JP2008015000A - 偏光フィルムの湿式延伸製造方法及びその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学的均一性、厚さの均一性を得ながら、生産性を大きく向上させる偏光フィルムの湿式延伸製造方法の提供。
【解決手段】第1延伸用ロール33、第2延伸用ロール34及び第3延伸用ロール35の内の少なくとも1つの延伸用ロールの位置を変更可能にし、第1延伸用ロール33及び第3延伸用ロール35の内の一方の延伸用ロールを第2延伸用ロール34に密着させて、第1延伸用ロール33及び第3延伸用ロール35の内の他方の延伸用ロールと第2延伸用ロール34との間のみでポリビニールアルコール系フィルム3に延伸を与える1段延伸状態と、一方の延伸用ロールを第2延伸用ロール34から所定距離だけ離反させて、他方の延伸用ロールと第2延伸用ロール34との間での延伸に加え、第2延伸用ロール34と一方の延伸用ロールとの間でも延伸を与える2段延伸状態とを切換え設定することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、ポリビニールアルコール系フィルムに延伸を与えて偏光フィルムとなす偏光フィルムの湿式延伸製造方法及びその装置に関するものである。
偏光フィルムは、フィルム状をなす偏光板であり、自然光の所定の振動方向の光のみを透過させ、他の振動方向の光を吸収する機能を有する一種の光学フィルターである。偏光フィルムは、液晶表示装置において液晶と組み合わせることで情報表示を可能とする。このような液晶表示装置は、パーソナルコンピュータの表示器、モニター、テレビジョン、携帯電話の表示器、小型携帯端末器(PDA)、家庭電化製品の表示器、自動車の計器・表示器、機械類の計器・表示器、時計、電気卓上計算機等に広く用いられている。
偏光フィルムは、一般に二色性を有するヨウ素等の二色性物質をポリビニールアルコール系フィルム(以下、「PVA系フィルム」ともいう。)に染着させた後に、縦方向に一軸延伸をかけて配向させるか、PVA系フィルムを一軸延伸により配向後、二色性を有するヨウ素等の二色性物質を染着させて偏光性能を付与したもので、偏光軸と吸収軸とを有する。
作製された偏光フィルムは偏光素子と一般に呼ばれ、ポリビニールアルコール(PVA)系のものが用いられる。ここで、ポリビニールアルコール系フィルムとは、ポリビニールアルコール又はポリビニールホルマール,ポリビニールアセタール等の誘導体からなるフィルムである。
そして、偏光素子の両面には、図6に示すように、光の透過性が高い防湿性フィルム、例えばトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを保護層として積層するなどしている。これは、湿度によつてPVA系偏光フィルムが加水分解し偏光度が落ちるの防止する必要性に応じると共に、一軸方向に大きく延伸すると薄くなり、平面性維持が困難になるためである。
一軸延伸法によるPVA系偏光フィルムの製造法には、乾式延伸法と湿式延伸法とがあるが、偏光特性に優れる偏光フィルムが得られることから、現在、湿式延伸法が主流である。
乾式延伸法としては、特許文献1に記載されるものが知られている。これは、図7(a),(b)に示すように、未配向フィルム111aを加熱ロール122を用いて加熱し、ロール121又はロール123のロール間の周速差により延伸を行つて配向フィルム111bとしている。ロール121(低速)と熱ロール122(高速)の周速差により延伸を行う場合には後方に張力が付与され、ロール123(高速)と熱ロール122(低速)の周速差により延伸を行う場合には前方に張力が付与される。図7(a)のロール間距離Lは、後方に張力を付与する場合には、ロール121とポリビニールアルコール系フィルムとの最終接触点と熱ロール122とポリビニールアルコール系フィルムとの最始接触点との直線距離をいい、前方に張力を付与する場合には、熱ロール122とポリビニールアルコール系フィルムとの最終接触点とロール123とポリビニールアルコール系フィルムとの最始接触点との直線距離をいう、としている。
湿式延伸法としては、特許文献2に記載されるものが知られている。これは、二色性染料が吸着されたポリビニールアルコール系フィルムをホウ酸水溶液中で多段階に分けて一軸延伸し、このホウ酸水溶液中で一軸延伸されたポリビニール系フィルムを乾燥することを特徴としている。
延伸は、例えば二段階に延伸する。二段階に延伸する場合、一段ごとの延伸倍率は前後のロールでの送り速度比と同じであり、一段目のロールと二段目のロールとの延伸倍率を2.5とし、二段目のロールと三段目のロールとの延伸倍率を2.0とすれば、一段目のロールから三段目のロールまでの全延伸倍率は5.0倍となる。なお、一段の延伸倍率は比較的小さくして多段に分けて延伸しかつ延伸時の延伸用ロール間隔を比較的短くすることで偏光特性が向上する、としている。
特開2002−326278号公報 特開2001−337224号公報
特許文献1に記載される偏光フィルムの延伸製造方法にあつては、乾式延伸法であると共に、熱ロール122の前後に未配向フィルム111aを挟むように対をなすロールを配置し、ロール121(低速)と熱ロール122(高速)の周速差により延伸を行う場合には後方に張力を付与させ、ロール123(高速)と熱ロール122(低速)の周速差により延伸を行う場合には前方に張力を付与させ、加熱ロール122の後方に張力を付与する延伸と、前方に張力を付与する延伸とが可能なのみで、延伸用ロールの位置を変更可能な構造とはなつていない。
このため、1段延伸状態を与えるとき、延伸に関与しない一方のロール121を熱ロール122に密着させて、ポリビニールアルコール系フィルムの熱ロール122に対する滑りを抑制することができず、熱ロール122と一方のロール121との間でも延伸が生じ易く、正確な延伸倍率を与えることが困難であるという技術的課題がある。
加えて、熱ロール122にはポリビニールアルコール系フィルムを押し付ける圧着ロールが付属されず、ポリビニールアルコール系フィルムが熱ロール122に対して滑りを生じ易いという技術的課題もある。すなわち、熱ロール122の前後に配設する対をなすロール121の位置が固定されていると共に熱ロール122には圧着ロールが付属されていないため、例えば後方に張力を付与させてロール121(低速)と熱ロール122(高速)の周速差により延伸を行う場合には、熱ロール122に対して未配向フィルム111aに滑りを生じ易く、後方のみならず前方にも張力が付与され、正確な位置での延伸を与えることが不可能になる。
また、ポリビニールアルコール系フィルムは、対をなすロール121の間に通してあるのみで対をなすロール121の両者に対して点接触状態にあるため、対をなすロール121の間でのポリビニールアルコール系フィルムの滑りを抑制する機能に劣るという技術的課題もある。更に、3段延伸法の適用の余地が無い。
特許文献2に記載される湿式延伸法にあつては、多段階に分けて一軸延伸する方法について記載し、前後のロールでの送り速度比によつて延伸倍率を与えるとしているが、具体的なロール配置に関する記載は存在していない。このため、上述した特許文献1に記載される乾式延伸法の技術的課題を解決するものではない。このため、偏光フィルムの光学的均一性(単体透過率、直交透過率、偏光度など)、厚さの均一性が高度に得られると共に、生産性を大きく向上させる偏光フィルムの湿式延伸製造方法及び装置とはなつていない。
本発明は、湿式延伸法の問題点である光学的均一性、厚さの均一性を得ながら、生産性を大きく向上させる偏光フィルムの湿式延伸製造方法及びその装置の提供を目的としている。
請求項1に係る発明は、延伸槽32の中に、それぞれ回転駆動される第1延伸用ロール33、第2延伸用ロール34及び第3延伸用ロール35を順次に配置すると共に、延伸槽32の溶液中に浸漬させたポリビニールアルコール系フィルム3を第1延伸用ロール33、第2延伸用ロール34及び第3延伸用ロール35に順次に巻き付けて、第1延伸用ロール33と第2延伸用ロール34との間及び第2延伸用ロール34と第3延伸用ロール35との間の内の少なくとも一方で該フィルム3を延伸させて偏光フィルムにする偏光フィルムの湿式延伸製造方法であつて、
第1延伸用ロール33、第2延伸用ロール34及び第3延伸用ロール35の内の少なくとも1つの延伸用ロールの位置を変更可能にし、
第1延伸用ロール33及び第3延伸用ロール35の内の一方の延伸用ロールを第2延伸用ロール34に密着させて、第1延伸用ロール33及び第3延伸用ロール35の内の他方の延伸用ロールと第2延伸用ロール34との間のみでポリビニールアルコール系フィルム3に延伸を与える1段延伸状態と、
一方の延伸用ロールを第2延伸用ロール34から所定距離だけ離反させて、他方の延伸用ロールと第2延伸用ロール34との間での延伸に加え、第2延伸用ロール34と一方の延伸用ロールとの間でも延伸を与える2段延伸状態とを切換え設定することができることを特徴とする偏光フィルムの湿式延伸製造方法である。
請求項2の発明は、前記第1延伸用ロール33、第2延伸用ロール34及び第3延伸用ロール35のそれぞれに圧着ロール38a,38b,38cが付属され、ポリビニールアルコール系フィルム3が、第1の圧着ロール38aによつて第1延伸用ロール33に押し付けられ、第2の圧着ロール38bによつて第2延伸用ロール34に押し付けられ、第3の圧着ロール38cによつて第3延伸用ロール35に押し付けられていることを特徴とする請求項1の偏光フィルムの湿式延伸製造方法である。
請求項3の発明は、前記第1,第2及び第3の圧着ロール38a,38b,38cが、それぞれ前記第1延伸用ロール33、第2延伸用ロール34及び第3延伸用ロール35の上側に配置され、ポリビニールアルコール系フィルム3が、第1の圧着ロール38aに上側から巻き付けられ、第1の圧着ロール38aの下側から繰り出されるポリビニールアルコール系フィルム3が、第2の圧着ロール38bと第2延伸用ロール34との間を通過して、第3延伸用ロール35に下側から巻き付けられた後、第3の圧着ロール38cに下側から巻き付けられて繰り出されることを特徴とする請求項2の偏光フィルムの湿式延伸製造方法である。
請求項4の発明は、前記延伸槽32の中に、それぞれ回転駆動される第4延伸用ロール36及び第5延伸用ロール37が配置され、第3の圧着ロール38cから繰り出されるポリビニールアルコール系フィルム3が、第4延伸用ロール36及び第5延伸用ロール37に順次に巻き付けられ、第4延伸用ロール36と第5延伸用ロール37との間でポリビニールアルコール系フィルム3を延伸させることが可能であることを特徴とする請求項1,2又は3の偏光フィルムの湿式延伸製造方法である。
請求項5の発明は、ポリビニールアルコール系フィルム3を3〜6倍以上に延伸させ、該フィルム3の幅方向収縮率を15〜30%以下にすることを特徴とする請求項1,2,3又は4の偏光フィルムの湿式延伸製造方法である。
請求項6の発明は、溶液を収容する延伸槽32と、
延伸槽32の中に順次に配置され、それぞれ回転駆動される第1延伸用ロール33、第2延伸用ロール34及び第3延伸用ロール35とを備え、
溶液中に浸漬させたポリビニールアルコール系フィルム3を第1延伸用ロール33、第2延伸用ロール34及び第3延伸用ロール35に順次に巻き付けて、第1延伸用ロール33と第2延伸用ロール34との間及び第2延伸用ロール34と第3延伸用ロール35との間の内の少なくとも一方でポリビニールアルコール系フィルム3を延伸させて偏光フィルムにする偏光フィルムの湿式延伸製造装置であつて、
第1延伸用ロール33、第2延伸用ロール34及び第3延伸用ロール35の内の少なくとも1つの延伸用ロールの位置が変更可能であり、
第1延伸用ロール33及び第3延伸用ロール35の内の一方の延伸用ロールを第2延伸用ロール34に密着させて、第1延伸用ロール33及び第3延伸用ロール35の内の他方の延伸用ロールと第2延伸用ロール34との間のみでポリビニールアルコール系フィルム3に延伸を与える1段延伸状態と、
一方の延伸用ロールを第2延伸用ロール34から所定距離だけ離反させて、他方の延伸用ロールと第2延伸用ロール34との間での延伸に加え、第2延伸用ロール34と一方の延伸用ロールとの間でも延伸を与える2段延伸状態とを切換え設定することができることを特徴とする偏光フィルムの湿式延伸製造装置である。
請求項7の発明は、前記第1延伸用ロール33、第2延伸用ロール34及び第3延伸用ロール35のそれぞれに圧着ロール38a,38b,38cが付属され、ポリビニールアルコール系フィルム3が、第1の圧着ロール38aによつて第1延伸用ロール33に押し付けられ、第2の圧着ロール38bによつて第2延伸用ロール34に押し付けられ、第3の圧着ロール38cによつて第3延伸用ロール35に押し付けられていることを特徴とする請求項6の偏光フィルムの湿式延伸製造装置である。
請求項8の発明は、前記第1,第2及び第3の圧着ロール38a,38b,38cが、それぞれ前記第1延伸用ロール33、第2延伸用ロール34及び第3延伸用ロール35の上側に配置され、ポリビニールアルコール系フィルム3が、第1の圧着ロール38aに上側から巻き付けられ、第1の圧着ロール38aの下側から繰り出されるポリビニールアルコール系フィルム3が、第2の圧着ロール38bと第2延伸用ロール34との間を通過して、第3延伸用ロール35に下側から巻き付けられた後、第3の圧着ロール38cに下側から巻き付けられて繰り出されることを特徴とする請求項7の偏光フィルムの湿式延伸製造装置である。
独立請求項1及び6に係る発明によれば、1段延伸状態と2段延伸状態とを切換え設定することが可能である。そして、第1延伸用ロール及び第3延伸用ロールの内の一方の延伸用ロールをフィルムを介在させて第2延伸用ロールに密着させて、第1延伸用ロール及び第3延伸用ロールの内の他方の延伸用ロールと第2延伸用ロールとの間のみでポリビニールアルコール系フィルムに延伸を与える1段延伸状態を与えれば、ネックイン現象を抑制することができ、幅方向縮寸に起因する縦皺の発生も抑制され、幅方向の厚さが均一になる。しかして、幅方向(TD方向)の厚さの不均一に起因して、光学特性がフィルム幅方向での差異となることが抑制される。
また、一方の延伸用ロールを第2延伸用ロールから所定距離だけ離反させて、他方の延伸用ロールと第2延伸用ロールとの間での延伸に加え、第2延伸用ロールと一方の延伸用ロールとの間でも延伸を与える2段延伸状態を切換え設定することにより、フィルムの破断を抑制する延伸が可能になる。また、延伸距離が長い場合には、自由に伸び縮みし易いことから伸縮する現象を生じ易く、ポリビニールアルコール系フィルムの分子配向を大きく狂わせ、分子組成にもバラツキを生じ、色ムラにもなるが、2段延伸状態とすることにより、分子組成の均一性を向上させることができると共に、色ムラを抑制することができる。また、2段延伸状態とすることにより、ネックインを抑制させ、フィルム幅方向厚みが中央が薄く、両側部が厚くなる現象をも抑制することができる。その結果、偏光フィルムの光学的均一性及び厚さの均一性が高度に得られる。また、ポリビニールアルコール系フィルムは、その重合度が低いと破断し易くなるが伸び易いことが知られているが、重合度が低いポリビニールアルコール系フィルムにおいて、急激なストレスを掛けることに起因してフィルムが破断することも防止することができるため、生産性を大きく向上させることが可能になる。
かくして、使用するポリビニールアルコール系フィルムの特性に合わせて1段延伸状態又は2段延伸状態を与え、品質良好な偏光フィルムを得ることが可能になる。
請求項2,7に係る発明によれば、ポリビニールアルコール系フィルムが、第1の圧着ロールによつて第1延伸用ロールに押し付けられ、第2の圧着ロールによつて第2延伸用ロールに押し付けられ、第3の圧着ロールによつて第3延伸用ロールに押し付けられているので、ポリビニールアルコール系フィルムの滑りを抑制して、所定の延伸区域にて正確な延伸倍率を与えることができ、ひいては高品質の偏光フィルムを得ることが可能になる。
請求項3,8に係る発明によれば、ビニールアルコール系フィルムが、第1の圧着ロール,第1延伸用ロール及び第3延伸用ロール,第3の圧着ロールに長く巻き付けられることになり、ポリビニールアルコール系フィルムの滑りを更に抑制して、所定の延伸区域にて更に正確な延伸倍率を与えることが可能になり、ひいては高品質の偏光フィルムを得ることが可能になる。
請求項4に係る発明によれば、第4延伸用ロールと第5延伸用ロールとの間でポリビニールアルコール系フィルムを延伸させることが可能であるから、3段延伸状態を切換え設定することが可能になり、フィルムの破断を更に抑制する延伸が可能になる。かくして、使用するポリビニールアルコール系フィルムの特性に合わせた延伸状態を与え、品質良好な偏光フィルムを得ることが可能になる。
図1〜図5は、本発明に係る偏光フィルムの湿式延伸製造装置の1実施の形態を示す。図1中において符号1は偏光フィルムの湿式延伸製造装置の全体を示すが、偏光素子乾燥機40までを示し、トリアセチルセルロース等の保護フィルム貼り合わせ等の次工程は省略してある。湿式延伸法は、ポリビニールアルコール系フィルム3を延伸前後で溶液中に浸漬させ、フィルム3の吸水性を生かし、短時間で膨潤させ、その後、フィルム3に加熱及び冷却を施すことなく延伸部の前後に設置したロールの周速度差により延伸し、偏光フィルムとなす。勿論、乾式延伸法における加熱ロールは使用しない。
27は巻き取り状態のポリビニールアルコール系フィルム原反、28a〜28gはニップロール、29は膨潤槽、30は染着槽、31は洗浄槽(架橋槽)、32は延伸槽、33は延伸基準ロールとなる第1延伸用ロール、34は第2延伸用ロール、35は第3延伸用ロール、36は延伸基準ロールとなる第4延伸用ロール、37は第5延伸用ロール、38a〜38eは圧着ロール、39は洗浄槽(補色槽)、40は偏光素子乾燥機、41は乾燥後の偏光素子、各50は案内ロールである。
PVA系フィルム原反27からのPVA系フィルム3は、所定の張力かつ所定の速度でニップロール28aによつて巻き出され、膨潤槽29内に送られる。膨潤槽29内には所定温度でミネラル分、雑菌、色度、濁度、臭気、PH値等を基準値以下に維持した生産水又は純水が収容され、PVA系フィルム3の表面の汚れやブロッキング防止剤等を洗浄すると共に、PVA系フィルム3を膨潤させることで、染色ムラ等の不均一性を防止する作用を有する。膨潤槽29の溶液には、ヨウ化カリウム、ホウ酸、柔軟剤等を適宜に加えることもあり、また、膨潤槽29において低倍率で延伸することも可能である。膨潤槽29で低張力状態で処理されたPVA系フィルム3は、一般に、幅が最大で23%程自然拡幅し、厚さは75μm(原反27の厚さ)を基準として16〜19μm増加する。また、吸水することにより重量も70〜90%増加する。
膨潤槽29の溶液中を通過したPVA系フィルム3は、膨潤槽29の前端部のニップロール28bによつてフィルム3の両面の余剰水を水切りし、次工程の染着槽30にニップロール28cの駆動力で低張力状態で送られる。染着槽30内の溶液は膨潤槽29と同条件の生産水又は純水に二色性を有するヨウ素等の二色性物質を微小量加えた液で、ポリビニールアルコール分子鎖間にヨウ素イオンを着床させる。
また、ポリビニールアルコール系フィルム3の両面に余剰に付着した染料及び架橋剤を生産水又は純水で洗浄し、洗浄槽(架橋槽)31の前端部に配置したニップロール28dで水切りを行い、染着、架橋後のポリビニールアルコール系フィルム3は1つの延伸槽32に送られる。なお、洗浄槽(架橋槽)31でも低倍率で延伸することが可能である。
延伸槽32では、膨潤槽29と同様の生産水又は純水に、ホウ素化合物、ヨウ化物等を微小含有させた水溶液を用い、50℃位まで加温された貯留溶液中で、ロール装置2により、ポリビニールアルコール系フィルム3に縦方向(前後方向)に一軸延伸をかける。後端部のニップロール28dによつて延伸槽32に送り込まれるポリビニールアルコール系フィルム3は、後端位置の案内ロール50によつて溶液中に導かれ、ロール装置2によつて延伸された後、再度、前端位置の案内ロール50によつて溶液中に導かれ、前端部のニップロール28eによつて洗浄槽(補色槽)39に導入される。
ロール装置2は、図2に示す3つの延伸用ロール33,34,35を順次に有する第1の延伸ロール組、及び図4に示す2つの延伸用ロール36,37を順次に有する第2の延伸ロール組を備える。これらの延伸用ロール33,34,35,36,37は、溶液中に浸漬され、それぞれ図外の回転駆動源によつて個別に回転駆動される駆動ロールであり、個別に遊動ロールである圧着ロール38a〜38eを付属している。各延伸用ロール33,34,35,36,37は、各々独立した速度可変なモータを付属し、各ロール33,34,35,36,37単独での比率運転と張力制御が可能である。圧着ロール38a〜38eについても、接触すべき延伸用ロール33,34,35,36,37の周速に合わせて個別に回転数を制御することが可能な駆動ロールとすることが可能である。
第1の延伸ロール組を構成する延伸用ロール33,34,35では、ほぼ同一水平面上に平行配置する中心軸が前後方向に移動及び固定可能であり、所定位置で回転自在に支持し、第1,第2延伸用ロール33,34の間、及び第2,第3延伸用ロール34,35の間に任意のロール間隙を設定可能になつている。図2に示す状態は、第1,第2延伸用ロール33,34の間にロール間隙G1を設定し、第2,第3延伸用ロール34,35の間をフィルム3を介在させて密着させてロール間隙を零に設定している。
すなわち、溶液を収容する延伸槽32の中に、第1延伸用ロール33(第1駆動ロール)、第2延伸用ロール34(第2駆動ロール)及び第3延伸用ロール35(第3駆動ロール)を配置すると共に、後端位置の案内ロール50を経て延伸槽32の溶液中に浸漬させたポリビニールアルコール系フィルム3を第1延伸用ロール33、第2延伸用ロール34及び第3延伸用ロール35に順次に巻き付けて、第1延伸用ロール33と第2延伸用ロール34との間及び第2延伸用ロール34と第3延伸用ロール35との間の内の少なくとも一方でフィルム3を延伸させて偏光フィルムにすることができる。そして、第1延伸用ロール33、第2延伸用ロール34及び第3延伸用ロール35のそれぞれに第1,第2及び第3の圧着ロール38a,38b,38cが付属されているので、ポリビニールアルコール系フィルム3が、第1の圧着ロール38aによつて第1延伸用ロール33に押し付けられ、第2の圧着ロール38bによつて第2延伸用ロール34に押し付けられ、第3の圧着ロール38cによつて第3延伸用ロール35に押し付けられている。
具体的には、第1,第2及び第3の圧着ロール38a,38b,38cが、それぞれ第1延伸用ロール33、第2延伸用ロール34及び第3延伸用ロール35の上側に配置され、ポリビニールアルコール系フィルム3が、第1の圧着ロール38aに上側から巻き付けられて第1の圧着ロール38aと第1延伸用ロール33との間に通され、第1延伸用ロール33に巻き付けられて、第2の圧着ロール38bと第2延伸用ロール34との間を通つて第3延伸用ロール35に下側から巻き付けられて第3の圧着ロール38cと第3延伸用ロール35との間を通つて第3の圧着ロール38cに巻き付けられ、第3の圧着ロール38cの上側から導出されて、中間位置の案内ロール50に導かれている。しかして、ポリビニールアルコール系フィルム3は、対をなす第1の圧着ロール38a及び第1延伸用ロール33において逆S字状に巻き付けられ、対をなす第3延伸用ロール35及び第3の圧着ロール38cにおいてS字状に巻き付けられている。なお、対をなす第4の圧着ロール38d及び第4延伸用ロール36においても逆S字状に巻き付けられている。
各延伸用ロール33,34,35,36,37の材質は、金属ロールにニトリルゴム(NBR)又はエチレンプロピレンゴム(EPDM)を被着したライニングロールが望ましいが、硬質クロームメッキを施した金属ロールとしてもよい。
各圧着ロール38a〜38eの表面素材は延伸用ロール33〜37と同質のゴムライニングロールであり、また、表面粗度も同じでよい。
しかして、圧着ロール38a〜38eは、溶液中のポリビニールアルコール系フィルム3が延伸用ロール33,34,35,36,37と滑りを生じないように押圧させる機能を主として有し、また、S字状にポリビニールアルコール系フィルム3を巻き付けた圧着ロール38a,38c,38dは、対応する延伸用ロール33,35,36へのポリビニールアルコール系フィルム3の巻き付け長さを増加させて滑りを抑制すると共に、ポリビニールアルコール系フィルム3による上方への押圧力を支持するバックアップロールとしての機能を併有する。なお、圧着ロール38a〜38eの容量決定値は、全幅でポリビニールアルコール系フィルム3が張力により完全破断可能な容量とした。
このような第1の延伸ロール組(33〜35)及び第2の延伸ロール組(36,37)を適宜の周速にて駆動することにより、1段延伸法、2段延伸法、3段延伸法の適用が可能になる。
1段延伸法は、第1の延伸ロール組の一対の延伸用ロール33,34の間のみで一軸延伸を施すことによつて実施される。従つて、他の延伸用ロール34,35,36,37の周速は同一に設定する。このとき、対をなす延伸用ロール35及び圧着ロール38bを一体的に前後に水平移動させ、延伸用ロール35をフィルム3を挟んで延伸用ロール34に密着させることにより、延伸用ロール35は、圧着ロール38bと共に延伸用ロール34に対するポリビニールアルコール系フィルム3の滑りを防止するように機能する。
1段延伸法において、図2に示す第1,第2延伸用ロール33,34の周速を5.2倍とすれば、ポリビニールアルコール系フィルム3は5.2倍に一軸延伸されることになる。延伸時のネックイン(延伸による幅方向収縮)については、ロール間隙G1によつて延伸距離S1(スパン)と共に決定される。仮に、延伸用ロールの外径を310mmとした場合、ロール間隙G1を1mmとすれば、延伸距離S1(スパン)は約25mmであり、延伸後のPVA偏光素子の幅方向収縮は約5%となつた。この数値は、ポリビニールアルコール系フィルム3の重合度、延伸用ロールの間隙G1(延伸距離S1)の変化に加え、溶液温度、溶液中のホウ素化合物、ヨウ化物の濃度等により変化するものである。
2段延伸法は、図3に示すように、第1,第2延伸用ロール33,34の間での一軸延伸に加え、第2,第3延伸用ロール34,35の間での一軸延伸によつて実施される。従つて、第3〜第5延伸用ロール35,36,37の周速は同一に設定する。このとき、対をなす第3延伸用ロール35及び圧着ロール38cを一体的に図2上で右方に前方移動させ、第3延伸用ロール35を第2延伸用ロール34から離反させることにより、延伸用ロール34,35の間に、図3に示す延伸距離S2を形成する。
なお、1段延伸法は、第1,第2延伸用ロール33,34の間で一軸延伸を施すことに代えて、第2,第3延伸用ロール34,35の間で一軸延伸を施すことでも実施することができる。従って、1段延伸法は、第1延伸用ロール33、第2延伸用ロール34及び第3延伸用ロール35の内の少なくとも1つの延伸用ロールの位置を変更可能にし、第1延伸用ロール33及び第3延伸用ロール35の内の一方の延伸用ロールをフィルム3を介在させて第2延伸用ロール34に密着させて、第1延伸用ロール33及び第3延伸用ロール35の内の他方の延伸用ロールと第2延伸用ロール34との間のみでポリビニールアルコール系フィルム3に延伸を与えることで実施することができる。これにより、ネックイン現象を効果的に抑制することができる。
また、2段延伸法は、一方の延伸用ロールを第2延伸用ロール34から所定距離だけ離反させて、他方の延伸用ロールと第2延伸用ロール34との間での延伸に加え、第2延伸用ロール34と一方の延伸用ロールとの間でも延伸を与えることで実施することができ、2段延伸状態によれば、フィルム3の破断を抑制することができる。かくして、1段延伸法2段延伸法とを切換え設定することができる。
3段延伸法は、図4に示す第4,第5延伸用ロール36,37の間での一軸延伸を2段延伸法に加えることによつて実施される。従つて、第3延伸用ロール35と第4延伸用ロール36との間を除く全ての延伸用ロール33,34,35,36,37の間で延伸される。このとき、第4,第5延伸用ロール36,37の間は、ロール間隙G3によつて延伸距離S3(スパン)を形成する。
すなわち、延伸槽32の中に、第4延伸用ロール36(第4駆動ロール)及び第5延伸用ロール37(第5駆動ロール)が配置され、第3の圧着ロール38cから繰り出されて中間位置の案内ロール50によつて溶液内に案内されるポリビニールアルコール系フィルム3が、第4延伸用ロール36及び第5延伸用ロール37に順次に巻き付けられ、第4延伸用ロール36と第5延伸用ロール37との間でポリビニールアルコール系フィルム3を延伸させることが可能である。
具体的には、第4及び第5の圧着ロール38d,38eが、それぞれ前記第4延伸用ロール36及び第5延伸用ロール37の上側に配置され、中間位置の案内ロール50によつて案内されるポリビニールアルコール系フィルム3が、第4の圧着ロール38dの上側から巻き付けられ、第4の圧着ロール38dと第4延伸用ロール36との間を通過して第4の圧着ロール38dの下側から繰り出されるポリビニールアルコール系フィルム3が、第5の圧着ロール38eと第5延伸用ロール37との間に通され、前端位置の案内ロール50に向けて繰り出される。1段延伸法及び2段延伸法の適用に際しては、第4延伸用ロール36及び第5延伸用ロール37による延伸が行われないように、それらの回転数を制御する。
かくして、1段延伸法、2段延伸法、3段延伸法を切り換えて実施可能な1段延伸装置、2段延伸装置、3段延伸装置となる。第1の延伸ロール組において1段延伸法を実施し、かつ、第2の延伸ロール組の延伸用ロール36,37において1段延伸法を実施して、合計で2段延伸法にすることも可能である。なお、ポリビニールアルコール系フィルム3を3〜6倍以上に延伸させ、該フィルム3の幅方向収縮率を15〜30%以下にすることが望ましい。
図5は、ポリビニールアルコール系フィルム3に3段延伸をかけたときの延伸倍率及びネックインによる幅方向収縮値を測定した平面図である。延伸条件は、次の通りである。ポリビニールアルコール系フィルム3の原反幅1000mm、原反厚さ75μm、重合度2400を使用し、膨潤、染着、洗浄(架橋)工程を経て延伸を行つた。但し、延伸は、延伸槽32のみで行つた。
また、延伸槽32内の液温度は45℃、ホウ素化合物濃度は3%、各延伸用ロール33〜37の外径は300mm、表面材質はゴム(NBR)ライニング、延伸倍率5.2倍、運転周速度は第5延伸用ロール37で20m/min、第3延伸用ロール35で13.3m/min、第2延伸用ロール34で7.7m/min、第1延伸用ロール33で3.85m/minとした。その結果、各延伸用ロール33〜37の延伸距離(S1〜S3)及び収縮幅の合計を変えながら、収縮率の合計を約5〜15%とすることが可能であつた。
1段延伸法、2段延伸法、3段延伸法のいずれを使用するかは、ポリビニールアルコール系フィルム3の重合度、2色性を有するヨウ素や2色性染料の種類、各処理槽の液温度、ホウ素化合物の濃度、染料濃度、配向状態、偏光度、光透過率や作業性、生産性等を考慮して選択する必要がある。
延伸工程が終了したポリビニールアルコール系フィルム3は、前端位置の案内ロール50によつて溶液中に向けて案内されてニップロール28eに導かれ、洗浄槽(補色槽)39において前処理で付着したホウ酸等の不要残存物を洗い流し、PVA偏光素子の色相調節を行う。色相調節には、単体色相、2枚のPVA偏光素子の平行色相、2枚のPVA偏光素子の直交色相とがあり、洗浄槽(補色槽)39の溶液には、低温の生産水又は純水に微少のヨウ素化合物(ヨウ化カリウムやヨウ化ナトリウム)を加えたものを使用する。
次いで、ニップロール28fに導かれてPVA偏光素子の乾燥機40に入る。乾燥機40では、熱風又は電気パネルヒータを用いて一般にPVA系フィルム3のガラス転位点以下の温度でPVA偏光素子を乾燥し、湿潤状態にあつたPVA偏光素子41を含水分約3%に低下させる。乾燥することにより、最大幅方向収縮10%がみられる。ガラス転位点以上の高温の場合、PVA偏光素子41が赤色方向に変色する傾向がみられた。なお、PVA偏光素子の乾燥工程においても小さな延伸をかけることは可能である。
乾燥後のPVA偏光素子41は、次工程の保護フィルム、例えばトリアセチルセルロースフィルムとの貼り合機(図示せず)に送られ、図6に示す偏光素子に形成される。
本発明の1実施の形態に係る偏光フィルムの湿式延伸製造装置の全体を示す側面図。 同じく第1の延伸ロール組を1段延伸法に設定した状態を示す側面図。 同じく第1の延伸ロール組を2段延伸法に設定した状態を示す側面図。 同じく第2の延伸ロール組を示す側面図。 同じくポリビニールアルコール系フィルムに3段延伸をかけたときの延伸倍率及びネックインによる幅方向収縮値を平面図で示す説明図。 偏光素子を示す説明図。 従来の乾式延伸法を示し、図7(a)は側面図、図7(b)は平面図。
符号の説明
1:偏光フィルムの湿式延伸製造装置
3:ポリビニールアルコール系フィルム
32:延伸槽
33:第1延伸用ロール
34:第2延伸用ロール
35:第3延伸用ロール
36:第4延伸用ロール
37:第5延伸用ロール
38a:第1の圧着ロール
38b:第2の圧着ロール
38c:第3の圧着ロール
38d:第4の圧着ロール

Claims (8)

  1. 延伸槽(32)の中に、それぞれ回転駆動される第1延伸用ロール(33)、第2延伸用ロール(34)及び第3延伸用ロール(35)を順次に配置すると共に、延伸槽(32)の溶液中に浸漬させたポリビニールアルコール系フィルム(3)を第1延伸用ロール(33)、第2延伸用ロール(34)及び第3延伸用ロール(35)に順次に巻き付けて、第1延伸用ロール(33)と第2延伸用ロール(34)との間及び第2延伸用ロール(34)と第3延伸用ロール(35)との間の内の少なくとも一方で該フィルム(3)を延伸させて偏光フィルムにする偏光フィルムの湿式延伸製造方法であつて、
    第1延伸用ロール(33)、第2延伸用ロール(34)及び第3延伸用ロール(35)の内の少なくとも1つの延伸用ロールの位置を変更可能にし、
    第1延伸用ロール(33)及び第3延伸用ロール(35)の内の一方の延伸用ロールを第2延伸用ロール(34)に密着させて、第1延伸用ロール(33)及び第3延伸用ロール(35)の内の他方の延伸用ロールと第2延伸用ロール(34)との間のみでポリビニールアルコール系フィルム(3)に延伸を与える1段延伸状態と、
    一方の延伸用ロールを第2延伸用ロール(34)から所定距離だけ離反させて、他方の延伸用ロールと第2延伸用ロール(34)との間での延伸に加え、第2延伸用ロール(34)と一方の延伸用ロールとの間でも延伸を与える2段延伸状態とを切換え設定することができることを特徴とする偏光フィルムの湿式延伸製造方法。
  2. 前記第1延伸用ロール(33)、第2延伸用ロール(34)及び第3延伸用ロール(35)のそれぞれに圧着ロール(38a,38b,38c)が付属され、ポリビニールアルコール系フィルム(3)が、第1の圧着ロール(38a)によつて第1延伸用ロール(33に押し付けられ、第2の圧着ロール(38b)によつて第2延伸用ロール(34)に押し付けられ、第3の圧着ロール(38c)によつて第3延伸用ロール(35)に押し付けられていることを特徴とする請求項1の偏光フィルムの湿式延伸製造方法。
  3. 前記第1,第2及び第3の圧着ロール(38a,38b,38c)が、それぞれ前記第1延伸用ロール(33)、第2延伸用ロール(34)及び第3延伸用ロール(35)の上側に配置され、ポリビニールアルコール系フィルム(3)が、第1の圧着ロール(38a)に上側から巻き付けられ、第1の圧着ロール(38a)の下側から繰り出されるポリビニールアルコール系フィルム(3)が、第2の圧着ロール(38b)と第2延伸用ロール(34)との間を通過して、第3延伸用ロール(35)に下側から巻き付けられた後、第3の圧着ロール(38c)に下側から巻き付けられて繰り出されることを特徴とする請求項2の偏光フィルムの湿式延伸製造方法。
  4. 前記延伸槽(32)の中に、それぞれ回転駆動される第4延伸用ロール(36)及び第5延伸用ロール(37)が配置され、第3の圧着ロール(38c)から繰り出されるポリビニールアルコール系フィルム(3)が、第4延伸用ロール(36)及び第5延伸用ロール(37)に順次に巻き付けられ、第4延伸用ロール(36)と第5延伸用ロール(37)との間でポリビニールアルコール系フィルム(3)を延伸させることが可能であることを特徴とする請求項1,2又は3の偏光フィルムの湿式延伸製造方法。
  5. ポリビニールアルコール系フィルム(3)を3〜6倍以上に延伸させ、該フィルム(3)の幅方向収縮率を15〜30%以下にすることを特徴とする請求項1,2,3又は4の偏光フィルムの湿式延伸製造方法。
  6. 溶液を収容する延伸槽(32)と、
    延伸槽(32)の中に順次に配置され、それぞれ回転駆動される第1延伸用ロール(33)、第2延伸用ロール(34)及び第3延伸用ロール(35)とを備え、
    溶液中に浸漬させたポリビニールアルコール系フィルム(3)を第1延伸用ロール(33)、第2延伸用ロール(34)及び第3延伸用ロール(35)に順次に巻き付けて、第1延伸用ロール(33)と第2延伸用ロール(34)との間及び第2延伸用ロール(34)と第3延伸用ロール(35)との間の内の少なくとも一方でポリビニールアルコール系フィルム(3)を延伸させて偏光フィルムにする偏光フィルムの湿式延伸製造装置であつて、
    第1延伸用ロール(33)、第2延伸用ロール(34)及び第3延伸用ロール(35)の内の少なくとも1つの延伸用ロールの位置が変更可能であり、
    第1延伸用ロール(33)及び第3延伸用ロール(35)の内の一方の延伸用ロールを第2延伸用ロール(34)に密着させて、第1延伸用ロール(33)及び第3延伸用ロール(35)の内の他方の延伸用ロールと第2延伸用ロール(34)との間のみでポリビニールアルコール系フィルム(3)に延伸を与える1段延伸状態と、
    一方の延伸用ロールを第2延伸用ロール(34)から所定距離だけ離反させて、他方の延伸用ロールと第2延伸用ロール(34)との間での延伸に加え、第2延伸用ロール(34)と一方の延伸用ロールとの間でも延伸を与える2段延伸状態とを切換え設定することができることを特徴とする偏光フィルムの湿式延伸製造装置。
  7. 前記第1延伸用ロール(33)、第2延伸用ロール(34)及び第3延伸用ロール(35)のそれぞれに圧着ロール(38a,38b,38c)が付属され、ポリビニールアルコール系フィルム(3)が、第1の圧着ロール(38a)によつて第1延伸用ロール(33)に押し付けられ、第2の圧着ロール(38b)によつて第2延伸用ロール(34)に押し付けられ、第3の圧着ロール(38c)によつて第3延伸用ロール(35)に押し付けられていることを特徴とする請求項6の偏光フィルムの湿式延伸製造装置。
  8. 前記第1,第2及び第3の圧着ロール(38a,38b,38c)が、それぞれ前記第1延伸用ロール(33)、第2延伸用ロール(34)及び第3延伸用ロール(35)の上側に配置され、ポリビニールアルコール系フィルム(3)が、第1の圧着ロール(38a)に上側から巻き付けられ、第1の圧着ロール(38a)の下側から繰り出されるポリビニールアルコール系フィルム(3)が、第2の圧着ロール(38b)と第2延伸用ロール(34)との間を通過して、第3延伸用ロール(35)に下側から巻き付けられた後、第3の圧着ロール(38c)に下側から巻き付けられて繰り出されることを特徴とする請求項7の偏光フィルムの湿式延伸製造装置。
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