JP2007283834A - ワイヤハーネスの配索構造 - Google Patents

ワイヤハーネスの配索構造 Download PDF

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Abstract

【課題】固定構造体と可動構造体とに跨ってワイヤハーネスを配索するワイヤハーネスの配索構造において、組立工程での作業性の向上を図るとともに省スペース化を図ることができるワイヤハーネスの配索構造を提供する。
【解決手段】車両のフロアと、車両のフロアに移動可能に組み付けられたスライドシート10と、に跨って配索されるワイヤハーネスの配索構造であって、ワイヤハーネス14の一端はフロアに配索されたフロアワイヤハーネス15に接続され、ワイヤハーネス14の他端にはスライドシート10への接続をなすコネクタ17が設けられると共に、コネクタ17が設けられたワイヤハーネス14の端部には余長吸収機構20が装着されており、余長吸収機構20が、コネクタ17と一体とされ、当該コネクタ17がスライドシート10に接続されることにより当該スライドシート10に取り付けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車の車両ボディといった固定構造体と、車両ボディに対して移動可能に組付けられるスライドシートやスライドドアといった可動構造体とに跨って配索されるワイヤハーネスの配索構造に関する。
スライドシートやスライドドアは、車両ボディに対してスライド移動量が比較的大きな部位である。このような部位に電装品を装備するには、車両ボディに跨ってワイヤハーネスを配索する必要があるが、ワイヤハーネスの収容性の点で難があった。例えば、近年人気のワンボックスカーに用いられているスライドドアは、スライド移動量が大きいため、スライドドアのスライド移動に伴いワイヤハーネスに余長が発生し、ワイヤハーネスの弛みに足を引っ掛けるなどの問題が生じ得る。
そこで、スライドドアと車両ボディとの間に配索されたワイヤハーネスに余長吸収機構を備えたワイヤハーネスの配索構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示されたワイヤハーネス配索構造は、図7に示すように、車両ボディ105とスライドドア100とに跨って配索されるワイヤハーネス101の配索構造である。ワイヤハーネス101は、その両端に設けられた2個のコネクタ103,104で車両ボディ105及びスライドドア100に接続されている。
図7においてスライドドア100は閉じた状態にあり、スライドドア100が開くに伴いワイヤハーネス101に余長が生じる。ここで、上向きに凸となるように湾曲しているワイヤハーネス101の内縁を弾性部材102が上向きに付勢して、ワイヤハーネス101の弛みを防止する、つまりは余長を吸収するようになっている。
特開2001−359232号公報
ここで、特許文献1に開示されたワイヤハーネスの配索構造では、弾性部材102は、ワイヤハーネス101の長手方向中間部に添着され、コネクタ104寄りの一端部においてコネクタ103,104とは別部品である固定手段106によりスライドドア100に固定されている。そして、コネクタ103,104は、それぞれ車両ボディ105又はスライドドア100に接続され、固定されている。
そのため、生産ラインでの組立工程において、固定手段106により弾性部材102をスライドドア100に固定する作業と、コネクタ103,104を車両ボディ105又はスライドドア100に固定する作業と、が必要となり、作業性に劣る。
また、一般には、互いに独立した固定手段106からコネクタ104までの配索経路においてワイヤハーネス101は少々の弛みをもって配索されるが、それによりワイヤハーネスの長さが余計に必要となり、省スペース化を図ることが難しい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、固定構造体と可動構造体とに跨ってワイヤハーネスを配索するワイヤハーネスの配索構造において、組立工程での作業性の向上を図るとともに省スペース化を図ることができるワイヤハーネスの配索構造を提供することにある。
上記目的は、本発明に係る下記(1)〜(3)のワイヤハーネスの配索構造により達成される。
(1)固定構造体と、当該固定構造体に移動可能に組み付けられた可動構造体と、に跨って配索されるワイヤハーネスの配索構造であって、
前記ワイヤハーネスの一端は前記固定構造体に接続され、
前記ワイヤハーネスの他端には前記可動構造体への接続をなすコネクタが設けられると共に、当該コネクタが設けられた前記ワイヤハーネスの端部には余長吸収機構が装着されており、
前記余長吸収機構が、前記コネクタと一体とされ、当該コネクタが前記可動構造体に接続されることにより当該可動構造体に取り付けられることを特徴とするワイヤハーネスの配索構造。
(2)前記余長吸収機構は、前記ワイヤハーネスを屈曲させた状態に保持するプロテクタと、当該ワイヤハーネスの折り曲げ部位から前記コネクタへ連なる部位を保持する当該プロテクタの部分を軸に当該プロテクタを回転可能に支持するベースと、を含むことを特徴とする上記(1)に記載のワイヤハーネスの配索構造。
(3)前記ベースと前記コネクタとが一体成形されていることを特徴とする上記(2)に記載のワイヤハーネスの配索構造。
上記(1)記載のワイヤハーネスの配索構造によれば、可動構造体との接続をなすコネクタが設けられたワイヤハーネスの端部に余長吸収機構が装着され、この余長吸収機構が、コネクタと一体とされている。そこで、コネクタを可動構造体に接続することにより余長吸収機構をも可動構造体に固定することができ、組立工程における作業性の向上を図ることができる。さらに、余長吸収機構が装着された部位とコネクタとの間でワイヤハーネスに弛みを持たせる必要がなく、省スペース化を図ることができる。
上記(2)記載のワイヤハーネスの配索構造によれば、余長吸収機構が、ワイヤハーネスを折り曲げた状態に保持するプロテクタと、ワイヤハーネスの折り曲げ部位から前記コネクタへ連なる部位を保持するプロテクタの部分を軸に当該プロテクタを回転可能に支持するベースと、を含んでおり、可動構造体の移動に伴ってワイヤハーネスに押され若しくは引っ張れるようにして、固定構造体との接続箇所へのワイヤハーネスの引き出し方向を当該接続箇所ヘ向け若しくは背けるようにプロテクタが回転する。それにより、固定構造体との接続箇所と余長吸収機構とをより短いワイヤハーネスで繋ぐことができ、一層の省スペース化を図ることができる。
上記(3)記載のワイヤハーネスの配索構造によれば、余長吸収機構のベースとコネクタとが一体成形されることで、余長吸収機構とコネクタとを一体とするにあたって両者の組付けなどの作業が不要となり、組立工程における作業性の一層の向上を図ることができる。
本発明によれば、固定構造体と可動構造体とに跨ってワイヤハーネスを配索するワイヤハーネスの配索構造において、組立工程での作業性の向上を図るとともに省スペース化を図ることができる。
以下、図を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
図1は本発明のワイヤハーネスの配索構造の一実施形態であってスライドシートへの適用例を示す右側面図、図2は図1に示す配索構造に用いられる余長吸収機構の要部拡大図、図3は図1に示す配索構造の組立工程の第1段階を示す外観斜視図、図4は図1に示す配索構造の組立工程の第2段階を示す外観斜視図、図5は図1に示す配索構造の組立工程の第3段階を示す外観斜視図、図6は図1に示す配索構造に用いられる余長吸収機構の作用を説明する右側面図である。
本実施形態のワイヤハーネスの配索構造は、自動車の車両ボディ(固定構造体)と、車両ボディにスライド移動可能に組み付けられているスライドシート(可動構造体)10と、に跨って配索されるワイヤハーネスの配索構造である。
図1〜図3に示すように、ワイヤハーネスの配索構造が適用されたスライドシート10は、車両のフロアに固定される一対のガイドレール12及びこれらのガイドレール12上を前後方向にスライド移動するシート本体11を含んでいる。
シート本体11の底面の両側縁部には、それぞれスライダ(不図示)が取り付けられており、これらのスライダは、対応するガイドレール12に係合している。そして、スライダがガイドレール12上をこれに沿って案内され、シート本体11が前後にスライド移動する。
シート本体11には、例えば電動リクライニングや電動スライド等の機能が装備されており、それらを駆動するための制御回路であるデバイス13が装着される。デバイス13は、その筐体の周縁に複数のねじ孔16を有し、これらのねじ孔16を通したボルト30(図5参照)によってシート本体11の側部に締結される。そして、デバイス13に電力を供給するため、車両ボディとスライドシート10とに跨ってワイヤハーネス14,15が配索されている。
ワイヤハーネス14はシート本体11から伸びるシートワイヤハーネスであって、その一端はフロアに配索されたフロアワイヤハーネス15にコネクタ18,19を介して接続され、フロアに固定される。そして、シートワイヤハーネス14の他端にはデバイス13との接続をなすコネクタ17が設けられている。
コネクタ17が設けられたシートワイヤハーネス14の端部には、余長吸収機構20が装着されている。余長吸収機構20は、シートハーネス14を折り曲げた状態に保持するプロテクタ23と、シートワイヤハーネス14の折り曲げ部位からコネクタ17へ連なる部位を保持するプロテクタ23の部分24を軸にプロテクタ23を回転可能に支持するベース21とを含んでいる。
ベース21は、例えば合成樹脂製であり、側面視略矩形状であって長手方向の一端部を肉厚に、他端部を肉薄に成形されている。そして、肉厚とされたベース21の端部には、プロテクタ23の軸となる部分(以下、軸部分という)24が挿通される軸孔27が形成されている。
プロテクタ23の軸部分24は、C字状断面の筒型に成形されており、その内部にシートワイヤハーネス14を収容し、そして、ベース21の軸孔27に挿通され、これに軸支される。軸部分24の先端には鍔25が形成されており、軸部分24は、ベース21の軸孔27の縁に鍔25を係合させ、軸孔27から抜け止めされている。
軸部分24の基端には、軸部分24の軸方向と略直交する方向に伸びる腕部分25が連設されている。この腕部分25は、コ字状断面の筒型に成形されており、その内部にシートワイヤハーネス14を収容する。シートワイヤハーネス14は、略L字状に折り曲げられてプロテクタ23の軸部分24及び腕部分25を通され、そして腕部分25の先端よりフロアワイヤハーネス15との接続箇所へと引き出される。尚、腕部分25とフロアワイヤハーネス15との接続箇所との間で、シートワイヤハーネス14には、その剛性を高めるべく、コルゲートチューブ等の外装材28が設けられてもよい。
肉薄とされたベース21の端部には、一組の係止爪22が形成されている。これらの係止爪22によりシートワイヤハーネス14のコネクタ17を係止して、ベース21とコネクタ17とは一体とされる。
次に、図3〜図5を参照して、ワイヤハーネスの配索構造の組立工程の一例を説明する。
図3に示すように、ベース21の一組の係止爪22によってシートワイヤハーネス14のコネクタ17を係止して、余長吸収機構20とコネクタ17とを一体に組付ける。次に、図4に示すように、余長吸収機構20と一体とされたコネクタ17をデバイス13のコネクタ29に接続し、コネクタ17及び余長吸収機構20をデバイス13に固定する。次に、図5に示すように、コネクタ17及び余長吸収機構20が固定されたデバイス13をシート本体11の側部に締結して、これに固定する。このように、余長吸収機構20は、一体とされたコネクタ17を介してスライドシート10に固定される。そして、スライドシート10をフロアの所定位置に設置して、シートワイヤハーネス14をフロアワイヤハーネス15に接続する。尚、デバイス13が締結された後のシート本体11の側部には、さらにカバー(不図示)が装着され、デバイス13、コネクタ17、及び余長吸収機構20は当該カバーにより覆われる。
次に、図1及び図6を参照して、余長吸収機構20の作用について説明する。
図1にはシート本体11が最も後退した位置にある状態を示し、図6にはシート本体11が最も前進した位置にある状態を示す。
図1に示す状態で、シートワイヤハーネス14のフロアワイヤハーネス15との接続箇所であるコネクタ18と余長吸収機構20とは最も離れた状態にあり、シートワイヤハーネス14は、コネクタ18と余長吸収機構20との間で略直線状に伸びている。このとき、プロテクタ23は、腕部分25の先端をコネクタ18に向けており、シートワイヤハーネス14は、腕部分25の先端からコネクタ18に向けて引き出されている。
シート本体11の前方への移動に伴い、コネクタ18と余長吸収機構20とが接近してシートワイヤハーネス14に余長が生じ、プロテクタ23は、シートワイヤハーネス14に押されるようにして腕部分25の先端をコネクタ18から背けて後方に向けるように回転する。そして、図6に示す状態で、シートワイヤハーネス14は、後方に向いたプロテクタ23の腕部分25の先端から後方に向けて引き出され、余長吸収機構20とコネクタ18との間で後方に凸となるように略U字状に湾曲する。
以上述べたように、本実施形態のワイヤハーネスの配索構造によれば、スライドシート10との接続をなすコネクタ17が設けられたシートワイヤハーネス14の端部に余長吸収機構20が装着され、この余長吸収機構20が、コネクタ17と一体とされている。そこで、コネクタ17をスライドシート10に接続することにより余長吸収機構20をもスライドシート10に固定することができ、組立工程における作業性の向上を図ることができる。さらに、余長吸収機構20が装着された部位とコネクタ17との間でシートワイヤハーネス14に弛みを持たせる必要がなく、省スペース化を図ることができる。
また、本実施形態のワイヤハーネスの配索構造によれば、余長吸収機構20が、ワイヤハーネス14を折り曲げた状態に保持するプロテクタ23と、ワイヤハーネスの折り曲げ部位からコネクタ17へ連なる部位を保持するプロテクタ23の部分24を軸に当該プロテクタ23を回転可能に支持するベース21と、を含んでおり、スライドシート10の移動に伴って変形するシートワイヤハーネス14に押され若しくは引っ張れるようにして、フロアワイヤハーネス15との接続箇所へのシートワイヤハーネス14の引き出し方向を当該接続箇所ヘ向け若しくは背けるようにプロテクタ23が回転する。それにより、フロアワイヤハーネス15との接続箇所と余長吸収機構20とをより短いシートワイヤハーネス14で繋ぐことができ、一層の省スペース化を図ることができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
上述した実施形態では、余長吸収機構20のベース21に形成された一組の係止爪22によりコネクタ17を係止することで余長吸収機構20とコネクタ17とが一体に組付けられる構成として説明したが、ベース21及びコネクタ17を合成樹脂などで一体成形するようにすれば、余長吸収機構20とコネクタ17とを一体とするにあたって両者の組付けなどの作業が不要となり、組立工程における作業性の一層の向上を図ることができて好ましい。
本発明のワイヤハーネスの配索構造の一実施形態であってスライドシートへの適用例を示す右側面図である。 図1に示す配索構造に用いられる余長吸収機構の要部拡大図である。 図1に示す配索構造の組立工程の第1段階を示す外観斜視図である。 図1に示す配索構造の組立工程の第2段階を示す外観斜視図である。 図1に示す配索構造の組立工程の第3段階を示す外観斜視図である。 図1に示す配索構造に用いられる余長吸収機構の作用を説明する右側面図である。 従来のワイヤハーネスの配索構造の概略図である。
符号の説明
10 スライドシート(可動構造体)
14 シートワイヤハーネス
17 コネクタ
20 余長吸収機構
21 ベース
23 プロテクタ

Claims (3)

  1. 固定構造体と、当該固定構造体に移動可能に組み付けられた可動構造体と、に跨って配索されるワイヤハーネスの配索構造であって、
    前記ワイヤハーネスの一端は前記固定構造体に接続され、
    前記ワイヤハーネスの他端には前記可動構造体への接続をなすコネクタが設けられると共に、当該コネクタが設けられた前記ワイヤハーネスの端部には余長吸収機構が装着されており、
    前記余長吸収機構が、前記コネクタと一体とされ、当該コネクタが前記可動構造体に接続されることにより当該可動構造体に取り付けられることを特徴とするワイヤハーネスの配索構造。
  2. 前記余長吸収機構が、前記ワイヤハーネスを折り曲げた状態に保持するプロテクタと、当該ワイヤハーネスの折り曲げ部位から前記コネクタへ連なる部位を保持する当該プロテクタの部分を軸に当該プロテクタを回転可能に支持するベースと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のワイヤハーネスの配索構造。
  3. 前記ベースと前記コネクタとが一体成形されていることを特徴とする請求項2に記載のワイヤハーネスの配索構造。
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