JP2008018129A5 - - Google Patents

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Description

食器洗い乾燥機
本発明は、キッチン等に設置され被洗浄物の収納及び自動洗浄、乾燥を行う食器洗い乾
燥機に関するものである。
従来、この種の食器洗い乾燥機は、洗浄終了後に被洗浄物を乾燥させるため外気を洗浄槽内に送風して洗浄槽内の高温度で多湿な空気を排出する構成としている(例えば、特許文献1参照)。
図7は、特許文献1に記載された従来の食器洗い乾燥機を示すものである。図7に示すように、被洗浄物を収納する洗浄槽1と、洗浄水を噴射する洗浄ノズル2と洗浄水を加圧する洗浄ポンプ3を有する洗浄手段4と、洗浄水を加熱する加熱手段5と、洗浄槽1に外気を送風する送風機6と、洗浄槽1内部の空気を排気する排気口7と、排気口7に設けた外気を混合させる排気補助手段8から構成されている。
特開2000−166847号公報
しかしながら、前記従来の構成では排気口に流入する高温高湿の主流が持つ流体力で新たな外気を副流として排気に混合させるもので、高温多湿の洗浄槽1内の排気の温度を低減できるものの、排出される風の熱風感を回避できるまで十分冷却するには風量が足りないという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、乾燥運転時において、洗浄槽内排気に十分な量の外気を混合し、排気の温度低減と排気内水分量の削減を促進して排気の快適性を高めた食器洗い乾燥機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の食器洗い乾燥機は、乾燥手段は、排気口の上流側に配置した外気と洗浄槽内気を混合する混合部と、外気と洗浄槽内気との混合割合を変化させる風量分配手段を備えたものである。
これによって、乾燥運転時において混合部を流れる外気と洗浄槽内気との流量割合を自在に分配設定できるので、温湿度を低減した排気による熱風感の確実な防止と乾燥性能の向上の両立ができる。
本発明の食器洗い乾燥機は、乾燥運転時に排出される温湿度を低減した排気による熱風感の確実な防止と乾燥性能の向上の両立ができる。
第1の発明は、被洗浄物を収納する洗浄槽と、洗浄水を被洗浄物に噴出循環させる洗浄手段と、洗浄水を加熱する加熱手段と、前記洗浄槽内部の湿気を排出する排気口と送風機を有する乾燥手段と、前記乾燥手段を制御する制御手段を備え、前記乾燥手段は、前記排気口の上流側に配置した外気と洗浄槽内気を混合する混合部と、外気と洗浄槽内気との混合割合を変化させる風量分配手段を備えたことにより、乾燥運転時は高温高湿の洗浄槽内の空気(洗浄槽内気)に対し充分量の外気を冷却用として混合部で混合し、排気の冷却と水分削減による排気の熱風感の防止と乾燥性能の向上との両立ができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の送風機は、風量分配手段の上流側に配置したことにより、一つの送風機で乾燥および排気冷却の共用化がなされ、小型・低コスト化ができ、また共用化により省電力化できる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の制御手段は、送風機の風量を変化させて外気と洗浄槽内気との混合割合を変化させるようにしたことにより、洗浄槽内気と外気との風量割合制御幅を拡大して排気温度の制御性を向上でき、さらに洗浄槽内気風量の増大により乾燥時間の短縮あるいは乾燥性能を向上できる。
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明の風量分配手段は、外気を混合部へ導入する外気通路と、送風機から洗浄槽を経て混合部に連通する洗浄槽内気通路と、前記外気通路と前記洗浄槽内気通路の開口面積を変化させる弁体部を備えたことにより、弁体部の開口位置に応じて通路抵抗が定まるとともに弁体部の開口位置の再現性を確保できるので、分配比率の制御性および安定性を向上できる。
第5の発明は、特に、第4の発明の風量分配手段は、送風機の運転開始時には外気通路側への風量が洗浄槽内気通路側への風量よりも多くなるようにしたことにより、多量の外気に少量の高温高湿の洗浄槽内気を混合させて排気することで乾燥開始時の高温排気を確実に防止でき、快適性を向上できる。
第6の発明は、特に、第4の発明の風量分配手段は、洗浄運転中あるいはすすぎ運転中は洗浄槽内気通路閉じるようにしたことにより、自然対流により洗浄槽内気が排気口から流出するのを低減して、湿気の流出低減による室内空間の快適性を向上と放熱の低減による省エネルギー化を向上できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態の食器洗い乾燥機の構成を示す断面図である。図1において、食器などの被洗浄物を収納する洗浄槽1の下方には、洗浄水を被洗浄物に噴出して循環させる洗浄ノズル2と洗浄水を加圧する洗浄ポンプ3を有する洗浄手段4と、洗浄水を加熱し昇温させる加熱手段5を配置している。また、洗浄槽1内の湿気を排出して洗浄槽1内を乾燥させるため外気を送風する送風機6、洗浄槽1内の湿気を排出する排気口7を乾燥手段9は有し、洗浄槽1にはその下方に外気を流入させる流入口10を設け、その上方には洗浄槽1内の空気(洗浄槽内気)を排出させる流出口11を設けている。
送風機6の下流側には風量を分配する風量分配手段12を接続し、この風量分配手段12の下流側には、外気を混合部13に導入する外気通路14と、洗浄槽1の流入口10、洗浄槽1、流出口11を経て混合部13に連通する洗浄槽内気通路15を配置している。また混合部13は、その出口側を排気口7に連通させ、混合部13の入口側を外気通路14および洗浄槽内気通路15である流出口11に連通させている。
このように、風量分配手段12の上流側に送風機6を配置し、排気口7の上流側には外気と洗浄槽内気を混合する混合部13を配置している。風量分配手段12は、外気通路14と洗浄槽内気通路15への流動抵抗を変化させて風量を分配するもので、混合部13における外気と洗浄槽内気との混合時の流量割合を変化させる。
制御手段16は乾燥手段9を制御するもので、送風機6の風量を制御する風量制御部17と、混合部13の下流側に設けた温度検知部18の検知温度を基に制御量を設定する温度制御部19を有している。
また、風量分配手段12は、外気通路14と洗浄槽内気通路15への開口面積を変化さ
せる弁体部20を設けて風量を分配するもので、制御手段16には温度制御部19の信号に応じて弁体部20の開度を制御する開度制御部21を備えている。
このように、乾燥手段9は排気口7および送風機6だけでなく、排気口7の上流側に配置した外気と洗浄槽内気を混合する混合部13と、外気と洗浄槽内気との混合割合を変化させる風量分配手段12を備えている。
洗浄槽1は、洗浄水を供給する給水弁22を備えた給水管23と、洗浄水を排水する排水弁24を備えた排水管25を設け、筐体26から引き出すことができるスライド体27に収納されている。このスライド体27には外部と連通する通気口28を設けている。
図2は、図1に示す風量分配手段12の弁体部20を示したもので、円筒面を持ち回動可能な弁体部20により外気通路14側と洗浄槽内気通路15側への開度を変化させるもので、ここでは洗浄槽内気通路15側は全閉止されるとともに外気通路14側は全開状態として示している。
以上のように構成された食器洗い乾燥機について、以下その動作、作用を説明する。まず、筐体26からスライド体27を引き出して被洗浄物である食器を洗浄槽1内に収納し、スライド体27を元に戻して洗浄を開始する。洗浄運転開始とともに給水弁22を開成して給水管23から洗浄槽1に給水し、所定量の給水が行われると給水弁22を閉成して給水停止し、加熱手段5および洗浄手段4である洗浄ポンプ3の運転により、洗浄ノズル2から温水を噴出させて被洗浄物である食器に噴きつけ循環させる。
洗浄水が噴出する反力で洗浄ノズル2が回転することで被洗浄物に洗浄水を行き渡らせ、洗浄性を高めている。ここでは加熱手段5を運転して温水で洗浄する場合を示したが、被洗浄物の汚れが弱い場合は加熱手段5を運転させずに給水温度で洗浄すれば良く、また、被洗浄物の汚れが強い場合は洗剤を入れて洗浄する。洗浄運転が終了すると排水弁24を開成して洗浄水を排水管25から筐体26の外部に排水し、排水し終わると排水弁24を閉成する。
次に行うすすぎ運転では洗剤を投入せずに、洗浄運転と同様に給水し、加熱手段5および洗浄ポンプ3の運転により洗浄ノズル2から温水を噴出させて被洗浄物である食器に噴きつけ循環させる。このすすぎ運転の後に行う被洗浄物を乾かす乾燥運転のため、すすぎ運転では被洗浄物を暖めておくのが好ましく、70℃〜80℃程度の高温水ですすぎ運転を実施すれば殺菌処理ができる。すすぎ運転終了後は洗浄運転終了時と同様に洗浄槽1内のすすぎ水を排水する。
次に行う乾燥運転では、すすぎ運転により高温高湿になっている洗浄槽1内の空気を排出して被洗浄物を乾かすため、送風機6を運転するとともに風量分配手段12で外気通路14と洗浄槽内気通路15に分流させ、外気を混合部13および洗浄槽1に送る。特に、高温水ですすぎ運転を行った場合は排気口7から洗浄槽1内の高温高湿の空気を直接排出しないように、送風機6の運転開始時には制御手段16の開度制御部21により外気通路14側への風量が洗浄槽内気通路15側への風量よりも多くなるように開口面積を制御する。
これにより、多量の外気に少量の高温高湿の洗浄槽内気を混合させた排気がなされるので、外気による洗浄槽内気の冷却性を高めて乾燥運転開始時に高温の排気が排出されるのを防止でき、また外気による洗浄槽内気の冷却時に洗浄槽内気の水分を凝縮させて排水することで排気中の水分を削減できるので、設置した室内などの空間の湿度アップを少なくして快適性を向上できる。
また、図2のように、弁体部20は送風機6の運転開始時には洗浄槽内気通路15側を全閉止状態として閉じるようにするとともに、外気通路14側を全開状態として徐々に洗浄槽内気通路15側を開けて行くことにより、多量の外気に少量の洗浄槽内気を混合させるように制御ができるので、排気口7から高温高湿の排気が排出されるのをいっそう確実に防止できる。さらに、洗浄運転あるいはすすぎ運転において洗浄槽内気通路15側は全閉止状態として閉じるようにすることで、自然対流により洗浄槽内気が排気口7から流出するのを低減して、湿気の流出低減による室内空間の快適性を向上と放熱の低減による省エネルギー化を向上できる。
さらに乾燥運転の進行に伴って、洗浄槽1内への外気の流入により洗浄槽内気の湿度が低下し、洗浄槽内気のエンタルピが下がるため排気口7から流出する排気の温度を所定値以下に冷却するに要する外気風量は少なくて済むようになる。従って、乾燥状態の進行に伴い混合部13への外気風量は少なくすることができ、その分を洗浄槽内気通路15側に振向けて洗浄槽1内への風量を増加させることで被洗浄物の乾燥性能を高めることができる。そこで、温度検知部18の検知温度を基に温度制御部19の信号により開度制御部21で風量分配手段12の弁体部20をステッピングモータ(図示せず)等で駆動して開度を変化させ、洗浄槽内気通路15側への風量割合を増加させて乾燥促進がなされる。
このため、混合部13での洗浄槽内気への外気混合および風量分配変化による排気温度の安定化と冷却促進で排気温度の熱風感の確実な防止と、洗浄槽内空気の冷却時に発生する結露により洗浄槽内気中にあった水分の削減による排気の湿度低減の促進ができる。さらに、風量分配を可変とすることで高温排気の防止と乾燥性能の確保の両立ができる。
また、回動する弁体部20が停止している開口位置により各通路への通路抵抗が一義的に定まるとともに弁体部の開口位置の再現性を確保できるので、分配比率の制御性および安定性を向上できる。
ここまでは、乾燥運転時に加熱手段5を運転せずにすすぎ運転時の被洗浄物が持つ余熱を利用して乾燥させる場合を説明したが、乾燥運転時に加熱手段5を運転することで、洗浄槽1内に流入口10から流入した外気を加熱昇温させることにより乾燥を促進できるのは言うまでも無く、加熱手段5近傍の風速を高く保つほど加熱手段5の出力を大きくして乾燥性能を高めることが可能となる。
特に、乾燥運転時に送風機6の風量を風量制御部17で変化させることで、風量分配手段12の分配状態に関わらず洗浄槽内気通路15側への風量は所定値以上を確保し、流入口10での風速を高めて加熱手段5での熱伝達を促進できる。このため、洗浄槽内気と外気との風量割合制御幅を拡大して排気温度の制御性を向上でき、さらに洗浄槽内気風量の増大により乾燥時間の短縮あるいは乾燥性能を向上できる。
また、制御手段16の風量制御部17で送風機6の風量を制御する場合、あるいは、制御手段16の開度制御部21で風量分配手段12の弁体部20の開度を制御する場合のいずれの場合でも、一つの送風機6の風を分配して排気冷却および乾燥がなされるので、小型・低コスト化ができ、また共用化により省電力化がなされる。
図3は、風量分配手段12の弁体部20を回動させて開度を変化させた場合を示したもので、洗浄槽内気通路15側の開度を大きくし外気通路14側の開度を小さくして、図中矢印で示すように、洗浄槽内気通路15側の流量は外気通路14側の流量よりも多くしている。このため洗浄槽1内への風量が増加し、被洗浄物の乾燥が促進できて乾燥性能を向上できる。また、このように弁体部20の移動により片側の開度が増加した分、他方の開
度が低下する構成とすることで送風機6への通風抵抗をほぼ一定に保つことで、送風機6の使用動作点を安定化し、風量変化を押えることで排気温度の制御性を高めることができる。
なお、温度検知部18の検知温度を基に制御手段16の風量制御部17で送風機6の風量を制御する場合および風量分配手段12の風量分配を変化させる場合を示したが、乾燥運転経過時間により風量分配を変化させることは可能であり、温度検知部18を省いて低コスト化できるのは言うまでも無い。
以上のように、本実施の形態においては、乾燥手段は、排気口の上流側に配置した外気と洗浄槽内気を混合する混合部と、外気と洗浄槽内気との混合割合を変化させる風量分配手段を備えたことにより、乾燥時は高温高湿の洗浄槽内の空気(洗浄槽内気)に対し充分量の外気を冷却用として混合部で混合し、排気の冷却と水分削減による排気の熱風感の防止と乾燥性能の向上との両立ができる。
また、送風機を風量分配手段の上流側に配置したことにより、一つの送風機で乾燥および排気冷却の共用化がなされ、小型・低コスト化ができ、また共用化により省電力化できる。
また、制御手段は、送風機の風量を変化させて外気と洗浄槽内気との混合割合を変化させるようにしたことにより、洗浄槽内気と外気との風量割合制御幅を拡大して排気温度の制御性を向上でき、さらに洗浄槽内気風量の増大により乾燥時間の短縮あるいは乾燥性能を向上できる。
また、風量分配手段は、外気を混合部へ導入する外気通路と、送風機から洗浄槽を経て混合部に連通する洗浄槽内気通路と、前記外気通路と前記洗浄槽内気通路の開口面積を変化させる弁体部を備えたことにより、弁体部の開口位置に応じて通路抵抗が定まるとともに弁体部の開口位置の再現性を確保できるので、分配比率の制御性および安定性を向上できる。
また、風量分配手段は、送風機の運転開始時には外気通路側への風量を洗浄槽内気通路側への風量よりも多くなるようにしたことにより、多量の外気に少量の高温高湿の洗浄槽内気を混合させて排気することで乾燥開始時の高温排気を確実に防止でき、快適性を向上できる。
また、風量分配手段は、洗浄運転中あるいはすすぎ運転中は洗浄槽内気通路を閉じるようにしたことにより、自然対流により洗浄槽内気が排気口から流出するのを低減して、湿気の流出低減による室内空間の快適性を向上と放熱の低減による省エネルギー化を向上できる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の第2の実施の形態の風量分配手段の構成図である。図4において、図1〜図3の実施の形態と同一部材、同一機能は同一符号を付し詳細な説明は省略し、異なるところを中心に説明する。
風量分配手段12は、流動する流体(図中矢印で示す)の圧力、即ち送風機6の風圧で開度が変化するダンパー29としたもので、外気通路14と洗浄槽内気通路15の各通路のうち少なくとも洗浄槽内気通路15に設けて洗浄槽内気通路15側の通路抵抗が外気通路14側よりも大きくなるようにし、外気通路14側への風量が洗浄槽内気通路15側より多くなるようにしている。
ここでは、外気通路14に配置した複数枚のダンパー29a、29aと洗浄槽内気通路15に配置した複数枚のダンパー29b、29bを外気通路14と洗浄槽内気通路15の両通路に設けている。このダンパー29の支点30はその重心より上方に配置して支持し、垂直面より若干傾けた弁座31で受けるようにして自重によりダンパー29は閉成する構成としている。
また、ダンパー29の開成を開始する流体圧は洗浄槽内気通路15よりも外気通路14側を低く設定するため、外気通路14のダンパー29aの厚さT1は洗浄槽内気通路15のダンパー29bの厚さT2より薄く(T1<T2)形成し、外気通路14側のダンパー29aは洗浄槽内気通路15側のダンパー29bよりも軽くしている。
また、各通路に複数枚のダンパー29a、29a、29b、29bを設けることで、ダンパー29の支点30からの長さL1、L2を短くでき、ダンパー29の全開時でもより小さいスペースに収納できるので風量分配手段12の小型化ができる。さらに、各通路の断面積を大きくすることが容易になる。
図4では、送風機6の運転により高まった風圧により外気通路14のダンパー29aが開成を開始し、洗浄槽内気通路15のダンパー29bはまだ閉止している状態を示しており、送風機6から送られた外気は図中矢印で示すように外気通路14側に流れている。
図5は、制御手段16の風量制御部17で送風機6の風量を図4での風量よりも増加させて風圧を高めることにより、洗浄槽内気通路15のダンパー29bが開成を開始した状態を示しており、送風機6から送られた外気は外気通路14と洗浄槽内気通路15の両方に流れ、外気通路14側の風量は図中矢印の大きさで示すように洗浄槽内気通路15側より多く流れている。
図6は、制御手段16の風量制御部17で送風機6の風量を図5での風量よりもさらに増加させて風圧をさらに高めることにより、外気通路14側および洗浄槽内気通路15側のダンパー29a、29bが共に全開になった状態を示しており、外気通路14と洗浄槽内気通路15への流量分配は風量分配手段12では決まらず各通路での排気口7までの全圧損でそれぞれ決まる状態となる。
ここでは、洗浄槽内気通路15側の通路圧損を外気通路14側よりも小さくしたもので、洗浄槽内気通路15を形成する洗浄槽1の断面積は充分大きいため、洗浄槽内気通路15の通路抵抗を外気通路14の通路抵抗より小さくする設計は容易であり、外気通路14の長さを長くすることや、所定流量以上では通路抵抗が増大する抵抗部(図示せず)を設けることで、乾燥運転の進行に伴い運転途中で洗浄槽内気通路15側のダンパー29bが全開したときには、洗浄槽内気通路15側の風量が外気通路14側の風量より多くしている。
以上のように構成された食器洗い乾燥機において、以下その動作、作用を説明する。洗浄およびすすぎ運転は前述の通りであり、乾燥運転では、乾燥運転開始とともに送風機6を運転して風量分配手段12に外気を送り込む。まず、洗浄槽内気通路15側にだけダンパー29を設けた場合では、外気通路14側の通路抵抗が少ないので外気通路14側への風量が洗浄槽内気通路15側より多くなり、混合部13で多い風量の外気に少ない風量の高温高湿の洗浄槽内気を混合し、冷却と水分削減をした排気を排気口7から流出させる。このように洗浄槽内気通路15側にだけダンパー29を設けることにより、送風機6から排気口7までの通路抵抗を小さくでき、送風機6の小型化、低入力化できる。
次に、外気通路14と洗浄槽内気通路15の両方にダンパー29を設けた場合、送風機6の運転時に風量を変化させても外気通路14と洗浄槽内気通路15への分配は流体圧に応じてなされ、上記のように冷却と水分削減をした排気を排気口7から流出させるので、構成の簡素化と低コスト化ができる。
さらに、ダンパー29が開成を開始する流体圧は洗浄槽内気通路15側よりも外気通路14側を低くしているので、外気通路14側の風が洗浄槽内気通路15側よりも先に流れ始めさせ、排気口7から流出する排気の排気温度は外気温度から徐々に上がる状態にでき、排気温度のオーバーシュートによる高温排気が防止される。
また、ダンパー29は流体圧に応じて開成し、流体圧が低下した場合はダンパー29の自重により閉成するので、開成を開始する条件の確実な設定と流体圧が下がると確実に閉止ができるので、動作の信頼性を確保でき、構成の簡素化と低コスト化ができる。
また、制御手段16の風量制御部17で送風機6の風量を制御するに際して、外気通路14側および洗浄槽内気通路15側のダンパー29a、29bが共に全開状態(図6に示す)に至らない状態、即ち洗浄槽内気通路15側のダンパー29bが全開しない風量の場合は、外気通路14側の風量は洗浄槽内気通路15側の風量より多くなり、風量分配部を簡素化した構成において制御手段16の風量制御部17で送風機6の風量制御でより確実な風量分配動作を実現でき、簡素化による低コスト化と動作の信頼性向上を両立できる。
また、制御手段16の風量制御部17で送風機6の風量を制御するに際して、外気通路14側および洗浄槽内気通路15側のダンパー29a、29bが共に全開状態(図6に示す)に至らない状態、即ち、洗浄槽内気通路15側のダンパー29bが全開しない風量の場合は、外気通路14側の風量は洗浄槽内気通路15側の風量より多くなり、かつ、風量をさらに増大させて運転途中で洗浄槽内気通路15側のダンパー29bが全開したときには、洗浄槽内気通路15側の風量が外気通路14側の風量よりも多くすることで、風量分配部を簡素化した構成において制御手段16の風量制御部17で送風機6の風量制御でより確実な風量分配動作を実現でき、簡素化による低コスト化と動作の信頼性向上を両立でき、さらに両通路のダンパー29a、29bが共に全開状態となる風量以上では洗浄槽内気通路15側の風量を多くなり乾燥性能が高まるので、送風機6の風量が少ない場合から充分大きい領域まで全風量域にわたり送風機の能力を有効に活用でき、風量制御幅の拡大による乾燥性能を向上できる。
なお、ダンパー29はその自重により閉止する構成を示したが、バネなどで付勢することで閉止力を与えても良く、バネの付勢力により取付姿勢の自由度を向上できる。またダンパー29は外気通路14と洗浄槽内気通路15の各通路に複数枚を配置する場合を示したが、各通路に一枚で形成しても良いのは言うまでも無く、より低コスト化できる。
また、ダンパー29は形状である厚さを変えて自重を変える場合を示したが、重りを付与したり比重の異なる材料に変えても良いのは言うまでも無い。
以上のように、本実施の形態においては、風量分配手段を風量分配手段は、送風機の風圧で開度が変化するダンパーを洗浄槽内気通路に備えたことにより、通路抵抗を小さくでき、送風機の小型化・低入力化ができる。
また、本実施の形態の風量分配手段は、送風機の風圧で開度が変化するダンパーを外気通路と洗浄槽内気通路の両方に備えたことにより、流体圧に応じた流量分配がなされるので、構成の簡素化と低コスト化ができる。
また、本実施の形態のダンパーは、開成を開始する風圧を洗浄槽内気通路側よりも外気通路側を低く設定したことにより、乾燥開始時に外気通路側の風が洗浄槽内気通路側よりも先に流れ始めさせ、排気温度は外気温度から徐々に上がる状態にできるため、排気温度のオーバーシュートによる高温排気を防止する。
また、本実施の形態のダンパーは、支点を重心より上方に配置して自重により閉成する構成とし、外気通路側は洗浄槽内気通路側よりも重量を軽くしたことにより、確実な閉止がなされ、また開成を開始する条件の確実な設定がなされて動作の信頼性を確保できるとともに、構成の簡素化と低コスト化ができる。
また、本実施の形態の制御手段は、送風機の運転開始時には洗浄槽内気通路側のダンパーが全開しない風量に設定し、外気通路側の風量を洗浄槽内気通路側の風量より多くしたことにより、風量分配手段を簡素化した構成においてより確実な風量分配動作を実現できるので、簡素化による低コスト化と動作の信頼性向上を両立できる。
また、本実施の形態の制御手段は、送風機の運転開始時には洗浄槽内気通路側のダンパーが全開しない風量に設定し、外気通路側の風量を洗浄槽内気通路側の風量より多くし、かつ、運転途中で洗浄槽内気通路側のダンパーが全開したときには、洗浄槽内気通路側の風量が外気通路側の風量より多くしたことにより、風量分配手段を簡素化した構成においてより確実な風量分配動作を実現できるので、簡素化による低コスト化と動作の信頼性向上を両立でき、さらに風量制御幅の拡大による乾燥性能の向上ができる。
以上のように、本発明にかかる食器洗い乾燥機は、乾燥時の排気温度の熱風感の確実な防止と発生する高温高湿の空気条件に応じた冷却ができるので、蒸気を発生する炊飯器や電気湯沸し器などの家庭用機器などに適用することができる。
本発明の実施の形態1における食器洗い乾燥機の構成図 同食器洗い乾燥機の風量分配手段の断面図 同食器洗い乾燥機の風量分配手段の他の状態を示す断面図 本発明の実施の形態2における風量分配手段の断面図 同食器洗い乾燥機の風量分配手段の他の状態を示す断面図 同食器洗い乾燥機の風量分配手段の他の状態を示す断面図 従来の食器洗い乾燥機の構成図
符号の説明
1 洗浄槽
4 洗浄手段
5 加熱手段
6 送風機
7 排気口
9 乾燥手段
12 風量分配手段
13 混合部
14 外気通路
15 洗浄槽内気通路
16 制御手段
20 弁体部
29 ダンパー

Claims (6)

  1. 被洗浄物を収納する洗浄槽と、洗浄水を被洗浄物に噴出循環させる洗浄手段と、洗浄水を加熱する加熱手段と、前記洗浄槽内部の湿気を排出する排気口と送風機を有する乾燥手段と、前記乾燥手段を制御する制御手段を備え、前記乾燥手段は、前記排気口の上流側に配置した外気と洗浄槽内気を混合する混合部と、外気と洗浄槽内気との混合割合を変化させる風量分配手段を備えた食器洗い乾燥機。
  2. 送風機は、風量分配手段の上流側に配置した請求項1記載の食器洗い乾燥機。
  3. 制御手段は、送風機の風量を変化させて外気と洗浄槽内気との混合割合を変化させるようにした請求項1または2記載の食器洗い乾燥機。
  4. 風量分配手段は、外気を混合部へ導入する外気通路と、送風機から洗浄槽を経て混合部に連通する洗浄槽内気通路と、前記外気通路と前記洗浄槽内気通路の開口面積を変化させる弁体部を備えた請求項1〜3のいずれか1項に記載の食器洗い乾燥機。
  5. 風量分配手段は、送風機の運転開始時には外気通路側への風量を洗浄槽内気通路側への風量よりも多くなるようにした請求項4記載の食器洗い乾燥機。
  6. 風量分配手段は、洗浄運転中あるいはすすぎ運転中は洗浄槽内気通路を閉じるようにした請求項4記載の食器洗い乾燥機。
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