔A−11液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(塩化ビニリデン−アクリロニトリルを主体とする共重合樹脂、固形分濃度=32質量%、平均粒子径=3.0μm、中空率=92%)・・・34.3質量部
・2−エチルヘキシルアクリレート−メチルメタクリレート−スチレンの共重合体(ガラス転移温度(Tg)=−65℃、固形分濃度=55.4質量%)・・・16.3質量部
・水・・・60質量部
−熱溶融物質分散液〔B−1液〕の調製−
トリフェニルホスフィン30.0質量部、ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、商品名:ゴーセランL−3266、10質量%水溶液)15質量部、界面活性剤(日本乳化剤株式会社製、商品名:Newcol 290M、10質量%水溶液)1.5質量部、及び水53.5質量部からなる混合物を、平均粒径が1.0μmとなるようにサンドミルで分散させて、熱溶融物質分散液〔B−1液〕を調製した。
−熱溶融物質分散液〔C−1液〕の調製−
2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(融点(mp)=138℃)30.0質量部、ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、商品名:ゴーセランL−3266、10質量%水溶液)15質量部、界面活性剤(日本乳化剤株式会社製、商品名:Newcol 290M、10質量%水溶液)1.5質量部、及び水53.5質量部からなる混合物を、平均粒径が1.0μmとなるようにサンドミルで分散させて、熱溶融物質分散液〔C−1液〕を調製した。
−感熱性粘着剤塗布液〔D−1液〕の調製−
アクリル酸エステル共重合体水性エマルジョン(ガラス転移温度(Tg)=−65℃、固形分濃度=55質量%、昭和高分子株式会社製、ポリゾール PSA SE−4040)9.2質量部、粘着付与剤(テルペンフェノール主成分、荒川化学株式会社製、E−100、固形分濃度=50質量%、軟化点=150℃)6.6質量部、熱溶融物質分散液〔B−1液〕63.2質量部、及び熱溶融物質分散液〔C−1液〕21.1質量部からなる混合物を均一に混合して、感熱性粘着剤塗布液〔D−1液〕を調製した。
−感熱性粘着剤塗布液〔D−2液〕の調製−
アクリル酸エステル共重合体水性エマルジョン(ガラス転移温度(Tg)=−65℃、固形分濃度=55質量%、昭和高分子株式会社製、ポリゾール PSA SE−4040)9.2質量部、粘着付与剤(テルペンフェノール主成分、荒川化学株式会社製、E−100、固形分濃度=50質量%、軟化点150℃)6.6質量部、熱溶融物質分散液〔B−1液〕42.1質量部、及び熱溶融物質分散液〔C−1液〕42.1質量部からなる混合物を均一に混合して、感熱性粘着剤塗布液〔D−2液〕を調製した。
−感熱性粘着剤塗布液〔D−3液〕の調製−
アクリル酸エステル共重合体水性エマルジョン(ガラス転移温度(Tg)=−65℃、固形分濃度=55質量%、昭和高分子株式会社製、ポリゾール PSA SE−4040)9.2質量部、粘着付与剤(テルペンフェノール主成分、荒川化学株式会社製、E−100、固形分濃度=50質量%、軟化点=150℃)6.6質量部、熱溶融物質分散液〔B−1液〕40質量部、及び熱溶融物質分散液〔C−1液〕44.1質量部からなる混合物を均一に混合して、感熱性粘着剤塗布液〔D−3液〕を調製した。
−感熱性粘着剤塗布液〔D−4液〕の調製−
アクリル酸エステル共重合体水性エマルジョン(ガラス転移温度(Tg)=−65℃、固形分濃度=55質量%、昭和高分子株式会社製、ポリゾール PSA SE−4040)9.2質量部、粘着付与剤(テルペンフェノール主成分、荒川化学株式会社製、E−100、固形分濃度=50質量%、軟化点150℃)6.6質量部、熱溶融物質分散液〔B−1液〕65質量部、及び熱溶融物質分散液〔C−1液〕19.2質量部からなる混合物を均一に混合して、感熱性粘着剤塗布液〔D−4液〕を調製した。
−感熱性粘着剤塗布液〔D−5液〕の調製−
アクリル酸エステル共重合体水性エマルジョン(ガラス転移温度(Tg)=−65℃、固形分濃度=55質量%、昭和高分子株式会社製、ポリゾール PSA SE−4040)9.2質量部、粘着付与剤(テルペンフェノール主成分、荒川化学株式会社製、E−100、固形分濃度=50質量%、軟化点=150℃)6.6質量部、及び熱溶融物質分散液〔B−1液〕84.2質量部からなる混合物を均一に混合して、感熱性粘着剤塗布液〔D−5液〕を調製した。
−感熱性粘着剤塗布液〔D−6液〕の調製−
アクリル酸エステル共重合体水性エマルジョン(ガラス転移温度(Tg)=−65℃、固形分濃度=55質量%、昭和高分子株式会社製,ポリゾール PSA SE−4040)9.2質量部、粘着付与剤(テルペンフェノール主成分、荒川化学株式会社製、E−100、固形分濃度=50質量%、軟化点=150℃)6.6質量部、及び熱溶融物質分散液〔C−1液〕84.2質量部からなる混合物を均一に混合して、感熱性粘着剤塗布液〔D−6液〕を調製した。
−感熱性粘着材料の作製−
支持体としての坪量80g/m2の片面コート紙(OKアドニスラフ、王子製紙株式会社製)のコート層を有さない側の面に、アンダー層塗布液〔A−1〕を乾燥付着量が5g/m2となるように塗布し、乾燥させてアンダー層を形成した。
得られたアンダー層上に感熱性粘着層塗布液〔D−1〕を乾燥付着量が10g/m2となるように塗布し、乾燥させて感熱性粘着層を形成した。以上により、実施例1の感熱性粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、アンダー層塗布液〔A−2〕を乾燥付着量が5g/m2となるように塗布し、乾燥させて感熱性粘着層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の感熱性粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、アンダー層塗布液〔A−3〕を乾燥付着量が5g/m2となるように塗布し、乾燥させて感熱性粘着層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の感熱性粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、アンダー層塗布液〔A−6〕を乾燥付着量が5g/m2となるように塗布し、乾燥させて感熱性粘着層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の感熱性粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、アンダー層塗布液〔A−7〕を乾燥付着量が5g/m2となるように塗布し、乾燥させて感熱性粘着層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例5の感熱性粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、アンダー層塗布液〔A−8〕を乾燥付着量が5g/m2となるように塗布し、乾燥させて感熱性粘着層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例6の感熱性粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、アンダー層塗布液〔A−9〕を乾燥付着量が5g/m2となるように塗布し、乾燥させて感熱性粘着層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例7の感熱性粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、アンダー層塗布液〔A−10〕を乾燥付着量が5g/m2となるように塗布し、乾燥させて感熱性粘着層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例8の感熱性粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、感熱性粘着層塗布液〔D−1〕を乾燥付着量が8g/m2となるように塗布し、乾燥させて感熱性粘着層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例9の感熱性粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、感熱性粘着層塗布液〔D−1〕を乾燥付着量が20g/m2となるように塗布し、乾燥させて感熱性粘着層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例10の感熱性粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、感熱性粘着層塗布液〔D−1〕を乾燥付着量が25g/m2となるように塗布し、乾燥させて感熱性粘着層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例11の感熱性粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、感熱性粘着層塗布液〔D−1〕を感熱性粘着層塗布液〔D−2〕に変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例12の感熱性粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、感熱性粘着層塗布液〔D−1〕を感熱性粘着層塗布液〔D−3〕に変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例13の感熱性粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、感熱性粘着層塗布液〔D−1〕を感熱性粘着層塗布液〔D−4〕に変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例14の感熱性粘着材料を作製した。
<感熱記録層の形成>
−非発泡性断熱層形成塗布液[E液]の調製−
微小中空粒子分散体(塩化ビニリデン−アクリロニトリルを主体とする共重合樹脂、固形分濃度=32質量%、平均粒子径=3.6μm、中空率=92%)30質量部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移温度(Tg)=+4℃)10質量部、界面活性剤(ダプロW−77、エレメンティスジャパン株式会社製)0.1質量部、及び水60質量部からなる混合物を攪拌し、分散させて、非発泡性断熱層形成塗布液[E液]を調製した。
3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン20質量部、ポリビニルアルコ−ル(10質量%水溶液)10質量部、及び水70質量部からなる混合物を攪拌し、分散させて発色剤分散液[F液]を調製した。
4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン10質量部、ポリビニルアルコ−ル(10質量%水溶液)25質量部、炭酸カルシウム15質量部、及び水50質量部からなる混合物を、それぞれ平均粒径が1.5μmとなるようにサンドミルで分散させて、顕色剤分散液[G液]を調製した。
次に、前記非発泡性断熱層形成塗布液[E液]を、平均坪量80g/m2の片面コート紙(OKアドニスラフ、王子製紙株式会社製)の表面に、乾燥後質量が4g/m2となるように塗布し、乾燥させて非発泡性断熱層を設けた。
次に、非発泡性断熱層上に前記発色剤分散液[F液]を乾燥後質量が5g/m2となるように塗布し、乾燥させて感熱記録層を設けた。その後、王研式平滑度が2,000秒となるようにスーパーキャレンダー処理して、感熱記録層を有する感熱記録紙を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
支持体としての坪量80g/m2の片面コート紙(OKアドニスラフ、王子製紙株式会社製)のコート層を有さない側の面にアンダー層塗布液〔A−11〕を乾燥付着量が5g/m2となるように塗布し、乾燥させてアンダー層を形成した。
このアンダー層上に感熱性粘着層塗布液〔D−5〕を乾燥付着量が10g/m2となるように塗布し、乾燥させて感熱性粘着層を形成した。
−感熱性粘着材料の作製−
支持体としての坪量80g/m2の片面コート紙(OKアドニスラフ、王子製紙株式会社製)のコート層を有さない側の面に、アンダー層塗布液〔A−11〕を乾燥付着量が5g/m2となるように塗布し、乾燥させてアンダー層を形成した。このアンダー層上に感熱性粘着層塗布液〔D−6〕を乾燥付着量が10g/m2となるように塗布し、乾燥させて感熱性粘着層を形成した。以上により、比較例2の感熱性粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、アンダー層塗布液〔A−4〕を乾燥付着量が5g/m2となるように塗布し、乾燥させて感熱性粘着層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例3の感熱性粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、アンダー層塗布液〔A−5〕を乾燥付着量が5g/m2となるように塗布し、乾燥させて感熱性粘着層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例4の感熱性粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、アンダー層を形成しない以外は、実施例1と同様にして、比較例5の感熱性粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、アンダー層塗布液〔A−1〕をアンダー層塗布液〔A−11〕に変えた以外は、実施例1と同様にして、比較例6の感熱性粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、感熱性粘着層塗布液〔D−1〕を感熱性粘着層塗布液〔D−6〕に変えた以外は、実施例1と同様にして、比較例7の感熱性粘着材料を作製した。
各感熱性粘着材料を25mm×150mmの長方形にカットし、感熱印字装置(大倉電気株式会社製、TH−PMD)を用いて、ヘッド条件:エネルギー0.5mJ/dot、印字スピード:4ms/line、プラテン圧:6kgf/lineの条件にて、熱活性化した。次いで、被着体(ダンボール)に加圧2kgのゴムローラーで長手方向に貼り付けて、1日後に剥離角度180度、剥離速度300mm/minの条件で感熱性粘着材料を剥離させた。その時の粘着力をフォースゲージ(MODEL DPS−5、IMADA社製)で測定し、0.1秒間隔でデータを読み取り平均化した数値で示した。なお、単位はgf/25mmである。この試験は、低温環境(0℃)下、及び常温常湿環境(23℃、65%RH)下で実施した。
◎:700gf/25mm以上
○:500gf/25mm以上700gf/25mm未満
△:300gf/25mm以上500gf/25mm未満
×:300gf/25mm未満
各感熱性粘着材料における感熱性粘着層面と反対側の面を接触させ、200gf/cm2の圧力で50℃、Dry条件下で24時間放置した。その後、室温で放置後サンプルを剥がし、その時のブロッキング性を下記表1に示すランク及び評価基準に基づき、評価した。
また、実施例7は、アンダー層における中空フィラーに比べて熱可塑性樹脂がリッチであるため、ブロッキング性がやや低下している。
実施例8は、アンダー層における熱可塑性樹脂に比べて中空フィラーがリッチであるため、アンダー層の結着力が弱くなり、低温及び常温での粘着力がやや低下している。
実施例9は、感熱性粘着層の乾燥付着量が好ましい範囲の下限値を外れているので、低温及び常温での粘着力がやや弱くなる。
実施例10は、感熱性粘着層の乾燥付着量が好ましい範囲の上限値を外れているので、アンダー層の断熱効果が弱くなり粘着力がやや低下する。
実施例12は、熱溶融物質中のトリフェニルホスフィンの含有量が好ましい範囲の下限値を外れているので、低温での粘着力がやや低下している。
実施例14は、熱溶融物質中のトリフェニルホスフィンの含有量が好ましい範囲の上限値を外れているので、ブロッキング性がやや低下している。
比較例1は、感熱性粘着層の熱溶融物質としてトリフェニルホスフィンのみを用い、アンダー層の熱可塑性樹脂としてスチレン−ブタジエン共重合体又はその変性物を用いていないので、粘着力が極端に弱く、ブロッキング性も極めて劣るものである。
比較例2は、感熱性粘着層の熱溶融物質としてベンゾトリアゾールのみを用い、アンダー層の熱可塑性樹脂としてスチレン−ブタジエン共重合体又はその変性物を用いていないので、低温での粘着力が極めて劣るものである。
比較例3は、アンダー層における熱可塑性樹脂のガラス転移温度が35℃であるため、低温での粘着力が極めて劣るものである。
比較例4は、アンダー層における熱可塑性樹脂のガラス転移温度が−42℃であるため、ブロッキング性が劣るものである。
比較例5は、アンダー層を有していないため、低温での粘着力が極めて劣るものである。
比較例6は、アンダー層の熱可塑性樹脂としてスチレン−ブタジエン共重合体又はその変性物を用いていないので、ブロッキング性が劣るものである。
比較例7は、感熱性粘着層の熱溶融物質としてベンゾトリアゾールのみを用いているので、低温での粘着力が極めて劣るものである。
Claims (10)
- 支持体と、該支持体の一方の面上に少なくともアンダー層及び感熱性粘着層をこの順に有してなり、
前記アンダー層が、ガラス転移温度(Tg)が−35〜25℃である熱可塑性樹脂、及び中空フィラーを含有し、かつ該熱可塑性樹脂がスチレン−ブタジエン共重合体及びその変性物から選択されるいずれかを含有し、
前記感熱性粘着層が、熱可塑性樹脂、粘着付与剤、及び熱溶融物質を含有し、かつ該熱溶融物質が少なくともトリフェニルホスフィンを含有することを特徴とする感熱性粘着材料。 - スチレン−ブタジエン共重合体の変性物が、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体である請求項1に記載の感熱性粘着材料。
- 中空フィラーが、体積平均粒子径2.0〜5.0μmの球状中空粒子であり、かつ該球状中空粒子の中空率が70%以上である請求項1から2のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
- 球状中空粒子の材料が、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−塩化ビニリデン−メタクリル酸メチル共重合体、及びアクリロニトリル−メタクリロニトリル−イソボニルメタクリレート共重合体のいずれかである請求項3に記載の感熱性粘着材料。
- アンダー層における熱可塑性樹脂と中空フィラーとの混合割合が、前記熱可塑性樹脂1質量部に対し前記中空フィラー0.1〜2質量部である請求項1から4のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
- 熱溶融物質中におけるトリフェニルホスフィンの含有量が50〜75質量%である請求項1から6のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
- 感熱性粘着層の乾燥付着量が10〜20g/m2である請求項1から7のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
- 支持体の感熱性粘着層を有さない側の面上に少なくとも感熱記録層を有し、かつ該感熱記録層が少なくともロイコ染料及び顕色剤を含有する請求項1から8のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
- ラベル状、シート状、ラベルシート状、及びロール状のいずれかである請求項1から9のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
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