JP2008031331A - 感熱性粘着材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】特にダンボール等の粗面被着体に対する低温(0℃)〜室温(23℃)環境下での粘着力が強く、また経時的な粘着力低下も少なく、サーマルヘッドによる低エネルギーでの熱活性化が可能であり、かつ耐ブロッキング性も良好な感熱性粘着材料の提供。
【解決手段】支持体と、該支持体の一方の面上に少なくともアンダー層及び感熱性粘着層をこの順に有してなり、前記アンダー層が、ガラス転移温度(Tg)が−35〜25℃である熱可塑性樹脂及び中空フィラーを含有し、かつ該熱可塑性樹脂がスチレン−ブタジエン共重合体及びその変性物から選択されるいずれかを含有し、前記感熱性粘着層が、熱可塑性樹脂、粘着付与剤、及び熱溶融物質を含有し、かつ該熱溶融物質が少なくともトリフェニルホスフィンを含有する感熱性粘着材料を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、常温では非粘着性であるが加熱により粘着性が発現し、しかも粘着性発現後も粘着性が持続する感熱性粘着層を有し、特にダンボール等の粗面被着体に対する低温(0℃)〜室温(23℃)環境下での粘着力に優れた感熱性粘着材料に関する。
近時、粘着ラベルシートは、価格表示用ラベル、商品表示(バーコード)用ラベル、品質表示用ラベル、計量表示用ラベル、広告宣伝用ラベル(ステッカー)等の用途に使用されることが増加している。また、ラベルの記録方式についても、インクジェット記録方式、感熱記録方式、感圧記録方式等の様々な方式が開発されている。
このような粘着ラベルシートとしては、例えば、ラベルの情報記録面と反対側の面に、粘着剤層と剥離紙を積層した構成が一般的であり、貼り合わせ時に剥離紙を剥がして加圧のみで簡便に貼り合わせることができるため幅広く使用されている。一般的には、粘着ラベルシートは、剥離紙を剥離させて使用するが、剥離された剥離紙は回収により再利用され難く、ほとんどの場合には廃棄されている。そこで、近年、常温では粘着性を示さず、加熱により粘着性が発現し、剥離紙を必要としない感熱性粘着層を有する感熱性粘着材料としての感熱性粘着ラベルシートが注目されている(特許文献1参照)。
このような感熱性粘着ラベルシートにおける感熱性粘着層は、少なくとも熱可塑性樹脂及び熱溶融物質、更に必要に応じて粘着付与剤を含有してなる(非特許文献1参照)。
しかし、前記感熱性粘着ラベルシートにおける感熱性粘着層は、粘着性を発現した後、その粘着力が経時的に低下する。また、熱活性化する際に、高い熱エネルギーを付与する必要がある。
この点を改良するため、例えば、支持体と感熱性粘着層の間にプラスチック中空粒子及び水溶性結着剤を含有する断熱層を設けることによって、熱活性化する際に熱エネルギーを低減化(即ち、高感度化)することが提案されている(特許文献2及び特許文献3参照)。これらの提案の感熱性粘着ラベルシートは、感熱性粘着層を熱活性化する際の熱エネルギーの低減化には有効である。しかし、これらの提案では、常温で粘着性を示さない水溶性結着剤を用いているため、ダンボール等の粗面被着体に対する粘着力が実用レベルに達していない。更に、粘着性を発現した後の粘着力が経時的に低下してしまうという問題も解決されていない。
最近、本発明者らは、特許文献4において、ガラス転移温度(Tg)が−70〜0℃である熱可塑性樹脂及びフィラーを含有する粘着アンダー層を有する感熱性粘着ラベルシートを提案している。この感熱性粘着ラベルシートは、常温常湿環境(23℃、65%)下、サーマルヘッド加熱でもダンボール等の粗面被着体に対して良好な粘着力が得られるものである。しかし、前記特許文献4の感熱性粘着ラベルシートは、0〜10℃の低温環境下では、ダンボールのような粗面に対する粘着力が不十分であり、低温環境下での粘着力を上げるために粘着アンダー層の樹脂を多くすると、ブロッキング品質が低下するという問題がある。
また、感熱性粘着層における熱溶融物質(「固体可塑剤」と称することもある)として、トリフェニルホスフィン等のリン化合物を含有する感熱性粘着材料が提案されている(特許文献5〜13参照)。しかし、これらの提案では、熱活性化する際に熱エネルギーが多く必要であり、サーマルヘッドでの熱活性化では、十分な粘着力を得ることができない。更に、耐ブロッキング性の向上効果についても不十分であり、実用化には多くの問題があるのが現状である。
実開平6−25869号公報 特許第2683733号公報 特開平10−152660号公報 特開2006−111865号公報 特開2000−103969号公報 特開2000−191920号公報 特開2000−191922号公報 特開2000−212527号公報 特開2001−64401号公報 特開2001−262117号公報 特開2002−88678号公報 特開2002−338935号公報 特開2004−117941号公報 「接着便覧」第12版、第131〜135頁、昭和55年、高分子刊行会発行
本発明は、前記要望に応え、従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、特にダンボール等の粗面被着体に対する低温(0℃)〜室温(23℃)環境下での粘着力が強く、また、経時的な粘着力低下も少なく、サーマルヘッドによる低エネルギーでの熱活性化が可能であり、かつ耐ブロッキング性も良好な感熱性粘着材料を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 支持体と、該支持体の一方の面上に少なくともアンダー層及び感熱性粘着層をこの順に有してなり、
前記アンダー層が、ガラス転移温度(Tg)が−35〜25℃である熱可塑性樹脂、及び中空フィラーを含有し、かつ該熱可塑性樹脂がスチレン−ブタジエン共重合体及びその変性物から選択されるいずれかを含有し、
前記感熱性粘着層が、熱可塑性樹脂、粘着付与剤、及び熱溶融物質を含有し、かつ該熱溶融物質が少なくともトリフェニルホスフィンを含有することを特徴とする感熱性粘着材料である。
<2> スチレン−ブタジエン共重合体の変性物が、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体である前記<1>に記載の感熱性粘着材料である。
<3> 中空フィラーが体積平均粒子径2.0〜5.0μmの球状中空粒子であり、かつ該球状中空粒子の中空率が70%以上である前記<1>から<2>のいずれかに記載の感熱性粘着材料である。
<4> 球状中空粒子の材料が、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−塩化ビニリデン−メタクリル酸メチル共重合体、及びアクリロニトリル−メタクリロニトリル−イソボニルメタクリレート共重合体のいずれかである前記<3>に記載の感熱性粘着材料である。
<5> アンダー層における熱可塑性樹脂と中空フィラーとの混合割合が、前記熱可塑性樹脂1質量部に対し前記中空フィラー0.1〜2質量部である前記<1>から<4>のいずれかに記載の感熱性粘着材料である。
<6> 熱溶融物質が、更に下記構造式(1)で表されるベンゾトリアゾール化合物を含有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の感熱性粘着材料である。
Figure 2008031331
ただし、前記構造式(1)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、及びα,α−ジメチルベンジル基のいずれかを表す。Xは、水素原子、及びハロゲン原子のいずれかを表す。
<7> 熱溶融物質中におけるトリフェニルホスフィンの含有量が50〜75質量%である前記<1>から<6>のいずれかに記載の感熱性粘着材料である。
<8> 感熱性粘着層の乾燥付着量が10〜20g/mである前記<1>から<7>のいずれかに記載の感熱性粘着材料である。
<9> 支持体の感熱性粘着層を有さない側の面上に少なくとも感熱記録層を有し、かつ該感熱記録層が少なくともロイコ染料及び顕色剤を含有する前記<1>から<8>のいずれかに記載の感熱性粘着材料である。
<10> ラベル状、シート状、ラベルシート状、及びロール状のいずれかである前記<1>から<9>のいずれかに記載の感熱性粘着材料である。
本発明の感熱性粘着材料は、支持体と、該支持体の一方の面上に少なくともアンダー層及び感熱性粘着層をこの順に有してなり、
前記アンダー層が、ガラス転移温度(Tg)が−35〜25℃である熱可塑性樹脂、及び中空フィラーを含有し、かつ該熱可塑性樹脂がスチレン−ブタジエン共重合体及びその変性物から選択されるいずれかを含有し、
前記感熱性粘着層が、熱可塑性樹脂、粘着付与剤、及び熱溶融物質を含有し、かつ該熱溶融物質がトリフェニルホスフィンを含有する。
本発明の感熱性粘着材料においては、支持体と、該支持体の一方の面上に少なくともアンダー層及び感熱性粘着層をこの順に有してなり、前記アンダー層が、ガラス転移温度(Tg)が−35〜25℃であるスチレン−ブタジエン共重合体及びその変性物から選択されるいずれかを含有し、前記感熱性粘着層における熱溶融物質が少なくともトリフェニルホスフィンを含有することによって、ダンボール等の粗面被着体に対する低温(0℃)〜室温(23℃)環境下での粘着力が強く、経時的な粘着力低下も少なく、サーマルヘッドによる低エネルギーでの熱活性化が可能であり、かつ耐ブロッキング性も良好である。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、特にダンボール等の粗面被着体に対する低温(0℃)〜室温(23℃)環境下での粘着力が強く、また、経時的な粘着力低下も少なく、サーマルヘッドによる低エネルギーでの熱活性化が可能であり、かつ耐ブロッキング性も良好な感熱性粘着材料を提供することができる。
本発明の感熱性粘着材料は、支持体と、該支持体の一方の面上に少なくともアンダー層及び感熱性粘着層をこの順に有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。なお、前記支持体のアンダー層及び感熱性粘着層を有しない他方の面上には、少なくとも感熱記録層を有することが好ましい。
<支持体>
前記支持体としては、その形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、平板状などが挙げられ、前記構造としては、単層構造であってもいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記感熱性粘着材料の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
前記支持体の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、無機材料と有機材料に大別される。前記無機材料としては、例えばガラス、石英、シリコン、酸化シリコン、酸化アルミニウム、SiO、金属などが挙げられる。前記有機材料としては、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、合成紙等の紙;三酢酸セルロース等のセルロース誘導体;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンなどが挙げられる。これらの中でも、上質紙、コート紙、プラスチックフィルム、合成紙が特に好ましい。
前記支持体は、塗布層の接着性を向上させる目的で、コロナ放電処理、酸化反応処理(クロム酸等)、エッチング処理、易接着処理、帯電防止処理等の表面改質を行うことが好ましい。なお、前記支持体には、酸化チタン等の白色顔料を添加することが好ましい。
前記支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50〜2,000μmが好ましく、100〜1,000μmがより好ましい。
<アンダー層>
前記アンダー層は、少なくとも熱可塑性樹脂及び中空フィラーを含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−熱可塑性樹脂−
前記熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が−35〜25℃であり、−35〜5℃がより好ましい。前記ガラス転移温度(Tg)が25℃を超えると、中空フィラーの結着力や層間結着力が弱まって被着体に対する粘着力も弱くなってしまうことがあり、−35℃未満であると、耐ブロッキング性が低下することがある。
前記熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度(Tg)が−35〜25℃である、スチレン−ブタジエン共重合体、又はその変性物が挙げられる。前記スチレン−ブタジエン共重合体の変性物としては、例えばカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体、無水マレイン酸変性スチレン−ブタジエン共重合体などが挙げられる。これらの中でも、スチレン−ブタジエン共重合体、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体が特に好ましい。
−中空フィラー−
前記中空フィラーとしては、体積平均粒子径が2.0〜5.0μmであり、かつ中空率が70%以上である球状プラスチック中空粒子が好ましく、中空粒子の最大粒子径が10.0μm以下であると共に、体積平均粒子径が2.0〜5.0μmであり、かつ中空率が70%以上の球状中空粒子がより好ましい。前記中空率は85〜95%が更に好ましい。
前記中空率が70%未満であると、断熱効果が不充分であるためにサーマルヘッドからの熱エネルギーが支持体を通じて外へ放出され、高感度の熱活性化効果が劣ることがある。前記体積平均粒子径が5.0μmを超えると、このような中空フィラーを用いたアンダー層上に感熱性粘着層を設けた場合、大きな粒子の部分には感熱性粘着層が形成されない部分が生じて、熱活性化した場合に粘着力が低下しやすくなることがあり、2.0μm未満であると、中空率70%以上を確保することが困難になり、高感度の熱活性化効果が劣ることがある。
ここで、前記球状プラスチック中空粒子とは、熱可塑性樹脂を殻とし、内部に空気、その他の気体を含有し、すでに発泡状態となっている中空粒子を意味する。前記中空率とは、前記中空微粒子の外径基準の体積と内径基準の体積との比率を意味する。
前記球状中空粒子の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−塩化ビニリデン−メタクリル酸メチル共重合体、アクリロニトリル−メタクリロニトリル−イソボニルメタクリレート共重合体などが挙げられる。
前記アンダー層における前記ガラス転移温度(Tg)が−35〜25℃である熱可塑性樹脂と前記中空フィラーとの混合割合は、前記熱可塑性樹脂1質量部に対し前記中空フィラー0.1〜2質量部が好ましく、0.3〜1質量部がより好ましい。前記中空フィラーが0.1質量部未満であると、高感度熱活性化に劣ることがあり、2質量部を超えると、アンダー層の結着力が劣って粘着力が弱くなることがある。
前記アンダー層は、特に制限はなく、公知の方法に従って形成することができるが、例えば、上記成分を配合してなるアンダー層塗布液を用いた塗布法により好適に形成することができる。
前記塗布法としては、例えば、ブレード塗工法、グラビア塗工法、グラビアオフセット塗工法、バー塗工法、ロール塗工法、ナイフ塗工法、エアーナイフ塗工法、コンマ塗工法、Uコンマ塗工法、AKKU塗工法、スムージング塗工法、マイクログラビア塗工法、リバースロール塗工法、4本又は5本ロール塗工法、ディップ塗工法、落下カーテン塗工法、スライド塗工法、ダイ塗工法等が挙げられる。
前記アンダー層塗布液の塗布量は、乾燥塗布量で1〜35g/mが好ましく、2〜25g/mがより好ましい。前記アンダー層塗布液の塗布量が1g/m未満であると、加熱による接着を行う際に十分な接着力が得られず、また断熱効果が劣ることがあり、35g/mを超えると、接着力や断熱効果が飽和してしまうことがある。
<感熱性粘着層>
前記感熱性粘着層は、少なくとも熱可塑性樹脂、粘着付与剤、及び熱溶融物質を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−熱溶融物質−
前記熱溶融物質は、常温で固体であるため、樹脂に可塑性は与えないが、加熱により溶融して樹脂を膨潤又は軟化させて粘着性を発現し、加熱により溶融した後、ゆっくりと結晶化するため、熱源を取り除いた後も粘着性を長時間持続することができる物質である。
前記熱溶融物質としては、トリフェニルホスフィンを必須で含有し、更にその他の熱溶融物質を併用することが好ましい。
前記トリフェニルホスフィンは、下記構造式で表される有機リン化合物であり、TPPと略称されることもある。空気に対しても比較的安定で、室温では結晶性の固体であり、ベンゼンなどの非極性有機溶媒に可溶である。分子量は262.3、融点は79〜81℃である。
Figure 2008031331
前記その他の熱溶融物質としては、下記構造式(1)で示されるベンゾトリアゾール化合物、下記構造式(2)で表されるヒドロキシ安息香酸エステル化合物、下記構造式(3)で表される化合物、下記構造式(4)で表される化合物、及び下記構造式(5)で表される化合物のいずれかが挙げられる。これらの中でも、0℃でのダンボールへの粘着力とブロッキング品質を両立できる点から下記構造式(1)で示されるベンゾトリアゾール化合物が特に好ましい。
Figure 2008031331
ただし、前記構造式(1)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、及びα,α−ジメチルベンジル基のいずれかを表す。Xは、水素原子、及びハロゲン原子のいずれかを表す。
前記構造式(1)におけるアルキル基としては、炭素数が1〜8のものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基などが挙げられ、これらは置換基で更に置換されていてもよい。
前記置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシル基、シアノ基、また、特定の置換基(例えば、ハロゲン原子、又はニトロ基により置換されていてもよい)を有していてもよいアルキル基、アリール基、複素環基、などが挙げられる。
前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
前記構造式(1)で表されるベンゾトリアゾール化合物としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−sec−ブチル−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
Figure 2008031331
ただし、前記構造式(2)中、Rは、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、及びアリール基のいずれかを表し、これらは更に置換基により置換されていてもよい。
前記構造式(2)におけるアルキル基としては、炭素数1〜18のものが挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等の直鎖状アルキル基;イソブチル基、イソアミル基、2−メチルブチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルヘプチル基、1−プロピルブチル基、1−イソプロピル−2−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−プロピル−2−メチルプロピル基、1−エチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基、1−イソプロピルペンチル基、1−イソプロピル−2−メチルブチル基、1−イソプロピル−3−メチルブチル基、1−メチルオクチル基、1−プロピルヘキシル基、1−イソブチル−3−メチルブチル基、ネオペンチル基、tert−ブチル基、tert−ヘキシル基、tert−アミル基、tert−オクチル基等の分岐状アルキル基;シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基、4−(2−エチルヘキシル)シクロヘキシル基、ボルニル基、イソボルニル基、アダマンチル基等のシクロアルキル基などが挙げられ、これらは更に置換基により置換されていてもよい。
前記構造式(2)におけるアルケニル基としては、炭素数2〜8のものが好適であり、例えば、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、メタクリル基、クロチル基、1−ブテニル基、3−ブテニル基、2−ペンテニル基、4−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、2−ヘプテニル基、2−オクテニル基等が挙げられ、これらは更に置換基により置換されていてもよい。
前記構造式(2)におけるアラルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等が挙げられ、これらは更に置換基により置換されていてもよい。
前記構造式(2)におけるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フルオレニル基、フェナレニル基、フェナントラニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基等が挙げられ、これらは更に置換基により置換されていてもよい。
前記アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、又はアリール基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシル基、シアノ基、また、特定の置換基(例えば、ハロゲン原子、又はニトロ基により置換されていてもよい)を有していてもよいアルキル基、アリール基、複素環基などが挙げられる。
前記構造式(2)で表されるヒドロキシ安息香酸エステル化合物としては、例えばm−ヒドロキシ安息香酸メチル、m−ヒドロキシ安息香酸エチル、m−ヒドロキシ安息香酸フェニル、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル、p−ヒドロキシ安息香酸n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ステアリル、p−ヒドロキシ安息香酸シクロヘキシル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸4−クロロベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸4−メチルベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸フェニルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
Figure 2008031331
ただし、前記構造式(3)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、アルキル基、及びアルコキシ基のいずれかを表す。Yは、水素原子、及び水酸基のいずれかを表す。
Figure 2008031331
ただし、前記構造式(4)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、及びアルコキシ基のいずれかを表す。Yは、水素原子、及び水酸基のいずれかを表す。
Figure 2008031331
ただし、前記構造式(5)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、及びアルコキシ基のいずれかを表す。
前記構造式(3)〜(5)において、前記アルキル基としては、上記構造式(1)と同様のものが挙げられる。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基などが挙げられる。
前記構造式(3)で表される化合物としては、例えば、Toluoin、Anisoin、m−Anisoin、Deoxytoluoin、DeoxyAnisoin、4,4’−DiethylBenzoin、4,4’−DiethoxyBenzoinなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記構造式(4)で表される化合物としては、例えば、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸−p−クロロフェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸−o−クロロフェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸−p−メチルフェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸−o−メチルフェニル、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸−p−クロロフェニル、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸−o−クロロフェニルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記構造式(5)で表される化合物としては、例えば、安息香酸−3−ヒドロキシフェニル、安息香酸−4−ヒドロキシフェニル、安息香酸−2−ヒドロキシフェニル、o−メチル安息香酸−3−ヒドロキシフェニル、p−クロロ安息香酸−3−ヒドロキシフェニル等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記構造式(1)から(5)で表される化合物は、室温において固体であり、加熱時に溶融するものが好適に用いられる。これらの化合物の融点は、70℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましく、上限値は200℃程度が好ましい。
前記融点が70℃未満であると、感熱性粘着剤としたときに通常の保存環境下温度で粘着力が発現してしまうなど、保存上の不具合(ブロッキング)が生じることがある。また、感熱性粘着剤塗布液を支持体上に塗布し、乾燥するときに粘着力が発現するなどの製造上の不具合も生じることがある。一方、前記融点が200℃を超えると、粘着力を発現させるために大量のエネルギーが必要となり、実用上の不具合が生じることがある。また、感熱記録紙を支持体として用い大量のエネルギーで粘着力を発現させた場合、感熱記録層が発色することから印字画像が読み取れなくなってしまうという不具合がある。
また、前記構造式(1)〜(5)で表される熱溶融物質の体積平均粒子径を0.5μm以下にすることにより、動的な熱感度が上がり低エネルギーで熱可塑性樹脂及び粘着付与剤と相溶して熱活性粘着剤となる。更に、前記体積平均粒子径にすることにより、通常の保存環境下温度での保存性が向上(耐ブロッキング性が向上)する。
前記熱溶融物質である前記トリフェニルホスフィンと前記構造式(1)〜(5)で表される化合物の前記感熱性粘着層における合計含有量は、25〜80質量%が好ましく、35〜70質量%がより好ましい。前記熱溶融物質の含有量が25質量%未満であると、熱可塑性樹脂と組合せた場合、通常の保存環境下温度で粘着力が発現するなどの保存上の不具合(ブロッキング)が生じたり、粘着力の低下をきたすことがあり、80質量%を超えると、粘着力の低下が生じることがある。
前記熱溶融物質中における前記トリフェニルホスフィンの含有量は、50〜75質量%が好ましく、60〜75質量%がより好ましい。前記トリフェニルホスフィンの含有量が50質量%未満であると、0℃〜10℃の低温環境下での粘着力が不十分となることがあり、75質量%を超えると、ブロッキング性が低下することがある。
−熱可塑性樹脂−
前記熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記アンダー層に用いられる熱可塑性樹脂と同類の樹脂を用いると、両層の樹脂同士の相溶性がよくなることから、ダンボール等の粗面被着体に対する粘着力が向上するので好ましい。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ビニル系モノマーをグラフト共重合した天然ゴムラテックス、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記熱可塑性樹脂の前記感熱性粘着層における含有量は、10〜60質量%が好ましく、15〜50質量%がより好ましい。前記熱可塑性樹脂の含有量が10質量%未満及び60質量%を超えた場合、いずれも粘着力の低下となるので好ましくない。また、低ガラス転移温度(Tg)樹脂の含有率が60質量%を超えると、通常の保存環境下温度で粘着力が発現するなど保存上の不具合(ブロッキング)が生じることがある。
−粘着付与剤−
前記粘着付与剤は、感熱性粘着層の粘着力を向上させるために添加され、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロジン誘導体(例えば、ロジン、重合ロジン、水添ロジン)、テルペン系樹脂(例えば、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水素添加テルペン樹脂)、石油系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂などが挙げられる。これら粘着付与剤は、熱可塑性樹脂及び熱溶融物質と相溶して、感熱性粘着層の粘着力を著しく向上させることができる。
前記粘着付与剤の融点(又は軟化点)は、80℃以上が好ましく、80〜200℃がより好ましい。前記融点(又は軟化点)が80℃未満であると、通常の保存環境下温度で保存上の不具合(耐ブロッキング性が低下)が生じることがある。
前記粘着付与剤の前記感熱性粘着層における含有量は、1〜30質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。前記含有量が1質量%未満であると、著しく粘着力が低下することがあり、30質量%を超えると、通常の保存環境下温度で保存上の不具合(耐ブロッキング性が低下)や低温環境下での初期粘着力の低下が生じることがある。
前記感熱性粘着層には、上記成分以外にも、ブロッキング防止のため、酸化チタン、アルミナ、コロイダルシリカ、カオリン、タルク等の無機物;ステアリン酸金属塩、パラフィン、天然ワックス、合成ワックス、天然油脂、ポリスチレン粉末等の有機物を添加することができ、更に必要に応じて、共融化剤、分散剤、消泡剤、増粘剤等のその他の成分を添加することができる。
前記感熱性粘着層は、特に制限はなく、公知の方法に従って形成することができるが、例えば、上記成分を配合してなる感熱性粘着層塗布液を用いた塗布法により好適に形成することができる。
前記塗布法としては、例えば、ブレード塗工法、グラビア塗工法、グラビアオフセット塗工法、バー塗工法、ロール塗工法、ナイフ塗工法、エアーナイフ塗工法、コンマ塗工法、Uコンマ塗工法、AKKU塗工法、スムージング塗工法、マイクログラビア塗工法、リバースロール塗工法、4本又は5本ロール塗工法、ディップ塗工法、落下カーテン塗工法、スライド塗工法、ダイ塗工法等が挙げられる。
なお、前記塗布若しくは印刷の際の乾燥条件は、使用される熱溶融物質が融解しない温度範囲で乾燥されなければならない。乾燥の手段としては熱風乾燥の他に赤外線、マイクロ波、高周波による熱源を利用した乾燥方法が使用できる。
前記感熱性粘着層塗布液の乾燥塗布量(感熱性粘着層の乾燥付着量)は、10〜20g/mが好ましい。前記感熱性粘着層塗布液の塗布量が10g/m未満であると、低温で貼り付ける際に十分な接着力が得られないことがあり、20g/mを超えると、アンダー層の断熱効果が薄れたり、経済性が劣ることとなり好ましくない。
本発明の感熱性粘着材料は、上記構成を備えることにより、各種被着体、特にダンボール等の粗面被着体に対する0℃〜10℃の低温環境下での粘着力が強く、低エネルギー熱活性化が可能であり、かつ耐ブロッキング性も良好なものである。
次に、本発明の感熱性粘着材料は、支持体の感熱性粘着層を有さない側の面上に少なくとも感熱記録層を有することが好ましく、保護層、中間層、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記感熱記録層は、少なくともロイコ染料、顕色剤、及びバインダー樹脂を含み、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
前記ロイコ染料としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリフェニルメタン系染料、フルオラン系染料、フェノチアジン系染料、オーラミン系染料、スピロピラン系染料、インドリノフタリド系染料などが挙げられる。
前記ロイコ染料としては、例えば、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−{N−(3’−トリフルオルメチルフェニル)アミノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−N−メチル−N−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾインドリノ−ピリロスピラン、6’−ブロモ−3’−メトキシ−ベンゾインドリノ−ピリロスピラン、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−クロルフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−ニトロフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジエチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−メチルフェニル)フタリド、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(2’−メトキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−ヒドロキシ−4’−クロル−5’−メチルフェニル)フタリド、3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4’0−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}−6−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−フェニルエチレン−2−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−p−クロロフェニルエチレン−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4’−ジメチルアミノ−2’−メトキシ)−3−(1”−p−ジメチルアミノフェニル−1”−p−クロロフェニル−1”,3”−ブタジエン−4”−イル)ベンゾフタリド、3−(4’−ジメチルアミノ−2’−ベンジルオキシ)−3−(1”−p−ジメチルアミノフェニル−1”−フェニル−1”,3”−ブタジエン−4”−イル)ベンゾフタリド、3−ジメチルアミノ−6−ジメチルアミノ−フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド、3,3−ビス{2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル}−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−ビス{1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル}−5,6−ジクロロ−4,7−ジブロモフタリド、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−ナフタレンスルホニルメタン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリドフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオランスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾフルオラン、3−N−メチル−N−イソブチル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−イソアミル−6−メチル−7−アニリノフルオランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記顕色剤としては、特に制限はなく、公知の電子受容性の化合物の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェノール性化合物、チオフェノール性化合物、チオ尿素誘導体、有機酸又はその金属塩等が挙げられる。該顕色剤としては、例えば、4,4’−イソプロピリデンビスフェノール、3,4’−イソプロピリデンビスフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(o−メチルフェノール)、4,4’−セカンダリーブチリデンビスフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(o−ターシャリーブチルフェノール)、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−ターシャリーブチル−2−メチル)フェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ターシャリーブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4’−チオビス(6−ターシャリーブチル−2−メチル)フェノール、4,4’−ジフェノールスルホン、4,2’−ジフェノールスルホン、4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ベンジロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジフェノールスルホキシド、P−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、P−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、プロトカテキュ酸ベンジル、没食子酸ステアリル、没食子酸ラウリル、没食子酸オクチル、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサヘプタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−プロパン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2−ヒドロキシプロパン、N,N’−ジフェニルチオ尿素、N,N’−ジ(m−クロロフェニル)チオ尿素、サリチルアニリド、5−クロロ−サリチルアニリド、サリチル−o−クロロアニリド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、2−アセチルオキシ−3−ナフトエ酸の亜鉛塩、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ヒドロキシナフトエ酸の亜鉛、アルミニウム、カルシウム等の金属塩、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチルエステル、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル、4−{β−(p−メトキシフェノキシ)エトキシ}サリチル酸、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、2,4’−ジフェノールスルホン、3,3’−ジアリル−4,4’−ジフェノールスルホン、α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−α−メチルトルエンチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS、4,4’−チオビス(2−メチルフェノール)、3,4−ヒドロキシ−4’−メチル−ジフェニルスルホン、4,4’−チオビス(2−クロロフェノール)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記顕色剤の前記感熱記録層における添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記発色剤1質量部に対し1〜20質量部が好ましく、2〜10質量部がより好ましい。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリビニルアルコール、澱粉又はその誘導体;メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸三元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子の他、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリブチルメタクリレート、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエマルジョン;スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体等のラテックス類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記感熱記録層には、填料として種々の熱可融性物質を使用することができる。該熱可融性物質としては、例えば、ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸類;ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アミド類;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類;p−ベンジルビフェニル、ターフェニル、トリフェニルメタン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、β−ベンジルオキシナフタレン、β−ナフトエ酸フェニルエステル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチルエステル、ジフェニルカーボネート、テレフタル酸ジベンジルエステル、テレフタル酸ジメチルエステル、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジベンジルオキシナフタレン、1,2−ビス(フェノキシ)エタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,4−ビス(フェノキシ)ブタン、1,4−ビス(フェノキシ)−2−ブテン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、ジベンゾイルメタン、1,4−ビス(フェニルチオ)ブタン、1,4−ビス(フェニルチオ)−2−ブテン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、1,3−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、p−(2−ビニルオキシエトキシ)ビフェニル、p−アリールオキシビフェニル、p−プロパギルオキシビフェニル、ジベンゾイルオキシメタン、1,3−ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンジルジスルフィド、1,1−ジフェニルエタノール、1,1−ジフェニルプロパノール、p−(ベンジルオキシ)ベンジルアルコール、1,3−ジフェノキシ−2−プロパノール、N−オクタデシルカルバモイル−p−メトキシカルボニルベンゼン、N−オクタデシルカルバモイルベンゼン、蓚酸ジベンジルエステル、1,5−ビス(p−メトキシフェニルオキシ)−3−オキサペンタンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記感熱記録層には、更に必要に応じて、各種補助添加成分、例えば、界面活性剤、滑剤等を併用することができる。該滑剤としては、例えば、高級脂肪酸又はその金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、動物性ワックス、植物性ワックス、鉱物性ワックス、石油系ワックスなどが挙げられる。
前記感熱記録層は、特に制限はなく、一般に知られている方法により形成することができ、例えば、ロイコ染料、顕色剤を別々にバインダー樹脂、その他の成分と共に、ボールミル、アトライター、サンドミル等の分散機により、分散粒径が1〜3μmになるまで粉砕分散した後、必要に応じて填料、熱可融性物質(増感剤)分散液等と共に、一定処方で混合して感熱記録層塗布液を調製し、支持体上に塗布することによって感熱記録層を形成することができる。
前記感熱記録層の厚みは、前記感熱記録層の組成や感熱性粘着材料の用途等により異なり一概には規定できないが、1〜50μmが好ましく、3〜20μmがより好ましい。
−保護層−
前記保護層は、反応性カルボニル基を有するポリビニルアルコールと、ヒドラジド化合物とを含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
このように反応性カルボニル基を有するポリビニルアルコールと架橋剤としてヒドラジド化合物を含有する保護層は極めて耐熱性、耐水性が高く圧力、温度、湿度の付加による影響を受け難いので、耐ブロッキング性を大きく向上させることができる。
前記反応性カルボニル基を有するポリビニルアルコールは、反応性カルボニル基を有するビニルモノマーと脂肪酸ビニルエステルとを共重合して得た重合体を鹸化する等の公知の方法により製造することができる。該反応性カルボニル基を有するビニルモノマーとしては、エステル残基を有する基、アセトン基を有する基が挙げられるが、ジアセトン基を有するビニルモノマーが好ましく、具体的には、ジアセトンアクリルアミドやメタジアセトンアクリルアミドが好ましい。前記脂肪酸ビニルエステルとしては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられるが、これらの中でも、酢酸ビニルが特に好ましい。
前記反応性カルボニル基を有するポリビニルアルコール(PVA)は、共重合可能な他のビニルモノマーを共重合したものであってもよい。これらの共重合可能なビニルモノマーとしては、例えば、アクリル酸エステル、ブタジエン、エチレン、プロピレン、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸などが挙げられる。
前記反応性カルボニル基を有するPVA中の反応性カルボニル基の含有量は、ポリマー全体の0.5〜20モル%が好ましく、耐水化を考慮すると2〜10モル%範囲がより好ましい。前記含有量が2モル%より少ないと実用上耐水性が不十分となり、10モル%を超えてもそれ以上耐水化の向上が見られず高価になるだけなので経済的でない。また、前記反応性カルボニル基を有するPVAの重合度は300〜3,000が好ましく、500〜2,200がより好ましい。また、前記反応性カルボニル基を有するPVAの鹸化度は80%以上が好ましい。
前記ヒドラジド化合物は、ヒドラジド基を持つものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボヒドラジド、蓚酸ジヒドラジド、蟻酸ヒドラジド、酢酸ヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、安息香酸ヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、ジグリコール酸ヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、2,7−ナフトエ酸ジヒドラジド、ポリアクリル酸ヒドラジドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのヒドラジド化合物の中でも、耐水性や安全性の面からアジピン酸ジヒドラジドが特に好ましい。
前記ヒドラジド化合物の含有量は、前記反応性カルボニル基を有するポリビニルアルコール100質量部に対し5〜40質量部が好ましく、15〜25質量部がより好ましい。
前記保護層には、フィラーを含有することが好ましい。該フィラーは塩基性のものがよく、その例としては、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、タルク、アルカリ性の珪酸類等が挙げられるが、サーマルヘッドとのマッチング(カス付着)等から水酸化アルミニウムと炭酸カルシウムが好ましく、適度な水溶性によるpHコントロールを考慮すると水酸化アルミニウムが特に好ましい。前記フィラーとしては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、シリカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、アルミナ、クレー等の無機顔料、又は公知の有機顔料などが挙げられる。また、耐水性(耐水剥がれ性)を考慮すると酸性顔料(水溶液中で酸性を示すもの)であるシリカ、カオリン、アルミナが好ましく、発色濃度の点からシリカが特に好ましい。
前記保護層は、特に制限はなく、一般に知られている方法により形成することができるが、例えば、常法により保護層塗布液を調製し、前記感熱記録層上に塗布することによって保護層を形成することができる。
前記保護層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0〜7.0μmが好ましい。
前記支持体と前記感熱記録層との間には、更に必要に応じて、中間層を設けることもできる。該中間層を構成する成分としては、上記の填料、結合剤、熱可融性物質、界面活性剤等を用いることができる。
本発明の感熱性粘着材料は、その感熱性粘着層の熱活性化時(加熱時)の前又は後でカットされて好適に使用することができ、この場合、該感熱性粘着材料に、予め切れ目が形成されていてもよい。前記感熱性粘着材料を、ラベル、タグ等の様々な用途に好適に用いることができる点で有利である。
本発明の感熱性粘着材料の形状としては、特に制限はなく、ラベル状、シート状、ラベルシート状、ロール状、などが好適に挙げられる。これらの中でも、利便性、保管場所、取り扱い性の点から円筒状の芯材に巻き取ったロール状が特に好ましい。
本発明の感熱性粘着材料が貼付される被着体としては、特に制限はなく、目的に応じてその大きさ、形状、構造、材質等を適宜選択することができるが、前記材質としては、例えば、ポリオレフィン(例えばポリエチレン、ポリプロピレン等)、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、ナイロン等の樹脂板;SUS、アルミニウム等の金属板;封筒、ダンボール等の紙製品;ポリオレフィン製のラップ類;ポリ塩化ビニル製のラップ類、ポリエチエレン製不織布(封筒等)、などが好適に挙げられる。これらの中でも、ダンボール等の粗面被着体に対する粘着力が強く、強固に貼付することができる点で有利である。
本発明の感熱性粘着材料における前記感熱性粘着層を熱活性化する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、熱風による活性化方法、熱ロールによる活性化方法、サーマルヘッドによる活性化方法、などが挙げられる。これらの中でも、サーマルヘッドによる活性化方法が、既存の感熱記録プリンタ装置を用いて前記感熱性粘着材料の両面を加熱することにより、前記感熱記録層への記録と、前記感熱性粘着層の熱活性化とを行うことができる点から特に好ましい。
以下、実施例により本発明について詳細に説明するが、本発明は、下記実施例に何ら限定されるものではない。
(調製例1−1)
−アンダー層塗布液〔A−1液〕の調製−
下記組成からなる混合物を攪拌し、分散させてアンダー層塗布液〔A−1液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(塩化ビニリデン−アクリロニトリルを主体とする共重合樹脂、固形分濃度=32質量%、平均粒子径=3.0μm、中空度=92%)・・・15質量部
・スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移温度(Tg)=+4℃)・・・10質量部
・水・・・60質量部
(調製例1−2)
−アンダー層塗布液〔A−2液〕の調製−
下記組成からなる混合物を攪拌し、分散させてアンダー層塗布液〔A−2液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(塩化ビニリデン−アクリロニトリルを主体とする共重合樹脂、固形分濃度=32質量%、平均粒子径=3.0μm、中空度=92%)・・・15質量部
・カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移温度(Tg)=−34℃)・・・10質量部
・水・・・60質量部
(調製例1−3)
−アンダー層塗布液〔A−3液〕の調製−
下記組成からなる混合物を攪拌し、分散させてアンダー層塗布液〔A−3液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(塩化ビニリデン−アクリロニトリルを主体とする共重合樹脂、固形分濃度=32質量%、平均粒子径=3.0μm、中空度=92%)・・・15質量部
・カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移温度(Tg)=25℃)・・・10質量部
・水・・・60質量部
(調製例1−4)
−アンダー層塗布液〔A−4液〕の調製−
下記組成からなる混合物を攪拌し、分散させてアンダー層塗布液〔A−4液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(塩化ビニリデン−アクリロニトリルを主体とする共重合樹脂、固形分濃度=32質量%、平均粒子径=3.0μm、中空度=92%)・・・15質量部
・カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移温度(Tg)=35℃)・・・10質量部
・水・・・60質量部
(調製例1−5)
−アンダー層塗布液〔A−5液〕の調製−
下記組成からなる混合物を攪拌し、分散させてアンダー層塗布液〔A−5液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(塩化ビニリデン−アクリロニトリルを主体とする共重合樹脂、固形分濃度=32質量%、平均粒子径=3.0μm、中空度=92%)・・・15質量部
・カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移温度(Tg)=−42℃)・・・10質量部
・水・・・60質量部
(調製例1−6)
−アンダー層塗布液〔A−6液〕の調製−
下記組成からなる混合物を攪拌し、分散させてアンダー層塗布液〔A−6液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(アクリロニトリル−塩化ビニリデン−メタクリル酸メチル共重合体、固形分濃度=41質量%、体積平均粒子径=3.2μm、中空率=70%)・・・11質量部
・カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移温度(Tg)=4℃)・・・10質量部
・水・・・60質量部
(調製例1−7)
−アンダー層塗布液〔A−7液〕の調製−
下記組成からなる混合物を攪拌し、分散させてアンダー層塗布液〔A−7液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(アクリロニトリル−塩化ビニリデン−メタクリル酸メチル共重合体、固形分濃度=40質量%、体積平均粒子径=1.5μm、中空率=50%)・・・15質量部
・カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移温度(Tg)=4℃)・・・10質量部
・水・・・60質量部
(調製例1−8)
−アンダー層塗布液〔A−8液〕の調製−
下記組成からなる混合物を攪拌し、分散させてアンダー層塗布液〔A−8液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(アクリロニトリル−メタクリロニトリル−イソボニルメタクリレート共重合体、固形分濃度=33質量%、体積平均粒子径=6.0μm、中空率=91%)・・・13.7質量部
・カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移温度(Tg)=4℃)・・・10質量部
・水・・・60質量部
(調製例1−9)
−アンダー層塗布液〔A−9液〕の調製−
下記組成からなる混合物を攪拌し、分散させてアンダー層塗布液〔A−9液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(塩化ビニリデン−アクリロニトリルを主体とする共重合樹脂、固形分濃度=32質量%、平均粒子径=3.0μm、中空率=92%)・・・3.1質量部
・スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移温度(Tg)=+4℃)・・・11質量部
・水・・・60質量部
(調製例1−10)
−アンダー層塗布液〔A−10液〕の調製−
下記組成からなる混合物を攪拌し、分散させてアンダー層塗布液〔A−10液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(塩化ビニリデン−アクリロニトリルを主体とする共重合樹脂、固形分濃度=32質量%、平均粒子径=3.0μm、中空率=92%)・・・34.3質量部
・スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移温度(Tg)=+4℃)・・・10質量部
・水・・・60質量部
(調製例1−11)
−アンダー層塗布液〔A−11液〕の調製−
下記組成からなる混合物を攪拌し、分散させてアンダー層塗布液〔A−11液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(塩化ビニリデン−アクリロニトリルを主体とする共重合樹脂、固形分濃度=32質量%、平均粒子径=3.0μm、中空率=92%)・・・34.3質量部
・2−エチルヘキシルアクリレート−メチルメタクリレート−スチレンの共重合体(ガラス転移温度(Tg)=−65℃、固形分濃度=55.4質量%)・・・16.3質量部
・水・・・60質量部
(調製例2−1)
−熱溶融物質分散液〔B−1液〕の調製−
トリフェニルホスフィン30.0質量部、ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、商品名:ゴーセランL−3266、10質量%水溶液)15質量部、界面活性剤(日本乳化剤株式会社製、商品名:Newcol 290M、10質量%水溶液)1.5質量部、及び水53.5質量部からなる混合物を、平均粒径が1.0μmとなるようにサンドミルで分散させて、熱溶融物質分散液〔B−1液〕を調製した。
(調製例2−2)
−熱溶融物質分散液〔C−1液〕の調製−
2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(融点(mp)=138℃)30.0質量部、ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、商品名:ゴーセランL−3266、10質量%水溶液)15質量部、界面活性剤(日本乳化剤株式会社製、商品名:Newcol 290M、10質量%水溶液)1.5質量部、及び水53.5質量部からなる混合物を、平均粒径が1.0μmとなるようにサンドミルで分散させて、熱溶融物質分散液〔C−1液〕を調製した。
(調製例3−1)
−感熱性粘着剤塗布液〔D−1液〕の調製−
アクリル酸エステル共重合体水性エマルジョン(ガラス転移温度(Tg)=−65℃、固形分濃度=55質量%、昭和高分子株式会社製、ポリゾール PSA SE−4040)9.2質量部、粘着付与剤(テルペンフェノール主成分、荒川化学株式会社製、E−100、固形分濃度=50質量%、軟化点=150℃)6.6質量部、熱溶融物質分散液〔B−1液〕63.2質量部、及び熱溶融物質分散液〔C−1液〕21.1質量部からなる混合物を均一に混合して、感熱性粘着剤塗布液〔D−1液〕を調製した。
(調製例3−2)
−感熱性粘着剤塗布液〔D−2液〕の調製−
アクリル酸エステル共重合体水性エマルジョン(ガラス転移温度(Tg)=−65℃、固形分濃度=55質量%、昭和高分子株式会社製、ポリゾール PSA SE−4040)9.2質量部、粘着付与剤(テルペンフェノール主成分、荒川化学株式会社製、E−100、固形分濃度=50質量%、軟化点150℃)6.6質量部、熱溶融物質分散液〔B−1液〕42.1質量部、及び熱溶融物質分散液〔C−1液〕42.1質量部からなる混合物を均一に混合して、感熱性粘着剤塗布液〔D−2液〕を調製した。
(調製例3−3)
−感熱性粘着剤塗布液〔D−3液〕の調製−
アクリル酸エステル共重合体水性エマルジョン(ガラス転移温度(Tg)=−65℃、固形分濃度=55質量%、昭和高分子株式会社製、ポリゾール PSA SE−4040)9.2質量部、粘着付与剤(テルペンフェノール主成分、荒川化学株式会社製、E−100、固形分濃度=50質量%、軟化点=150℃)6.6質量部、熱溶融物質分散液〔B−1液〕40質量部、及び熱溶融物質分散液〔C−1液〕44.1質量部からなる混合物を均一に混合して、感熱性粘着剤塗布液〔D−3液〕を調製した。
(調製例3−4)
−感熱性粘着剤塗布液〔D−4液〕の調製−
アクリル酸エステル共重合体水性エマルジョン(ガラス転移温度(Tg)=−65℃、固形分濃度=55質量%、昭和高分子株式会社製、ポリゾール PSA SE−4040)9.2質量部、粘着付与剤(テルペンフェノール主成分、荒川化学株式会社製、E−100、固形分濃度=50質量%、軟化点150℃)6.6質量部、熱溶融物質分散液〔B−1液〕65質量部、及び熱溶融物質分散液〔C−1液〕19.2質量部からなる混合物を均一に混合して、感熱性粘着剤塗布液〔D−4液〕を調製した。
(調製例3−5)
−感熱性粘着剤塗布液〔D−5液〕の調製−
アクリル酸エステル共重合体水性エマルジョン(ガラス転移温度(Tg)=−65℃、固形分濃度=55質量%、昭和高分子株式会社製、ポリゾール PSA SE−4040)9.2質量部、粘着付与剤(テルペンフェノール主成分、荒川化学株式会社製、E−100、固形分濃度=50質量%、軟化点=150℃)6.6質量部、及び熱溶融物質分散液〔B−1液〕84.2質量部からなる混合物を均一に混合して、感熱性粘着剤塗布液〔D−5液〕を調製した。
(調製例3−6)
−感熱性粘着剤塗布液〔D−6液〕の調製−
アクリル酸エステル共重合体水性エマルジョン(ガラス転移温度(Tg)=−65℃、固形分濃度=55質量%、昭和高分子株式会社製,ポリゾール PSA SE−4040)9.2質量部、粘着付与剤(テルペンフェノール主成分、荒川化学株式会社製、E−100、固形分濃度=50質量%、軟化点=150℃)6.6質量部、及び熱溶融物質分散液〔C−1液〕84.2質量部からなる混合物を均一に混合して、感熱性粘着剤塗布液〔D−6液〕を調製した。
(実施例1)
−感熱性粘着材料の作製−
支持体としての坪量80g/mの片面コート紙(OKアドニスラフ、王子製紙株式会社製)のコート層を有さない側の面に、アンダー層塗布液〔A−1〕を乾燥付着量が5g/mとなるように塗布し、乾燥させてアンダー層を形成した。
得られたアンダー層上に感熱性粘着層塗布液〔D−1〕を乾燥付着量が10g/mとなるように塗布し、乾燥させて感熱性粘着層を形成した。以上により、実施例1の感熱性粘着材料を作製した。
(実施例2)
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、アンダー層塗布液〔A−2〕を乾燥付着量が5g/mとなるように塗布し、乾燥させて感熱性粘着層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の感熱性粘着材料を作製した。
(実施例3)
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、アンダー層塗布液〔A−3〕を乾燥付着量が5g/mとなるように塗布し、乾燥させて感熱性粘着層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の感熱性粘着材料を作製した。
(実施例4)
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、アンダー層塗布液〔A−6〕を乾燥付着量が5g/mとなるように塗布し、乾燥させて感熱性粘着層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の感熱性粘着材料を作製した。
(実施例5)
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、アンダー層塗布液〔A−7〕を乾燥付着量が5g/mとなるように塗布し、乾燥させて感熱性粘着層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例5の感熱性粘着材料を作製した。
(実施例6)
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、アンダー層塗布液〔A−8〕を乾燥付着量が5g/mとなるように塗布し、乾燥させて感熱性粘着層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例6の感熱性粘着材料を作製した。
(実施例7)
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、アンダー層塗布液〔A−9〕を乾燥付着量が5g/mとなるように塗布し、乾燥させて感熱性粘着層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例7の感熱性粘着材料を作製した。
(実施例8)
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、アンダー層塗布液〔A−10〕を乾燥付着量が5g/mとなるように塗布し、乾燥させて感熱性粘着層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例8の感熱性粘着材料を作製した。
(実施例9)
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、感熱性粘着層塗布液〔D−1〕を乾燥付着量が8g/mとなるように塗布し、乾燥させて感熱性粘着層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例9の感熱性粘着材料を作製した。
(実施例10)
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、感熱性粘着層塗布液〔D−1〕を乾燥付着量が20g/mとなるように塗布し、乾燥させて感熱性粘着層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例10の感熱性粘着材料を作製した。
(実施例11)
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、感熱性粘着層塗布液〔D−1〕を乾燥付着量が25g/mとなるように塗布し、乾燥させて感熱性粘着層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例11の感熱性粘着材料を作製した。
(実施例12)
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、感熱性粘着層塗布液〔D−1〕を感熱性粘着層塗布液〔D−2〕に変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例12の感熱性粘着材料を作製した。
(実施例13)
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、感熱性粘着層塗布液〔D−1〕を感熱性粘着層塗布液〔D−3〕に変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例13の感熱性粘着材料を作製した。
(実施例14)
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、感熱性粘着層塗布液〔D−1〕を感熱性粘着層塗布液〔D−4〕に変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例14の感熱性粘着材料を作製した。
(実施例15)
<感熱記録層の形成>
−非発泡性断熱層形成塗布液[E液]の調製−
微小中空粒子分散体(塩化ビニリデン−アクリロニトリルを主体とする共重合樹脂、固形分濃度=32質量%、平均粒子径=3.6μm、中空率=92%)30質量部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移温度(Tg)=+4℃)10質量部、界面活性剤(ダプロW−77、エレメンティスジャパン株式会社製)0.1質量部、及び水60質量部からなる混合物を攪拌し、分散させて、非発泡性断熱層形成塗布液[E液]を調製した。
−発色剤分散液[F液]の調製−
3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン20質量部、ポリビニルアルコ−ル(10質量%水溶液)10質量部、及び水70質量部からなる混合物を攪拌し、分散させて発色剤分散液[F液]を調製した。
−顕色剤分散液[G液]の調製−
4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン10質量部、ポリビニルアルコ−ル(10質量%水溶液)25質量部、炭酸カルシウム15質量部、及び水50質量部からなる混合物を、それぞれ平均粒径が1.5μmとなるようにサンドミルで分散させて、顕色剤分散液[G液]を調製した。
次に、前記発色剤分散液[F液]:前記顕色剤分散液[G液]=1:8(質量比)となるように混合し、攪拌させて感熱発色層塗布液[H液]を調製した。
次に、前記非発泡性断熱層形成塗布液[E液]を、平均坪量80g/mの片面コート紙(OKアドニスラフ、王子製紙株式会社製)の表面に、乾燥後質量が4g/mとなるように塗布し、乾燥させて非発泡性断熱層を設けた。
次に、非発泡性断熱層上に前記発色剤分散液[F液]を乾燥後質量が5g/mとなるように塗布し、乾燥させて感熱記録層を設けた。その後、王研式平滑度が2,000秒となるようにスーパーキャレンダー処理して、感熱記録層を有する感熱記録紙を作製した。
次に、得られた感熱記録紙の感熱記録層を有しない側の支持体面上に、アンダー層塗布液〔A−1〕を乾燥付着量が5g/mとなるように塗布し、乾燥させてアンダー層を形成した。アンダー層上に感熱性粘着層塗布液〔D−1〕を乾燥付着量が10g/mとなるように塗布し、乾燥させて感熱性粘着層を形成した。以上により、実施例15の感熱性粘着材料を作製した。
(比較例1)
−感熱性粘着材料の作製−
支持体としての坪量80g/mの片面コート紙(OKアドニスラフ、王子製紙株式会社製)のコート層を有さない側の面にアンダー層塗布液〔A−11〕を乾燥付着量が5g/mとなるように塗布し、乾燥させてアンダー層を形成した。
このアンダー層上に感熱性粘着層塗布液〔D−5〕を乾燥付着量が10g/mとなるように塗布し、乾燥させて感熱性粘着層を形成した。
(比較例2)
−感熱性粘着材料の作製−
支持体としての坪量80g/mの片面コート紙(OKアドニスラフ、王子製紙株式会社製)のコート層を有さない側の面に、アンダー層塗布液〔A−11〕を乾燥付着量が5g/mとなるように塗布し、乾燥させてアンダー層を形成した。このアンダー層上に感熱性粘着層塗布液〔D−6〕を乾燥付着量が10g/mとなるように塗布し、乾燥させて感熱性粘着層を形成した。以上により、比較例2の感熱性粘着材料を作製した。
(比較例3)
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、アンダー層塗布液〔A−4〕を乾燥付着量が5g/mとなるように塗布し、乾燥させて感熱性粘着層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例3の感熱性粘着材料を作製した。
(比較例4)
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、アンダー層塗布液〔A−5〕を乾燥付着量が5g/mとなるように塗布し、乾燥させて感熱性粘着層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例4の感熱性粘着材料を作製した。
(比較例5)
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、アンダー層を形成しない以外は、実施例1と同様にして、比較例5の感熱性粘着材料を作製した。
(比較例6)
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、アンダー層塗布液〔A−1〕をアンダー層塗布液〔A−11〕に変えた以外は、実施例1と同様にして、比較例6の感熱性粘着材料を作製した。
(比較例7)
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、感熱性粘着層塗布液〔D−1〕を感熱性粘着層塗布液〔D−6〕に変えた以外は、実施例1と同様にして、比較例7の感熱性粘着材料を作製した。
次に、得られた実施例1〜15及び比較例1〜7の各感熱性粘着材料について、以下のようにして、粘着力、及びブロッキング性を評価した。結果を表2に示す。
<粘着力の測定>
各感熱性粘着材料を25mm×150mmの長方形にカットし、感熱印字装置(大倉電気株式会社製、TH−PMD)を用いて、ヘッド条件:エネルギー0.5mJ/dot、印字スピード:4ms/line、プラテン圧:6kgf/lineの条件にて、熱活性化した。次いで、被着体(ダンボール)に加圧2kgのゴムローラーで長手方向に貼り付けて、1日後に剥離角度180度、剥離速度300mm/minの条件で感熱性粘着材料を剥離させた。その時の粘着力をフォースゲージ(MODEL DPS−5、IMADA社製)で測定し、0.1秒間隔でデータを読み取り平均化した数値で示した。なお、単位はgf/25mmである。この試験は、低温環境(0℃)下、及び常温常湿環境(23℃、65%RH)下で実施した。
〔ダンボールの粘着力の評価基準〕
◎:700gf/25mm以上
○:500gf/25mm以上700gf/25mm未満
△:300gf/25mm以上500gf/25mm未満
×:300gf/25mm未満
<ブロッキング性の評価>
各感熱性粘着材料における感熱性粘着層面と反対側の面を接触させ、200gf/cmの圧力で50℃、Dry条件下で24時間放置した。その後、室温で放置後サンプルを剥がし、その時のブロッキング性を下記表1に示すランク及び評価基準に基づき、評価した。
Figure 2008031331
〔評価基準〕
◎:ランク10〜9
○:ランク8〜7
△:ランク6〜4
×:ランク3以下
Figure 2008031331
表2の結果から、実施例1〜15は、比較例1〜7に比べて、ダンボールに対する低温(0℃)〜室温(23℃)環境下での粘着力が強く、経時的な粘着力低下も少なく、サーマルヘッドによる低エネルギーでの熱活性化が可能であり、かつ耐ブロッキング性も良好であることが認められた。
また、実施例7は、アンダー層における中空フィラーに比べて熱可塑性樹脂がリッチであるため、ブロッキング性がやや低下している。
実施例8は、アンダー層における熱可塑性樹脂に比べて中空フィラーがリッチであるため、アンダー層の結着力が弱くなり、低温及び常温での粘着力がやや低下している。
実施例9は、感熱性粘着層の乾燥付着量が好ましい範囲の下限値を外れているので、低温及び常温での粘着力がやや弱くなる。
実施例10は、感熱性粘着層の乾燥付着量が好ましい範囲の上限値を外れているので、アンダー層の断熱効果が弱くなり粘着力がやや低下する。
実施例12は、熱溶融物質中のトリフェニルホスフィンの含有量が好ましい範囲の下限値を外れているので、低温での粘着力がやや低下している。
実施例14は、熱溶融物質中のトリフェニルホスフィンの含有量が好ましい範囲の上限値を外れているので、ブロッキング性がやや低下している。
比較例1は、感熱性粘着層の熱溶融物質としてトリフェニルホスフィンのみを用い、アンダー層の熱可塑性樹脂としてスチレン−ブタジエン共重合体又はその変性物を用いていないので、粘着力が極端に弱く、ブロッキング性も極めて劣るものである。
比較例2は、感熱性粘着層の熱溶融物質としてベンゾトリアゾールのみを用い、アンダー層の熱可塑性樹脂としてスチレン−ブタジエン共重合体又はその変性物を用いていないので、低温での粘着力が極めて劣るものである。
比較例3は、アンダー層における熱可塑性樹脂のガラス転移温度が35℃であるため、低温での粘着力が極めて劣るものである。
比較例4は、アンダー層における熱可塑性樹脂のガラス転移温度が−42℃であるため、ブロッキング性が劣るものである。
比較例5は、アンダー層を有していないため、低温での粘着力が極めて劣るものである。
比較例6は、アンダー層の熱可塑性樹脂としてスチレン−ブタジエン共重合体又はその変性物を用いていないので、ブロッキング性が劣るものである。
比較例7は、感熱性粘着層の熱溶融物質としてベンゾトリアゾールのみを用いているので、低温での粘着力が極めて劣るものである。
本発明の感熱性粘着材料は、低温(0℃)〜室温(23℃)環境下での粘着力が強く、経時的な粘着力低下も少なく、サーマルヘッドによる低エネルギーでの熱活性化が可能であり、耐ブロッキング性も良好であるので、例えばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、ナイロン等の樹脂板;SUS、アルミニウム等の金属板;封筒、ダンボール等の紙製品;ポリオレフィン製のラップ類;ポリ塩化ビニル製のラップ類、ポリエチエレン製不織布(封筒等)、などに用いられ、特に、ダンボール等の粗面被着体に対する粘着力が強く、強固に貼付することができる。

Claims (10)

  1. 支持体と、該支持体の一方の面上に少なくともアンダー層及び感熱性粘着層をこの順に有してなり、
    前記アンダー層が、ガラス転移温度(Tg)が−35〜25℃である熱可塑性樹脂、及び中空フィラーを含有し、かつ該熱可塑性樹脂がスチレン−ブタジエン共重合体及びその変性物から選択されるいずれかを含有し、
    前記感熱性粘着層が、熱可塑性樹脂、粘着付与剤、及び熱溶融物質を含有し、かつ該熱溶融物質が少なくともトリフェニルホスフィンを含有することを特徴とする感熱性粘着材料。
  2. スチレン−ブタジエン共重合体の変性物が、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体である請求項1に記載の感熱性粘着材料。
  3. 中空フィラーが、体積平均粒子径2.0〜5.0μmの球状中空粒子であり、かつ該球状中空粒子の中空率が70%以上である請求項1から2のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
  4. 球状中空粒子の材料が、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−塩化ビニリデン−メタクリル酸メチル共重合体、及びアクリロニトリル−メタクリロニトリル−イソボニルメタクリレート共重合体のいずれかである請求項3に記載の感熱性粘着材料。
  5. アンダー層における熱可塑性樹脂と中空フィラーとの混合割合が、前記熱可塑性樹脂1質量部に対し前記中空フィラー0.1〜2質量部である請求項1から4のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
  6. 熱溶融物質が、更に下記構造式(1)で表されるベンゾトリアゾール化合物を含有する請求項1から5のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
    Figure 2008031331
    ただし、前記構造式(1)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、及びα,α−ジメチルベンジル基のいずれかを表す。Xは、水素原子、及びハロゲン原子のいずれかを表す。
  7. 熱溶融物質中におけるトリフェニルホスフィンの含有量が50〜75質量%である請求項1から6のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
  8. 感熱性粘着層の乾燥付着量が10〜20g/mである請求項1から7のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
  9. 支持体の感熱性粘着層を有さない側の面上に少なくとも感熱記録層を有し、かつ該感熱記録層が少なくともロイコ染料及び顕色剤を含有する請求項1から8のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
  10. ラベル状、シート状、ラベルシート状、及びロール状のいずれかである請求項1から9のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
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