以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態の遊技機(カード球貸ユニットを併設したCR機)全体の構成を示す正面図である。
遊技機(パチンコ遊技機)1の前面枠3は本体枠(外枠)4にヒンジ5を介して開閉回動可能に組み付けられ、遊技盤6は前面枠3の裏面に取り付けられた収納フレーム(図示省略)に収納される。
遊技盤6の表面には、ガードレールで囲われた遊技領域が形成され、遊技領域のほぼ中央には画像表示装置(特別図柄表示装置)8が設けられるセンターケース11が配置され、遊技領域の下方には大入賞口を備えた特別変動入賞装置10が配置される他、遊技領域には方向転換部材(風車)12、普通図柄始動ゲート14、一般入賞口15、始動口16、普通変動入賞装置9等が配置されている。前面枠3には、遊技盤6の前面を覆うカバーガラス18が取り付けられている。
画像表示装置8は、LCD(液晶表示器)で表示画面が構成されており、表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄、普通図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。すなわち、表示画面の左、中、右に設けられた変動表示領域には、識別情報として割り当てられた図柄(例えば、「0」〜「9」までの数字及び「A」〜「E」の英文字による15種類の図柄)が変動表示して変動表示ゲームが行われる。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像が表示される。
画像表示装置8の下方には、普通変動入賞装置(普通電動役物)9を有する始動口16が、遊技領域の左右の所定の位置には、普通図柄始動ゲート14が配置される。
本実施の形態の遊技機では、打球発射装置(図示省略)から遊技領域に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われ、打ち出された遊技球は、遊技領域内の各所に配置された風車等の転動誘導部材12によって転動方向を変えながら遊技領域を流下し、始動口16、一般入賞口15、特別変動入賞装置10に入賞するか、遊技領域の最下部に設けられたアウト口から排出される。一般入賞口15への遊技球の入賞は、一般入賞口毎に備えられたN個の入賞センサ20A〜20N(図2参照)により検出される。
始動口16、一般入賞口15、特別変動入賞装置(大入賞口)10に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出ユニット(排出装置)から排出され、供給皿21に供給される。
始動口16へ遊技球の入賞があると、画像表示装置8では、前述した数字、文字で構成される表示図柄が順に変動表示する変動表示ゲームが開始し、変動表示ゲームに関する画像が表示される。始動口16への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の特別図柄乱数カウンタ値が当たり値であるとき)には、大当たり状態となり、三つの表示図柄が揃った状態(大当たり図柄)で停止する。このとき、特別変動入賞装置10は、大入賞口ソレノイド10A(図2参照)への通電により、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ大きく開くので、この間遊技者には多くの遊技球を獲得することができるという遊技価値が付与される。
この始動口16への遊技球の入賞は、特別図柄始動センサ21(図2参照)で検知される。この遊技球の通過タイミングによって検出された特別図柄乱数カウンタの値は、遊技制御装置100内の所定の記憶領域(特別図柄乱数記憶領域)に、特別図柄入賞記憶として所定回数(例えば、最大で連続した4回分)を限度に記憶される。この特別図柄入賞記憶の記憶数は、画像表示装置8内に設けられた特別図柄記憶表示領域に表示される。遊技制御装置100は、特別図柄入賞記憶に基づいて、画像表示装置8にて変動表示ゲームを行う。
特別変動入賞装置10への遊技球の入賞は、継続センサ23、カウントセンサ24(図2参照)によって検出される。
普通図柄始動ゲート14へ遊技球の入賞があると、普通図柄表示器7では、普通図柄(例えば、一桁の数字からなる図柄)の変動表示を始める。普通図柄始動ゲート14の通過検出入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、通過検出時の普通図柄乱数カウンタ値が当たり値であるとき)には、普通図柄に関する当たり状態となり、普通図柄が当たり図柄(当たり番号)で停止する。このとき、始動口16の手前に設けられた普通変動入賞装置9は、普通電動役物ソレノイド9A(図2参照)への通電により、始動口16への入口が所定の時間(例えば0.5秒)だけ大きく開くように変換され、遊技球の始動口16への入賞可能性が高められる。
この普通図柄始動ゲート14への遊技球の通過は、普通図柄始動センサ22(図2参照)で検知される。この遊技球の通過タイミングによって抽出された普通図柄乱数カウンタ値は、遊技制御装置100内の所定の記憶領域(普通図柄乱数記憶領域)に、普通図柄入賞記憶として所定回数(例えば、最大で連続した4回分)を限度に記憶される。この普通図柄入賞記憶の記憶数は、普通図柄表示器7の右側に設けられた複数のLEDからなる普通図柄記憶状態表示器19に表示される。遊技制御装置100は、普通図柄入賞記憶に基づいて、普通図柄に関する当たりの抽選を行う。
遊技機の要所には、装飾用ランプ、LED等の装飾発光装置が設けられる。すなわち、遊技盤中央部に設けられたセンターケース(画像表示装置8の周囲)、遊技盤下部に設けられたアタッカー(特別変動入賞装置10の周囲)には、遊技の進行に応じて発光する装飾ランプが設けられている。さらに、遊技盤の左右上部にはサイドケースランプが、遊技盤の左右側部にはサイドランプが設けられている。また、遊技枠には遊技枠装飾ランプが設けられている。これらのランプは遊技の進行に合わせて点灯して、遊技者の遊技に対する興趣が継続するようにしている。また、カバーガラス18の上部の前面枠3には、点灯により球の排出の異常等の状態を報知する第1報知ランプ31、第2報知ランプ32が設けられている。
前面枠3の下部の開閉パネル20には球を打球発射装置に供給する上皿21が、固定パネル22には下皿23及び打球発射装置の操作部として機能する発射ハンドル24等が配設される。
カード球貸ユニット2用の操作パネル26は遊技機1の上皿21の外面に形成され、カードの残高を表示するカード残高表示部(図示省略)と、球貸しを指令する球貸しスイッチ28と、カードの返却を指令するカード返却スイッチ30等が設けられている。
カード球貸ユニット2には、前面のカード挿入部25に挿入されたカード(プリペイドカード等)のデータをカードリーダライタで読み込み、カード球貸ユニット用の操作パネル26のカード残高表示部にカードの残高を表示する。遊技者が、球貸しスイッチ28を操作すると、操作に対応した数量の遊技球を貸球として排出するように、排出制御装置200に対し貸球制御指令信号を送出して、排出ユニットと流路切換ユニットとを制御して貸球を排出する球貸制御装置が内蔵されている。
図2は、本発明の実施の形態の遊技制御装置100を中心とする制御系を示すブロック図である。
遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置であり、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための不変の情報を記憶しているROM及び遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAMを内蔵した遊技用マイクロコンピュータ101、入力インターフェース102、出力インターフェース103、外部通信端子104等から構成される。外部通信端子104は、遊技盤を検査する際に不図示の検査装置を接続するための通信端子であり、遊技用マイクロコンピュータ101は、検査装置から出力されるコードを解読して、検査装置が真正であることを判定し、以降に行われる検査装置との通信を許可する。また、検査装置からの出力要求に対して遊技用マイクロコンピュータ101のチップID(遊技用マイクロコンピュータに付与されたユニークな識別番号)等の情報を出力することもでき、検査装置は遊技用マイクロコンピュータ101から出力される情報(遊技用プログラムのハッシュ値、暗号化コード、プログラムコード、入出力情報を含む遊技制御情報等)に基づいて遊技機が改変されていないかどうかを確認することができる。
遊技用マイクロコンピュータ101は、入力インターフェース102を介しての各種検出装置(一般入賞口センサ20A〜20N、特別図柄始動センサ21、普通図柄始動センサ22、継続センサ23、カウントセンサ24)からの検出信号を受けて、大当たり抽選等、種々の処理を行う。そして、出力インターフェース103を介して、各種制御装置(表示制御装置150、排出制御装置200、装飾制御装置250、音制御装置300)、大入賞口ソレノイド10A、普通電動役物ソレノイド9A、普通図柄表示器7等に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。遊技制御装置100はまた、盤用外部情報端子41を介して大当たり中等、遊技機の状態に関する信号を図示しないホールコンピュータ(遊技場内に設置される遊技機それぞれの状態を管理するデータ管理コンピュータ)に出力することができる。
排出制御装置200は、遊技制御装置100からの賞球指令信号に基づいて払出ユニットの動作を制御し賞球を排出させる。また、カード球貸ユニット2からの貸球要求に基づいて、払出ユニットの動作を制御し貸球を排出させる。
装飾制御装置250は、遊技制御装置100からの装飾指令信号に基づいて、装飾用ランプ、LED等の装飾発光装置を制御すると共に、普通図柄記憶状態表示器19の表示を制御して、ランプ制御装置として機能する。
音制御装置300は、遊技制御装置100からの指令によって、予め保持された所定の音データから効果音を再生する。
なお、遊技制御装置100と各種従属制御装置との接続部には単方向バッファを設け、遊技制御装置100と各種従属制御装置(表示制御装置150、排出制御装置200、装飾制御装置250、音制御装置300)との接続部には単方向バッファを設け、遊技制御装置100から各種従属制御装置への通信は、遊技制御装置100から従属制御装置に向かう単方向通信のみが許容されるようになっている。これにより、遊技制御装置100に従属制御装置側から不正な信号が入力されることを防止することができる。
遊技機の電源装置(図示省略)は、電源回路のほかに、バックアップ電源部と停電監視回路とを備えている。停電監視回路は、電源装置の所定の電圧降下を検出すると、遊技制御装置100等に対して停電検出信号とリセット信号とを順に出力する。遊技制御装置100は、停電検出信号を受けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受けるとCPUの動作を停止する。バックアップ電源部は、遊技制御装置100等のRAMにバックアップ電源を供給して、遊技データ(遊技情報、遊技制御情報(変動表示ゲーム情報を含む))等をバックアップする。
表示制御手段を構成する表示制御装置150は、画像の表示制御を行うもので、画像表示装置8と共に表示制御手段として機能する。
図3は、本発明の実施の形態の、変動画像表示装置8を備えたセンターケース11の構成を示す斜視図である。
センターケース11は、ケース後面に位置し役物506を収納する役物収納部407、ケース前面に位置し遊技球が通過可能な鎧部409、鎧部409の底部に位置し遊技球を転動させる底部406、変動画像を表示する変動画像表示装置8等から構成される。
センターケース11は、中央部分に矩形の開口窓部を開設した装置である。このセンターケース11は、遊技盤の表面に取り付けるための取付基板を備え、該取付基板の上部に鎧部409を前方へ突設し、側辺部の下端に底部406を配設し、鎧部409、側辺部410、及び底部406に囲まれた箇所に開口窓部を開設し、該開口窓部に画像表示装置8を後方から臨ませて構成されている。鎧部409の後方にはキャラクタ等の役物を収納するとともに役物を外部の光から遮断する箱形の役物収納部407が配設されている。
また、センターケース11は、遊技球を導き、底部へ流下させる遊技球誘導路(ワープ流路)を備えている。この遊技球誘導路は、遊技球流入口401、遊技球流出口402を左右一対ずつそれぞれ開設しており、センターケース11の側面から遊技球をセンターケース11内部に取り込み、センターケース11上方から底部406に案内できるように構成されている。
センターケース11の底部406は、前側に遊技球が転動可能な波面状のステージ404aを備え、波状の副ステージ404bをステージ404aよりも高い位置に備えている。さらに、底部406は、ステージの略中央に上方(411a)から前方(411b)へ貫通する遊技球通路411(遊技球流出路)を備えて、ステージの中央周辺まで転動してきた遊技球が底部406の略中央の遊技球流出路411から落下してセンターケース11の真下に位置する始動入賞具に入賞し易くなるように構成されている。また、センターケース11は、底部406上に載った遊技球を転動させることができる。
図4は、画像表示装置8及び役物507の構成を示す説明図である。
画像表示装置8は、画像表示用LCD(液晶表示パネル)501、拡散板502、導光板503、反射板504、LCDシャッター(ポリマー分散液晶パネル)505から構成される。導光板503の上方には、冷陰極型蛍光ランプ(CCFL)等で構成される画像表示用LCD光源513が備えられている。
拡散板502は、マット状拡散板522、縦ディフューザ532、横ディフューザ542、マット状拡散板552から構成されている。この拡散板502によって、導光板503からの光を適切に拡散して画像表示用LCD501に照射することで、画像表示用LCD501の表示する画像を遊技者が鮮明に観察することができる。
導光板503は、側面から観察すると上方が厚く、下方が薄い略三角形又は略台形状に加工されており、表面には導光パターンが施されている。この導光パターンによって、上方から照射された画像表示用LCD光源513から照射される光を拡散し、前方(画像表示用LCD501側)に一様に光を導くように加工されている。
反射板504は、導光板503が後方に拡散した光を前方(画像表示用LCD501側)に導くための反射板である。
LCDシャッター505は、透過状態では、遊技者側から後方の役物を観察可能にする。また、拡散状態では、遊技者側から後方の役物を観察不可能にすることができる。このLCDシャッター505は、ポリマー分散液晶によって構成されている。ポリマー分散液晶とは、図5に示すように、電圧を印可することにより液晶小滴及びポリマー界面の屈折率を変化させ、光の透過率を変えることができる液晶表示素子である。
ポリマー分散液晶は、交流電圧を印可すると液晶小滴内の液晶分子の方向が均等にそろえられ屈折率が低くなり、光を透過させる状態(透過状態)となる(図5(a)参照)。一方、交流電圧を印可しない場合、液晶小滴はそろえられず屈折率が高い状態となる。この状態で後方から光が照射されると、液晶小滴とポリマーとの界面の屈折率の差により光が散乱させられる。白色光源の場合は、ポリマー分散液晶は白濁した状態(光拡散状態)となる(図5(b)参照)。
従って、このポリマー分散液晶をLCDシャッター505に適用することで、光拡散状態(白色光源を背面側に置いたときに、LCDシャッター505が白濁する状態)と、透過状態(後方から照射される光をそのまま透過し、前方から観察できる状態)との2種類の状態を表示制御装置150の制御によって切換可能である。
なお、LCDシャッター505に印可する電圧の状態を変化させて、透過状態と光拡散状態だけでなく、透過状態と光拡散状態の中間の状態(中間状態)を加えた3種類の状態による制御を行ってもよい。
拡散板502及び反射板504の中央部にはくり抜き部が設けられており、導光板503の中央部には導光パターンを除去したくり抜き部が設けられている。LCDシャッター505は、これらのくり抜き部に対応する位置に設けられており、くり抜き部の面積よりも若干大きなサイズとなっている。従って、くり抜き部の範囲で、画像表示装置8の透過状態(後方の役物が観察できる状態)と光拡散状態(後方の役物が観察できない状態)を制御できる。
また、画像表示装置8の後方の役物506の上方には、CCFL等で構成される役物用光源514が備えられており、必要に応じて役物506に光を照射する。この役物用光源514、及び前述した画像表示用LCD光源513は、遊技者、係員又は歩行者等に光源そのものが直接観察されないように表示用LCD501の上端よりも上方に配設されている。
図6は、画像表示装置8を備えたセンターケース11における、変動表示の様子を表した説明図である。
前述したように、表示制御装置150の制御によって、LCDシャッター505を光拡散状態、すなわち、LCDシャッターをONにした状態では、遊技者側からは、画像表示用LCD501に表示した画像をそのまま観察することが可能となる(図6(a)参照)。この際に、役物用光源514は点灯させない。すなわち、遊技者からは役物506が観察不能な状態(役物観察不能状態)である。
一方、表示制御装置150の制御によって、LCDシャッター505を透過状態、すなわち、LCDシャッターをOFFにした状態では、画像表示装置8を介して、背景の役物が遊技者から観察可能な状態となる(図6(b)参照)。この際に、役物用光源514を点灯して役物506に対して光を照射する。すなわち、遊技者からは役物506が観察可能な状態(役物観察可能状態)である。
なお、LCDシャッター505を透過状態にすることで背景の役物が観察可能となる領域は、画像表示装置8の中央部のみ、すなわち、拡散板502及び反射板504に設けられたくり抜き部のみであるため、画像表示装置8の左右側は透過せず役物は観察できないように構成されている。このようにすることで、遊技機を操作している遊技者のみが役物を観察することができるので、遊技機の左右方向にいる人からは役物観察を困難にするのぞき見防止効果を得ることができる。
このLCDシャッター505をON又はOFFにすることによって、例えば、大当たりの際にLCDシャッター505をOFFにして透過状態として背景の役物を観察可能にしたり、変動表示ゲームのリーチ演出(大当たり導出課程)で役物と液晶に表示される識別情報とを連動させたり、役物の動作を表示により説明や報知したりするなど、表示状態と役物の動作を関連づけた演出や報知を行うことができる。
以上のように構成された第1の実施の形態の遊技機では、画像表示装置8において、変動表示を行う画像表示装置8に透過状態と光拡散状態とを変更可能なポリマー分散液晶パネル等で構成されたLCDシャッター505を備え、所定の条件の場合に、LCDシャッター505を透過状態とし、さらに、背景の役物に光源を照射することで変動画像の背景に役物を観察することができる。そのため、遊技状態、変動表示画像等に関連させた演出を多様にすることができ、遊技者の興趣を高めることができる。
また、センターケース11を、前面部を開口した役物収納部407によって遊技機の奥行き方向に立体的な構造とすることで、センターケースをコンパクトにすることができるので、遊技機の遊技領域を有効に活用することができ、遊技球の流下を楽しむという遊技機本来の遊技要素を損なうことがない。
次に、本発明の第2の実施の形態の遊技機について説明する。
第2の実施の形態では、画像表示装置8及び役物に対する光源の照射の方法が第1の実施の形態と異なる。なお、第1の実施の形態と同一の作用を行う構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図7は、本発明の第2の実施の形態のセンターケース11の構成を示した断面図である。
第1の実施の形態と同様に、センターケース11の前面(遊技者側)には画像表示装置8が備えられ、背面には役物が備えられている。
画像表示用LCD光源513及び役物用光源514は、図7に図示するように役物収納部407の上方に備えられている。この画像表示用LCD光源513及び役物用光源514は、遊技者、係員又は歩行者等に光源そのものが直接観察されないように表示用LCD501の上端よりも上方に配設されている。また、画像表示用LCD光源513及び役物用光源514は、それぞれに反射板(リフレクタ)が備えられている。この反射板によって、光源の光を適切な方向に導くよう構成されている。
画像表示用LCD光源513は、役物収納部407の上方の役物側に設置され、後部の上方向から画像表示装置8のLCDシャッター505に対して光を照射するよう構成されている。また、役物用光源514は、役物収納部407の上方の画像表示装置8側(前方側)に設置され、後方側に設けられた役物506に対して光を照射するよう構成されている。
また、LCDシャッター505は、拡散状態のときに、画像表示用LCD光源513からの光を適切に拡散して画像表示用LCD501に照射することができ、前述した拡散板502と同様の働きをする。すなわち、LCDシャッター505が拡散状態のときに画像表示用LCD光源513がLCD光源シャッター505を照射することで画像表示用LCD501のバックライトとして機能し、画像表示用LCD501の表示する画像を遊技者が鮮明に観察することができる。
以上のように構成された第2の実施の形態の動作を説明する。
LCDシャッター505がOFF(拡散状態)の時には、役物用光源514は点灯せず、画像表示用LCD光源513を点灯してLCDシャッター505に対して光を照射する。LCDシャッターは光拡散状態となり、遊技者からは、背景の役物は観察できず、画像表示装置8に表示される画像のみが観察できる。一方、LCDシャッター505がON(透過状態)の時には、役物用光源514を点灯して役物506に対して光を照射し、画像表示用LCD光源は点灯しない。LCDシャッター505は透過状態となり、遊技者からは、画像表示装置8の画像が観察できると共に、画像表示装置8を透過して背景の役物が観察可能となる。
なお、役物506を樹脂成形して、内部にLED等の光源を備えるように構成してもよい。役物用光源514と役物506の内部の光源とのいずれか、または両方を点灯することで、役物を遊技者に対してより観察しやすくできる。
また、役物自体をLED(例えば、7セグメント形状等の表示器)などの光源としたり、有機ELなどの自主発光するFPDなどとしてもよく、この場合、役物506を役物用光源514と兼ねた第二の表示装置とすることができる。
図8は、本発明の第2の実施の形態の、センターケース11、画像表示装置8、光源、及び役物等の構成を示す斜視図である。
LCDシャッター505は、図8(b)に示すように、2つの領域(セグメント)AとBとに分割されており、透過/光拡散の状態をセグメントAとセグメントBとで独立して制御できるように構成されている。従って、セグメントAを透過状態にし(図8(b)左側)、セグメントBを光拡散状態にする(図8(b)右側)、又は、セグメントBを透過状態にし(図8(c)左側)、セグメントAを光拡散状態にする(図8(c)右側)ことができる。また、セグメントA及びセグメントBの両方を透過状態又は光拡散状態にすることが可能である。
なお、LCDシャッター505のセグメントは、2分割に限らず、3以上の領域に分割してもよい。例えば、7セグメント形状、マトリクス形状等に分割し、各セグメントの透過状態を制御してもよい。
また、LCDシャッター505に印可する電圧の状態を変化させて、透過状態と光拡散状態だけでなく、透過状態と光拡散状態の中間の状態(中間状態)を加えた3種類の状態による制御を行ってもよい。
以上のように構成された第2の実施の形態の遊技機では、第1の発明の実施の形態の効果に加え、遊技者からは、画像表示用LCD光源513及び役物用光源514を観察することはできないので、変動表示ゲームに集中することができる。また、LCDシャッターの透過/光拡散状態の領域を複数のセグメントに分割することで、画像表示装置8及び後方の役物を用いてより複雑な遊技演出を行うことができるので、遊技者の興趣をより高めることができる。また、役物が移動する場合があっても、これに追従してLCDシャッター505の透過/光拡散状態の領域を変化させることができるため、画像表示と役物の観察とを両立可能にする。
次に、本発明の第3の実施の形態の遊技機について説明する。
第3の実施の形態の遊技機では、遊技球がセンターケース11の画像表示装置8と役物との間を通過する。また、画像表示装置8は開閉可能に構成した。なお、第1及び第2の実施の形態と同一の作用を行う構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図9は、第3の実施の形態のセンターケース11の構成を示す分解斜視図である。
鎧部409の左右側面上方には、遊技球をセンターケース11内部へと導くための可動片601及び遊技球入口602が備えられている。可動片601より導かれた遊技球は、遊技球入口602を経由してセンターケース11に入る。すなわち、可動片601が開状態であれば、遊技盤上を流下する遊技球は、遊技球入口602からセンターケース11に入る。一方、可動片601が閉状態であれば、遊技盤上を流下する遊技球は、遊技球入口602からセンターケース11に入ることはない。遊技球入口602から流入した遊技球は、役物収納部407の背面の遊技球流入口412から役物収納部407内部に流入し、後方のステージ413に送られる。後方のステージ413の背面に流れた遊技球は、役物506の足元にある3つの遊技球出口414の何れかに振り分けられ、何れかの遊技球出口414から役物506の足元の転動面を前方に向かって転動する。前方に向かって転動した遊技球は、特別入賞口423、あるいは特別入賞口の左右に設けられたハズレ入賞口424の何れかに入賞する。この際に、遊技状態に応じて、画像表示装置8のLCDシャッター505を透過/光拡散状態とすることで、センターケース11内部を通過する遊技球の状態を遊技者に観察可能であるか観察不可能であるかを選択できるとともに、画像表示用LCD501に画像を表示することができる。
このようにして、画像表示用LCD501において変動表示ゲームを行うほかに、いわゆる、ハネ物と呼ばれる遊技球を転動させる遊技を、遊技盤面上の奥行き方向を違えて同一位置に配置している。
遊技球は、画像表示装置8とセンターケース11との間の空間を通過する。そのため、役物収納部407内に遊技球が滞留する可能性がある。滞留した遊技球を除去するために、画像表示装置8が鎧部409の開口部よりも一回り小さく形成されると共に、前側に開閉可能に構成されている。具体的には、画像表示装置8の上部にヒンジ414が設けられ、さらに外周面が支持体415で保持されている。また、画像表示装置8に所定の電源や信号を送るためのケーブルは柔軟性に富んだ素材を用い、画像表示装置8の上部のヒンジ側に遊技者から観察できないような状態に配設される。
このようにすることで、画像表示装置8はヒンジ414を軸として回転し、遊技板に取り付けた状態で鎧部409の開口部で開閉が可能となる。すなわち、遊技球が役物収納部407内部で滞留してしまった場合、係員は、遊技機1のガラス枠を開き、さらに、画像表示装置8の支持対415の下側を持ち、これを上側に開くことで画像表示装置8が開き、内部に滞留した遊技球を取り除くことができる。
なお、この画像表示装置8は、前述した第2の実施の形態のように、光源を役物収納部407の上部に備える構成を用いることが望ましい。前述した第1の実施の形態と異なり、画像表示装置8に画像表示用LCD光源513が直接配設されていないので画像表示装置を薄くすることができ、画像表示装置8を容易に開閉可能にすることができる。
なお、センターケース11内部の役物506は、ソレノイド等によって可動に構成されている。センターケース11内部に導入された遊技球は、後方のステージ413に送られ、ステージ413の背面に流れ出た遊技球は、何れかの遊技球出口414から役物506の足元の転動面を前方の特別入賞口423又はハズレ入賞口424の何れかに入賞する。このとき、役物506の動作によって遊技球の流路が変えられる。例えば、遊技球が特別入賞口423に入り易いように役物506の動作によって遊技球の進路を補助することもできる。
以上のように構成された第3の実施の形態の遊技機では、センターケース11内部の画像表示装置8の後方を遊技球が通過し、LCDシャッター505によって通過する遊技球の状態を観察可能又は観察不可能に制御するので、遊技者の興趣をより高めることができる。また、画像表示装置8を開閉可能に構成したので、遊技球が役物収納部407に滞留したとしても、係員によって滞留した遊技球を除去することができる。
なお、このようにすることで、ハネ物遊技と変動表示ゲームの複合、あるいはハネ物遊技と演出表示を行う場合であっても遊技盤面のセンター役物をコンパクトにすることができる。
次に、本発明の第4の実施の形態の遊技機について説明する。
第4の実施の形態の遊技機では、画像表示装置8の構成が第1、第2の実施の形態と異なる。なお、第1ないし第3の実施の形態と同一の作用を行う構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図10は、第4の実施の形態の画像表示装置8の構成を示す分解斜視図である。
画像表示用LCD501の背面にLCDシャッター505が備えられている。また、LCDシャッター505の上方に画像表示LCD用光源513が備えられている。さらにLCDシャッター505の背面には、ハーフミラー507が備えられている。また、LCDシャッター505は、前述した第2の実施の形態と同様に、セグメントA及びセグメントB2つの領域に分割され、セグメントA、Bがそれぞれ独立に透過、光拡散状態を制御できるよう構成されている。
また、センターケース11に格納されている役物は、内部にLED等の役物用光源514を備えている。
画像表示装置8に画像を表示する場合は、LCDシャッター505を制御して、光拡散状態にする。なお表示用LCD光源は常に点灯している。表示用LCD光源513の光は、LCDシャッター505の液晶小滴によって拡散される。結果として、LCDシャッター505の光拡散領域が表示用LCD光源513の光を拡散し、前方の表示用LCD501を照射するとともに、さらに後方に照射された拡散光をハーフミラー507によって後方へと反射し、表示用LCD501への照射光として、表示用LCDに表示された画像を遊技者に対して映し出すことができる。
一方、背景の役物を遊技者に認識させる場合は、LCDシャッター505を制御して、透過状態にすると共に、役物用光源514を点灯させる。表示用LCD513光源の光は、LCDシャッター505の液晶小滴に拡散されることはなく、透過状態となる。そのため、ハーフミラー507を介して、役物用光源514に照射された役物506が遊技者に対して観察可能となる。
以上のように構成された本発明の第4の実施の形態の遊技機では、LCDシャッター505が導光板として機能するので、画像表示装置8が簡素な構成となり、画像表示装置8を薄型化することができる。
次に、本発明の第5の実施の形態の遊技機について説明する。
第5の実施の形態では、画像表示装置8のLCDシャッター505によって、センターケース11内の遊技球の転動の状態を遊技者に対して観察可能にするか否かを制御する。
なお、第1ないし第4の実施の形態と同一の作用を行う構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図11は、第5の実施の形態のセンターケース11の正面図である。
鎧部409の左右側面上方には、遊技球をセンターケース11内部へと導くための可動片601及び遊技球入口602が備えられている。可動片601A、601Bより導かれた遊技球は、遊技球入口602を経由してセンターケース11に入る。すなわち、可動片601A、601Bが開状態であれば、遊技盤上を流下する遊技球は、遊技球入口602からセンターケース11に入る。一方、可動片601A、601Bが閉状態であれば、遊技盤上を流下する遊技球は、遊技球入口602からセンターケース11に入ることはない。
そして、センターケース11内の遊技球案内路603に導かれて、遊技球案内部材604に至り、センターケース11内の入賞領域に案内される。センターケース11内の入賞領域は、遊技球の通過を検知するセンサ605A(カウントセンサ)及びセンサ605B(継続センサ)が備えられている。可動片601A、Bはソレノイド等によって動作され、開放条件の成立(例えば、大当たり)により開閉動作を行い、遊技球を入賞可能な状態と入賞不能な状態とにできる。
遊技球案内部材604は、センサ605A又はセンサ605Bのいずれかに遊技球を導くように、遊技制御装置100による指示により動作するソレノイド等の作用によって傾きが変化して、遊技球の案内方向を切換える。
遊技者からは、画像表示装置8のLCDシャッター505を透過状態にした場合、センターケース内部の状態が観察可能となる。なお、センターケース11内部に前述したように役物を備え、遊技状態に基づいて、遊技球の状態と共に、役物を観察可能にするか否かを制御してもよい。
次に、第5の実施の形態の遊技機の動作について説明する。
図12は、画像表示装置8及びセンターケース11の動作、遊技機の状態を示すタイミングチャートである。
遊技状態が、画像表示装置に表示される識別情報の表示が変動している「変動表示」の場合は、画像表示装置8のLCDシャッターは光拡散状態となっている。そのため、センターケース11内部の状態を遊技者が観察することはできない。
ここで、遊技球の始動入賞口への入賞検出を契機として大当たり乱数が抽選され、所定数(例えば4個)を上限に始動記憶として所定の記憶領域に記憶される。そして、変動開始条件が成立したときに、始動記憶として記憶されている大当たり乱数の抽選が行われ、抽選結果に基づいた変動表示ゲームが実行される。変動表示ゲームの実行中は遊技者が変動表示を好適に観察できるように、LCDシャッター505を光拡散状態としてLCDシャッター505前面側にある画像表示用LCD501に表示される表示画像を観察可能にして、LCDシャッター505背面側にある役物(センターケース内部の状態)を観察不能状態にしている。
そして、変動表示ゲームの結果が、大当たり(特定の結果態様を導出)となった場合は、表示制御装置150は、まず、LCDシャッター505を透過状態としてLCDシャッター505背面側にある役物(センターケース内部の状態)を観察可能にする。また、左右の可動片601A、601B(特別変動入賞口、大入賞口)を開状態にして遊技球を入賞可能な状態にすると共に、遊技球案内部材604をセンサ605B側に設定する。遊技球は可動片601A、Bに導かれ、遊技球入口602を通りセンターケース11内に流入する。すなわち、遊技者にとって有利な状態となる。
センターケース11内部に流入した遊技球は、遊技球案内路603を経由して遊技球案内部材604に至る。ここで、遊技球案内部材604は、センサ605B側に設定されているので、遊技球はセンサ605B側を通過する。センサ605Bは遊技球の通過を検知すると、信号を遊技制御装置100に送る。
遊技制御装置100は、センサ605Bからの信号を受け取ると、遊技球案内部材604をセンサ605A側に設定するように指令を送る。指令を受けた遊技球案内部材604は、センサ605A側に設定し、センターケース11内部に導かれた遊技球はセンサ605A側を通過する。センサ605Aは、遊技球の通過を検知すると、信号を遊技制御装置100に送る。
この大当たり動作は、センサ605A(カウントセンサ)により検出されるセンターケース11への遊技球の所定数(例えば10個)の入賞、または所定時間(例えば30秒)の経過を1単位(1ラウンド)として実行し、1ラウンドが終了して、遊技状態が「インターバル」となる。遊技状態が「インターバル」の状態では、表示制御装置150は、LCDシャッター505を光拡散状態とし、センターケース11内部を遊技者から観察不可能な状態にする。また、左右の可動片601A、Bを閉状態にする。可動片601を閉じることで、遊技球はセンターケース11に導かれなくなる。
以上のように構成された第5の実施の形態の遊技機では、遊技状態が「大当たり」のときに、遊技球がセンターケース内部に導かれ、LCDシャッターを透過状態にすることで、遊技者はその様子を観察することができるので、落下する遊技球の様子を楽しむという遊技機本来の遊技要素を楽しむことができ、遊技者の興趣を増加させることができる。
特に、大入賞口(特別変動入賞口)は、大当たり時のみ遊技者が関心を持つものであり、通常においては遊技に直接関係しない。一方、表示装置は、大当たり導出の課程で遊技者が関心を持つものであり、大当たり中の表示にはさほどの重要性がない。そこで、それぞれを好適に観察可能な状態を切換えることで、両者を遊技盤面の奥行き方向に重ね合わせることができる。これにより、遊技盤面上の役物等配置スペースの有効活用が図れることとなり、近年大型化する表示装置、及びセンターケースのさらなる大型化を可能にする。また、表示装置やセンターケースの大型化に伴い、コンパクト化する大入賞口の大型化を可能として、大当たり時に存在感のある大入賞口を実現した。
なお、LCDシャッター透過状態においても、画像表示用LCD501の表示画像は、視認性は鮮明度が低下するものの識別可能であるので、変動表示中であってもLCDシャッターを透過状態にして、センターケース内の役物と表示装置とを連動させた演出が可能である。
次に、本発明の第6の実施の形態の遊技機について説明する。
第6の実施の形態では、第5の実施の形態と同様に、センターケース11内部の遊技球の状態を観察可能か否かを制御する。さらに、LCDシャッター505をセグメントに分割し、セグメント毎に透過、光拡散状態を制御する。
なお、第1ないし第5の実施の形態と同一の作用を行う構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図13は、第6の実施の形態のセンターケース11の正面図である。
第5の実施の形態と同様に、鎧部409の左右には可動片601A及び601Bが配設され、センターケース11内部には、遊技球案内路603、遊技球案内部材604、センサ605A、センサ605Bが配設されている。
また、画像表示装置8のLCDシャッター505は、左、中央、右の3つのセグメント(セグメント1、セグメント2及びセグメント3)に分割されており、各々のセグメントについて透過/光拡散状態を独立して制御することができる。例えば、セグメント1及び2を透過状態とし、セグメント3のみを光拡散状態として、画像表示装置8のセグメント3の領域に「大当たり」表示を行う(図15参照)。遊技者からは、左側の可動片601Aからセンターケース11内に導かれた遊技球が、光透過状態となっているセグメント1及び2を介して遊技球案内路603、遊技球案内部材604を経由する遊技球の様子を観察でき、さらに、遊技球が、「大当たり」と表示されている光拡散状態となっているセグメント3に落下する様子を観察することができる。
次に、第6の実施の形態の遊技機の動作について説明する。
図14は、画像表示装置8及びセンターケース11の動作、遊技機の状態を示すタイミングチャートである。
まず、遊技状態が「通常」状態である場合は、LCDシャッター505の全てのセグメントを光拡散状態とし、画像表示装置8において変動表示を行う。
ここで、遊技球の始動入賞口への入賞検出を契機として、大当たり乱数が抽選され、所定数(例えば4個)を上限に始動記憶として所定の記憶領域に記憶される。そして、変動開始条件が成立したときに、始動記憶として記憶されている大当たり乱数の抽選が行われ、抽選結果に基づいた変動表示ゲームが実行される。変動表示ゲームの実行中は遊技者が変動表示を好適に観察できるように、LCDシャッター505を光拡散状態としてLCDシャッター505前面側にある画像表示用LCD501に表示される表示画像を観察可能にして、LCDシャッター505背面側にある役物(センターケース内部の状態)を観察不能状態にしている。
そして、変動表示ゲームの結果が、「大当たり1」(特定の結果態様を導出)となった場合は、表示制御装置150は、セグメント1及び2を透過状態としてセグメント1及び2背面側の役物(センターケース内部の状態)を観察可能とし、セグメント3を光拡散状態としてセグメント3背面側の役物を観察不能状態とするとともに、画像表示装置8のセグメント3の領域に「大当たり」表示を行う。この際に、左側の可動片601A(特別変動入賞口、大入賞口)を開状態にして遊技球を入賞可能な状態にする。また、右側の可動片601Bは閉状態にする。遊技球は左側の可動片601Aからセンターケース11内に導かれ遊技球案内路603を経由して遊技球案内部材604に至る。このとき、遊技球案内部材604を右側のセンサ605B側に設定し、可動片601Aよりセンターケース11内に導かれた遊技球はセンサ605Bによって通過が検出される(図15参照)。
「大当たり1」が終了し、遊技状態が「通常」になった場合は、表示制御装置150は、可動片601A、601Bを閉状態とし、LCDシャッター505の各セグメントは、全て光拡散状態とする。
次に、遊技球の始動入賞口への入賞検出を契機として、大当たり乱数が抽選され、所定数(例えば4個)を上限に始動記憶として所定の記憶領域に記憶される。そして、変動開始条件が成立したときに、始動記憶として記憶されている大当たり乱数の抽選が行われ、抽選結果に基づいた変動表示ゲームが実行される。変動表示ゲームの実行中は遊技者が変動表示を好適に観察できるように、LCDシャッター505を光拡散状態としてLCDシャッター505前面側にある画像表示用LCD501に表示される表示画像を観察可能にして、LCDシャッター505背面側にある役物(センターケース内部の状態)を観察不能状態にしている。
そして、変動表示ゲームの結果が、「大当たり2」(特定の遊技態様を導出)となった場合は、セグメント2及び3を透過状態としてセグメント2及び3背面側の役物(センターケース内部の状態)を観察可能とし、セグメント1を光拡散状態としてセグメント1背面側の役物を観察不能状態とするとともに、画像表示装置8のセグメント1の領域に「大当たり」表示を行う。この際に、右側の可動片601B(特別変動入賞口、大入賞口)を開状態にして遊技球を入賞可能な状態にする。また、左側の可動片601Aは閉状態とする。遊技球は右側の可動片601B側からセンターケース11内に導かれ遊技球案内路603を経由して遊技球案内部材604に至る。このとき、遊技球案内部材604を左側のセンサ605A側に設定し、可動片601Bよりセンターケース11内に導かれた遊技球はセンサ605Aによって通過が検出される(図16参照)。
この。「大当り1」と「大当り2」とは、別個の大当りであり、本来は大入賞口(特別変動入賞装置)を別個に設けるところを、入り口を別にすると共に、入賞検出センサ(センサ601A、センサ601B)を別にして、遊技球案内部材を用いてそれぞれの入賞検出センサに振り分けるようにしているので、入賞空間を共有しているものの、異なる大入賞口として機能している。特に、この2つは、同時に作動することがないので、このように大入賞口、すなわち特別変動入賞装置を2つ備えたと同様に遊技を行える。さらに、遊技者に対して、いずれの大入賞口が作動しているかをより明らかに明示するため、セグメント化したLCDシャッター505によって、観察可能な遊技球案内路を選択的に明示、又は、非明示と切換えることで、遊技の態様をわかりやすく表示できる。
以上のように構成された第6の実施の形態の遊技機では、可動片601A、Bの動作に応じてLCDシャッター505の動作を変更するので、センターケース11内部の遊技球の動作と画像表示装置8のLCDシャッター505の動作を関連させる。特に、遊技状態が大当たりの場合は、画像表示装置8によって、遊技球が落下する位置のセグメントを光拡散状態にすると共に該セグメント上に大当たりの旨を表示し、入賞口の位置を擬似的に表示する。そして、入賞口とは関係のない案内部は光拡散状態とするので、大入賞口と画像表示用LCD501の表示画像とで、両者が視認可能な領域の制限を受けつつも、両者を遊技盤面の奥行き方向に重ね合わせることで、両者ともが好適に観察可能な領域を有することができるようになる。
また、センターケース内に設置される役物と、画像表示装置に表示される表示画像との連動によって変動表示ゲームの演出の自由度が大きくなる。
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。
なお、前述した以外の本発明の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
(1)遊技盤の前面側に表示面が臨むように設けられた表示装置と、前記表示装置の表示を制御する表示制御装置と、を備える弾球遊技機において、
前記表示装置は、
遊技に関わる作動をする役物と、
前記役物を照明する役物用光源と、
前面側を開口して前記役物を収納する役物収納部材と、
遊技に関わる映像を表示するとともに、前記役物収納部材の前面側に設けられる第1液晶パネルと、
前記第1液晶パネルを照射する液晶パネル用光源と、
前記第1の液晶パネルの裏面側に設けられ、光透過状態と光散乱状態とを切換可能な第2液晶パネルと、を備え、
前記表示制御装置は、
前記第2液晶パネルを光透過状態にするとともに前記役物用光源を点灯して、前記第1液晶パネル越しに役物を観察可能にする役物観察可能状態と、
前記第2液晶パネルを光散乱状態にするとともに前記役物用光源を消灯して、前記第1液晶パネル越しに役物を観察不能にする役物観察不能状態と、を切り換えて制御することを特徴とする弾球遊技機。
(1)の発明によると、遊技盤の前面側に表示面が臨むように設けられた表示装置と、前記表示装置の表示を制御する表示制御装置と、を備える弾球遊技機において、前記表示装置は、遊技に関わる作動をする役物と、前記役物を照明する役物用光源と、前面側を開口して前記役物を収納する役物収納部材と、遊技に関わる映像を表示するとともに、前記役物収納部材の前面側に設けられる第1液晶パネルと、前記第1液晶パネルを照射する液晶パネル用光源と、前記第1の液晶パネルの裏面側に設けられ、光透過状態と光散乱状態とを切換可能な第2液晶パネルと、を備え、前記表示制御装置は、前記第2液晶パネルを光透過状態にするとともに前記役物用光源を点灯して、前記第1液晶パネル越しに役物を観察可能にする役物観察可能状態と、前記第2液晶パネルを光散乱状態にするとともに前記役物用光源を消灯して、前記第1液晶パネル越しに役物を観察不能にする役物観察不能状態と、を切り換えて制御することを特徴とするので、役物を表示装置筐体内に取り込むことができ、役物による演出及び表示装置による演出を可能にするとともに、表示装置をコンパクトにすることができる。従って、遊技演出を多様にするとともに、遊技球が流下する様子を楽しむための遊技領域を有効活用することができる。
(2)前記液晶パネル用光源からの光を前記第1液晶パネルに導光する導光部材と、
前記第1液晶パネルと前記導光部材との間に設けられ、導光部からの光を拡散する透過光拡散部材と、
前記導光部材からの光を前面側に反射する光反射部材と、を備え
前記導光部材、前記透過光拡散部材、前記光反射部材には、表示面側から前記第2液晶パネル越しに前記役物を臨むように窓部が設けられていることを特徴とする(1)に記載の弾球遊技機。
(2)の発明によると、(1)の発明において、前記液晶パネル用光源からの光を前記第1液晶パネルに導光する導光部材と、前記液晶パネルと前記導光部材との間に設けられ、導光部からの光を拡散する拡散部材と、前記導光部材からの光を前面側に反射する光反射部材と、を備え、前記導光部材、前記透過光拡散部材、前記光反射部材には、表示面側から前記第2液晶パネル越しに前記役物を臨むように窓部が設けられていることを特徴とするので、第1液晶パネルに表示する変動画像が観察しやすくなる。
(3)遊技盤の前面側に表示面が臨むように設けられた表示装置と、前記表示装置の表示を制御する表示制御装置と、を備える弾球遊技機において、
前記表示装置は、
遊技に関わる作動をする役物と、
前記役物を照明する役物用光源と、
前面側を開口して前記役物を収納する役物収納部材と、
遊技に関わる映像を表示するとともに、前記役物収納部材の前面側に設けられる第1液晶パネルと、
前記第1液晶パネルの裏面側に設けられ、光透過状態と光散乱状態とを切換可能な第2液晶パネルと、
前記役物収納部材の上部に設けられ、前記第2液晶パネルの後方側から光を照射する液晶パネル用光源と、を備え、
前記表示制御装置は、
前記第2液晶パネルを光透過状態にするとともに前記役物用光源を点灯して、前記第1液晶パネル越しに役物を観察可能にする役物観察可能状態と、
前記第2液晶パネルを光散乱状態にするとともに前記役物用光源を消灯して、前記第1液晶パネル越しに役物を観察不能にする役物観察不能状態と、を切り換えて制御することを特徴とする弾球遊技機。
(3)の発明によると、遊技盤の前面側に表示面が臨むように設けられた表示装置と、前記表示装置の表示を制御する表示制御装置と、を備える弾球遊技機において、前記表示装置は、遊技に関わる作動をする役物と、前記役物を照明する役物用光源と、前面側を開口して前記役物を収納する役物収納部材と、遊技に関わる映像を表示するとともに、前記役物収納部材の前面側に設けられる第1液晶パネルと、前記第1液晶パネルの裏面側に設けられ、光透過状態と光散乱状態とを切換可能な第2液晶パネルと、前記役物収納部材の上部に設けられ、前記第2液晶パネルの後方側から光を照射する液晶パネル用光源と、を備え、前記表示制御装置は、前記第2液晶パネルを光透過状態にするとともに前記役物用光源を点灯して、前記第1液晶パネル越しに役物を観察可能にする役物観察可能状態と、前記第2液晶パネルを光散乱状態にするとともに前記役物用光源を消灯して、前記第1液晶パネル越しに役物を観察不能にする役物観察不能状態と、を切り換えて制御することを特徴とするので、役物を表示装置筐体内に取り込むことができ、役物による演出及び表示装置による演出を可能にするとともに、表示装置をコンパクトにすることができる。従って、遊技演出を多様にするとともに、遊技球が流下する様子を楽しむための遊技領域を有効活用することができる。さらに、正面又は島間通路にいる遊技者や係員が、液晶パネル用光源を直視することを防止でき、特に透過状態のときに液晶パネル用光源を直視するのを防止できる。
(4)前記役物収納部材は、遊技球が流入する遊技球流入部と、遊技球が流出する遊技球流出部と、を備え、
前記第1液晶パネル及び前記第2液晶パネルを一体に支持する支持体を備え、
前記支持体は、前記役物収納部材と回動可能に軸支され、遊技盤取付状態で開閉可能であることを特徴とする(3)に記載の弾球遊技機。
(4)の発明によると、(3)の発明において、前記役物収納部材は、遊技球が流入する遊技球流入部と、遊技球が流出する遊技球流出部と、を備え、前記第1液晶パネル及び前記第2液晶パネルを一体に支持する支持体を備え、前記支持体は、前記役物収納部材と回動可能に軸支され、遊技盤取付状態で開閉可能であることを特徴とするので、役物内に遊技球が滞留した場合等に表示装置を開くことで滞留球を除去でき、メンテナンス性が優れる。
(5)前記表示装置は、前記表示面の前面側下方に遊技球転動部を備え、
該表示装置の下方には入賞口を備えることを特徴とする(1)から(4)のいずれか一つに記載の弾球遊技機。
(5)の発明によると、(1)から(4)の発明において、前記表示装置は、前記表示面の前面側下方に遊技球転動部を備え、該表示装置の下方には入賞口を備えることを特徴とする。ので、遊技球の転動部、表示面、役物を奥行き方向に重ねて配置することで、センターケースを小型化することができ、遊技者は大きな視線移動を必要とせずに遊技球の動きや遊技演出を追うことができる。