JP2012013989A - 偏光子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性に優れ、かつ、外観に優れた偏光子を製造する方法を提供すること。
【解決手段】本発明の偏光子の製造方法は、偏光子作製用フィルムを搬送ロールで搬送しながら、偏光子作製用フィルムに湿式処理と乾燥処理とをこの順で施し、湿式処理後に、偏光子作製用フィルムにニップ圧を加える。好ましくは、熱ロールを用いて乾燥処理を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光子の製造方法に関する。
液晶表示装置は、その表示メカニズムに起因して、偏光板を必須の構成要素として含む。偏光板は、代表的には、ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂フィルムに二色性物質を吸着させて一軸延伸した偏光子に保護層が貼り合わせられている。ところで、液晶表示装置の用途が拡大するに伴って、液晶表示装置の大型化および低コスト化の要望が高まっており、偏光板についても大型化および低コスト化が要望されている。
このような要望に対応するために、例えば、熱ロールにより乾燥を行うことにより、乾燥工程における収縮を制御して、幅広の偏光子を製造する方法が提案されている(特許文献1)。しかし、このような方法によれば、乾燥工程においてムラ(例えば、偏光子表面に見える楕円状のムラ)が発生しやすく、得られる偏光子の外観不良が問題となる。また、このようなムラの発生により、歩留まりが著しく低下するという問題もある。
特開2009−48179号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、生産性に優れ、かつ、外観に優れた偏光子を製造する方法を提供することにある。
本発明の偏光子の製造方法は、偏光子作製用フィルムを搬送ロールで搬送しながら、偏光子作製用フィルムに湿式処理と乾燥処理とをこの順で施し、湿式処理後に、偏光子作製用フィルムにニップ圧を加える。
好ましい実施形態においては、上記乾燥処理前の偏光子作製用フィルムの引張り弾性率が500MPa以上である。
好ましい実施形態においては、上記ニップ圧が0.1MPa〜1MPaである。
好ましい実施形態においては、上記ニップ圧をシリコンゴムロールで加える。
好ましい実施形態においては、上記乾燥処理を、熱ロールを用いて行う。
本発明の別の局面によれば、偏光子が提供される。この偏光子は、上記製造方法により製造される。
本発明によれば、湿式処理後に、偏光子作製用フィルムにニップ圧を加えることにより、外観に優れた偏光子を、歩留まり良く製造することができる。具体的には、湿式処理後の偏光子作製用フィルムにニップ圧を加えることにより、偏光子作製用フィルムに気泡、水滴等がかみ込まれるのを防止することができる。この状態で乾燥処理を施すことにより、ムラの発生が抑制され、外観に優れた偏光子を歩留まり良く製造することができる。
本発明の偏光子の製造方法の一例を説明する概略図である。 比較例において発生したムラの観察写真である。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれらの具体的な実施形態には限定されない。
A.製造方法
本発明の偏光子の製造方法は、偏光子作製用フィルムを搬送ロールで搬送しながら、偏光子作製用フィルムに湿式処理と乾燥処理とをこの順で施す。偏光子作製用フィルムは、代表的には、長尺状とされている。
偏光子作製用フィルムの形成材料の代表例としては、ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂が挙げられる。PVA系樹脂は、ビニルエステル系モノマーを重合して得られるビニルエステル系重合体をケン化することによって得ることができる。上記PVA系樹脂のケン化度は、好ましくは80.0モル%〜99.9モル%である。上記ケン化度は、JIS K 6726−1994に準じて求めることができる。ケン化度が上記の範囲であるPVA系樹脂を用いることによって、耐久性に優れた偏光子が得られ得る。
上記PVA系樹脂の平均重合度は、目的に応じて適切な値が選択され得る。上記平均重合度は、好ましくは1000〜10000である。なお、平均重合度は、JIS K 6726−1994に準じて求めることができる。
上記湿式処理としては、例えば、膨潤処理、染色処理、架橋処理、延伸処理、調整処理、洗浄処理等が挙げられる。これらの処理は、目的に応じて選択することができる。また、処理順序、処理のタイミング、処理回数等、適宜設定することができる。以下、各々の処理について説明する。
上記染色処理は、好ましくは、偏光子作製用フィルムにヨウ素または二色性染料を吸着させる。染色は、通常、偏光子作製用フィルムを染色溶液(染色浴)に浸漬することにより行われる。染色溶液としてはヨウ素溶液が一般的である。ヨウ素溶液中のヨウ素濃度は、好ましくは0.01重量%〜1重量%、さらに好ましくは0.02重量%〜0.5重量%である。染色溶液の温度は、通常20℃〜50℃程度、好ましくは25℃〜40℃である。染色溶液への浸漬時間は、通常10秒〜300秒、好ましくは20秒〜240秒である。
上記架橋処理においては、通常、架橋剤としてホウ素化合物が用いられる。ホウ素化合物としては、ホウ酸、ホウ砂等が挙げられる。ホウ素化合物は、通常、ホウ酸水溶液の形態で用いられる。ホウ酸水溶液のホウ酸濃度は、2重量%〜15重量%程度、好ましくは3重量%〜13重量%である。ホウ酸濃度がこのような範囲であれば、架橋処理により、得られる偏光子に効率的に耐熱性等を付与することができる。ホウ酸水溶液には、ヨウ化カリウム等のヨウ化化合物を含有させてもよい。架橋処理は、通常、偏光子作製用フィルムをホウ酸水溶液(架橋浴)に浸漬することにより行われる。あるいは、偏光子作製用フィルムに、ホウ素化合物を、塗布法、噴霧法等により適用してもよい。処理温度は、通常25℃以上、好ましくは30℃〜85℃、さらに好ましくは30℃〜60℃である。処理時間(浸漬時間)は、通常5秒〜800秒、好ましくは8秒〜500秒である。
上記延伸処理においては、通常、偏光子作製用フィルムが一軸延伸に供される。延伸処理は、例えば、染色処理、架橋処理、膨潤処理とともに行うことができる。また、延伸に用いられる処理液(延伸浴)にヨウ化化合物を含有させることができる。この場合、ヨウ化化合物濃度は、好ましくは0.1重量%〜10重量%、さらに好ましくは0.2重量%〜5重量%である。処理温度は、通常25℃以上、好ましくは30℃〜85℃、さらに好ましくは30℃〜60℃である。延伸浴への浸漬時間は、通常10秒〜800秒、好ましくは30秒〜500秒である。なお、延伸方式としては、湿式だけでなく乾式を採用することもできる。
延伸による延伸倍率は、偏光子作製用フィルムの元長に対して、好ましくは3倍〜17倍、さらに好ましくは4倍〜10倍、特に好ましくは4倍〜8倍である。なお、当該延伸倍率は、延伸処理を多段階で行う場合、各段階の延伸倍率の積(総延伸倍率)である。延伸倍率が低すぎると、配向が不足して、高い光学特性(代表的には、偏光度)を有する偏光子が得られない場合が多い。延伸倍率が高すぎると、延伸の際にフィルムの破断が起こりやすく、また、得られる偏光子が薄くなりすぎて、続く処理での加工性が低下するおそれがある。
上記膨潤処理は、代表的には、染色処理の前に行う。膨潤処理は、通常、偏光子作製用フィルムを処理液(膨潤浴)に浸漬することにより行う。膨潤処理を行うことにより、偏光子作製用フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるのみならず、染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。処理液としては、通常、水、蒸留水、純水が用いられる。処理液の主成分が水であれば、ヨウ化化合物、界面活性剤等の添加物、アルコール等が含まれていてもよい。処理温度は、通常20℃〜45℃、好ましくは25℃〜40℃である。膨潤浴への浸漬時間は、通常10秒〜300秒、好ましくは20秒〜240秒である。ここで、偏光子作製用フィルムを均一に膨潤させることが好ましい。均一に膨潤させることにより、例えば、染色ムラを防止し得る。
上記調整処理は、代表的には、ヨウ化化合物溶液(例えば、ヨウ化カリウム溶液)に偏光子作製用フィルムを浸漬することにより行う。ヨウ化化合物溶液におけるヨウ化化合物濃度は、通常0.5重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜8重量%、さらに好ましくは1重量%〜6重量%である。処理温度は、通常15℃〜60℃、好ましくは25℃〜40℃である。処理時間(浸漬時間)は、通常1秒〜120秒、好ましくは3秒〜90秒である。
上記洗浄処理においては、好ましくは、偏光子作製用フィルムを水(代表的には、イオン交換水、蒸留水などの純水)に浸漬することにより洗浄する。水による洗浄処理温度は、通常5℃〜50℃、好ましくは10℃〜45℃、さらに好ましくは15℃〜40℃である。処理時間(浸漬時間)は、通常10秒〜300秒、好ましくは20秒〜240秒である。水による洗浄処理は、調整処理と組み合わせてもよい。また、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、プロパノール等の液体アルコールを適宜水に加えて洗浄液としてもよい。代表的には、湿式処理の最後に、調整処理と洗浄処理をこの順で行う。
上記湿式処理後に、偏光子作製用フィルムにニップ圧を加える。好ましくは、湿式処理直後(乾燥処理前)に、ニップ圧を加える。熱ロールを用いて乾燥処理を行う場合、好ましくは、偏光子作製用フィルムと熱ロールとの接触境界部にニップ圧を加える。ニップ圧を加えることにより、偏光子作製用フィルムに気泡、水滴等がかみ込まれるのを防止することができる。この状態で乾燥処理を施すことにより、ムラの発生が抑制され、外観に優れた偏光子を歩留まり良く製造することができる。ニップ圧は、好ましくは0.1MPa〜1MPaである。
1つの実施形態においては、ニップ圧をニップロールで加える。具体的には、図1に示すように、搬送ロール21とニップロール22との間隙に偏光子作製用フィルム10を通過させながら、ニップ圧を加える。ニップロールは、好ましくは、弾性体で形成される。弾性体としては、好ましくは、シリコンゴムが用いられる。ニップロールの別の具体例として、金属弾性ロールが挙げられる。金属弾性ロールは、金属薄膜で形成された中空のロール内に、風船のように気体を注入して構成される。気体の注入量(内圧)を調整することにより、ニップ圧、ロール弾性、硬度等を制御することができる。気体の注入量は、好ましくは0.1MPa〜0.3MPaである。ニップロール表面は、異物の発生を防止すること等を目的として、任意の適切な表面処理が施されていてもよい。表面処理の方法としては、例えば、硬質クロム等の金属膜を巻きつける方法、硬質クロム等をメッキする方法が挙げられる。
上記ニップロールの硬度は、好ましくはHs30〜Hs90である。なお、硬度は、JIS K 6301に準じ、測定方式としてスプリングA型を採用することにより求めることができる。
別の実施形態においては、偏光子作製用フィルムに気体(例えば、空気)を吹き付けることによりニップ圧を加える(エアーニップ)。この場合、ニップ圧は、好ましくは0.5MPa以下であり、さらに好ましくは0.4MPa程度である。吹き付けを強くし過ぎると、異物を巻き上げるおそれがある。
湿式処理の後、偏光子作製用フィルムに乾燥処理を施す。乾燥処理前の偏光子作製用フィルムの重量水分率は、好ましくは55%以下、より好ましくは25%〜55%、さらに好ましくは27%〜52%、特に好ましくは30%〜50%である。乾燥処理前の重量水分率がこのような範囲であれば、乾燥条件を適切に選択することにより、後述の所望の重量水分率を有する偏光子が効率良く得ることができる。ここで、重量水分率は、以下のようにして測定される:測定されるべきフィルムを100mm×100mmの大きさに切り出して試料フィルムとし、この試料フィルムの初期重量を測定する。続いて、この試料フィルムを120℃で2時間乾燥し、乾燥重量を測定して、下記式により水分率を決定する。なお、下記式において、初期重量および乾燥重量は、それぞれ3回測定を行った平均値である。
水分率(重量%)=〔(初期重量−乾燥重量)/初期重量〕×100
なお、乾燥処理前の重量水分率は、上記湿式処理条件(例えば、処理浴への浸漬時間等)を調整することにより制御することができる。
乾燥処理前の偏光子作製用フィルムの引張り弾性率は、好ましくは500MPa以上、さらに好ましくは500MPa〜2500MPaである。このような引張り弾性率を有する偏光子作製用フィルムに対して、ムラの発生を効果的に抑制することができる。通常、高水分率の偏光子作製用フィルムは引張り弾性率が低く、乾燥処理の際(例えば、熱ロールに接触した際)に、幅方向の収縮応力によりシワが発生しやすい。このような状態の偏光子作製用フィルムに対しても、予め、ニップ圧を加えることにより、ムラの発生を効果的に抑制することができる。なお、引っ張り弾性率は、例えば、精密延伸機を用いてMD方向(搬送方向)に偏光子作製用フィルムを引っ張り、引っ張った際の張力変化と伸び率変化を測定し、その傾きを算出することにより求めることができる。また、引張り弾性率は、例えば、上記重量水分率を調整することにより制御することができる。
乾燥処理は、任意の適切な条件で行うことができる。乾燥温度は、代表的には30℃〜110℃である。乾燥時間は、代表的には5秒〜300秒である。加熱は、例えば加熱炉を用いて加熱雰囲気下でフィルムを搬送して行ってもよく(熱風乾燥方式)、搬送ロールを加熱して(いわゆる熱ロールを用いて)行ってもよく(熱ロール乾燥方式)、これらを併用してもよい。好ましくは、熱ロールを用いて行う。熱ロールを用いて乾燥処理することにより、偏光子作製用フィルムの幅方向の収縮を抑制して、幅広の偏光子を得ることができ、近年の液晶表示装置の大型化に対応することができる。また、水分率が低下した際に発生する外観不良(例えば、スジムラ)を防止することができ、乾燥効率の点においても優れる。
1つの実施形態においては、乾燥処理は、2段階で行う。好ましくは、低温で乾燥する第1乾燥処理と、高温で乾燥する第2乾燥処理とを行う。このような特定の条件を採用した2段階乾燥を行うことにより、加湿環境下において優れた寸法安定性および光学的耐久性を有する偏光子を得ることができる。理論的には明らかではないが、第1乾燥処理によりフィルムの重量水分率を後述の所望の重量水分率近傍まで低下させることができ、第2乾燥処理においてこのような低い重量水分率を有するフィルムを高温で加熱することにより、高い結晶化および架橋が実現されると推定される。さらに好ましくは、2段階乾燥と上記熱ロール乾燥方式とを組み合わせて乾燥処理を行う。第1乾燥処理を熱ロール乾燥方式で行うことにより、フィルムの幅方向の収縮を効果的に抑制し(拘束乾燥)、第2乾燥処理を熱ロール乾燥方式による接触乾燥とすることにより、より高い結晶化を実現することができる。これらの相乗効果により、加湿環境下において優れた寸法安定性および光学的耐久性を有する偏光子を得ることができると推定される。また、加熱炉等を別途設置することなく連続的な製造を行うことができるという利点もある。
以上のようにして、本発明の偏光子が製造され得る。なお、本発明の偏光子の製造方法における具体的な操作や条件のうち本明細書に記載されていないものについては、特開2009−48179号公報および特開2009−163202号公報に記載の操作や条件が採用され得るか、あるいは、当業界における一般的な操作や条件が採用され得る。
B.偏光子
上記製造方法により製造される偏光子は、重量水分率が、好ましくは14%以下、さらに好ましくは13%以下であり、特に好ましくは12%以下である。偏光子の厚みは、代表的には0.5μm〜80μm程度である。
上記偏光子は、実用的には、その少なくとも片側に保護層が設けられ、偏光板として用いられる。保護層としては、偏光板の保護層として使用できる任意の適切なフィルムで形成される。当該フィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、(メタ)アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、(メタ)アクリル系、ウレタン系、(メタ)アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。当該ポリマーフィルムは、例えば、上記樹脂組成物の押出成形物であり得る。
上記偏光板の透過率は、好ましくは38.3%〜44.3%であり、さらに好ましくは39.2%〜44.2%であり、特に好ましくは41.1%〜44.2%であり、最も好ましくは41.7%〜44.2%である。
上記偏光板の偏光度は、好ましくは99%以上であり、さらに好ましくは99.5%以上であり、特に好ましくは99.7%以上であり、最も好ましくは99.8%以上である。
上記偏光度は、分光光度計[村上色彩技術研究所(株)製 製品名「DOT−3」]を用いて測定することができる。上記偏光度の具体的な測定方法としては、上記偏光板の平行透過率(H0)および直交透過率(H90)を測定し、式:偏光度(%)={(H−H90)/(H+H90)}1/2×100より求めることができる。上記平行透過率(H)は、同じ偏光板2枚を互いの吸収軸が平行となるように重ね合わせて作製した平行型積層偏光板の透過率の値である。また、上記直交透過率(H90)は、同じ偏光板2枚を互いの吸収軸が直交するように重ね合わせて作製した直交型積層偏光板の透過率の値である。なお、これらの透過率は、JlS Z 8701−1982の2度視野(C光源)により、視感度補正を行ったY値である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。特に明記しない限り、実施例における「部」および「%」は重量基準である。なお、重量水分率および引張り弾性率の測定方法は以下のとおりである。
[重量水分率]
各実施例および比較例において、乾燥処理前(湿式処理後)の偏光子作製用フィルムを100mm×100mmの大きさに切り出して試料フィルムとし、この試料フィルムの初期重量を測定した。続いて、この試料フィルムを120℃で2時間乾燥し、乾燥重量を測定して、下記式により水分率を決定した。なお、下記式において、初期重量および乾燥重量は、それぞれ3回測定を行い、その平均値を採用した。
水分率(重量%)={(初期重量−乾燥重量)/初期重量}×100
[引張り弾性率]
精密延伸機を用いてMD方向(搬送方向)にフィルムを引っ張り、引っ張った際の張力変化と伸び率変化を測定し、その傾きを算出することにより求めた。
<実施例1>
重合度2400、ケン化度99.7モル%、厚さ75μmのPVA系樹脂フィルムを偏光子作製用フィルムとして用い、このフィルムを搬送ロールで搬送しながら湿式処理を行った。具体的は、当該フィルムを、30℃のヨウ素水溶液中で染色しながらフィルム搬送方向に3倍に延伸し、次いで、60℃の4重量%ホウ酸、5重量%のヨウ化カリウム水溶液中で、総延伸倍率が元長の6倍となるように延伸した。さらに、延伸したフィルムを30℃の2重量%のヨウ化カリウム水溶液中に数秒浸漬することで洗浄した。この時点で、フィルムの重量水分率は26%であり、引張り弾性率は2000MPaであった。
次いで、図1に示すように、搬送ロールとニップロール(シリコンゴムロール、硬度:Hs60)との間隙にフィルムを通過させて、ニップ圧(0.2MPa)を加えた。その後、フィルムを熱ロールで搬送しながら、70℃で12秒間乾燥した後、80℃で75秒間乾燥した。なお、フィルムと熱ロールとの接触境界部にニップ圧を加えた。このようにして、偏光子を作製した。
<実施例2>
乾燥処理前のフィルムの重量水分率を35%、引張り弾性率を1500MPaとしたこと以外は、実施例1と同様にして偏光子を作製した。
<実施例3>
乾燥処理前のフィルムの重量水分率を45%、引張り弾性率を800MPaとしたこと以外は、実施例1と同様にして偏光子を作製した。
<実施例4>
乾燥処理前のフィルムの重量水分率を50%、引張り弾性率を500MPaとしたこと以外は、実施例1と同様にして偏光子を作製した。
<比較例1>
ニップ圧を加えなかったこと以外は、実施例1と同様にして偏光子を作製した。
<比較例2>
ニップ圧を加えなかったこと以外は、実施例2と同様にして偏光子を作製した。
<比較例3>
ニップ圧を加えなかったこと以外は、実施例3と同様にして偏光子を作製した。
<比較例4>
ニップ圧を加えなかったこと以外は、実施例4と同様にして偏光子を作製した。
<評価>
各実施例および比較例で得られた偏光子の外観を目視にて観察した。実施例1から4で得られた偏光子において、ムラは発生せず、優れた外観を有していた。一方、比較例1から4では、熱ロールによる乾燥の際に、図2に示すように、楕円状のムラ(溝状)が全面に発生した。この楕円状のムラは、フィルムが熱ロールに接触した際、幅方向の収縮応力により発生するシワに気泡、水滴等がかみ込まれ、この状態で、熱ロールで搬送されることにより生じたものと考えられる。
本発明の製造方法により得られる偏光子および偏光板は、液晶表示装置等の画像表示装置に好適に用いられ得る。
10 偏光子作製用フィルム
21 搬送ロール
22 ニップロール

Claims (6)

  1. 偏光子作製用フィルムを搬送ロールで搬送しながら、該偏光子作製用フィルムに湿式処理と乾燥処理とをこの順で施し、
    該湿式処理後に、該偏光子作製用フィルムにニップ圧を加える、偏光子の製造方法。
  2. 前記乾燥処理前の偏光子作製用フィルムの引張り弾性率が500MPa以上である、請求項1に記載の偏光子の製造方法。
  3. 前記ニップ圧が0.1MPa〜1MPaである、請求項1または2に記載の偏光子の製造方法。
  4. 前記ニップ圧をシリコンゴムロールで加える、請求項1から3のいずれかに記載の偏光子の製造方法。
  5. 前記乾燥処理を、熱ロールを用いて行う、請求項1から4のいずれかに記載の偏光子の製造方法。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の偏光子の製造方法により製造された、偏光子。
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