JP2008021831A - 太陽電池、太陽電池ストリングおよび太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池、太陽電池ストリングおよび太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】インターコネクタ接続後の冷却工程において太陽電池に反りが生じた際の太陽電池の受光面におけるインターコネクタの接続部と非接続部との界面部分における太陽電池の割れの発生を低減することができる太陽電池、太陽電池ストリングおよび太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】半導体基板の第1主面上に、バスバー電極と、バスバー電極から伸びる複数の線状のフィンガー電極と、が備えられており、バスバー電極は、インターコネクタに接続するための第1接続部と、インターコネクタに接続されない第1非接続部と、を含み、第1接続部と第1非接続部とは交互に配列して形成されており、第1非接続部の表面形状は、第1接続部側の先端部が弧状となる形状である太陽電池、その太陽電池を含む太陽電池ストリングおよび太陽電池モジュールである。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池、太陽電池ストリングおよび太陽電池モジュールに関する。
太陽光エネルギを直接電気エネルギに変換する太陽電池は、近年、特に地球環境問題の観点から、次世代のエネルギ源としての期待が急激に高まっている。太陽電池としては、化合物半導体または有機材料を用いたものなど様々な種類があるが、現在、主流となっているのは、シリコン結晶を用いたものである。
図14に、従来の太陽電池の一例の模式的な断面図を示す。ここで、太陽電池においては、p型シリコン基板10の受光面にn+層11が形成されることによって、p型シリコン基板10とn+層11とによりpn接合が形成されており、p型シリコン基板10の受光面上には反射防止膜12および銀電極13がそれぞれ形成されている。また、p型シリコン基板10の受光面と反対側の裏面にはp+層15が形成されている。そして、p型シリコン基板10の裏面上にはアルミニウム電極14および銀電極16がそれぞれ形成されている。
図15(a)〜(i)に、従来の太陽電池の製造方法の一例を示す。まず、図15(a)に示すように、p型シリコン結晶の原料を坩堝で溶解した後に再結晶化して得られたシリコンインゴッド17をシリコンブロック18に切断する。次に、図15(b)に示すように、シリコンブロック18をワイヤソーで切断することにより、p型シリコン基板10が得られる。
次いで、アルカリまたは酸によってp型シリコン基板10の表面をエッチングすることによって、図15(c)に示すp型シリコン基板10のスライス時のダメージ層19を除去する。このとき、エッチング条件を調整すると、p型シリコン基板10の表面に微小な凹凸(図示せず)を形成することができる。この凹凸により、p型シリコン基板10の表面に入射する太陽光の反射が低減されて、太陽電池の変換効率を高めることができる。
続いて、図15(d)に示すように、p型シリコン基板10の一方の主面(以下、「第1主面」という)上にリンを含む化合物を含有したドーパント液20を塗布する。そして、ドーパント液20の塗布後のp型シリコン基板10を800℃〜950℃の温度で5〜30分間熱処理することによりp型シリコン基板10の第1主面にn型ドーパントであるリンが拡散して、図15(e)に示すように、p型シリコン基板10の第1主面にn+層11が形成される。なお、n+層11の形成方法としては、ドーパント液を塗布する方法以外にも、P25やPOCl3を用いた気相拡散による方法がある。
次いで、リンの拡散時にp型シリコン基板10の第1主面に形成されるガラス層を酸処理により除去した後、図15(f)に示すように、p型シリコン基板10の第1主面上に反射防止膜12を形成する。反射防止膜12の形成方法としては、常圧CVD法を用いて酸化チタン膜を形成する方法やプラズマCVD法を用いて窒化シリコン膜を形成する方法などが知られている。また、ドーパント液を塗布する方法によりリンを拡散する場合には、リンに加えて反射防止膜12の材料も含ませたドーパント液を用いることによって、n+層11と反射防止膜12とを同時に形成することもできる。また、反射防止膜12の形成は、銀電極の形成後に行なう場合もある。
そして、図15(g)に示すように、p型シリコン基板10の他方の主面(以下、「第2主面」という)上にアルミニウム電極14を形成するとともにp型シリコン基板10の第2主面にp+層15を形成する。アルミニウム電極14およびp+層15は、たとえば、アルミニウム粉末、ガラスフリット、樹脂および有機溶剤からなるアルミニウムペーストをスクリーン印刷などにより印刷した後に、p型シリコン基板10を熱処理することによって、アルミニウムが溶融してシリコンと合金化することにより形成されたアルミニウム−シリコン合金層下にp+層15が形成されるとともに、p型シリコン基板10の第2主面上にアルミニウム電極14が形成される。また、p型シリコン基板10とp+層15のドーパント濃度差が、p型シリコン基板10とp+層15の界面に電位差(電位障壁として働く)をもたらし、光生成されたキャリアがp型シリコン基板10の第2主面付近で再結合するのを防いでいる。これにより、太陽電池の短絡電流(Isc:short circuit current)および開放電圧(Voc:open circuit voltage)が共に向上する。
その後、図15(h)に示すように、p型シリコン基板10の第2主面上に銀電極16を形成する。銀電極16は、たとえば、銀粉末、ガラスフリット、樹脂および有機溶剤からなる銀ペーストをスクリーン印刷などにより印刷した後に、p型シリコン基板10を熱処理することによって得ることができる。
そして、図15(i)に示すように、p型シリコン基板10の第1主面上に銀電極13を形成する。銀電極13は、p型シリコン基板10との接触抵抗を含む直列抵抗を低く抑えるとともに銀電極13の形成面積を少なくして太陽光の入射量を減少させないようにするため、銀電極13の線幅、ピッチおよび厚さなどのパターン設計が重要である。銀電極13の形成方法としては、たとえば、反射防止膜12の表面上に銀粉末、ガラスフリット、樹脂および有機溶剤からなる銀ペーストをスクリーン印刷などにより印刷した後に、p型シリコン基板10を熱処理することによって、銀ペーストが反射防止膜12を貫通してp型シリコン基板10の第1主面と良好な電気的接触が可能なファイアスルー方式が量産ラインで用いられている。
以上のようにして、図14に示す構成の太陽電池を製造することができる。なお、銀電極13および銀電極16の形成後のp型シリコン基板10を溶融半田槽に浸漬することによって銀電極13および銀電極16の表面に半田をコーティングすることもできる。この半田のコーティングは、プロセスによっては省略される場合もある。また、上記のようにして製造された太陽電池にソーラシミュレータを用いて擬似太陽光を照射し、太陽電池の電流−電圧(IV)特性を測定してIV特性を検査することもできる。
太陽電池は、その複数が直列に接続されて太陽電池ストリングとされた後、太陽電池ストリングを封止材によって封止して太陽電池モジュールとして販売および使用されることが多い。
図16(a)〜(e)に、従来の太陽電池モジュールの製造方法の一例を示す。まず、図16(a)に示すように、太陽電池30の第1主面の銀電極上に導電性部材であるインターコネクタ31を接続する。
次に、図16(b)に示すように、インターコネクタ31が接続された太陽電池30を一列に配列し、太陽電池30の第1主面の銀電極に接続されているインターコネクタ31の他端を他の太陽電池30の第2主面の銀電極に接続して、太陽電池ストリング34を作製する。
次いで、図16(c)に示すように、太陽電池ストリングを並べて、太陽電池ストリングの両端から突出しているインターコネクタ31と、他の太陽電池ストリングの両端から突出しているインターコネクタ31とを導電性部材である配線材33を用いて直列に接続することによって、太陽電池ストリング同士を互いに接続する。
続いて、図16(d)に示すように、接続された太陽電池ストリング34を封止材としてのEVA(エチレンビニルアセテート)フィルム36で挟み込み、その後、ガラス板35とバックフィルム37との間に挟む。そして、EVAフィルム36間に入った気泡を減圧して抜き、加熱すると、EVAフィルム36が硬化して、太陽電池ストリングがEVA中に封止される。これにより、太陽電池モジュールが作製される。
その後、図16(e)に示すように、太陽電池モジュールは、アルミニウム枠40内に配置され、ケーブル39を備えた端子ボックス38が太陽電池モジュールに取り付けられる。そして、上記のようにして製造された太陽電池モジュールにソーラシミュレータを用いて擬似太陽光を照射し、太陽電池の電流−電圧(IV)特性を測定してIV特性が検査される。
図17の模式的平面図に、図14に示す太陽電池の受光面となるp型シリコン基板10の第1主面上に形成された銀電極13のパターンを示す。ここで、銀電極13は、比較的幅の大きい1本の線状のバスバー電極13aと、バスバー電極13aから伸びる複数の比較的幅の小さい線状のフィンガー電極13bと、から構成されている。
図18の模式的平面図に、図14に示す太陽電池の裏面となるp型シリコン基板10の第2主面上に形成されたアルミニウム電極14と銀電極16のパターンを示す。ここで、アルミニウム電極14はp型シリコン基板10の第2主面のほぼ全面に形成されており、銀電極16はp型シリコン基板10の第2主面の一部のみに形成されている。これは、アルミニウム電極14に半田をコーティングすることは困難であるため、半田をコーティングすることが可能な銀電極16が必要となることがあるためである。
図19に、図14に示す構成の太陽電池を直列に接続した太陽電池ストリングの模式的な断面図を示す。ここで、太陽電池の受光面のバスバー電極13aに半田などによって固定されたインターコネクタ31は、隣接する他の太陽電池の裏面の銀電極16に半田などによって固定されている。なお、図19においては、n+層とp+層の記載は省略されている。
特開2005−142282号公報
太陽光発電システムが急速に普及するにつれ、太陽電池の製造コストの低減は必要不可欠となっている。太陽電池の製造コストの低減において、半導体基板であるシリコン基板の大型化および薄型化は非常に有効な手段である。しかしながら、シリコン基板の大型化および薄型化に伴い、太陽電池ストリングを形成する際、太陽電池の受光面のバスバー電極と銅からなるインターコネクタとを半田などによって固定して接続する加熱工程後の冷却工程において、太陽電池のシリコン基板とインターコネクタとの熱膨張係数差(シリコンの熱膨張係数3.5×10-6/Kに対し、銅は17.6×10-6/Kであり5倍程度の差がある)により、インターコネクタが太陽電池よりも大きく収縮するため、太陽電池に反りが生じ、さらには、太陽電池のバスバー電極に接触している太陽電池の受光面に割れが発生することがあった。
そこで、特許文献1には、隣接する太陽電池を接続するインターコネクタに断面積が局部的に縮小された小断面積部を設ける方法が開示されている。上述したように、上記の加熱工程により加熱状態にあったインターコネクタおよび太陽電池は室温まで冷却する際に太陽電池に凹状の反りが発生する。その際、太陽電池には元の形状に戻ろうとする力(復元力)が発生し、この復元力はインターコネクタに対して引張り応力を加える。特許文献1に開示された方法によれば、インターコネクタに引張り応力が加えられたときに他の部分と比べて比較的強度の弱い小断面積部が延伸して、太陽電池の反りを低減することができるが、さらなる改善が望まれていた。
そこで、特許文献1に記載のインターコネクタを用いて図20に示す形状の受光面の電極および図21に示す形状の裏面の電極を有する太陽電池を接続して太陽電池ストリングを形成することによって、太陽電池の反りを低減することが考えられている。その太陽電池ストリングの一例の模式的な断面図を図22に示し、図22に示した太陽電池ストリングの受光面の模式的な拡大平面図を図23に示す。
ここで、図20に示すように、太陽電池のp型シリコン基板10の第1主面となる受光面の銀電極13は、比較的幅の大きい1本の線状のバスバー電極13aとバスバー電極13aから伸びる比較的幅の小さい複数の線状のフィンガー電極13bと、から構成されている。また、バスバー電極13aはインターコネクタに固定して接続するための線状の第1接続部51と、インターコネクタに接続されない空隙である第1非接続部42とからなっており、第1接続部51と第1非接続部42とがバスバー電極13aの長手方向に沿って交互に配列されている。ここで、第1接続部51および第1非接続部42の表面形状はそれぞれ矩形状となっている。
また、図21に示すように、アルミニウム電極14はp型シリコン基板10の第2主面のほぼ全面に形成されており、銀電極16はp型シリコン基板10の第2主面の一部のみに形成されている。ここで、銀電極16はインターコネクタに固定して接続するための第2接続部となり、銀電極16の間に位置するアルミニウム電極14はインターコネクタに接続されない第2非接続部14aとなる。なお、半導体基板としてのp型シリコン基板10の第2主面は、半導体基板としてのp型シリコン基板10の第1主面の反対側の主面となる。
また、図22に示すように、特許文献1に記載のインターコネクタを用いた太陽電池ストリングにおいては、太陽電池の受光面の第1接続部51に半田などによって固定されて接続されたインターコネクタ31が、隣接する他の太陽電池の裏面の銀電極16に半田などによって固定されて接続されている。なお、図22においては、n+層、p+層および反射防止膜の記載は省略されている。
また、図22および図23に示すように、インターコネクタ31の小断面積部41は、太陽電池の第1非接続部42および第2非接続部14aにそれぞれ配置されており、インターコネクタ31の小断面積部41は半田などによって固定されていない。したがって、インターコネクタ31に引張り応力が加えられたときに他の部分と比べて比較的強度の弱い小断面積部41が自由に延伸することができるために、太陽電池の反りを低減することができる。
しかしながら、この太陽電池ストリングにおいては、インターコネクタ接続後の冷却工程において太陽電池に反りが生じた際に、その反りに起因して、太陽電池ストリングを構成する太陽電池の受光面の第1接続部51と第1非接続部42との界面部分において太陽電池に割れが生じることがあったため、その改善が望まれていた。
上記の事情に鑑みて、本発明の目的は、インターコネクタ接続後の冷却工程において太陽電池に反りが生じた際の太陽電池の受光面におけるインターコネクタの接続部と非接続部との界面部分における太陽電池の割れの発生を低減することができる太陽電池、太陽電池ストリングおよび太陽電池モジュールを提供することにある。
本発明は、半導体基板の第1主面上に、バスバー電極と、バスバー電極から伸びる複数の線状のフィンガー電極と、が備えられており、バスバー電極は、インターコネクタに接続するための第1接続部と、インターコネクタに接続されない第1非接続部と、を含み、第1接続部と第1非接続部とは交互に配列して形成されており、第1非接続部の表面形状は、第1接続部側の先端部が弧状となる形状である太陽電池である。
ここで、本発明の太陽電池においては、第1非接続部の表面形状を、円状、楕円状またはトラック状とすることができる。
また、本発明の太陽電池においては、半導体基板の第1主面と反対側の第2主面上に、インターコネクタに接続するための第2接続部と、インターコネクタに接続されない第2非接続部と、を交互に形成することができる。
また、本発明の太陽電池においては、第1接続部と第1非接続部との配列方向における第1非接続部の長さが、その第1非接続部に半導体基板を挟んで向かい合う第2非接続部の第2接続部と第2非接続部との配列方向における長さよりも短いことが好ましい。
また、本発明は、上記の太陽電池が複数接続された太陽電池ストリングであって、互いに隣接する太陽電池において、第1の太陽電池の第1接続部と第2の太陽電池の第2接続部とが同一のインターコネクタに接続されている太陽電池ストリングである。
ここで、本発明の太陽電池ストリングにおいて、インターコネクタは、第1非接続部に対応する箇所および第2非接続部に対応する箇所の少なくとも1箇所に、インターコネクタの断面積が局部的に縮小された小断面積部が配置されていることが好ましい。
さらに、本発明は、上記の太陽電池ストリングが封止材によって封止されてなる、太陽電池モジュールである。
本発明によれば、インターコネクタ接続後の冷却工程において太陽電池に反りが生じた際の太陽電池の受光面におけるインターコネクタの接続部と非接続部との界面部分における太陽電池の割れの発生を低減することができる太陽電池、太陽電池ストリングおよび太陽電池モジュールを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
図1に本発明の太陽電池の一例の第1主面としての受光面の模式的な平面図を示す。この太陽電池はp型シリコン基板10の材質としてp型の単結晶シリコンが用いられており、太陽電池の受光面となるp型シリコン基板10の第1主面においては、紙面の上下方向に伸びる比較的幅の広い線状のバスバー電極13aと、バスバー電極13aから紙面の左右方向に伸びる複数の幅の狭い線状のフィンガー電極13bと、が備えられている。また、バスバー電極13aは、インターコネクタに固定して接続するための第1接続部51と、インターコネクタに接続されない空隙である第1非接続部42とが交互に配列して形成されている。
図2に、図1に示す太陽電池の第2主面としての裏面の模式的な平面図を示す。本発明の太陽電池の裏面となるp型シリコン基板10の第2主面においては、インターコネクタに接続するための第2接続部としての銀電極16と、インターコネクタに接続されない第2非接続部14aとが交互に形成されている。ここで、第2非接続部14aは、第2接続部としての銀電極16の長手方向に隣接する銀電極16の間のアルミニウム電極14からなる。
ここで、この太陽電池は、図1に示すように、第1非接続部42の表面形状が、第1接続部51側の先端部が弧状になっているトラック状(両端に弧状部を有し、その弧状部が2本の直線で結ばれている形状)とになっていることに特徴がある。これは、本発明者が鋭意検討した結果、第1接続部51と第1非接続部42との界面部分を弧状にすることによって、太陽電池ストリングの製造時におけるインターコネクタ接続後の冷却工程において太陽電池に反りが生じた際に、その反りに起因して、太陽電池の受光面の第1接続部51と第1非接続部42との界面部分における太陽電池の割れが発生するのを低減できることを見いだしたことによるものである。その理由は定かではないが、第1非接続部42の表面形状の先端部を弧状とすることによって、インターコネクタ接続後の冷却工程において太陽電池に反りが生じた際に太陽電池の第1接続部51と第1非接続部42との界面部分が受ける応力が分散されることによるものと推測される。
また、図3に、図1および図2のIII−IIIに沿った模式的な断面を示す。たとえば図1〜図3に示すように、本発明においては、第1接続部51と第1非接続部42との配列方向(図1の紙面の上下方向)における第1非接続部42の長さL1が、その第1非接続部42に向かい合う第2非接続部14aの、第2接続部と第2非接続部14aとの配列方向(図2の紙面の上下方向)における長さL2よりも短いことが好ましい。これは、本発明者が鋭意検討した結果、第1非接続部42の長さL1をその第1非接続部42にp型シリコン基板10を挟んで向かい合っている第2非接続部14aの長さL2よりも短くすることによって、太陽電池ストリングを構成する太陽電池の受光面の第1接続部51と第1非接続部42との界面の割れの発生をさらに低減することができることを見いだしたことによるものである。これは、第1非接続部42よりも長い第2非接続部14aを構成するアルミニウムが補強効果を有するため、インターコネクタ接続後の冷却工程において太陽電池に反りが生じた際の太陽電池の受光面の第1接続部51と第1非接続部42との界面部分における太陽電池の割れの発生をさらに低減できるものと考えられる。
なお、上記の効果を得るためには、第1非接続部42と第2非接続部14aの少なくとも1組がp型シリコン基板10を挟んで互いに向かい合っており、その向かい合っている第1非接続部42と第2非接続部14aの組のうち少なくとも1組において、第1非接続部42の長さL1が第2非接続部14aの長さL2よりも短くなっていればよい。
図4に本発明の太陽電池の他の一例の第1主面としての受光面の模式的な平面図を示し、図5に図4に示す太陽電池の第2主面としての裏面の模式的な平面図を示す。また、図6に図4および図5のVI−VIに沿った模式的な断面を示す。この太陽電池は、p型シリコン基板10の材質としてp型の多結晶シリコンが用いられていることに特徴がある。その他の説明は上記と同様である。
図7に、本発明の太陽電池ストリングに用いられるインターコネクタの一例の模式的な平面図を示す。ここで、インターコネクタ31は、インターコネクタ31の長手方向に垂直な断面の断面積が局所的に小さくなっている複数の小断面積部41を有している。なお、本発明において、「小断面積部」は、インターコネクタにおいて、インターコネクタの長手方向に直交する断面の面積が局部的に小さくなっている部分のことをいう。また、本発明において、インターコネクタは、導電性を有する部材であれば、その形状および材質は特に限定されない。
また、図8〜図10のぞれぞれに、本発明に用いられるインターコネクタの他の一例の模式的な平面図を示す。これらのインターコネクタ31についてもそれぞれ、インターコネクタ31の断面積が局部的に縮小された小断面積部41を有している。
図11に、図1に示す受光面および図2に示す裏面を有する太陽電池を直列に接続した本発明の太陽電池ストリングの一例の模式的な断面図を示し、図12に、図11に示す太陽電池ストリングを受光面側から見たときの模式的な拡大平面図を示す。
ここで、1本の導電性部材からなるインターコネクタ31の一端が第1の太陽電池80の第1接続部51と固定されて接続されており、そのインターコネクタ31の他端が第2の太陽電池81の第2接続部としての銀電極16と固定されて接続されている。また、インターコネクタ31は、インターコネクタ31の小断面積部41が第1の太陽電池80の受光面の第1非接続部42aおよび第2の太陽電池81の裏面の第2非接続部14aに配置されており、太陽電池の第1非接続部42および第2非接続部14aはそれぞれインターコネクタ31に固定されておらず、接続されていない。なお、インターコネクタ31は、太陽電池の端部において屈曲している。また、図11においては、反射防止膜の記載は省略されている。
本発明の太陽電池ストリングにおいては、太陽電池の第1非接続部42の表面形状の先端部が弧状となっていることから、上述したように、第1非接続部42の表面形状の先端部が弧状となっていないものと比べて、インターコネクタ接続後の冷却工程において太陽電池に反りが生じた際の太陽電池の受光面の第1接続部51と第1非接続部42との界面部分における太陽電池の割れの発生を低減することができる。
このような構成の本発明の太陽電池ストリングにおいては、太陽電池の第1非接続部42および第2非接続部14aはそれぞれインターコネクタ31に接続されていないことから、インターコネクタ31と太陽電池の第1接続部51および第2接続部である銀電極16との接続長さを低減することができる。このようにインターコネクタ31と太陽電池の第1接続部51および第2接続部である銀電極16との接続長さを低減した場合には、インターコネクタ31と太陽電池を構成するp型シリコン基板10との熱膨張係数差により発生する応力を低減することができるため、インターコネクタ接続後の冷却工程において太陽電池に生じる反りに起因する太陽電池の受光面の第1接続部51と第1非接続部42との界面部分における太陽電池の割れの発生をさらに低減することができる。
また、インターコネクタ31の小断面積部41が第1非接続部42に対応する箇所および第2非接続部14aに対応する箇所の少なくとも1箇所、好ましくはすべての箇所に配置されるようにインターコネクタ31を接続することによって、上述した応力の低減効果に加えて、インターコネクタ31の他の部分と比べて比較的強度が弱い小断面積部41が延伸してさらに応力が緩和する効果が加わることになる。すなわち、インターコネクタ31の小断面積部41が第1非接続部42および第2非接続部14aにそれぞれ配置された場合には、小断面積部41は固定されていないフリーな状態となっているため、自由に変形することができ、延伸による応力緩和効果を十分に発揮することができる。したがって、この場合には、インターコネクタ接続後の冷却工程において太陽電池に生じる反りに起因する太陽電池の受光面の第1接続部51と第1非接続部42との界面部分における太陽電池の割れの発生を大幅に低減することができる。
上記においては、図7に示すインターコネクタを用いて太陽電池ストリングを形成したが、小断面積部41が互いの間隔を等間隔にして形成されている図13の模式的な平面図に示すようなインターコネクタ31を用いて太陽電池ストリングを形成することもできる。このような互いに隣接する小断面積部41の間隔を等間隔としたインターコネクタを用いて太陽電池ストリングを形成した場合には小断面積部41の形成がより容易となるため、太陽電池ストリングの製造コストが低下し、太陽電池ストリングの生産性を向上することができる。
また、上記で説明したような本発明の太陽電池ストリングを従来から公知の方法によりEVAなどの封止材に封止することによって、本発明の太陽電池モジュールを作製することができる。
なお、上記の以外の説明は、上記の背景技術の欄における説明と同様であるが、その説明に限定されるものではない。たとえば、本発明においては、単結晶シリコンおよび多結晶シリコン以外の材質からなる半導体基板を用いてもよく、上記の背景技術の欄の説明のp型とn型の導電型を入れ替えてもよい。また、本発明においては、第1接続部および第2接続部は必ずしも銀電極である必要はない。
また、上記においては、第1非接続部の表面形状がトラック状である場合について説明したが、本発明においては第1非接続部の表面形状は、第1接続部と接する側の先端部が弧状であればその形状は特に限定されない。ただし、太陽電池ストリングを構成する太陽電池の受光面の第1接続部と第1非接続部との界面部分における太陽電池の割れの発生をより低減する観点からは、第1非接続部の表面形状は、第1接続部と接する側の先端部が弧状となる円状、楕円状またはトラック状であることが好ましい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明によれば、インターコネクタ接続後の冷却工程において太陽電池に反りが生じた際の太陽電池の受光面におけるインターコネクタの接続部と非接続部との界面部分における太陽電池の割れの発生を低減することができる太陽電池、太陽電池ストリングおよび太陽電池モジュールを提供することができる。
本発明の太陽電池の一例の第1主面としての受光面の模式的な平面図である。 図1に示す太陽電池の第2主面としての裏面の模式的な平面図である。 図1および図2のIII−IIIに沿った模式的な断面図である。 本発明の太陽電池の他の一例の第1主面としての受光面の模式的な平面図である。 図4に示す太陽電池の第2主面としての裏面の模式的な平面図である。 図4および図5のVI−VIに沿った模式的な断面図である。 本発明の太陽電池ストリングに用いられるインターコネクタの一例の模式的な平面図である。 本発明の太陽電池ストリングに用いられるインターコネクタの他の一例の模式的な平面図である。 本発明の太陽電池ストリングに用いられるインターコネクタの他の一例の模式的な平面図である。 本発明の太陽電池ストリングに用いられるインターコネクタの他の一例の模式的な平面図である。 図1に示す受光面および図2に示す裏面を有する太陽電池を直列に接続した本発明の太陽電池ストリングの一例の模式的な断面図である。 図11に示す太陽電池ストリングを受光面側から見たときの模式的な拡大平面図である。 本発明の太陽電池ストリングに用いられるインターコネクタの他の一例の模式的な平面図である。 従来の太陽電池の一例の模式的な断面図である。 従来の太陽電池の製造方法の一例を示す模式図である。 従来の太陽電池モジュールの製造方法の一例を示す模式図である。 図14に示す太陽電池の受光面となるp型シリコン基板の第1主面上に形成された銀電極のパターンを示す模式的な平面図である。 図14に示す太陽電池の裏面となるp型シリコン基板の第2主面上に形成されたアルミニウム電極と銀電極のパターンを示す模式的な平面図である。 図14に示す太陽電池を直列に接続した太陽電池ストリングの模式的な断面図である。 太陽電池の受光面の電極のパターンの一例を示す模式的な平面図である。 太陽電池の裏面の電極のパターンの一例を示す模式的な平面図である。 特許文献1に記載のインターコネクタを用いて図20に示す形状の受光面の電極および図21に示すパターンの裏面の電極を有する太陽電池を接続した太陽電池ストリングの一例の模式的な断面図である。 図22に示す太陽電池ストリングの受光面の模式的な拡大平面図である。
符号の説明
10 p型シリコン基板、11 n+層、12 反射防止膜、13,16 銀電極、13a バスバー電極、13b フィンガー電極、14 アルミニウム電極、14a 第2非接続部、15 p+層、17 シリコンインゴッド、18 シリコンブロック、19 ダメージ層、20 ドーパント液、30 太陽電池、31 インターコネクタ、33 配線材、34 太陽電池ストリング、35 ガラス板、36 EVAフィルム、37 バックフィルム、38 端子ボックス、39 ケーブル、40 アルミニウム枠、41 小断面積部、42 第1非接続部、51 第1接続部、80 第1の太陽電池 、81 第2の太陽電池。
また、本発明の太陽電池においては、第1接続部と第1非接続部との配列方向における第1非接続部の長さが、その第1非接続部に半導体基板を挟んで向かい合う第2非接続部の第2接続部と第2非接続部との配列方向における長さよりも短いことが好ましい。
また、本発明の太陽電池は、第1非接続部と半導体基板を挟んで向かい合う位置に第2非接続部が形成されていない部分を含んでいてもよい。
本発明は、半導体基板の第1主面上に、バスバー電極と、バスバー電極から伸びる複数の線状のフィンガー電極と、が備えられており、バスバー電極は、インターコネクタに接続するための第1接続部と、インターコネクタに接続されない空隙である第1非接続部と、を含み、第1接続部と第1非接続部とは交互に配列して形成されており、第1非接続部の表面形状は、第1接続部側の先端部が弧状となる形状である太陽電池である。また、本発明は、半導体基板の第1主面上に、バスバー電極と、バスバー電極から伸びる複数の線状のフィンガー電極と、が備えられており、バスバー電極は、インターコネクタに接続するための第1接続部と、インターコネクタに接続されない開口である第1非接続部と、を含み、第1接続部と第1非接続部とは交互に配列して形成されており、第1非接続部の表面形状は、第1接続部側の先端部が弧状となる形状である太陽電池である。また、本発明の太陽電池には、第1非接続部の両側に配置された第1接続部同士を第1非接続部を迂回して電気的に接続する迂回部が含まれていてもよい。

Claims (7)

  1. 半導体基板の第1主面上に、バスバー電極と、前記バスバー電極から伸びる複数の線状のフィンガー電極と、が備えられており、
    前記バスバー電極は、インターコネクタに接続するための第1接続部と、インターコネクタに接続されない第1非接続部と、を含み、
    前記第1接続部と前記第1非接続部とは交互に配列して形成されており、
    前記第1非接続部の表面形状は、前記第1接続部側の先端部が弧状となる形状であることを特徴とする、太陽電池。
  2. 前記第1非接続部の表面形状が、円状、楕円状またはトラック状であることを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池。
  3. 前記半導体基板の前記第1主面と反対側の第2主面上に、インターコネクタに接続するための第2接続部と、インターコネクタに接続されない第2非接続部と、が交互に形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の太陽電池。
  4. 前記第1接続部と前記第1非接続部との配列方向における前記第1非接続部の長さが、前記第1非接続部に前記半導体基板を挟んで向かい合う前記第2非接続部の、前記第2接続部と前記第2非接続部との配列方向における長さよりも短いことを特徴とする、請求項3に記載の太陽電池。
  5. 請求項3に記載の太陽電池が複数接続された太陽電池ストリングであって、互いに隣接する太陽電池において、第1の太陽電池の前記第1接続部と第2の太陽電池の前記第2接続部とが同一のインターコネクタに接続されている、太陽電池ストリング。
  6. 前記インターコネクタは、前記第1非接続部に対応する箇所および前記第2非接続部に対応する箇所の少なくとも1箇所に、前記インターコネクタの断面積が局部的に縮小された小断面積部が配置されていることを特徴とする、請求項5に記載の太陽電池ストリング。
  7. 請求項5または6に記載の太陽電池ストリングが封止材によって封止されてなる、太陽電池モジュール。
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