JP2008015096A - 光学部品用ポリイミド、光学部品および光導波路 - Google Patents
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Abstract
【課題】 フッ素含有率が比較的大きいにもかかわらず、屈折率が比較的高いポリイミドを提供する。
【解決手段】 芳香族酸二無水物成分および芳香族ジアミン成分を原料とするポリイミドにおいて、(a)フッ素含有率が22.6重量%より大きく30重量%よりも小さい、(b)波長830nmにおける伝送損失がTEモード、TMモードともに1dB/cm以下、(c)屈折率がTEモードで1.55以上、TMモードで1.54以上および(d)複屈折率が0.02以下であることを特徴とする光学部品用ポリイミドを用いることにより、上記課題を解決する。
【選択図】 なし
【解決手段】 芳香族酸二無水物成分および芳香族ジアミン成分を原料とするポリイミドにおいて、(a)フッ素含有率が22.6重量%より大きく30重量%よりも小さい、(b)波長830nmにおける伝送損失がTEモード、TMモードともに1dB/cm以下、(c)屈折率がTEモードで1.55以上、TMモードで1.54以上および(d)複屈折率が0.02以下であることを特徴とする光学部品用ポリイミドを用いることにより、上記課題を解決する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、光通信分野や光情報処理分野で用いられる光学部品を作製するためのポリイミド、および該樹脂を用いて作製される光学部品および光導波路に関する。
光ファイバー技術が一般家庭に導入されるFTTH(Fiber To The Home)が現実的になる昨今、光デバイスやインターコネクトに必須の光導波路は大量の需要があると考えられ、高性能かつ低コストの製品が求められている。現在、光導波路としては、石英系光導波路やポリマー系光導波路が知られている。
このうち、石英系光導波路は、伝送損失が低いという利点を有する反面、製造工程における加工温度が高いこと、および、大面積のものを作製し難いこと等のプロセス上の問題があった。また、ポリマー系光導波路は、加工のし易さや材料設計の幅広さ等の利点を有することから、ポリメチルメタクリレート等のポリマー材料を用いたものが検討されてきた。しかし、これらのポリマーは、耐熱性が劣るという問題があった。また、ポリメチルメタクリレートは、近年光通信用光源として数多く検討され始めた波長830nm付近での伝送損失が大きいことが問題であった。
最近ではこれらの耐熱性および伝送損失特性に優れるフッ素化ポリイミドを光導波路用ポリマーに用いた検討が盛んに行なわれている。フッ素化ポリイミドは、ポリイミド固有の高い耐熱性を有する上、上記ポリマーと比較して炭素‐水素単結合が少なく、それの伸縮振動の高調波吸収が小さくなるため近赤外域での伝送損失が非常に小さくなる。例えば、特許文献1には、TEモードとTMモードの屈折率差、ガラス転移温度、ある波長域における伝送損失およびフッ素含有率を規定したフッ素化ポリイミドが記載されている。
しかし高フッ素化ポリイミドに関してはいくらかの問題点がある。例えば、特許文献1には、問題点として、フッ素含有率が22.6重量%を超えると多層膜形成の時にクラックが発生し多層化が困難になったり、加工性が悪くなったり、ポリイミド前駆体の溶液の保存安定性が低粘度化しやすいために悪くなったりすることが記載されている。また、フッ素は原子分極率が低いため、フッ素化ポリイミドの屈折率は通常のポリイミドよりも一般に低くなり、フッ素含有率が増すとその傾向はより強くなる。このような低屈折率材料を光導波路のコア材料に用いることは好ましくない場合がある。なぜならその場合クラッド材にコアよりも低い屈折率を有する材料を用いる必要があるが、比較的屈折率の低いフッ素化ポリイミドより屈折率の低い材料はかなり限定されてしまうためである。これまでにも光学部品用ポリイミドとして含フッ素ポリイミドが提案されているが、フッ素含有率が20重量%を超えるポリイミドは屈折率が低くなる傾向にある(特許文献2、3参照。)。
特開平9−40774号公報
特開平9−21920号公報
特開平3−72528号公報
本発明は、上記のような従来技術の問題点を鑑みてなされたものである。すなわち、フッ素含有率が比較的大きいにもかかわらず、屈折率が比較的高いポリイミドを提供する事にある。
これらの問題を解決するためには、フッ素含有率が高くても加工性の良い構造および屈折率の低下しない構造を見出すことが要求される。本発明者は、上記の要求を満たすために鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、
本発明の第1は、芳香族酸二無水物成分および芳香族ジアミン成分を原料とするポリイミドにおいて、(a)フッ素含有率が22.6重量%より大きく30重量%よりも小さい、(b)波長830nmにおける伝送損失がTEモード、TMモードともに1dB/cm以下、(c)屈折率がTEモードで1.55以上、TMモードで1.54以上および(d)複屈折率が0.02以下であることを特徴とする光学部品用ポリイミドである。
本発明の第1は、芳香族酸二無水物成分および芳香族ジアミン成分を原料とするポリイミドにおいて、(a)フッ素含有率が22.6重量%より大きく30重量%よりも小さい、(b)波長830nmにおける伝送損失がTEモード、TMモードともに1dB/cm以下、(c)屈折率がTEモードで1.55以上、TMモードで1.54以上および(d)複屈折率が0.02以下であることを特徴とする光学部品用ポリイミドである。
本発明の第2は、前記芳香族酸二無水物成分において、下記式(1)
本発明の第3は前記芳香族ジアミン成分において、さらに下記式(4)
本発明の第4は本発明の第1〜3のいずれか1項に記載のポリイミドを材料として用いた光学部品である。
本発明の第5は本発明の第1〜3のいずれか1項に記載のポリイミドを材料として用いた光導波路である。
本発明のポリイミドは、フッ素含有率が高いため830nmにおける伝送損失が極めて低く、光学部品および光導波路を形成した場合に優れた伝送特性(低い導波路の伝送損失)等の物性を有し、その上高フッ素含有率ポリイミドに多く見られる製膜時のクラッキングや低屈折率化が生じないので光学部品および光導波路形成用材料として好適に用いることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明は、芳香族酸二無水物成分および芳香族ジアミン成分を原料とするポリイミドにおいて、(a)フッ素含有率が22.6重量%より大きく30重量%よりも小さい、(b)波長830nmにおける伝送損失がTEモード、TMモードともに1dB/cm以下、(c)屈折率がTEモードで1.55以上、TMモードで1.54以上および(d)複屈折率が0.02以下であることを特徴とする光学部品用ポリイミドに関する。
<芳香族酸二無水物成分>
本発明における芳香族酸二無水物成分とは、1種類または2種類以上の酸二無水物を総称したものである。酸二無水物は任意のものを使用してよいが、フッ素含有率が高く、伝送損失を低下させる観点から特に式(1)で表される構造の芳香族酸二無水物をすべての芳香族酸二無水物成分のうち少なくとも20重量%以上使用することが好ましい。本発明において、式(1)の芳香族酸二無水物は単独で用いてもよいし、式(1)以外の芳香族酸二無水物2種類以上用いて共重合体を作ってもよい。共重合に用いる酸二無水物には以下のようなものが挙げられる。ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,4'−オキシジフタル酸無水物、3,3',4,4'−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4'−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、4,4'−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物、p−フェニレンジフタル酸二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物、9,9'−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、4,4′−スルホニルジフタル酸二無水物、パラ−ターフェニル−3,4,3',4'−テトラカルボン酸二無水物、メタ−ターフェニル−3,3',4,4'−テトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物、1−(2,3−ジカルボキシフェニル)−3−(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物、2,2−ビス―((3,4−ジカルボキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン二無水物)、(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(ヘプタフルオロプロピル)ピロメリット酸二無水物、ペンタフルオロエチルピロメリット酸二無水物、ビス{3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェノキシ}ピロメリット酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、5,5'−ビス(トリフルオロメチル)−3,3',4,4'−テトラカルボキシビフェニル二無水物、2,2',5,5'−テトラキス(トリフルオロメチル)−3,3',4,4'−テトラカルボキシビフェニル二無水物、5,5'−ビス(トリフルオロメチル)−3,3',4,4'−テトラカルボキシジフェニルエーテル二無水物、5,5'−ビス(トリフルオロメチル)−3,3',4,4'−テトラカルボキシベンゾフェノン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ベンゼン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、2,2−ビス{(4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビフェニル二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ジフェニルエーテル二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル二無水物などである。
本発明における芳香族酸二無水物成分とは、1種類または2種類以上の酸二無水物を総称したものである。酸二無水物は任意のものを使用してよいが、フッ素含有率が高く、伝送損失を低下させる観点から特に式(1)で表される構造の芳香族酸二無水物をすべての芳香族酸二無水物成分のうち少なくとも20重量%以上使用することが好ましい。本発明において、式(1)の芳香族酸二無水物は単独で用いてもよいし、式(1)以外の芳香族酸二無水物2種類以上用いて共重合体を作ってもよい。共重合に用いる酸二無水物には以下のようなものが挙げられる。ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,4'−オキシジフタル酸無水物、3,3',4,4'−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4'−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、4,4'−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物、p−フェニレンジフタル酸二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物、9,9'−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、4,4′−スルホニルジフタル酸二無水物、パラ−ターフェニル−3,4,3',4'−テトラカルボン酸二無水物、メタ−ターフェニル−3,3',4,4'−テトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物、1−(2,3−ジカルボキシフェニル)−3−(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物、2,2−ビス―((3,4−ジカルボキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン二無水物)、(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(ヘプタフルオロプロピル)ピロメリット酸二無水物、ペンタフルオロエチルピロメリット酸二無水物、ビス{3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェノキシ}ピロメリット酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、5,5'−ビス(トリフルオロメチル)−3,3',4,4'−テトラカルボキシビフェニル二無水物、2,2',5,5'−テトラキス(トリフルオロメチル)−3,3',4,4'−テトラカルボキシビフェニル二無水物、5,5'−ビス(トリフルオロメチル)−3,3',4,4'−テトラカルボキシジフェニルエーテル二無水物、5,5'−ビス(トリフルオロメチル)−3,3',4,4'−テトラカルボキシベンゾフェノン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ベンゼン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、2,2−ビス{(4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビフェニル二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ジフェニルエーテル二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル二無水物などである。
<芳香族ジアミン成分>
本発明における芳香族ジアミン成分とは、1種類または2種類以上のジアミンを総称したものである。ジアミンは任意のものを使用してよいが、フッ素含有率が高く、伝送損失を低下させる観点から特に式(2)および式(3)で表される構造のジアミンをすべての芳香族ジアミン成分のうち少なくとも20重量%以上使用することが好ましい。本発明において、式(2)および式(3)の芳香族ジアミンはそれぞれ単独で用いてもよいし、両方を共重合させてもよい。また、これら以外の芳香族ジアミンを1種類または2種類以上用いて共重合体を作ってもよい。共重合に用いるジアミンには以下のようなものが挙げられる。9、9−ビス(3−フルオロ−4−アミノフェニル)フルオレン、9、9−ビス(3,3'−ジフルオロ−4−アミノフェニル)フルオレン、9、9−ビス(2,3−ジフルオロ−4−アミノフェニル)フルオレン、9、9−ビス(2,2',3−トリフルオロ−4−アミノフェニル)フルオレン、4,4'‐ジアミノジフェニルエーテル、3,4'‐ジアミノジフェニルエーテル、2,2'‐ビス(トリフルオロメチル)‐4,4'‐ジアミノビフェニル、4,4'‐ジアミノジフェニルスルホン、1,5‐(4‐アミノフェノキシ)ペンタン、1,3‐ビス(4‐アミノフェノキシ)‐2,2‐ジメチルプロパン、2,2‐ビス(4‐アミノフェノキシフェニル)プロパン、2,2‐ビス[4‐(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ビス[4‐(4‐アミノフェノキシ)フェニル]スルホンおよびビス[4‐(3‐アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、3,4'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノベンゾフェノン、3,4'−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、3,3'−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4'−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,4'−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノ−6−フルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4'−ジアミノビフェニル、2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4'−ジアミノビフェニル、2,2'−ジクロロ−4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジクロロ−4,4'−ジアミノビフェニル、2,2'−ジブロモ−4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジブロモ−4,4'−ジアミノビフェニル等である。これらの中でも特に9、9−ビス(3−フルオロ−4−アミノフェニル)フルオレンを共重合に用いることが好ましい。波長830nmにおける伝送損失の低減に有効であるためである。以下でその理由について述べるが、これはあくまで発明者の推測であり、本特許の権利範囲を何ら限定するものではない。9、9−ビス(3−フルオロ−4−アミノフェニル)フルオレンを含むポリイミドの伝送損失が低くなる理由は3つある。1つ目はフッ素基を含有させることで炭素‐水素単結合数が減少し、先に述べた赤外吸収が少なくなるためである。2つ目はフッ素基がイミド結合に対してオルトの位置にあるので立体効果によりイミド環と芳香環が同一面内に配向せず、電荷移動遷移が抑制されるためである。そして3つ目はフルオレニル基平面がイミド結合平面に対し垂直になって空間的に捻れているため電荷移動吸収がこの効果によってもまた抑制されるためである。以上の効果によって9、9−ビス(3−フルオロ−4−アミノフェニル)フルオレンを含むポリイミドの830nmにおける伝送損失は非常に低くなる。また、フルオレニル基を含む構造のポリイミドは複屈折率を低下させるという点でも、有効な構造である。つまり嵩高く、捻れた構造を有するフルオレニル基がポリイミドの分子間配向を阻んで異方性を和らげ、複屈折が少なくなるということである。もちろん9、9−ビス(3−フルオロ−4−アミノフェニル)フルオレンとその他のジアミンを共重合に用いることも可能である。
本発明における芳香族ジアミン成分とは、1種類または2種類以上のジアミンを総称したものである。ジアミンは任意のものを使用してよいが、フッ素含有率が高く、伝送損失を低下させる観点から特に式(2)および式(3)で表される構造のジアミンをすべての芳香族ジアミン成分のうち少なくとも20重量%以上使用することが好ましい。本発明において、式(2)および式(3)の芳香族ジアミンはそれぞれ単独で用いてもよいし、両方を共重合させてもよい。また、これら以外の芳香族ジアミンを1種類または2種類以上用いて共重合体を作ってもよい。共重合に用いるジアミンには以下のようなものが挙げられる。9、9−ビス(3−フルオロ−4−アミノフェニル)フルオレン、9、9−ビス(3,3'−ジフルオロ−4−アミノフェニル)フルオレン、9、9−ビス(2,3−ジフルオロ−4−アミノフェニル)フルオレン、9、9−ビス(2,2',3−トリフルオロ−4−アミノフェニル)フルオレン、4,4'‐ジアミノジフェニルエーテル、3,4'‐ジアミノジフェニルエーテル、2,2'‐ビス(トリフルオロメチル)‐4,4'‐ジアミノビフェニル、4,4'‐ジアミノジフェニルスルホン、1,5‐(4‐アミノフェノキシ)ペンタン、1,3‐ビス(4‐アミノフェノキシ)‐2,2‐ジメチルプロパン、2,2‐ビス(4‐アミノフェノキシフェニル)プロパン、2,2‐ビス[4‐(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ビス[4‐(4‐アミノフェノキシ)フェニル]スルホンおよびビス[4‐(3‐アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、3,4'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノベンゾフェノン、3,4'−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、3,3'−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4'−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,4'−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノ−6−フルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4'−ジアミノビフェニル、2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4'−ジアミノビフェニル、2,2'−ジクロロ−4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジクロロ−4,4'−ジアミノビフェニル、2,2'−ジブロモ−4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジブロモ−4,4'−ジアミノビフェニル等である。これらの中でも特に9、9−ビス(3−フルオロ−4−アミノフェニル)フルオレンを共重合に用いることが好ましい。波長830nmにおける伝送損失の低減に有効であるためである。以下でその理由について述べるが、これはあくまで発明者の推測であり、本特許の権利範囲を何ら限定するものではない。9、9−ビス(3−フルオロ−4−アミノフェニル)フルオレンを含むポリイミドの伝送損失が低くなる理由は3つある。1つ目はフッ素基を含有させることで炭素‐水素単結合数が減少し、先に述べた赤外吸収が少なくなるためである。2つ目はフッ素基がイミド結合に対してオルトの位置にあるので立体効果によりイミド環と芳香環が同一面内に配向せず、電荷移動遷移が抑制されるためである。そして3つ目はフルオレニル基平面がイミド結合平面に対し垂直になって空間的に捻れているため電荷移動吸収がこの効果によってもまた抑制されるためである。以上の効果によって9、9−ビス(3−フルオロ−4−アミノフェニル)フルオレンを含むポリイミドの830nmにおける伝送損失は非常に低くなる。また、フルオレニル基を含む構造のポリイミドは複屈折率を低下させるという点でも、有効な構造である。つまり嵩高く、捻れた構造を有するフルオレニル基がポリイミドの分子間配向を阻んで異方性を和らげ、複屈折が少なくなるということである。もちろん9、9−ビス(3−フルオロ−4−アミノフェニル)フルオレンとその他のジアミンを共重合に用いることも可能である。
<ポリイミドの製造方法>
本発明の光学部品用ポリイミドは公知の製造方法により製造可能である。すなわち、原料であるテトラカルボン酸二無水物成分、および1種または2種のジアミン成分を実質的に等モル量使用し、有機極性溶媒中で重合してポリアミド酸重合体溶液を得る。ポリアミド酸を合成するための好ましい溶媒は、アミド系溶媒すなわちN,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどであり、N,N−ジメチルフォルムアミドが特に好ましく用いられる。反応装置には、温度制御装置を備えていることが好ましい。反応溶液温度としては60℃以下が好ましく、さらに、40℃以下であることが反応を効率良くしかも、ポリアミド酸の粘度が上昇しやすいことから好ましい。
本発明の光学部品用ポリイミドは公知の製造方法により製造可能である。すなわち、原料であるテトラカルボン酸二無水物成分、および1種または2種のジアミン成分を実質的に等モル量使用し、有機極性溶媒中で重合してポリアミド酸重合体溶液を得る。ポリアミド酸を合成するための好ましい溶媒は、アミド系溶媒すなわちN,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどであり、N,N−ジメチルフォルムアミドが特に好ましく用いられる。反応装置には、温度制御装置を備えていることが好ましい。反応溶液温度としては60℃以下が好ましく、さらに、40℃以下であることが反応を効率良くしかも、ポリアミド酸の粘度が上昇しやすいことから好ましい。
ポリアミド酸溶液中のポリアミド酸の重量%は、5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、更に好ましくは、15〜30重量%溶解されているのが取り扱い面から好ましい。
このポリアミド酸を必要によりイミド化する。イミド化に関しては、公知の方法である熱キュア法およびケミカルキュア法を用いればよいが、本発明におけるポリイミドは前記した溶媒への溶解性が高いため、より容易なケミカルキュア法で行える。ケミカルキュア法は、ポリアミド酸有機溶媒溶液に、無水酢酸等の酸無水物に代表される化学的転化剤(脱水剤)と、トリエチルアミン、イソキノリン、β−ピコリン、ピリジン等の第三級アミン類等に代表される触媒と、を作用させる方法である。イミド化に際して、脱水剤を併用することはイミド化時間を短縮できる観点で好ましい。このような脱水剤としては脂肪族酸無水物や芳香族酸無水物などが挙げられるが、特に無水酢酸を用いることがポリイミド樹脂の洗浄に適しているという点から好ましい。ポリアミド酸に対する脱水剤およびイミド化促進剤の添加量は、ポリアミド酸の化学構造に依存するが、脱水剤の量は、(脱水剤のモル比/ポリアミド酸中のアミド基のモル比)で3〜1.2となるよう用いることができる。脱水剤の量が少ないとイミド化が進行するのに時間が要する場合があり、逆に多すぎると分子量の低下を引き起こす場合がある。
上述のようにして得られたポリイミド樹脂溶液から、ポリイミド樹脂粉体を抽出する方法として、ポリイミド樹脂、イミド化促進剤を含有するポリイミド樹脂の溶液をポリイミド樹脂の貧溶媒中に投入することで、ポリイミド樹脂を固形粉体状態に抽出する方法がある。この抽出に用いられるポリイミド樹脂の貧溶媒としては、ポリイミド樹脂の貧溶媒であって、ポリアミド酸およびポリイミド樹脂を溶解している溶媒として使用した有機溶剤と混和するものを用いることができる。例えば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、2−ブタノール、2−ペンタノール、2−ヘキサノール、シクロペンチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、フェノール、t−ブチルアルコールなどが挙げられる。上記アルコールの中でもイソプロピルアルコール、2−ブタノール、2−ペンタノール、フェノール、シクロペンチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコールが、抽出後のポリイミド樹脂の安定性が高く、高イミド化率となるという観点から好ましく、その中でもイソプロピルアルコールが好ましい。抽出したポリイミド樹脂粉体はアルコール等の貧溶媒中で洗浄する。
洗浄した樹脂の乾燥は、真空乾燥や熱風乾燥で行うとよい。しかし、酸素存在下で乾燥温度を120℃以上にすると酸化による着色が起こる場合がある。したがって乾燥は120℃以下で行うことが望ましい。真空中や不活性ガス雰囲気でも、120℃以下で行うことが望ましい。
上記のようにして得られたポリイミドは、通常溶媒に溶解させ、ワニス状にして使用する。溶媒としては、アミド系溶媒すなわちN,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどが好ましい。ポリイミド溶液の濃度は、10重量%以上60重量%以下の濃度であることが好ましい。10重量%未満の場合、例えば、シリコン基板上にポリイミド薄膜を形成するためにスピンコート等をする場合に、平滑で厚み均一な薄膜を形成することができない場合がある。一方ポリイミド溶液の濃度が60重量%より大きくなると、ポリイミド溶液の粘度が高すぎて製膜性が悪くなるなど取り扱いが困難になってしまう。
<フッ素含有率>
本発明におけるフッ素含有率とはポリイミドの単位ユニットの分子量のうちフッ素が占める原子量の割合を指す。ポリイミドの単位ユニットの分子量は、酸二無水物の分子量(MA)とジアミン(MB)の分子量の和から脱水するH2O2当量分の分子量、つまり36.04を引いた値である。例えば分子量が444.24である2,2-ビス―((3,4−ジカルボキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン二無水物)と分子量が334.26である2,2−ビス―(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンからなるポリイミドの単位ユニットの分子量は(444.24+334.26−36.04)=742.46である。その中にフッ素(原子量19.00)は12個含まれているのでフッ素含有率は(19.00×12)/742.46×100=30.7(%)となる。共重合体の場合は、使用する酸二無水物の平均分子量とジアミンの平均分子量をそれぞれMA、MBに置き換え、ポリイミドの単位ユニットの平均分子量を求め、そしてフッ素含有率をフッ素の原子量(19.00)に酸二無水物の1当量あたりの平均フッ素含有数とジアミンの1当量あたりの平均フッ素含有数の和を掛けたものとし、上に倣って算出すればよい。例えば、分子量が444.24である2,2-ビス―((3,4−ジカルボキシフェニル)-ヘキサフルオロプロパン二無水物)2当量と分子量が334.26である2,2−ビス―(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン1当量と分子量が384.42である9,9−ビス(3−フルオロ-4-アミノフェニル)フルオレン1当量を用いてできるポリイミド共重合体のフッ素含有率は以下のようにして求められる。酸二無水物については1種類しか用いていないのでMA=444.24となる。一方、MBは(334.26×0.5+384.42×0.5)=359.34となる。よって単位ユニットの平均分子量は(444.24+359.34−36.04)=767.54となる。平均フッ素含有数は酸二無水物が6個、ジアミンが6×0.5+2×0.5=4(個)なのでフッ素含有率は{19.00×(6+4)}/767.54×100=24.8(%)となる。
本発明におけるフッ素含有率とはポリイミドの単位ユニットの分子量のうちフッ素が占める原子量の割合を指す。ポリイミドの単位ユニットの分子量は、酸二無水物の分子量(MA)とジアミン(MB)の分子量の和から脱水するH2O2当量分の分子量、つまり36.04を引いた値である。例えば分子量が444.24である2,2-ビス―((3,4−ジカルボキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン二無水物)と分子量が334.26である2,2−ビス―(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンからなるポリイミドの単位ユニットの分子量は(444.24+334.26−36.04)=742.46である。その中にフッ素(原子量19.00)は12個含まれているのでフッ素含有率は(19.00×12)/742.46×100=30.7(%)となる。共重合体の場合は、使用する酸二無水物の平均分子量とジアミンの平均分子量をそれぞれMA、MBに置き換え、ポリイミドの単位ユニットの平均分子量を求め、そしてフッ素含有率をフッ素の原子量(19.00)に酸二無水物の1当量あたりの平均フッ素含有数とジアミンの1当量あたりの平均フッ素含有数の和を掛けたものとし、上に倣って算出すればよい。例えば、分子量が444.24である2,2-ビス―((3,4−ジカルボキシフェニル)-ヘキサフルオロプロパン二無水物)2当量と分子量が334.26である2,2−ビス―(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン1当量と分子量が384.42である9,9−ビス(3−フルオロ-4-アミノフェニル)フルオレン1当量を用いてできるポリイミド共重合体のフッ素含有率は以下のようにして求められる。酸二無水物については1種類しか用いていないのでMA=444.24となる。一方、MBは(334.26×0.5+384.42×0.5)=359.34となる。よって単位ユニットの平均分子量は(444.24+359.34−36.04)=767.54となる。平均フッ素含有数は酸二無水物が6個、ジアミンが6×0.5+2×0.5=4(個)なのでフッ素含有率は{19.00×(6+4)}/767.54×100=24.8(%)となる。
フッ素含有率が22.6重量%以下だと波長830nmにおける損失が大きくなりやすいので好ましくない。また、30重量%以上だと製膜時にクラッキングが生じやすくなるため好ましくない。したがってフッ素含有率は22.6重量%より大きく30重量%よりも小さいことが好ましい。
<ポリイミドの伝送損失>
本発明における光学部品用ポリイミドの、波長830nmにおける伝送損失はTEモード、TMモードともに1dB/cm以下であり、好ましくは0.5dB/cm以下であり、より好ましくは0.1dB/cm以下である。伝送損失が1dB/cmより大きくなると、光伝送効率が悪くなり光学部品に入力する光源の消費電力が増大してしまうので好ましくない。
本発明における光学部品用ポリイミドの、波長830nmにおける伝送損失はTEモード、TMモードともに1dB/cm以下であり、好ましくは0.5dB/cm以下であり、より好ましくは0.1dB/cm以下である。伝送損失が1dB/cmより大きくなると、光伝送効率が悪くなり光学部品に入力する光源の消費電力が増大してしまうので好ましくない。
本発明における光学部品用ポリイミドの伝送損失は、波長830nmのみならず、波長600nm以上1000nm未満および/または1000nm以上の領域での伝送損失が1dB/cm以下であることが好ましい。波長830nm以外の波長域においても伝送損失が1dB/cm以下であると、何種類もの波長を用いた双方向通信が可能となるためである。
本発明におけるポリイミドの伝送損失は、プリズムカプラ法を実現できる装置であるプリズムカプラモデル2010(メトリコン社製)を用いて測定した。
プリズムカプラ法により測定される伝送損失は、酸化膜付シリコン基板上にスピンコート法により作製された厚み1μmから15μm程度の薄膜中を導波した波長830nmおよび633nmの光の漏洩光強度の変化と伝送長をプロットしたときに得られる直線の傾きから算出される。この方法は厚み1μm以上、15μm以下の薄膜中で適用できる方法である。この厚み範囲において、伝送損失は、厚みには依存しないが、厚みが厚くなると伝送モードが数多く存在することになり測定が困難となるので、10μm前後が好適である。また、15μmより厚くなると、薄膜の平滑性が損なわれるので、好ましくない。1μm未満になると、伝送モードが存在しなくなるので、測定できなくなる。
なお、本発明のTEモード、TMモード、TEモードとTMモードの屈折率差などは、当業者にとって公知の概念であるものと同じ意味で用いる(例えば、特許文献1などに記載されている。)。
<屈折率>
本発明における屈折率は、プリズムカプラ法により測定され、得られた値である。測定には、プリズムカプラモデル2010(メトリコン社製)を使用した。
本発明における屈折率は、プリズムカプラ法により測定され、得られた値である。測定には、プリズムカプラモデル2010(メトリコン社製)を使用した。
本発明において、波長830nmでの屈折率はTEモードで1.55以上、TMモードで1.54以上が好ましい。屈折率がそれより小さいと、光導波路のコアに本発明のポリイミドを用いる場合、クラッド材料には、コアよりも屈折率の小さい材料を選択する必要がある。屈折率が小さいと、クラッド材料の選択の余地が制限されてしまう。
本発明において、複屈折率が0.02以下であることが好ましい。本発明における複屈折率とは、面方向の屈折率から厚さ方向の屈折率を引いた値である。面方向の屈折率とは、TEモードの光を用いて測定したときに得られる屈折率を表し、厚さ方向の屈折率とは、TMモードの光を用いて測定したときに得られる屈折率を表す。光導波路材料として用いる場合、複屈折率は小さければ小さいほど好ましい。複屈折率が大きいと、導波路内に入射された光の偏波方向によって屈折率が異なるので伝搬モードや伝搬速度に差異が現れ、信号伝達の精度が悪くなる可能性があるためである。
本発明における複屈折率の測定は、プリズムカプラ法により測定された。具体的には、プリズムカプラモデル2010(メトリコン社製)を使用した。
<光導波路の作製方法>
光導波路の作製は、公知な方法を用いて行えばよい。例えば、基板上にクラッド層、上記に説明したポリイミドのワニスを用いたコア層、フォトレジストをそれぞれスピンコート法で塗布した後、UV露光、反応性イオンエッチングでコア部分のパターニングを行い、さらにその上にクラッド層をスピンコート法で塗布して光導波路を形成する方法がある。他にも電子線(EB)照射による光導波路形成方法、感光性ポリイミドを用いてコアまたはクラッドを露光によりパターニングする方法などがある。さらには、コア材料を有機溶剤に溶解させ、該溶液をインクジェットにより塗布し、コア部を形成した後、上部クラッド層を形成して光導波路を形成する方法、紫外線硬化してポリマーとなるモノマー溶液へ光ファイバーから紫外線を誘導・照射し、照射部が徐々に伸びてコア部を形成する自己形成法、などがある。
光導波路の作製は、公知な方法を用いて行えばよい。例えば、基板上にクラッド層、上記に説明したポリイミドのワニスを用いたコア層、フォトレジストをそれぞれスピンコート法で塗布した後、UV露光、反応性イオンエッチングでコア部分のパターニングを行い、さらにその上にクラッド層をスピンコート法で塗布して光導波路を形成する方法がある。他にも電子線(EB)照射による光導波路形成方法、感光性ポリイミドを用いてコアまたはクラッドを露光によりパターニングする方法などがある。さらには、コア材料を有機溶剤に溶解させ、該溶液をインクジェットにより塗布し、コア部を形成した後、上部クラッド層を形成して光導波路を形成する方法、紫外線硬化してポリマーとなるモノマー溶液へ光ファイバーから紫外線を誘導・照射し、照射部が徐々に伸びてコア部を形成する自己形成法、などがある。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。ただし、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではなく、種々の実施形態の変更が可能である。
(実施例1)
攪拌翼がついた容器に、モレキュラーシーブにて十分に脱水したジメチルホルムアミド(DMF)を36.2g入れ、9,9−ビス(3−フルオロ−4−アミノフェニル)フルオレン5.8g(15mmol)を加え、完全に溶解するまで攪拌した。この系を0℃に冷却し、2,2−ビス―((3,4−ジカルボキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン二無水物13.3g(30mmol)を徐々に加え、完全に溶解させた。次に2,2−ビス―(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンを5.0g(15mmol)加えて4時間攪拌し、ポリアミド酸溶液(1)を得た。
攪拌翼がついた容器に、モレキュラーシーブにて十分に脱水したジメチルホルムアミド(DMF)を36.2g入れ、9,9−ビス(3−フルオロ−4−アミノフェニル)フルオレン5.8g(15mmol)を加え、完全に溶解するまで攪拌した。この系を0℃に冷却し、2,2−ビス―((3,4−ジカルボキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン二無水物13.3g(30mmol)を徐々に加え、完全に溶解させた。次に2,2−ビス―(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンを5.0g(15mmol)加えて4時間攪拌し、ポリアミド酸溶液(1)を得た。
次に、上記溶液に、触媒であるβピコリンを2.8g(30mmol)、脱水剤である無水酢酸を18.4g(180mmol)添加し、100℃のオイルバス中で1時間攪拌してポリイミド溶液を得た。
得られたポリイミド溶液を大量のイソプロピルアルコール(IPA)中に滴下し、ポリイミドを沈殿析出させた。濾過抽出によって得られたポリイミドはIPA中で撹拌洗浄させた。再び濾過を行った後、ポリイミドを80℃、減圧下にて充分に乾燥し、ポリイミド(1)を得た。
得られたポリイミド(1)10gをジオキソラン200gに溶解させ、0.2μmの目を持つメンブレンフィルターを用いて濾過した。濾過溶液の溶媒をクリーンベンチ内で蒸発乾燥させた後、得られたポリイミドをDMF40gに溶解させてポリイミドワニス(1)を得た。
ポリイミドワニス(1)4mLを酸化膜付シリコン基板(4インチ径)上に滴下し、2500rpmで2秒スピンコートした後に、80℃で10分乾燥させることにより厚み5μmの薄膜を得た。スピンコートして作製した薄膜の厚みは、酸化膜付シリコン基板を割断して薄膜を剥がしてから、別途機械的に厚み測定を実施した。
ポリイミドワニス(1)4mLを酸化膜付シリコン基板(4インチ径)上に滴下し、2500rpmで2秒スピンコートした後に、80℃で10分乾燥させることにより厚み5μmの薄膜を得た。スピンコートして作製した薄膜の厚みは、酸化膜付シリコン基板を割断して薄膜を剥がしてから、別途機械的に厚み測定を実施した。
クラッキングの有無の判断については、作製したポリイミド(1)のフィルム上に仮想的なクラッド材として2,2‐ビス‐((3,4‐ジカルボキシフェニル)‐ヘキサフルオロプロパン二無水物と2,2'‐ビス(トリフルオロメチル)‐4,4'‐ジアミノビフェニルからなるポリイミドの20重量%DMF溶液をさらにスピンコーティングした際、視認できる程度のクラッキングが生じるかどうかで判断した。その結果、多層化を行ってもクラッキングは生じなかった。
波長830nmにおける屈折率はプリズムカプラモデル2010(メトリコン社製)を使用して測定した。波長830nmにおける測定結果はTEモードで1.558、TMモードで1.547であった。複屈折率は0.011であった。
伝送損失測定には、プリズムカプラモデル2010(メトリコン社製)を用いた。酸化膜付シリコン基板上に形成させたポリイミド薄膜に、プリズムカプラ法により波長830nmのレーザー光を導入、伝搬させて伝送損失を測定した。レーザー光の偏波は、TEモードで測定した。その結果、波長830nmにおける伝送損失は0.11dB/cmであった。
(実施例2)
実施例1で使用した2,2−ビス―(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンを2,2−ビス―(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンに変えたこと以外は実施例1と同様の方法でイミド化しポリイミド(2)、ポリイミドワニス(2)を得てフィルム化を行い、各種特性を測定した。結果、多層化を行ってもクラッキングは生じなかった。波長830nmにおける屈折率はTEモードで1.558、TMモードで1.542であった。複屈折率は0.016であった。波長830nmにおける伝送損失は0.20dB/cmであった。
実施例1で使用した2,2−ビス―(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンを2,2−ビス―(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンに変えたこと以外は実施例1と同様の方法でイミド化しポリイミド(2)、ポリイミドワニス(2)を得てフィルム化を行い、各種特性を測定した。結果、多層化を行ってもクラッキングは生じなかった。波長830nmにおける屈折率はTEモードで1.558、TMモードで1.542であった。複屈折率は0.016であった。波長830nmにおける伝送損失は0.20dB/cmであった。
(実施例3)
攪拌翼がついた容器に、モレキュラーシーブにて十分に脱水したジメチルホルムアミド(DMF)を36.2g入れ、9,9−ビス(3−フルオロ−4−アミノフェニル)フルオレン7.7g(20mmol)を加え、完全に溶解するまで攪拌した。この系を0℃に冷却し、2,2−ビス―((3,4−ジカルボキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン二無水物13.3g(30mmol)を徐々に加え、完全に溶解させた。次に2,2−ビス―[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンを5.2g(10mmol)加えて4時間攪拌し、ポリアミド酸溶液(3)を得、その後は実施例1と同様の方法でイミド化し。ポリイミド(3)、ポリイミドワニス(3)を得てフィルム化を行い、各種特性を測定した。結果、多層化を行ってもクラッキングは生じなかった。波長830nmにおける屈折率はTEモードで1.570、TMモードで1.554であった。複屈折率は0.016であった。波長830nmにおける伝送損失は0.46dB/cmであった。
攪拌翼がついた容器に、モレキュラーシーブにて十分に脱水したジメチルホルムアミド(DMF)を36.2g入れ、9,9−ビス(3−フルオロ−4−アミノフェニル)フルオレン7.7g(20mmol)を加え、完全に溶解するまで攪拌した。この系を0℃に冷却し、2,2−ビス―((3,4−ジカルボキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン二無水物13.3g(30mmol)を徐々に加え、完全に溶解させた。次に2,2−ビス―[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンを5.2g(10mmol)加えて4時間攪拌し、ポリアミド酸溶液(3)を得、その後は実施例1と同様の方法でイミド化し。ポリイミド(3)、ポリイミドワニス(3)を得てフィルム化を行い、各種特性を測定した。結果、多層化を行ってもクラッキングは生じなかった。波長830nmにおける屈折率はTEモードで1.570、TMモードで1.554であった。複屈折率は0.016であった。波長830nmにおける伝送損失は0.46dB/cmであった。
(比較例1)
攪拌翼がついた容器に、モレキュラーシーブにて十分に脱水したジメチルホルムアミド(DMF)を58.4g入れ、2,2−ビス―(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン16.7g(50mmol)を加え、完全に溶解するまで攪拌した。この系を0℃に冷却し、2,2−ビス―((3,4−ジカルボキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン二無水物22.2g(50mmol)を徐々に加え、6時間攪拌し、ポリアミド酸溶液を得た。その後の操作は実施例1と同様に行ってポリイミド(4)、ポリイミドワニス(4)を得てフィルム化を行い、各種特性を測定した。結果、多層化を行うとクラッキングが生じた。波長830nmにおける屈折率はTEモードで1.535、TMモードで1.524であった。複屈折率は0.011であった。波長830nmにおける伝送損失は0.20dB/cmであった。
攪拌翼がついた容器に、モレキュラーシーブにて十分に脱水したジメチルホルムアミド(DMF)を58.4g入れ、2,2−ビス―(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン16.7g(50mmol)を加え、完全に溶解するまで攪拌した。この系を0℃に冷却し、2,2−ビス―((3,4−ジカルボキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン二無水物22.2g(50mmol)を徐々に加え、6時間攪拌し、ポリアミド酸溶液を得た。その後の操作は実施例1と同様に行ってポリイミド(4)、ポリイミドワニス(4)を得てフィルム化を行い、各種特性を測定した。結果、多層化を行うとクラッキングが生じた。波長830nmにおける屈折率はTEモードで1.535、TMモードで1.524であった。複屈折率は0.011であった。波長830nmにおける伝送損失は0.20dB/cmであった。
(比較例2)
比較例1で使用した2,2−ビス―(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンを2,2’‐ビス(トリフルオロメチル)‐4,4’‐ジアミノビフェニルに変えたこと以外は比較例1と同様の方法でイミド化しポリイミド(5)、ポリイミドワニス(5)を得てフィルム化を行い、特性を測定した。波長830nmにおける屈折率はTEモードで1.543であった。
比較例1で使用した2,2−ビス―(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンを2,2’‐ビス(トリフルオロメチル)‐4,4’‐ジアミノビフェニルに変えたこと以外は比較例1と同様の方法でイミド化しポリイミド(5)、ポリイミドワニス(5)を得てフィルム化を行い、特性を測定した。波長830nmにおける屈折率はTEモードで1.543であった。
Claims (5)
- 芳香族酸二無水物成分および芳香族ジアミン成分を原料とするポリイミドにおいて、(a)フッ素含有率が22.6重量%より大きく30重量%よりも小さい、(b)波長830nmにおける伝送損失がTEモード、TMモードともに1dB/cm以下、(c)屈折率がTEモードで1.55以上、TMモードで1.54以上および(d)複屈折率が0.02以下であることを特徴とする光学部品用ポリイミド。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリイミドを材料として用いた光学部品。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリイミドを材料として用いた光導波路。
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JP2006184544A JP2008015096A (ja) | 2006-07-04 | 2006-07-04 | 光学部品用ポリイミド、光学部品および光導波路 |
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CN107337796A (zh) * | 2016-05-03 | 2017-11-10 | 吉林师范大学 | 一种有机聚合物光波导材料及其制备方法 |
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2006
- 2006-07-04 JP JP2006184544A patent/JP2008015096A/ja active Pending
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