JP2008030238A - 加熱ヘッドの製造方法、発熱温度調整方法及びこれら方法によって得られる加熱ヘッド - Google Patents

加熱ヘッドの製造方法、発熱温度調整方法及びこれら方法によって得られる加熱ヘッド Download PDF

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Abstract

【課題】 帯状の発熱抵抗体層の長さを長くしても、その長手方向全体における発熱温度を均一化する方法を提供する。
【解決手段】 ヘッド基板1上の両端部に形成された一対の電極層2,2に跨るように帯状且つ幅方向の断面が略山状に形成された発熱抵抗体層3の幅方向の端部領域を点状、線状に部分的に除去することにより、部分的に抵抗値を変化させて発熱抵抗体層3の発熱温度の調整を行う。
【選択図】 図4

Description

本発明は、リライタブルシートなどの可逆性感熱記録媒体の記録を消去したり、紙、プラスティック、金属などからなる用紙、カード、シールなどの被印刷物に、熱転写法、インクジェット法などの印刷法で印刷するに先立って、画像を印刷する被印刷物の表面にアンダーコートをしたり、画像を印刷した後に、印刷面の全面にあるいは限定部分面にオーバーコートをしたりする際の加熱に適した加熱ヘッドの製造方法、発熱温度調整方法及びこれら方法による加熱ヘッドに関し、特に大きいサイズの可逆性感熱記録媒体の記録消去などに適した加熱ヘッドの製造方法、発熱温度調整方法及びこれら方法による加熱ヘッドに関する。
近年、たとえば紙、不織布、織布、塩化ビニール、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂、金属、ガラスなどからなるフィルム状、シート状、カード状などの支持体上に加熱により発色と消色を可逆的に繰り返し行える可逆性感熱記録層からなる記録部を設けた可逆性感熱記録媒体(リライタブル記録媒体)が広く使用されるようになってきている。
このような熱可逆性記録媒体は、ある温度(たとえば180℃)以上に加熱し、たとえば80℃以下に急冷することにより発色し、発色温度よりも低い温度(たとえば120〜160℃)に上昇させることにより完全に消色される。このような熱可逆性記録媒体への記録消去を行うのに、たとえば図8に示されるような加熱ヘッドが用いられる(たとえば特許文献1参照)。
図8において、アルミナなどからなるヘッド基板11の上面に図示しないガラス層(グレーズ層)が設けられ、その上に帯状の発熱用抵抗体(層)13が形成され、その両端部に電極(層)12、12が設けられることにより、形成されている。この電極12は、配線などによりヘッド基板11の下面に導出され、ヘッド基板11の下面側に設けられる配線基板などに接続されて電圧を印加し得るように形成されている。その結果、発熱用抵抗体13の両端部に電極12、12を介して電圧が印加され、電流が流れることにより抵抗体が発熱し、電流量により発熱用抵抗体13の温度を制御することができる。この発熱用抵抗体13上を図示しないローラなどで押し付けながらカードなどのリライタブル記録媒体を通過させることにより、記録の消去を行うことができる。
特開2004−268256号公報
前述のように、発熱用抵抗体を通電しながら加熱して、その上にリライタブル記録媒体を通過させることにより、リライタブル記録媒体の記録の消去が行われるため、リライタブル記録媒体が利用され始めた当初のようにカードサイズ程度のものであれば、発熱用抵抗体の長さは56mm程度という短いもので足りたが、近年のリライタブル記録媒体の用途の多様化に伴う記録媒体のサイズの大型化などにより、加熱ヘッドにおける発熱用抵抗体の形成長さが長いもの(たとえば160〜260mm程度)が要求されるようになってきている。
ところが、発熱用抵抗体は、一般的に抵抗ペーストをスクリーン印刷により塗布した後焼成して形成されるため、発熱用抵抗体を長くして形成するほど、長さ方向にわたる場所によるシート抵抗値にバラツキが生じやすく、発熱時の温度ムラが生じやすくなるという問題がある。また、発熱用抵抗体のシート抵抗自体はほぼ均一でも、加熱ヘッドが搭載される機器などにより長い発熱用抵抗体の長さ全体で均一な温度にならない場合もあるという問題もあり、長い帯状の発熱用抵抗体を使用した加熱ヘッドの場合、発熱用抵抗体の長手方向全体にわたって均一な発熱温度を得ることは極めて困難である。
このように、帯状の発熱用抵抗体の長手方向にわたり部分的に高温部と低温部が生じて発熱温度のバラツキ(ムラ)が生じると、たとえばリライタブル記録媒体の記録を消去する場合に、完全に消去できる部分とできない部分が生じてしまう。
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、発熱用抵抗体の長さを長くしても、その長手方向全体にわたる発熱温度を均一化する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、抵抗ペーストをスクリーン印刷により帯状にパターン印刷し、その後焼成することにより発熱用抵抗体(発熱抵抗体層)を形成する場合に、その幅方向の断面形状が、中央部の厚みが厚く、両端部の厚みが薄い、略山状(蒲鉾状)に形成されることに着目した。また、リライタブル記録媒体等の被加熱物を発熱抵抗体層により加熱する場合、発熱抵抗体層の中央部(頂部)若しくはその直上の保護コート層に被加熱物を当接することにより行なわれることにも着目した。そこで、被加熱物の加熱に影響の少ない発熱用抵抗体の両端部を長手方向にわたって部分的に除去することにより抵抗値を調整し発熱温度を調整することにより、リライタブル記録媒体の記録の消去に影響を与えることなく、発熱温度のバラツキを均一化できることを見出した。
すなわち、本発明の加熱ヘッドの製造方法は、支持基板上に抵抗ペーストを帯状にパターン印刷する印刷工程と、支持基板上にパターン印刷された抵抗ペーストを焼成して発熱抵抗体層とする焼成工程と、焼成された帯状の発熱抵抗体層の幅方向の端部を長さ方向に沿って部分的に除去することにより、発熱抵抗体層の長さ方向における発熱温度の調整を行う発熱温度調整工程とを有することを特徴とする。
上記加熱ヘッドの製造方法において、発熱温度調整工程を、予め測定した帯状の発熱抵抗体層の長さ方向における発熱温度分布に基づいて、帯状の発熱抵抗体層の幅方向の端部を長さ方向に沿って部分的に除去するようにして行ってもよい。
また、本発明の加熱ヘッドの発熱温度調整方法は、支持基板上に帯状且つ幅方向における断面が略山状に形成された発熱抵抗体層を有する加熱ヘッドの発熱抵抗体層の長さ方向の発熱温度の調整を行うための発熱温度調整方法であって、発熱抵抗体層の幅方向の端部を長さ方向に沿って部分的に除去することを特徴とする。
上記加熱ヘッドの発熱温度調整方法において、予め測定した発熱抵抗体層の長さ方向における発熱温度分布に基づいて、発熱抵抗体層の幅方向の端部を長さ方向に沿って部分的に除去していくようにしてもよい。
さらに、本発明は、上記加熱ヘッドの製造方法又は発熱温度調整方法で製造又は調整された加熱ヘッドをも包含する。
発熱抵抗体層を、抵抗ペーストをパターン印刷し焼成する、所謂厚膜形成した場合には、形成断面が、中央部の厚みが厚く、端部の厚みが薄い略山状に形成される。この厚膜技術により発熱抵抗体層を帯状に形成すると、幅方向の断面形状が略山状もしくは蒲鉾状の細長い層として形成される。この帯状且つ断面略山状の発熱抵抗体層の長さ方向に直行する方向にシート状のリライタブル記録媒体などの被加熱物を移動させ、発熱抵抗体層に直接的にもしくは保護コート層を介して間接的に接触させて加熱を行うと、発熱抵抗体層の幅方向の中央部(頂部)は被加熱物の表面に直接又は間接的に当接して加熱することとなるが、発熱抵抗体層の幅方向両端部は中央部に比して厚みが薄くなっているので被加熱物の表面に接触しないかもしくは離れて位置することになり、中央部に比べ被加熱物の加熱に対する影響が小さい。本発明の方法では、この帯状の発熱抵抗体層の幅方向の両端部もしくは一方端部を部分的に削り取り抵抗値を調整することにより、長さ方向にわたる発熱温度を均一に近づけるようにし、加熱に大きな影響を与える重要な部分である、帯状の発熱抵抗体層の幅方向の中央部(加熱部)は、そのままとしているので、極めて均一に近い温度で被加熱物を加熱することができるのである。
また、帯状の発熱抵抗体層の幅方向の両端部は、厚みが薄いので、発熱温度を調整するために部分的に削り取ってその近傍の抵抗値を変化させる場合に、厚みが厚い中央部よりも抵抗値の微調整を行い易いという利点もあり、発熱温度の調整に好都合である。
帯状の発熱抵抗体層の幅方向の端部を長さ方向に沿って部分的に除去する(削り取る)仕方としては、たとえば線状、点状、これらの組合せなどの除去形状に加え、その大きさ(大小)や深さ(浅い深い)を制御して行うことができ、その加工方法としても、たとえばサンドブラスト研磨加工、超音波研磨加工、CO2レーザー、YAGレーザーを用いたレーザー研削加工、ニードル様の先端の細い切削刃や回転刃を用いて削り取るなど公知の方法を広く使用することができるが、なかでもレーザー研削加工は制御が容易で好ましい。
さらに、予め測定した帯状の発熱抵抗体層の長さ方向における発熱温度分布に基づいて発熱抵抗体層の部分除去加工を行う場合は、測定した発熱温度分布により温度ムラが生じている長さ(部分)を決め、それに応じた除去位置を決め、その上で抵抗値の変化量(調整量)に応じた除去形状(形と大きさ)、除去深さを決めてから加工することができる。この除去加工中、温度や抵抗値の変化をモニタリングしてもよい。温度測定は、たとえば発熱抵抗体層を発熱させておき、熱赤外線画像解析法(サーモグラフ)による温度測定、発熱抵抗体層に沿わせて形成した温度測定用の抵抗体層の抵抗値測定により行うことができる。またモニタリングは、上記方法に加え、通電用の電極層等を用いて全長抵抗値変化を測定しながらでも行うことができる。
本発明によれば、帯状の発熱抵抗体層の長さ方向の全長にわたる発熱温度のバラツキ(ムラ)を低減又は解消できるので、長い幅をほぼ均一な温度で加熱できる、特に大きいサイズの被加熱物に対して好適な加熱ヘッドを提供することができる。
本発明による加熱ヘッドを用いれば、広い幅であってもほぼ均一な温度で加熱できるので、リライタブル記録媒体の記録の消去ムラをなくし、ほぼ完全な消去を行うことができる。また、広い幅の被印刷物の表面にアンダーコート又はオーバーコートを形成する際の加熱においても、ほぼ均一な温度で加熱できるので、ムラのない均質なコートを形成することができる。
さらに、全長にわたってほぼ均一な温度で加熱することができるので、リライタブル記録媒体の記録を消去する速度、アンダーコートなどの層形成時に加熱する速度など処理速度を向上することができる。
帯状の発熱抵抗体層の全長にわたって発熱温度調整をすることができるので、同条件で形成した発熱抵抗体層であっても異なる発熱温度とし得る。
また、部分的に発熱温度を異ならせることができるので、リライタブル記録媒体の記録層を部分的に異なるものにできるなど、リライタブル記録媒体の多様化に寄与することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の加熱ヘッドの製造方法、発熱温度調整方法およびこれら方法による加熱ヘッドについて説明をする。図1は、電極層形成工程を説明するためのものであり、ヘッド基板(支持基板)1の上面に電極層2を形成した状態を示す平面図を模式的に表したものである。この図に示すように、生産性を考慮して、平面形状がほぼ長方形状のヘッド基板1が複数集合した大きい基板を用いており、後述するように各ヘッド基板1を区画するスリット溝1Aにより折り分けることにより、ヘッド基板1を個々に独立させることができるようにしている。電極層2、2は、たとえばパラジウムの比率を小さくした銀・パラジウム合金(Agが多い程抵抗を低くすることができる)やAg-Pt合金などの良導電体からなり、これら合金を含む電極ペーストをスクリーン印刷によりパターン印刷した後、乾燥、焼成することにより、各ヘッド基板1の両端部に対となるようにして形成される。
ヘッド基板1は、たとえば長さ約220mm、幅約12mm、厚さ約1.0mm程度の略矩形状板からなり、その材質としてはある程度熱伝導性のあるもの、すなわち熱伝導率が0.5〜30W/K・m程度のもので、使用時の発熱温度条件において耐熱性を有し、後述する発熱抵抗体層を設ける面が絶縁性を有するもの、たとえばアルミナ(熱伝導率:21W/K・m)などのセラミックス、石英ガラス(熱伝導率:1.4W/K・m)、ガラス(熱伝導率:0.8W/K・m)などを用いることができる。これは熱伝導率が低過ぎると連続動作をした場合に過熱(オーバーヒート)する危険性があり、熱伝導率が大きすぎると発熱抵抗体層の熱量が逃げやすいからである。この観点から、樹脂系材料、表面に絶縁膜が設けられたステンレスなどからなる金属板、ガラス系材料なども使用することができる。なお、本実施の形態では、ヘッド基板1として、アルミナ基板を用いることとする。
なお、電極層2、2は、ヘッド基板1の側面又はスルーホールを介して下面側へ引き出し、ヘッド基板1を配線基板上に搭載することにより、配線基板の端子に接続され、外部電源と接続される構造になっている。
次に、図2は、発熱抵抗体層形成工程を示すものであり、ヘッド基板1の上面に発熱抵抗体層3を形成した状態を示す平面図を模式的に表したものである。発熱抵抗体層3は、各ヘッド基板1に形成された一対の電極層2、2に跨るように、ヘッド基板1の長手方向に沿って帯状に形成される。このとき、両端部の電極層2、2は、発熱抵抗体層2の両端部と一部重なるようにしてそれぞれ電気的に接続される。
なお、ヘッド基板1の上面には、発熱抵抗体層3の下地として図示しないガラス層(グレーズ層)(熱伝導率:0.8W/K・m)が0.08mm程度の厚さに設けられ、その上に発熱抵抗体層3が設けられている。また、グレーズ層を、発熱抵抗体層3と同じ幅又はそれ以上として下層全体に形成してもよいし、幅方向中央部分のみの一部に形成してもよいが、コスト及び生産性などから同じ幅として形成するのが好ましい。
発熱抵抗体層3は、たとえばAg+Pd+ガラスなどを含む抵抗ペーストをスクリーン印刷によりパターン印刷し、乾燥、焼成することにより形成される。これにさらにRuO2などを加えたものを使用することもできる。焼成により形成されるAg-Pd合金からなる場合、シート抵抗として100mΩ/Sq〜500mΩ/Sq程度が得られ(配合、固形絶縁粉末の量、印刷する厚さ、焼成条件などによって異なる)、両者の比率により抵抗値や温度係数を変えることができる。発熱抵抗体層3の大きさは、たとえば幅約2.5mm、厚さ約25μmの直線状に形成され、その長さは約165mmで、シート抵抗値が約40mΩ抵抗(全抵抗2.7Ω程度)、抵抗温度係数を約1500ppm/℃(温度が100℃変化すると抵抗値が15%変化する)に形成されている。発熱抵抗体層3の発熱特性は、これに限定されず、自由に設定することができるが、発熱抵抗体層3の抵抗温度係数は正に高い方が好ましく、とくに1000〜3500ppm/℃の材料を用いることが、発熱抵抗体層3を用いてその温度を検出するのに好ましい。抵抗温度係数が正に高いということは、温度変化に対する抵抗値変化が大きいことであるから、発熱させた状態における抵抗値測定により基準抵抗値からのずれにより実際の発熱温度の推測が容易に精度よく行え、後述する発熱温度調整工程(除去工程)に有利である。発熱抵抗体層3により直接温度を測定しない場合でも、後述するように、温度測定用抵抗体を形成することにより発熱温度を測定することができる。
このようにして、ヘッド基板1上に形成されたグレーズ層(図示略)の上面に抵抗ペーストをパターン印刷し、焼成することにより形成(厚膜形成)された発熱抵抗体層3は、図3に示すように(図2のI−I断面図を模式的に示したもの)、幅方向の中央部領域3Aの厚みが、両端部領域3B、3Bの厚みよりも厚く、断面視略山状(蒲鉾状)に形成される。このような断面略山形状の発熱抵抗体層3を用いてリライタブル記録シートR(図中一点鎖線参照)の記録を加熱消去する場合、発熱抵抗体層3の長さ方向に対して直行する方向にリライタブル記録シートRを発熱抵抗体層に押し付けながら移動させつつ加熱を行うことになるから、リライタブル記録シートは発熱抵抗体層3の中央部領域3Aの部分から伝熱されることになり、両端部領域3B、3B(後述する除去加工可能領域)はシートの加熱消去にさほど影響しない。上述したように発熱抵抗体層3の幅d1を約2.5mmとした場合、発熱抵抗体層3の形成条件や、リライタブル記録シートRの種類、加熱消去時の押圧条件等にもよるが、中央部領域の幅d2を約2.0mmとすることができ、端部領域3Bの幅を約0.25mmとすることができる。なお、発熱抵抗体層3を複数積層することにより積層形成してもよい。すなわち、抵抗ペーストの印刷乾燥を繰り返すことにより積層し、その後焼成することで、厚みを厚くして同材料で抵抗値を低くして形成することができる。このとき、上の層の幅を下の層よりも狭くしつつ形成することにより、図4に示すように、幅方向の断面形状が段付きもしくは階段状の帯状の発熱抵抗体層3を形成することもできる。
次に、発熱抵抗体層3の幅方向の両端部領域3B、3Bを用いた発熱温度調整工程について説明する。図5は、大きい基板の状態で端部領域3Bに除去溝4を形成した様子を示した平面図を模式的に示した図であり、図6は大きい基板をスリット溝1Aにより分割して個々のヘッド基板1とした状態を示すもので、(a)平面図、(b)側面図及び(c)除去溝4形成部分を含む発熱抵抗体層3の部分拡大図である。
発熱温度のムラを軽減するための除去加工は、電極層3、3に通電することにより発熱抵抗体層3に電力印加して発熱させ、その長さ方向における平均温度、温度分布を測定しながら行ってもよいし、予め測定したデータに基づいて行ってもよい。平均温度及び温度分布の測定は、たとえば公知の熱赤外線画像分析法などで行うことができる。またこれの代替方法として、発熱抵抗体層3の温度係数を考慮した全体抵抗値、部分抵抗値の測定値から推測することにより行うことができる。
本実施の形態では、除去加工は、YAGレーザーを用い、発熱抵抗体層3を複数の領域に区切って、たとえば点状、線状などの除去溝4を形成することによって行っている。除去溝4は、端部領域3Bの発熱抵抗体層3を完全に除去していいし、下層部を残すように除去してもよい。また、ここでは、一方側の端部領域3Bにのみ除去溝4を設けるようにしているが、必要に応じて両側の端部領域3B、3Bに除去溝4を設けるようにしてもよい。さらに、端縁から除去し発熱抵抗体層3の幅寸法を狭くするように端縁から除去してもよいし、端部領域3B内に孔又は穴が形成されるように除去溝4を設けるようにしてもよい。また、レーザー光の吸収のよい緑色のガラス層を発熱抵抗体層3に薄くコートしたのちに除去加工を行うようにしてもよい。
なお、除去溝4の形状、大きさ及び深さは、修正する温度幅(抵抗値幅)や発熱抵抗体層3の材質により異なり、抵抗値変化の実験データまたは理論値により決定することができる。このように帯状の発熱抵抗体層3の発熱温度を測定し、発熱抵抗体層3の幅方向の端部を部分的に除去する工程を含む一連の発熱温度調整工程は、自動化を容易に行うことができる。また、除去加工をレーザーにより行うことで、短時間で加工を行うことができる。さらに、電極層2及び発熱抵抗体層3を形成するときの焼成は、それぞれの層2、3を印刷、乾燥した後に、一度の工程で行うこともできる。
このようにして除去加工された発熱抵抗体層3上には、必要に応じて、たとえばガラスなどの保護コート層を形成してもよい。
かくしてなる加熱ヘッドは、たとえば配線基板上に搭載されてユニットとされた上で、所定の装置に供せられることにより用いられる。
次に、別の実施の形態について説明する。図7に示すように、この実施の形態では、帯状の発熱抵抗体層3の発熱温度を測定するための抵抗体層6をヘッド基板1の上面において発熱抵抗体層3に沿って平行に形成するようにしている。
まず、先の実施の形態のときと同様にして、ヘッド基板1の上面の長手方向における両端部のそれぞれに電極層2、2をパターン印刷、乾燥、焼成して形成する。また、温度測定のための抵抗体層6用の電極層5A〜5Eを、電極層2、2からずらせたヘッド基板1の上面の位置に長手方向に沿って所定の間隔で一列となるようにパターン印刷、乾燥、焼成して配設する。発熱抵抗体層3用の電極層2、2と温度測定のための抵抗体層6用の電極層5A〜5Eとは、同時に印刷焼成して形成することができる。
次に、発熱抵抗体層3及び温度測定用の抵抗体層6を、ヘッド基板1の長手方向に沿って互いに所定の間隔を隔て平行するように帯状にパターン印刷、乾燥、焼成して形成する。発熱抵抗体層3は、ヘッド基板1の両端部の電極層2、2に跨るように上述の実施の形態のときと同サイズで直線状に形成され、これより狭い幅で抵抗体層6が、5つの電極層5A〜5Eを接続するように直線状に形成される。抵抗体層6は、電極層5A〜5Eにより4分割されて発熱抵抗体層3に対向して配置される。なお、この別の実施の形態では、抵抗体層6を電極層電極層5A〜5Eにより4分割するようにしたが、これに限定されることはく、適宜の数に分割すればよい。
そして、発熱抵抗体層3に電圧を印加して発熱させた状態で、電極層5A〜5Eにより4つに分割された温度測定用の抵抗体層6の各々の抵抗値を測定することにより、発熱抵抗体層3を長さ方向に4つに分割した領域ごとの発熱温度を知ることにより発熱抵抗体層3の温度分布(発熱温度のバラツキ)を求め、この測定結果に基づき、分割領域ごとの幅方向の端部領域3Bに除去溝4を形成して部分的に除去加工を行って、長さ方向全体の発熱温度を均一にすべく調整を行う。このとき、温度測定用の抵抗体層6側の端部領域3Bに除去溝4を設けるようにすれば、リライタブル記録媒体などの被加熱物を加熱する際に被加熱物の表面に曲がりが生じても、被加熱物が加工域(端部領域3B、除去溝4)に接触することを防止でき、所定の温度で加熱を行うことができるので、より好ましい。このようなことから、本発明において、帯状の発熱抵抗体層3の一方側又は両側に沿うようにして、端部領域3Bの厚みよりも厚い除去加工領域保護層を設けてもよい。
温度測定用の抵抗体層6は、上述したように、抵抗温度係数が正に高い材料、例えば1000〜3500ppm/℃の材料を用いることがより精度のよい温度測定を可能とする上で好ましい。
なお、温度測定用の抵抗体層を用いる方法は、特開2005−262850号公報、特開2005−305677号公報などでより詳細に公開している技術である。
このように、本発明によれば、発熱抵抗体層3が長くなっても長さ方向全体を均一温度に発熱させることができる。また、部分的に温度を上昇させるべく除去工程を適用すれば、部分的に異なる温度に発熱させることもできる。
ヘッド基板の上面に電極層を形成した状態を示す説明図である。 ヘッド基板の上面に発熱抵抗体層を形成した状態を示す説明図である。 図2のI−I断面を示す説明図である。 発熱抵抗体層3を2層の積層形成としたときの幅方向断面を示す説明図である。 発熱抵抗体層の幅方向の端部領域に除去溝を形成した様子を示す説明図である。 実施の形態の方法により製造された加熱ヘッドの(a)平面、(b)側面及び(c)除去溝形成部分を含む発熱抵抗体層の一部分を示す説明図である。 別の実施の形態の方法により製造された加熱ヘッドの平面を示す説明図である。 従来の加熱ヘッドの構成例を示す説明図である。
符号の説明
1 ヘッド基板
2、5A〜5E 電極層
3 発熱抵抗体層
3B 除去加工可能領域
4 除去溝
6 温度測定用抵抗体層

Claims (5)

  1. 支持基板上に抵抗ペーストを帯状にパターン印刷する印刷工程と、
    支持基板上にパターン印刷された抵抗ペーストを焼成して発熱抵抗体層とする焼成工程と、
    焼成された帯状の発熱抵抗体層の幅方向の端部を長さ方向に沿って部分的に除去することにより、発熱抵抗体層の長さ方向における発熱温度の調整を行う発熱温度調整工程とを有することを特徴とする加熱ヘッドの製造方法。
  2. 発熱温度調整工程は、予め測定した帯状の発熱抵抗体層の長さ方向における発熱温度分布に基づいて、帯状の発熱抵抗体層の幅方向の端部を長さ方向に沿って部分的に除去することを特徴とする請求項1に記載の加熱ヘッドの製造方法。
  3. 支持基板上に帯状且つ幅方向における断面が略山状に形成された発熱抵抗体層を有する加熱ヘッドの発熱抵抗体層の長さ方向の発熱温度の調整を行うための発熱温度調整方法であって、
    発熱抵抗体層の幅方向の端部を長さ方向に沿って部分的に除去することを特徴とする加熱ヘッドの発熱温度調整方法。
  4. 予め測定した発熱抵抗体層の長さ方向における発熱温度分布に基づいて、発熱抵抗体層の幅方向の端部を長さ方向に沿って部分的に除去していくことを特徴とする請求項3に記載の加熱ヘッドの発熱温度調整方法。
  5. 請求項1乃至4の方法で製造又は調整された加熱ヘッド。
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