JP2008017545A - 常時給電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ケースからの弾性部材の先端側の飛び出しを防止し、弾性部材でワイヤハーネスを確実に付勢して余長吸収させ、ケースの小型化をも図る。
【解決手段】ケース2内にワイヤハーネス19を屈曲状に収容しつつ弾性部材3で余長吸収方向に付勢した常時給電装置1で、弾性部材の先端側に従動部10を設け、ケースに、従動部を係合させて弾性部材の伸縮方向に案内する少なくとも湾曲状のガイド部6を設けた。弾性部材3の先端側のハーネス支持キャップ4に従動部10を設けた。ガイド部6を、弾性部材3の縮み方向に順に配置された湾曲状部分7と真直部分8とで構成した。ガイド部6はガイド溝で、従動部10は突部であることが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】ケース2内にワイヤハーネス19を屈曲状に収容しつつ弾性部材3で余長吸収方向に付勢した常時給電装置1で、弾性部材の先端側に従動部10を設け、ケースに、従動部を係合させて弾性部材の伸縮方向に案内する少なくとも湾曲状のガイド部6を設けた。弾性部材3の先端側のハーネス支持キャップ4に従動部10を設けた。ガイド部6を、弾性部材3の縮み方向に順に配置された湾曲状部分7と真直部分8とで構成した。ガイド部6はガイド溝で、従動部10は突部であることが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、ケース内でワイヤハーネスを弾性部材で余長吸収方向に付勢する常時給電装置に関するものである。
図5〜図6は、自動車のスライドドアに搭載される従来の常時給電装置の一形態を示すものである(例えば特許文献1参照)。
この常時給電装置21は、ワイヤハーネス25を湾曲した状態に収容する合成樹脂製のケース(プロテクタとも言う)22と、ケース22内でワイヤハーネス25を上向きに付勢する金属製の板ばね23とを備えるものである。
ケース22はベース部(符号22で代用)とカバー部(図示せず)とで構成される。カバー部はベース部22に係止され、その状態でベース部22がスライドドア33の金属製のドアパネル34に固定される。ドアパネル34に合成樹脂製のドアトリム(図示せず)が装着され、ケース22はドアパネル34とドアトリムとの間に位置する。
ケース22は、垂直な基板部28と、基板部28の周囲の湾曲状(略半円状)の周壁26とを有し、周壁26の前端側に狭い開口31、基板部28の下端側に横長の開口32をそれぞれ有している。
ワイヤハーネス25の一方は前端側の開口31から導出されてスライドドア側の補機やワイヤハーネス(図示せず)にコネクタ35で接続され、ワイヤハーネス25の他方は下端側の開口32から導出されて渡り空間を経て車両ボディ36側(電源側)のワイヤハーネス(図示せず)にコネクタ接続される。ワイヤハーネス25は車両ボディ36のステップ部37の近傍でハーネス固定部9によって周方向回動自在に固定される。
図5のスライドドア33の全閉状態において、ワイヤハーネス25は板ばね23で持ち上げられて弛み(余長)吸収されつつ、ハーネス固定部9を支点に後方に引っ張られて大きな半径で湾曲する。「後方」とは車両後方の意味である。図5の全閉状態からスライドドア33を後方に開けるに従って、ワイヤハーネス25は大きく弛もう(垂れ下がろう)とするが、板ばね23の付勢力で持ち上げられて弛みが吸収される。
そして、図6のスライドドア33の全開近くの状態でワイヤハーネス25は固定部9を支点に前方に引っ張られつつ板ばね23を下向きに撓ませ、小さな半径で湾曲する。図には示していないが、ケース22には環状の屈曲規制壁(例えば図7の符号39参照)が設けられており、ワイヤハーネスはドア全開時に屈曲規制壁によって過大な屈曲が防止される。スライドドア33の全開から全閉においても板ばね23の付勢力でワイヤハーネス25の弛みが吸収される。弛みが吸収されることで、スライドドア33と車両ボディ36との間へのワイヤハーネス25の挟み込みが防止される。
スライドドア33は全閉時に車両ボディ36に密着し、全開時に車両ボディ36から外側に離間する。ワイヤハーネス25はスライドドア33の開閉に伴って車両ボディ側の固定部9を支点に前後に揺動しつつ、ケース22内に引き込まれ、あるいはケース22から引き出されて伸縮する。
なお、ワイヤハーネス25は屈曲性の良好な合成樹脂製のコルゲートチューブで被覆されている場合が多い。コルゲートチューブは断面円形に限らず長円形のものも使用される。また、板ばね25の一端側には合成樹脂製のハーネス支持用のキャップが装着される場合が多く、板ばね25の他端側はケース22の固定部38に固定される。
また、上記特許文献1には、ケース22をスライドドア33側ではなく車両ボディ36側に横置き(水平)に配置することも可能であることが記載されている。
特開2001−354085(図4,図7)
しかしながら、上記従来の常時給電装置21にあっては、例えば車種によってスライドドア33のスライド量すなわちハーネス余長吸収量が大きく設定された場合等において、図7(a)に示す如く、ケース22が高さ方向に大型化され、スライドドア側に大容量のドアポケットが設置できなかったり、その他のスライドドア内レイアウトの制限が加わるという懸念があった。
そこで、図7(b)に示す如く、ケース52を低背化した場合には、ケース52を横方向に延長し、且つ板ばね53の長さを増大させて、ハーネス余長をケース高さ方向ではなくケース長さ方向に吸収することになる。
この場合、スライドドアの全開時に、図7(c)の如くワイヤハーネス25が引き出されつつ小径に屈曲した際に、板ばね(弾性部材)53の先端側のハーネス支持キャップ54がケース52の下部開口55から外部に突出し、見栄えを損なったり、ハーネス支持キャップ54がケース52の下部開口55に引っ掛かって戻り不良を生じたりする懸念があった。また、板ばね53が長くなることによって、ばね力が低下し、ワイヤハーネス25の余長を吸収しきれずに、垂れ下がりを生じ兼ねないという懸念があった。これらの懸念は、低背化されたケース52に限らず、例えば図5のケース22等においても生じてはならないことである。
本発明は、上記した点に鑑み、ケースからの弾性部材の先端側の飛び出しを防止すると共に、弾性部材によってワイヤハーネスを確実に付勢して余長吸収させることができ、ケースの小型化にも寄与することのできる常時給電装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る常時給電装置は、ケース内にワイヤハーネスを屈曲状に収容しつつ弾性部材で余長吸収方向に付勢した常時給電装置において、前記弾性部材の先端側に従動部を設け、前記ケースに、該従動部を係合させて前記弾性部材の伸縮方向に案内する少なくとも湾曲状のガイド部を設けたことを特徴とする。
上記構成により、ワイヤハーネスの余長吸収時(ケース内へのワイヤハーネス引き込み時)及び余長解放時(ケースからのワイヤハーネス引き出し時)に、弾性部材がケースのガイド部に沿って屈曲移動軌跡を規制されるから、例えば弾性部材が外側に必要以上に拡がって(拡径して)ばね力が外側に逃げてしまうことが防止される。弾性部材は片持ちではなく両持ちで支持される。また、弾性部材の先端側部分がガイド部に沿って常にケース内に位置するから、弾性部材の先端側部分がケースから突出(露出)してしまうことが防止される。また、弾性部材が圧縮(縮径)された際に、弾性部材の先端側部分が外側に押し下げられることがガイド部で阻止され、弾性部材が一様な円弧形状に屈曲した状態でケース内に内向き(余長吸収方向)に押し上げられ、ワイヤハーネスの余長吸収性が高まる。従動部は弾性部材に直接設けてもよく、弾性部材の先端側のハーネス支持キャップに設けてもよい。ガイド部はガイド溝でもガイド孔でもガイドリブでもよく、従動部は突部でも、ガイドリブに係合する溝部でもよい。
請求項2に係る常時給電装置は、請求項1記載の常時給電装置において、前記弾性部材の先端側のハーネス支持キャップに前記従動部が設けられたことを特徴とする。
上記構成により、ハーネス支持キャップでワイヤハーネスが安定に且つ折れ曲がりなく支持され、その状態でワイヤハーネスの余長吸収時や余長解放時にキャップがケースのガイド部に沿って一定の軌跡でスムーズに移動する。
請求項3に係る常時給電装置は、請求項1又は2記載の常時給電装置において、前記ガイド部が、前記弾性部材の縮み方向に順に配置された湾曲状部分と真直部分とで構成されたことを特徴とする。
上記構成により、ワイヤハーネスの余長解放時に、弾性部材が縮径されつつガイド部の湾曲状部分に沿って湾曲状の軌跡で移動し、さらに縮径されつつガイド部の真直部分に沿って直線的に移動する。弾性部材の先端側が真直部分で支持されることで、弾性部材が一様な円弧形状で縮径されつつ余長吸収方向に持ち上げられて位置し、ワイヤハーネスが垂れ下がらずに高く位置する。一様の円弧形状の弾性部材は高いばね力を発揮してワイヤハーネスを余長吸収時に余長吸収方向(ケース内に引き込む方向)に強く付勢する。余長吸収時には、弾性部材がガイド部の真直部分に沿って外向きに拡径し、次いで湾曲状部分に沿って順次拡径する。余長吸収時に弾性部材が最小径(最圧縮)から拡径する初期的な動作と、余長解放時に弾性部材が最小径に縮径する最終的な動作とがガイド部の真直部分によってスムーズに行われる。
請求項4に係る常時給電装置は、請求項1〜3の何れかに記載の常時給電装置において、前記ガイド部がガイド溝であり、前記従動部が突部であることを特徴とする。
上記構成により、弾性部材の先端側の突部がケースのガイド溝にスライド自在に係合して、ワイヤハーネスの余長吸収及び余長解放動作がスムーズに行われる。ガイド溝によってケース内のハーネス収容スペースが確保される。
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、弾性部材がガイド部に沿って位置規制されることで、弾性部材の先端部や先端側のハーネス支持キャップの飛び出しが防止され、弾性部材の先端部やハーネス支持キャップがケースに引っ掛かることに起因する戻り不良の心配や見栄えの低下が解消される。また、弾性部材がガイド部で常に一定の屈曲軌跡を保たれることで、ばね力がワイヤハーネスに確実に作用し、且つ弾性部材が縮径時に押し下げられずに余長吸収方向に位置して、ワイヤハーネスの余長吸収性(力)が高まり、これらによって弾性部材やケースの小型化が可能となる。
請求項2記載の発明によれば、ハーネス支持キャップでワイヤハーネスが安定に支持された状態で、ハーネス支持キャップがガイド部に沿って一定の軌跡で移動することで、ワイヤハーネスの余長吸収性が一層向上する。ケースからのハーネス支持キャップの飛び出しが確実に防止されることは言うまでもない。
請求項3記載の発明によれば、余長吸収時に弾性部材が最小径から拡大する初期動作がガイド部の真直部分によってスムーズに行われることで、ワイヤハーネスの余長吸収がスムーズ且つ正確に行われると共に、真直部分で弾性部材が一様な円弧形状で余長吸収方向に持ち上げられることで、ワイヤハーネスの垂れ下がりが防止される。
請求項4記載の発明によれば、ガイド溝によってケース内のハーネス収容スペースが広く確保され、ケースの小型化が図られる。
図1〜図4は、本発明に係る常時給電装置の一実施形態を示すものである。
図1,図3の如く、この常時給電装置は、自動車のスライドドア(図示しないスライド構造体)に縦置きに搭載されるベース部2とカバー部(図示せず)とで成るケース(符号2で代用)と、ケース内に設けられた金属製の板ばね(弾性部材)3と、板ばね3の先端に装着された合成樹脂製のハーネス支持キャップ(以下単にキャップと言う)4とを備え、ケースのベース部2の基板部5の内面とカバー部(図示せず)の基板部の内面とに一対のガイド溝(ガイド部)6が対向して形成され、キャップ4の両側面9に、一対のガイド溝6にスライド自在に係合する一対の突部(従動部)10が設けられたことを特徴とするものである。
ケースは低背化されたものであり、ケースのベース部2は、垂直な基板部5と、基板部5の上側と前後に直交した周壁11と、基板部5の前半部分に直交したハーネス屈曲規制用の環状の壁部12と、環状の壁部12の前側に形成された板ばね固定部13とを備えている。
周壁11は、平坦(水平)な上側の壁部11bと、前側の垂直な壁部11aと、後側の傾斜状の壁部11cとを備えている。前側の壁部11aにハーネス導出用の狭い開口14が設けられている。環状の壁部12の内側には開口15が形成されている。板ばね固定部13は板ばね3の基端部(付け根部)を挿入固定させるスリット13aを有している。板ばね固定部13の構造は適宜設定可能である。
ケースのカバー部はベース部2とほぼ同様の形状であり、カバー部の基板部はベース部2の基板部5に平行に対向し、カバー部の周壁はベース部2の周壁11の外面に重合して係止手段で係止され、カバー部の環状壁部はベース部2の環状壁部12の内面に重合する。カバー部に板ばね固定部13はない。カバー部をベース部2に装着した状態でハーネス導出用の長形(横長)の下部開口16が形成される。ケースはブラケット(図示せず)で取付側であるスライドドアのインナパネルにボルトで固定される。これらの構造は従来と同様である。
ベース部2とカバー部との各基板部5のガイド溝6は、上側の壁部11bの後端寄りの部分(始端部分7a)から下部開口16の少し上側まで下向きに湾曲状(円弧状)に形成され、且つこの湾曲状部分7から基板部5の下端に沿って周壁11の前端に向けて板ばね固定部13の下側の部分(終端部分8a)まで真直(水平)に延長形成されている。
このようにガイド溝6は湾曲状部分7と真直部分8とで構成されている。湾曲状部分7の曲率中心は環状の壁部12の上部付近にある。湾曲状部分7は幅広で、真直部分8は幅狭に形成されている。湾曲状部分7の内周面7b(図3)と真直部分8の内面8bとは接線状にスムーズに繋がっていることが好ましい。湾曲状部分7の内幅を真直部分8の内幅と同程度に設定することも可能である。
真直部分8の内幅寸法はキャップ4の突部10の外径よりも大きいことは言うまでもない。ガイド溝6の一例としてインボリュート曲線(例えば円筒に巻き付けた糸を引き解く時に糸の先端が描く曲線)を用いることも可能である。上記湾曲状部分6とは正確な円弧ではない場合(複合アール等)をも含む。
図1,図2の如く、キャップ4の突部10は、キャップ4の長手方向中間部(ほぼ中央位置)においてキャップ4の両側面9に直交して設けられている。突部10はキャップ4と一体に樹脂成形されることが好ましいが、キャップ4とは別体に金属等で形成し、キャップ4の側面9の孔部(図示せず)に圧入等で固定することも可能である。突部10は短円柱状(断面円形)に形成されている。
キャップ4の基端面17から板ばね挿入用のスリット状の孔部(図示せず)が設けられ、孔部内に板ばね係止用の突起(図示せず)が設けられ、板ばね3の先端側に、この突起に係合する孔部(図示せず)が設けられている。これは従来と同様である。
図2のキャップ4の先端外面側の湾曲面18に沿ってワイヤハーネス19(図3)が折れ曲がり等なく滑らかな湾曲形状で導出される。キャップ4の長手方向に(湾曲面18にかけて)湾曲状のハーネス支持溝(図示せず)が形成されていてもよい。突部10は湾曲面18と真直面20との交差部の近傍に配置されている。
図1,図3で、キャップ4の両側の突部10が各ガイド溝6にスライド自在に係合し、ガイド溝6の下側の真直部分8の終端8a寄りに位置しつつ、板ばね3がベース部2の板ばね固定部13から環状の壁部12に沿って略ループ状(湾曲状)に屈曲している。キャップ4は斜め前方下向きに位置し、キャップ4の先端4aはケース(ベース部2)の下端から突出することなくケース内に位置している。
ワイヤハーネス19は板ばね3に沿って小径に屈曲しつつケースの下部開口16から前向きに導出される。図1,図3の状態は自動車のスライドドアの全開時の状態であり、ケースの下部開口16から導出されたワイヤハーネス19は渡り空間(図示せず)を経て車両ボディ側のハーネス固定具(図5の符号9参照)に配索され、ハーネス固定具から車両ボディ内部で車両ボディ側のワイヤハーネス(図示せず)にコネクタ接続される。
ケースの前端側から導出されたワイヤハーネス部分19aはスライドドア側の補機等にコネクタ接続される。ワイヤハーネス19は複数本の電線部分とこれを覆う合成樹脂製の好屈曲性のコルゲートチューブ(保護チューブ)で構成されることが好ましい。これらは従来と同様である。
ガイド溝6はキャップ4の移動軌跡と板ばね3の屈曲軌跡を規制する規制ガイド部として作用する。ガイド溝6によって板ばね3の先端側のキャップ4の動作がコントロールされる。図1,図3において、スライドドアを全開から閉じるに従って、キャップ4がガイド溝6の真直部分8に沿って水平に後退し、次いでガイド溝6の湾曲状部分7に沿って湾曲状の軌跡で上昇する。
それに伴って板ばね3がその弾性力で小径から除々に大径に復元し、例えば従来の図7(b)の形態でワイヤハーネス19を上向きに付勢してケース内に引き込んで余長吸収させる。キャップ4はスライドドアの半開時においてガイド溝6の上端7a側に位置する(一般的にスライドドアの半開時にワイヤハーネス19の弛み量すなわち余長が最大となる)。
スライドドアの全閉時にワイヤハーネス19は車両ボディのハーネス固定具を支点に後方に引っ張られ、板ばね3は下向きに少し撓んで、キャップ4はガイド溝6の上端7aよりも下側に位置する。
図4(a)は板ばね3の屈曲形状を図4(b)の従来構造と比較して示すものであり、図4(b)の従来構造においては、ドア全開時において板ばね3’がばね固定部13’のみの片端固定であり、板ばね長のアップがばね力低下に繋がり、ワイヤハーネスの垂れ下がりが大きくなるが、図4(a)の本発明の構造によれば、板ばね3が根本のばね固定部13と先端側のキャップ4との二点で固定されるから、無理のない一様なばね円弧形状が従来よりも上寄りに形成され、それによりワイヤハーネス19(図3)の垂れ下がりが防止される。
すなわち、図4(b)の従来構造においては、板ばね3’の先端すなわちキャップ4’がフリーであるために、曲げ力が径方向外側に逃げてしまい、板ばね3’の円弧形状も下寄りとなる。図4(a)の本発明の構造によれば、板ばね3の先端すなわちキャップ4が突部10とケース2のガイド溝6(図3)で位置規制され、板ばね3の基端部(板ばね固定部13)と先端側のキャップ4との二点間で一様な弧を描くように力が発生し、しっかりと確実にワイヤハーネス19を押し上げる。
図4(a)で細い矢印8’はガイド溝6の真直部分8に沿うキャップ4の進退方向を示し、太い矢印部分40は板ばね3の復元力の作用方向を示す。上記作用は特に板ばね3の先端側におけるキャップ4の突部10がケース2のガイド溝6の下端側の真直部分8で支えられることに起因し、板ばね3の円弧形状が全体的に上方に押し上げられることで、ワイヤハーネス19が持ち上げられる。
なお、上記実施形態においては、常時給電装置1を自動車のスライドドアに縦置きに搭載したが、車両ボディに横置きに配置することも可能であり、また、自動車以外の車両や機器等のスライドドアやスライドカバー等に常時給電装置を搭載することも可能である。これらスライドドア等をスライド構造体と呼称し、車両ボディ等を固定構造体と呼称する。
また、上記実施形態においては、弾性部材として板ばね3を用いたが、板ばね3に代えて棒状ばねやコイルばねや螺旋巻きばね等(図示せず)を同様の形態で使用することも可能である。これら棒状ばねやコイルばねや螺旋巻きばね等の先端にキャップ4が装着され、棒状ばねやコイルばねや螺旋巻きばね等の基端側がベース部2のばね固定部13に固定される。
また、上記実施形態においては、キャップ4に突部10を設けたが、例えば板ばね3の先端両側に短円筒状の突部(図示せず)を一体に形成し、この突部をケースのガイド溝6にスライド自在に係合させることも可能である。この突部は板ばね3から両側に突出した板状の突片を円筒状に丸めて形成される。あるいは板状の突片に別体の円筒状ないし円柱状の突部を係合固定させて形成される。これは、板ばね3に代えて棒状ばねやコイルばねや螺旋巻きばね等を用いた場合も同様である。円筒状の突部を周方向回転自在に取り付けることも可能である。
また、上記実施形態においては、ワイヤハーネス19をケースの前端側からスライドドア側に導出させたが、例えばケースの環状の壁部12から内側の空間15(図1)を経てケース裏面側(スライドドア側)にワイヤハーネス19を導出させることも可能である。
また、上記実施形態においては、ケースの前半側に板ばね3を配置し、ケース内でワイヤハーネス19をスライドドアの全閉時に大径に屈曲させ、スライドドアの全開時に小径に屈曲させたが、例えばケースの後半側に板ばね3を図3とは前後対称に配置し、ケース内でワイヤハーネス19をスライドドアの全閉時に小径に屈曲させ、スライドドアの全開時に大径に屈曲させるようにすることも可能であり、この場合、板ばね3の先端側のキャップ4の突部10を図3とは前後対称のガイド溝6にスライド自在に係合させる。
また、上記実施形態においては、ガイド溝6を湾曲状部分7と真直部分8とで構成したが、ケースの環状の壁部3とケース下端41(図1)との間隔が広い場合等においては、ガイド溝6を湾曲状部分7のみ(湾曲状に延長させた湾曲状部分)で構成することも可能である。
また、上記実施形態においては、ケースのガイド溝6を基板部5の板厚の範囲内で掘り下げて形成したが、例えば基板部5の内面に一対の湾曲状のリブ(図示せず)を突出形成し、一対のリブの間にガイド溝を構成させることも可能ではある。但しこの場合は、リブの突出長さ分だけハーネス収容空間が狭くなり、それを解消するためにケースが厚さ方向に肥大化する。一対のリブの間にキャップ4自体をスライド自在に係合させることも可能である(この場合、一対のリブ間の間隔はキャップ4の板厚よりかなり大きくする)。また、ガイド溝6に代えて貫通したガイド孔を形成することも可能であるが、この場合はケースの強度が低下する。
また、ガイド溝6に代えてケースの基板部5に湾曲状の一本のガイドリブ(ガイドレール)を突出形成し、キャップ4に、ガイドリブにスライド係合する湾曲状(円弧状)の溝部を形成することも可能である。但しこの場合は、ガイドリブよりも溝部をかなり広めに形成しないとスムーズなキャップ4の移動がなされない。
また、上記実施形態においては、突部10をキャップ4に固定して設けたが、キャップ4に円柱状や円筒状の突部10を周方向回転自在に設けることも可能である。この場合、例えばキャップ4の側面9に細軸(図示せず)を突設し、細軸の周囲に円筒状の突部を回転自在に装着する。
1 常時給電装置
2 ケース(ベース部)
3 板ばね(弾性部材)
4 ハーネス支持キャップ
6 ガイド溝(ガイド部)
7 湾曲状部分
8 真直部分
10 突部(従動部)
19 ワイヤハーネス
2 ケース(ベース部)
3 板ばね(弾性部材)
4 ハーネス支持キャップ
6 ガイド溝(ガイド部)
7 湾曲状部分
8 真直部分
10 突部(従動部)
19 ワイヤハーネス
Claims (4)
- ケース内にワイヤハーネスを屈曲状に収容しつつ弾性部材で余長吸収方向に付勢した常時給電装置において、前記弾性部材の先端側に従動部を設け、前記ケースに、該従動部を係合させて前記弾性部材の伸縮方向に案内する少なくとも湾曲状のガイド部を設けたことを特徴とする常時給電装置。
- 前記弾性部材の先端側のハーネス支持キャップに前記従動部が設けられたことを特徴とする請求項1記載の常時給電装置。
- 前記ガイド部が、前記弾性部材の縮み方向に順に配置された湾曲状部分と真直部分とで構成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の常時給電装置。
- 前記ガイド部がガイド溝であり、前記従動部が突部であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の常時給電装置。
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